JP2004159094A - 反射鏡部品の支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、軽量化の促進を図ったうえで、堅牢化の促進を図り得、且つ、簡便にして容易な組立て作業を実現し得るようにすることにある。
【解決手段】2枚の板材14,15を複数のコア材13を挟んで空隙を有して積層配置して支持部材12を形成し、この支持部材12を、組み合わせ結合して支持構造体11を形成して、この支持構造体11の支持部材12に反射鏡10を組付け配置するように構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばアンテナ装置やレーダ装置に係り、特に、その反射鏡、副鏡、給電ホーン等の反射鏡部品を配置するのに用いられる支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、アンテナ装置等の反射鏡は、支持部材を組み合わせ結合した支持構造体を用いて所望の場所に設置する支持構造が採られる(例えば、特許文献1参照)。このような支持構造に用いられる支持構造体は、反射鏡を支持して外界に配されて、反射鏡ともに風雨にさらされることにより、安全を十分に確保できるだけの強度、及び耐久性が要請される。
【0003】
そこで、このような支持構造体を構成する支持部材は、それ自体が、強固な材料を用いて堅牢に形成することが必要となる。
【0004】
ところが、上記支持構造体を用いる支持構造にあっては、その支持構造体に所望の強度が要求されるために、その重量が重くなることで、その組立て作業を含む取扱いが非常に面倒であるという不都合を有する。
【0005】
また、最近の通信の分野においては、数メートルもある大口径な反射鏡を配して通信容量の大容量化が図られている。このような大口径の反射鏡は、大型で、その重量が非常に重くなるために、その構成部品である反射鏡部品を支持する支持構造体も、大型で、さらに堅牢な構造を有することが必要とされる。
【0006】
このような支持構造体を、大型で、堅牢な構造に形成する手段としては、その支持部材自体の厚さ寸法を、さらに厚くして、それ自体の強度の増加があったり、支持部材の本数を増加させる方法が考えられる。
【0007】
しかしながら、上記手段では、支持部材自体の重量の増加や、その本数の増加により、支持構造体の重量が非常に重くなると共に、その設計を含む製作・組立て作業が非常に面倒となるという不都合を有する。
【0008】
なお、係る事情は、通信の分野に限ることなく、レーダの分野においても同様である。
【0009】
【特許文献1】
特開2002―94325号公報(図13参照)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来の反射鏡の支持構造では、重量が重く、その組立て作業が非常に面倒であるという不都合を有する。
【0011】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、軽量化の促進を図ったうえで、堅牢化の促進を図り得、且つ、簡便にして容易な組立て作業を実現し得るようにした反射鏡部品の支持構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、複数の板材がコア材を挟んで空隙を有して積層配置された支持部材を、組み合わせ結合した支持構造体と、この支持構造体に支持されるものであって、前記支持部材に取り付けられる反射鏡部品とを備えて反射鏡部品の支持構造を構成した。
【0013】
上記構成によれば、支持構造体を形成する支持部材が、複数の板材を複数のコア材を介して空隙を有した積層構造に組み合わされていることにより、板材の厚さ寸法に比して十分な剛性を得ることができる。従って、軽量化を確保したうえで、堅牢化の促進を図ることできて、その組立て作業を含む取扱い性の向上を図ることが可能となり、しかも、反射鏡部品の大型化の促進に寄与することができる。
【0014】
また、この発明は、前記支持部材の板材の端部で、前記反射鏡部品を位置決めして支持するように構成した。これにより、部品点数の軽減が図れて、組立て作業の簡略化が図れる。
【0015】
また、この発明は、前記支持部材の板材内の空隙に前記反射鏡部品と結合される取付け具を選択的に内装して構成した。これによれば、取付け具の保管管理がなくなることにより、反射鏡部品への簡便にして容易な取付け作業を実現することが可能となる。
【0016】
また、この発明は、前記複数のコア材を、複数の薄板を積層して形成するように構成した。これによれば、コア材の保管管理の簡略化が図れ、しかも、さらなる軽量化の促進を図ることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、この発明の一実施の形態に係る反射鏡部品の支持構造を、反射鏡10の支持に適用した一例を示すもので、支持構造体11は、例えば図2に示す支持部材12を鏡面形状に対応して骨組み構造に組み合わせて形成される。そして、この支持構造体11は、例えば外界に設置され、反射鏡10を所望の方向に向けて支持する。
【0019】
上記支持部材12は、例えば2枚の板材14,15を、複数のコア材13を挟んで所定の空隙を有して積層配置した、いわゆるサンドイッチ構造に形成される(図3参照)。このコア材13は、例えば板材14,15間の空隙寸法に対応した断面略コ字状やブロック状等の所望の形状に形成され、板材14,15間に接着等により取付け配置される。そして、これら複数のコア材13は、支持部材12に要求される強度に応じて、板材14,15間において、相互間を連結して配したり、あるいは、相互間を所定の間隔、離間させて配される。
【0020】
