JP2004164801A - 光記録ディスクの製造方法および光記録ディスクの製造システム - Google Patents

光記録ディスクの製造方法および光記録ディスクの製造システム Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することができる光記録ディスクの製造方法を提供する。
【解決手段】基板2と記録層3を備えたデータ記録ユニット50を、回転可能なステージ21上に固定し、データ記録ユニットの略中央部に、液状の放射線硬化性樹脂が吐出されるキャップ55を固定し、キャップ上に、放射線硬化性樹脂を吐出し、ステージを回転させて、液状の放射線硬化性樹脂をデータ記録ユニットの表面上に展開し、データ記録ユニットの表面上に、光透過層4を形成する光記録ディスクの製造方法であって、光透過層の膜厚分布を測定し、光透過層の膜厚分布に応じて、キャップの温度Tを制御することを特徴とする光記録ディスクの製造方法。
【選択図】 図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録ディスクの製造方法および光記録ディスクの製造システムに関するものであり、さらに詳細には、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することができる光記録ディスクの製造方法および光記録ディスクの製造システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大容量のデジタルデータを記録するための記録媒体として、CDやDVDに代表される光記録ディスクが広く用いられている。
【0003】
これらの光記録ディスクは、CD−ROMやDVD−ROMのように、データの追記や書き換えができないタイプのいわゆるROM型光記録ディスクと、CD−RやDVD−Rのように、データの追記は可能であるが、データの書き換えができないタイプのいわゆる追記型光記録ディスクと、CD−RWやDVD−RWのように、データの書き換えが可能なタイプのいわゆる書き換え型光記録ディスクに大別することができる。
【0004】
広く知られているように、ROM型光記録ディスクにおいては、製造段階で、基板に形成されるプリピットにより、データが記録されるのが一般的であり、書き換え型光記録ディスクにおいては、たとえば、記録層の材料として、相変化材料が用いられ、その相状態の変化に基づく光学特性の変化を利用して、データが記録されるのが一般的である。また、必要に応じ、記録層の上下に、誘電体層や反射層を設けて、全体として、記録層として、機能させることもある。
【0005】
これに対して、追記型光記録ディスクにおいては、記録層の材料として、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、アゾ色素などの有機色素が用いられ、その化学的変化に基づく光学特性の変化を利用して、データが記録されるのが一般的である。
【0006】
近年、DVDよりも、さらに長時間にわたって、記録・再生が可能な光記録ディスクの開発が要望されており、記録密度の向上が図られている。
【0007】
光記録ディスクにおいて、記録密度を高くするためには、光記録ディスクに照射されるレーザ光のビームスポット径を小さくすることが必要であり、レーザ光のビームスポット径は、レーザ光の波長λとレンズの開口数NAとの比に比例するため、波長λの短いレーザ光と、開口数NAの大きいレンズを使用して、光記録ディスクにデータを記録することが要求される。
【0008】
そのため、記録密度が高い次世代の光記録ディスクにおいては、波長λの短い青色レーザ光と、開口数NAの大きいレンズを使用して、光記録ディスクにデータを記録することが提案されている。
【0009】
しかしながら、開口数NAの大きいレンズを用いる場合には、焦点距離が短くなり、CDやDVDのように、光透過性基板を介して、レーザ光を記録層に照射することができないため、記録層上に、光透過層を形成し、光透過層を介して、レーザ光を記録層に照射することが必要になる。
【0010】
一方、レンズの開口数NAを大きくすると、光透過層の厚みムラに対する許容度が小さくなるため、光透過層を均一に設けることが要求される。
【0011】
記録層上に、光透過層を形成する方法として、信号面に信号ピットが形成された光透過性基板上に形成された記録層上に、紫外線硬化性樹脂を、スピンコーティング法によって、塗布し、形成された塗布膜に、紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させる方法が提案されている。
【0012】
しかしながら、基板上に形成された記録層上に、紫外線硬化性樹脂を、スピンコーティング法によって、塗布する場合には、基板および記録層にはセンターホールが形成され、紫外線硬化性樹脂を、記録層の中心部に吐出することができないため、形成された塗布膜の膜厚が径方向に不均一になりやすく、光記録ディスク全面で、所望の光学特性を得ることができないという問題があった。
【0013】
そこで、蓋部材を用いて、センターホールを塞ぎ、紫外線硬化性樹脂を、蓋部材の中心部に吐出して、スピンコーティング法により、紫外線硬化性樹脂を展開させて、塗布膜を形成する方法が提案されている。
【0014】
しかしながら、このように、蓋部材を用い、紫外線硬化性樹脂を、蓋部材の中心部に吐出して、スピンコーティング法により、塗布膜を形成する場合にも、スピンコーティング中に生ずる紫外線硬化性樹脂の温度変化に起因して、紫外線硬化性樹脂の粘度が変化し、その結果、均一な膜厚を有する光透過層を形成することができないという問題があった。
【0015】
そこで、特開平11−86359号公報は、基板と、蓋部材と液状の紫外線硬化性樹脂を、あらかじめ同一の所定温度に保持し、液状の紫外線硬化性樹脂を蓋部材上に吐出し、スピンコーティング法により、基板に形成された記録層上に塗布膜を形成し、塗布膜に紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、記録層上に、光透過層を形成する方法を提案している。
【0016】
【特許文献】
特開平11−86359号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基板と、蓋部材と液状の紫外線硬化性樹脂を、あらかじめ同一の所定温度に保持したとしても、記録層が形成された基板を、スピンコーティング装置に搬送する際に、基板の温度が変化し、液状の紫外線硬化性樹脂を蓋部材上に吐出し、スピンコーティング法により、基板に形成された記録層上に塗布膜を形成する時点で、基板と、蓋部材と液状の紫外線硬化性樹脂が、同一の温度でなくなることは現実には十分にあり得ることであるし、また、液状の紫外線硬化性樹脂を蓋部材上に吐出し、スピンコーティング法により、基板に形成された記録層上に塗布膜を形成し、塗布膜に紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、基板に形成された記録層上に、光透過層を形成するまでの間、基板と、蓋部材と液状の紫外線硬化性樹脂を、同一の温度に保持することは、現実には、きわめて困難であり、したがって、基板と、蓋部材と液状の紫外線硬化性樹脂を、あらかじめ同一の所定温度に保持しても、つねに、均一な膜厚を有する光透過層を形成することはできないという問題があった。
【0017】
また、仮に、液状の紫外線硬化性樹脂を蓋部材上に吐出し、スピンコーティング法により、基板に形成された記録層上に塗布膜を形成し、塗布膜に紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、基板に形成された記録層上に、光透過層を形成するまでの間、基板と、蓋部材と液状の紫外線硬化性樹脂を、完全に同一の温度に保持することが可能であるとしても、そのためには、複雑な設備を要し、複雑な操作が必要になり、コストアップの原因になるという問題があった。
【0018】
したがって、本発明は、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することができる光記録ディスクの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0019】
本発明の別の目的は、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することができる光記録ディスクの製造システムを提供するにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、本発明のかかる目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、基板と記録層を備えたデータ記録ユニットの表面上に形成された光透過層の膜厚を測定し、測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、データ記録ユニットの略中央部に固定され、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを、所定の温度ΔTだけ、上昇させ、あるいは、低下させることによって、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚の光透過層を形成することが可能になることを見出した。
【0021】
何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が低下し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が上昇し、データ記録ユニットの温度が、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度よりも低いときは、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニット上を、データ記録ユニットの周縁部に向けて、展開されるにしたがって、データ記録ユニットによって冷却され、その粘度が増大するため、光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大し、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であっても、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、冷却されるときは、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニット上を、データ記録ユニットの周縁部に向けて、展開されるにしたがって、その粘度が増大するため、光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大する。
【0022】
これに対して、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が上昇し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が低下し、データ記録ユニットの温度が、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度よりも高いときは、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニット上を、データ記録ユニットの周縁部に向けて、展開されるにしたがって、データ記録ユニットによって加温され、その粘度が減少するため、光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少し、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であっても、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、加温されるときは、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニット上を、データ記録ユニットの周縁部に向けて、展開されるにしたがって、その粘度が減少するため、光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少する。
【0023】
このような光透過層の膜厚の変化は、データ記録ユニットの周縁部に向けて、展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂の温度が変化することに起因するものであるから、データ記録ユニットの周縁部に向けて、展開される液状の放射線硬化性樹脂の温度が一定になるように制御することができれば、光透過層の膜厚分布を均一化することが可能になる。
【0024】
そこで、本発明者は、液状の放射線硬化性樹脂の温度変化が同じであれば、原因の如何にかかわらず、光透過層の膜厚分布のパターンが同一になることに着目し、鋭意研究を重ねた結果、光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを変化させることによって、データ記録ユニットの周縁部に向けて、展開される液状の放射線硬化性樹脂の温度を一定に制御することができ、光透過層の膜厚分布を均一化することが可能になることを見出したものである。
【0025】
