JP2004160595A - 懸垂形ツールマガジンの工具差替機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】工作機械のツールマガジンに工具を手作業で差し替えするときに、工具の殆どの重量が作業者に加わって腕や腰に過大な負担をかけ無理な作業姿勢を強いることのない安全な工具差替機構の提供。
【解決手段】連接される複数のチエンリンクに設けられ工具の差し替え位置で移動方向に対し直交する方向に揺動可能な支承部材で支持される揺動形ツールポット3と、循環する前記揺動形ツールポットの外周面に内側から当接し前記支承部材に設けられた支点を中心に外方に押し出して傾斜するように付勢するポット揺動の手段とでツールマガジンの工具差替機構を構成する。
【選択図】 図4
【解決手段】連接される複数のチエンリンクに設けられ工具の差し替え位置で移動方向に対し直交する方向に揺動可能な支承部材で支持される揺動形ツールポット3と、循環する前記揺動形ツールポットの外周面に内側から当接し前記支承部材に設けられた支点を中心に外方に押し出して傾斜するように付勢するポット揺動の手段とでツールマガジンの工具差替機構を構成する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はツールマガジンの工具差替機構に関するものである。詳しくは懸垂され移動位置決めされるツールポットを傾斜させて工具の差し替えを行う懸垂形ツールマガジンの工具差替機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械の工具交換装置は、複数の工具が工具マガジンに格納され、これら複数の工具の内から一つの工具を選択して主軸に装着するようになっている。工具マガジンへの工具の着脱は手動操作または工具交換アームによる自動操作で行われる。工具マガジンの旋回軸と主軸が平行な立形のマシニングセンタの場合、手動工具差替位置において、装着されている工具を差し替えるときは、工具を鉛直方向に上から下または下から上へと動かして抜け止め防止部からの脱出と進入を行っている。
【0003】
図5は従来の立形マシニングセンタの工具マガジンを示す図で、図示しない主軸頭の移動範囲に隣接してツールマガジン101が設けられており、中間に工具交換装置が設けられている。ツールマガジンはチエンリンク102に抜け止め防止付のツールポット103が吊り下げられており、ツールポット103に装着される工具Tは主軸と同方向を向いている。ツールポット103とチエンリンク103が回転することにより、主軸頭との自動工具交換位置や、本機手前の工具差し替え位置に割出が可能となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術で述べたように、ツールマガジンにおいて工具を差し替える時に、ツールポットが水平な場合は工具重量のすべてが作業時に負荷になることはない。しかし、懸垂形ツールポットの場合は軸心が重力方向に向いているので全工具重量が作業者の腕や腰部に負担となる。
ツールポットに装着されている工具を手動で交換する際、工具を重力方向へ引いて抜去し重力方向に逆らって押し上げて装着しており、差し替えを行うのにある程度の腕力が必要となる。その結果腰などに負担のかかる作業姿勢を強いることになるという問題を有していた。
【0005】
本発明は従来技術の有するこのような問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、工具の差し替え位置にあるツールポットの軸心の方向を垂下方向から作業者が近づきやすい方向に向けてポット揺動手段で滑らかに揺動させ、工具軸心を傾斜させることにより横もしくは斜め方向から工具の着脱ができるようにし、工具差し替え時の作業者への負担を軽くできるように構成したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の懸垂形ツールマガジンの工具差替機構は、工具を下向きの状態で格納する複数のポットを環状に有する工作機械用ツールマガジンの工具差替機構であって、工具差替位置に位置決めされた前記ポットをチエンリンクの移動方向と交叉する方向に揺動可能に前記チエンリンクに設けられた支承部材で支持される揺動形ツールポットと、循環する前記チエンリンクの内側から前記揺動形ツールポットの外周面に当接し揺動支点を中心に外方に押し出して傾斜するように付勢するポット揺動手段とを設けてなり、揺動可能に支承されたポットの外周面を内側から揺動手段で押し工具軸心を外方へ傾斜させて工具差替えするものである。
