JP2004161360A - 開口容易缶蓋 - Google Patents

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Masahiro Shiotani
正博 塩谷
Jun Kaimori
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    • B65D17/00Rigid or semi-rigid containers specially constructed to be opened by cutting or piercing, or by tearing of frangible members or portions
    • B65D17/28Rigid or semi-rigid containers specially constructed to be opened by cutting or piercing, or by tearing of frangible members or portions at lines or points of weakness
    • B65D17/404Details of the lines of weakness

Abstract

【課題】開口片の引き上げ時に開口片が一気に取り外され、内容物が飛散するのを防止し、さらに開口片を好適に取り外すことのできる缶蓋を提供する。
【解決手段】缶蓋1の中心Oと押し下げ部20の先端とを通る第一中心線21aに対して直交し且つ缶蓋中心を通る第二中心線21bによってスコア線8を2分割したとき、押し下げ部20の位置していない側のスコア線8に、前記押し下げ部20近傍のスコア線8の残厚よりも残厚が厚くなるスコア段差部が形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全面開口するタイプの開口容易缶蓋に関し、特にそのスコア線の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、果実缶詰、魚肉缶詰、牛肉缶詰、野菜缶詰等のような広い開口部を必要とする内容物を収容する缶詰において、缶蓋のパネル部の周辺に沿う環状のスコア線により開口片を規定し、開口片に固着した缶蓋開口部材であるタブにより開口片を破断除去して内容物を取り出せるようにした所謂全面開口(フルオープン)タイプの缶蓋が多用されている。
【0003】
一般に、素材がスチール製の全面開口タイプの缶蓋において、缶蓋のタブによって開口片を破断除去する時の所要力の変化には、スコアブレイクと称される開口開始時に最初の所要力のピークがある。そこから缶蓋のタブを引き上げると、スコアティアーと称される引き裂き作業の一回目の所要力のピークがある。その後、所要力が減少した後、引き裂き作業の二回目の所要力のピークがある。最後に、ティアーアウトと称される開口片の除去作業をする時に所要力が増加しながら、開口片が除去されることとなる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この従来のスチール製缶蓋では、開口に大きな力を要し、缶体落下時にスコア部分に亀裂が入る虞があったため、軽い力で全面開口させると共に、缶体の落下では破裂することのないようにするために、缶蓋用タブの先端縁の両側位置と、缶蓋用タブの先端縁とが近接しているスコアと対称部位のスコア位置との2位置のスコア部の残厚を、他の部分のスコア残厚より薄い35〜45μmの範囲に選定している。このことにより、スコアティアーと称される引き裂き作業をする時の所要力を減少させるとともに、所要力のピークも引き裂き開始時に一回だけ生じるように規制している。
【0005】
これに対して、近年、スチール製缶蓋に比べ、耐食性や開蓋性などに優れるアルミニウム製の缶蓋が多く使用されてきている。このアルミニウム製の缶蓋は、スチール製の缶蓋に比べ軟らかいため、タブによって開口片を破断除去する時の所要開口力の変化は、最初にタブを持ち上げた時に第一種の挺子作用により、タブの押し下げ端の近傍のスコア線を破断する初期破断作業の際に所要の開口力のピークがあるものとなる。そこから、タブを引き上げて、スコア線をせん断するせん断作業の際に、せん断開始の当初に所要開口力がピークに達した後は、徐々に所要の開口力が減少しながら、スコア線がせん断される。それに伴い、開口片は、弓状に大きく曲げられながら徐々に取り外されていき、最終的にスコア線が全周で完全に破断される開口片を除去する作業に至る。