例えば支持部材12は、板材14,15間に配するコア材13同士を連結配置すると、その堅牢化が促進され、コア材13を所定の間隔を有して分離配置すると、軽量化の促進を図ることができる。そこで、このコア材13は、支持部材12に付与される外力を考慮して、板材14,15における配置位置及び配置数を適宜に設定する。
【0021】
また、複数の支持部材12には、その対設する板材14,15の各一端に位置決め部122a,123aが、反射鏡10の鏡面形状に対応して設けられる。この板材14,15の各位置決め部141,151は、例えば反射鏡10の鏡面形状の曲率に対応して突出寸法が設定されて設けられる。
【0022】
そして、これら複数の支持部材12は、その板材14,15の位置決め部141,151が鏡面形状に位置するように骨組み結合されて支持構造体11が形成される。これにより、支持構造体11は、その複数の支持部材12の各位置決め部141,151上に上記反射境10の背面が載置されると、各位置決め部141,151が協働して反射鏡10との間の位置決めを実行する。
【0023】
さらに、上記支持部材12には、板材14,15の位置決め部141,151に対応して取付け具16が内装されて配される。この取付け具16は、支持構造体11の支持部材12の位置決め部141,151が反射鏡10の背面に当接されると、該反射鏡10の背面に対向され、締結部材、例えばリベット17により反射鏡に固定される。
【0024】
ここで、反射鏡10は、支持構造体11の支持部材12の位置決め部141,151により、位置決め保持された状態で、取付け具16により、該支持部材12に支持されて取り付け配置される。このように取付け具16を支持部材12内に内装する構成を採ることにより、その保管管理がなくなることにより、組立て作業時における工数の軽減が図れる。
【0025】
なお、上記取付け具16は、支持部材12内のコア材13を兼用するようにしてもよい。これによると、部品点数の削減が図れて、その製作の簡略化が図れる。
【0026】
上記構成により、支持部材12は、板材14,15をコア材13を介して空隙を有して積層配置したサンドイッチ構造に形成していることにより、荷重が付与されると、その板材14,15間に配されるコア材13で、いわゆる断面保持する。これにより、支持部材12は、板材14,15の薄型化に伴う分だけ軽量化され、しかも、板材14,15の厚さをコア材13の作用により十分な強度を有する堅牢な構造に形成される。
【0027】
この薄い板材14,15を用いた軽量で、十分な強度を有する支持部材12を、組み合わせ結合して構成した支持構造体11は、その支持部材12の重量及び強度に対応して、軽量で、堅牢な構成が得られる。これにより、支持構造体11は、大型の反射鏡10の支持においても、その重量の増加を最小限に抑えたうえで、信頼性の高い、安全な支持を実行することができる。
【0028】
そして、この軽量で、堅牢な支持構造体11には、その複数の支持部材12の位置決め部141,151上に反射鏡10の背面が載置される。ここで、反射鏡10は、その背面が支持部材12の位置決め部141,151に当接して位置決めされた状態で、該支持部材12に内装された取付け具16が対向される。次に、反射境10は、その反射面側よりリベット17を複数の支持部材12内の各取付け具16に挿入して、該リベット17をかしめることにより、支持構造体11上に取り付けられる。
【0029】
このように、上記反射鏡部品の支持構造は、2枚の板材14,15を複数のコア材13を挟んで空隙を有して積層配置して支持部材12を形成し、この支持部材12を、組み合わせ結合して支持構造体11を形成して、この支持構造体11の支持部材12に反射鏡10を組付け配置するように構成した。
【0030】
これによれば、支持構造体11を形成する支持部材12を、板材14,15を空隙を有して積層配置して形成していることにより、その板材14,15の厚さ寸法に比して十分な剛性を得ることができる。これにより、軽量化を確保したうえで、支持構造体11の堅牢化の促進を図ることできて、組立て作業を含む取扱い性の向上を図ることが可能となる。また、これにより、大型の反射鏡10の構築の促進に寄与することが可能となる。
【0031】
なお、上記実施の形態では、支持部材12内に取付け具16を配して、この取付け具16を用いて反射鏡10と固定するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、この支持部材12内に配する取付け具16として、反射鏡10との結合が必要のない場合等には、例えば補強用取付け具等を配することで、さらに堅牢化の促進を図ることが可能となる。
【0032】
また、上記実施の形態では、反射鏡10の支持に適用した場合で説明したが、これに限ることなく、例えば図4及び図5に示すように反射鏡10の鏡面に対向して、反射鏡部品である給電ホーン20を対向配置する支持構造体21に適用することも可能で、同様の効果を期待することができる。
【0033】
この支持構造体21は、例えば4本の支持部材22の一端部が、反射鏡10上に取付け部材23を介して所定の間隔に取付けられる。そして、これら支持部材22の他端部は、例えば上記給電ホーン20の配されたホーン支持部201を介して四角錐形状に骨組み結合される。
【0034】
これら支持部材22は、例えば図6に示すように2枚の板材24,25を断面略コ字状のコア材26を挟んで対向配置され、これら板材24、25を複数のコア材26に接着あるいはリベット等によりサンドイッチ構造に結合して形成される。
【0035】
そして、これら支持部材22の先端部には、取付け具27が上記給電ホーン20のホーン支持部201に対応して内装される。また、支持部材22を構成する板材24,25の他端部には、位置決め部241,251が、上記給電ホーン20のホーン支持部201に対応して設けられる。このホーン支持部201は、上記支持部材22の各位置決め部241,251に位置決めされた状態で、該支持部材22の取付け具27に螺子28を用いて螺着される。これにより、給電ホーン20は、支持構造体21を介して反射鏡10の鏡面に対向されて組付け配置される。
