JP2004163243A - 表面評価装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】試料の形状に応じた形状の照射光を、試料のほぼ全面に、均一に照射させて、高精度かつ信頼性高く、試料表面を評価する表面評価装置を提供。
【解決手段】試料3表面にレーザ光1を斜め上方より照射させ、発生した散乱光を、試料3表面の法線方向かつ対向する位置のCCDで検出させる表面評価装置であって、レーザ光を走査させる、2組のガルバノミラー7a、7bからなるX−Yスキャナー、及び中央に楕円形の開口部15を有する、上下左右前後斜めに可変自在の照射光成形板14で構成された照射光成形装置を通過させて、円形シリコンウエハ表面のほぼ全面に、均一な強度のレーザ光を照射させる。
【選択図】 図2
【解決手段】試料3表面にレーザ光1を斜め上方より照射させ、発生した散乱光を、試料3表面の法線方向かつ対向する位置のCCDで検出させる表面評価装置であって、レーザ光を走査させる、2組のガルバノミラー7a、7bからなるX−Yスキャナー、及び中央に楕円形の開口部15を有する、上下左右前後斜めに可変自在の照射光成形板14で構成された照射光成形装置を通過させて、円形シリコンウエハ表面のほぼ全面に、均一な強度のレーザ光を照射させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、絶縁体、金属等からなる試料表面に光を入射させ、試料表面で散乱される光を検出し試料表面の上に存在する、微小な粒子、付着物等の異物、及び粗さ、キズ、スクラッチ等の微細な凹凸、並びに構造または組成の変化等を高精度に評価する表面評価装置に関し、より詳しくは、試料表面に照射させる照射光を成形させるための照射光成形装置を備えた表面評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、He−NeレーザやArレーザのようなレーザ光を用いて、集光させた照射光を、試料表面に対して比較的垂直に近い角度で入射させ、表面からの散乱光を、凹面鏡である積分球等を用いて捕捉し、ついで各測定点での散乱光強度を、光電子増倍管(「PMT」という。)を用いて、電気信号に変換させることにより、シリコンウエハ等の試料表面の微粒子、付着物等の異物を測定していた。
また、シリコンウエハや照射光を走査させて、照射位置を移動させることにより、異物の位置を測定していた。
【0003】
本発明者らは、先に出願した特願2001−150584号により、試料表面の異物や微細な凹凸との識別が短持間かつ容易にでき、広い範囲にわたって、短時間かつ容易に、高精度に評価できる表面評価装置を提案した。
【0004】
特願2001−150584号の表面評価装置は、反射光が最小となる入射角度の照射光を、試料表面に照射させる光照射手段と、試料表面に対して法線方向かつ対向する位置に配置された、発生させた散乱光を結像させる結像レンズ及び結像された散乱光を電気信号に変換させるCCDからなる散乱光検出手段と、該CCDからの電気信号を記録させる記録手段とを有することを特徴とするものである。
【0005】
図1の概略模式図に示されるように、該装置においては、光源6から射出されたレーザ光は、偏向面調整され、ついで2組のガルバノミラーからなるX−Yスキャナー7を経た後、集点レンズ10により、適当な大きさのスポットに集光された照射光1が、走査されて、試料3表面に照射される。試料3表面に、異物や微細な凹凸あるいは構造や組成の変化等が存在する場合、照射光1が照射された部分より散乱光が発生し、発生した散乱光は、結像レンズ4により、CCD5に結像される。CCD5は、散乱光強度に応じた強さの電気信号を発生させると共に、各測定部分に対応する散乱光強度に対応する画像を、モニターに表示させる。この画像を、記録、解析することにより、試料表面の異物、微細な凹凸、組成の変化やそれらの分布の測定、評価を行うことができる。
【0006】
試料3表面の法線と、試料3表面への照射させるレーザ光とのなす角度は、反射光を最小限に抑えながら、散乱光のみを効果的に発生させる角度であり、試料の種類により決まるブリュースター角に近い角度である。シリコンの場合、76度である。
【0007】
2組のガルバノミラーからなるX−Yスキャナー7により、照射させる照射光1が、試料3表面に走査される。
【0008】
シリコンウエハ等の円形試料の全面を測定する際に、試料の大きさを超える方形の照射光1を照射した場合、シリコンウエハのエッジ部で照射光が激しく散乱してしまい、試料表面の評価に不都合をきたすため、試料の大きさを超えない円形の照射光を照射することが必須であった。
