JP2004162294A - 落橋防止装置用角度調整台座 - Google Patents

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Takuya Inoue
拓也 井上
Koji Kudo
康志 工藤
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Abstract

【課題】本発明は、落橋防止装置用角度調整台座に関し、斜橋の場合に必要になる角度調整台座の軽量化とコスト低減を図ることが課題である。
【解決手段】落橋防止装置における連結材の軸心に直交する方向に対して傾斜している防止装置取付面がある場合に、その傾斜調整に用いられる角度調整台座において、筒状の剛性台座ケース2と、該台座ケースの筒状内部空間3に半径方向の変形量が所望範囲内に拘束されて内包される弾性体の台座本体4とから少なくとも構成されている落橋防止装置用角度調整台座1とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、落橋防止装置用角度調整台座に係り、詳しくは、斜橋の場合に必要になる角度調整台座の軽量化とコスト低減を図る落橋防止装置用角度調整台座に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来において、地震時において連続桁等における橋桁が橋台や橋脚から落下しないように、図4に示すように、橋台11側と橋桁12側若しくは橋桁同士に、定着ナット等で連結材13を定着させる定着部材14を介して、例えば、PC鋼より線からなるストランドを連結ケーブル13とした、落橋防止装置15が取付けられている。
【0003】
前記落橋防止装置15によって、大地震などがあった場合に、橋台や橋脚から橋桁がずれることがあっても、その橋桁が地面にまで落下するのを最低限、防止するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−064914号公報(第1頁 、第1図)
【0005】
また、川や道路等に対して、橋桁を斜めに架設して斜橋にしなければならない場合には、図5(A),(B)に示すように、連結材の定着部材13が当該連結材13の軸心に略直交する状態となるように、角度調節するための台座16が使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の前記台座16は、円筒状で中実な鋼製のものであるので、台座の重量が非常に重く、作業性が悪いものである。また、その製作コストも嵩むものである。一方、ゴム製の台座は、弾性変形性能に劣り、荷重作用時に所定の角度を維持できないという課題がある。本発明に係る落橋防止装置用角度調整台座はこのような課題を解決するために提案されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る落橋防止装置用角度調整台座の要旨は、落橋防止装置における連結材の軸心に直交する方向に対して傾斜している防止装置取付面がある場合に、その傾斜調整に用いられる角度調整台座において、筒状の剛性台座ケースと、該台座ケースの筒状内部空間に半径方向の変形量が所望範囲内に拘束されて内包される弾性体の台座本体とから少なくとも構成されていることである。
【0008】
本発明に係る落橋防止装置用角度調整台座によれば、台座本体をゴム製として、それを剛性な台座ケースで密封し、筒状の当該台座ケースの内部空間において、前記台座本体の半径方向の変形量が所望範囲内に拘束されて、弾性変形性能が優れたものとなる。
【0009】
また、従来の鋼製台座に対してその重量が大幅に軽減されて、橋台等における台座取付面への取付作業性が向上し、更に、運搬等において、取り扱いやすいものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る落橋防止装置用角度調整台座1について、図面を参照して説明する。なお、従来例に対応する部分には、従来例と同一の符号を付けて説明する。
【0011】
前記落橋防止装置用角度調整台座(以下、単に台座)1は、図1に示すように、斜橋となる場合に、例えば、橋台の傾斜した取付面に、角度調整用に使用される。この台座1は、図2および図3に示すように、筒状で鋼製の剛性な台座ケース2と、該台座ケース2の筒状内部空間3に半径方向の変形量が所望範囲内に拘束されて内包される弾性体の台座本体4とからなる。
【0012】
前記台座ケース2は、厚保肉鋼管のような鋼製の筒体2aを形成し、片側の開口端部をケース軸心に対して傾斜する取付面の傾斜角度に平行になるように合わせて切断して、形成される。この切断した傾斜端面2bに、鋼製で四角形状のベースプレート5が溶接手段により溶着される。