【0006】
【特許文献1】
実公平3ー12661号公報 (第1頁から3頁、図1から図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなアルミニウム製の全面開口タイプの缶蓋では、タブを持ち上げて開口片を分離する際に、タブによる力を開口片に充分に伝えるために、開口片にビードやディンプル等の凹凸部を形成し、開口片に剛性を持たせることがある。こうすると、開口し易い反面、開口片が変形し難くなり、タブの押し下げ端の近傍のスコア線を初期破断する作業の後、タブを引き上げて、スコア線をせん断する作業の際に、所要の開口力の変化が、せん断開始の当初で所要の開口力のピークに達し、その後、急激に所要の開口力が減少する。さらに、スコア線のせん断が瞬時に起こり、開口片が充分、且つ弓状に曲がらずに、開口片が瞬時に取り外される。そして、この時の衝撃で、内容物が飛散するという問題があった。
【0008】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、開口片の引き上げ時に開口片が瞬時に取り外されたり、またそれに伴って内容物が飛散したりすることを防止できる缶蓋を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、外周に缶胴固着用のフランジ部が一体形成されている略円形状のパネル部と、前記パネル部の周辺近傍に形成された略円形状のスコア線によって区画された開口片と、前記開口片の内側の箇所に配置された持ち上げ部および前記スコア線の一部分に近接するように配置された押し下げ部を有するとともに前記開口片の周辺部近傍に形成されたリベットに固着されたタブとを備えるアルミニウム製の開口容易缶蓋において、前記缶蓋の中心と前記押し下げ部の先端とを通る第一中心線に対して直交し且つ缶蓋中心を通る第二中心線によって前記スコア線を2分割したとき、前記押し下げ部の位置していない側のスコア線に、前記押し下げ部近傍のスコア線の残厚よりも残厚の厚いスコア段差部が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
したがって、請求項1に記載した発明では、スコア線のせん断作業をする際に、せん断開始時の所要の開口力のピーク荷重の他に少なくとも2回目のピーク荷重が生じる。また、缶蓋中心と押し下げ部先端とを通る缶蓋の中心線と直交し且つ缶蓋の中心を通る直線によってスコア線を2分割したときに、前記押し下げ部の位置していない側のスコア線に、前記押し下げ部近傍のスコア線の残厚よりも残厚が厚く形成されているスコア段差部が形成されていることにより、タブを引き上げて、開口片を取り外す時に、スコア段差部がスコア線のせん断の抵抗となる。その結果、スコア線のせん断が瞬時に起こらず、開口片が瞬時に取り外されることを防止でき、内容物の飛散を防止できる。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記スコア段差部が、前記第二中心線によって前記スコア線を2分割したときに、前記押し下げ部の位置していない側の前記スコア線のうち、前記第一中心線の前記押し下げ部とは反対側の部分からその両側に缶蓋の中心を中心とした40°乃至90°の開き角度の範囲に位置するスコア線に形成されていることを特徴とする開口容易缶蓋である。
【0012】
したがって、この請求項2の発明では、前記第二中心線によって前記スコア線を2分割したときに、前記押し下げ部の位置していない側の前記スコア線のうち、前記第一中心線に対して前記押し下げ部とは反対側の部分からその両側に缶蓋の中心を中心とした40°乃至90°の開き角度の範囲に位置するスコア線に、前記スコア段差部が形成されていることにより、缶蓋開口後で缶胴に巻き締め固着されたまま残るパネル部の外周部のうち、タブの押し下げ端近傍のスコア線と缶蓋中心に対して対称部位に位置するスコア線(タブ引き上げ時に破断が終了する部分)に隣接する部分が開口片を除去する時などに、定常開口する方向と違う方向にめくれたり、ゆがんだりすることを防止することができる。その結果、スコア線の残厚が厚いと破断に大きな力が必要となり、外周部の変形が生じやすくなることを防止できる。すなわち、タブの押し下げ端近傍のスコア線と缶蓋中心に対して対称部位に位置するスコア線の残厚が厚い場合、タブの押し下げ端近傍のスコア線と缶蓋中心に対して対称部位に位置するスコア線は、開口片を除去する方向に対して略垂直に延在しているため、特に、せん断され難くなり、タブを引き上げたときに、タブの押し下げ端近傍のスコア線と缶蓋中心に対して対称部位に位置するスコア線に隣接する部分が、開口片と共に引き上げられ、定常開口する方向と違う方向にめくれたり、ゆがんだりする可能性がある。
