JP2004164933A - レバー式コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウジングが誤った姿勢でフード部内に嵌まり込むことを防止する。
【解決手段】雌側コネクタ10には、一枚板状のレバー40が設けられ、このレバー40は嵌合前の状態では弾性係止片46により初期位置に係止されている。雄側コネクタ50のフード部53の内上面には、嵌合に際して弾性係止片46の係止を解除するためのロック解除リブ55が一側部よりに突設されている。また、フード部53の内面には、ロック解除リブ55と反対側に嵌まり込み防止リブ56が突設され、レバー40の上面には嵌まり込み防止リブ56を受け入れる逃がし溝47が凹設されている。これにより雌側コネクタ10が誤った姿勢でロック解除リブ55の設けられていない側に嵌まり込むことを防止できる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レバー式コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりレバー操作によるカム作用を利用して嵌合操作力の低減を図ったコネクタが知られている(例えば特許文献1参照)。この種のコネクタとして、図10(A)に示すものが開発されている。このコネクタは一対のハウジング1,2を備えており、そのうち横長の箱形をなした一方のハウジング1が他方のハウジング2の有する横長のフード部3内に嵌合されるようになっている。一方のハウジング1の上部にはカム溝(図示せず)が設けられたレバー4が取り付けられ、他方のハウジング2のフード部3の内上面の略中央にカムピン5が設けられ、さらにカムピン5よりも正面から見て左寄りにロック解除リブ6が設けられている。両ハウジング1,2の嵌合前にはレバー4がハウジング1との間に設けられた係止手段(図示せず)によって初期位置に係止されており、この状態で両ハウジング1,2を浅く嵌合させると、カムピン5がレバー4のカム溝の入口に係合するとともにロック解除リブ6がレバー4の係止手段を解除させる。そして、その状態からレバー4を回動操作すると、カムピン5とカム溝との間のカム作用によって、両ハウジング1,2が互いに引き寄せられ、正規嵌合に至る。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−182716号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のコネクタにおいては、レバー4側のハウジング1が、例えば図10(B)に示すように、フード部3に対してロック解除リブ6の設けられていない側に横向きに嵌まり込んでしまうおそれがあった。その場合には、例えばハウジング1の側壁がフード部3内に設けられた相手の端子金具に当接してこれを変形させてしまう可能性もあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ハウジングが誤った姿勢で相手のフード部内に嵌まり込むのを防止することの可能なレバー式コネクタを提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1の発明に係るレバー式コネクタは、一対のハウジングを備え、そのうち一方のハウジングにはカム溝を備えたレバーが回動操作可能に取り付けられ、他方のハウジングには前記一方のハウジングを嵌合可能でかつ前記カム溝に係合可能なカムピンを備えた横長角筒状のフード部が設けられたものであって、前記フード部の長辺側の内面にはロック解除リブが突設され、前記レバーを前記一方のハウジングに対し係止手段によって初期位置に係止した状態で、前記フード部に前記一方のハウジングを浅く嵌合させると、前記ロック解除リブが前記係止手段の係止を解除させ、その状態から前記レバーが回動操作されると前記カム溝と前記カムピンとの間のカム作用により両ハウジングが互いに引き寄せられて正規に嵌合されるようにしたレバー式コネクタにおいて、前記ロック解除リブは、前記フード部における一側部寄りに設けられるとともに、前記フード部の長辺側の内面には、ロック解除リブとは反対側の側部寄りに嵌まり込み防止リブが突設され、かつ前記レバーにはこの嵌まり込み防止リブを受け入れ可能な逃がし溝が形成されているところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記一方のハウジングは、複数のサブコネクタを収容可能な収容室を備えた枠状をなすとともに、その外壁には前記嵌まり込み防止リブを受け入れ可能なリブ進入溝が形成されているところに特徴を有する。
