JP2004161667A - 生薬配合医薬組成物 - Google Patents
生薬配合医薬組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004161667A JP2004161667A JP2002329088A JP2002329088A JP2004161667A JP 2004161667 A JP2004161667 A JP 2004161667A JP 2002329088 A JP2002329088 A JP 2002329088A JP 2002329088 A JP2002329088 A JP 2002329088A JP 2004161667 A JP2004161667 A JP 2004161667A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pharmaceutical composition
- loxoprofen
- crude drug
- ginger
- effect
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【課題】ロキソプロフェンの主作用の中でも特に優れる鎮痛作用を減弱することなく、副作用である胃障害作用を予防・軽減することが可能で、慢性疾患等の場合でも患者が長期間にわたり安全に使用できる医薬組成物の提供。
【解決手段】ロキソプロフェンと胃・胃粘膜保護作用を有する少なくとも1種の生薬を配合した医薬組成物とする。
【選択図】 なし
【解決手段】ロキソプロフェンと胃・胃粘膜保護作用を有する少なくとも1種の生薬を配合した医薬組成物とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロキソプロフェンの主作用の中でも特に優れる鎮痛作用を減弱することなく、その副作用である胃障害作用を予防・軽減することが可能な医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロキソプロフェンは、2−[4−(2−オキソシクロペンチルメチル)フェニル]プロピオン酸の化学名を有するフェニル酢酸系非ステロイド性抗炎症剤で、そのナトリウム塩は、優れた抗炎症作用、鎮痛作用および解熱作用を有し、医療上広く使用されている。
【0003】
フェニル酢酸系非ステロイド性抗炎症剤としては、ロキソプロフェンのほかに、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン等が知られているが、これらを有効成分とする薬剤は慢性関節リウマチおよび変形性関節症などの慢性疾患の患者に対し、長期間にわたり投与される場合も多い。これらの薬剤の副作用のうち、胃障害作用による消化器症状は発症頻度が極めて高く、また、胃障害作用は消化性潰瘍の既往歴のある患者では潰瘍を再発させることもあるなど、これらの薬剤を常用する上で胃障害作用が特に注意を要する副作用とされている。
【0004】
一方、古くから単味または漢方方剤の処方成分として様々な薬理活性を有する多くの生薬が薬用に供されており(例えば、非特許文献1、2参照)、抗潰瘍作用など、胃もしくは胃粘膜に対して保護作用を示す生薬も種々知られている。
例えば、カンゾウについては、解毒作用、コルチコイド作用(副腎皮質ホルモン作用)、鎮痙作用、抗炎症作用および抗アレルギー作用とともに抗潰瘍作用を有することが知られており(例えば、非特許文献3参照)、また、ショウキョウおよびケイヒについても、発汗・解熱作用等のほかに、抗潰瘍作用を有することが知られている(例えば、非特許文献4、5参照)。
【0005】
生薬および生薬からなる漢方方剤は、特徴ある風味、幅広い薬効および安全性の面などから、薬剤の風味改善、薬効の増強作用等の目的で、種々の薬剤に配合することが試みられており、フェニル酢酸系非ステロイド性抗炎症剤についても、例えば、風味改善を目的としたイブプロフェン、シャゼンソウおよびカンゾウとの配合剤(特許文献1参照)、鎮痛・抗炎症作用の増強を目的としたイブプロフェン、シャクヤクおよびカンゾウの配合剤(特許文献2参照)、抗炎症・鎮痛・解熱作用の増強と胃腸障害の軽減を目的としたイブプロフェンと柴胡桂枝湯との配合剤(特許文献3参照)などが知られている。
【0006】
しかし、ロキソプロフェンについては、これまで生薬を含め、他剤との配合・併用によりその胃障害作用を予防・軽減する方法は全く知られておらず、慢性関節リウマチ等の慢性疾患に対する長期投与などの場合でも、患者が安全に服用できるロキソプロフェン製剤の開発が望まれていた。
【0007】
【非特許文献1】
高木敬次郎監修、「漢方薬理学」、(株)南山堂、1997年12月10日、p125―427
【非特許文献2】
日本薬局方解説書編集委員会編、「第十四改正日本薬局方解説書」、(株)廣川書店、平成13年6月27日、pD−1―D−1271
【非特許文献3】
堀美智子監修、「OTCハンドブック1999〜2000」、(株)学術情報流通センター出版、1999年9月20日、p50、51、786
【非特許文献4】
望月道彦、外3名、「ショウキョウの抗HCl−ethanol潰瘍作用及び作用成分」、和漢医薬学会誌、1987年、第4号、p444−445
【非特許文献5】
田端守、外1名、「桂皮の薬効・薬理」、現代東洋医学、1992年10月、第13巻、第4号、p90−97
【特許文献1】
特開平10−298086号公報
【特許文献2】
特開平6−199676号公報
【特許文献3】
特開平8−208465号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ロキソプロフェンの主作用の中でも特に優れる鎮痛作用を減弱することなく、副作用である胃障害作用を予防・軽減することが可能で、慢性疾患等の場合でも患者が長期間にわたり安全に使用できる医薬組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、ロキソプロフェンと様々な物質との配合を鋭意検討した結果、胃・胃粘膜保護作用を有する生薬を配合したものが、主作用の中でも特に優れる鎮痛作用を減弱することなく、ロキソプロフェンの胃障害作用を軽減し、しかも安全に使用できることを見出し、さらに検討を続けた結果、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、
1) ロキソプロフェンと胃・胃粘膜保護作用を有する生薬の少なくとも1種を配合してなる医薬組成物;