【0013】
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記スコア段差部が、前記押し下げ部近傍のスコア線の残厚よりも40〜100μm厚く形成されていることを特徴とする開口容易缶蓋である。
【0014】
したがって、請求項3の発明では、スコア段差部の残厚を、タブの押し下げ部近傍のスコア線の残厚よりも40μm以上厚くすることによって、スコア線のせん断作業の時に、せん断開始時の所要の開口力のピーク荷重より後に生じる二度目のピーク荷重を大きくすることができる。そのため、開口片が瞬時に取り外されることを確実に防止することができる。また、タブの押し下げ部の近傍のスコア線の残厚よりも厚くする量を100μm以下とすることにより、開蓋性が損なわれることを回避できる。
【0015】
すなわち、タブの押し下げ部近傍のスコア線の残厚とスコア段差部の残厚との差が40μm未満であった場合、スコア線のせん断作業の時に、二度目のピークがあまり大きくならず、タブを引き上げて、開口片を取り外す時の抵抗としての効果があまり得られない。また、前記スコア段差部の残厚と押し下げ端の近傍のスコア線の残厚との差が100μmより大きい場合、スコア線をせん断する際の所要の開口力が増大し、開蓋性が悪くなると共に、開口不良が生じる可能性もある。
【0016】
そして、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、前記開口片の周辺部に、前記スコア線の半径方向で内方に延びる環状の第一層と、前記第一層を折り返して半径方向で外方に延びる環状の第二層と、前記第二層を前記スコア線近傍で折り返して半径方向で内方に延びる第三層とによって形成されている重層部が形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
したがって、請求項4の発明では、缶蓋から取り外された開口片のスコア線の破断端により、指などを負傷することを防ぐことができる上に、開口片の周辺部に形成された重層部によって特に開口片が変形し難くなっても、開口片が瞬時に取り外されることを充分に防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を具体例を参照して説明する。図1に示されるように、缶蓋1の構造は、アルミニウム合金の薄板をプレス成形することにより缶詰容器の上端壁となるパネル部2の外周に缶胴(図示せず)に対する固着部となるフランジ部4を一体成形した本体に対して、缶詰容器を開口操作するための別体のタブ5をパネル部2に形成された固定部材であるリベット6によって固着したものである。
【0019】
すなわち、缶蓋1のパネル部2には、開口片7を規定する環状(無端状)のスコア線8が、パネル部2の周辺付近でフランジ部4の内側に沿って破断可能なように刻設されており、このスコア線8を破断して開口片7を除去するためのタブ5が、その先端部をスコア線8の一部分に近接するようにして固着されている。
【0020】
この開口片1を区画するスコア線8は、その成形時の応力の集中により、スコア線8部分のくびれや損傷を防ぐために、缶蓋1の表面に相当する側から断面が幅広の大きい台形の上に先端の幅の狭い台形を重ねたような形状の金型を、また缶蓋1の裏面に相当する側から断面が幅広の台形状の金型を、それぞれ押し当ててスコア線8を成形している。
【0021】
また、開口の初期操作におけるタブ5の引き上げを容易にするための補助スコア線9が、リベット部分の缶蓋1の中央側の周囲を円弧状に囲み且つその両端からタブ5の長手方向中心線と直交する方向へそれぞれ延びるような形状で、破断可能なように刻設されている。なお、本実施形態では、タブ5の引き上げ時に破断されないスコア線(副スコア線10)が、その存在によって補助スコア線9(もしくは主スコア線)の成形時に応力の集中により、補助スコア線9の部分のくびれや損傷を防ぐために、補助スコア線9(もしくは主スコア線)に沿って形成されている。