【0036】
また、上記実施の形態では、支持部材12(22)の板材14,15(24,25)間に断面略コ字状のコア材13(23)を挟んで空隙を有するサンドイッチ構造に形成するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、その他、例えば図7に示すコア材30を用いて構成することで、さらに軽量化の促進を図ることができる。
【0037】
即ち、このコア材30は、複数の窓部311及び取付け孔312を形成した複数枚の薄板31を積層して、その積層配置した薄板31を挟持板32で挟んで図示しないリベット等で積重状に結合させて所望の厚さ寸法に形成し、このコア材30を板材14,15(24,25)で挟装して支持部材12(22)を形成する。
【0038】
この積層構造のコア材30の場合には、上記図7のように複数の窓部311を形成する形状に限ることなく、複数の薄板31を枠状して窓部を大きく採るように構成してもよい。これによれば、コア材30の軽量化をさらに図ることが可能となる。
【0039】
この実施の形態によるコア材30によれば、薄板31の枚数を変更することで、その寸法調整が容易なことで、多様な使用形態に対応することが可能となることにより、その保管管理の簡易化が図れる。
【0040】
さらに、上記実施の形態では、支持部材12(22)を、2枚の板材14,15(24,25)をコア材13(23,30)を挟んでサンドイッチ構造に形成するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、支持部材12(22)を、2枚以上の板材を、それぞれコア材を介在して箱状に組み合わせて中空状に形成する用にしてもよい。これによれば、さらに堅牢化の促進を図ることが可能となる。
【0041】
また、上記実施の形態では、反射鏡10を支持構造体11上に直接的に配するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、例えば鏡面調整機構を配する鏡面構成に適用することも適用可能である。
【0042】
さらに、上記実施の形態では、反射境部品として反射鏡10、給電ホーン20を支持するように構成した場合を代表して説明したが、これに限ることなく、その他、副反射鏡等の各種の反射鏡部品を配する支持構造として適用することも可能で、同様の効果が期待される。
【0043】
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0044】
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、軽量化の促進を図ったうえで、堅牢化の促進を図り得、且つ、簡便にして容易な組立て作業を実現し得るようにした反射鏡部品の支持構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る反射鏡部品の支持構造の一部を取り出して示した構成図である。
【図2】図1の支持構造体の骨組み結合状態を示した外観図である。
【図3】図1の一部詳細を示した分解斜視図である。
【図4】この発明の他の実施の形態に係る反射鏡部品の支持構造の外観を示した構成図である。
【図5】図3を上面から見た状態を示した構成図である。
【図6】図3の支持部材の要部を取り出して示した分解斜視図である。
【図7】この発明の他の実施の形態に係る反射鏡部品の支持構造のコア材を取り出して示した分解斜視図である。
【符号の説明】
10 … 反射鏡
11 … 支持構造体
12 … 支持部材
13 … コア材
14、15 … 板材
141、151 … 位置決め部
16 … 取付け具
17 … リベット
20 … 給電ホーン
201 ホーン支持部
21 … 支持構造体
22 … 支持部材
23 … コア材
24、25 … 板材
241、251 … 位置決め部
26 … コア材
27 … 取付け具
28 … 螺子
30 … コア材
31 … 薄板
311 … 窓部
312 … 取付け孔
312 … 挟持板
32 … 挟持板

Claims (8)

  1. 複数の板材がコア材を挟んで空隙を有して積層配置された支持部材を、組み合わせ結合した支持構造体と、
    この支持構造体に支持されるものであって、前記支持部材に取り付けられる反射鏡部品と
    を具備することを特徴とする反射鏡部品の支持構造。
  2. 前記支持部材は、2枚の板材を複数のコア材で積層配置したことを特徴とする請求項1記載の反射鏡部品の支持構造。
  3. 前記支持構造体は、前記支持部材の板材の端部で、前記反射鏡部品を位置決めして支持することを特徴とする請求項1又は2記載の反射鏡部品の支持構造。
  4. さらに、前記支持構造体を形成する前記支持部材には、その板材内の空隙に前記反射鏡部品と結合される取付け具が選択的に内装されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の反射鏡部品の支持構造。
  5. 前記複数のコア材は、複数の薄板を積層して形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の反射鏡部品の支持構造。
  6. 前記複数の薄板は、枠状に形成されることを特徴とする請求項5記載の反射鏡部品の支持構造。
  7. 前記複数のコア材は、相互間が連結されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の反射鏡部品の支持構造。
  8. 前記反射鏡部品は、反射鏡であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の反射鏡部品の支持構造。
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