【0013】
また、図2(C)に示すように、前記ベースプレート5の中央部には、連結ケーブル13を挿通させるための貫通孔5aが穿設されていて、その周囲には、橋台11等に固定するためのボルトを挿通させる、取付孔5bが4箇所に設けられている。
【0014】
一方、前記鋼製の筒体2aの他側の開口部には、防錆キャップ7(図1参照)を取り付けるための鋼製フランジ6が、溶接手段で溶着されている。このフランジ6は、図2(A)に示すように、円形状であり、周方向に均等配置で4箇所にボルト挿通用の取付孔6aが設けられている。
【0015】
前記台座本体4は、弾性部材で形成されたものであり、その材質は、例えば、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム等である。図3に示すように、その形状は、前記台座ケース2の円筒状の内部空間3に収まる形状である。当該台座本体4の中央部には、連結ケーブル13を挿通させるための貫通孔4aが設けられている。調整角度θは、前記取付面の角度に合わせて設定してあるのはもちろんである。
【0016】
そして、前記台座本体4の直径4bは、前記内部空間3の直径とほぼ同じであり、実施例では、若干小さくしてある。このようにしたのは、台座1における内部空間3に収納された台座本体4が圧力を受けたときに、半径方向への弾性変形を許容すると共に、ある程度以上に変形させないよう前記筒体2aによって拘束して、塑性変形を防止するためである。よって、台座本体4の半径方向の変形量が所望範囲内に拘束されるように、寸法的に、直径4bを内部空間3の直径よりも小さくする程度は、設計的事項である。
【0017】
こうして構成される本発明に係る落橋防止装置用角度調整台座1を、図1に示す如く、落橋防止装置15の台座として使用することで、前記台座ケース2は筒体であって軽量であり、その内部空間3に収める台座本体4もゴム製で軽量であるので、橋台11などの取付面に取り付ける作業も容易に行うことができる。
【0018】
そして、地震時において、落橋防止装置15が作動したときも、連結ケーブル13によって圧力を受けた台座本体4は、半径方向にも変形するが、筒体2aによって所望の変形量の範囲内に拘束されるので、塑性変形することなく弾性復帰する。よって、優れた変形性能を発揮する。
【0019】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明に係る落橋防止装置用角度調整台座は、落橋防止装置における連結材の軸心に直交する方向に対して傾斜している防止装置取付面がある場合に、その傾斜調整に用いられる角度調整台座において、筒状の剛性台座ケースと、該台座ケースの筒状内部空間に半径方向の変形量が所望範囲内に拘束されて内包される弾性体の台座本体とから少なくとも構成されているので、台座として優れた変形性能を持ち、全体が一例として6割程度に軽量化されて作業能率が飛躍的に向上し、製作コストが大きく低減されて経済性に優れているという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る落橋防止装置用角度調整台座1の使用状態の説明図である。
【図2】同本発明に係る落橋防止装置用角度調整台座1における、台座ケース2の左側面図(A)、正面図(B)、右側面図(C)である。
【図3】同本発明に係る落橋防止装置用角度調整台座1における、台座本体4の正面図(A)、側面図(B)である。
【図4】従来例における落橋防止装置15の使用状態を説明する説明図である。
【図5】従来例における、斜橋の場合の、落橋防止装置15を取り付ける様子を示す説明図(A)と、一部拡大図(B)である。
【符号の説明】
1 落橋防止装置用角度調整台座、 2 台座ケース、
2a 筒体、 2b 傾斜端面、
3 内部空間、 4 台座本体、
4a 貫通孔、 4b 直径、
5 ベースプレート、 5a 貫通孔、
5b 取付孔、 6 フランジ、
7 防錆キャップ、 11 橋台、
12 橋桁、 13 連結ケーブル、
14 定着部材、 15 落橋防止装置、
16 台座。

Claims (1)

  1. 落橋防止装置における連結材の軸心に直交する方向に対して傾斜している防止装置取付面がある場合に、その傾斜調整に用いられる角度調整台座において、
    筒状の剛性台座ケースと、該台座ケースの筒状内部空間に半径方向の変形量が所望範囲内に拘束されて内包される弾性体の台座本体とから少なくとも構成されていること、
    を特徴とする落橋防止装置用角度調整台座。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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