JP2002302072A - トラックの貨物室およびトラック - Google Patents

トラックの貨物室およびトラック

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JP2002302072A
JP2002302072A JP2002003355A JP2002003355A JP2002302072A JP 2002302072 A JP2002302072 A JP 2002302072A JP 2002003355 A JP2002003355 A JP 2002003355A JP 2002003355 A JP2002003355 A JP 2002003355A JP 2002302072 A JP2002302072 A JP 2002302072A
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Fumiaki Kishi
文昭 貴志
Jun Haneda
順 羽根田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量化と剛性という相反する要求特性を満足す
るトラック貨物室を得る。 【解決手段】本発明のトラックの貨物室は、比重が3.
0g/cm3以下の金属とFRP材を一体化した構造部
材を有することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムやマ
グネシウムおよびその合金等の比重が3.0g/cm3
以下の金属とFRP材(繊維強化プラスチック)を一体
化した構造部材を有することを特徴とするトラックの貨
物室に関し、貨物室全体の軽量化をはかりつつ、望まし
い剛性、強度を達成し、さらに組立性の向上をはかった
トラックの貨物室および該貨物室を備えたトラックに関
する。
【0002】
【従来の技術】トラックの貨物室の構造としては、たと
えば、本体シャーシ上に金属製フレーム材により形成し
た骨材をベースとするフロアを設置し、さらにフロア上
に門形フレームを取り付けるとともに、前後の門形フレ
ームの中央部をセンタービームで連結し、貨物室の左右
の側壁と天井部分を上方に跳ね上げて回動できるように
した、いわゆるウイング構造の貨物室が知られている。
【0003】図3は、従来のトラックの貨物室を備えた
トラックの概略斜視図であり、図4はそのトラックの貨
物室を架装する前のトラックの概略平面図である。ま
た、図5は従来のトラックのフロアの一例を示す概略構
成図であり、図6は従来のトラックのウイングの一例を
示す概略構成図である。
【0004】図3において、トラック1の貨物室2は、
フロア3と、フロア3の前部側に設けられた前部門形フ
レーム4およびフロントパネル5からなる前壁と、フロ
ア3の後部側に設けられた後部門形フレーム6およびリ
アパネルとしてのドアパネル7と、貨物室2の天井部お
よび側部上部を形成し、両側で上方にはね上げ可能なウ
イング8と、貨物室2の側部下部を形成し、両側で下方
に開閉可能なあおり9を有している。ウイング8は、セ
ンタビーム11を中心に回動され、たとえば油圧シリン
ダ10によって開閉される。このような構造の貨物室
は、ウイング構造の貨物室と称せられる。
【0005】このような貨物室2が、図4に示すような
運転席12の後方へと延びる、たとえば2本の平行に延
びる本体シャーシ13上に架装される。
【0006】さらに詳しくは、フロア3は、図5に示す
ように、金属製型材を用いた縦根太301、304、横
根太302と称する骨材を井げた状に組み合わせベース
とした上に、木製、例えばアピトン材などの床板305
をネジなどで張り付け、側部両側に金属製型材を用いた
サイドレール303を取り付け、形成されている。
【0007】また、ウイング8は、図6に示すように、
アルミ型材からなる横骨311や縦骨312などで、側
面と天井面の半分とを組み合わせたL字型骨組み構造3
13を構成させた後、外面に相当する面にアルミ板やF
RP板などからなるウイングパネル314、315を張
り付け、内面には、荷物が直接外板に当たらないよう、
また、荷物搬入時にアルミ型材に引っかからないよう内