2)生薬が、カンゾウ、ショウキョウ、ケイヒ、アカメガシワ、ウコン、エンゴサク、オウゴン、オウバク、オウレン、ガジュツ、カンキョウ、クジン、キジツ、コウジン、コウボク、サイコ、ショウズク、ソウジュツ、チクセツニンジン、チョウジ、ニンジン、ビャクジュツ、ボウフウ、モッコウ、ヤクチおよびリュウタンの少なくとも1種である上記1)に記載の医薬組成物;
3)生薬が、カンゾウである上記1)または2)に記載の医薬組成物;
4)生薬が、ショウキョウである上記1)または2)に記載の医薬組成物;および
5)生薬が、ケイヒである上記1)または2)に記載の医薬組成物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
上記ロキソプロフェンとは、ロキソプロフェンおよびその医薬上許容される塩のほか、それらの無水物、水和物および溶媒和物、結晶多形物、不整炭素原子に基づく光学異性体、ラセミ体およびジアステレオマーのいずれをも含む。上記医薬上許容される塩としては、医学上もしくは薬学上からみて使用可能な無毒性ないし低毒性の無機塩基塩が挙げられ、具体的には、アルカリ金属塩(例:ナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例:カルシウム塩、マグネシウム塩)、アンモニウム塩等が挙げられ、これらの中で、ナトリウム塩が好ましく、ナトリウム塩の水和物がさらに好ましい。
【0012】
上記胃・胃粘膜保護作用を有する生薬とは、生薬もしくはその抽出物またはその抽出成分が、抗潰瘍作用、粘膜保護作用、胃粘膜保護作用、粘膜修復作用、胃粘膜修復作用、胃粘液分泌亢進作用、胃粘膜血流増加作用、胃出血抑制作用、胃液分泌抑制作用、胃酸分泌抑制作用、芳香健胃作用または苦味健胃作用などの胃または胃粘膜に対し保護的作用を有する生薬で、本発明の医薬組成物にはこれらの作用をいずれかひとつまたは複数有する生薬が使用される。なお、上記生薬の抽出物とは、例えば、第十四改正日本薬局方(以下「局方」という)に記載の方法により上記生薬から製造される抽出物であり、その形態は特に限定されず、例えば、乾燥エキス、エキス末、軟エキス、流エキス、エタノールまたはエタノールと水を含むチンキなどの形態で得られるものである。また、上記生薬の抽出成分とは、上記生薬の抽出物から、さらに通常の化学的手段を用いて精製、単離して得られる化学的成分である。
【0013】
上記生薬としては、例えば、前記非特許文献1および2に収載されている生薬の中から上記胃・胃粘膜保護作用を有するものが好ましいものとして選択されるが、具体的には次のような生薬が挙げられる:カンゾウ、ショウキョウ、ケイヒ、アカメガシワ、ウコン、エンゴサク、オウゴン、オウバク、オウレン、ガジュツ、カンキョウ、クジン、キジツ、コウジン、コウボク、サイコ、ショウズク、ソウジュツ、チクセツニンジン、チョウジ、ニンジン、ビャクジュツ、ボウフウ、モッコウ、ヤクチおよびリュウタン。
本発明の医薬組成物には、これらの中から選ばれた少なくとも1種の生薬が使用され、より好ましい生薬としては、カンゾウ、ショウキョウおよびケイヒが挙げられる。
【0014】
本発明において使用される上記生薬は、単味または漢方方剤の処方成分として古くから薬用に供されてきたものであり、それぞれ慣用の方法によって得られる生薬末、エキスをそのまま使用することができる。上記生薬末またはエキスの形態は、通常の市販品をそのまま使用することができ、このほか、生薬末の場合、市販品をさらに細かく粉砕して微粉末状に加工して使用することもできる。エキスの場合は、例えば、乾燥エキス、エキス末、軟エキス、流エキス、エタノールまたはエタノールと水を含むチンキなど、いずれの形態も使用できる。
【0015】
本発明の医薬組成物における生薬の配合量は、ロキソプロフェン1重量部に対して、生薬末の場合は、0.05〜50重量部、好ましくは、0.1〜35重量部、さらに好ましくは、0.2〜10重量部程度である。
エキスの場合は、ロキソプロフェン1重量部に対して、上記生薬末の配合量の1〜5倍量程度の生薬、すなわち0.05〜250重量部、好ましくは0.1〜175重量部、さらに好ましくは、0.2〜50重量部程度の生薬から抽出されるエキスが配合される。エキスの具体的な配合量は、エキス収率により異なるが、例えば、15%のエキス収率の場合は、ロキソプロフェン1重量部に対して、乾燥エキス換算で、0.01〜38重量部、好ましくは、0.02〜27重量部、さらに好ましくは、0.03〜7.5重量部程度である。
複数の生薬を配合する場合は、複数の生薬の配合量を合計した量が、上記重量部で示した配合量となればよい。
【0016】
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の年齢、体重、症状等に応じて適宜増減されるが、例えば、成人1日あたりロキソプロフェンの量として、ロキソプロフェンナトリウムの無水物に換算して50〜1000mg程度であり、これを1日1〜数回に分けて投与することが好ましい。
【0017】
本発明の医薬組成物は、ロキソプロフェンと上記生薬の少なくとも1種を配合したものであり、通常経口剤として投与される。本発明の経口剤の形態は特に制限されるものではなく、例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、散剤、カプセル剤、チュアブル剤などの固形製剤のほか、シロップ剤、懸濁剤、乳剤などの液剤であってもよい。
【0018】
本発明の医薬組成物は、経口剤の成分として薬学的に許容される、賦形剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、着色剤などに分類される公知の製剤添加物から選択された成分(以下、略称して「製剤添加物成分」ということもある)を添加し、例えば、局方の製剤総則に記載の通常の製剤化手段またはその変法に従って、錠剤、顆粒剤、細粒剤等の上記経口剤の形態に調製される。
【0019】
