JP2004162026A - 高速硬化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクリル系硬化組成物に関して、アクリル系硬化組成物が持つ多くの特性を保持しつつ、硬化速度を改善した組成物を提供する。
【解決手段】(A)重合可能なアクリル系液状組成物と、(B)クメンハイドロパーオキサイドと、(C)脂肪酸コバルトと、(D)塩基性化合物と、を含有することを特徴とする高速硬化性組成物であり、好ましくは(D)塩基性化合物が、水酸化カルシウム、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、又は酸化カルシウムと水とであることを特徴とする前記の高速硬化性組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル系高速硬化性組成物であり、低温でも容易に硬化する、土木、建築の補修材に関するものである。
アクリル系樹脂は、耐久性がよいこと、環境に優しいことなどから、成形材料や塗料、接着剤などの分野で幅広く利用されている。通常、アクリル系硬化性組成物は、アクリル系モノマーやオリゴマーに重合開始剤として有機過酸化物と、有機過酸化物を分解してラジカルを発生させる硬化開始剤を混合して、重合することにより硬化が行われる。また、二材型アクリル系硬化組成物とは、前記の有機過酸化物を含有する組成物と、硬化開始剤を含有する組成物または硬化開始剤からなる二材に成分が分離された組成物であり、二材を使用直前に混合して被着体に塗布もしくは塗工して硬化が行われる。
アクリル系モノマー組成物中には第三級水素を分子中に有するモノマー含有されており、有機過酸化物としてクメンハイドロパーオキサイドなどを用い、硬化開始剤としてオクチル酸やナフテン酸などの脂肪酸のコバルト塩、所謂、金属石鹸を使用される。前記の硬化性組成物では、脂肪酸コバルトによる空気硬化性が現れて、アクリル系モノマーのラジカル重合の欠点である嫌気性が相殺される結果、比表面積の大きいコンクリートなどの多孔質表面に於いても重合硬化して、強固に接着する特性を有しており、土木、建築分野で広範に使用されている(電気化学工業(株)製 ハードロック2シリーズ)。また、これらの組成物は、アクリル系液状組成物を二材に分割して一方に有機過酸化物を配合し、他方に金属石鹸を配合した液状二材型と、有機過酸化物を配合したアクリル系液状組成物と金属石鹸からなる液状二材型とがある。
また、液状と粉末状の二材型アクリル系硬化性組成物は硬化開始剤側の一材を硬化開始剤含有骨材粉末としたもので、二材の混合性がよく、短時間で混合が完了できる特徴があるが、これらの二材型アクリル系硬化性組成物の硬化性は20℃に於いて、最短のものでも10分程度の硬化時間が必要で、緊急補修などの高速硬化、即ち、数分以内で硬化できない欠点がある。特に、温度の低下とともに指数的な硬化時間の遅延が発生する。従って、例えば−30℃にも達する冷凍庫中の補修などでは従来の前記二材型組成物に限ったことではないが、硬化しないものから何週間も硬化に要するものまであり、常温での高速硬化や低温での硬化時間短縮が強く望まれていた。
本発明は、従来の硬化組成物の室温下で数分で硬化し得ない、或いは−30℃にも達する低温下で硬化時間が長いという問題を解決すべき具体的課題とし、従来の補修材が成しえなかった短時間硬化性や低温硬化性という高速硬化性を有する組成物を提供すること、つまり、従来適用できなかった土木、建築の補修材用途に適用できる高速硬化性を有する組成物を提供することを目的としている。
本発明は、(A)重合可能なアクリル系液状組成物と、(B)クメンハイドロパーオキサイドと、(C)脂肪酸コバルトと、(D)塩基性化合物と、を含有することを特徴とする高速硬化性組成物であり、好ましくは、(D)塩基性化合物が水酸化カルシウム、酸化カルシウムと水とからなる、又は、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7であることを特徴とする前記の高速硬化性組成物である。
また、本発明は、前記(B)と(C)とが、(B)を配合した一材と(C)を配合した一材とからなる二材で構成されている二材性であることを特徴とする前記の高速硬化性組成物である。
本発明の高速硬化性組成物は、アクリル系硬化組成物が持つ多くの特性を保持しつつ、従来の組成物では達し得なかった短時間での硬化或いは低温での硬化が達成されることから、例えば、寒冷地でのコンクリート構造体の断面修復補修やトンネル内の断面修復補修、凹凸調整、路面補修、マンホールなどコンクリート部材の形状補修、アンカー固定などの多くの新しい用途への適用が可能である。
