JP2004165492A - ボール搭載装置及びボール搭載方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数個のボール6a、6bを収納するボール容器5a、5bと、ボール容器5a、5b内のボールを真空吸着可能な複数の吸着孔15を有するボール配列部材3と、ボール配列部材3における特定位置でのボール6aの吸着を阻止すべく吸着孔15を覆うマスク部材4とを備える。マスク部材4は、その周縁がボール容器5aの開口端に取付けられ、かつボール配列部材3におけるボール6aの吸着を阻止する吸着孔15に対応する領域に、ボール容器5a側と吸着孔15側との間を通気させる通気部を有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボール搭載装置及びボール搭載方法に関し、詳しくは、基板や半導体素子等のワークの電極に複数の種類のボールを、一度に搭載させるためのボール搭載装置及びボール搭載方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話や携帯情報機器に代表されるように、電子機器の小型化及び軽量化に対する要望が高まっており、それにともなって、半導体装置の小型化及び高密度化が急速に進んでいる。
この目的のために、LSIチップを直接回路基板上に搭載するベアチップ実装や、半導体装置の形状をLSIの形状に極力近づけることによって小型化を図った、いわゆるチップサイズパッケージ(CSP)構造の半導体装置が提案され、図23(g)に示されるようなエリアアレイ型の電極構造の半導体装置が増えている。その製造プロセスを以下に示す。
【0003】
図23は、エリアアレイ型の電極構造を持つ半導体装置の実装プロセスを説明する工程説明図である。同図(a)に示すように、配線部品100と半導体基板101の裏面を熱硬化性樹脂102により接着する。配線部品100は、半導体基板101側には電極103a、その反対側には電極103aから再配線された電極103bがある。次に、同図(b)に示すように、半導体基板101の電極104と配線部品100の電極103aとを、ワイヤ105により接続し、同図(c)に示すように、封止樹脂106による封止を行なう。次に、同図(d)に示すように、電極103bにフラックス107を塗布し、同図(f)に示すように、導電性ボール110を電極103b上に搭載すると、フラックス107の粘性によって、導電性ボール110は仮固定される。この後、同図(g)に示すように、リフロー炉で導電性ボール110を溶融させて電極103bに接合した後、封止樹脂106の外周に沿ってカットして個片化する。
【0004】
図23(d)と(e)の工程の間に、導電性ボール110を搭載する方法の一例として、ボール容器に入れた導電性ボール110を、機械的振動や気流によって空中に浮遊させ、図23(e)に示されるように、真空吸引などの方法で電極103bに対応する吸着孔109を有するボール配列部材108に導電性ボール110を吸着させて保持する方法がある。真空引きの状態でボール配列部材108を半導体装置上に移動して、吸着孔109に吸着された導電性ボール110を電極103b上に搭載する。この方法は、ボール配列部材の全ての吸着孔に同じ種類のボールを保持した状態で、1パッケージ、あるいは数パッケージに、1度にボールを搭載させる方法である。
【0005】
これとは別に、ボール配列部材の吸着孔の全てにボールを吸着させるのではなく、一部にのみボールを吸着させるための方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、ボール配列部材の複数の吸着孔のうち、一部の吸着孔をマスク部材で閉塞させることで、マスク部材で閉塞されていないボール配列部材の吸着孔にのみに、ボールを吸着させて搭載する方法である。マスク部材は吸着孔とは別の真空系でボール配列板に吸着されている。
【0006】
また、近年、半導体装置上の一部の電極において、他の電極上に搭載されるボールとは種類の異なるボールを搭載する必要が生じる場合が出てきている。その例としては下記の▲1▼▲2▼▲3▼のようなものを挙げることができる。
▲1▼ 半導体基板のコーナー部の電極に、サイズが大きい半田ボールを搭載する場合がある。根本的な原因として、個々のバンプにかかる熱応力は一般に半導体の中心から最も遠いコーナー部で大きくなる。半田バンプの体積が大きいほうが応力緩和効果は大きいが、それゆえ、隣接するボールのブリッジの危険性を考慮すると、大きい半田ボールの搭載は通常の電極ピッチよりも大きくできるコーナーへの搭載が望ましいためである。
▲2▼ 半導体基板のコーナー部の電極には樹脂コア半田ボールを搭載し、それ以外の電極には従来の半田ボールを搭載する場合がある。これは、樹脂コア半田ボールは内部の樹脂コアによって応力緩和効果が高いが、半田量が少ないのでリフロー時のセルフアライメント効果が小さく、さらに従来の半田ボールよりも高価である。そこで、熱応力が大きいコーナー部近傍は樹脂コア半田ボールによって応力を緩和し、コーナー部以外は従来の半田ボールを搭載してリフロー時のセルフアライメント性を確保すると共に、低コスト化を図っている。
▲3▼ 種類の異なるボールを搭載する別の例として、最も応力のかかるコーナー部には最も大きい半田ボール、その次に応力のかかりやすいコーナー部の周辺部には中間サイズの半田ボール、それ以外の部分には最も小さい半田ボールというように、3種類搭載することにより、応力緩和効果を向上させている。
このような▲1▼▲2▼▲3▼の要求を満たす方法として、同一ワークに2種類以上のボールを搭載する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これは、複数の吸着ヘッドを用いて、2種類以上のボールを搭載する方法である。この方法では、ボールがn種類あるとき、n回以上のボール搭載動作によって順次搭載する。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−269257号公報
【特許文献2】
特開2001−223234号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、2種類のボールを半導体装置に搭載する場合を仮定して、前記の従来例のプロセスと装置について、詳細に検討する。
まず、特許文献1に記載のボール搭載装置において、これを行うプロセスとして、下記のようなプロセスA−1が想定される。
【0009】
<プロセスA−1>
(a1−1) マスク脱着場にて、真空系A1をONして、マウントヘッドAにて移動可能に保持されたボール配列部材Aにマスク部材A1を吸着する。
(a1−2) ボールA1を収納したボール容器A1までボール配列部材Aを移動させ、真空系A2をONして、ボール配列部材AにボールA1を吸着する。
(a1−3) マスク脱着場までボール配列部材Aを移動させ、真空系A1をOFFして、ボール配列部材Aからマスク部材A1を取り外す。
(a1−4) マスク脱着場にて、真空系A1をONして、ボール配列部材Aにマスク部材A2を吸着する。
(a1−5) ボールA2を収納したボール容器A2までボール配列部材Aを移動させ、真空系A2をONして、ボール配列部材AにボールA2を吸着する。
(a1−6) 半導体装置までボール配列部材Aを移動させ、真空系A2をOFFして、ボール配列部材AからボールA1とボールA2を半導体装置の電極上へ搭載する。
上記プロセスA−1だけでも6工程であり、複雑であるが、実は、このプロセスA−1は実現するのが困難である。即ち、(a1−3)と(a1−4)に記すように、真空系A1を解除してマスク部材A1を外してから、別のマスク部材A2を真空吸引する必要がある。しかし、(a1−2)の工程から(a1−6)の工程までは、真空系A2はボールの吸着状態を維持するために、ON状態となっている。加えて、ボールを吸着させない吸着孔をマスク部材が閉塞している。これらのため、他の吸着孔にボールを吸着している状態では、マスク部材も吸着孔に真空吸引されているので、マスク部材を取り外すことはできない。したがって、実際には、下記に示すプロセスA−2となる。
【0010】
<プロセスA−2>
(a2−1) マスク脱着場にて、真空系A1をONして、マウントヘッドAにて移動可能に保持されたボール配列部材Aにマスク部材A1を吸着する。
(a2−2) ボールA1を収納したボール容器A1までボール配列部材Aを移動させ、真空系A2をONして、ボール配列部材AにボールA1を吸着する。
(a2−3) 半導体装置までボール配列部材Aを移動させ、真空系A2をOFFして、ボール配列部材AからボールA1を半導体装置の電極上へ搭載する。
(a2−4) マスク脱着場までボール配列部材Aを移動させ、真空系A1をOFFして、ボール配列部材Aからマスク部材A1を取り外す。
(a2−5) マスク脱着場にて、真空系A1をONして、ボール配列部材Aにマスク部材A2を吸着する。
(a2−6) ボールA2を収納したボール容器A2までボール配列部材Aを移動させ、真空系A2をONして、ボール配列部材AにボールA2を吸着する。
(a2−7) 半導体装置までボール配列部材Aを移動させ、真空系A2をOFFして、ボール配列部材AからボールA2を半導体装置上へ搭載する。
プロセスA−2は、2種類のボールを搭載する場合のプロセスであるが、ボールの種類が増えるに伴って、ボール1種類につき、(a2−1)から(a2−4)の4工程分ずつ増加する。3種類のボール搭載のためには、11工程も必要となり、ボールの吸着に比べて時間を要する搭載工程は合計3工程必要となる。