【0009】
しかしながら、2組のガルバノミラーからなるX−Yスキャナー7では、照射光を円形にし、かつ均一な強度で走査することは、不可能であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、試料の形状に応じた形状の照射光を、試料のほぼ全面に、均一に照射させて、高精度かつ信頼性高く、試料表面を評価する表面評価装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、X−Yスキャナーと、該スキャナーと試料との間に配置された開口部を有する照射光成形板とからなる照射光成形装置を配置することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、試料表面に、照射光を斜め上方より照射させる光照射手段と、試料表面に対して法線方向かつ対向する位置に配置された、発生させた散乱光を結像させる結像レンズ及び結像された散乱光を電気信号に変換させるCCDからなる散乱光検出手段と、該CCDからの電気信号を記録させる記録手段とを有する表面評価装置において、X−Yスキャナーと、該スキャナーと試料との間に配置された開口部を有する照射光成形板とからなる照射光成形装置が備えられており、かつ試料表面への照射光が、照射光成形板の開口部により成形されてなることを特徴とする表面評価装置である。
【0013】
以下、本発明を、図面を参照して、詳細に説明する。
【0014】
図2は、本発明の表面評価装置に備えられた照射光成形装置の概略を示しており、図中、P偏向されたレーザ光が、照射光を走査するための2組のガルバノミラー7a、7bからなるX−Yスキャナーを経て、上下左右、前後斜めに可変自在の照射光成形板14の開口部15により成形されて、試料表面に照射される。
【0015】
図3は、楕円形の開口部15を有する照射光成形板の例を示しており、楕円形の開口部15により、試料表面には、照射光が円形に成形されて照射される。
【0016】
図4は、図3の照射光成形板14に、X−Yスキャナー7からのレーザ光が走査される様子を示しており、方形に走査されたレーザ光の両側の部分では、レーザ光強度が大きくなっている。また、方形に走査されたレーザ光は、照射光成形板14の開口部15の部分では、均一なレーザ光強度となっており、開口部15を通過した均一な強度のレーザ光が、試料表面に照射される。
【0017】
図5は、照射光成形装置により成形された照射光が、円形試料である6”シリコンウエハに照射された状態を示しており、シリコンウエハの大きさを超えない範囲に照射されている。
【0018】
図6の<A>は、照射光成形板14の開口部15を穿っただけで、端面を鋭角としなかった場合の断面模式の例を、また<B>、<B’>は、開口部15の端面を鋭角とした場合の断面模式の例を示している。照射光成形板14の開口部15を穿っただけの場合には、レーザ光が開口部15を通過する際に、開口部の端面に当って発生する散乱光により、検出精度が低下してしまう不都合があるが、照射光成形板14の開口部15の端面を鋭角とすることにより、前記反射光をなくすことができ、より高精度に試料表面を評価することができる。
【0019】
照射光成形装置内の照射光成形板14の位置は、上下左右、前後斜めに可変自在であり、照射光の大きさ、位置、範囲等を、任意に設定することができ、また、照射光成形板14の開口部15は、試料に応じ、任意の形状とすることができるので、試料の種類、形状に応じて、最適なレーザ光の照射を試料表面に行うことができる。
【0020】
本発明の照射光成形装置を備えた表面評価装置によれば、照射光の形状、位置、範囲等を、試料の種類、形状に応じて、任意に設定することができ、試料全面に、均一な強度の照射光を照射することができ、より高精度で信頼性高く試料表面を評価することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、実施例に基き、図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、実施例により、なんら限定されない。
【0022】
実施例
まず、特願2001−150584号に開示されている表面評価装置の概略を示す図1を参照しながら、試料表面の評価方法について、説明する。
【0023】