【0022】
また、パネル部2のスコア線8で囲まれた部分(開口片7)には、パネル部2に剛性を付与すると共にタブ5の持ち上げ部11を摘みやすくし、且つ、製造年月日や賞味期限等の印字スペースとするための指掛け用凹部12と、パネル部2に剛性を付与すると共にタブ5の下面に当接してタブ5とパネル部2との間に隙間を設けるためのタブアップブリスター13と、缶詰を積み重ねた際に上積み缶詰が正立安定性を保てるようにするための球面状の凸部14と、パネル部2に剛性を付与するためのリブ状の凹部15とが形成されている。
【0023】
なお、パネル部2に対して、缶蓋1の開口時や開口後に、環状スコア線8に沿って破断除去される開口片7の鋭い破断端と缶胴に固着されたまま残るパネル部2の外周部16の鋭い破断端とに触れて消費者が負傷しないように、パネル部2の金属板を断面S字状に折り畳んで三重に重ねた重層部が、スコア線8を挟んで、開口片7とパネル部2の外周部16とにそれぞれ環状に形成されている。
【0024】
すなわち、図2に示されるように、開口片7側の三重に重ねた第一重層部17は、スコア線8の半径方向で内方向に延びる上層部と、前記上層部を下方に折り返してその半径方向で外方に延びる環状の中間層部と、その中間層部をスコア線8近傍で下方に折り返してスコア線8の半径方向で内方に延びる下層部とによって形成されており、下層部と中間層部とを接続する折り畳み部の先端が、スコア線8の破断端のほぼ真下に位置するように形成されている。また、外周部16側の三重に重ねた第二重層部18は、スコア線8の半径方向で外方向に延びる下層部と、前記下層部を上方に折り返してその半径方向で内方に延びる環状の中間層部と、その中間層部をスコア線8近傍で上方に折り返してスコア線8の半径方向で外方に延びる上層部とによって形成されており、上層部と中間層部とを接続する折り畳み部の先端が、スコア線8の破断端のほぼ真上に位置するように形成されている。
【0025】
なお、缶蓋1の開口後のスコア線8の破断端は、成形性や開蓋性を向上させたり、スコア線8を塗料により補修し易くしたりするために、安全性を保てる範囲で折り畳み部の先端から僅かに突出していても良いし、第一重層部17および第二重層部18を構成する各層間の間隔も、僅かに隙間が開くように形成されていても良い。
【0026】
缶蓋1の開口用のスコア線8の底部の厚み(残厚)分布について、図3を参照して説明する。先ず、図3に示すように、缶蓋中心Oとタブ5の押し下げ部20先端とを通る第一中心線21aとスコア線8とが交わる部分のうち、タブ5の押し下げ部20の先端側の部分をX、これとは反対側のタブ5の持ち上げ部11側の部分をX’とすると、缶蓋中心Oに対してX方向を角度0°である基準位置とする。また、第一中心線21aと缶蓋中心Oで直交する線を第二中心線21bとする。なお、タブ5の持ち上げ後、第一中心線21aに沿ってタブ5を引き上げて、スコア線8を破断する場合、Xがスコア線8の破断開始部、X’がスコア線8の破断終了部となる。
【0027】
領域Aとは、缶蓋中心Oに対してX方向を0°とした時、円周左右両方向で、0°〜65°(合計130°)の開き角度の範囲の領域であって、スコア線8に第一残厚22が(基準値(例えば、90〜120μm))設けられている。
【0028】
領域BおよびDとは、上記の同様の基準から90°〜140°(それぞれ50°)の開き角度の範囲の領域であって、残厚を基準値より40〜100μm(具体的には、40μmまたは60μm)厚くしたスコア段差部24がスコア線8に設けられている。
【0029】
領域Cは、上記の同様の基準から150〜180°(合計60°)の開き角度の範囲の領域であって、スコア線8の残厚は、領域Aにおける第一残厚22(基準値と同じ)と同様とされている。
【0030】
領域AとBまたは領域AとDの間は、同様の基準から、65°〜90°の範囲であり、そのスコア線8に、第一残厚22とスコア段差部24の第二残厚23とを繋ぐように残厚を連続的に変化させた円周方向への傾斜面25が設けられている。スコア段差部24および傾斜面25を、スコア線8の半分の領域(角度0°の基準位置から開く角度180°までの領域)に沿って展開した断面図として図4の(A)に模式的に示してある。なお、図4の(B)にスコア線8およびその残厚部分の断面形状を示してある。