【0007】
請求項1の発明によれば、ツールポット懸垂形ツールマガジンにおいて、マガジン内の工具を差し替える場合、小重量工具なら手作業で、重量が大きい工具ならクレーンを用いて行われるが、いずれの場合もツールポットが垂直状態のままでは差し替え作業で不都合なことがある。搬送するチエンリンクに傾斜可能にツールポットを設け、ポット揺動手段でツールポットを傾斜させて保持することにより工具の手動による差し替えとワイヤを工具にかけ保持しやすくクレーンでの搬送を容易にしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明の懸垂形ツールマガジンの全体構成説明図、図2は図1の部分構造図であって、(a)はチエンの旋回位置に設けられた工具差替部の上面視図、(b)はツールポット直進部の搬送用チエンのガイド部断面図、図3は揺動形ツールポットの揺動支持部材断面図、図4はポット揺動手段の構成図であって、(a)はシリンダ・ピストン部材で付勢する構成説明図、(b)はモータとねじ部材で付勢する構成説明図である。
【0009】
図1に示す懸垂形ツールマガジン1において、ツールポットは、工具を懸垂して格納するため抜け止め機構が設けられている。またツールポット3はチエンリンク2の下方に取着されている保持具4に設けられた揺動支点を中心にチエンリンク2の進行方向に対し交叉する方向に揺動可能に設けられている。エンドレスに連結されたチエンリンク2は鎖車5A,5B間で一定の張力が付与され位置決め可能に図示しないモータで駆動されている。
【0010】
チエンリンク2,ツールポット3,工具Tの重量は、旋回部では鎖車5A,5Bの上面で支え、直進部ではガイド6A,6Bで支えられている。懸垂形ツールマガジン1には、工具交換アーム7により使用済工具と次工具とを交換するための工具交換位置と新規工具を手動で差し替える工具差替位置とが設けられている。工具交換位置と工具差替位置とをチエンリンク2の旋回部または直進部のいずれの部分に設けるかは設計上の判断で自由に配置可能である。図1では工具交換位置はチエンリンク2の直進部に、工具差替位置はチエンリンク2の旋回部に設けられている。
【0011】
図2(a)において、ポット揺動手段8はチエンリンク2の旋回部のチエンリンクの内側に設けられている。工具差替位置に位置決めされたポット3の外周円筒に押圧作用し図1に示すようにツールTを傾斜させる。
図2(b)において、チエン2の内側の上リンク2bの下面をガイド6A,6Bに取着されたレール7の上面を案内面とし、かつローラ2cをレール7の側面で案内している。
【0012】
ツールポット3はチエン2の外側の下リンク2aに固設され、支え軸9を中心に図示し平面上で揺動可能である。ツールポット3には大径の工具Tが装着される場合があり、工具位置決めのため支え軸9を中心に自在に揺動しないようガイド板10を工具交換位置と工具差替位置以外の移動域に設けられている。
【0013】
次に図3に示す揺動形ツールポットについて説明する。
揺動形ツールポット11は保持具4,支え軸9およびツールポット3から構成されている。ツールポット3にはプルスタッドTaおよび軸テーパTbを有する工具Tが装着自在である。
なお、揺動形ツールポット11は、支え軸9を嵌装する穴とプルスタッドの支持部とを設けた揺動支持部材3aと、工具を嵌着するテーパ穴が孔設された工具装着部材3bとに分割して構成することも可能である。
【0014】
工具Tが装着された揺動形ツールポット11は、両端から垂下する二つの壁面4a,4b間で揺動するように壁面4a,4bの両外側から挿入され固定された支え軸9で支持されている。支え軸9を挿入する2個の穴を避ける位置に工具Tの抜け止め部材の鋼球15,ワッシャ16,ばね17,蓋18を組み込む穴が一ヶ所以上設けられている。保持具4は下部リンク2aに固定される。保持具4の揺動穴4cの軸心方向はリンク2の移動方向と一致するように組立てるとツールポット3は直交する方向に揺動する。また、一定角度だけ交叉するように両者を固定するとツールポット3の揺動する方向を変更することができる。
【0015】
次に図4に示すポット揺動手段について説明する。
図4(a)はシリンダ・ピストン方式揺動手段20である。図4(a)において、ツールポット3の円筒外周面を押板21で押して、工具Tを支え軸9を揺動中心とし旋回するチエンリンク2の外側へ工具刃先を向けるよう所定の角度だけ工具軸心を傾斜させる。