すなわち、放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度および光透過層の膜厚分布のパターンごとに、変化させるべき中央固定部材の温度Tの変化分ΔTを、あらかじめ求めておき、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が低下し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が上昇し、データ記録ユニットの温度が、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度よりも低いことに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大している場合には、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の温度ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを低下させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度を、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、冷却されることに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大している場合には、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の温度ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを低下させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも低い温度に冷却して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって加温されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になることが見出された。
【0026】
同様に、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が上昇し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が低下し、データ記録ユニットの温度が、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度よりも高いことに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少している場合には、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の温度ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを上昇させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度が、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、加温されることに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少している場合には、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の温度ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを上昇させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも高い温度に加温して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって冷却されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気による加温効果と、データ記録ユニットによる冷却効果とが相殺されて、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になることが見出された。
【0027】
したがって、本発明の前記目的は、基板と記録層を備えたデータ記録ユニットを、回転可能なステージ上に固定し、前記データ記録ユニットの略中央部に、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材を固定し、前記中央固定部材上に、放射線硬化性樹脂を吐出し、前記ステージを回転させて、前記液状の放射線硬化性樹脂を、前記データ記録ユニットの表面上に展開し、前記データ記録ユニットの表面上に、光透過層を形成する光記録ディスクの製造方法であって、前記光透過層の膜厚分布を測定し、前記光透過層の膜厚分布に応じて、前記中央固定部材の温度Tを制御することを特徴とする光記録ディスクの製造方法によって達成される。
【0028】
本発明によれば、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が低下し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が上昇し、データ記録ユニットの温度が、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度よりも低いことに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大している場合には、単に、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の温度ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを低下させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度を、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、冷却されることに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大している場合には、単に、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の温度ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを低下させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも低い温度に冷却して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって加温されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になる。
【0029】
さらに、本発明によれば、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が上昇し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が低下し、データ記録ユニットの温度が、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度よりも高いことに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少している場合には、単に、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の温度ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを上昇させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度が、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、加温されることに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少している場合には、単に、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の温度ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを上昇させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも高い温度に加温して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって冷却されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚の光透過層を形成することが可能になる。
【0030】
本発明の好ましい実施態様においては、前記光透過層を形成した後、前記光透過層の膜厚分布を測定し、前記光透過層の膜厚分布に応じて、前記中央固定部材の温度Tを制御し、基板と記録層を備えたデータ記録ユニットを、前記ステージ上に固定し、前記データ記録ユニットの略中央部に、温度Tが制御された前記中央固定部材を固定し、前記中央固定部材上に、放射線硬化性樹脂を吐出し、前記ステージを回転させて、前記液状の放射線硬化性樹脂を、前記データ記録ユニットの表面上に展開し、前記データ記録ユニットの表面上に、光透過層を形成するように構成されている。
【0031】
本発明の好ましい実施態様によれば、光透過層を形成した後、光透過層の膜厚分布を測定し、光透過層の膜厚分布に応じて、中央固定部材の温度Tを制御し、基板と記録層を備えたデータ記録ユニットを、ステージ上に固定し、データ記録ユニットの略中央部に、温度Tが制御された中央固定部材を固定し、中央固定部材上に、放射線硬化性樹脂を吐出し、ステージを回転させて、液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの表面上に展開し、データ記録ユニットの表面上に、光透過層を形成するように構成されているから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを確実に解消して、均一な膜厚の光透過層を確実に形成することが可能になる。
【0032】
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記光透過層を形成するたびに、前記光透過層の膜厚分布を測定し、所定枚数の前記光記録ディスクの前記光記録層の膜厚分布に応じて、前記中央固定部材の温度Tを制御するように構成されている。
【0033】
本発明の別の好ましい実施態様によれば、光透過層を形成するたびに、光透過層の膜厚分布を測定し、所定枚数の光記録ディスクの光記録層の膜厚分布に応じて、中央固定部材の温度Tを制御するように構成されているから、突発的な事情で、光透過層の膜厚が不均一になり、中央固定部材の温度Tを制御する必要がないにもかかわらず、中央固定部材の温度Tを制御し、その後に、形成される光記録ディスクの光透過層の膜厚が不均一になることを効果的に防止することが可能になる。
【0034】
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記光透過層を形成した後、必要に応じて、前記光透過層の膜厚分布を測定し、測定された前記光透過層の膜厚分布に応じて、前記中央固定部材の温度Tを制御するように構成されている。
【0035】
本発明の別の好ましい実施態様において、必要に応じて、光透過層の膜厚分布を測定し、測定された光透過層の膜厚分布に応じて、中央固定部材の温度Tを制御するとは、光透過層の膜厚分布を測定した結果、光透過層の膜厚分布が均一でないときに、そのたびごとに、中央固定部材の温度Tを制御する場合と、連続して製造されるN枚(Nは正の整数)の光記録ディスクのうち、(N−M)枚(MはN以下の正の整数)の光記録ディスクにつき、光透過層の膜厚分布を測定し、光透過層の膜厚分布が均一でないときに、(N−M)枚の光記録ディスクに形成された光透過層の膜厚分布の平均パターンにしたがって、N枚の光記録ディスクごとに、中央固定部材の温度Tを制御する場合とを包含するものである。
【0036】
本発明の別の好ましい実施態様によれば、光透過層の膜厚分布の測定に要する時間が、光透過層の形成に要する時間よりも長い場合にも、中央固定部材の温度Tを制御して、光記録ディスクに形成される光透過層の膜厚が不均一になることを効果的に防止することが可能になる。
【0037】
本発明の好ましい実施態様においては、前記放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、前記光透過層の膜厚分布のパターンと、前記中央固定部材の温度Tの変化分ΔTとの関係を示す基準データに基づき、前記光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、前記中央固定部材の温度Tの変化分ΔTを決定し、決定された温度Tの変化分ΔTだけ、前記中央固定部材の温度Tが変化するように、前記中央固定部材の温度Tを制御するように構成されている。
【0038】
本発明の好ましい実施態様によれば、放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、光透過層の膜厚分布のパターンと、中央固定部材の温度Tの変化分ΔTとの関係を示す基準データに基づき、光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、中央固定部材の温度Tの変化分ΔTを決定し、決定された温度Tの変化分ΔTだけ、中央固定部材の温度Tが変化するように、中央固定部材の温度Tを制御するように構成されているから、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が低下し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が上昇し、データ記録ユニットの温度が、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度よりも低いことに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大している場合には、単に、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の変化分ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを低下させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度を、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、冷却されることに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大している場合には、単に、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の変化分ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを低下させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも低い温度に冷却して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって加温されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になる。