具体的な該製剤添加物成分としては、賦形剤・充填剤として、糖類(例:乳糖、ブドウ糖、マンニトール、白糖、ショ糖)、デンプン類、結晶セルロース、炭酸カルシウム、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、シクロデキストリン;崩壊剤として、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分α化デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、クロスリンクカルボキシメチルセルロースナトリウム;結合剤として、デキストリン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース;滑沢剤として、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、マクロゴール、含水二酸化ケイ素、合成ケイ酸アルミニウム;その他、安定化剤や着色剤等として、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、香料、第二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、リボフラビン、カラメル、アスパルテーム、サッカリン、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。該製剤添加物成分の使用量は、通常、上記ロキソプロフェンの1〜50倍(重量比)程度である。
【0020】
本発明の医薬組成物は、古くから薬用に供されてきた生薬を含有しており、極めて安全性が高く、慢性リウマチ関節炎等の慢性疾患などの場合でも、患者が長期間にわたり安全に使用できるものである。
以下、試験例および実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
【0021】
試験例1 胃障害軽減作用
1)ロキソプロフェンナトリウム(以下、「LOXO」ともいう)の胃損傷発現用量の設定に関する試験法および結果
試験法:Crj:CD(SD)IGS系雄性ラット(1群6匹;計5群)をステンレス製金網5連ケージに1匹ずつ収容して一夜絶食し、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下、「CMC」という)溶液投与群を対照群として、LOXO[ダイト(株)製]を0.5%CMC溶液に懸濁して各群に25、50、75、100mg/kg単回経口投与した。投与3.5時間後致死させ、胃を摘出し、ホルマリンで固定後、胃を大弯に沿って切開し、胃粘膜に発症した胃損傷の個数をカウントした後、それぞれの長さをデジタルノギス(CD−15、Mitutoyo、機器番号N512DMC1)にて測定した。各固体毎に胃損傷の長さの総計を潰瘍係数(mm)として算出し、結果は平均値±標準偏差もしくは標準誤差で表し、変動係数(CV、%)は標準偏差を平均値で除して算出した。
【0022】
結果:LOXOの投与により用量依存的に点もしくは線状の胃損傷の発症が見られ、胃損傷数、潰瘍係数、変動係数等から全例に安定した胃損傷を惹起させるLOXOの用量は、75mg/kgが最適であると判断された。
この結果から、本発明の医薬組成物についての試験では、以下のとおりLOXO75mg/kgに生薬を配合したものを試験化合物として使用した。
【0023】
2)本発明医薬組成物の胃障害軽減作用に関する試験法および結果
試験法:試験化合物として、0.5%CMC溶液にLOXOを懸濁させたものならびにLOXOにカンゾウ末[剤盛堂薬品(株)製]およびショウキョウ末[剤盛堂薬品(株)製]をそれぞれ1:0.5および1:5の各配合比で懸濁させたものを用い、上記1)と同様の操作でラットに経口投与し、胃損傷の程度を測定し、胃損傷抑制率を次の式より算出した。
【0024】
胃損傷抑制率(%)=100×(1―〔試験化合物投与群の平均潰瘍係数/LOXO単独投与群の潰瘍係数〕)
【0025】
結果:表1から明らかなように、LOXOとカンゾウもしくはショウキョウの配合剤の投与群では、LOXO単独投与群よりも潰瘍の発生が明らかに減少し、本発明の医薬組成物はLOXOが誘起する胃障害を軽減することが確認された。
【0026】
【表1】
【0027】
さらに、LOXOとケイヒ末[剤盛堂薬品(株)製]の配合比が1:0.5の試験化合物についても上記と同じ試験法によりラットに経口投与し、胃損傷の程度を測定した結果、LOXO単独投与群に比較し、35.3%の胃損傷抑制率を示した。
【0028】
試験例2 鎮痛作用
1)試験法
Crj:CD−1(ICR)系雄性マウスに、LOXO1、3、10、30mg/kgを0.5%CMCに懸濁したものを単回経口投与し、30分後に0.6%酢酸溶液を腹腔内投与してライジング反応を惹起。酢酸溶液投与直後から20分間にわたり、ライジングの発現頻度を測定し、ライジング回数を50%抑制する用量(ED50値)を求めた結果、5.5mg/kgであった。
この結果から、LOXO5.5mg/kgにカンゾウ末を1:0.5および1:5の各配合比で配合し0.5%CMCに懸濁させたものを試験化合物として用い、上記と同様の操作でマウスに経口投与しライジングの発現頻度を測定した。
【0029】
2)結果
表2から明らかなように、LOXO単独投与群およびLOXOとカンゾウの配合剤の投与群では、0.5%CMC溶液投与群に比較し、ライジング回数が有意に減少し、カンゾウはLOXOの鎮痛効果を減弱せず、むしろ増強する傾向にあることが確認された。
【0030】
【表2】
【0031】
(実施例1)
次の処方に示すロキソプロフェンナトリウム、カンゾウ末および残りの成分を混合し、得られた打錠用粉末を打錠機により径約9.5mmの錠剤とした。
【0032】
処方(1錠中;全量350mg)
ロキソプロフェンナトリウム 40mg
カンゾウ末 200mg
結晶セルロース 80mg
乳糖 40mg
トウモロコシデンプン 30mg
合成ケイ酸アルミニウム 15mg
ヒドロキシプロピルセルロース 15mg
クロスカルメロースナトリウム 8mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
【0033】
(実施例2)
次の処方成分をヒドロキシプロピルセルロース水溶液で練合し、バスケット造粒機で顆粒とした後、乾燥して柱状の顆粒剤を得た。
【0034】
処方(顆粒剤;全量1g)
ロキソプロフェンナトリウム 40mg
カンゾウ末 200mg
ショウキョウ末 200mg
乳糖 335mg
結晶セルロース 50mg
トウモロコシデンプン 100mg
カルメロースカルシウム 50mg
ヒドロキシプロピルセルロース 25mg
【0035】
(実施例3)
次の処方成分をヒドロキシプロピルセルロース水溶液で練合し、バスケット造粒機で顆粒とした後、乾燥して柱状の顆粒剤を得た。
【0036】
処方(顆粒剤;全量1g)
ロキソプロフェンナトリウム 40mg
カンゾウ末 200mg
ショウキョウ末 200mg
ケイヒ末 35mg
乳糖 300mg
結晶セルロース 50mg