本発明における(A)アクリル系液状組成物は、アクリル系モノマーを含有する。アクリル系モノマーとしては、少なくとも分子中に(メタ)アクリル基を有する(メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルの総記で、以下 、(メタ)アクレートの如くに記す)、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリアクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロトリエン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキルオキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変成テトラフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシカルボニルメチル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキシド変成アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキシ変成アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキシド変成アクリレート、ノニルフェノールポロピレンオキシド変成アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ポリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(ローム アンド ハース社製QM−657)、エポキシ(メタ)アクリレート(大阪有機化学社製ビスコート#540)、1.2ポリブタジェン変成ジメタクリレ−ト(日本曹達社製TE2000)、ポリエステル(メタ)アクリレート(東亜合成社製アロニックスM−6100、共栄社化学社製エポキシエステル3000M)、ウレタンアクリレート東亞合成社製アロニックスM−1100)、アクリルニトリルブタジェンメタクリレート(宇部興産社製Hycar VTBN)などが挙げられる。これらは特性を改良する目的で複数混合して用いても良い。
本発明に用いる(B)クメンハイドロパーオキサイドは、前記(A)アクリル系液状組成物の重合開始剤として機能するが、室温での熱分解性が無視できるほど小さいのでアクリル系液状組成物100質量部に対して1〜5質量部が好ましい添加量である。
本発明に於いて、可使時間の制御を目的にフェノール系重合禁止剤、例えば、ハイドロキノンやハイドロキノンモノメチルエーテル類を添加してもよく、第三級アミンのような硬化促進剤や短期的な表面乾燥剤としてパラフィンワックスを添加してもよく、更に、粘度調整や特性改良の目的で超微粒子シリカなどを添加してもよい。また、接着特性を改良する目的でシランカップリング剤を添加してもよく、充填材として、例えば、シリカ粉や炭酸カルシウム粉、セラミックス粉などを配合しても良い。
本発明に用いる(C)脂肪酸コバルトは、(B)クメンハイドロパーオキサイドを分解してラジカルを発生させる硬化開始剤で、例えば、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、亜麻仁油脂肪酸コバルトなど強い表面乾燥性を有するコバルト石鹸が挙げられる。また、硬化開始剤としては、オクチル酸マンガン、オクチル酸ニッケル、オクチル酸バナジウム、オクチル酸銅、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸バナジウム、ナフテン酸銅、コバルトアセチルアセトナート、マンガンアセチルアセトナート、ニッケルアセチルアセトナート、バナジウムアセチルアセトナートなどが知られているが、本発明に於いては、得られる硬化体の特性を改良する目的で前記(C)脂肪酸コバルトと複合して用いてもよい。
本発明に於いては、前記(A)〜(C)の組成成分に加えて、(D)塩基性化合物を含有することを本質としている。本発明者は、従来公知のアクリル系硬化体組成物の硬化を促進するべく、いろいろ検討した結果、驚くべきことに、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7の存在下、或いは、酸化カルシウムと水との共存下で前記(A)〜(C)の組成物が急速に硬化することを見いだしたことに基づいている。当該現象が発現される理由は明らかでないが、発明者は、前記塩基性化合物の存在により遊離のコバルトイオンの発生が助長され、(A)〜(C)の組成物の硬化反応に触媒的に影響しているものと思料している。
つまり、本発明者は、クメンハイドロパーオキサイドと脂肪酸コバルトとをラジカル発生剤とするアクリル系二材型硬化組成物へ、特定の塩基性物質を添加するときに、著しく硬化時間が速くなることを発見し、本発明に到達したものです。特定の塩基性物質の存在は、クメンハイドロパーオキサイドに働いているのではなく、脂肪酸コバルトと反応して高活性のコバルトイオンを生成させることで、クメンハイドロパーオキサイドを瞬時に分解して高濃度の活性なラジカルを発生していると推定しています。この高濃度の活性なラジカルの発生がアクリル系液状組成物を急速に重合して高速度で硬化するのである。そして、塩基性物質が脂肪酸コバルトと反応するに際しては、前記塩基性物質がコバルトと置換してコバルトイオンを遊離する反応が関係しているものと推察しています。