【0039】
さらに、本発明の好ましい実施態様によれば、放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、光透過層の膜厚分布のパターンと、中央固定部材の温度Tの変化分ΔTとの関係を示す基準データに基づき、光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、中央固定部材の温度Tの変化分ΔTを決定し、決定された温度Tの変化分ΔTだけ、中央固定部材の温度Tが変化するように、中央固定部材の温度Tを制御するように構成されているから、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が上昇し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が低下し、データ記録ユニットの温度が、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度よりも高いことに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少している場合には、単に、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の変化分ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを上昇させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度が、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、加温されることに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少している場合には、単に、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の変化分ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを上昇させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも高い温度に加温して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって冷却されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚の光透過層を形成することが可能になる。
【0040】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記光透過層の膜厚が、前記データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大しているときは、前記放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、前記光透過層の膜厚分布のパターンと、前記中央固定部材の温度Tの変化分ΔTとの関係を示す前記基準データに基づき、前記光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、前記中央固定部材の温度Tの変化分ΔTを決定し、決定された温度Tの変化分ΔTだけ、前記中央固定部材の温度Tが低くなるように制御するように構成されている。
【0041】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大しているときは、放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、光透過層の膜厚分布のパターンと、中央固定部材の温度Tの変化分ΔTとの関係を示す基準データに基づき、光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、中央固定部材の温度Tの変化分ΔTを決定し、決定された温度Tの変化分ΔTだけ、中央固定部材の温度Tが低くなるように制御するように構成されているから、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が低下し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が上昇し、データ記録ユニットの温度が、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度よりも低いことに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大している場合には、単に、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の変化分ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを低下させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度を、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、冷却されることに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大している場合には、単に、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の変化分ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを低下させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも低い温度に冷却して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって加温されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になる。
【0042】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記光透過層の膜厚が、前記データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少しているときは、前記放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、前記光透過層の膜厚分布のパターンと、前記中央固定部材の温度Tの変化分ΔTとの関係を示す前記基準データに基づき、前記光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、前記中央固定部材の温度Tの変化分ΔTを決定し、決定された温度Tの変化分ΔTだけ、前記中央固定部材の温度Tが高くなるように制御するように構成されている。
【0043】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少しているときは、放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、光透過層の膜厚分布のパターンと、中央固定部材の温度Tの変化分ΔTとの関係を示す基準データに基づき、光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、中央固定部材の温度Tの変化分ΔTを決定し、決定された温度Tの変化分ΔTだけ、中央固定部材の温度Tが高くなるように制御するように構成されているから、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が上昇し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が低下し、データ記録ユニットの温度が、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度よりも高いことに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少している場合には、単に、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の変化分ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを上昇させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度が、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、加温されることに起因して、光透過層の膜厚が、あるパターンにしたがって、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少している場合には、単に、その光透過層の膜厚分布のパターンに対応する所定の変化分ΔTだけ、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材の温度Tを上昇させることによって、中央固定部材上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも高い温度に加温して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって冷却されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚の光透過層を形成することが可能になる。
【0044】
本発明の好ましい実施態様においては、前記データ記録ユニットが、その中央部にセンターホールを有し、前記中央固定部材が、前記センターホールを塞ぐキャップによって形成されている。
【0045】
本発明の好ましい実施態様によれば、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を、単に、光透過層の膜厚分布のパターンに応じて、制御することによって、光透過層の膜厚のむらを解消することができ、したがって、複雑な設備と特殊な部材を要することなく、簡易な操作で、均一な膜厚の光透過層を形成することが可能になる。
【0046】
本発明の前記目的はまた、中央部に、センターホールが形成され、基板と記録層を備えたデータ記録ユニットの表面に、スピンコーティングによって、液状の放射線硬化性樹脂を塗布して、光透過層を形成するスピンコーティング装置と、前記データ記録ユニットの前記センターホールを塞ぎ、その上に放射線硬化性樹脂が吐出されるキャップの温度を設定温度に保持するキャップ温度制御装置と、前記スピンコーティング装置によって形成された前記光透過層の膜厚を測定する膜厚測定装置と、前記膜厚測定装置によって測定された前記光透過層の膜厚分布に応じて、前記キャップ温度制御装置の設定温度を制御する設定温度制御手段を備えたことを特徴とする光記録ディスクの製造システムによって達成される。
【0047】
本発明によれば、光記録ディスクの製造システムは、中央部に、センターホールが形成され、基板と記録層を備えたデータ記録ユニットの表面に、スピンコーティングによって、液状の放射線硬化性樹脂を塗布して、光透過層を形成するスピンコーティング装置と、データ記録ユニットのセンターホールを塞ぎ、その上に放射線硬化性樹脂が吐出されるキャップの温度を設定温度に保持するキャップ温度制御装置と、スピンコーティング装置によって形成された光透過層の膜厚を測定する膜厚測定装置と、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布に応じて、キャップ温度制御装置の設定温度を制御する設定温度制御手段を備えているから、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が低下し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が上昇したことに起因して、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大しているときは、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、設定温度制御手段によって、単に、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を設定温度Tに保持するキャップ温度制御装置の設定温度Tを、ΔTだけ、低い温度に設定することによって、キャップ上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度を、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、冷却されることに起因して、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大しているときは、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、設定温度制御手段により、単に、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を設定温度に保持するキャップ温度制御装置の設定温度Tを、ΔTだけ、低い温度に設定することによって、キャップ上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも低い温度に冷却して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって加温されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になる。