また、マスク部材がボール配列部材へ吸着されるときは、X−Y方向のアライメントだけでなく、θのアライメントも要し、アライメントに時間をかけて精度よく行う必要がある。そうでなければ、マスク部材が吸着されるときに、マスクの着脱場からボール配列部材へ移動するので、このときに片あたりしてうまく吸着できないという不具合が生じるからである。
装置構成については、前記特許文献1の図2に示されるように、マスク部材は平板ではなく、広い縁のある箱型の複雑な形状である。マスク部材をボール配列部材に装着させるために、ボール配列部材にボールを吸着する真空系とは異なる別系統の真空系が必要であり、装置の構造が複雑になる。
また、プロセス中にマスク部材を交換するには、前記特許文献1の図1に示されるように、装置にマスク部材の脱着場も設ける必要がある。
【0011】
次に、特許文献2に記載のボール搭載装置において、上述と同様に2種類のボールを半導体装置に搭載する場合これを行うプロセスは、下記のようなプロセスBが想定される。
【0012】
<プロセスB>
(b−1) ボールB1を収納したボール容器B1へ、マウントヘッドB1にて移動可能に保持されたボール配列部材B1を移動させ、真空系B1をONして、ボール配列部材B1にボールB1を吸着する。
(b−2) 半導体装置までボール配列部材B1を移動させ、真空系B1をOFFして、ボール配列部材B1からボールB1を半導体装置の電極上へ搭載する一方、ボールB2を収納したボール容器B2までマウントヘッドB2にて移動可能に保持されたボール配列部材B2を移動させ、真空系B2をONして、ボール配列部材B2にボールB2を吸着する。
(b−3) ボール配列部材B1が半導体装置から退避する一方、半導体装置までボール配列部材B2を移動させ、真空系B2をOFFして、ボール配列部材B2からボールB2を半導体装置の電極上へ搭載する。
プロセスBは、ボール配列部材へのマスクの脱着工程が不要であり、(b−2)と(b−3)の工程でボール配列部材B1とボール配列部材B2が別々に駆動するため、上記プロセスA−2よりも工程数は減少している。したがって、ボールの種類が増えるに伴い、ボール1種類につき、(b−2)の1工程分ずつの増加にとどまり、3種類のボール搭載では4工程となる。
しかしながら、半導体装置へのボールの搭載工程は、正確なアライメント、マウントヘッドの下降制御、搭載荷重制御などが必要なため、ボール吸着よりも時間がかかる。このため、半導体装置へのボールの搭載工程が、2種類のボールでは2工程、3種類のボールでは3工程あるため、タクトタイムが長い。さらに、2回目以降の搭載プロセスである(b−3)において、既に搭載されているボールが、ボール搭載時に吸着孔から噴出する気流により、位置ずれを起こすことがある。
装置構成については、ボール配列部材及びこれを移動可能に保持するマウントヘッドはボールの種類だけ必要であり、その意味でマスクの1種とみなされるが、特許文献2の図5(b)に示すように、半導体装置に既に搭載済みのボールに当たらないよう抉った逃げ凹部を設け、かつ多数の真空吸着孔も設けた複雑な形状のものを作製せねばならない。また、真空系はマウントヘッド毎に必要であるから、ボール搭載装置の構造が複雑になる。
さらに、搭載装置全体の構成を考えると、特許文献2の図1に示すように、マウントヘッドが移動する移動テーブルが必要であるが、ボールの種類が2種類ならば、半導体装置の置かれる可動テーブルが中央になるように1本の直状の移動テーブルを左右に差し渡すように配置し、移動テーブルの右側と左側に、それぞれマウントヘッド(公報では吸着ヘッドと称する)を配置する、という比較的シンプルな構成を取ることができる。しかしながら、ボールの種類が2種類を超えると、様様な不具合が発生する。つまり、ボールの数の増加に伴い、マウントヘッドも増加するためである。ここで、3種類のボールを連続して半導体装置に搭載することを仮定して、その装置構成とそのプロセスを詳細に検討する。
【0013】
図24は、1本の直状の移動路2で構成したボール搭載装置(従来例1)を用いて、ワーク9に連続して搭載するプロセスを示す。移動路2の略中央部直下には半導体装置を保持するワークテーブル7が配置され、左側に3種類のマウントヘッド1a、1b、1cが搭載順に内側から配置され、各マウントヘッド1a、1b、1cにそれぞれボール配列部材3a、3b、3cが取付けられ、各ボール配列部材3a、3b、3cに対応するボール容器5a、5b、5cが下方に設置される。この搭載装置によるボール搭載プロセスでは、先ず、 同図(a)に示すように、ボール配列部材3a、3b、3cは移動路2の左側の初期位置にあり、最初にボール配列部材3aがボール容器5aからボールを吸着する。続いて、同図(b)に示すように、ボール配列部材3aがワーク9の方へ移動し、ボール配列部材3aからボールを開放してワーク9に搭載し、一方、ボール配列部材3bがボール容器5bからボールを吸着した後、右方向へ移動を開始する。そして、同図(c)に示すように、ボール配列部材3aが右側へ退避し、一方、移動してきたボール配列部材3bがワーク9にボールを搭載し、また同時に、ボール配列部材3cがボール容器5cからボールを吸着した後に右方向へ移動をする。その後、同図(d)に示すように、ボール配列部材3bが右側へ退避し、移動してきたボール配列部材3aがワーク9にボールを搭載する。
このようなボール搭載装置では、新しいワーク9へボールを搭載する場合は、図24(d)の状態から図24(a)の状態、即ち、全てのボール配列部材及びマウントヘッドが右側の退避場所から左側の初期位置へ戻らなければ行うことができず、タクトタイムの大きなロスとなる。また、ワークの電極上へはボール搭載前に粘性物質の塗布を通常行うので、3つのボール配列部材が初期位置へ戻るときに一斉にワーク上を通過する際の気流によって、搭載済みのボールが位置ずれするおそれもある。特に粘性物質の粘度が低い場合や粘性物質を使用しない場合は、ボール位置ずれの可能性は大となる。
【0014】
また、3種類のボールを連続して半導体装置に搭載する他のボール搭載装置(従来例2)としては、図25に示すように、複数本の移動路で構成したものが考えられる。このボール搭載装置は、例えば2本の直状の移動路が平行に配置され、手前の移動路2aの左右にマウントヘッド1a、1bが配置され、これに対応するボール容器5a、5bが配置され、奥の移動路2bの右側にマウントヘッド1cが配置され、これに対応するボール容器5cが配置され、各マウントヘッド1a、1b、1cにそれぞれボール配列部材が取付けられている。半導体装置を保持するワークテーブル7は直状の搬送路8を移動して各移動路2a、2Bの方へ移動可能であり、2本の移動路2a、2bのそれぞれの中央部へ各マウントヘッド1a、1b、1cが移動することにより、各ボール配列部材からボールを半導体装置へ受け渡して搭載することができる。
【0015】
また、3種類のボールを連続して半導体装置に搭載する別のボール搭載装置としては、図26の従来例3に示すように、ワークを保持するワークテーブル7は、円環状の搬送路8に移動可能に設置され、搬送路8に対して3本の移動路2a、2b、2cが放射状に配置され、各移動路2a、2b、2cにそれぞれマウントヘッド1a、1b、1cが配置され、各マウントヘッド1a、1b、1cにそれぞれボール配列部材が取付けられ、搬送路8の外側にそれぞれのボール容器5a、5b、5cが配置されている。半導体装置を保持するワークテーブル7は、搬送路8を巡ることにより、各移動路2a、2b、2cの内側部へ移動してきた各ボール配列部材からボールが受け渡されて搭載される。
【0016】
図25、図26のような装置構成とすることにより、一見、マウントヘッドの初期位置への復帰というタクトタイムの大きなロスを避けることができると考えられる。しかしながら、複数箇所でボールの搭載に対応するには、ワークテーブルのボール搭載時に高い精度が要求されるアライメント制御性を保ちながら、ワークテーブルの可動範囲を大幅に広げる必要があり、装置構成として非常に複雑なものとなる。特に、移動路が円環状であるためにワークテーブルが長い距離曲線移動する図26の装置構成では問題になりやすい。また、ワークテーブルが移動する際、既に搭載されているボールが移動による気流や加速度のために搭載ずれをおこす可能性もある。特に図26では移動路が長いので、移動による搭載ずれか、大変なタクトタイムのロスかの選択を迫られることになる。
また、これらのボール搭載装置では、移動路の放射状配置や平行配置のために、装置の奥行き・設備面積がかなり増加してしまう。またこれらに加えて、作業性の問題が発生する。つまり、ボール搭載作業開始時に、必要な治具や材料の設置、動作確認等を作業者が行うことが常となっており、ボール搭載中に何らかの不具合が生じた場合、作業者が設置や動作の確認を手動や半手動で行うことがある。しかし、作業者には、装置の奥の部分は、ボール容器の設置や吸着動作の確認等がし難く、確認作業や修正作業に手間取ることになる。
こうした種々の課題は、ボールの吸着工程と搭載工程の内、搭載工程が、ボールの種類だけ存在することにより発生しているものが多い。
【0017】