トウモロコシデンプン 100mg
カルメロースカルシウム 50mg
ヒドロキシプロピルセルロース 25mg
【0037】
【発明の効果】
本発明にかかる医薬組成物は、以上のように、優れたフェニル酢酸系非ステロイド性抗炎症剤であるロキソプロフェンと古くより薬用に供されてきた胃・胃粘膜保護作用を有する生薬を配合成分としているので、ロキソプロフェンの主作用の中でも特に優れる鎮痛作用を減弱することなく、その副作用である胃障害作用を予防・軽減することが可能となり、臨床上極めて有用なものとなる。
【発明の属する技術分野】本発明は、ロキソプロフェンの主作用の中でも特に優れる鎮痛作用を減弱することなく、その副作用である胃障害作用を予防・軽減することが可能な医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロキソプロフェンは、2−[4−(2−オキソシクロペンチルメチル)フェニル]プロピオン酸の化学名を有するフェニル酢酸系非ステロイド性抗炎症剤で、そのナトリウム塩は、優れた抗炎症作用、鎮痛作用および解熱作用を有し、医療上広く使用されている。
【0003】
フェニル酢酸系非ステロイド性抗炎症剤としては、ロキソプロフェンのほかに、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン等が知られているが、これらを有効成分とする薬剤は慢性関節リウマチおよび変形性関節症などの慢性疾患の患者に対し、長期間にわたり投与される場合も多い。これらの薬剤の副作用のうち、胃障害作用による消化器症状は発症頻度が極めて高く、また、胃障害作用は消化性潰瘍の既往歴のある患者では潰瘍を再発させることもあるなど、これらの薬剤を常用する上で胃障害作用が特に注意を要する副作用とされている。
【0004】
一方、古くから単味または漢方方剤の処方成分として様々な薬理活性を有する多くの生薬が薬用に供されており(例えば、非特許文献1、2参照)、抗潰瘍作用など、胃もしくは胃粘膜に対して保護作用を示す生薬も種々知られている。
例えば、カンゾウについては、解毒作用、コルチコイド作用(副腎皮質ホルモン作用)、鎮痙作用、抗炎症作用および抗アレルギー作用とともに抗潰瘍作用を有することが知られており(例えば、非特許文献3参照)、また、ショウキョウおよびケイヒについても、発汗・解熱作用等のほかに、抗潰瘍作用を有することが知られている(例えば、非特許文献4、5参照)。
【0005】
生薬および生薬からなる漢方方剤は、特徴ある風味、幅広い薬効および安全性の面などから、薬剤の風味改善、薬効の増強作用等の目的で、種々の薬剤に配合することが試みられており、フェニル酢酸系非ステロイド性抗炎症剤についても、例えば、風味改善を目的としたイブプロフェン、シャゼンソウおよびカンゾウとの配合剤(特許文献1参照)、鎮痛・抗炎症作用の増強を目的としたイブプロフェン、シャクヤクおよびカンゾウの配合剤(特許文献2参照)、抗炎症・鎮痛・解熱作用の増強と胃腸障害の軽減を目的としたイブプロフェンと柴胡桂枝湯との配合剤(特許文献3参照)などが知られている。
【0006】
しかし、ロキソプロフェンについては、これまで生薬を含め、他剤との配合・併用によりその胃障害作用を予防・軽減する方法は全く知られておらず、慢性関節リウマチ等の慢性疾患に対する長期投与などの場合でも、患者が安全に服用できるロキソプロフェン製剤の開発が望まれていた。
【0007】
【非特許文献1】
高木敬次郎監修、「漢方薬理学」、(株)南山堂、1997年12月10日、p125―427
【非特許文献2】
日本薬局方解説書編集委員会編、「第十四改正日本薬局方解説書」、(株)廣川書店、平成13年6月27日、pD−1―D−1271
【非特許文献3】
堀美智子監修、「OTCハンドブック1999〜2000」、(株)学術情報流通センター出版、1999年9月20日、p50、51、786
【非特許文献4】
望月道彦、外3名、「ショウキョウの抗HCl−ethanol潰瘍作用及び作用成分」、和漢医薬学会誌、1987年、第4号、p444−445
【非特許文献5】
田端守、外1名、「桂皮の薬効・薬理」、現代東洋医学、1992年10月、第13巻、第4号、p90−97
【特許文献1】
特開平10−298086号公報
【特許文献2】
特開平6−199676号公報
【特許文献3】
特開平8−208465号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ロキソプロフェンの主作用の中でも特に優れる鎮痛作用を減弱することなく、副作用である胃障害作用を予防・軽減することが可能で、慢性疾患等の場合でも患者が長期間にわたり安全に使用できる医薬組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、ロキソプロフェンと様々な物質との配合を鋭意検討した結果、胃・胃粘膜保護作用を有する生薬を配合したものが、主作用の中でも特に優れる鎮痛作用を減弱することなく、ロキソプロフェンの胃障害作用を軽減し、しかも安全に使用できることを見出し、さらに検討を続けた結果、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、
1) ロキソプロフェンと胃・胃粘膜保護作用を有する生薬の少なくとも1種を配合してなる医薬組成物;
2)生薬が、カンゾウ、ショウキョウ、ケイヒ、アカメガシワ、ウコン、エンゴサク、オウゴン、オウバク、オウレン、ガジュツ、カンキョウ、クジン、キジツ、コウジン、コウボク、サイコ、ショウズク、ソウジュツ、チクセツニンジン、チョウジ、ニンジン、ビャクジュツ、ボウフウ、モッコウ、ヤクチおよびリュウタンの少なくとも1種である上記1)に記載の医薬組成物;
3)生薬が、カンゾウである上記1)または2)に記載の医薬組成物;
4)生薬が、ショウキョウである上記1)または2)に記載の医薬組成物;および
5)生薬が、ケイヒである上記1)または2)に記載の医薬組成物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
上記ロキソプロフェンとは、ロキソプロフェンおよびその医薬上許容される塩のほか、それらの無水物、水和物および溶媒和物、結晶多形物、不整炭素原子に基づく光学異性体、ラセミ体およびジアステレオマーのいずれをも含む。上記医薬上許容される塩としては、医学上もしくは薬学上からみて使用可能な無毒性ないし低毒性の無機塩基塩が挙げられ、具体的には、アルカリ金属塩(例:ナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例:カルシウム塩、マグネシウム塩)、アンモニウム塩等が挙げられ、これらの中で、ナトリウム塩が好ましく、ナトリウム塩の水和物がさらに好ましい。