光源であるArイオンレーザ6(波長488nm、出力0.1〜1.6W可変)から射出された単一レーザ光は、減光フィルター8により、光量が調節された後、2分の1波長板9により、P偏光またはS偏光に偏光面調整される。通常、P偏光が用いられる。
【0024】
ついで、偏光面調整された単一レーザ光は、照射光1走査用X−Yスキャナー7を経た後、集光レンズ10により集光されて照射光1となり、試料ステージ2の上に載置されたシリコンウエハ3表面に、反射光を最小限に抑えて、散乱光のみを効果的に発生させる、ブリュースター角である、シリコンウエハ3の法線と照射光1のなす角度が76度となる角度で入射する。
【0025】
シリコンウエハ3表面への照射光1は、ほとんどがシリコンウエハ3内部を進行し、ごく一部のみが反射光となり、照射光1と逆の方向に進む。
【0026】
シリコンウエハ3表面から発生した散乱光は、シリコンウエハ3表面に対して法線方向かつ対向する位置に配置された、焦点可変の結像レンズ4により、CCD5に結像される。ついで、CCD5に結像された散乱光は、その強度に応じた強さの電気信号に変換される。CCD5は、ノイズの低減のため、ペルチェ素子を用いて冷却させて、暗電流を抑制している
【0027】
CCD5により変換された電気信号は、パソコン11により、画像処理され、モニター12に、発生した散乱光の強度分布に対応したCCD画像が表示される。このCCD画像を記録、解析することにより、試料表面の異物、微細な凹凸、組成の変化やそれらの分布の測定及び評価を行うことができる。
【0028】
本発明の表面評価装置には、図1に示された、X−Yスキャナー7及び集光レンズ10の代りに、図2に示すように、2組のガルバノミラー7a、7bからなるX−Yスキャナー7と、該スキャナー7と試料との間に配置された開口部15を有する照射光成形板14とからなる照射光成形装置が配置されている。
【0029】
P偏向されたレーザ光は、X−Yスキャナー7を構成する、2組のガルバノミラー7a、7bを駆動させて、図4に示したように走査させた。X−Yスキャナー7を経たレーザ光を、図3に示すような、上下左右、前後斜めに可変自在の照射光成形板14に穿たれた、楕円形の開口部15(長径108mm×短径31mm)を通過させて、円形試料である6”シリコンウエハ表面の、図5に示すような、ほぼ試料全面に、均一な強度のレーザ光を照射させた。
【0030】
X−Yスキャナー7と試料との間隔は、1500mm、照射光成形板14と試料との間隔は、200mmであった。照射光成形板14に照射される走査レーザ光の様子を、図4に示した。照射光成形板14に穿たれた開口部15の端面の断面形状は、図6の<B>であった。
【0031】
【発明の効果】
本発明の照射光成形装置を備えた表面評価装置によれば、照射光の形状、位置、範囲等を、試料の種類、形状に応じて、任意に設定することができ、試料全面に、均一な強度の照射光を照射することができ、より高精度で信頼性高く試料表面を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特願2001−150584号の表面評価装置の概略を示す模式図である。
【図2】本発明の表面評価装置に備えられた照射光成形装置の概略を示す模式図である。
【図3】6”シリコンウエハの全表面を照射させるために作製した楕円形の開口部を有する照射光成形板を示す図である。
【図4】X−Yスキャナーにより走査させたレーザ光が、照射光成形板14に照射される様子を示した図である。
【図5】照射光成形板の楕円形の開口部を通過したレーザ光が、円形シリコンウエハを照射する様子を示した図である。
【図6】照射光成形板の開口部の端面の断面形状を示す模式図であり、<A>が孔を穿っただけの例、また<B>、<B’>が断面形状を鋭角とした例である。
【符号の説明】
1 照射光(レーザ光)
2 試料ステージ
3 試料(シリコンウエハ)
4 結像レンズ
5 CCD
5’ CCD制御盤
6 光源(Arイオンレーザー)
7 X−Yスキャナー
7a、7b ガルバノミラー
8 減光フィルター
9 2分の1波長板
10 集光レンズ
11、11’ パソコン
12 モニター
13 反射光捕捉装置
14 照射光成形板