押板21は、ベース22の上面を摺動面とする滑り子23に取着されシリンダ・ピストン部材部材24に図示しない管路から供給される流体によりその動き量と動く態様を制御することができる。
【0016】
図4(b)はねじ送り方式揺動手段25である。図4(b)において、前記図4(a)と同様にツールポット3の円筒外周面を押板21で押して、工具Tを支え軸9を揺動中心とし所定角度だけ工具軸心を傾斜させる。押板21は、ベース26の上面を摺動面とする滑り子27に取着されモータ28とねじ部材29によりその動き量が制御されている。
【0017】
次に本発明の揺動式ツールポットの作用について説明する。
工具の差し替えを意図するツールポット3を工具差替位置に位置決め指令する。位置決め終了後、ポット揺動手段の押板21を前進させるために図示しない操作回路に動作起動を指示してシリンダ・ピストン方式揺動手段20のシリンダ・ピストン部材へはバルブを開き流体を送りこむことにより、またねじ送り方式揺動手段25のモータ28へは回路を閉じて通電し、ねじ軸を回転させる。
【0018】
押板21が前進してツールポット3の円筒外周面に緩やかに当接し徐々に工具Tの軸心は支え軸9を揺動中心として傾斜していく。傾斜させる角度は作業者が手作業で差し替えできる程度であり、垂下状態から30度以上60度以下が望ましい。
また別の場合として、大形の工具ではその重量から手作業は不可能であり、ツールポット3をワイヤで支え着脱するためワイヤが掛かりやすい程度にツールポット3を傾ける。このようにすればチエンブロックを用いて機外搬出も容易になる。
【0019】
工具Tのツールポット3からの取り外しは、工具TのフランジTcの上面とツールポット3の下面3cとの隙間に専用の隙間工具を挿入しテコ作用で分離する方法が実務上簡便であるとして用いられている。ツールポット3を傾斜させて工具Tの抜き取りと差し込む行うため、作業者の腕や腰に過大な負荷をかけない。工具の差し替えが完了した後に押板21を後退するようにポット揺動手段を操作し工具の軸心を鉛直に戻すことにより工具の差し替え作業が完了する。差し替えるべき工具がいくつかある場合は差し替えるべき次の工具を指定してこの工具を差し替え位置に位置決めして前記操作を繰り返し実行すれば良い。
【0020】
【発明の効果】
本発明の懸垂形ツールマガジンの工具差替機構は前述のように構成されているので次に記載する効果を奏する。
請求項1に記載の発明は、ツールポットに鉛直下方向に装着され懸垂して搬送される工具を指定の差替位置に位置決めし、工具の脱着を行う際にツールポットを傾斜させて工具の全重量が手作業する作業者の負担にならないようにできるという効果を有する。
また、特に大形工具の場合、落下しないようにロープを工具に巻いてチエンブロックで支えて工具の着脱作業を行うことにより落下の危険を回避できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の懸垂形ツールマガジンの全体構成説明図である。
【図2】図1の部分構造図であって、(a)は工具差替部の上面視図で、(b)はツールポット搬送用チエンの直進ガイド部断面図である。
【図3】揺動形ツールポットの揺動支持部材の断面図である。
【図4】ポット揺動手段の構成図であって、(a)はシリンダ・ピストン部材で付勢する構成説明図、(b)はモータとねじ部材で付勢する構成説明図である。
【図5】従来の懸垂形ツールマガジンの全体図である。
【符号の説明】
1 懸垂形ツールマガジン 2 チエンリンク
3 ツールポット 4 保持具
5 鎖車 6 ガイド
7 レール 8 ポット揺動手段
9 支え軸 10 ガイド板
11 揺動形ツールポット 15 鋼球
16 ワッシャ 17 ばね
18 蓋
20 シリンダ・ピストン式揺動手段
21 押板 22 ベース
23,27 滑り子
24 シリンダ・ピストン部材
25 ねじ送り式揺動手段
26 ベース 28 モータ
29 ねじ部材
【産業上の利用分野】
本発明はツールマガジンの工具差替機構に関するものである。詳しくは懸垂され移動位置決めされるツールポットを傾斜させて工具の差し替えを行う懸垂形ツールマガジンの工具差替機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械の工具交換装置は、複数の工具が工具マガジンに格納され、これら複数の工具の内から一つの工具を選択して主軸に装着するようになっている。工具マガジンへの工具の着脱は手動操作または工具交換アームによる自動操作で行われる。工具マガジンの旋回軸と主軸が平行な立形のマシニングセンタの場合、手動工具差替位置において、装着されている工具を差し替えるときは、工具を鉛直方向に上から下または下から上へと動かして抜け止め防止部からの脱出と進入を行っている。