本発明は、上記問題点を解決し、ボール配列部材にボールを真空吸着した状態で取り外すことが可能なマスク部材を用いることによって、複数の種類のボールをボール配列部材に吸着させ、一括搭載できるボール搭載装置及びボール搭載方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、複数個の導電性ボールを収納し、かつ導電性ボールを取出し可能な取出し開口部を有する少なくとも1個のボール容器と、ボール容器内のボールを所定の配列で真空吸着可能な複数の吸着孔を有するボール配列部材を備えた吸引手段と、ボール配列部材の複数の吸着孔の内の特定位置の吸着孔へのボールの吸着を阻止すべく吸着孔を閉鎖可能なマスク部材と、吸着孔にボールを吸着させた状態でボール配列部材をワーク上に相対移動させる相対移動手段とを備え、ボール配列部材の真空吸着を解除してボールを開放落下させてワーク上の電極に搭載させるボール搭載装置であって、
前記マスク部材は、その周縁がボール容器のボール取出し開口部の開口端に取付けられ、かつボール配列部材におけるボールの吸着を阻止すべき吸着孔に対応する領域に、吸着孔側と、ボール容器側又はボール容器外部の大気側との間を通気させる通気部を有するボール搭載装置が提供される。
【0019】
このように構造された本発明のボール搭載装置によれば、ボール配列部材はボール容器内のボールを吸着する際にマスク部材に接することとなる。そして、マスク部材に繰り抜き形成されたボール通過孔を通って吸着孔まで達したボールは吸着孔に真空吸着され、マスク部材に覆われている部分ではマスク部材に阻止されてボールが吸着孔に吸着せず、所定のボール配列でボール配列部材にボールが吸着される。この間、マスク部材に覆われている吸着孔には、ボール容器側又はボール容器外部の大気側からマスク部材の通気部を通して空気が送り込まれており、それに加えてマスク部材はボール容器に一体的に取付けられているので、マスク部材はボール配列部材に吸着されることがない。したがって、ボール配列部材とマスク部材とを引き離す際は、同一の真空発生装置にて全ての吸着孔に対して真空引きを行い、かつその内の特定の吸着孔にボールが吸着している状態でも、ボール配列板からボールを脱落させることなくマスク部材を容易に引き離すことができる。また、マスク部材がボール容器に一体化していることにより、装置構造が簡素化されるという利点もある。
【0020】
ここで、本発明において対象となるワークとしては、電極を有するチップやウェハなどの半導体装置や、半導体装置以外の電極を有する各種電子部品等を挙げることができる。なお、例えば、電極間ピッチが0.5mmであるワークに、マスク部材で覆われていない吸着孔に直径0.3mmのボールを吸着して搭載する場合、吸着孔の直径は0.35〜0.45mmの範囲であることが望ましい。
【0021】
また、本発明において使用するボールとしては、Sn−Ag−Cu系半田ボール、樹脂コア半田ボール等が考えられる。樹脂コア半田ボールの構造は、ポリイミドなどの樹脂からなるコアの周囲に銅をメッキし、その上に半田をメッキしたものを代表として挙げることができる。樹脂コア半田ボールは、樹脂コアによって応力緩和をするが、従来の樹脂コアを持たない半田ボールに比べて半田量が少ないためリフロー時のセルフアライメント効果が弱く、また高価である。そこで、熱応力が大きい半導体チップのコーナー部にのみ、樹脂コア半田ボールを搭載することによって、樹脂コアの熱応力緩和効果によって、温度サイクル信頼性を向上させ、リフロー時のセルフアライメント効果はコーナー部以外に搭載された半田ボールによって確保される。また、全ての電極に樹脂コア半田ボールを搭載する場合よりも低コストとなる。
【0022】
本発明において、ボール容器へのマスク部材の固定は、接着剤による固着であってもよいし、ボール容器のコーナー部4箇所や周囲に着脱部を設けてもよい。例えば、真空吸着、磁石による吸着、プッシュピンとその受け部を設けて嵌合、ネジ止め、ボール容器付属のバネ式の押えなどでクリップしてもよい。このときは、ボール配列部材への接触をさけるため、ネジの頭や押えを納めるためのザグリをマスク部材に入れるのが望ましい。
【0023】
本発明において、マスク部材の通気部は、先ずボールが通気部を通過してボール配列部材の吸着孔へ吸着されないようにする必要があり、さらに、通気部にボールが吸着されても吸着孔に通気性が保たれるように配慮するのが望ましい。
例えば、通気部は、マスク部材を貫通してボール容器側と吸着孔側との間を通気させる通気孔からなり、この通気孔は、そのボール容器側の開口部にはボールによる閉鎖を阻止可能な第1通気エリアを有すると共に、吸着孔側の開口部には前記第1通気エリアと連通し、かつボール配列部材の吸着孔に対向する位置で開口する第2通気エリアを有するものであってもよい。具体的には、通気孔は、個々の吸着孔に対して1個が配置され、かつそのボール容器側の開口部がボールの通過を阻止可能な非円形状に形成されているものを挙げることができる。この場合、通気孔はボールが通過できない開口サイズに設定される。
このようにすれば、ボール配列部材へボールを吸着させるとき、マスク部材の通気孔にボールが吸着されても、球形のボールにて通気孔のボール容器側の開口部が完全に塞がれることが無く、隙間である第1通気エリアが形成される。この第1通気エリアは、通気孔におけるボール配列部材の吸着孔側の開口部である第2通気エリアと連通しているため、気流がボール容器側から吸着孔側へ抜ける通気性を容易に確保して吸着孔によるマスクの真空吸着を防止することができる。この場合、通気孔の形状としては非円形状であれば特に限定されず、例えば三角形、長方形、菱形、台形、十字形、星形、その他の多角形、長円形、楕円形、瓢箪形、不定形等を挙げることができるが、その開口サイズはボールが通らないものとされる。
【0024】
また、通気部は、マスク部材を貫通してボール容器側と吸着孔側との間を通気させる通気孔からなり、この通気孔は、ボールの直径よりも小さい孔径及びピッチに形成された複数個の通気小孔からなるものであってもよい。つまり、通気孔をマスク部材に円形状に形成する場合、ボールが通らない径で、かつ隣接する通気孔の両方にボールが吸着しない間隔で、1個の吸着孔に対して複数個に分割配置する。
通気孔をこのように構成することにより、以下の効果が得られる。吸着孔の開口径の直径は、ボールを1個だけ吸着するために、吸着するボールの直径の2倍以下でなければならないので、吸着孔の開口径の半径は吸着するボールの直径よりも小さい。したがって、マスク部材に設けられた通気孔の1つがボールを吸着した場合に、吸着孔の開口径の半径よりも短い間隔、つまり吸着されるボールの直径よりも短い間隔で隣接する別の通気孔は、既に吸着されたボールが邪魔になるために別のボールによって塞がれることはなく、1個の吸着孔に対応する複数個配置された通気孔が全てボールにて塞がれることがなく、それによって吸着孔がマスク部材を真空吸引するのを防ぐことができる。
【0025】
また、通気部は、マスク部材の厚みを通り抜けてボール容器外部の大気側と吸着孔側との間を通気させる通気孔からなるものであってもよい。つまり、この通気孔は、マスク部材におけるボール配列部材の吸着孔側の面に、大気導入口と大気流出口の両方を有し、大気流出口はボールの吸着が阻止される吸着孔に対向する位置に配置され、大気導入口は吸着孔の真空吸引が及ばず、かつボール配列部材にて塞がれない位置に配置され、この二つの大気導入口と大気流出口はマスク部材の厚み内部に形成された断面形状略U字形の連通孔によって連通されている。
このように構成することによって、ボール容器内のボールを、マスク部材に吸着させることなく、ボール配列部材の吸着孔に吸着させることができる。
【0026】
また、通気部は、通気性を有する素材からなるものであってもよい。つまり、マスク部材の少なくとも通気性を与えたい部分に対しては通気性のある素材を用いることである。通気部の素材として具体的には、例えば、繊維を板状や、織布状・編布状・不織布状などの布状に成形したもの、多孔性のセラミックスやプラスチック等を挙げることができる。繊維は、生物由来のものであってもよいし、合成繊維やガラス繊維などであってもよい。また、通気性のある素材は、マスク部材におけるボールの吸着孔への吸着を阻止する部分のみに用いてよいし、マスク部材全体に用いてもよい。
このようにすれば、微小なボールの直径よりも小さな通気孔を形成するのが困難な場合でも、織布状や不織布状等の通気性を有する素材からなるマスク部材ならば、孔あけ加工する必要がないので、微小なボールに対してボール配列部材の吸着孔を閉鎖する場合に好適である。
【0027】
また、本発明において、マスク部材は、その厚み方向で上記繊維素材の構成を変えてもよい。例えば、吸着孔側を密にして硬質に、ボール容器側を粗にして軟質にすると、マスク部材の剛性を保ちながら、吸着孔へは吸着されはしないが機械的振動や気流によって空中に浮遊させられたボールがマスク部材に勢いよく衝突しても、変形したり表面が傷むことを防止することができる。
【0028】
また、マスク部材は、導電性物質からなるものであってもよい。具体的には、導電性の樹脂プレート、金属プレート、金属繊維や導電性樹脂繊維からなるプレート、多孔性セラミックスや多孔性プラスチック等のプレート表面に導体を施したもの等から構成されたマスク部材を挙げることができる。
このようにすれば、マスク部材の材質が導電性物質なので、マスク部材の電位をゼロにすることができ、帯電によってボール容器内の導電性ボールがマスク部材に吸着することを防ぐことができる。つまり、マスク部材が帯電していると、機械的振動や気流によって空中に浮遊させられたボールが、マスク部材のボール容器側の面に静電気によって付着し、真空解除しても吸着したままとなる場合や、ボールが塊状にマスク部材に付着する場合があり、ボール配列部材へのボールの吸着を阻害してしまうという問題を引き起こすが、これを防ぐことができる。
【0029】