張り板と称されるベニヤ板などを張り付けた構成となっ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】最近、輸送コスト低減
のため、積載重量の向上が望まれており、これに対応し
て貨物室の構造部材として、従来の金属素材の中でも、
アルミニウムなどに代表される軽金属が多用されてい
る。
【0009】しかし、アルミニウムの弾性率はスチール
の約1/3と低いため、型材の剛性が設計上重要である
場合には、アルミニウム製型材の断面形状をスチール製
の場合よりも大きくする必要がある。断面形状を大きく
すると材料の使用量が増えるため、軽量化は思ったほど
達成できず、また、アルミニウムはスチールよりも価格
が高いためコストも増大し、アルミニウム製型材を使用
するメリットが低減する。逆に、どうしても軽量化した
い場合、断面形状をスチール製と同等程度にするが、こ
の場合、剛性が低くなり、積載できる荷物が限られると
ともに使用中に破損などの不具合が発生する可能性が高
かった。
【0010】また、アルミニウムは均一材質であるた
め、強度、弾性率ともに方向性がない(等方性)である
が、トラックの部材の場合、後で一例を示すが、各構造
部材で強度、剛性が必要な方向が違う。この点から、ア
ルミニウムを使用する場合、最も強度、剛性が必要な方
向に対して設計するため、他方向に対しては、オーバー
スペックであり、重量的にも不利になるケースが発生す
る。
【0011】一方、トラックの軽量化のために、たとえ
ば、特開平9−202145号公報に提案されているよ
うなFRPを用いたトラック用パネルおよび貨物室が一
部使用されはじめている。
【0012】この提案では、主たる構造部材としてFR
Pを使用することが提案されている。 しかし、これら
構造部材を組み立てる場合、ボルトやナット、あるいは
リベットなどを使用しなければならないが、FRPに穴
を開け、これら締結部材により結合させても、トラック
として長期間走行した場合、振動、たわみなどが、ボル
ト等締結部材を通じて、FRPに開けた穴の端面に加わ
り、穴が広がり、最終的には締結部材が抜け落ちるなど
の危険性があり、加工性、組立性の改善が求められてい
た。
【0013】本発明の課題は、軽量でかつ十分な剛性、
強度を備え、しかも加工性、組立性に優れたトラック用
構造部材および該構造部材を有するトラック用貨物室を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のトラックの貨物室は、アルミニウムやマグ
ネシウムおよびその合金等の比重が3.0g/cm3
下の金属とFRP材を一体化した構造部材を有すること
を特徴とするものである。
【0015】また、本発明のトラックの貨物室は、アル
ミニウムやマグネシウムおよびその合金等の比重が3.
0g/cm3以下の金属とCFRP(炭素繊維強化プラ
スチック)材を一体化した構造部材を有することを特徴
とするものである。
【0016】また、前記構造部材が、アルミニウムやマ
グネシウムおよびその合金等の比重が3.0g/cm3
以下の金属とFRP材とを接着剤層を介して接着してな
ることを特徴とするものである。
【0017】また、前記構造部材は、縦根太、横根太、
前部門形フレームを含む前壁、後部門形フレーム、後
扉、センタービーム、ウイングの骨材、ウイングパネ
ル、あおり、床板などに用いられ、これらの少なくとも
一部分が、アルミニウムやマグネシウムおよびその合金
等の比重が3.0g/cm3以下の金属とFRP材、ま
たはCFRP材とを一体化した構造部材からなることを
特徴とするものである。
【0018】また、これらの貨物室を備えたことを特徴
とするトラックである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】なお、本発明は、ウイング構造のトラック
の貨物室に限らず、箱形のトラック用貨物室、平ボディ
型などにも適用可能である。
【0021】図1に、本発明の一実施態様に係るトラッ
クの貨物室の構造部材20を示す。
【0022】図1において、構造部材20は、主として
FRP材21とアルミニウムやマグネシウムおよびその
合金等の比重が3.0g/cm3以下の金属(以下単に