15 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、絶縁体、金属等からなる試料表面に光を入射させ、試料表面で散乱される光を検出し試料表面の上に存在する、微小な粒子、付着物等の異物、及び粗さ、キズ、スクラッチ等の微細な凹凸、並びに構造または組成の変化等を高精度に評価する表面評価装置に関し、より詳しくは、試料表面に照射させる照射光を成形させるための照射光成形装置を備えた表面評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、He−NeレーザやArレーザのようなレーザ光を用いて、集光させた照射光を、試料表面に対して比較的垂直に近い角度で入射させ、表面からの散乱光を、凹面鏡である積分球等を用いて捕捉し、ついで各測定点での散乱光強度を、光電子増倍管(「PMT」という。)を用いて、電気信号に変換させることにより、シリコンウエハ等の試料表面の微粒子、付着物等の異物を測定していた。
また、シリコンウエハや照射光を走査させて、照射位置を移動させることにより、異物の位置を測定していた。
【0003】
本発明者らは、先に出願した特願2001−150584号により、試料表面の異物や微細な凹凸との識別が短持間かつ容易にでき、広い範囲にわたって、短時間かつ容易に、高精度に評価できる表面評価装置を提案した。
【0004】
特願2001−150584号の表面評価装置は、反射光が最小となる入射角度の照射光を、試料表面に照射させる光照射手段と、試料表面に対して法線方向かつ対向する位置に配置された、発生させた散乱光を結像させる結像レンズ及び結像された散乱光を電気信号に変換させるCCDからなる散乱光検出手段と、該CCDからの電気信号を記録させる記録手段とを有することを特徴とするものである。
【0005】
図1の概略模式図に示されるように、該装置においては、光源6から射出されたレーザ光は、偏向面調整され、ついで2組のガルバノミラーからなるX−Yスキャナー7を経た後、集点レンズ10により、適当な大きさのスポットに集光された照射光1が、走査されて、試料3表面に照射される。試料3表面に、異物や微細な凹凸あるいは構造や組成の変化等が存在する場合、照射光1が照射された部分より散乱光が発生し、発生した散乱光は、結像レンズ4により、CCD5に結像される。CCD5は、散乱光強度に応じた強さの電気信号を発生させると共に、各測定部分に対応する散乱光強度に対応する画像を、モニターに表示させる。この画像を、記録、解析することにより、試料表面の異物、微細な凹凸、組成の変化やそれらの分布の測定、評価を行うことができる。
【0006】
試料3表面の法線と、試料3表面への照射させるレーザ光とのなす角度は、反射光を最小限に抑えながら、散乱光のみを効果的に発生させる角度であり、試料の種類により決まるブリュースター角に近い角度である。シリコンの場合、76度である。
【0007】
2組のガルバノミラーからなるX−Yスキャナー7により、照射させる照射光1が、試料3表面に走査される。
【0008】
シリコンウエハ等の円形試料の全面を測定する際に、試料の大きさを超える方形の照射光1を照射した場合、シリコンウエハのエッジ部で照射光が激しく散乱してしまい、試料表面の評価に不都合をきたすため、試料の大きさを超えない円形の照射光を照射することが必須であった。
【0009】
しかしながら、2組のガルバノミラーからなるX−Yスキャナー7では、照射光を円形にし、かつ均一な強度で走査することは、不可能であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、試料の形状に応じた形状の照射光を、試料のほぼ全面に、均一に照射させて、高精度かつ信頼性高く、試料表面を評価する表面評価装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、X−Yスキャナーと、該スキャナーと試料との間に配置された開口部を有する照射光成形板とからなる照射光成形装置を配置することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、試料表面に、照射光を斜め上方より照射させる光照射手段と、試料表面に対して法線方向かつ対向する位置に配置された、発生させた散乱光を結像させる結像レンズ及び結像された散乱光を電気信号に変換させるCCDからなる散乱光検出手段と、該CCDからの電気信号を記録させる記録手段とを有する表面評価装置において、X−Yスキャナーと、該スキャナーと試料との間に配置された開口部を有する照射光成形板とからなる照射光成形装置が備えられており、かつ試料表面への照射光が、照射光成形板の開口部により成形されてなることを特徴とする表面評価装置である。
【0013】
以下、本発明を、図面を参照して、詳細に説明する。
【0014】