【0007】
【発明の作用および効果】
請求項1の発明によれば、フード部の内面においてロック解除リブと反対側に嵌まり込み防止リブを設けたことによって、レバー側のハウジングが誤った姿勢でロック解除リブの設けられていない側に嵌まり込むことを防止できる。
【0008】
請求項2の発明によれば、複数のサブコネクタを収容する枠状のハウジングの外壁に嵌まり込み防止リブを受け入れるリブ進入溝を設ける構成とすることで、いわゆる分割コネクタが誤った向きでフード部に嵌め込まれることを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明の一実施形態について図1から図9を参照して説明する。
本実施形態のレバー式コネクタは、図1に示すように、互いに嵌合・離脱可能な雌側コネクタ10と雄側コネクタ50とを備えて構成されている。なお、以下の説明においては、各コネクタ10,50について互いに相手側との嵌合面側を前方とし、上下方向については図1を基準とする。
【0010】
雌側コネクタ10は、いわゆる分割コネクタであって、雌端子金具29を収容する複数のサブコネクタ27と、これらのサブコネクタ27を収容する枠状のホルダ11(本発明の「一方のハウジング」に相当)と、このホルダ11に組み付けられるレバー40とを備えて構成されている。
【0011】
ホルダ11は、合成樹脂材料からなり、図1から図3に示すように、全体として前後方向に貫通した横長の略箱形をなしている。即ちホルダ11は、上面壁12、下面壁13、及び左右両側面壁14を有し、この4枚の壁で囲まれた空間のうち、上面壁12及びこの上面壁12と平行な天井壁15との間に区画された横長スリット状をなす空間は、レバー40を収容するための収容凹部16とされている。ホルダ11の内部空間のうち収容凹部16よりも下方の領域は、天井壁15と下面壁13との間に設けられた2枚の仕切壁17により、左右3つの収容室18が構成されており、この収容室18内には、それぞれサブコネクタ27が後方から嵌入されるようになっている。下面壁13には各収容室18に対応して弾性撓み可能なランス19が形成されている。また、ホルダ11の下面壁13には、ホルダ11の左右方向に長い凹部21が形成されており、この凹部21内には、リテーナ22が下方から嵌合されるようになっている。さらに下面壁13には、前後方向に沿った4列のガイドリブ23がそれぞれ凹部21を挟んで一対に分かれて形成されている。
【0012】
サブコネクタ27は、合成樹脂からなり、全体として方形ブロック状をなしている(図1参照)。各サブコネクタ27内には、複数のキャビティ28が形成され、各キャビティ28には後方から雌端子金具29が挿入されている。各サブコネクタ27は、ホルダ11の収容室18に対して後方から嵌入されつつ組み付けられ、そのサブコネクタ27に対してランス19と、凹部21に嵌合されたリテーナ22とが二重に係止することで抜け止め状態に保持される。
【0013】
レバー40は、合成樹脂からなり、図1及び図5に示すように、全体として一枚板状をなしている。レバー40の大部分は、やや細長い平板状をなすカム板部41とされ、その一端側寄り位置の下面に円形の軸受孔42が凹設されている。この軸受孔42には、ホルダ11の収容凹部16内における天井壁15から上向きに突設された支持軸31が嵌合され、レバー40はこの支持軸31を中心として水平方向に回動可能とされている。カム板部41は、上面壁12及び天井壁15の間に僅かなクリアランスを持って挟まれた状態で収容凹部16内に収容される。
【0014】