【0003】
図5は従来の立形マシニングセンタの工具マガジンを示す図で、図示しない主軸頭の移動範囲に隣接してツールマガジン101が設けられており、中間に工具交換装置が設けられている。ツールマガジンはチエンリンク102に抜け止め防止付のツールポット103が吊り下げられており、ツールポット103に装着される工具Tは主軸と同方向を向いている。ツールポット103とチエンリンク103が回転することにより、主軸頭との自動工具交換位置や、本機手前の工具差し替え位置に割出が可能となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術で述べたように、ツールマガジンにおいて工具を差し替える時に、ツールポットが水平な場合は工具重量のすべてが作業時に負荷になることはない。しかし、懸垂形ツールポットの場合は軸心が重力方向に向いているので全工具重量が作業者の腕や腰部に負担となる。
ツールポットに装着されている工具を手動で交換する際、工具を重力方向へ引いて抜去し重力方向に逆らって押し上げて装着しており、差し替えを行うのにある程度の腕力が必要となる。その結果腰などに負担のかかる作業姿勢を強いることになるという問題を有していた。
【0005】
本発明は従来技術の有するこのような問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、工具の差し替え位置にあるツールポットの軸心の方向を垂下方向から作業者が近づきやすい方向に向けてポット揺動手段で滑らかに揺動させ、工具軸心を傾斜させることにより横もしくは斜め方向から工具の着脱ができるようにし、工具差し替え時の作業者への負担を軽くできるように構成したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の懸垂形ツールマガジンの工具差替機構は、工具を下向きの状態で格納する複数のポットを環状に有する工作機械用ツールマガジンの工具差替機構であって、工具差替位置に位置決めされた前記ポットをチエンリンクの移動方向と交叉する方向に揺動可能に前記チエンリンクに設けられた支承部材で支持される揺動形ツールポットと、循環する前記チエンリンクの内側から前記揺動形ツールポットの外周面に当接し揺動支点を中心に外方に押し出して傾斜するように付勢するポット揺動手段とを設けてなり、揺動可能に支承されたポットの外周面を内側から揺動手段で押し工具軸心を外方へ傾斜させて工具差替えするものである。
【0007】
請求項1の発明によれば、ツールポット懸垂形ツールマガジンにおいて、マガジン内の工具を差し替える場合、小重量工具なら手作業で、重量が大きい工具ならクレーンを用いて行われるが、いずれの場合もツールポットが垂直状態のままでは差し替え作業で不都合なことがある。搬送するチエンリンクに傾斜可能にツールポットを設け、ポット揺動手段でツールポットを傾斜させて保持することにより工具の手動による差し替えとワイヤを工具にかけ保持しやすくクレーンでの搬送を容易にしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明の懸垂形ツールマガジンの全体構成説明図、図2は図1の部分構造図であって、(a)はチエンの旋回位置に設けられた工具差替部の上面視図、(b)はツールポット直進部の搬送用チエンのガイド部断面図、図3は揺動形ツールポットの揺動支持部材断面図、図4はポット揺動手段の構成図であって、(a)はシリンダ・ピストン部材で付勢する構成説明図、(b)はモータとねじ部材で付勢する構成説明図である。
【0009】
図1に示す懸垂形ツールマガジン1において、ツールポットは、工具を懸垂して格納するため抜け止め機構が設けられている。またツールポット3はチエンリンク2の下方に取着されている保持具4に設けられた揺動支点を中心にチエンリンク2の進行方向に対し交叉する方向に揺動可能に設けられている。エンドレスに連結されたチエンリンク2は鎖車5A,5B間で一定の張力が付与され位置決め可能に図示しないモータで駆動されている。
【0010】
チエンリンク2,ツールポット3,工具Tの重量は、旋回部では鎖車5A,5Bの上面で支え、直進部ではガイド6A,6Bで支えられている。懸垂形ツールマガジン1には、工具交換アーム7により使用済工具と次工具とを交換するための工具交換位置と新規工具を手動で差し替える工具差替位置とが設けられている。工具交換位置と工具差替位置とをチエンリンク2の旋回部または直進部のいずれの部分に設けるかは設計上の判断で自由に配置可能である。図1では工具交換位置はチエンリンク2の直進部に、工具差替位置はチエンリンク2の旋回部に設けられている。