本発明において、ボール容器又は/及びマスク部材は、ボール配列部材とマスク部材を引き離すに際してボール容器内に外部の大気を導入する通風孔を有するものとしてもよい。
このようにすれば、ボール配列部材の特定の吸着孔にボールを吸着した後、ボール配列部材とマスク部材を引き離すに際して、外部から通風孔を介してボール容器内に大気が流入して内圧が大気圧に戻るので、よりスムースな引き離しを行うことができる。
【0030】
また、本発明のボール搭載装置は、2個以上のn個のボール容器と、(n−1)個のマスク部材とを備えたものとすることができる。
このように構成することにより、複数のボール容器から順次、ボール配列部材にボールを吸着させていくと、2番目以降のボール容器では、既に吸着されたボールを吸着孔に保持したまま、ボールが吸着されていない吸着孔の内のマスク部材にて覆われていない吸着孔にボールを吸着させることができ、最後にマスク部材を備えていないボール容器では、ボールが吸着されていない残り全ての吸着孔にボールを吸着させることができる。つまり、一つのボール配列部材にて複数種類のボールを所定の配列で順次吸着していくことに加え、この間ボール配列部材におけるマスク部材の脱着動作が不要であり、その後、ボール配列部材にて吸着保持したボールを一度にワークの電極上に搭載することができるため、ボールの種類が増加しても時間のかかる搭載工程は1回で済む。したがって、ワーク1個当たりのタクトタイムが短縮し、作業効率が大幅に向上すると共に、装置構造の簡素化も図ることができる。さらに、マスクをボール配列部材に吸着する(従来必要であった)真空系が本発明では不要となり、より装置構造が簡素化され、設備コストを低減することができる。
【0031】
また、本発明のボール搭載装置は、ワークを保持するワークテーブルと、ワークテーブルにて保持されたワークの上を横切るボール配列部材用移動路とをさらに備え、ワークテーブルを略中央位置として前記移動路の一方側下方に複数個のボール容器が並列されると共に、移動路の他方側下方に他の複数個のボール容器が並列され、さらに、移動路の一方側の複数個のボール容器からボールを真空吸着する第1のボール配列部材と、移動路の他方側の複数個のボール容器からボールを真空吸着する第2のボール配列部材と、第1のボール配列部材と第2のボール配列部材を独立に駆動制御して移動路を移動させボール吸着搭載動作を行わせる制御部とを備えたものとするのもよい。
このように構成することによって、第1のボール配列部材にて吸着した複数種類のボールをワークに搭載する間に、第2のボール配列部材にて複数種類のボールを吸着していき、第1のボール配列部材がワークテーブルから後退した後に第2のボール配列部材にて吸着した複数種類のボールを次のワークに搭載し、この間第1のボール配列部材は再び複数種類のボールを順次吸着していくというように、同一の移動路及びワークテーブルを共用してボール搭載プロセスを二つのラインで進めることができるので、装置の奥行き・設置面積をそれほど大きくすることなく生産性を向上することができる。なお、この場合、ワークテーブルにワークを設置し、かつボール搭載後のワークをワークテーブルから取出すワーク設置取出し手段を設けて自動化するようにしてもよい。
【0032】
さらに、このボール搭載装置においては、ボール配列部材用移動路と略直交する方向に延びるワークテーブル用搬送路をさらに備え、この搬送路に2台のワークテーブルを制御部により移動可能に設置するようにしてもよい。
このように構成すれば、ボール搭載後のワークをボール搭載位置から後退させると同時に、次のワークをボール搭載位置に迅速に移動させることができるので、ワークの取出しと設置にかかるロスタイムを短縮してより生産性を上げることができる。
【0033】
また、本発明は、別の観点によれば、上述のボール搭載装置を用いるボール搭載方法であって、
2個以上のボール容器の内の少なくとも1個のボール容器に、他のボール容器内のボールと種類の異なるボールを入れ、かつ少なくとも1個のボール容器にマスク部材を取付け、その後、ボール配列部材にて各ボール容器から順次ボールを吸着させていき、複数種類のボールを各吸着孔に所定の配列で真空吸着し、複数種類のボールをワークの電極上に一度に搭載するボール搭載方法が提供され、複数種類のボールを搭載するプロセスが一度の搭載動作で行えて作業効率を大幅に向上することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳説する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。
【0035】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1のボール搭載装置を示す構成図であり、図2同実施の形態1におけるマスク部材にボール配列部材が接した状態を下方から見た図であり、図3は同実施の形態1におけるボール配列部材にボールを吸着した状態を下方から見た図であり、図4は同実施の形態1におけるマスク部材の通気孔の大きさと配置を示す説明図であり、図5は同実施の形態1におけるボール搭載プロセスを説明する工程説明図である。
【0036】
この実施の形態1のボール搭載装置は、例えばウェハプロセスCSPのダイシング前のウェハやエリアアレイ型の電極構造を持つCSPなどのワーク9の電極10上に、導電性のボール(例えば半田ボール)を搭載するものである。このボール搭載装置は、2種類の導電性ボール6a、6bをそれぞれ収納する2個のボール容器5a、5bと、各ボール容器5a、5b内のボール6a、6bを所定の配列で真空吸着可能な複数の吸着孔15を有するボール配列部材3を備えた吸引手段と、ボール配列部材3における特定位置でのボール6aの吸着を阻止すべく吸着孔15を覆うマスク部材4とを備える。さらに、ボール搭載装置は、ワーク9を設置するワークテーブル7と、ボール配列部材3とワーク9とを相対的に移動させる相対移動手段Mと、ワーク9の電極10上に粘性物質を転写する転写機構Tと、ワークテーブル7を移動可能に設置するワークテーブル用搬送路8と、ワークテーブル7を往復移動させる図示しないワークテーブル移動機構とを備える。
【0037】
相対移動手段Mは、支持部材(図示省略)にて支持されて真っ直ぐ水平方向に延びるボール配列部材用移動路2と、この移動路2に沿って移動可能に設けられたマウントヘッド1と、マウントヘッド1を往復動させるマウントヘッド駆動機構と、マウントヘッド駆動機構を制御する制御部Cを備える。マウントヘッド駆動機構としては、例えばチェーン・スプロケット機構、ラック・ピニオン機構、ボールねじ機構、シリンダ機構等の公知の往復動機構にて構成することができる。
また、ワークテーブル用搬送路8としては、例えばリニアガイドのようなスライド機構が、ボール配列部材用移動路2の長手方向略中間位置に、かつ略直交する方向に敷設されている。ワークテーブル移動機構としては、上記公知の往復動機構を採用することができる。なお、ワークテーブル用搬送路8の近傍に、ワークテーブル7上にワーク9を設置しかつ取出すワーク設置取出手段を設けてもよい。
【0038】
吸引手段としては、上記ボール配列部材3と、真空発生装置と、真空発生装置とボール配列部材3とを連通連結する配管と、配管の途中に設けられて真空発生装置側と大気側に切り換える切換弁等を備える構成を一例として挙げることができる。
ボール配列部材3は、その下面側のボール配列板にボールを吸着するための複数個の吸着孔15が形成されている。この場合、5×5の合計25個の吸着孔15が形成されている。この吸着孔15は、その開口部がボール6a、6bの直径よりも大きく逆テーパ状に拡径している。また、ボール配列部材3は、ボール配列板の周縁が上方へ立ち上がった周囲壁となって上方へ開口する凹部が形成されており、その周囲壁の上端がマウントヘッド1の下部の昇降可能な昇降部1aに取付けられている。
【0039】
ボール容器5a、5bは、それぞれ上方開口箱型に形成されており、ボール配列部材用移動路2の一端側の直下位置に並列して配置されている。これら2個のボール容器5a、5bの内、移動路2の端部側のボール容器5aのボール取出し開口部の開口端には、後述するマスク部材4の周縁が密着して取付けられている。また、各ボール容器5a、5bは、水平面方向に設置位置が微調整されるよう図示しない位置調整手段に取付けられている。なお、ボール容器5aには例えばSn−Ag−Cu系半田ボールが、ボール容器5bには例えば樹脂コア半田ボールがそれぞれ収納される。
【0040】
転写機構Tは、ボール配列部材用移動路2の他端側の直下位置に配置された粘性物質14を設置するステージ11と、粘性物質14を覆うようにステージ11上に設けられたスキージ17と、移動路2に移動可能に設けられたピントランスファー12と、ピントランスファー12の下部の昇降部12aに取付けつけられた転写ピン13と、ピントランスファー12を往復移動させる図示しない往復動機構とを備える。なお、ピントランスファー12は、ボール配列部材用移動路2とは別の移動路に取付けてもよい。
【0041】
マスク部材4は、例えば金属プレートからなり、その外形はボール容器5aの上面外形と略等しい大きさ、形状に形成され、その下面の周縁がボール容器5aの開口端に接着剤等により略隙間無く取付けられている。このマスク部材4は、ボール吸着工程時にボール配列部材3が近接乃至接触した状態で、ボール配列部材3における特定の吸着孔15を塞ぐものであり、その特定の吸着孔15に対応する領域に、ボール容器5a側と吸着孔15側との間を通気させる通気部16を有すると共に、その他の吸着孔15に対応する領域にはボール6aを通過させるボール通過孔18を有している(図1、図2参照)。この場合、ボール配列部材3のコーナー部4個の吸着孔15をマスク部材4にて覆い、その他の吸着孔15に対して開口するボール通過孔18が形成されている。