【0048】
また、本発明によれば、光記録ディスクの製造システムは、中央部に、センターホールが形成され、基板と記録層を備えたデータ記録ユニットの表面に、スピンコーティングによって、液状の放射線硬化性樹脂を塗布して、光透過層を形成するスピンコーティング装置と、データ記録ユニットのセンターホールを塞ぎ、その上に放射線硬化性樹脂が吐出されるキャップの温度を設定温度に保持するキャップ温度制御装置と、スピンコーティング装置によって形成された光透過層の膜厚を測定する膜厚測定装置と、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布に応じて、キャップ温度制御装置の設定温度を制御する設定温度制御手段を備えているから、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が上昇し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が低下したことに起因して、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少しているときは、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、設定温度制御手段によって、単に、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を設定温度Tに保持するキャップ温度制御装置の設定温度Tを、ΔTだけ、高い温度に設定することによって、キャップ上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度を、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、加温されることに起因して、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少しているときは、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、設定温度制御手段により、単に、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を設定温度に保持するキャップ温度制御装置の設定温度Tを、ΔTだけ、高い温度に設定することによって、キャップ上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも高い温度に加温して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって冷却されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になる。
【0049】
本発明の好ましい実施態様においては、前記設定温度制御手段が、前記放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、前記光透過層の膜厚分布のパターンと、前記キャップの温度Tの変化分ΔTとの関係を示す基準データを記憶し、前記基準データに基づき、前記膜厚測定装置によって測定された前記光透過層の膜厚分布にしたがって、前記キャップの温度Tの変化分ΔTを決定し、決定した温度Tの変化分ΔTだけ、前記キャップの温度Tが変化するように、前記キャップ温度制御装置の設定温度Tを制御するように構成されている。
【0050】
本発明の好ましい実施態様によれば、設定温度制御手段が、放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、光透過層の膜厚分布のパターンと、キャップの温度Tの変化分ΔTとの関係を示す基準データを記憶し、基準データに基づき、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布にしたがって、キャップの温度Tの変化分ΔTを決定し、決定した温度Tの変化分ΔTだけ、キャップの温度Tが変化するように、キャップ温度制御装置の設定温度Tを制御するように構成されているから、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が低下し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が上昇したことに起因して、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大しているときは、基準データに基づき、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、設定温度制御手段によって、単に、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を設定温度Tに保持するキャップ温度制御装置の設定温度Tを、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンに対応する変化分ΔTだけ、低い温度に設定することによって、キャップ上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度を、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、冷却されることに起因して、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大しているときは、基準データに基づき、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、設定温度制御手段により、単に、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を設定温度に保持するキャップ温度制御装置の設定温度Tを、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンに対応する変化分ΔTだけ、低い温度に設定することによって、キャップ上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも低い温度に冷却して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって加温されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になる。
【0051】
さらに、本発明の好ましい実施態様によれば、設定温度制御手段が、放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、光透過層の膜厚分布のパターンと、キャップの温度Tの変化分ΔTとの関係を示す基準データを記憶し、基準データに基づき、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布にしたがって、キャップの温度Tの変化分ΔTを決定し、決定した温度Tの変化分ΔTだけ、キャップの温度Tが変化するように、キャップ温度制御装置の設定温度Tを制御するように構成されているから、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が上昇し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が低下したことに起因して、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少しているときは、基準データに基づき、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、設定温度制御手段により、単に、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を設定温度Tに保持するキャップ温度制御装置の設定温度Tを、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンに対応する変化分ΔTだけ、高い温度に設定することによって、キャップ上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度を、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、加温されることに起因して、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少しているときは、基準データに基づき、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、設定温度制御手段により、単に、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を設定温度に保持するキャップ温度制御装置の設定温度Tを、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンに対応する変化分ΔTだけ、高い温度に設定することによって、キャップ上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも高い温度に加温して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって冷却されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になる。
【0052】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記膜厚測定装置によって測定された前記光透過層の膜厚が、前記データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大しているときは、前記設定温度制御手段が、前記放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、前記光透過層の膜厚分布のパターンと、前記キャップの温度Tの変化分ΔTとの関係を示す前記基準データに基づき、前記膜厚測定装置によって測定された前記光透過層の膜厚分布にしたがって、前記キャップの温度Tの変化分ΔTを決定し、決定した温度Tの変化分ΔTだけ、前記キャップの温度Tが低くなるように、前記キャップ温度制御装置の設定温度Tを制御するように構成されている。
【0053】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大しているときは、設定温度制御手段が、放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、光透過層の膜厚分布のパターンと、キャップの温度Tの変化分ΔTとの関係を示す基準データに基づき、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布にしたがって、キャップの温度Tの変化分ΔTを決定し、決定した温度Tの変化分ΔTだけ、キャップの温度Tが低くなるように、キャップ温度制御装置の設定温度Tを制御するように構成されているから、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が低下し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が上昇したことに起因して、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大しているときは、基準データに基づき、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、設定温度制御手段により、単に、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を設定温度Tに保持するキャップ温度制御装置の設定温度Tを、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンに対応する変化分ΔTだけ、低い温度に設定することによって、キャップ上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度を、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、冷却されることに起因して、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大しているときは、基準データに基づき、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、設定温度制御手段により、単に、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を設定温度に保持するキャップ温度制御装置の設定温度Tを、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンに対応する変化分ΔTだけ、低い温度に設定することによって、キャップ上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも低い温度に冷却して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって加温されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になる。