【0011】
図2(a)において、ポット揺動手段8はチエンリンク2の旋回部のチエンリンクの内側に設けられている。工具差替位置に位置決めされたポット3の外周円筒に押圧作用し図1に示すようにツールTを傾斜させる。
図2(b)において、チエン2の内側の上リンク2bの下面をガイド6A,6Bに取着されたレール7の上面を案内面とし、かつローラ2cをレール7の側面で案内している。
【0012】
ツールポット3はチエン2の外側の下リンク2aに固設され、支え軸9を中心に図示し平面上で揺動可能である。ツールポット3には大径の工具Tが装着される場合があり、工具位置決めのため支え軸9を中心に自在に揺動しないようガイド板10を工具交換位置と工具差替位置以外の移動域に設けられている。
【0013】
次に図3に示す揺動形ツールポットについて説明する。
揺動形ツールポット11は保持具4,支え軸9およびツールポット3から構成されている。ツールポット3にはプルスタッドTaおよび軸テーパTbを有する工具Tが装着自在である。
なお、揺動形ツールポット11は、支え軸9を嵌装する穴とプルスタッドの支持部とを設けた揺動支持部材3aと、工具を嵌着するテーパ穴が孔設された工具装着部材3bとに分割して構成することも可能である。
【0014】
工具Tが装着された揺動形ツールポット11は、両端から垂下する二つの壁面4a,4b間で揺動するように壁面4a,4bの両外側から挿入され固定された支え軸9で支持されている。支え軸9を挿入する2個の穴を避ける位置に工具Tの抜け止め部材の鋼球15,ワッシャ16,ばね17,蓋18を組み込む穴が一ヶ所以上設けられている。保持具4は下部リンク2aに固定される。保持具4の揺動穴4cの軸心方向はリンク2の移動方向と一致するように組立てるとツールポット3は直交する方向に揺動する。また、一定角度だけ交叉するように両者を固定するとツールポット3の揺動する方向を変更することができる。
【0015】
次に図4に示すポット揺動手段について説明する。
図4(a)はシリンダ・ピストン方式揺動手段20である。図4(a)において、ツールポット3の円筒外周面を押板21で押して、工具Tを支え軸9を揺動中心とし旋回するチエンリンク2の外側へ工具刃先を向けるよう所定の角度だけ工具軸心を傾斜させる。
押板21は、ベース22の上面を摺動面とする滑り子23に取着されシリンダ・ピストン部材部材24に図示しない管路から供給される流体によりその動き量と動く態様を制御することができる。
【0016】
図4(b)はねじ送り方式揺動手段25である。図4(b)において、前記図4(a)と同様にツールポット3の円筒外周面を押板21で押して、工具Tを支え軸9を揺動中心とし所定角度だけ工具軸心を傾斜させる。押板21は、ベース26の上面を摺動面とする滑り子27に取着されモータ28とねじ部材29によりその動き量が制御されている。
【0017】
次に本発明の揺動式ツールポットの作用について説明する。
工具の差し替えを意図するツールポット3を工具差替位置に位置決め指令する。位置決め終了後、ポット揺動手段の押板21を前進させるために図示しない操作回路に動作起動を指示してシリンダ・ピストン方式揺動手段20のシリンダ・ピストン部材へはバルブを開き流体を送りこむことにより、またねじ送り方式揺動手段25のモータ28へは回路を閉じて通電し、ねじ軸を回転させる。
【0018】
押板21が前進してツールポット3の円筒外周面に緩やかに当接し徐々に工具Tの軸心は支え軸9を揺動中心として傾斜していく。傾斜させる角度は作業者が手作業で差し替えできる程度であり、垂下状態から30度以上60度以下が望ましい。
また別の場合として、大形の工具ではその重量から手作業は不可能であり、ツールポット3をワイヤで支え着脱するためワイヤが掛かりやすい程度にツールポット3を傾ける。このようにすればチエンブロックを用いて機外搬出も容易になる。
【0019】
工具Tのツールポット3からの取り外しは、工具TのフランジTcの上面とツールポット3の下面3cとの隙間に専用の隙間工具を挿入しテコ作用で分離する方法が実務上簡便であるとして用いられている。ツールポット3を傾斜させて工具Tの抜き取りと差し込む行うため、作業者の腕や腰に過大な負荷をかけない。工具の差し替えが完了した後に押板21を後退するようにポット揺動手段を操作し工具の軸心を鉛直に戻すことにより工具の差し替え作業が完了する。差し替えるべき工具がいくつかある場合は差し替えるべき次の工具を指定してこの工具を差し替え位置に位置決めして前記操作を繰り返し実行すれば良い。