【0031】
なお、領域BとCまたは領域DとCの間は、同様の基準から、140°〜150°の範囲であり、この部分でのスコア線8の残厚は、領域AとBまたは領域AとDの間と同様である。
【0032】
また、残厚の厚いスコア段差部24は、90°〜140°の範囲に連続して形成しても良いし、部分的に残厚を薄くして不連続に形成しても良く、スコア線8のせん断作業の際に所定の開口力の変化のピーク荷重も三回以上あっても良い。
【0033】
なお、本発明における所要の開口力のピーク荷重とは、所要の開口力の変化が、所要の開口力の変化の谷から所要の開口力が連続して増加した頂点に達したとき、頂点における開口力と谷における開口力との差が1N以上あることをいう。そして、せん断の作業において、スコア段差部24によるピーク荷重は、スコア線8のせん断作業の当初の第三所定値c(図5参照)が生じた後、所要の開口力が減少し、そこからまたスコア段差部24による第四所定値d(図5参照)が生じたとき、第四所定値dの直前の所要の開口力の変化の谷における所要の開口力とスコア段差部24によるピーク荷重時の所要の開口力との差が3N以上あることが好ましい。
【0034】
図1ないし図2に示すように、本発明の缶蓋1を開口する場合、タブ5の持ち上げ部11を持ち上げると、先ず、タブ5の先端部が開口片7を規定する環状のスコア線8の一部分の付近に接触して押圧力を加え、このタブ5の先端部を支点、タブ5の持ち上げ部11を力点、タブ5の固着部、例えばリベット6を作用点とする第二種の挺子作用により、タブ5のリベット6の周囲及びその左右に延長して設けた補助スコア線9が破断する。これによって、図5で示される所要開口力の第一所定値a(ヴェントポップ)が生じる。
【0035】
この補助スコア線9の破断により、タブ5の持ち上げ部11の持ち上げが容易となって、更にタブ5の持ち上げ部11を持ち上げると、タブ5のリベット6を支点、タブ5の持ち上げ部11を力点、タブ5の先端部3を作用点とする第一種の挺子作用により、パネル部2の周辺に設けた環状のスコア線8の初期破断が生じる。このときも図5で示される所要の開口力の第二所定値b(スコアーポップ)が生じる。さらに、タブ5を引き上げることにより、スコア線8が円周方向にせん断されていき、それに伴い開口片7が弓状に曲がりながらパネル部2の外周部16から取り外されていく。そして、せん断開始の当初に所要の開口力の第三所定値c(ティアー)が生じた後、一度所要の開口力が減少する。そして、スコア線8のせん断が、残厚を厚く設定している部分に達すると、その部分が抵抗となり、再び所要の開口力が増加して第四所定値d(段差によるピーク)が生じる。これによって、開口片7が一気に全開することを防止できる。
【0036】
したがって、スコア線8のせん断作業をする際に、せん断開始時の所要の開口力のピーク荷重の後に少なくとも2回目のピーク荷重が生じる。領域BまたはDのスコア線8に、押し下げ部20近傍のスコア線8の第一残厚22よりも第二残厚23が厚く形成されているスコア段差部24が形成されていることにより、タブ5を引き上げて、開口片7を取り外す時に、スコア段差部24がスコア線8のせん断の抵抗となる。さらに、スコア線8のせん断が瞬時に起こらず、開口片7が一気に取り外されることを防止でき、内容物の飛散を防止できる。
【0037】
なお、缶蓋1の中心Oにに対してX方向を0°とした時、開き角度が左右両方向に90°乃至140°の領域Bおよび領域Dの範囲(X’方向を0°とした時、開き角度が40°乃至90°の範囲)では、スコア線8に沿って、押し下げ部20の近傍の第一残厚22よりも第二残厚23が厚くなるように形成されており、缶蓋1の中心Oに対しての開き角度が左右両方向に140°乃至180°の領域Cの範囲では、スコア線8に沿って、第一残厚22と同様の残厚とされている。また、スコア線8をせん断する際の開口片7の引き上げ力のスコア線8の接線方向の分力は、缶蓋中心Oに対してX方向を0°とした時、左右両方向で、開口片7の引き上げ方向と略平行に延在する90°の角度で最大となり、開口片7の引き上げ方向と略垂直に延在する180°の角度で最小となる。