【0012】
上記胃・胃粘膜保護作用を有する生薬とは、生薬もしくはその抽出物またはその抽出成分が、抗潰瘍作用、粘膜保護作用、胃粘膜保護作用、粘膜修復作用、胃粘膜修復作用、胃粘液分泌亢進作用、胃粘膜血流増加作用、胃出血抑制作用、胃液分泌抑制作用、胃酸分泌抑制作用、芳香健胃作用または苦味健胃作用などの胃または胃粘膜に対し保護的作用を有する生薬で、本発明の医薬組成物にはこれらの作用をいずれかひとつまたは複数有する生薬が使用される。なお、上記生薬の抽出物とは、例えば、第十四改正日本薬局方(以下「局方」という)に記載の方法により上記生薬から製造される抽出物であり、その形態は特に限定されず、例えば、乾燥エキス、エキス末、軟エキス、流エキス、エタノールまたはエタノールと水を含むチンキなどの形態で得られるものである。また、上記生薬の抽出成分とは、上記生薬の抽出物から、さらに通常の化学的手段を用いて精製、単離して得られる化学的成分である。
【0013】
上記生薬としては、例えば、前記非特許文献1および2に収載されている生薬の中から上記胃・胃粘膜保護作用を有するものが好ましいものとして選択されるが、具体的には次のような生薬が挙げられる:カンゾウ、ショウキョウ、ケイヒ、アカメガシワ、ウコン、エンゴサク、オウゴン、オウバク、オウレン、ガジュツ、カンキョウ、クジン、キジツ、コウジン、コウボク、サイコ、ショウズク、ソウジュツ、チクセツニンジン、チョウジ、ニンジン、ビャクジュツ、ボウフウ、モッコウ、ヤクチおよびリュウタン。
本発明の医薬組成物には、これらの中から選ばれた少なくとも1種の生薬が使用され、より好ましい生薬としては、カンゾウ、ショウキョウおよびケイヒが挙げられる。
【0014】
本発明において使用される上記生薬は、単味または漢方方剤の処方成分として古くから薬用に供されてきたものであり、それぞれ慣用の方法によって得られる生薬末、エキスをそのまま使用することができる。上記生薬末またはエキスの形態は、通常の市販品をそのまま使用することができ、このほか、生薬末の場合、市販品をさらに細かく粉砕して微粉末状に加工して使用することもできる。エキスの場合は、例えば、乾燥エキス、エキス末、軟エキス、流エキス、エタノールまたはエタノールと水を含むチンキなど、いずれの形態も使用できる。
【0015】
本発明の医薬組成物における生薬の配合量は、ロキソプロフェン1重量部に対して、生薬末の場合は、0.05〜50重量部、好ましくは、0.1〜35重量部、さらに好ましくは、0.2〜10重量部程度である。
エキスの場合は、ロキソプロフェン1重量部に対して、上記生薬末の配合量の1〜5倍量程度の生薬、すなわち0.05〜250重量部、好ましくは0.1〜175重量部、さらに好ましくは、0.2〜50重量部程度の生薬から抽出されるエキスが配合される。エキスの具体的な配合量は、エキス収率により異なるが、例えば、15%のエキス収率の場合は、ロキソプロフェン1重量部に対して、乾燥エキス換算で、0.01〜38重量部、好ましくは、0.02〜27重量部、さらに好ましくは、0.03〜7.5重量部程度である。
複数の生薬を配合する場合は、複数の生薬の配合量を合計した量が、上記重量部で示した配合量となればよい。
【0016】
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の年齢、体重、症状等に応じて適宜増減されるが、例えば、成人1日あたりロキソプロフェンの量として、ロキソプロフェンナトリウムの無水物に換算して50〜1000mg程度であり、これを1日1〜数回に分けて投与することが好ましい。
【0017】
本発明の医薬組成物は、ロキソプロフェンと上記生薬の少なくとも1種を配合したものであり、通常経口剤として投与される。本発明の経口剤の形態は特に制限されるものではなく、例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、散剤、カプセル剤、チュアブル剤などの固形製剤のほか、シロップ剤、懸濁剤、乳剤などの液剤であってもよい。
【0018】
本発明の医薬組成物は、経口剤の成分として薬学的に許容される、賦形剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、着色剤などに分類される公知の製剤添加物から選択された成分(以下、略称して「製剤添加物成分」ということもある)を添加し、例えば、局方の製剤総則に記載の通常の製剤化手段またはその変法に従って、錠剤、顆粒剤、細粒剤等の上記経口剤の形態に調製される。
【0019】
具体的な該製剤添加物成分としては、賦形剤・充填剤として、糖類(例:乳糖、ブドウ糖、マンニトール、白糖、ショ糖)、デンプン類、結晶セルロース、炭酸カルシウム、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、シクロデキストリン;崩壊剤として、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分α化デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、クロスリンクカルボキシメチルセルロースナトリウム;結合剤として、デキストリン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース;滑沢剤として、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、マクロゴール、含水二酸化ケイ素、合成ケイ酸アルミニウム;その他、安定化剤や着色剤等として、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、香料、第二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、リボフラビン、カラメル、アスパルテーム、サッカリン、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。該製剤添加物成分の使用量は、通常、上記ロキソプロフェンの1〜50倍(重量比)程度である。
【0020】
本発明の医薬組成物は、古くから薬用に供されてきた生薬を含有しており、極めて安全性が高く、慢性リウマチ関節炎等の慢性疾患などの場合でも、患者が長期間にわたり安全に使用できるものである。