図2は、本発明の表面評価装置に備えられた照射光成形装置の概略を示しており、図中、P偏向されたレーザ光が、照射光を走査するための2組のガルバノミラー7a、7bからなるX−Yスキャナーを経て、上下左右、前後斜めに可変自在の照射光成形板14の開口部15により成形されて、試料表面に照射される。
【0015】
図3は、楕円形の開口部15を有する照射光成形板の例を示しており、楕円形の開口部15により、試料表面には、照射光が円形に成形されて照射される。
【0016】
図4は、図3の照射光成形板14に、X−Yスキャナー7からのレーザ光が走査される様子を示しており、方形に走査されたレーザ光の両側の部分では、レーザ光強度が大きくなっている。また、方形に走査されたレーザ光は、照射光成形板14の開口部15の部分では、均一なレーザ光強度となっており、開口部15を通過した均一な強度のレーザ光が、試料表面に照射される。
【0017】
図5は、照射光成形装置により成形された照射光が、円形試料である6”シリコンウエハに照射された状態を示しており、シリコンウエハの大きさを超えない範囲に照射されている。
【0018】
図6の<A>は、照射光成形板14の開口部15を穿っただけで、端面を鋭角としなかった場合の断面模式の例を、また<B>、<B’>は、開口部15の端面を鋭角とした場合の断面模式の例を示している。照射光成形板14の開口部15を穿っただけの場合には、レーザ光が開口部15を通過する際に、開口部の端面に当って発生する散乱光により、検出精度が低下してしまう不都合があるが、照射光成形板14の開口部15の端面を鋭角とすることにより、前記反射光をなくすことができ、より高精度に試料表面を評価することができる。
【0019】
照射光成形装置内の照射光成形板14の位置は、上下左右、前後斜めに可変自在であり、照射光の大きさ、位置、範囲等を、任意に設定することができ、また、照射光成形板14の開口部15は、試料に応じ、任意の形状とすることができるので、試料の種類、形状に応じて、最適なレーザ光の照射を試料表面に行うことができる。
【0020】
本発明の照射光成形装置を備えた表面評価装置によれば、照射光の形状、位置、範囲等を、試料の種類、形状に応じて、任意に設定することができ、試料全面に、均一な強度の照射光を照射することができ、より高精度で信頼性高く試料表面を評価することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、実施例に基き、図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、実施例により、なんら限定されない。
【0022】
実施例
まず、特願2001−150584号に開示されている表面評価装置の概略を示す図1を参照しながら、試料表面の評価方法について、説明する。
【0023】
光源であるArイオンレーザ6(波長488nm、出力0.1〜1.6W可変)から射出された単一レーザ光は、減光フィルター8により、光量が調節された後、2分の1波長板9により、P偏光またはS偏光に偏光面調整される。通常、P偏光が用いられる。
【0024】
ついで、偏光面調整された単一レーザ光は、照射光1走査用X−Yスキャナー7を経た後、集光レンズ10により集光されて照射光1となり、試料ステージ2の上に載置されたシリコンウエハ3表面に、反射光を最小限に抑えて、散乱光のみを効果的に発生させる、ブリュースター角である、シリコンウエハ3の法線と照射光1のなす角度が76度となる角度で入射する。
【0025】
シリコンウエハ3表面への照射光1は、ほとんどがシリコンウエハ3内部を進行し、ごく一部のみが反射光となり、照射光1と逆の方向に進む。
【0026】
シリコンウエハ3表面から発生した散乱光は、シリコンウエハ3表面に対して法線方向かつ対向する位置に配置された、焦点可変の結像レンズ4により、CCD5に結像される。ついで、CCD5に結像された散乱光は、その強度に応じた強さの電気信号に変換される。CCD5は、ノイズの低減のため、ペルチェ素子を用いて冷却させて、暗電流を抑制している
【0027】
CCD5により変換された電気信号は、パソコン11により、画像処理され、モニター12に、発生した散乱光の強度分布に対応したCCD画像が表示される。このCCD画像を記録、解析することにより、試料表面の異物、微細な凹凸、組成の変化やそれらの分布の測定及び評価を行うことができる。
【0028】
本発明の表面評価装置には、図1に示された、X−Yスキャナー7及び集光レンズ10の代りに、図2に示すように、2組のガルバノミラー7a、7bからなるX−Yスキャナー7と、該スキャナー7と試料との間に配置された開口部15を有する照射光成形板14とからなる照射光成形装置が配置されている。