【0038】
したがって、缶蓋1の中心を中心とした左右両方向に90°乃至140°の開き角度の範囲のスコア線8に、スコア段差部24が形成されており、左右両方向に140°乃至180°の開き角度の範囲のスコア線8に、スコア段差部24が形成されていないことにより、タブ5の押し下げ端近傍のスコア線8と缶蓋1の中心に対して対称部位に位置するスコア線8(スコア線8のうち、缶蓋中心Oに対してX方向を0°とした時、角度が180°近傍の部分であり、破断が終了する部分)が容易に破断される。すなわち、スコア線8のうち、缶蓋中心Oに対してX方向を0°とした時、左右両方向に角度が180°近傍の部分に、押し下げ部20近傍よりも残厚の厚いスコア段差部24を形成した場合、開口片7の引き上げ時に、開口片7の引き上げ力のスコア線8の接線方向の分力が小さくなるその部分のスコア線8が特に破断され難くなる。その場合、缶蓋1の開口後に、缶胴3に巻き締め固着されたまま残るパネル部2の外周部16のうち、タブ5の押し下げ端近傍のスコア線8と缶蓋1の中心に対して対称部位に位置するスコア線8に隣接する部分が、開口片7を除去する時に、開口片7と共に上方に引き上げられ、定常開口する方向と違う方向に、めくれたり、ゆがんだりする。その結果、スコア線が破断し難くなることにより開蓋性が悪くなると共に、外周部16が変形することにより外周部16側に第二重層部18を形成していても、スコア線8の破断端によって、消費者が負傷する虞がある。したがって、スコア段差部24が、90°乃至140°の開き角度の範囲のスコア線8に形成されていることにより、スコア線8のせん断作業の際に2回目のピーク荷重を生じさせ、開口片7が一気に取り外されることを防止することができると共に、スコア線8の破断終了部近傍の外周部16の変形を防止することができる。
【0039】
また、領域Bまたは領域Dのスコア線8に沿って、第一残厚22と第二残厚23との差厚が40〜100μmに設定されている。
【0040】
したがって、第二残厚23を第一残厚22よりも40μm以上厚くすることによって、スコア線8のせん断作業の時に、せん断開始時の所要の開口力の第三所定値c(ピーク荷重)とは別に生じる二度目の第四所定値d(ピーク荷重)を大きくすることができる。これにより、開口片7が瞬時に取り外されることを確実に防止することができる。また、第一残厚22と第二残厚23との差厚を100μm以下とすることにより、開蓋性が損なわれない。
【0041】
また、開口片7の周辺部に、スコア線8の半径方向で内方向に延びる上層部と、前記上層部を下方に折り返してその半径方向で外方に延びる環状の中間層部と、その中間層部をスコア線8近傍で下方に折り返してスコア線8の半径方向で内方に延びる下層部とによって形成されている第一重層部17が形成されている。
【0042】
したがって、開口片7の周辺部に形成された第一重層部17によって、開口片7を取り外した後のエッジが隠蔽された状態となって指などに傷を負う要因となることを防止できる。これに対して上記の第一重層部17によって開口片7の剛性が高くなるが、上述したように開口片7をスコア線8に沿ってせん断する過程で開口片7が一気に取り外されることがなく、内容物の飛散などの不都合を充分に解消できる。
【0043】
なお、上記の説明では、アルミニウム合金、例えば、3003合金、3004合金、5052合金、5182合金等を用いた例を示したが、この発明は、これに限定されず、スチール、例えばティンフリースチールなどの表面処理鋼板、ブリキ、クロムメッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、その他の各種合金メッキ鋼板等を用いて缶蓋を構成することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、スコア線に沿って開口片をせん断作業をする際に、せん断開始時の所要の開口力のピーク荷重の後にせん断途中に少なくとも二回目のピーク荷重が生じ、そのため、スコア線に沿ったせん断が瞬時に起こらず、開口片が瞬時に取り外されることを防止でき、その結果、内容物の飛散を防止できる。
【0045】