【0020】
【発明の効果】
本発明の懸垂形ツールマガジンの工具差替機構は前述のように構成されているので次に記載する効果を奏する。
請求項1に記載の発明は、ツールポットに鉛直下方向に装着され懸垂して搬送される工具を指定の差替位置に位置決めし、工具の脱着を行う際にツールポットを傾斜させて工具の全重量が手作業する作業者の負担にならないようにできるという効果を有する。
また、特に大形工具の場合、落下しないようにロープを工具に巻いてチエンブロックで支えて工具の着脱作業を行うことにより落下の危険を回避できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の懸垂形ツールマガジンの全体構成説明図である。
【図2】図1の部分構造図であって、(a)は工具差替部の上面視図で、(b)はツールポット搬送用チエンの直進ガイド部断面図である。
【図3】揺動形ツールポットの揺動支持部材の断面図である。
【図4】ポット揺動手段の構成図であって、(a)はシリンダ・ピストン部材で付勢する構成説明図、(b)はモータとねじ部材で付勢する構成説明図である。
【図5】従来の懸垂形ツールマガジンの全体図である。
【符号の説明】
1 懸垂形ツールマガジン 2 チエンリンク
3 ツールポット 4 保持具
5 鎖車 6 ガイド
7 レール 8 ポット揺動手段
9 支え軸 10 ガイド板
11 揺動形ツールポット 15 鋼球
16 ワッシャ 17 ばね
18 蓋
20 シリンダ・ピストン式揺動手段
21 押板 22 ベース
23,27 滑り子
24 シリンダ・ピストン部材
25 ねじ送り式揺動手段
26 ベース 28 モータ
29 ねじ部材
Claims (1)
- 工具を下向きの状態で格納する複数のポットを環状に有する工作機械用ツールマガジンの工具差替機構であって、工具差替位置に位置決めされた前記ポットをチエンリンクの移動方向と交叉する方向に揺動可能に前記チエンリンクに設けられた支承部材で支持される揺動形ツールポットと、循環する前記チエンリンクの内側から前記揺動形ツールポットの外周面に当接し揺動支点を中心に外方に押し出して傾斜するように付勢するポット揺動手段とを設けてなり、揺動可能に支承されたポットの外周面を内側から揺動手段で押し工具軸心を外方へ傾斜させて工具差替えすることを特徴とする懸垂形ツールマガジンの工具差替機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002329303A JP2004160595A (ja) | 2002-11-13 | 2002-11-13 | 懸垂形ツールマガジンの工具差替機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002329303A JP2004160595A (ja) | 2002-11-13 | 2002-11-13 | 懸垂形ツールマガジンの工具差替機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004160595A true JP2004160595A (ja) | 2004-06-10 |
Family
ID=32807336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002329303A Pending JP2004160595A (ja) | 2002-11-13 | 2002-11-13 | 懸垂形ツールマガジンの工具差替機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004160595A (ja) |
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---|---|---|---|---|
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US20120172186A1 (en) * | 2011-01-05 | 2012-07-05 | Chen Sound Industrial Co., Ltd. | Chain-type tool magazine |
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