更に、クメンハイドロパーオキサイドと脂肪酸コバルトをラジカル発生剤とするアクリル系二材型硬化組成物は水分が添加されると硬化速度が極端に低下する現象が発生することが知られていますが、これは主として、脂肪酸コバルトの変性であって、コンクリートなどの雨天での硬化遅延が発生する原因でもあります。本発明においては、酸化カルシウムを配合する場合には、当該組成物が水分に接触もしくは混入しても、前記酸化カルシウムが直ちに水酸化カルシウムに変化し、前記の硬化が促進される効果を呈するものです。
本発明の第1は、前記(A)〜(C)を含有する組成物に加えて、(D)塩基性化合物を含有する高速硬化性組成物である。前記したとおりに、(D)塩基性化合物の存在で発生が助長される遊離のコバルトイオンの下で前記(A)〜(C)からなる組成物は急速に硬化すると考えられ、遊離のコバルトイオンの発生を助長する(D)塩基性化合物としては、例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属を初めとする各種の水酸化物や1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、また、水と反応して同様の効果を示し得る各種金属の炭酸塩や重炭酸塩、或いは酸化物、更には有機化合物等が挙げられ、本発明の効果を阻害しない限りに於いていずれも用いることができる。
本発明者は更にいろいろな実験を行い、例えば、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、炭酸カリウム、重炭酸カリウムなどは、硬化に対する効果はあるが、得られた硬化体は潮解性が強く実用上必ずしも問題が無いわけではないことが判った。このような状況から、本発明に於いては、(D)塩基性化合物として、水酸化カルシウム、後述の1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、更に、酸化カルシウムと水との共用が好ましく選択される。
本発明に用いる(D)塩基性化合物の一群として、例えば、アルカリ土類金属の水酸化物の水酸化ベリリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウムが挙げられるが、これらは単独で用いても良いし、複合しても良い。特に、水酸化カルシウムは安価で入手しやすく好ましい。塩基性化合物の前記アルカリ土類金属の水酸化物の配合量は、前記(A)〜(C)の組成物100質量部に対して、2質量部未満では硬化時間の短縮効果が不十分の場合が発生しやすく、20質量部を超える場合には急速硬化時間が大きく変わらなくなることから、2〜20質量部が好ましく選択される。
また、(D)塩基性化合物の他の一群として、有機化合物が挙げられるが、液状で使いやすく、透明な硬化物が得やすいことから1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7が好ましく選択される。前記1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7の添加量に関しては、(A)〜(C)の組成物100質量部に対して2〜10重量部が好ましい。1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7の添加量に関して、2質量部未満では十分に硬化速度を高めることができないし、10質量部を超える場合には不経済であるし得られる硬化体の耐水性がやや低下してくるので好ましくないからである。
本発明に於いて、酸化カルシウムは単独で遊離のコバルトイオンを放出し得ないが、水と共存するときに、初めて遊離のコバルトイオンの発生を助長する物質である。酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化ベリリウム等のアルカリ土類金属の酸化物も同様の性質を有するが、このうち酸化カルシウムは、安価で毒性や放射性もなく使いやすいことから好ましく選択される。酸化カルシウムの添加量に関しては、(A)〜(C)の組成物100質量部に対して2〜20質量部が好ましい。ここで、酸化カルシウムの添加量に関しては、2質量部未満では十分に硬化速度を高めることができないし、20質量部を超える場合には急速硬化時間が大きく変わらなくなるからである。
酸化カルシウムを用いる場合の水の添加量に関しては、酸化カルシウム100質量部に対して32質量部あればよい。これは酸化カルシウムと水が当モルで反応して水酸化カルシウムになるからであり、実際には酸化カルシウムを添加した組成物の可使時間は長いが、雨天などで濡れた面では急速に硬化する極めて有益な性質が発現するのである。
また、本発明に於いて、(B)クメンハイドロパーオキサイドと、(C)脂肪酸コバルトとが異なる二材に配合されている二材性であることが好ましい。(B)クメンハイドロパーオキサイドと(C)脂肪酸コバルトとを互いに異なる二材料に存在させ、二材を接触させたときに急速に硬化が開始され、短時間で硬化が完了させることができるので、いろいろな用途に適用させることができる。