以下、試験例および実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
【0021】
試験例1 胃障害軽減作用
1)ロキソプロフェンナトリウム(以下、「LOXO」ともいう)の胃損傷発現用量の設定に関する試験法および結果
試験法:Crj:CD(SD)IGS系雄性ラット(1群6匹;計5群)をステンレス製金網5連ケージに1匹ずつ収容して一夜絶食し、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下、「CMC」という)溶液投与群を対照群として、LOXO[ダイト(株)製]を0.5%CMC溶液に懸濁して各群に25、50、75、100mg/kg単回経口投与した。投与3.5時間後致死させ、胃を摘出し、ホルマリンで固定後、胃を大弯に沿って切開し、胃粘膜に発症した胃損傷の個数をカウントした後、それぞれの長さをデジタルノギス(CD−15、Mitutoyo、機器番号N512DMC1)にて測定した。各固体毎に胃損傷の長さの総計を潰瘍係数(mm)として算出し、結果は平均値±標準偏差もしくは標準誤差で表し、変動係数(CV、%)は標準偏差を平均値で除して算出した。
【0022】
結果:LOXOの投与により用量依存的に点もしくは線状の胃損傷の発症が見られ、胃損傷数、潰瘍係数、変動係数等から全例に安定した胃損傷を惹起させるLOXOの用量は、75mg/kgが最適であると判断された。
この結果から、本発明の医薬組成物についての試験では、以下のとおりLOXO75mg/kgに生薬を配合したものを試験化合物として使用した。
【0023】
2)本発明医薬組成物の胃障害軽減作用に関する試験法および結果
試験法:試験化合物として、0.5%CMC溶液にLOXOを懸濁させたものならびにLOXOにカンゾウ末[剤盛堂薬品(株)製]およびショウキョウ末[剤盛堂薬品(株)製]をそれぞれ1:0.5および1:5の各配合比で懸濁させたものを用い、上記1)と同様の操作でラットに経口投与し、胃損傷の程度を測定し、胃損傷抑制率を次の式より算出した。
【0024】
胃損傷抑制率(%)=100×(1―〔試験化合物投与群の平均潰瘍係数/LOXO単独投与群の潰瘍係数〕)
【0025】
結果:表1から明らかなように、LOXOとカンゾウもしくはショウキョウの配合剤の投与群では、LOXO単独投与群よりも潰瘍の発生が明らかに減少し、本発明の医薬組成物はLOXOが誘起する胃障害を軽減することが確認された。
【0026】
【表1】
【0027】
さらに、LOXOとケイヒ末[剤盛堂薬品(株)製]の配合比が1:0.5の試験化合物についても上記と同じ試験法によりラットに経口投与し、胃損傷の程度を測定した結果、LOXO単独投与群に比較し、35.3%の胃損傷抑制率を示した。
【0028】
試験例2 鎮痛作用
1)試験法
Crj:CD−1(ICR)系雄性マウスに、LOXO1、3、10、30mg/kgを0.5%CMCに懸濁したものを単回経口投与し、30分後に0.6%酢酸溶液を腹腔内投与してライジング反応を惹起。酢酸溶液投与直後から20分間にわたり、ライジングの発現頻度を測定し、ライジング回数を50%抑制する用量(ED50値)を求めた結果、5.5mg/kgであった。
この結果から、LOXO5.5mg/kgにカンゾウ末を1:0.5および1:5の各配合比で配合し0.5%CMCに懸濁させたものを試験化合物として用い、上記と同様の操作でマウスに経口投与しライジングの発現頻度を測定した。
【0029】
2)結果
表2から明らかなように、LOXO単独投与群およびLOXOとカンゾウの配合剤の投与群では、0.5%CMC溶液投与群に比較し、ライジング回数が有意に減少し、カンゾウはLOXOの鎮痛効果を減弱せず、むしろ増強する傾向にあることが確認された。
【0030】
【表2】
【0031】
(実施例1)
次の処方に示すロキソプロフェンナトリウム、カンゾウ末および残りの成分を混合し、得られた打錠用粉末を打錠機により径約9.5mmの錠剤とした。
【0032】
処方(1錠中;全量350mg)
ロキソプロフェンナトリウム 40mg
カンゾウ末 200mg
結晶セルロース 80mg
乳糖 40mg
トウモロコシデンプン 30mg
合成ケイ酸アルミニウム 15mg
ヒドロキシプロピルセルロース 15mg
クロスカルメロースナトリウム 8mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
【0033】
(実施例2)
次の処方成分をヒドロキシプロピルセルロース水溶液で練合し、バスケット造粒機で顆粒とした後、乾燥して柱状の顆粒剤を得た。
【0034】
処方(顆粒剤;全量1g)
ロキソプロフェンナトリウム 40mg
カンゾウ末 200mg
ショウキョウ末 200mg
乳糖 335mg
結晶セルロース 50mg
トウモロコシデンプン 100mg
カルメロースカルシウム 50mg
ヒドロキシプロピルセルロース 25mg
【0035】
(実施例3)
次の処方成分をヒドロキシプロピルセルロース水溶液で練合し、バスケット造粒機で顆粒とした後、乾燥して柱状の顆粒剤を得た。
【0036】
処方(顆粒剤;全量1g)
ロキソプロフェンナトリウム 40mg
カンゾウ末 200mg
ショウキョウ末 200mg
ケイヒ末 35mg
乳糖 300mg
結晶セルロース 50mg
トウモロコシデンプン 100mg
カルメロースカルシウム 50mg
ヒドロキシプロピルセルロース 25mg
【0037】
【発明の効果】
本発明にかかる医薬組成物は、以上のように、優れたフェニル酢酸系非ステロイド性抗炎症剤であるロキソプロフェンと古くより薬用に供されてきた胃・胃粘膜保護作用を有する生薬を配合成分としているので、ロキソプロフェンの主作用の中でも特に優れる鎮痛作用を減弱することなく、その副作用である胃障害作用を予防・軽減することが可能となり、臨床上極めて有用なものとなる。
Claims (5)
- ロキソプロフェンと胃・胃粘膜保護作用を有する少なくとも1種の生薬を配合してなる医薬組成物。
- 生薬が、カンゾウ、ショウキョウ、ケイヒ、アカメガシワ、ウコン、エンゴサク、オウゴン、オウバク、オウレン、ガジュツ、カンキョウ、クジン、キジツ、コウジン、コウボク、サイコ、ショウズク、ソウジュツ、チクセツニンジン、チョウジ、ニンジン、ビャクジュツ、ボウフウ、モッコウ、ヤクチおよびリュウタンの少なくとも1種である請求項1に記載の医薬組成物。
- 生薬が、カンゾウである請求項1または2に記載の医薬組成物。
- 生薬が、ショウキョウである請求項1または2に記載の医薬組成物。