【0042】
また、マスク部材4の通気部16は、マスク部材4を面に対して垂直に貫通してボール容器5a側と吸着孔15側との間を通気させる円形の通気孔16aからなり、図4(a)に示すように、1個の通気孔16aは、ボール6aの直径D0よりも小さい孔径D1に形成されている。さらに、通気孔16aは、1個の吸着孔15に対してボール6aの直径D0よりも小さい間隔Pで、中心に1個周囲に4個の合計5個に分割配置されている。なおかつ、吸着孔15の領域内に全ての通気孔16aが一部でも含まれるように配置される。例えば、ボール6aの直径D0が0.3mmの場合、通気孔16aの孔径D1は0.12mm、通気孔16aの中心の相互間隔Pは0.18mmに設定される。つまり、上記間隔Pとすることにより、ある一つの通気孔16aにボール6aが吸着して塞いでも、このボール16aが邪魔となって隣の通気孔16aに他のボールが吸着できず、通気性が確保された通気孔16aが残されるようにしている。
また、1個の吸着孔15に対応する通気孔16aの数は5個に限らず、図4(b)に示す如く2個でもよく、例えば、0.5mmピッチで開口径0.4mmの吸着孔15を有するボール配列部材3を用いて直径0.3mmのボール6aを搭載する場合、孔径0.1mmの通気孔16を2個設け、通気孔16の相互間隔Pは0.15mmに設定する具体例を挙げることができる。なお、円形の通気孔16aの数はこれらに限定されず、3個、4個あるいは6個以上であってもよいが、ボール6aを通さない孔径で、かつ何れかの通気孔16aは通気性が確保される相互間隔に設定される。
【0043】
次に、図1〜図5を参照してボール搭載プロセスを説明すると共に、装置構造を補足説明する。
先ず、マウントヘッド1をボール容器5a上に移動させ、ボール配列部材3の下面がボール容器5aに設けられたマスク部材4に接するまでボール配列部材3を下降させる。このとき、ボール容器5aの位置は予め調整してあるので、マスク部材4は、図5(a)に示す如くボール配列部材3の所定の吸着孔15の開口部を覆う状態となる。次いで、ボール配列部材3の内部を真空吸引して、マスク部材4によって覆われていない吸着孔15の全てにボール6aを真空吸着させる。このとき、マスク部材4にて覆われた吸着孔15は、ボール6aの吸着が阻止され、かつボール容器5a側から通気孔16aを介して気流が流入し、それによってマスク部材4の吸着も防止されている。また、マスク部材の材質を導電性物質とすることによって、マスク部材の電位をゼロにし、帯電によってボールがマスク部材の下面に吸着することを防止できる。なお、ボール容器5aの周囲壁に空気導入口を形成し、外部の空気を自然流によって、あるいは強制的にボール容器6a内に送り込んでボール6aを気流により浮遊させるようにしてもよい。その後、ボール6aを吸着保持したまま(真空引きしたまま)、ボール配列部材3を上昇させ、図1に示すようにボール容器5b上に移動させる。
【0044】
次に、ボール配列部材3を下降させ、上述と同様に、ボール6bを気流などにより浮遊させて、マウントヘッド1の内部を真空吸引して、図5(b)に示す如くボール6aが吸着されていない全ての吸着孔15にボール6bを真空吸着させる(図3参照)。その後、ボール配列部材3の全ての吸着孔15に所定の配置でボール6a、6bを吸着させたまま、ボール配列部材3を上昇させる。そして、図5(c)に示すように、ボール配列部材3をワークテーブル7上に移動する。
【0045】
以上の工程と並行して、ワークテーブル7上では、ワーク9が設置され、ワーク9の電極10上に転写機構Tによりフラックスなどの粘性物質14が塗布されている。この粘性物質塗布工程を具体的に説明すると、先ずステージ11上の粘性物質14をスキージ17によって一定の厚さに均す。次に、ピントランスファー12をステージ11上に移動させ、転写ピン13を下降させて、転写ピン13の先端をステージ11上の粘性物質14に押し付ける。その後、転写ピン13を上昇させ、ピントランスファー12をワーク9上に移動し、転写ピン13の位置とワーク9の電極(ランド)10の位置を合わせる。転写ピン13を下降すると、転写ピン13の先端に付着した粘性物質14が電極10上に転写される。なお、粘性物質14を電極10に付着させる方法として他には、ボール配列部材3に吸着保持されているボール6a、6bの先端に粘性物質14を塗布し、そのままワーク9上にボール6a、6bを搭載する方法なども採用することができる。
【0046】
次に、ワークテーブル7上に移動したボール配列部材3を下降させ、マウントヘッド1内部の真空吸引を解除し、マウントヘッド1内部の圧力を常圧、あるいは陽圧に切換えて、ボール配列部材3からボール6a、6bを開放し、粘性物質14が塗布されたワーク9の電極10上にボール6a、6bを搭載する。すると、図5(d)に示すように、粘性によってボール6a、6bは電極10上に仮固定される。マウントヘッド1内部の圧力を切り替えるときに、ボール6a、6bは、電極10と接触していても接触していなくてもよい。しかし、ボール6a、6bと電極10は接触せず、電極10上に塗布された粘性物質14とボール6a、6bが接している状態で、マウントヘッド1内部の圧力を負圧から陽圧に切り替えることが好ましい。この場合、ボール6a、6bが落下途中で気流などによって位置ずれを起こすことや、ボール6a、6bを押し付けることでワーク9がダメージを受けることが避けられる。
以上のプロセスをまとめると以下のようになる。
【0047】
<実施の形態1のプロセス>
(1) ボール6aを収納したマスク部材4を備えたボール容器5aまでマウントヘッド1を移動させ、真空系をONして、ボール配列部材3にボール6aを吸着する。
(2) ボール6bを収納したボール容器5bまでマウントヘッド1を移動させ、同真空系をONのまま、ボール配列部材3にボール6bを吸着する。
(3) ワーク9までマウントヘッド1を移動させ、同真空系をOFFして、ボール配列部材3からボール6aとボール6bをワーク9上へ搭載する。
なお(1)〜(3)におけるマウントヘッド1の移動は制御部Cによって制御されている。
上記実施の形態1のプロセスは、2回の吸着工程と1回の搭載工程からなる。また、ボールの種類が増えるに伴って、ボール1種類につき、(2)の1工程分ずつの増加にとどまる。前述した従来のプロセスBと比較すると、工程数は同一であるが、特に時間のかかる搭載工程は、(3)の1工程のみであるため、タクトタイムを短縮することができる。
【0048】
[実施の形態2]
実施の形態2のボール搭載装置は、図6に示すように、マスク部材を備えたボール容器を2個以上備えたものであり、その他の構成は実施の形態1と同様であり、同一の要素には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0049】
具体的には、実施の形態2では、3個のボール容器5a、5b、5cが並列して配置され、その内のボール配列部材用移動路2の一端側の2個のボール容器5a、5bの開口端にそれぞれマスク部材4a、4bが一体状に取付けられている。この場合、ボール容器5aのマスク部材4aは、ボール配列部材3の中心の吸着孔15のみに開口するボール通過孔を有するものとなる。また、ボール容器5bのマスク部材4bは、図7に示すように複数個の吸着孔15の内のコーナー部4箇所を覆うもの(図2参照)か、あるいは図8に示すようにコーナー部4箇所と、既にボール6aが吸着された中心の吸着孔15を覆うものとなる。図8のマスク部材4の場合、前工程で搭載済みのボール6aの吸着孔15からの突出量Kよりもマスク部材4が厚ければ、マスク部材4が搭載済みのボール6aと接触しないように吸着孔15側に凹部27を設けるようにしてもよい。その場合、凹部27からボール容器側へ通じるボールが通らない抜け孔20を設けてもよい。
【0050】
このようなボール搭載装置の搭載プロセスでは、図6〜図9に示すように、先ず、ボール容器5aにおいてボール配列部材3の中心の吸着孔15に1個のボール6aが吸着し、ボール容器5bにおいてボール配列部材3の残りの吸着孔15の内のコーナー部4個の吸着孔15を除く全ての吸着孔15にボール6bが吸着し、ボール容器5cにおいて残り全て(コーナー部4個)の吸着孔15にボール6cが吸着する。その後、ボール配列部材3から一度に全てのボール6a、6b、6cをワーク9上に搭載する。このように、3種類のボールを4工程で搭載でき、特に時間のかかる搭載工程は、1工程のみであるため、タクトタイムが短い。
すなわち、ボール容器が全部でn個ある場合に、その内の(n−1)個のボール容器にマスク部材を設けたボール搭載装置は、最高でn種類のボールをボール配列部材3に吸着保持し、一度に搭載することができる。つまり、ボールの種類が増加しても、時間のかかる搭載工程は1工程のままであるため、タクトタイムが短く、ワーク1個当たりのボール搭載プロセスを短縮することができる。
装置構成については、ボールの種類がいくら増えても、ボール配列部材用移動路2は1本の直状の構成とすることができ、ワークテーブル7の稼動範囲を広げる必要は無く、装置の構成として非常にシンプルなものとすることができる。また、ワーク9上にボールを搭載した状態では、ワークテーブル7は大きな移動を行わないため、気流や加速度によるボールの搭載ずれも発生しないことは、いうまでもない。また、装置は直状の構成となっているので、装置の奥行きを浅くすることができ、設備面積の増加も、移動路方向のボール容器設置長さ程度分ずつに留まる。時間のかかる搭載工程は、ボールの種類数に関わらず、1工程のみであり、従来例の装置構成で検討したような移動路やワークテーブルの無駄な移動がないため、タクトタイムの増加は吸着工程の増加分のみに留まる。