本発明に於いて、粉末状骨材を添加することもできる。粉末状骨材としては、ラジカル重合禁止剤に相当する物質以外のものであれば、いかなる物でも利用できる。例えば、無機質材料として、ガラス質バルーン、シラスバルーン、セラミックス粉、セラミックスバルーン、ガラス粉、短繊維状ガラス、シリカ粉、超微粉末シリカ、アルミナ粉、マイカ粉、セラミックス粉、硅砂、砂、岩石粉、マグネシア粉、炭酸カルシウム粉、炭化珪素粉、窒化硅素粉、窒化アルミ粉、カーボン粉、カオリンクレー、乾燥粘土鉱物粉、フェライト粉、乾燥珪藻土粉などの他に目的により顔料類、いろいろな金属粉などが挙げられる。また、有機質充填材として、合成高分子粉末、例えば、ポリエチレン粉、ポリプロピレン粉、ゴム粉、プラスチックバルーン、ナイロン粉、プラスチック短繊維粉、シリコーンゴム粉、架橋アクリル粉、架橋ポリスチレン粉、ビニルモノマーでグラフト重合したゴム粒子粉末、ポリエステル粉、テフロン(登録商標))粉、ポリビニルアルコール粉、ポリビニルブチラール粉、ポリカーボネート粉、エポキシ樹脂粉、硬化エポキシ樹脂粉、など金属石鹸に著しく溶解しない充填材であれば良く、パラフィンワックス類、有機天然高分子化合物、例えば、木粉、藁粉、籾殻粉、クルミ殻粉、澱粉、小麦粉、蕎麦殻粉、セルロース粉、など多数の材料が挙げられる。また、必要に応じて着色剤、例えば顔料や染料を添加しても良いし、粉末状骨材は目的に応じて、単独で用いてもよいし、複数を併用してもよい。
<(A)有機過酸化物含有アクリル系液状組成物の製造>
炭酸カルシウム粉末(東洋粉化工業社製 軽質炭カル紛)1000g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルHO)200g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(ローム アンド ハース社製QM−657)400g、1,2ポリブタジェン変成ジメタクリレート(日本曹達社製TE−2000)400g,N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−P−トルイジン15g、パラフィンワックス(日本精鑞社製)6g、シランカップリング剤(日本ユニカ社製A−174)1.5g、ハイドロキノン(試薬)0.3gを投入して攪拌混合しながら65℃まで加熱してパラフィンワックスを溶解してから25℃に冷却した。次いで、クメンハイドロパーオキサイド(日本油脂社製パークミルH80)20gを投入して攪拌混合して、(A)有機過酸化物含有アクリル系液状組成物を得た。
上記で製造した(A)をポリエチレン製カップに100g採り、消石灰粉(関東化学社、試薬 水酸化カルシウム)5gを投入混合した。次いで、25℃の雰囲気でオクチル酸コバルト(シントーケミカル社製オクトライフCo12)を1g添加して混合すると1分後に発熱して1分40秒後には硬化した。
同様の配合で混合し、直ちに、高強度コンクリート表面に塗布、接着面40mm×40mmの鋼製治具を接合した。30分後に、研建式引張試験機で強度を測定した結果8.2MPaで、コンクリートが破壊した。
<(B)硬化開始剤含有アクリル系液状組成物の製造>
炭酸カルシウム粉末(東洋粉化工業社製 軽質炭カル紛)1000g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルHO)200g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(ローム アンド ハース社製QM−657)400g、1,2ポリブタジェン変成ジメタクリレート(日本曹達社製TE−2000)400g,パラフィンワックス(日本精鑞社製)6g、を投入して攪拌混合しながら65℃まで加熱してパラフィンワックスを溶解してから25℃に冷却した。次いで、オクチル酸コバルト(シントーファイン社製オクトCo12)100gを投入して攪拌混合して、(B)硬化開始剤含有アクリル系液状組成物を得た。
実施例1で製造した(A)をポリエチレン製カップに100g採り、消石灰粉(関東化学社、試薬 水酸化カルシウム)10gを投入混合した。次いで、25℃の雰囲気で(B)を100g投入して混合すると2分後に硬化した。
<(C)硬化開始剤含有粉末状組成物の製造>
6号珪砂500g、7号珪砂500g、ホワイトチタン3gカーボンブラック0.01gを小型万能混合機中に投入して、1分間100rpmで予備混合した。この混合物の吸油量は約18であった。次いで、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルHO)10g、オクチル酸コバルト(シントーファインケミカル社製オクトライフCo12)40g,の混合溶液を投入し、5分間混合して,(C)硬化開始剤含有粉末状組成物を得た。
ポリプロピレン製ボールに、実施例1で製造した(A)200g、消石灰粉(関東化学社、試薬 水酸化カルシウム)20gを投入混合した。次いで、(C)を500g投入して、スプーンで混合すると容易に未硬化のモルタル状となり、25℃の雰囲気で、1分30秒後に発熱しながらモルタル状に硬化した。