一方、雄側コネクタ50は、図1及び図6に示すように、合成樹脂材料からなるハウジング51(本発明の「他方のハウジング」に相当)と、複数の雄端子金具52とを備えて構成されている。ハウジング51は、前方に開口する略角筒状のフード部53を有し、このフード部53内には雌側コネクタ10のホルダ11がほぼ緊密に嵌入されるようになっている。また、フード部53の奥端面からは雄端子金具52が突出しており、両コネクタ10,50が正規嵌合すると、雄端子金具52と雌端子金具29とが接続されるようになっている。フード部53の内上面(長手方向の内面)には、ほぼ中央に円柱状のカムピン54が下方に向かって突出して形成され、その先端部には円形の鍔部54Aが径方向に張り出して形成されている。また、同じくフード部53の内上面には、正面から見て中央よりもやや左側部寄り位置にロック解除リブ55が、フード部53の前端から後方に延びて突設されている。さらに、同じくフード部53の内上面には、正面から見て中央よりもやや右側部寄り位置、即ちロック解除リブ55の反対側(ロック解除リブ55に対しほぼ対称位置)に、嵌まり込み防止リブ56がフード部53の前端から後方に延びて突設されている。なお、両リブ55,56は、フード部53を長手方向について概ね3等分するような位置にあり、両リブ55,56の間隔は、ホルダ11の前後の長さ寸法よりやや小さい程度に設定されている。
【0015】
ホルダ11の上面壁12及び天井壁15の上面には、図3,図4等に示すように、中央にカムピン54の進入可能なカムピン進入溝32が前方に開口して形成されている。なお、このカムピン進入溝32とその下方の収容室18との間には天井壁15の一部である隔壁32Aが設けられており、カムピン進入溝が収容室側へ貫通した形態のものに比べると強度が高められている。また、ホルダ11の上面壁12には、カムピン進入溝32を挟んで左右両側に、それぞれロック解除リブ55と嵌まり込み防止リブ56とが進入可能なリブ進入溝33,34が前後方向に沿って形成されている。
【0016】
レバー40のカム板部41における軸受孔42周りには、雄側コネクタ50のカムピン54を係合可能なカム溝45が形成されている。このカム溝45の下側縁部には、カムピン54の鍔部54Aが係合可能な段差部45Aが形成されている。レバー40は、図5に示す初期位置から図8に示す嵌合完了位置までを回動操作可能となっており、レバー40が初期位置にあるときには、カム溝45の開口がカムピン進入溝32に整合して、カム溝45へカムピン54を受け入れ可能な体勢となる。
【0017】
カム板部41における軸受孔42側の端縁部には、片持ち状の弾性係止片46(本発明の「係止手段」に相当)が設けられている。弾性係止片46は、内外に撓み変形可能とされ、その先端部には、外方に向けて突出した突起46Aが形成されている。一方、ホルダ11側のリブ進入溝33の後端には溝の下半分の領域に突出するロック用受け部33Aが形成されている。レバー40が初期位置にあるときには、弾性係止片46の突起46Aがリブ進入溝33内に進出して、その突起46Aの下半分がロック用受け部33Aに係止することで、レバー40の嵌合完了位置側への回動が規制された状態となる。
【0018】
また、カム板部41の上面には、長手方向の中程に嵌まり込み防止リブ56を受け入れ可能な逃がし溝47が凹んで形成されており、後述のように雌雄両コネクタ10,50の嵌合に際しては、この逃がし溝47に嵌まり込み防止リブ56が逃がされつつ、レバー40が回動されるようになっている。
さらに、レバー40には、カム板部41の軸受孔42とは反対側の端部に、操作部48と、レバー40を嵌合完了位置にロックするための弾性ロック片49とが設けられている。
【0019】
雌雄両コネクタ10,50の組み付けに際しては、まず、図5に示すように、レバー40をホルダ11に対し初期位置に係止させておき、雌側コネクタ10のホルダ11を雄側コネクタ50のフード部53内に浅く嵌入させる。このとき、誤って雌側コネクタ10を上下反転した姿勢でフード部53へ嵌合しようとしたときには、ロック解除リブ55及び嵌まり込み防止リブ56の先端がホルダ11に当接して、その挿入が規制される。また、雌側コネクタ10が横向きの姿勢(斜め向きを含む)でフード部53に正面から押し付けられた場合には、ホルダ11の側面壁14等がロック解除リブ55又は嵌まり込み防止リブ56に当接することで、その挿入が規制される。
【0020】
ホルダ11が正規の姿勢でフード部53内に浅く嵌入されると、図7に示すように、カムピン54がカム溝45の開口に係合するとともに、ロック解除リブ55が、弾性係止片46の突起46Aに当接して弾性係止片46をロック用受け部33Aとの係止を解除させるように撓み変形させ、これによりレバー40の回動操作が許容された状態となる。
【0021】