軽金属という)22とで構成されている。
【0023】本実施態様では、一例として、構造部材2
0は、FRP材21と軽金属22を、接着剤層23を介
して、接着した構造を示す。
【0024】断面形状は、使用目的に応じて様々な形態
を採ることができる。
【0025】例えば、縦根太や横根太に使用する場合で
あれば、みぞ形鋼(コの字型断面)などを適用できる。
また、床板や後扉やウイングパネルやあおりなどの一部
には板材などを適用できる。また、センタービームや、
門形フレーム、ウイングの骨材、あおりの一部などに
は、図1に示すような角パイプなどを適用できる。
【0026】本発明でいうアルミニウムやマグネシウム
およびその合金等の比重が3.0g/cm3 以下の金
属のうち、好ましい合金はアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金であり、代表的には、形材、板材、管材などの
棒状体、筒状体、および板状体である。
【0027】アルミニウムまたはアルミニウム合金(以
下単にアルミニウムという)とは、特に限定されるもの
ではないがJISで定義されるところの1000系から
8000系のもの全てが挙げられる。
【0028】なお、本発明でいうアルミニウム形材とは
JIS規格H4100、4180でいうところの押し出
し形材(ソリッド形材、ホロー形材)は勿論のこと、J
IS規格のH4080、H4181でいう押出管(ボー
トホール押出管、マンドレル押出管)、JIS規格H4
080でいう引き抜き管、JIS規格のH4040、Z
3232でいうところの押し出し棒、引き抜き棒、引き
抜き線を含むのは勿論のこと、JIS規格以外の長尺の
ビーム状部材(パイプ、角パイプ、アングル、チャンネ
ル、C型、T型、Iビーム、平板、バー、支柱、桁材な
ど)、棒状の展伸材、板材、鋳造および鍛造により成形
した棒状、筒状、柱状の形材、長手方向にテーパを持つ
形状、長手方向に不連続な突起を持つ形材、孔を有する
形材などを含む。
【0029】サイズとしては、幅および高さ(板状体に
おいては厚み)はおおよそ0.2〜500mm、長さは
10cm〜30m程度のものが好ましく用いられる。
【0030】さらに板状体に使用する際の厚みとして
は、使用目的に応じて、軽量化と剛性、強度を考え、
0.2〜5mm程度のものが好ましく用いられる。
【0031】使用する際にはこれらサイズの形材を切
断、接合・結合して使用することもできる。
【0032】なお、接着強度を高めるため、軽金属の表
面には、機械的あるいは、化学的な表面処理を施すこと
が好ましい。アルミニウムの場合、表面は通常前処理と
よばれるJISK6848に記載されている表面処理が
好ましい。
【0033】具体的な例としては、アルミニウムの表面
を研磨し、洗浄する。研磨は、研磨紙(サンドペー
パ)、バフ、ベルトサンダー、サンドブラスト、ワイヤ
ーブラシ、高圧液体の噴射等により行う。洗浄方法は、
静止、撹拌あるいは超音波を当てながらの浸せき洗浄
法、スプレー洗浄法、蒸気浴洗浄法、ふき取り洗浄法な
どがある。洗浄に使用する溶剤にはアセトン、MEK、
脱塩水、イソプロピルアルコール、トリクロルエチレ
ン、トリクロロトリフロロエタン、水溶性洗浄剤などを
使用する。
【0034】また、アルミニウム表面に3〜40μmの
酸化皮膜を形成して、導電性を低下させることも、CF
RP表面との電気腐食を防止する上で効果的である。具
体的な処理としては、陽極酸化によるバリアー型被膜と
ポーラス型被膜が挙げられる。
【0035】また、アルミニウムの表面には、プライマ
ーと呼ばれる接着剤と同系統の樹脂(例えば、エポキシ
樹脂系接着剤を使用する場合は、エポキシ樹脂を主成分
とするプライマー)を塗布して、接着剤塗布前に半硬化
または硬化させておくことも好ましい。この場合、プラ
イマーの厚みも接着剤層の厚みとみなすことができる。
【0036】次に、本発明でいうFRP材とは、ガラス
繊維、炭素繊維などの補強繊維と樹脂とからなり、ま
た、CFRP材とは、少なくとも炭素繊維を含む補強繊
維と樹脂からなり、軽金属の弱点である剛性・強度を向
上させる機能などの役割を果たす。
【0037】補強繊維としては、炭素繊維、ガラス繊