同様の配合で混合し、直ちに、高強度コンクリート表面に塗布、接着面40mm×40mmの鋼製治具を接合した。30分後に、研建式引張試験機で強度を測定した結果8.4MPaで、コンクリートが破壊した。
5℃の雰囲気で冷却した実施例1の(A)200gと実施例3の(C)500g、消石灰20gを5℃雰囲気温度で混合して、−30℃の冷蔵庫中で冷却した敷石上に5mm厚さに塗布した結果、約8時間後には硬化しており、研建式引張強度で5.4MPa、敷石コンクリートが破壊した。
ポリプロピレン製ボールに、実施例1で製造した(A)200g、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(関東化学社、試薬)2.0重量部を投入混合した。次いで、(C)を500g投入して、スプーンで混合すると容易に未硬化のモルタル状となり、25℃の雰囲気で、2分後に発熱しながらモルタル状に硬化した。
同様の配合で混合し、直ちに、高強度コンクリート表面に塗布、接着面40mm×40mmの鋼製治具を接合した。30分後に、研建式引張試験機で強度を測定した結果8.3MPaで、コンクリートが破壊した。
<無水酸化カルシウム配合有機過酸化物含有アクリル系液状組成物の製造>
炭酸カルシウム粉末(東洋粉化工業社製 軽質炭カル紛)800g、無水酸化カルシウム粉末(関東化学社、試薬)200g、(2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルHO)200g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(ローム アンド ハース社製QM−657)400g、1,2ポリブタジェン変成ジメタクリレート(日本曹達社製TE−2000)400g,N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−P−トルイジン15g、パラフィンワックス(日本精鑞社製)6g、シランカップリング剤(日本ユニカ社製A−174)1.5g、ハイドロキノン(試薬)0.3gを投入して攪拌混合しながら65℃まで加熱してパラフィンワックスを溶解してから25℃に冷却した。次いで、クメンハイドロパーオキサイド(日本油脂社製パークミルH80)20gを投入して攪拌混合して、無水酸化カルシウム配合有機過酸化物含有アクリル系液状組成物を得た。
<配合硬化接着試験>
この無水酸化カルシウム配合有機過酸化物含有アクリル系液状組成物200gをポリプロピレン製ボールに秤量し、次いで、実施例3で製造した(C)を500g投入して、スプーンで混合すると容易に未硬化のモルタル状となる。これに、水道水5ml添加して混合すると、23℃の雰囲気で、2分後に発熱しながらモルタル状に硬化した。
同様の配合で混合し、直ちに、高強度コンクリート表面に塗布、接着面40mm×40mmの鋼製治具を接合した。30分後に、研建式引張試験機で強度を測定した結果8.3MPaで、コンクリートが破壊した。
(比較例1)
実施例1で製造した(A)をポリエチレン製カップに100g採り、23℃の雰囲気でオクチル酸コバルト(シントーケミカル社製オクトライフCo12)を0.5g添加して混合すると硬化に15分後を要した。
(比較例2)
実施例6の無水酸化カルシウムを配合しない有機過酸化物含有アクリル系液状組成物(実施例1の(A))200gに、実施例3で製造した(C)を500g投入して、スプーンで混合すると容易に未硬化のモルタル状となる。これに、水道水5ml添加して混合すると、23℃の雰囲気で、約3時間後に硬化したがこの時間での、研建式引張試験機で強度を測定した結果、コンクリート界面から容易に剥離して、強度は0.1MPa以下であった。
本発明は、例えば、寒冷地でのコンクリート構造体の断面修復補修やトンネル内の断面修復補修、凹凸調整、路面補修、マンホールなどコンクリート部材の形状補修、アンカー固定など多方面の応用ができる。

Claims (5)

  1. (A)重合可能なアクリル系液状組成物と、
    (B)クメンハイドロパーオキサイドと、
    (C)脂肪酸コバルトと、
    (D)塩基性化合物と、
    を含有することを特徴とする高速硬化性組成物。
  2. (D)塩基性化合物が、水酸化カルシウムであることを特徴とする請求項1記載の高速硬化性組成物。
  3. (D)塩基性化合物が、酸化カルシウムと水とからなることを特徴とする請求項1記載の高速硬化性組成物。
  4. (D)塩基性化合物が、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7であることを特徴とする請求項1記載の高速硬化性組成物。
  5. (B)と(C)とが、(B)を配合した一材と(C)を配合した一材とからなる二材で構成されている二材性であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載の高速硬化性組成物。
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