- 生薬が、ケイヒである請求項1または2に記載の医薬組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002329088A JP2004161667A (ja) | 2002-11-13 | 2002-11-13 | 生薬配合医薬組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002329088A JP2004161667A (ja) | 2002-11-13 | 2002-11-13 | 生薬配合医薬組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004161667A true JP2004161667A (ja) | 2004-06-10 |
Family
ID=32807188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002329088A Pending JP2004161667A (ja) | 2002-11-13 | 2002-11-13 | 生薬配合医薬組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004161667A (ja) |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006006577A1 (ja) * | 2004-07-13 | 2006-01-19 | Sankyo Company, Limited | ロキソプロフェンを含有する経口投与用組成物 |
JP2006052210A (ja) * | 2004-07-13 | 2006-02-23 | Sankyo Co Ltd | ロキソプロフェン含有経口用組成物 |
JP2008105950A (ja) * | 2006-10-23 | 2008-05-08 | Pola Chem Ind Inc | 関節炎・関節症の為の経口投与組成物 |
JP2008195705A (ja) * | 2007-01-15 | 2008-08-28 | Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd | ロキソプロフェン含有経口用組成物 |
JP2009091284A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Pola Chem Ind Inc | マトリックスメタロプロテアーゼ及びこれを含有する組成物 |
JP2010083882A (ja) * | 2008-09-04 | 2010-04-15 | Kowa Co | ロキソプロフェン含有医薬組成物 |
CN102716418A (zh) * | 2012-06-14 | 2012-10-10 | 李良 | 治疗胃痛的五灵脂中药汤剂及制备方法 |
JP2012207038A (ja) * | 2012-07-20 | 2012-10-25 | Ssp Co Ltd | 消化管への刺激性を減少した経口固形組成物 |
CN103127260A (zh) * | 2013-02-07 | 2013-06-05 | 黄社伟 | 一种治疗胃病的组合物及其组合物的制备方法 |
WO2014002599A1 (ja) * | 2012-06-25 | 2014-01-03 | 興和株式会社 | 生薬等含有医薬組成物 |
JP2014055187A (ja) * | 2013-12-25 | 2014-03-27 | Ss Pharmaceut Co Ltd | 消化管への刺激性を減少した経口固形組成物 |
CN104383442A (zh) * | 2014-11-19 | 2015-03-04 | 王顺正 | 一种治疗胃脘疼的药物 |
JP2015061829A (ja) * | 2013-08-23 | 2015-04-02 | 第一三共ヘルスケア株式会社 | ロキソプロフェン配合外用剤組成物 |
CN105194523A (zh) * | 2015-11-11 | 2015-12-30 | 尹柱良 | 一种治疗浅表性胃炎的中药口服液及制备方法 |
JP2017095401A (ja) * | 2015-11-25 | 2017-06-01 | エスエス製薬株式会社 | 医薬組成物 |
JP2019099517A (ja) * | 2017-12-05 | 2019-06-24 | 株式会社アラクス | ロキソプロフェン含有錠剤 |
-
2002
- 2002-11-13 JP JP2002329088A patent/JP2004161667A/ja active Pending
Cited By (26)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012051950A (ja) * | 2004-07-13 | 2012-03-15 | Daiichi Sankyo Co Ltd | ロキソプロフェン含有経口用組成物3 |
JP2006052210A (ja) * | 2004-07-13 | 2006-02-23 | Sankyo Co Ltd | ロキソプロフェン含有経口用組成物 |
JP2014132038A (ja) * | 2004-07-13 | 2014-07-17 | Daiichi Sankyo Co Ltd | ロキソプロフェン含有経口用組成物4 |
WO2006006577A1 (ja) * | 2004-07-13 | 2006-01-19 | Sankyo Company, Limited | ロキソプロフェンを含有する経口投与用組成物 |
JP2016056195A (ja) * | 2004-07-13 | 2016-04-21 | 第一三共株式会社 | ロキソプロフェン含有経口用組成物5 |
JP2012051949A (ja) * | 2004-07-13 | 2012-03-15 | Daiichi Sankyo Co Ltd | ロキソプロフェン含有経口用組成物2 |
JP2008105950A (ja) * | 2006-10-23 | 2008-05-08 | Pola Chem Ind Inc | 関節炎・関節症の為の経口投与組成物 |
JP2008195705A (ja) * | 2007-01-15 | 2008-08-28 | Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd | ロキソプロフェン含有経口用組成物 |