【0054】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記膜厚測定装置によって測定された前記光透過層の膜厚が、前記データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少しているときは、前記設定温度制御手段が、前記放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、前記光透過層の膜厚分布のパターンと、前記キャップの温度Tの変化分ΔTとの関係を示す前記基準データに基づき、前記膜厚測定装置によって測定された前記光透過層の膜厚分布にしたがって、前記キャップの温度Tの変化分ΔTを決定し、決定した温度Tの変化分ΔTだけ、前記キャップの温度Tが高くなるように、前記キャップ温度制御装置の設定温度Tを制御するように構成されている。
【0055】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少しているときは、設定温度制御手段が、放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、光透過層の膜厚分布のパターンと、キャップの温度Tの変化分ΔTとの関係を示す基準データに基づき、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布にしたがって、キャップの温度Tの変化分ΔTを決定し、決定した温度Tの変化分ΔTだけ、キャップの温度Tが高くなるように、キャップ温度制御装置の設定温度Tを制御するように構成されているから、何らかの原因で、データ記録ユニットの温度が上昇し、あるいは、データ記録ユニット上を展開されるべき放射線硬化性樹脂の温度が低下したことに起因して、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少しているときは、基準データに基づき、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、設定温度制御手段により、単に、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を設定温度Tに保持するキャップ温度制御装置の設定温度Tを、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンに対応する変化分ΔTだけ、高い温度に設定することによって、キャップ上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂の温度を、データ記録ユニットの温度と同一になるように制御することができ、したがって、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になり、一方、データ記録ユニットの温度と、データ記録ユニット上を展開されるべき液状の放射線硬化性樹脂の温度が同一であるにもかかわらず、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、外気によって、加温されることに起因して、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚が、データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少しているときは、基準データに基づき、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、設定温度制御手段により、単に、スピンコーティングによって形成された光透過層の膜厚が不均一になることを防止するために用いられるセンターホールを塞ぐキャップの温度を設定温度に保持するキャップ温度制御装置の設定温度Tを、膜厚測定装置によって測定された光透過層の膜厚分布のパターンに対応する変化分ΔTだけ、高い温度に設定することによって、キャップ上に吐出された液状の放射線硬化性樹脂を、データ記録ユニットの温度よりも高い温度に加温して、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、液状の放射線硬化性樹脂がデータ記録ユニットによって冷却されるように、液状の放射線硬化性樹脂の温度を制御することができ、したがって、液状の放射線硬化性樹脂が、データ記録ユニットの表面上に展開されるにしたがって、その粘度が変化することを効果的に防止することが可能になるから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、光透過層の膜厚のむらを解消して、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することが可能になる。
【0056】
本発明において、放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などが好ましく使用される。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0058】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの製造方法によって製造されるべき光記録ディスク1の略斜視図であり、図2は、図1のAで示された部分の略拡大断面図である。
【0059】
図1に示されるように、本実施態様にかかる光記録ディスクの製造方法によって製造されるべき光記録ディスク1は、ポリカーボネートなどによって形成された基板2と、基板2の光が入射すべき側の表面に、スパッタリングなどによって形成された記録層3と、記録層3上に形成された光透過層4を備えている。
【0060】
図2に示されるように、基板2の光が入射すべき側の表面には、基板2を射出成形によって形成する際に、スタンパによって、グルーブ5が形成されている。
【0061】
光透過層4は、基板2に形成された記録層3上に、スピンコーティングによって、液状の紫外線硬化性樹脂の塗布膜を形成し、塗布膜に、紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させて、形成されている。
【0062】
図1に示されるように、光記録ディスク1の中央部には、光記録ディスク1を記録・再生機にセットするためのセンターホール6が形成され、センターホール6の外側には、光記録ディスク1を記録・再生機にセットするためのクランプ領域7が形成されており、クランプ領域7には、記録層3および光透過層4が形成されてはいない。
【0063】
図3は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの製造システムのブロックダイアグラムである。
【0064】
図3に示されるように、本実施態様にかかる光記録ディスクの製造システム10は、ポリカーボネートなどによって形成された基板2と、基板2の表面に形成された記録層3を備えたデータ記録ユニット上に、スピンコーティングによって、紫外線硬化性樹脂の塗布膜を形成し、形成された塗布膜に、紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、光透過層4を形成するスピンコーティング装置11と、スピンコーティング時に、データ記録ユニットのセンターホール6を塞ぐキャップ(図示せず)の温度を制御するキャップ温度制御装置12と、レーザフォーカス変位計を備え、スピンコーティング装置11によって形成された光透過層4の膜厚を測定する膜厚測定装置13と、光記録ディスクの製造システム全体の動作を制御するコントロールユニット14を備えている。
【0065】
本実施態様においては、スピンコーティング装置11、キャップ温度制御装置12および膜厚測定装置13は、基板2の射出成形装置(図示せず)および紫外線硬化性樹脂を収容する塗布液タンク(図示せず)とともに、温度が制御された1つの部屋内に、収容されている。
【0066】
図4は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの製造システムを構成するスピンコーティング装置11の略斜視図であり、図5は、図4に示されたスピンコーティング装置11の略断面図である。
【0067】
図4および図5に示されるように、本実施態様にかかる光記録ディスク1の製造システムを構成するスピンコーティング装置11は、径が光記録ディスク1の径とほぼ等しいステージ21と、ステージ21の中央部に設けられた第1の突出部22と、第1の突出部22の中央部に設けられた第2の突出部23とを備えている。
【0068】
ステージ21、第1の突出部22および第2の突出部23は、ステージ回転機構(図示せず)によって、一体的に回転するように構成されている。
【0069】
図4および図5に示されるように、第1の突出部22は、基板2と記録層3を備えたデータ記録ユニットのクランプ領域7に相当する領域が載置される部分であり、その表面には、複数の第1の吸気口24が形成されている。複数の第1の吸気口24には、第1の吸気機構(図示せず)が接続され、第1の吸気機構を作動することによって、第1の突出部22に載置されたデータ記録ユニットが、第1の突出部22の表面に吸引され、ステージ21上に固定されるように構成されている。
【0070】
第2の突出部23は、径が製造されるべき光記録ディスク1のセンターホール6の径に対応しており、第1の突出部22にデータ記録ユニットを載置したときに、データ記録ユニットのセンターホール6に、第2の突出部23が挿入されるように構成されている。
【0071】
図4および図5に示されるように、第2の突出部23の中央部には、第2の吸気口25が形成され、第2の吸気口25には、第2の吸気機構(図示せず)が接続されている。
【0072】
図4および図5には図示されていないが、スピンコーティング装置11は、さらに、先端に、柔軟性を有する吸引パッドを備え、データ記録ユニットのクランプ領域7を吸引して、保持し、スピンコーティング装置11のステージ21上にセットし、スピンコーティングによって、紫外線硬化性樹脂の塗布膜が形成されて、生成された光記録ディスク1のクランプ領域7を吸引して、保持し、スピンコーティング装置11から、膜厚測定装置13に搬送する第1のアームと、キャップを保持して、ステージ21上にセットされたデータ記録ユニット上の所定の位置に載置するとともに、キャップを、スピンコーティングによって、紫外線硬化性樹脂の塗布膜が形成されて、生成された光記録ディスク1から取り去る第2のアームと、紫外線硬化性樹脂を、キャップ上に吐出する吐出ノズルを備えている。
【0073】
図6は、スピンコーティング装置11の制御系および駆動系のブロックダイアグラムである。
【0074】
図6に示されるように、スピンコーティング装置11の制御系は、スピンコーティング装置11全体の動作を制御するコントローラ30を備えている。
【0075】
また、スピンコーティング装置11の駆動系は、ステージ21を回転させるステージ回転機構31と、第1の吸気機構32と、第2の吸気機構33と、データ記録ユニットを吸引して、搬送する第1のアーム34を移動させる第1のアーム移動手段35と、キャップを把持して、搬送する第2のアーム36を移動させる第2のアーム移動手段37と、吐出ノズル38を、キャップ上に紫外線硬化性樹脂を吐出可能な吐出位置と、ステージ21から退避した退避位置との間で、移動させるとともに、吐出ノズル38から、液状の紫外線硬化性樹脂を吐出するノズル駆動手段39と、紫外線ランプ40を備えている。
【0076】
以上のように構成されたスピンコーティング装置11によって、光記録ディスク1を製造するにあたっては、まず、コントローラ30から、第1のアーム移動手段35に、第1の駆動信号が出力され、基板2と、スパッタリングなどによって、基板2上に形成された記録層3を備えたデータ記録ユニットが、第1のアーム34の吸引パッド(図示せず)に吸引されて、スピンコーティング装置11のステージ21上にセットされる。
【0077】
データ記録ユニットは、第1のアーム34によって、そのクランプ領域7が吸引されて、搬送され、記録層3が上方に位置し、センターホール6に、第2の突出部23が嵌合するように、スピンコーティング装置11のステージ21上にセットされる。
【0078】
データ記録ユニットが、スピンコーティング装置10のステージ21上にセットされると、コントローラ30から、第1のアーム移動手段35に退避信号が出力されて、第1のアーム34が、ステージ21上から退避され、同時に、コントローラ30から、第1の吸気機構32に作動信号が出力されて、第1の吸気機構32が作動され、第1の突出部22に載置されたデータ記録ユニット50が、第1の突出部22の表面に吸引され、ステージ21上に固定される。
【0079】
図7は、データ記録ユニット50が、スピンコーティング装置11のステージ21上に固定された状態を示す略断面図である。
【0080】
次いで、コントローラ30から、第2のアーム移動手段37に、第1の駆動信号が出力されて、キャップ温度制御装置12によって、所定の温度に制御されたキャップが、第2のアーム36によって、ステージ21上にセットされたデータ記録ユニット50上の所定の位置に載置される。
【0081】
図8は、キャップの略斜視図であり、図9は、図8に示されたキャップの略中央断面図である。
【0082】
図8および図9に示されるように、本実施態様において用いられるキャップ55は、平面形状が略円形で、側面の投影形状が略台形の傘部56と、傘部56の頂面に形成され、傘部56の頂面の中心から、傘部56の軸線方向に延びる支持軸57と、傘部56の底面に形成され、傘部56の底面の中心から、傘部56の軸線方向に延びる略円柱状の突起部58を備えている。
【0083】
図8および図9に示されるように、スピンコーティングによって、紫外線硬化性樹脂をデータ記録ユニット50の表面上に塗布するときに、紫外線硬化性樹脂が、毛管現象によって、キャップ55の傘部56の底面と基板2の間に入り込むことを防止するため、キャップ55の傘部56の底面には、凹部56aが形成されている。
【0084】
キャップ55は、金属によって形成されている。
【0085】
傘部56の径は、製造すべき光記録ディスク1のセンターホール6の径よりも大きく、かつ、製造すべき光記録ディスク1のクランプ領域7の外径以下に設定される。
【0086】
また、キャップ55の突起部58は、その径は、スピンコーティング装置11の第2の吸気口25の内径よりもわずかに小さくなるように形成されている。