維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維な
どがあり、これらの長繊維、短繊維、織物状、マット状
にしたもの(あるいはこれら形態の混合)などを樹脂中
に規則的または、不規則的に配置させることもできる。
【0038】これら補強繊維の中で、ガラス繊維が安価
で、圧縮/引張の強度バランスが良いので好ましい。
尚、ここでいうガラス繊維とは、二酸化珪素(SiO2)を
主成分とするいわゆるEガラス、Cガラス、Sガラスな
どの繊維状ガラスのことで、繊維径は5〜20μm程度
のものを指す。ガラス繊維からなる厚さ10〜100μ
m程度のスクリームクロスと呼ばれるクロスを、軽金属
との接触面に配置させると、耐電食性は著しく向上す
る。また、ガラスマットも耐電食性を向上させる戸とと
もに、炭素繊維の損傷の伝播を止めることができ、成形
時の樹脂の含浸性を向上させ、強化繊維間の残留応力を
緩和させる。また、ガラスマットは耐衝撃性の向上にも
役立つ。
【0039】また、炭素繊維とは、ポリアクリルニトリ
ル繊維やピッチを原料として、耐炎化、炭化/黒鉛化工
程等を経て製造されるいわゆる炭素繊維(グラファイト
繊維とも呼ばれる)のことで、単繊維の直径は5〜10
μmで、高強度タイプのものと、高弾性率タイプのもの
が市販されている。一般に、炭素繊維は、単繊維(モノ
フィラメント)を数千〜数十万本単位に束ねたストラン
ド形態で使用する。
【0040】本発明においては、構造部材としての強度
と弾性率のバランスのよい、弾性率が200〜500G
Pa、引張強度が2.2〜10GPaの範囲のPAN系
の炭素繊維が好ましい。中でも引張強度は3.5〜10
GPaのものが電食した場合でも残存強度を確保すると
いう意味でより好ましい(電食した場合でも構造部材が
即座に破壊することがない)。
【0041】また、本発明のCFRPを構成する樹脂
は、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げ
られる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン樹脂、ポ
リアミド樹脂、ABS樹脂、ポチブチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネートなどの
樹脂などの熱可塑性樹脂も好ましい。
【0042】上記樹脂の中では、引き抜き成形性に適
し、かつ、耐薬品性、耐候性などに優れるビニルエステ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
【0043】強度・剛性という面からは、FRP部は長
繊維形態を含むことが好ましいが、中でもガラス繊維を
含み、同一の樹脂からなる長繊維補強FRPであること
がより好ましい。ガラス繊維と炭素繊維を併用すること
で耐衝撃性が向上する。併用比率は、ガラス繊維:炭素
繊維は10:4〜10:1の範囲が好ましい。樹脂を同
一とすることで、一体成形が容易になりコスト低減で
き、熱収縮による残留応力を低減させることもできて、
形材の耐久性、耐疲労性を向上させることができるから
である。
【0044】なお、FRP部は、アルミニウム形材に作
用する荷重を負担し、形材の強度および剛性を高める作
用をもち、かつ、形材を軽量化するとともに、形材のク
リープ変形を抑え、耐環境性(耐酸性、耐溶剤性)、疲
労特性を向上させる役割も果たすものである。FRP部
の断面形状は、使用目的に応じて様々な形態を採ること
ができる。例えば、アルミニウム形材と同様の形状や、
コア材の少なくとも両側にFRP板が配置されたサンド
イッチ構造などを採ることができる。
【0045】FRP部分の成形法としては、プルトルー
ジョン法(引き抜き成形法)、プルワインド法、フィラ
メントワインド法、ハンドレイアップ法、レジントラン
スファーモールディング(RTM)法、SCRIMP法
など、公知のあらゆる成形技術を用いることができる。
中でも、補強繊維を含む繊維束やプリフォームに樹脂を
含浸させて一体成形する、プルトルージョン法、プルワ
インド法、RTM法を用いることが経済的である。
【0046】また、少量の生産や複雑/特殊な構造に対
しては、ハンドレイアップ法が適している。前記のハン