この状態からレバー40の操作部48を押圧してレバー40を嵌合完了位置側へ回動させると、カムピン54とカム溝45との係合によるカム作用により両コネクタ10,50が互いに引き寄せられ、フード部53に対するホルダ11の嵌入が進む。このとき、カムピン54の鍔部54Aがカム溝45の段差部45Aに係合しているため、カム板部41やホルダ11が操作による応力を受けて上下方向に位置ずれするような変形を起こすことが防止される。そして、レバー40が嵌合完了位置に至るとともに、弾性ロック片49が雄側のハウジング51に係止してレバー40がロックされた状態となる。これにより、両コネクタ10,50が正規の嵌合状態に至り(図8,図9参照)、もって、両コネクタ10,50の嵌合が完了する。
【0022】
以上説明したように本実施形態によれば、フード部53の内面において、ロック解除リブ55と反対側に嵌まり込み防止リブ56を設けたことによって、雌側コネクタ10が誤った姿勢でロック解除リブ55の設けられていない側に嵌まり込むことを防止できる。そのため、雌側コネクタ10がフード部53内の雄端子金具52に当接してこれを変形させることを防止できる。
【0023】
また、複数のサブコネクタ27を収容する枠状のホルダ11の外壁に嵌まり込み防止リブ56を受け入れるリブ進入溝34を設ける構成とすることで、いわゆる分割コネクタが誤った向きでフード部53に嵌め込まれることを防止できる。
【0024】
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、レバー側のコネクタが、いわゆる分割コネクタであるものを例示したが、本発明は、分割コネクタでない他の種類のレバー式コネクタにも適用することができる。また、レバーの形状は、ハウジングを跨ぐようなコの字状としても良く、その場合には、ロック解除リブや嵌まり込み防止リブをフード部の上下両面に設けるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における雌側コネクタと雄側コネクタの嵌合前の状態をあらわす縦断面図
【図2】ホルダの背面図
【図3】ホルダの正面図
【図4】雌側コネクタの平面図
【図5】雌側コネクタと雄側コネクタの嵌合前の状態をあらわす水平断面図
【図6】雄側コネクタの正面図
【図7】雌側コネクタと雄側コネクタの嵌合初期の状態をあらわす水平断面図
【図8】雌側コネクタと雄側コネクタの嵌合が完了した状態をあらわす水平断面図
【図9】雌側コネクタと雄側コネクタの嵌合が完了した状態をあらわす縦断面図
【図10】(A)従来例におけるコネクタを示す分解斜視図
(B)従来例において一方のハウジングが誤った姿勢で相手のフード部に嵌まり込んだ状態を示す斜視図
【符号の説明】
10…雌側コネクタ
11…ホルダ(一方のハウジング)
18…収容室
27…サブコネクタ
34…リブ進入溝
40…レバー
45…カム溝
46…係止手段
47…逃がし溝
50…雄側コネクタ
51…ハウジング(他方のハウジング)
53…フード部
54…カムピン
55…ロック解除リブ
56…嵌まり込み防止リブ

Claims (2)

  1. 一対のハウジングを備え、そのうち一方のハウジングにはカム溝を備えたレバーが回動操作可能に取り付けられ、他方のハウジングには前記一方のハウジングを嵌合可能でかつ前記カム溝に係合可能なカムピンを備えた横長角筒状のフード部が設けられたものであって、
    前記フード部の長辺側の内面にはロック解除リブが突設され、前記レバーを前記一方のハウジングに対し係止手段によって初期位置に係止した状態で、前記フード部に前記一方のハウジングを浅く嵌合させると、前記ロック解除リブが前記係止手段の係止を解除させ、その状態から前記レバーが回動操作されると前記カム溝と前記カムピンとの間のカム作用により両ハウジングが互いに引き寄せられて正規に嵌合されるようにしたレバー式コネクタにおいて、
    前記ロック解除リブは、前記フード部における一側部寄りに設けられるとともに、前記フード部の長辺側の内面には、ロック解除リブとは反対側の側部寄りに嵌まり込み防止リブが突設され、かつ前記レバーにはこの嵌まり込み防止リブを受け入れ可能な逃がし溝が形成されていることを特徴とするレバー式コネクタ。
  2. 前記一方のハウジングは、複数のサブコネクタを収容可能な収容室を備えた枠状をなすとともに、その外壁には前記嵌まり込み防止リブを受け入れ可能なリブ進入溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレバー式コネクタ。
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