さらに、吸着と搭載の動作が行われる部分は、移動路2に沿って直状に配置することができるので、作業者は、治具や材料の設置、動作確認の作業を、容易に行うことができる。
【0051】
[実施の形態3]
図10は本発明の実施の形態3のボール搭載装置を示す概略構成平面図である。この実施の形態3は、相対移動手段Mが、ワークテーブル7にて保持されたワークの上を横切るようにボール配列部材用移動路2を延長され、ワークテーブル7を略中央位置として移動路2の一方側下方に複数個のボール容器5a、5b、5cが並列されると共に、移動路2の他方側下方に他の複数個のボール容器5a、5b、5cが並列され、さらに、移動路2の一方側の複数個のボール容器5a、5b、5cからボールを真空吸着する第1のボール配列部材3a及びこれを移動させるマウントヘッドと、移動路2の他方側の複数個のボール容器5a、5b、5cからボールを真空吸着する第2のボール配列部材3b及びこれを移動させるマウントヘッドとを備える。この第1のボール配列部材3aと第2のボール配列部材3bは、図示省略の制御部によって独立に駆動制御されて移動路2を移動してボール吸着搭載動作を行う。この場合、3種類で一組のボール容器5a、5b、5cが搭載順に外側から左右対称に配置されており、左右外側のボール容器5a、5a及びその隣のボール容器5b、5bにはそれぞれマスク部材が取付けられている(図6参照)。
【0052】
この実施の形態3によるボール搭載プロセスでは、第1のボール配列部材3aにて複数種類のボールを順次吸着し、これに遅れて第2のボール配列部材3bにて複数種類のボールを順次吸着し、第1のボール配列部材3aがワークテーブル7上まで移動してワークにボールを搭載し、第1のボール配列部材3aがワークテーブル7から後退し、かつ図示しないワーク設置取出し手段にてワークテーブル7上のワークが次のワークと取り替えられ、その後、第2のボール配列部材3bがワークテーブル7上まで移動してワークにボールを搭載するという動作が繰り返される。なお、ワークテーブル7に設置されるワークには図示省略した転写機構により予め粘性物質が塗布されている。
このように、第2のボール配列部材3bがボール容器へ順次移動しながらボール6順次吸着していく間に、第1のボール配列部材3aが移動、下降、搭載、退避を行い、一方ワークテーブル7では新しいワークの入替えを行うことができるので、ワーク1個当たりのタクトタイムを、ボール配列部材及びマウントヘッドが1つの場合よりも大幅に短縮することができる。
【0053】
[実施の形態4]
図11と図12に示すように、実施の形態4のボール搭載装置は、上記実施の形態3においてボール配列部材用移動路2と略直交する方向に延びるワークテーブル用搬送路8をさらに備え、この搬送路8に2台のワークテーブル7a、7bを移動可能に設置したものである。また、このボール搭載装置には、図示しない制御部によって駆動制御されるワークテーブル移動機構が設けられており、搬送路8の両端側から移動路2の直下のボール搭載位置へ各ワークテーブル7a、7bが往復動する。なお、ワークテーブル移動機構の制御部は、相対移動手段Mの制御部と共通のものであっても、あるいは別のものであってもよい。
【0054】
図12(a)は、左側のボール配列部材3aがボール容器5aからボールを吸着する一方、3種類のボール吸着を済ませた右側のボール配列部材3bが、搭載工程のうち、ワーク9上まで移動した状態を示している。同図(b)は、左側のボール配列部材3aがボール容器5bからもボールを吸着し終えてボール容器5cへ移動する一方、右側のボール配列部材3bが、搭載工程のうち、ワーク9上へ下降してボールを搭載する状態を示している。同図(c)は、左側のボール配列部材3aがボール容器5cからもボールを吸着し終えて吸着工程を終える一方、ボール搭載工程を済ませた右側のボール配列部材3bが右方へ退避していく状態であり、また同時に、ワークテーブル7から図示しないワーク設置取出し手段がボール搭載済みのワーク9aを取り外し、新しいワーク9bをワークテーブル7へ搭載した状態を示している。同図(d)は、左側のボール配列部材3aがワーク9b上にボールを搭載する一方、右側のボール配列部材3bが次のワークのために順次ボールを吸着している状態を示している。
【0055】
この実施の形態4によるボール搭載プロセスでは、実施の形態3と同様に、第1のボール配列部材3aと第2のボール配列部材3bにより各々吸着工程と搭載工程が行われることに加え、一方のワークテーブル7aが搬送路8のボール搭載位置に停止している間に、他方のワークテーブル7bは待機位置でワークの取り替え、さらには粘性物質の塗布を行うことができる。したがって、ボール搭載位置からボール搭載済のワークを後退させ、次のワークをボール搭載位置に供給するまでのロスタイムを短縮させることができ、ワーク1個あたりのタクトタイムをより一層短縮することができる。
【0056】
[実施の形態5]
図13は本発明の実施の形態5におけるボール容器内部を示す断面図である。上記実施の形態では、ボールをボール容器内で気流により浮遊させる場合を説明したが、この実施の形態5のようにプレ配列板23を用いてもよい。この場合、プレ配列板23は、マトリックス状などに浅いくぼみ22が設けられている。また、ボールを載せるときは、プレ配列板23は下降位置にあり、ボール容器5のボール導入口24からシャッタ機構26を通過して送られて来たボール6bを受けることができ、ボール6bを載せながら揺動上下動駆動機構25にて上昇することにより、ボール配列部材3に概ね対応した位置にあるくぼみ22にボール6bを配列させることができる。なお、各くぼみ22において、左側と右側の形状が異なるのは、プレ配列板23にボールが載った後、プレ配列板23上の過剰なボールをボール導入口24へ排出する際に、ボール導入口24が左側にあるので、揺動上下動駆動機構25にてプレ配列板23を左肩下がりに傾けるので、この際に各くぼみ22に1個ずつ乗ったボールまでもが転がり落ちないようにするためである。
【0057】
図13は、ボール6bが配列したプレ配列板23が、ボール容器5内の揺動上下動駆動機構25によりマスク部材4に当たらない程度に上昇し、真空引きにより吸着孔15へ吸い上げられる直前の状態を示している。予めボール6bが配列されているので、直上へ吸い上げるだけで済み、吸着すべき全ての吸着孔15へ吸着させるために要する時間を短くできる。また、1個の吸着孔15に対して1個のボールが供給されるため、吸着孔15に対してかなり小さいボールを用いても、複数のボールがひとつの吸着孔15に吸着されることがなくなる。なお、図13では一つのボール容器5についてのみ説明したが、ボール搭載装置の全てのボール容器あるいは特定のボール容器にプレ配列板23や上下動駆動機構25等を備えた上記機構を設けることができる。なお、上下動駆動機構25としては、例えばプレ配列板23の下面のボール導入口24側とその反対側の2箇所に昇降可能に支持するシリンダを設け、各シリンダを独立に伸縮制御する構成を一例として挙げることができる。
【0058】
[実施の形態6]
本発明は、実施の形態6を示す図14のように、マスク部材4のボール通過孔18を、搭載済みのボールや搭載しようとするボールにマスク部材4で当たらないような大きさで開口した、複数に区分けされたものとしてもよい。同図(a)のマスク部材4は、正方形のボール通過孔18が中央に1箇所と、その周囲の通気部16間4箇所に長方形のボール通過孔18が設けられている。同図(b)のマスク部材4は、ボール配列部材の吸着すべき個々の吸着孔に対応するボール通過孔18が設けられている。このようにマスク部材4を構成することにより、各ボール通過孔18間の部分が補強部となってマスク部材4の剛性を向上させることができる。なお、図14(b)のマスク部材4では、通気部16の通過孔16aが十字形に形成されたものであり、これについては後述する。
【0059】
[実施の形態7]
上記実施の形態では、マスク部材の通気部が円形の通気孔からなる場合を例示したが、実施の形態7を示す図15のように、通気孔16aは、非円形状に形成されていてもよい。この場合、個々の吸着孔に対して1個の通気孔6aが配置される。なお、図15において、28はボール外形を表している。
【0060】
図15(a)の通気孔6aは長方形であり、同図(b)の通気孔6aは正三角形であり、同図(c)の通気孔6aは十字形である。このように、平面的に見て、点線で示されるボール外形28と実線で示されるこれら各種形状の通気孔6aの外形との関係においては、前者が後者を内包することがないエリアを有している。つまり、通気孔6aにおける少なくともボール外形28の外側エリアは、ボールによって塞がれることがない通気エリアであるため、吸着孔のボール容器に対する通気性を確保することができる。なお、図15(a)(b)(c)では、通気孔16aの中心とボール外形28の中心とが一致した状態を示しているが、これがずれても通気孔6aは塞がれることがない。この通気エリアは、通気孔6aの形状が変わっても存在するため、通気性確保が可能である。
【0061】
[実施の形態8]