ドレイアップ法やRTM法では、補強繊維を事前に積層
したプリフォームを用いると作業効率よく高品質のFR
Pが得られて好ましい。
【0047】アルミニウム形材とFRP材を一体化する
時には接着剤を用いて差し支えない。この場合、接着剤
層は主成分として、エポキシ系、フェノール系、不飽和
ポリエステル系、ポリベンズイミダゾール系、アクリル
(SGA)系、レゾルシノール系、ユリア系、アクリル
酸ジエステル系、シリコン系、メラミン系などの熱硬化
性の接着剤、およびポリアミド系、アクリル系(PMM
A)、ポリウレタン系、不飽和ポリエステル系、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルアセテートなどの熱可塑性
接着剤、ポリサルファイド、シリコンゴム、ブタジエン
−スチレンゴム(SBR)系、クロロプレンゴム系、な
どのエラストマー系接着剤などである。
【0048】これら接着剤のうち異なるグループの組み
合わせであるアロイ型の接着剤も好ましい。具体的には
エポキシ−ナイロン、エポキシ−フェノリック、エポキ
シ−ポリサルファイド、クロロプレン−フェノリック、
ニトリル−フェノリック、ビニル−フェノリック、ビニ
ルアセタール−フェノリックなどである。
【0049】上記接着剤の中でアルミニウムとFRPの
接着に特に好ましいのは、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ポリアミド樹脂、などである。
【0050】また、フェノール系接着剤は難燃性であ
り、構造部材に難燃性が必要とされる場合に好ましい接
着剤である。
【0051】上記接着剤のうち、アルミニウムとCFR
Pの電気腐食を防止するためには、硬化後の接着剤層は
絶縁性を有することが好ましい。
【0052】具体的には、接着剤層の体積固有抵抗は1
×1013〜1×1017Ω・cmであることが好ましい。
より好ましくは、1×1015〜1×1017Ω・cm、さ
らに、電気腐食を確実にするために接着剤層の厚みは5
〜800μmであることが好ましい。より好ましくは、
50〜500μmである。
【0053】体積固有抵抗が1×1013Ω・cmより小
さいと電気腐食防止効果が不十分であり、体積固有抵抗
が1×1017Ω・cmより大きいと接着剤層は高価とな
るからである。
【0054】なお、上記接着剤自体の体積固有抵抗はJ
IS K6911により測定することができ、既に接着
接合された部材の接着層の体積固有抵抗も、CFRP層
を剥がしたり、削り取って、アルミニウム材に接着層が
付着した状態でJIS K6911に準じて測定するこ
ともできる。
【0055】体積固有抵抗を上記範囲内とするには接着
剤として体積固有抵抗の大きな熱可塑性の接着剤等を用
いることが好ましいが、一般に材料の体積固有抵抗が上
記範囲より小さいエポキシ系接着剤においても、ポリア
ミド、塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、メタク
リル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂などの熱可塑
性の接着剤を混合することで体積固有抵抗を上記の範囲
内に調節することができる。
【0056】この場合、好ましい混合する熱可塑性の樹
脂の形態としては、不織布状、織物状、メッシュ状、粒
状、粉末状が挙げられる。
【0057】さらに、より一層電気腐食防止するために
接着剤層の厚みは5〜500μmであることが好まし
い。接着剤層の厚みが5μm未満であると絶縁性が不足
する場合があり、500μmより大きいと形材の強度が
低下することがあるためである。
【0058】接着剤層の厚みは光学顕微鏡で50〜10
0倍に拡大して断面観察することにより求めることがで
きる。厚みがバラツク時には、任意に抽出した10箇所
の平均厚みを厚みとする。
【0059】さて本発明の構造部材は、軽金属とFRP
材を一体化させた構造部材を有するものであるが、同構
造部材を用いる部品としては、重量が重い、あるいは貨
物室を構成する上で剛性が必要であるもの等に使用する
と、本構造部材の特徴を発揮でき、効果的である。
【0060】例えばフロアの剛性を受け持つ縦根太や横