【0087】
キャップ55は、第2のアーム36によって、支持軸57が把持されて、搬送されるように構成され、ステージ21上にセットされたデータ記録ユニット50上に載置されたときに、突起部58が、スピンコーティング装置11の第2の吸気口25に嵌合し、所定の位置に位置決めされるように構成されている。
【0088】
図10は、キャップ55が、ステージ21上にセットされたデータ記録ユニット50上の所定の位置にセットされた状態を示す略断面図である。
【0089】
キャップ55が、データ記録ユニット50上にセットされると、コントローラ30から、第2のアーム移動手段37に、退避信号が出力されて、第2のアーム36が、ステージ21上から退避され、同時に、コントローラ30から、第2の吸気機構33に作動信号が出力されて、第2の吸気機構33が作動され、スピンコーティング装置11の第2の吸気口25に嵌合しているキャップ55の突起部58が吸引され、キャップ55が、データ記録ユニット50上に固定される。
【0090】
第2の吸気機構33が作動され、キャップ55が、データ記録ユニット50上に固定されると、コントローラ30から、ステージ回転機構31に、第1の駆動信号が出力されて、ステージ回転機構31が作動され、ステージ21、第1の突出部22および第2の突出部23が、一体となって、低速で回転される。その結果、ステージ21に固定されているデータ記録ユニット50と、データ記録ユニット50上に固定されているキャップ55も、ステージ21、第1の突出部22および第2の突出部23とともに、一体的に低速で回転される。
【0091】
次いで、コントローラ30から、ノズル駆動手段39に第1の駆動信号が出力され、吐出ノズル38が、データ記録ユニット50上に固定されたキャップ55上に、液状の紫外線硬化性樹脂を吐出可能な吐出位置に移動され、さらに、コントローラ30から、ノズル駆動手段39に吐出信号が出力されて、図11に示されるように、吐出ノズル38から、液状の紫外線硬化性樹脂60が、支持軸57の近傍の傘部56の頂面に吐出される。
【0092】
液状の紫外線硬化性樹脂60が、キャップ55の支持軸57の近傍の傘部56の頂面に吐出されると、コントローラ30から、ステージ回転機構31に、第2の駆動信号が出力されて、ステージ回転機構31によって、ステージ21、第1の突出部22および第2の突出部23ならびステージ21に固定されているデータ記録ユニット30およびデータ記録ユニット30上に固定されているキャップ35が、一体として、高速で回転される。
【0093】
その結果、キャップ55の傘部56の頂面に吐出された液状の紫外線硬化性樹脂60が、回転によって生じた遠心力によって、データ記録ユニット50の周縁部に向かって、データ記録ユニット50の記録層3上を展開され、図12に示されるように、所定の厚さ、たとえば、100μmの膜厚を有する紫外線硬化性樹脂60の薄膜が、データ記録ユニット50の記録層3上に形成される。
【0094】
データ記録ユニット50の記録層3上に、紫外線硬化性樹脂60の薄膜が形成されると、コントローラ30から、紫外線ランプ40に駆動信号が出力される。
【0095】
その結果、紫外線ランプ40がオンされて、図13に示されるように、紫外線41が、データ記録ユニット50の記録層3上に形成された紫外線硬化性樹脂60の薄膜に照射され、データ記録ユニット50の記録層3上に形成された紫外線硬化性樹脂60の薄膜が硬化される。
【0096】
こうして、紫外線硬化性樹脂60の薄膜が、ある程度、硬化されると、コントローラ30から、紫外線ランプ40に駆動停止信号が出力されて、紫外線ランプ40がオフされるとともに、コントローラ30から、ステージ回転機構31に駆動停止信号が出力されて、ステージ回転機構31の作動が停止され、さらに、コントローラ30から、第2の吸気機構33に作動停止信号が出力されて、第2の吸気機構33の作動が停止される。
【0097】
次いで、コントローラ30から、第2のアーム移動手段37に、第2の駆動信号が出力され、第2のアーム36により、キャップ55の支持軸57が把持されて、キャップ55がデータ記録ユニット50上から取り去られる。
【0098】
キャップ55がデータ記録ユニット50上から取り去られると、コントローラ30から、再び、紫外線ランプ40に駆動信号が出力されて、紫外線ランプ40がオンされ、紫外線41が、データ記録ユニット50の記録層3上に形成された紫外線硬化性樹脂60の薄膜に照射される。
【0099】
データ記録ユニット50の記録層3上に形成された紫外線硬化性樹脂60の薄膜が完全に硬化され、光透過層4が形成されて、光記録ディスク1が生成されると、コントローラ30から、紫外線ランプ40に駆動停止信号が出力されて、紫外線ランプ40がオフされるとともに、第1の吸気機構32に駆動停止信号が出力されて、第1の吸気機構32の作動が停止される。
【0100】
次いで、コントローラ30から、第1のアーム移動手段35に、第2の駆動信号が出力されて、第1のアーム34の吸引パッド(図示せず)によって、光記録ディスク1のクランプ領域7が吸引され、第1のアーム34により、光記録ディスク1が、スピンコーティング装置11から、膜厚測定装置13に移送され、光記録ディスク1に形成された光透過層4の膜厚分布が測定される。
【0101】
図14は、液状の紫外線硬化性樹脂60をキャップ55の頂面に吐出し、スピンコーティング装置11により、データ記録ユニット50上に、紫外線硬化性樹脂60の薄膜を形成し、紫外線硬化性樹脂60の薄膜に紫外線41を照射して、紫外線硬化性樹脂60を硬化させ、光透過層4を形成するまでの間、データ記録ユニット50と、キャップ55と、液状の紫外線硬化性樹脂60とが、完全に同一の温度に保持された場合の光透過層4の膜厚分布を示す略断面図である。
【0102】
図14に示されるように、液状の紫外線硬化性樹脂60をキャップ55の頂面に吐出し、スピンコーティング装置11により、データ記録ユニット50上に、紫外線硬化性樹脂60の薄膜を形成し、紫外線硬化性樹脂60の薄膜に紫外線41を照射して、紫外線硬化性樹脂60を硬化させ、光透過層4を形成するまでの間、データ記録ユニット50と、キャップ55と、液状の紫外線硬化性樹脂60とが、完全に同一の温度に保持された場合においては、光記録ディスク1に形成された光透過層4の膜厚分布は均一である。
【0103】
しかしながら、基板2と、キャップ55と、液状の紫外線硬化性樹脂60の温度とが、あらかじめ同一になるように制御する場合にも、液状の紫外線硬化性樹脂60をキャップ55の頂面に吐出し、スピンコーティング装置11により、データ記録ユニット50上に、紫外線硬化性樹脂60の薄膜を形成し、紫外線硬化性樹脂60の薄膜に紫外線41を照射して、紫外線硬化性樹脂60を硬化させ、光透過層4を形成するまでの間、データ記録ユニット50と、キャップ55と、液状の紫外線硬化性樹脂60とを、完全に同一の温度に保持することは、現実には、きわめて困難であり、データ記録ユニット50と、データ記録ユニット50上を、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度が同一でないことに起因して、または、データ記録ユニット50と、データ記録ユニット50上を、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度が同一であるにもかかわらず、データ記録ユニット50上を、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、展開される際に、液状の紫外線硬化性樹脂60が外気によって、冷却もしくは加温されることに起因して、したがって、スピンコーティング装置11により、光記録ディスク1に形成された光透過層4の膜厚分布が不均一になるということが、しばしば生じる。
【0104】
図15は、スピンコーティング装置11によって、データ記録ユニット50上を、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度が、データ記録ユニット50の温度よりも高い場合、あるいは、データ記録ユニット50上を、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度とデータ記録ユニット50の温度が同一であるにもかかわらず、液状の紫外線硬化性樹脂60が展開されるときに、外気により、冷却された場合の光透過層4の膜厚分布を示す略断面図である。
【0105】
スピンコーティング装置11により、データ記録ユニット50上を、液状の紫外線硬化性樹脂60が展開されるときに、何らかの原因で、データ記録ユニット50の温度が低下し、あるいは、データ記録ユニット50上を展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度が上昇し、データ記録ユニット50上を展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度が、データ記録ユニット50の温度よりも高い場合には、キャップ55の頂面に吐出された液状の紫外線硬化性樹脂60は、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、データ記録ユニット50上を展開されるにしたがって、データ記録ユニット50によって、冷却され、その温度が低下する。
【0106】
その結果、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、データ記録ユニット50上を展開されるにしたがって、液状の紫外線硬化性樹脂60の粘度が高くなり、図15に示されるように、光透過層4の膜厚は、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、増大する。
【0107】
また、スピンコーティング装置11により、データ記録ユニット50上を、液状の紫外線硬化性樹脂60が展開されるときに、データ記録ユニット50上を展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度と、データ記録ユニット50の温度が同一に保持されている場合にも、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50上を展開されるときに、外気によって、冷却される場合には、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、データ記録ユニット50上を展開されるにしたがって、液状の紫外線硬化性樹脂60の粘度が高くなり、図15に示されるように、光透過層4の膜厚は、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、増大する。
【0108】
これに対して、スピンコーティング装置11により、データ記録ユニット50上を、液状の紫外線硬化性樹脂60が展開されるときに、何らかの原因で、データ記録ユニット50の温度が上昇し、あるいは、データ記録ユニット50上を展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度が低下し、データ記録ユニット50上を展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度が、データ記録ユニット50の温度よりも低い場合には、キャップ55の頂面に吐出された液状の紫外線硬化性樹脂60は、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、データ記録ユニット50上を展開されるにしたがって、データ記録ユニット50によって、加温され、その温度が上昇する。
【0109】
したがって、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、データ記録ユニット50上を展開されるにしたがって、液状の紫外線硬化性樹脂60の粘度が低くなり、その結果、図16に示されるように、光透過層4の膜厚は、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、減少する。
【0110】
また、スピンコーティング装置11により、データ記録ユニット50上を、液状の紫外線硬化性樹脂60が展開されるときに、データ記録ユニット50上を展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度と、データ記録ユニット50の温度が同一に保持されている場合にも、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50上を展開されるときに、外気によって、加温される場合には、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、データ記録ユニット50上を展開されるにしたがって、液状の紫外線硬化性樹脂60の粘度が低くなり、図15に示されるように、光透過層4の膜厚は、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、減少する。
【0111】
本発明者の研究によれば、光透過層4の膜厚分布が均一でない場合、基準温度、たとえば、25℃における紫外線硬化性樹脂60の粘度が同じであれば、その原因の如何にかかわらず、光透過層4の膜厚分布のパターンにしたがって、キャップ55の温度Tを、所定の変化分ΔTだけ、変化させることによって、データ記録ユニット50を展開される紫外線硬化性樹脂60の温度を一定に制御して、均一な膜厚分布を有する光透過層4を形成することが可能になることが見出されており、そこで、本実施態様にかかる光記録ディスク1の製造システム10は、スピンコーティング装置11によって、形成された光透過層4の膜厚分布を、膜厚測定装置13によって、測定し、膜厚測定装置13によって測定された光透過層4の膜厚分布のパターンに基づいて、コントロールユニット14が、キャップ温度制御装置12によって制御されるキャップ55の温度Tを低下あるいは上昇させ、キャップ55によって、その頂面に吐出される液状の紫外線硬化性樹脂60を冷却し、あるいは、加温して、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、データ記録ユニット50上を展開させることによって、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、データ記録ユニット50上を展開される間、液状の紫外線硬化性樹脂60の粘度が一定に保持されるように制御し、均一な膜厚分布を有する光透過層4を光記録ディスク1に形成するように構成されている。