【0029】
P偏向されたレーザ光は、X−Yスキャナー7を構成する、2組のガルバノミラー7a、7bを駆動させて、図4に示したように走査させた。X−Yスキャナー7を経たレーザ光を、図3に示すような、上下左右、前後斜めに可変自在の照射光成形板14に穿たれた、楕円形の開口部15(長径108mm×短径31mm)を通過させて、円形試料である6”シリコンウエハ表面の、図5に示すような、ほぼ試料全面に、均一な強度のレーザ光を照射させた。
【0030】
X−Yスキャナー7と試料との間隔は、1500mm、照射光成形板14と試料との間隔は、200mmであった。照射光成形板14に照射される走査レーザ光の様子を、図4に示した。照射光成形板14に穿たれた開口部15の端面の断面形状は、図6の<B>であった。
【0031】
【発明の効果】
本発明の照射光成形装置を備えた表面評価装置によれば、照射光の形状、位置、範囲等を、試料の種類、形状に応じて、任意に設定することができ、試料全面に、均一な強度の照射光を照射することができ、より高精度で信頼性高く試料表面を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特願2001−150584号の表面評価装置の概略を示す模式図である。
【図2】本発明の表面評価装置に備えられた照射光成形装置の概略を示す模式図である。
【図3】6”シリコンウエハの全表面を照射させるために作製した楕円形の開口部を有する照射光成形板を示す図である。
【図4】X−Yスキャナーにより走査させたレーザ光が、照射光成形板14に照射される様子を示した図である。
【図5】照射光成形板の楕円形の開口部を通過したレーザ光が、円形シリコンウエハを照射する様子を示した図である。
【図6】照射光成形板の開口部の端面の断面形状を示す模式図であり、<A>が孔を穿っただけの例、また<B>、<B’>が断面形状を鋭角とした例である。
【符号の説明】
1 照射光(レーザ光)
2 試料ステージ
3 試料(シリコンウエハ)
4 結像レンズ
5 CCD
5’ CCD制御盤
6 光源(Arイオンレーザー)
7 X−Yスキャナー
7a、7b ガルバノミラー
8 減光フィルター
9 2分の1波長板
10 集光レンズ
11、11’ パソコン
12 モニター
13 反射光捕捉装置
14 照射光成形板
15 開口部
Claims (6)
- 試料表面に、照射光を斜め上方より照射させる光照射手段と、試料表面に対して法線方向かつ対向する位置に配置された、発生させた散乱光を結像させる結像レンズ及び結像された散乱光を電気信号に変換させるCCDからなる散乱光検出手段と、該CCDからの電気信号を記録させる記録手段とを有する表面評価装置において、試料表面への照射光を成形するための照射光成形装置が備えられていることを特徴とする表面評価装置。
- 照射光成形装置が、X−Yスキャナーと、該スキャナーと試料との間に配置された開口部を有する照射光成形板とからなることを特徴とする請求項1に記載の表面評価装置。
- 試料表面に照射される照射光が、照射光成形板の開口部により成形されてなることを特徴とする請求項2に記載の表面評価装置。
- 開口部の形が、楕円形であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の表面評価装置。
- 開口部の端面が、鋭角であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の表面評価装置。
- 開口部の位置が、可変であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の表面評価装置。
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Cited By (2)
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JP2008032621A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Hitachi High-Technologies Corp | 表面検査装置およびその方法 |
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2002
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