根太に使用することができる。縦根太や横根太は、それ
ぞれフロアの長手方向、短手方向の剛性を保つための部
材で、一般的にはスチール製のみぞ形鋼(コの字型断
面)が良く用いられる。これら縦根太や横根太を軽量化
するため、アルミニウム等の軽金属で構成した場合、断
面形状をスチールと同等程度にすると剛性が不足し、フ
ロアが撓んでしまう、反対に剛性を満足させようとする
と断面形状が大きくなり軽量効果が低減する。このよう
な場合に、本発明にある構造部材を例えば図2に示すよ
うな構造にすると、上記相反する要求特性を満足でき
る。すなわち、FRP材31と軽金属32とを接着剤層
33を介して接着した構造とし、FRP材31に用いる
長補強繊維を、剛性が必要な方向である、縦根太、横根
太の長手方向に、ひき揃え配置することにより同方向の
剛性を高められ、FRPの異方性を有効に利用できる。
【0061】剛性が特に必要な箇所、例えば横根太で
は、片持ち支持となっている縦根太との両交差部よりも
外側の部分、縦根太では、前後車輪取付位置の間、後部
車輪取付位置から車の後側にかけての部分に局所的にF
RP材を配し、補強することがより効率的である。
【0062】この考え方による構造は、貨物室を形作る
前部門形フレームを含む前壁、後部門形フレーム、セン
タービーム、ウイングの骨材などでも同様に適用でき
る。
【0063】特にウイングを支える部材であるセンター
ビームやウイングの骨材などに使用すると剛性が上が
り、ウイングが走行中にばたつくことも防ぐことができ
る。
【0064】また、上記構造は、構造部材の内、板状体
にも有効であり、ウイングパネルや後扉や床板などにも
使用できる。軽量化と剛性強化の効果以外に、FRPは
アルミニウム等に比べ降伏点が高いため、より歪みにく
くなり、荷物が当たった場合でもへこみにくくなり、美
観も長期間保つことができる。
【0065】本発明の構造部材は軽金属にFRP材を接
合させたものであるが、FRP材はアルミニウム形材の
表面の全体あるいは一部を覆うか、あるいはアルミニウ
ム形材の中空部や溝内部に挿入するような形で接合され
る。
【0066】また、先にも述べたとおり経済性を考慮し
て設計するとFRP材は長手方向にも部分的に存在する
ことがある。剛性を最も効率よく向上させるには、FR
P層は形材の表面に配することが好ましいが、意匠上の
都合、作業性などの点から表面近傍に配してもよい。
【0067】なお、FRP部分が偏在する場合には、接
着剤は室温硬化タイプのものが好ましい。加熱するタイ
プに生じる冷却時の熱収縮によるFRPが偏在する箇所
での形材の反りや残留応力を低減することができるから
である。
【0068】FRPとアルミ材を対称にして見かけ上の
ソリをなくすのも一法であるが、室温で接着させるとム
ダな材料を使用することなく、より経済性に優れる形材
となる。
【0069】熱収縮に関連して、本発明のハイブリッド
形材を使用時の熱変形は接着剤層を50〜1000μm
の厚みにし、熱可塑樹脂やゴムを添加した層にすること
で低減することができる。
【0070】本発明の形材と他部材との接合にはアルミ
ニウム部分にネジをたてることで機械接合がより効果的
に行えるし、他部材が樹脂の場合にはFRPの樹脂部分
を加熱融着させて接合することもできる。勿論、接着剤
による接着接合やリベット接合も好ましい接合方法であ
る。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の軽金属と
FRP材を一体化した構造部材を有するトラックの貨物
室によれば、軽量化と剛性という相反する要求特性を同
時に満足することができる。また、FRP材を構成する
補強繊維を、構造部材において剛性が必要な方向に配置
することにより、効率良く低コストで剛性補強ができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るトラックの貨物室の
構造部材の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る他のトラックの貨物
室の構造部材の概略構成図である。
【図3】従来のトラックの貨物室を備えたトラックの概
略斜視図である。