【0112】
すなわち、スピンコーティング装置11によって、光透過層4が形成された光記録ディスク1は、第1のアーム34によって、膜厚測定装置13に移送され、レーザフォーカス変位計(図示せず)によって、光記録ディスク1に形成された光透過層4の膜厚分布が測定される。
【0113】
膜厚測定装置13によって測定された光透過層4の膜厚分布は、コントロールユニット14に出力される。
【0114】
本実施態様においては、あらかじめ、紫外線硬化性樹脂60の基準温度における粘度、光透過層4の膜厚分布のパターンおよび変化させるべきキャップ55の温度Tの変化分ΔTとの関係が実験的に決定されて、テーブルや関係式などの形で、コントロールユニット14のRAM(図示せず)に記憶されている。
【0115】
そこで、コントロールユニット14は、膜厚測定装置13から入力された光透過層4の膜厚分布のパターンに基づき、RAMにアクセスし、RAMに記憶されているテーブルや関係式などに基づいて、キャップ55の温度Tの変化分ΔTを決定し、キャップ温度設定信号を、キャップ温度制御装置12に出力する。
【0116】
図15に示されるように、光透過層4の膜厚が、データ記録ユニット50の周縁部、したがって、光記録ディスク1の周縁部に向けて、増大しているときは、コントロールユニット14は、RAMに記憶されているテーブルや関係式などに基づき、光透過層4の膜厚分布のパターンにしたがって、決定された温度の変化分ΔTだけ、キャップ温度制御装置12によって制御されるキャップ55の設定温度を低くする。
【0117】
その結果、キャップ55の設定温度が、データ記録ユニット50の温度よりもΔTだけ、低い温度に調整され、吐出ノズル38から、キャップ55の頂部の支持軸57の近傍に吐出された液状の紫外線硬化性樹脂60は、キャップ55によって、冷却された後、データ記録ユニット50上に展開される。
【0118】
したがって、何らかの原因で、データ記録ユニット50の温度が低下し、あるいは、データ記録ユニット50の表面上を展開されるべき紫外線硬化性樹脂60の温度が上昇して、データ記録ユニット50の温度が、データ記録ユニット50の表面上を展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度よりも低く、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の表面上を、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、展開されるにしたがって、データ記録ユニット50によって冷却されて、その粘度が増大し、光透過層4の膜厚が、データ記録ユニット50の周縁部に向かって、増大しているときは、キャップ55により、キャップ55上に吐出された液状の紫外線硬化性樹脂60が冷却され、データ記録ユニット50上に展開されるときに、データ記録ユニット50と同じ温度になるように、その温度が制御される。
【0119】
その結果、データ記録ユニット50の周縁部、したがって、光記録ディスク1の周縁部に向けて、紫外線硬化性樹脂60の薄膜の膜厚が増大することが防止され、均一な膜厚の光透過層4を形成することが可能になる。
【0120】
一方、データ記録ユニット50の温度と、データ記録ユニット50上を展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度が同一であるにもかかわらず、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の表面上に展開されるにしたがって、外気によって、冷却されて、その粘度が増大し、光透過層4の膜厚が、データ記録ユニット50の周縁部に向かって、増大しているときは、キャップ55により、キャップ55上に吐出された液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の温度よりも低い温度に、冷却され、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、データ記録ユニット50の表面上を展開されるにしたがって、データ記録ユニット50によって、加温されるから、液状の紫外線硬化性樹脂60の粘度は、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、データ記録ユニット50の表面上を展開されても、一定に保持される。
【0121】
その結果、データ記録ユニット50の周縁部、したがって、光記録ディスク1の周縁部に向けて、紫外線硬化性樹脂60の薄膜の膜厚が増大することが防止され、均一な膜厚の光透過層4を形成することが可能になる。
【0122】
これに対して、図16に示されるように、光透過層4の膜厚が、データ記録ユニット50の周縁部、したがって、光記録ディスク1の周縁部に向けて、減少しているときは、コントロールユニット14は、RAMに記憶されているテーブルや関係式などに基づき、光透過層4の膜厚分布のパターンにしたがって、決定された温度の変化分ΔTだけ、キャップ温度制御装置12によって制御されるキャップ55の設定温度を高くする。
【0123】
その結果、キャップ55の設定温度が、データ記録ユニット50の温度よりもΔTだけ、高い温度に調整され、吐出ノズル38から、キャップ55の頂部の支持軸57の近傍に吐出された液状の紫外線硬化性樹脂60は、キャップ55によって、加温された後、データ記録ユニット50上に展開される。
【0124】
したがって、何らかの原因で、データ記録ユニット50の温度が上昇し、あるいは、データ記録ユニット50の表面上を展開されるべき紫外線硬化性樹脂60の温度が低下して、データ記録ユニット50の温度が、データ記録ユニット50の表面上を展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度よりも高く、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の表面上を、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、展開されるにしたがって、データ記録ユニット50によって加温されて、その粘度が減少し、光透過層4の膜厚が、データ記録ユニット50の周縁部に向かって、減少しているときは、キャップ55により、キャップ55上に吐出された液状の紫外線硬化性樹脂60が加温されて、データ記録ユニット50上に展開されるときに、データ記録ユニット50と同じ温度になるように、その温度が制御される。
【0125】
その結果、データ記録ユニット50の周縁部、したがって、光記録ディスク1の周縁部に向けて、紫外線硬化性樹脂60の薄膜の膜厚が減少することが防止され、均一な膜厚の光透過層4を形成することが可能になる。
【0126】
一方、データ記録ユニット50の温度と、データ記録ユニット50上を展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂60の温度が同一であるにもかかわらず、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の表面上に展開されるにしたがって、外気によって、加温されて、その粘度が減少し、光透過層4の膜厚が、データ記録ユニット50の周縁部に向かって、減少しているときは、キャップ55により、キャップ55上に吐出された液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の温度よりも高い温度に、加温され、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、データ記録ユニット50の表面上を展開されるにしたがって、データ記録ユニット50によって、冷却されるから、液状の紫外線硬化性樹脂60の粘度は、液状の紫外線硬化性樹脂60が、データ記録ユニット50の周縁部に向けて、データ記録ユニット50の表面上を展開されても、一定に保持される。
【0127】
その結果、データ記録ユニット50の周縁部、したがって、光記録ディスク1の周縁部に向けて、紫外線硬化性樹脂60の薄膜の膜厚が減少することが防止され、均一な膜厚の光透過層4を形成することが可能になる。
【0128】
一方、膜厚測定装置13によって、光記録ディスク1に形成された光記録層4の膜厚分布を測定した結果、光記録層4の膜厚の平均値が、所定値、たとえば、100μmよりも小さい場合、あるいは、大きい場合には、ステージ21の回転数や、紫外線硬化性樹脂60を展開させるために、ステージ21を回転させる時間あるいは紫外線硬化性樹脂60の吐出量などを制御して、光記録層4の膜厚の膜厚を調整することができる。
【0129】
本実施態様によれば、膜厚測定装置13によって、光記録ディスク1に形成された光記録層4の膜厚分布を測定し、膜厚測定装置13によって測定された光透過層4の膜厚分布のパターンにしたがって、あらかじめ実験的に決定され、RAMに記憶されている紫外線硬化性樹脂60の基準温度における粘度、光透過層4の膜厚分布のパターンおよび変化させるべきキャップ55の温度Tの変化分ΔTとの関係を示すテーブルや関係式などにしたがって、単に、キャップ55の温度Tを、ΔTだけ、上昇させ、あるいは、低下させるだけで、光記録ディスク1に、均一な膜厚分布を有する光透過層4を形成することができ、したがって、液状の紫外線硬化性樹脂60をキャップ55の頂面に吐出し、スピンコーティング装置11により、データ記録ユニット50上に、紫外線硬化性樹脂60の薄膜を形成し、紫外線硬化性樹脂60の薄膜に紫外線41を照射して、紫外線硬化性樹脂60を硬化させ、光透過層4を形成するまでの間、データ記録ユニット50と、キャップ55と、液状の紫外線硬化性樹脂60とを、完全に同一の温度に保持するために、特別の設備を設ける必要がなく、さらに、光透過層4を形成するまでの間、データ記録ユニット50と、キャップ55と、液状の紫外線硬化性樹脂60とを、完全に同一の温度に保持するために、厳密な温度管理操作をする必要がないから、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、均一な膜厚を有する光透過層を、光記録ディスク1に形成することが可能になる。
【0130】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0131】
たとえば、前記実施態様においては、スピンコーティング装置11によって、光記録ディスク1が製造されるたびに、光記録ディスク1の光透過層4の膜厚分布を、膜厚測定装置13によって測定し、膜厚測定装置13によって測定された光透過層4の膜厚分布が均一でないときは、光透過層4の膜厚分布のパターンにしたがって、キャップ温度制御装置12の設定温度を調整して、キャップ55の温度Tを制御するように構成されているが、スピンコーティング装置11によって、光記録ディスク1が製造されるたびに、光記録ディスク1の光透過層4の膜厚分布を、膜厚測定装置13によって測定し、膜厚測定装置13によって測定された光透過層4の膜厚分布が均一でないときは、光透過層4の膜厚分布のパターンにしたがって、キャップ温度制御装置12の設定温度を調整して、キャップ55の温度Tを制御することは必ずしも必要でなく、スピンコーティング装置11によって連続して製造される所定枚数の光記録ディスク1の光透過層4の膜厚分布を測定し、膜厚測定装置13によって測定された光透過層4の膜厚分布が均一でないときは、所定枚数の光記録ディスク1に形成された光透過層4の膜厚分布の平均パターンにしたがって、所定枚数の光記録ディスク1ごとに、キャップ温度制御装置12の設定温度を調整して、キャップ55の温度Tを制御するように構成することもできるし、必要に応じて、膜厚測定装置13により、光記録ディスク1に形成された光透過層4の膜厚分布を測定して、膜厚測定装置13によって測定された光透過層4の膜厚分布が均一でないときは、そのたびごとに、膜厚測定装置13によって測定された光透過層4の膜厚分布のパターンにしたがって、キャップ温度制御装置12の設定温度を調整し、キャップ55の温度Tを制御することもでき、さらには、スピンコーティング装置11によって連続して製造されるN枚(Nは正の整数)の光記録ディスク1のうち、(N−M)枚(MはN以下の正の整数)の光記録ディスク1につき、光透過層4の膜厚分布を測定し、膜厚測定装置13によって測定された光透過層4の膜厚分布が均一でないときは、(N−M)枚の光記録ディスク1に形成された光透過層4の膜厚分布の平均パターンにしたがって、N枚の光記録ディスク1ごとに、キャップ温度制御装置12の設定温度を調整して、キャップ55の温度Tを制御するように構成することもできる。
【0132】
さらに、前記実施態様においては、スピンコーティング装置11によって、光記録ディスク1が製造されるたびに、光記録ディスク1の光透過層4の膜厚分布を、膜厚測定装置13によって測定し、膜厚測定装置13によって測定された光透過層4の膜厚分布が均一でないときは、光透過層4の膜厚分布のパターンにしたがって、キャップ温度制御装置12の設定温度を調整して、キャップ55の温度Tを制御するように構成されているが、形成されるべき光透過層4の膜厚と、膜厚測定装置13によって測定された光透過層4の膜厚の最大値あるいは最小値との差の絶対値がしきい値を越えた場合にだけ、光透過層4の膜厚分布のパターンにしたがって、キャップ温度制御装置12の設定温度を調整して、キャップ55の温度Tを制御するように構成することもできる。
【0133】
また、前記実施態様においては、平面形状が略円形で、側面の投影形状が略台形の傘部56と、傘部56の頂面に形成され、傘部56の頂面の中心から、傘部56の軸線方向に延びる支持軸57と、傘部56の底面に形成され、傘部56の底面の中心から、傘部56の軸線方向に延びる略円柱状の突起部58を備えたキャップ55が用いられているが、キャップ55の傘部56の側面の投影形状が略台形であることは必ずしも必要でなく、側面の投影形状が図17(A)、(B)、(C)に示されるような形状をなした傘部56を備えたキャップ55を用いることもできる。