JP2013209427A (ja) * | 2007-01-15 | 2013-10-10 | Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd | ロキソプロフェン含有経口用組成物 |
JP2009091284A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Pola Chem Ind Inc | マトリックスメタロプロテアーゼ及びこれを含有する組成物 |
JP2016155853A (ja) * | 2008-09-04 | 2016-09-01 | 興和株式会社 | ロキソプロフェン含有医薬組成物 |
JP2010083882A (ja) * | 2008-09-04 | 2010-04-15 | Kowa Co | ロキソプロフェン含有医薬組成物 |
JP2014218522A (ja) * | 2008-09-04 | 2014-11-20 | 興和株式会社 | ロキソプロフェン含有医薬組成物 |
CN102716418A (zh) * | 2012-06-14 | 2012-10-10 | 李良 | 治疗胃痛的五灵脂中药汤剂及制备方法 |
WO2014002599A1 (ja) * | 2012-06-25 | 2014-01-03 | 興和株式会社 | 生薬等含有医薬組成物 |
JPWO2014002599A1 (ja) * | 2012-06-25 | 2016-05-30 | 興和株式会社 | 生薬等含有医薬組成物 |
JP2017197584A (ja) * | 2012-06-25 | 2017-11-02 | 興和株式会社 | 生薬等含有医薬組成物(参) |
JP2012207038A (ja) * | 2012-07-20 | 2012-10-25 | Ssp Co Ltd | 消化管への刺激性を減少した経口固形組成物 |
CN103127260A (zh) * | 2013-02-07 | 2013-06-05 | 黄社伟 | 一种治疗胃病的组合物及其组合物的制备方法 |
JP2015061829A (ja) * | 2013-08-23 | 2015-04-02 | 第一三共ヘルスケア株式会社 | ロキソプロフェン配合外用剤組成物 |
JP2014055187A (ja) * | 2013-12-25 | 2014-03-27 | Ss Pharmaceut Co Ltd | 消化管への刺激性を減少した経口固形組成物 |
CN104383442A (zh) * | 2014-11-19 | 2015-03-04 | 王顺正 | 一种治疗胃脘疼的药物 |
CN105194523A (zh) * | 2015-11-11 | 2015-12-30 | 尹柱良 | 一种治疗浅表性胃炎的中药口服液及制备方法 |
JP2017095401A (ja) * | 2015-11-25 | 2017-06-01 | エスエス製薬株式会社 | 医薬組成物 |
JP2019099517A (ja) * | 2017-12-05 | 2019-06-24 | 株式会社アラクス | ロキソプロフェン含有錠剤 |
JP7014406B2 (ja) | 2017-12-05 | 2022-02-01 | 株式会社アラクス | ロキソプロフェン含有錠剤およびその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5442178B2 (ja) | ロキソプロフェン含有経口用組成物 | |
JP2004161667A (ja) | 生薬配合医薬組成物 | |
JP6192751B2 (ja) | ロキソプロフェン含有経口用組成物5 | |
JP2008013542A (ja) | 去痰又は気道杯細胞過形成抑制のための医薬組成物 | |
EP2022497B1 (en) | Oral composition comprising 3-[5-[4-(cyclopentyloxy) -2-hydroxybenzoyl]-2-](3-hydroxy-1,2-benzisoxazol-6- yl)methoxy¨phenyl¨propionic acid or salt thereof | |
JP2010270140A (ja) | ロキソプロフェン含有経口用組成物 | |
ES2622568T3 (es) | Comprimido que contiene 5-hidroxi-1H-imidazol-4-carboxamida | |
KR20130078147A (ko) | 일정한 입도를 갖는 4,5―디아릴―3(2h)―퓨라논 유도체를 포함하는 약학 조성물 | |
JP2005343886A (ja) | イブプロフェン含有医薬組成物 | |
JP4917255B2 (ja) | サリチル酸類含有経口組成物 | |
JP2005139165A (ja) | ロキソプロフェン含有経口用組成物 | |
JP7259884B2 (ja) | 固形製剤 | |
JP7119650B2 (ja) | 鎮痛剤 | |
JP7346205B2 (ja) | ロキソプロフェン又はその塩とボウイとを含有する経口医薬組成物 | |
JP2011168615A (ja) | サリチル酸類含有経口組成物 | |
JP5563841B2 (ja) | 薬物の不快な味をマスキングした経口医薬組成物 | |
JP6804190B2 (ja) | 医薬組成物 | |
WO2018117249A1 (ja) | 経口イブプロフェン製剤 | |
JP2001089375A (ja) | 感冒用組成物 | |
JP2022088344A (ja) | ロキソプロフェン又はその塩、カンゾウ、および酸化マグネシウムを含有する経口用医薬組成物 | |
JP2016056166A (ja) | 経口用医薬組成物 | |
WO2024058240A1 (ja) | 感冒症状軽減剤 | |
JP5896806B2 (ja) | 内服組成物 | |
JP2005035995A (ja) | イブプロフェン含有経口用組成物 | |
JP2022008041A (ja) | 医薬組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071120 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080325 |