【図4】図3のトラックの貨物室架装前の平面図であ
る。
【図5】従来のトラックのフロアの一例を示す概略構成
図である。
【図6】従来のトラックのウイングの一例を示す概略構
成図である。
【符号の説明】
1:トラック 2:貨物室 3:フロア 4、6:門形フレーム 5:フロントパネル 7:ドアパネル 8:ウイング 9:あおり 10:油圧シリンダ 11:センタービーム 12:運転席 13:本体シャーシ 20、30:構造部材 21、31:FRP材 22、32:軽金属形鋼 23、33:接着剤層 301、304:縦根太 302:横根太 311:横骨 312:縦骨 313:L字型骨組み構造 314、315:ウイングパネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 33/02 E

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比重が3.0g/cm3以下の金属とFR
    P材とを一体化した構造部材を有することを特徴とする
    トラックの貨物室。
  2. 【請求項2】前記FRP材がCFRP材であることを特
    徴とする請求項1に記載のトラックの貨物室。
  3. 【請求項3】前記構造部材が、比重が3.0g/cm3
    以下の金属とFRP材とを接着剤層を介して接着してな
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のトラック
    の貨物室。
  4. 【請求項4】縦根太の少なくとも一部分が、請求項1な
    いし3のいずれかに記載の構造部材からなることを特徴
    とするトラックの貨物室。
  5. 【請求項5】横根太の少なくとも一部分が、請求項1な
    いし3のいずれかに記載の構造部材からなることを特徴
    とするトラックの貨物室。
  6. 【請求項6】前部門形フレームを含む前壁の少なくとも
    一部分が、請求項1ないし3のいずれかに記載の構造部
    材からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のトラックの貨物室。
  7. 【請求項7】後部門形フレームの少なくとも一部分が、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の構造部材からなる
    ことを特徴とするトラックの貨物室。
  8. 【請求項8】後扉を構成する部材の少なくとも一部分
    が、請求項1ないし3のいずれかに記載の構造部材から
    なることを特徴とするトラックの貨物室。
  9. 【請求項9】センタービームの少なくとも一部分が、請
    求項1ないし3のいずれかに記載の構造部材からなるこ
    とを特徴とするトラックの貨物室。
  10. 【請求項10】ウイングの骨材の少なくとも一部分が、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の構造部材からなる
    ことを特徴とするトラックの貨物室。
  11. 【請求項11】ウイングパネルの少なくとも一部分が、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の構造部材からなる
    ことを特徴とするトラックの貨物室。
  12. 【請求項12】あおりの少なくとも一部分が、請求項1
    ないし3のいずれかに記載の構造部材からなることを特
    徴とするトラックの貨物室。
  13. 【請求項13】床板の少なくとも一部分が、請求項1な
    いし3のいずれかに記載の構造部材からなることを特徴
    とするトラックの貨物室。
  14. 【請求項14】比重が3.0g/cm3以下の金属が、
    アルミニウム、またはマグネシウム、もしくはこれらの
    合金からなることを特徴とする請求項1ないし13のい
    ずれかに記載のトラックの貨物室。
  15. 【請求項15】請求項1ないし14のいずれかに記載の
    トラックの貨物室を備えたことを特徴とするトラック。
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