【0134】
さらに、前記実施態様においては、データ記録ユニット50のセンターホール6を塞ぐキャップ55の温度を制御することによって、光透過層4の膜厚分布が均一になるように制御しているが、本発明は、センターホール6が形成されていないデータ記録ユニット50に、光透過層4を形成する場合にも適用することができ、そのような場合には、センターホール6を塞ぐキャップ55に代えて、データ記録ユニット50の中央部近傍に、マグネットなどを用いて、液状の紫外線硬化性樹脂60が吐出される部材を固定し、液状の紫外線硬化性樹脂60が吐出される部材の温度を制御して、その上に吐出された液状の紫外線硬化性樹脂60を冷却または加温し、データ記録ユニット50上に展開することによって、均一な光透過層4を形成することようにすればよい。
【0135】
また、前記実施態様においては、スピンコーティング装置11の回転可能なステージ21上に、データ記録ユニット50が保持された状態で、紫外線硬化性樹脂60の薄膜に、紫外線41が照射されているが、紫外線硬化性樹脂60の薄膜が形成された後、データ記録ユニット50を、スピンコーティング装置11の回転可能なステージ21から、別のステージ上に移送し、紫外線硬化性樹脂60の薄膜に、紫外線41を照射して、紫外線硬化性樹脂60の薄膜を硬化させるようにしてもよい。
【0136】
さらに、前記実施態様においては、光記録ディスク1は、基板2と、基板2上に形成された記録層3と、記録層3上に形成された光透過層4を備えているが、基板2と記録層3の間に、反射層が形成されていてもよく、また、光透過層4上に、ハードコート層が形成されていてもよい。
【0137】
また、前記実施態様においては、紫外線硬化性樹脂60によって、光透過層4を形成しているが、紫外線硬化性樹脂60によって、光透過層4を形成することは必ずしも必要でなく、紫外線硬化性樹脂に代えて、電子線硬化性樹脂を用いて、光透過層4を形成することもできる。
【0138】
【発明の効果】
本発明によれば、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することができる光記録ディスクの製造方法を提供することが可能になる。
【0139】
また、本発明によれば、複雑な設備を要することなく、簡易な操作で、均一な膜厚分布を有する光透過層を形成することができる光記録ディスクの製造システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの製造方法によって製造されるべき光記録ディスクの略斜視図である。
【図2】図2は、図1のAで示された部分の略拡大断面図である。
【図3】図3は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの製造システムのブロックダイアグラムである。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの製造システムを構成するスピンコーティング装置の略斜視図である。
【図5】図5は、図4に示されたスピンコーティング装置の略断面図である。
【図6】図6は、スピンコーティング装置の制御系および駆動系のブロックダイアグラムである。
【図7】図7は、データ記録ユニットが、スピンコーティング装置のステージ上に固定された状態を示す略断面図である。
【図8】図8は、キャップの略斜視図である。
【図9】図9は、図8に示されたキャップの略中央断面図である。
【図10】図10は、キャップが、ステージ上にセットされたデータ記録ユニット上の所定の位置にセットされた状態を示す略断面図である。
【図11】図11は、紫外線硬化性樹脂が、吐出ノズルから、キャップの傘部の頂面に吐出された状態を示す略断面図である。
【図12】図12は、所定の膜厚を有する紫外線硬化性樹脂の薄膜が、データ記録ユニットの記録層上に形成された状態を示す略断面図である。
【図13】図13は、データ記録ユニットの記録層上に形成された紫外線硬化性樹脂の薄膜に、紫外線が照射されている状態を示す略断面図である。
【図14】図14は、液状の紫外線硬化性樹脂をキャップの頂面に吐出し、スピンコーティング装置により、データ記録ユニット上に、紫外線硬化性樹脂の薄膜を形成し、紫外線硬化性樹脂の薄膜に紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、光透過層を形成するまでの間、データ記録ユニットと、キャップと、液状の紫外線硬化性樹脂が、完全に同一の温度に保持された場合の光透過層の膜厚分布を示す略断面図である。
【図15】図15は、スピンコーティング装置によって、データ記録ユニット上を、データ記録ユニットの周縁部に向けて、展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂の温度が、データ記録ユニットの温度よりも高い場合、あるいは、データ記録ユニット上を、データ記録ユニットの周縁部に向けて、展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂の温度とデータ記録ユニットの温度が同一であるにもかかわらず、液状の紫外線硬化性樹脂が展開されるときに、外気により、冷却された場合の光透過層の膜厚分布を示す略断面図である。
【図16】図16は、スピンコーティング装置によって、データ記録ユニット上を、データ記録ユニットの周縁部に向けて、展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂の温度が、データ記録ユニットの温度よりも低い場合、あるいは、データ記録ユニット上を、データ記録ユニットの周縁部に向けて、展開されるべき液状の紫外線硬化性樹脂の温度とデータ記録ユニットの温度が同一であるにもかかわらず、液状の紫外線硬化性樹脂が展開されるときに、外気により、加温された場合の光透過層の膜厚分布を示す略断面図である。
【図17】図17は、キャップの他の例を示すキャップの側面の略投影図である。
【符号の説明】
1 光記録ディスク
2 基板
3 記録層
4 光透過層
5 プリグルーブ
6 センターホール
7 クランプ領域
10 光記録ディスクの製造システム
11 スピンコーティング装置
12 キャップ温度制御装置
13 膜厚測定装置
14 コントロールユニット
21 ステージ
22 第1の突出部
23 第2の突出部
24 第1の吸気口
25 第2の吸気口
30 コントローラ
31 ステージ回転機構
32 第1の吸気機構
33 第2の吸気機構
34 第1のアーム
35 第1のアーム移動手段
36 第2のアーム
37 第2のアーム移動手段
38 吐出ノズル
39 ノズル駆動手段
40 紫外線ランプ
41 紫外線
50 データ記録ユニット
55 キャップ
56 傘部
56a 凹部
57 支持軸
58 突起部
60 紫外線硬化性樹脂

Claims (12)

  1. 基板と記録層を備えたデータ記録ユニットを、回転可能なステージ上に固定し、前記データ記録ユニットの略中央部に、液状の放射線硬化性樹脂が吐出される中央固定部材を固定し、前記中央固定部材上に、放射線硬化性樹脂を吐出し、前記ステージを回転させて、前記液状の放射線硬化性樹脂を、前記データ記録ユニットの表面上に展開し、前記データ記録ユニットの表面上に、光透過層を形成する光記録ディスクの製造方法であって、前記光透過層の膜厚分布を測定し、前記光透過層の膜厚分布に応じて、前記中央固定部材の温度Tを制御することを特徴とする光記録ディスクの製造方法。
  2. 前記光透過層を形成した後、前記光透過層の膜厚分布を測定し、前記光透過層の膜厚分布に応じて、前記中央固定部材の温度Tを制御し、基板と記録層を備えたデータ記録ユニットを、前記ステージ上に固定し、前記データ記録ユニットの略中央部に、温度Tが制御された前記中央固定部材を固定し、前記中央固定部材上に、放射線硬化性樹脂を吐出し、前記ステージを回転させて、前記液状の放射線硬化性樹脂を、前記データ記録ユニットの表面上に展開し、前記データ記録ユニットの表面上に、光透過層を形成することを特徴とする請求項1に記載の光記録ディスクの製造方法。
  3. 前記光透過層を形成するたびに、前記光透過層の膜厚分布を測定し、所定枚数の前記光記録ディスクの前記光記録層の膜厚分布に応じて、前記中央固定部材の温度Tを制御することを特徴とする請求項1に記載の光記録ディスクの製造方法。
  4. 前記光透過層を形成した後、必要に応じて、前記光透過層の膜厚分布を測定し、測定された前記光透過層の膜厚分布に応じて、前記中央固定部材の温度Tを制御することを特徴とする請求項1に記載の光記録ディスクの製造方法。
  5. 前記放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、前記光透過層の膜厚分布のパターンと、前記中央固定部材の温度Tの変化分ΔTとの関係を示す基準データに基づき、前記光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、前記中央固定部材の温度Tの変化分ΔTを決定し、決定された温度Tの変化分ΔTだけ、前記中央固定部材の温度Tが変化するように、前記中央固定部材の温度Tを制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光記録ディスクの製造方法。
  6. 前記光透過層の膜厚が、前記データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大しているときは、前記放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、前記光透過層の膜厚分布のパターンと、前記中央固定部材の温度Tの変化分ΔTとの関係を示す前記基準データに基づき、前記光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、前記中央固定部材の温度Tの変化分ΔTを決定し、決定された温度Tの変化分ΔTだけ、前記中央固定部材の温度Tが低くなるように制御することを特徴とする請求項5に記載の光記録ディスクの製造方法。
  7. 前記光透過層の膜厚が、前記データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少しているときは、前記放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、前記光透過層の膜厚分布のパターンと、前記中央固定部材の温度Tの変化分ΔTとの関係を示す前記基準データに基づき、前記光透過層の膜厚分布のパターンにしたがって、前記中央固定部材の温度Tの変化分ΔTを決定し、決定された温度Tの変化分ΔTだけ、前記中央固定部材の温度Tが高くなるように制御することを特徴とする請求項6に記載の光記録ディスクの製造方法。
  8. 前記データ記録ユニットが、その中央部にセンターホールを有し、前記中央固定部材が、前記センターホールを塞ぐキャップによって形成されたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光記録ディスクの製造方法。
  9. 中央部に、センターホールが形成され、基板と記録層を備えたデータ記録ユニットの表面に、スピンコーティングによって、液状の放射線硬化性樹脂を塗布して、光透過層を形成するスピンコーティング装置と、前記データ記録ユニットの前記センターホールを塞ぎ、その上に放射線硬化性樹脂が吐出されるキャップの温度を設定温度Tに保持するキャップ温度制御装置と、前記スピンコーティング装置によって形成された前記光透過層の膜厚を測定する膜厚測定装置と、前記膜厚測定装置によって測定された前記光透過層の膜厚分布に応じて、前記キャップ温度制御装置の設定温度Tを制御する設定温度制御手段を備えたことを特徴とする光記録ディスクの製造システム。
  10. 前記設定温度制御手段が、前記放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、前記光透過層の膜厚分布のパターンと、前記キャップの温度Tの変化分ΔTとの関係を示す基準データを記憶し、前記基準データに基づき、前記膜厚測定装置によって測定された前記光透過層の膜厚分布にしたがって、前記キャップの温度Tの変化分ΔTを決定し、決定した温度Tの変化分ΔTだけ、前記キャップの温度Tが変化するように、前記キャップ温度制御装置の設定温度Tを制御するように構成されたことを特徴とする請求項9に記載の光記録ディスクの製造システム。
  11. 前記膜厚測定装置によって測定された前記光透過層の膜厚が、前記データ記録ユニットの周縁部に向かって、増大しているときは、前記設定温度制御手段が、前記放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、前記光透過層の膜厚分布のパターンと、前記キャップの温度Tの変化分ΔTとの関係を示す前記基準データに基づき、前記膜厚測定装置によって測定された前記光透過層の膜厚分布にしたがって、前記キャップの温度Tの変化分ΔTを決定し、決定した温度Tの変化分ΔTだけ、前記キャップの温度Tが低くなるように、前記キャップ温度制御装置の設定温度Tを制御するように構成されたことを特徴とする請求項10に記載の光記録ディスクの製造システム。
  12. 前記膜厚測定装置によって測定された前記光透過層の膜厚が、前記データ記録ユニットの周縁部に向かって、減少しているときは、前記設定温度制御手段が、前記放射線硬化性樹脂の基準温度における粘度と、前記光透過層の膜厚分布のパターンと、前記キャップの温度Tの変化分ΔTとの関係を示す前記基準データに基づき、前記膜厚測定装置によって測定された前記光透過層の膜厚分布にしたがって、前記キャップの温度Tの変化分ΔTを決定し、決定した温度Tの変化分ΔTだけ、前記キャップの温度Tが高くなるように、前記キャップ温度制御装置の設定温度Tを制御するように構成されたことを特徴とする請求項11に記載の光記録ディスクの製造システム。
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