上記実施の形態7では、平面的に見てマスク部材の通気孔の外形にはボール外形によって内包されないエリアを有する場合を説明したが、実施の形態8を示す図16のように、平面的に見て通気孔16aは、その外形がボール外形28によって内包されるものであってもよく、このような場合であっても断面的な関係に注目すれば、吸着孔15からボール容器への通気性を確保することができる。
【0062】
十字形の通気孔16aを例にとって説明すると、ボール容器側において通気孔16aの中心付近のポイントA、B、C、Dにボール外形28の一部が接することによって、ボール容器側の開口がある平面Eにおいて、通気孔16aの一点鎖線(図16の上半部参照)の内側はボールによって塞がれているが、一点鎖線の外側エリア(斜線領域)は塞がれていない(図16の下半部参照)。また、この図15では、吸着孔15の中心と通気孔16aの吸着孔15側の開口中心とは、ずれた状態を示している。このようなときでも、通気孔16aは1つであるから、吸着孔15側の通気孔16aの開口全ての部分に対して、一点鎖線の外側エリアは通じており、吸着孔側の開口があるF面において、通気孔16aの開口には、吸着孔15の一部に重なっているエリアが存在している。このため、吸着孔15が塞がれてしまうことはない。つまり、通気孔16aは、そのボール容器側の開口部のボールによる閉鎖を阻止可能な第1通気エリア(斜線領域)を有すると共に、吸着孔15側の開口部には第1通気エリアと連通し、かつ吸着孔15に対向する位置(重なった位置)で開口する第2通気エリアを有する。なお、実施の形態8では十字形の通気孔16aの場合を例示したが、球形のボールに対しては非円形状であればどのような形状でも通気孔には通気エリアが形成される。
【0063】
[実施の形態9]
上記実施の形態1〜8では、マスク部材の通気孔は、例えば図17(a)(b)に示すように、マスク部材4の主面(ボール容器側)に対して垂直な内壁を持つ断面形状を持ち、ボールを吸着すべきでない部分の吸着孔の直下に形成され、ボール配列部材側の開口の位置とサイズがボール容器側の開口の位置とサイズと一致するものであった。しかし、ボールを搭載すべきでない部分の吸着孔に通じていれば、実施の形態9を示す図17(c)〜(h)のように、ボール配列部材側の開口の位置とサイズが、ボール容器側の開口の位置とサイズと一致していなくてもよい。なお、図17において、両端矢印は通気孔の最狭部のサイズを示している。
【0064】
例えば、図17(c)は、ボール容器側の開口が1ヵ所で、吸着孔側の開口部が複数となっている通気孔16aである。同図(d)の通気孔16aは、ボール容器側の開口部から厚み中間にかけて広く、厚み中間から吸着孔側の開口部にかけて狭くなっている。同図(e)の通気孔16aは、ボール容器側の開口位置と吸着孔側の開口位置がずれており、各開口部の径よりも小さい径の連通孔が面と平行に厚みを通り抜けて両開口部を連通している。同図(f)の通気孔16aは、ボール容器側の開口部及び吸着孔側の開口部から厚み中間にかけて逆テーパ状に狭くなっている。同図(g)の通気孔16aは、ボール容器側の開口部から吸着孔側の開口部にかけて逆テーパ状に広くなっている。同図(h)の通気孔16aは、ボール容器側の開口位置と吸着孔側の開口位置がずれており、各開口部の径よりも小さい径の連通孔が面に対して斜めに厚みを通り抜けて両開口部を連通している。このように、通気孔16aは、ボール配列部材とボール容器のマスクが引き離されるときに、ボールが通気孔16aを通り抜けてボール配列部材へ吸着されないよう、最狭部がボール直径よりも小さいことと、塞がれない部分から吸着孔まで通気されている条件を満たせば、各種断面形状を採用することができる。なお、マスク部材4に対して垂直に単純な断面形状の通気孔16aを設けた図17(a)と(b)の断面形状が、マスク部材の製作やボール吸着工程の上で、望ましい。
【0065】
[実施の形態10]
また、本発明の実施の形態10では、図18に示すように、マスク部材4の通気孔16aは、マスク部材4の厚みを通り抜けてボール容器5外部の大気側とボール配列部材3の吸着孔15側との間を通気させるものであってもよい。つまり、通気孔16aは断面U字形であって、吸着孔15側の面における吸着孔15に対応する位置と、吸着孔15からの真空引きが作用せず、かつボール配列部材3にて塞がれない位置にそれぞれ開口部を形成する。この場合、吸着すべきでない部分では、ボール容器側に孔が無いため、その部分へのボールの吸着は起こらない。
【0066】
[実施の形態11]
図19は、本発明の実施の形態12におけるマスク部材を示し、同図(a)は平面図であり、同図(b)は断面図である。この実施の形態11のマスク部材4は、通気部16が、通気性を有する素材からなるものである。具体的に、このマスク部材4は、ボールのエリアアレイに対応してボールの通過できるサイズの格子を設けた2枚の金属板32a、32bの間に、周辺部には板状の間隔保持部材31を挟み、格子にて形成されたボール通過孔18の内でボールのボール配列部材への吸着を阻止する部分に、繊維からなる板状の通気性部材30を挟んで構成されている。金属板32aと金属板32bの間は、図示しないネジ止め、クリップ、ボルト・ナットなどにより固定されている。なお、図19(b)の厚み方向は分かりやすくするため強調して示されている。ボールを搭載したり搭載済みのボールを避けるため、通気性部材30を挟まない部分では、金属板32aと32bの格子の間隙にボールが嵌り込まないように、間隙を小さくするのが望ましい。
このように構成することにより、ワークの電極間ピッチが同じであれば、ワークのサイズが変更になっても、ボール種類の配置が様々に変化しても、それぞれの通気性部材30の配置を変えるだけで金属板32a、32bは同一のものを使用することができる。こうした標準化により、マスク部材4の製作が簡便となり、納期の短縮やコストの低減が可能である。また、径の極小さなボールを使用する場合、このボール径よりも小さな通気孔を形成するのは困難となるが、繊維からなる通気性部材30を用いることでこのような問題も解消できる。
【0067】
[実施の形態12]
また、本発明の実施の形態12では、図18に示すように、ボール容器5又は/及びマスク部材4に、ボール配列部材3とマスク部材4を引き離すに際してボール容器5内に外部の大気を導入する通風孔19を形成してもよい。この通風孔19をボール容器5に設ける場合は、ボール容器5の周囲壁に形成されるが、この通風孔19は、ボール吸着時にボールを浮遊させる(実施の形態1で説明した)空気導入口と兼用してもよい。なお、実施の形態12では、ボール容器5に通風孔19を設けた場合を例示したが、マスク部材4に通風孔19を形成する場合は、例えば、吸着孔15からの真空引きが作用せず、かつボール配列部材3にて塞がれない位置に、マスク部材4の面と垂直に通風孔19を形成する。この通風孔19を設けることにより、ボール吸着後のボール配列部材4を真空引きしたままマスク部材4から容易かつスムースに引き離すことができる。
【0068】
[他の実施の形態]
1.上記の実施の形態では、ボールのサイズが吸着孔より小さい場合を説明したが、図20に示すように、吸着孔15のサイズがボール6のサイズよりも小さい場合がある。このような場合は、マスク部材4の個々の通気孔16aの中心が、ボール6を吸着すべきでない吸着孔15の中心と、必ずしも一致せずとも吸着孔15と一部重なる部分があればよい。
2.例えば、図2と図14で説明したようなマスク部材において、全体を繊維にて板状に形成してもよく、さらに、厚み方向で吸着孔側を密にして硬質に、ボール容器側を粗にして軟質にしてもよい。このようにすれば、マスク部材の剛性を保ちながら、吸着孔へは吸着されはしないが機械的振動や気流によって空中に浮遊させられたボールが、マスク部材に勢いよく衝突しても、変形したり表面が傷むことはない。特に、樹脂コア半田ボールの場合には表面の半田層の剥離を防止できて好ましい。またこの場合、繊維を金属繊維としてマスク部材の帯電によるボールの吸着を防止するようにしてもよい。なお、図19で説明したマスク部材においても、通気性部材の吸着孔側を密にし
て硬質に、ボール容器側を粗にして軟質にしてもよい。
【0069】
[比較例]
比較例として、図21と図22を用いて、通気部を有さず、かつ通気性素材で構成されていないマスク部材40がボール容器5に取付けられた場合について、上記実施の形態と同様のプロセスを検討する。なお、図21は比較例のマスク部材4′を示す平面図であり、図22は同比較例におけるボール搭載プロセスの説明図であって、同図(a)はマスク部材からボールを吸着したボール配列部材を引き離そうとする状態を示す断面図であり、同図(b)はボール配列部材をマスク部材から引き離した状態を示す断面図である。
【0070】
このマスク部材40の構造は、ボール6を吸着すべき吸着孔15に対応する部分にはボール通過孔18が設けられ、かつボール6の吸着を阻止すべき吸着孔15に対応する部分が閉塞されている。したがって、ボール通過孔18と対向する吸着孔15にボール6が吸着すると、マスク部材40によって覆われている吸着孔15がマスク部材40を吸着してしまう。このため、ボール配列部材3を上昇させる際には、ボール配列板3がマスク部材40を吸着しているので容易に引き離すことができない。この場合、マスク部材40の剛性が不足していれば、図22(a)に示すように、マスク部材40の変形を引きおこす。真空の引きをやや弱めにしておくと引き離しは可能であるが、図22(b)に示す如く、引き離すその瞬間に、ボール通過孔18と閉塞された部分との間で強い気流(矢印)が生じる。この気流はボール6の至近距離で発生する。ボール6は弱い真空で吸着されているため、ボール通過孔18の内側付近のボールが、閉塞部の方へ引かれて移動してしまう、というような不具合が発生することがある。また、反対に、ボール配列部材3が下降してマスク部材40へ接触する直前の瞬間にも、同様の不具合が発生することがある。