また、請求項2の発明によれば、環状のスコア線を、押し下げによる破断の開始する部分側と破断が終了する部分側とに二分した場合の初期押し下げ部が位置していない側のスコア線のうち、缶蓋中心を中心とした破断終了部からの両側への開き角度が40°乃至90°の範囲のスコア線に、残厚が相対的に厚いスコア段差部を形成することにより、缶蓋開口後で缶胴に巻き締め固着されたまま残るパネル部の外周部のうち、タブの押し下げ端近傍のスコア線と缶蓋中心に対して対称部位に位置するスコア線(破断終了部)に隣接する部分が、開口片を除去する時などに、定常開口する方向と違う方向にめくれたり、ゆがんだりすることを防止することができる。そのため、破断終了部近傍のスコア線の残厚が厚いことにより、開蓋性が低下したり、外周部の変形が生じやすくなったりすることを防止できる。
【0046】
さらに、請求項3の発明によれば、タブの押し下げ部近傍のスコア線の残厚よりも40μm以上厚くすることによって、スコア線のせん断作業の時に、せん断開始時の所要の開口力のピーク荷重より他に生じる二度目のピーク荷重を大きく生じさせることができる。これにより、開口片が瞬時に取り外されることを確実に防止することができる。また、タブの押し下げ部の近傍のスコア線の残厚よりも厚くする量を100μm以下とすることにより、開蓋性が損なわれることがなく、開口片を好適に取り外すことができる。
【0047】
そして、請求項4の発明によれば、缶蓋から取り外された開口片のスコア線の破断端により、指などを負傷することを防ぐことができる上に、開口片の周辺部に形成された重層部によって特に開口片が変形し難くなっても、開口片が瞬時に取り外されることを充分に防止でき、ひいては開口片を好適に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した缶蓋の平面図である。
【図2】その缶蓋の縦断面図である。
【図3】その缶蓋の残厚分布図である。
【図4】(A)はそのスコア線の半分についての残厚の変化を示す断面展開図、(B)はスコア線の形状および残厚部分の形状を示す断面図である。
【図5】本発明を適用した缶蓋の開口力の変化を示す線図である。
【符号の説明】
1…缶蓋、 2…パネル部、 4…フランジ部、 5…タブ、 6…リベット、 7…開口片、 8…スコア線、 17…第一重層部、 18…第二重層部、20…押し下げ部、 21a…第一中心線、 21b…第二中心線、 22…第一残厚、 23…第二残厚、 24…スコア段差部。

Claims (4)

  1. 外周に缶胴固着用のフランジ部が一体形成されている略円板状のパネル部と、前記パネル部の周辺近傍に形成された略円板状のスコア線によって区画された開口片と、前記開口片の内側の箇所に配置された持ち上げ部および前記スコア線の一部分に近接するように配置された押し下げ部を有するとともに前記開口片の周辺部近傍に形成されたリベットに固着されたタブとを備えるアルミニウム製の開口容易缶蓋において、
    前記缶蓋の中心と前記押し下げ部の先端とを通る第一中心線に対して直交し且つ缶蓋の中心を通る第二中心線によって前記スコア線を2分割したとき、前記押し下げ部の位置していない側のスコア線に、前記押し下げ部近傍のスコア線の残厚よりも残厚の厚いスコア段差部が形成されていることを特徴とする開口容易缶蓋。
  2. 前記スコア段差部が、前記第二中心線によって前記スコア線を2分割したときに、前記押し下げ部の位置していない側の前記スコア線のうち、前記第一中心線の前記押し下げ部とは反対側の部分からその両側に缶蓋の中心を中心とした40°乃至90°の開き角度の範囲に位置するスコア線に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の開口容易缶蓋。
  3. 前記スコア段差部が、前記押し下げ部近傍のスコア線の残厚よりも40〜100μm厚く形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の開口容易缶蓋。
  4. 前記開口片の周辺部に、前記スコア線の半径方向で内方向に延びる環状の第一層と、前記第一層を折り返して半径方向外方に延びる環状の第二層と、前記第二層を前記スコア線近傍で折り返して半径方向で内方に延びる第三層とによって形成されている重層部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の開口容易缶蓋。
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