一方、本発明の実施の形態では、マスク部材によって吸着孔が閉塞されていないため、ボール配列部材のマスク部材との引き離し時や接触直前時におけるボールの移動という問題は発生しない。また、本発明の実施の形態では、次のボール容器への移動時も、未吸着時の吸着孔は開放されているが、開放面積は僅少であり、既に吸着されたボールが落下することは無く、開放状態が最後の種類のボールが搭載されるまで継続しているので、ボールが移動するような強い気流を生じることは無い。これらは、本発明の実施の形態が、マスク部材をボール容器に設置したにとどまらず、マスク部材が通気孔を有する、あるいは、マスク部材を通気性素材で構成するなどの構成をとっているためである。
【0071】
【発明の効果】
本発明のボール搭載装置によれば、ボール配列部材の一部の吸着孔の開口部を覆うようなマスク部材を備えたボール容器を有する構造であって、そのマスク部材が吸着孔の開口部と接する部分にはボール容器側へと通じる通気部が設けられているため、マスク部材によって覆われた吸着孔にはボールが吸着されず、ボール配列部材の特定の吸着孔にのみボールを吸着させることができる。さらに、マスク部材が吸着孔の開口部と接する部分には通気部が設けられているため、この通気部に対応する吸着孔は、同一真空系の他の吸着孔がボールを真空吸引しているときでもマスク部材を吸引することがなく、他の吸着孔にボールを保持した状態でボール配列部材をマスク部材から簡単に引き離すことができる。したがって、ボール配列部材を別のボール容器上に移動して、ボールが吸着されていない吸着孔に、既にボール配列部材に保持されているボールとは種類が異なるボールを吸着させることができるので、2種類以上のボールをボール配列部材の所望の吸着孔に同時に保持し、2種類以上のボールを同一ワーク上に一度で搭載することが可能となる。この結果、ワーク1個当たりのボール搭載プロセスの時間が短縮化され、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のボール搭載装置を示す構成図である。
【図2】同実施の形態1におけるマスク部材にボール配列部材が接した状態を下方から見た図である。
【図3】同実施の形態1におけるボール配列部材にボールを吸着した状態を下方から見た図である。
【図4】同実施の形態1におけるマスク部材の通気孔の大きさと配置を示す説明図である。
【図5】同実施の形態1におけるボール搭載プロセスを説明する工程説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2のボール搭載装置の主要部を示す構成図である。
【図7】同実施の形態2におけるマスク部材の断面形状を示す断面図である。
【図8】同実施の形態2における他のマスク部材の断面形状を示す断面図である。
【図9】同実施の形態2におけるボール配列部材の全ての吸着孔に3種類のボールが吸着した状態を下方から見た図である。
【図10】本発明の実施の形態3のボール搭載装置を示す概略構成平面図である。
【図11】本発明の実施の形態4のボール搭載装置を示す概略構成平面図である。
【図12】同実施の形態4のボール搭載装置の側面図である。
【図13】本発明の実施の形態5におけるボール容器内部を示す断面図である。
【図14】本発明の実施の形態6におけるマスク部材であって、同図(a)はボール通過孔が5個に区分されたマスク部材の平面図であり、同図(b)はボール通過孔が21個に区分されたマスク部材の平面図である。
【図15】本発明の実施の形態7におけるマスク部材の通気孔の各種非円形状を示す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態8におけるマスク部材の非円形状の通気孔にボールが吸着した状態での通気エリアを説明する説明図である。
【図17】本発明の実施の形態9におけるマスク部材の通気孔の各種断面形状を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態10におけるマスク部材を備えたボール容器の断面図である。
【図19】本発明の実施の形態11におけるマスク部材を示し、同図(a)は平面図であり、同図(b)は断面図である。
【図20】他の実施の形態におけるボール配列部材の一定幅の吸着孔及びこの吸着孔とマスク部材の通気孔との位置関係を表す断面図である。
【図21】比較例のマスク部材を示す平面図である。
【図22】同比較例におけるボール搭載プロセスの説明図であって、同図(a)はマスク部材からボールを吸着したボール配列部材を引き離そうとする状態を示す断面図であり、同図(b)はボール配列部材をマスク部材から引き離した状態を示す断面図である。
【図23】エリアアレイ型の電極構造を持つ半導体装置の実装プロセスを説明する工程説明図である。
【図24】従来例1のボール搭載装置によるボール搭載プロセスを説明する工程説明図である。
【図25】従来例2のボール搭載装置を示す平面図である。
【図26】従来例3のボール搭載装置を示す平面図である。
【符号の説明】
2 ボール配列部材用移動路
3、3a、3b ボール配列部材
4、4a、4b マスク部材
5、5a、5b、5c ボール容器
6、6a、6b、6c ボール
7 ワークテーブル
8 ワークテーブル用搬送路
9 ワーク
10 電極
15 吸着孔
16 通気部
16a 通気孔
19 通風孔
D0 ボールの直径
M 相対移動手段
P 間隔
Claims (12)
- 複数個の導電性ボールを収納し、かつ導電性ボールを取出し可能な取出し開口部を有する少なくとも1個のボール容器と、ボール容器内のボールを所定の配列で真空吸着可能な複数の吸着孔を有するボール配列部材を備えた吸引手段と、ボール配列部材の複数の吸着孔の内の特定位置の吸着孔へのボールの吸着を阻止すべく吸着孔を閉鎖可能なマスク部材と、吸着孔にボールを吸着させた状態でボール配列部材をワーク上に相対移動させる相対移動手段とを備え、ボール配列部材の真空吸着を解除してボールを開放落下させてワーク上の電極に搭載させるボール搭載装置であって、
前記マスク部材は、その周縁がボール容器のボール取出し開口部の開口端に取付けられ、かつボール配列部材におけるボールの吸着を阻止すべき吸着孔に対応する領域に、吸着孔側と、ボール容器側又はボール容器外部の大気側との間を通気させる通気部を有することを特徴とするボール搭載装置。 - 通気部は、マスク部材を貫通してボール容器側と吸着孔側との間を通気させる通気孔からなり、この通気孔は、そのボール容器側の開口部にはボールによる閉鎖を阻止可能な第1通気エリアを有すると共に、吸着孔側の開口部には前記第1通気エリアと連通し、かつボール配列部材の吸着孔に対向する位置で開口する第2通気エリアを有する請求項1に記載のボール搭載装置。
- 通気孔は、個々の吸着孔に対して1個が配置され、かつそのボール容器側の開口部がボールの通過を阻止可能な非円形状に形成されている請求項2に記載のボール搭載装置。
- 通気部は、マスク部材を貫通してボール容器側と吸着孔側との間を通気させる通気孔からなり、この通気孔は、ボールの直径よりも小さい孔径及びピッチに形成された複数個の通気小孔からなる請求項1に記載のボール搭載装置。
- 通気部は、マスク部材の厚みを通り抜けてボール容器外部の大気側と吸着孔側との間を通気させる通気孔からなる請求項1に記載のボール搭載装置。
- 通気部は、通気性を有する素材からなる請求項1に記載のボール搭載装置。
- マスク部材が、導電性物質からなる請求項1〜6の何れか1つに記載のボール搭載装置。
- ボール容器又は/及びマスク部材は、ボール配列部材とマスク部材を引き離すに際してボール容器内に外部の大気を導入する通風孔を有する請求項1〜7の何れか1つに記載のボール搭載装置。
- 2個以上のn個のボール容器と、(n−1)個のマスク部材とを備えた請求項1〜8の何れか1つに記載のボール搭載装置。
- ワークを保持するワークテーブルと、ワークテーブルにて保持されたワークの上を横切るボール配列部材用移動路とをさらに備え、ワークテーブルを略中央位置として前記移動路の一方側下方に複数個のボール容器が並列されると共に、移動路の他方側下方に他の複数個のボール容器が並列され、さらに、移動路の一方側の複数個のボール容器からボールを真空吸着する第1のボール配列部材と、移動路の他方側の複数個のボール容器からボールを真空吸着する第2のボール配列部材と、第1のボール配列部材と第2のボール配列部材を独立に駆動制御して移動路を移動させボール吸着搭載動作を行わせる制御部とを備えた請求項1〜9の何れか1つに記載のボール搭載装置。
- ボール配列部材用移動路と略直交する方向に延びるワークテーブル用搬送路をさらに備え、この搬送路に2台のワークテーブルを制御部により移動可能に設置した請求項10に記載のボール搭載装置。
- 請求項1〜10の何れか1つに記載のボール搭載装置を用いるボール搭載方法であって、
2個以上のボール容器の内の少なくとも1個のボール容器に、他のボール容器内のボールと種類の異なるボールを入れ、かつ少なくとも1個のボール容器にマスク部材を取付け、その後、ボール配列部材にて各ボール容器から順次ボールを吸着させていき、複数種類のボールを各吸着孔に所定の配列で真空吸着し、複数種類のボールをワークの電極上に一度に搭載することを特徴とするボール搭載方法。
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