図1には、この発明に係る半導体記憶装置の一実施例の要部透視図が示されている。この実施例では、同一のパッケージに2つのメモリチップが背中合わせで積層構造とされる。つまり、メモリチップの裏面側が互いに向かい合うようにし、ボンディングパッド等が形成される表面が外側を向くように重ね合わされる。同図には、発明の理解を容易にするために、パッケージや、メモリチップに必要な多数のリードのうち、データ端子に関連する一部が代表として例示的に示されている。
半導体記憶装置を簡単に増大させる手法として、前記公報に記載のように2つのメモリチップを1つのパッケージに搭載する技術がある。これまで64MビットDRAMでは×4、×8、×16ビットが存在した64Mチップを2チップを積層して1パッケージに組み立てると128Mビットを実現でき、また同様に256Mビットを2チップをパッケージに組み立てれば512Mビットが実現できる。これら積層方式は128Mビットあるいは512Mビットのシングルチップを新たに開発するよりも開発期間を短縮できるので、低価格用途に注目されている。しかしながら、従来の×4以上のシングルチップのビット構成では積層してもビット数は×8以上しか実現できなかつた。このため、上記のような積層方式では、128Mビットあるいは512Mビットで×4ビット品をつくることができなかつた。
その上、前記公報のように2つのメモリチップを1つのパッケージに組み立てると、それと同等の記憶容量を有する半導体記憶装置に比べてパッケージ全体の厚みが厚くなってしまい、外部端子を同等の配列にしたとしても、後述するようなメモリモジュールに搭載する場合、高密度に組み立てられたコネクタのピッチに合わせることができくなるなってしまう、言い換えるならば、1つのパッケージに1つのメモリチップを搭載した半導体記憶装置との互換性が無くなってしまうという問題が生じる。
本願発明においては、メモリチップとして×2ビット構成にできるものを2つ積層構造にし、×4ビット構成の半導体記憶装置を構成するものである。この場合、上記1つのパッケージに組み立てるときの厚みを1つのチップを搭載したパッケージと同等のものにするため、2つのメモリチップの裏面を接合させるという工夫がなされている。この構造では、メモリチップの裏面がパッケージを構成する封止樹脂と極力接触しないようにされる。このことは、従来の半導体集積回路装置では、封止の目的で半導体チップの裏面及び表面を含む全体が封止樹脂と接触するように構成されるものと比べると大きく異なり、このような工夫によって積層構造を採用しつつ、半導体集記憶装置としての薄型化を図るようにするものである。
つまり、この実施例においては、上記のようにメモリチップを背中合わせにすることによって、従来の半導体集積回路装置のように裏面部分の封止樹脂を少なくなり、その分パッケージの厚みを薄くすることができる。この結果、同図のように上下両面にLOC(リード・オン・チップ)構造のリードを配置し、それとメモリチップのボンデンィングパッドとをボンディングワイヤにより接続し、2つのメモリチップを1つのパッケージに納めても、そのパッケージの厚みを既存の同等の記憶容量を有する半導体記憶装置におけるパッケージの厚みと同等にすることができる。
このような積層構造においては、背中合わせでそれぞれのメモリチップに設けられるアドレス端子や制御端子は、対応するリードが外部で共通に接続される必要がある。このため、2つのメモリチップでは、リードとボンディングパッドとの関係が左右逆に構成される。これに対して、データ端子は、上記のようなアドレス端子と同様に外部で対応するものを共通に接続してしまうと、×2ビットずつのデータが外部端子で衝突してしまう。
そこで、この実施例では、アドレス端子等に関しては上記積層構造の上側メモリチップと下側メモリチップとではミラー反転させてリードとボンディングパッドとを接続する。これに対して、2つのデータ端子は、メモリチップの主面からみた場合には同じ側の2つのリードと接続させる。つまり、同図の例においては、外部端子DQ0及びDQ1とされるデータ用リードは、上側メモリチップと下側メモリチップの両方に延び、上側リードが上側メモリチップのパッドDQ(a)とDQ(c)にワイヤを介して接続され、下側リードは下側メモリチップのいずれのパッドとも接続さない。
外部端子DQ3とDQ2とされるデータ用リードは、上側メモリチップと下側メモリチップの両方に延び、下側リードが下側メモリチップのパッドDQ(a)とDQ(c)にワイヤを介して接続され、上側リードは下側メモリチップのいずれのパッドとも接続さない。上記下側メモリチップのパッド配置と上側メモリチップのパッド配置は同様であり、上側メモリチップに代表的に示されたパッドDQ(b)とDQ(d)は、1つのメモリチップから4ビット単位でデータ出力を行う場合に、上記DQ(a)とDQ(c)と共に用いられるものである。
したがって、図1の実施例ではDQ(b)とDQ(d)は用いられない。A信号のリードは、上側メモリチップ及び下側メモリチップに延びる両リードの先端においてそれぞれのメモリチップに形成されるパッドA−PAD及びB−PADに接続され、同じA信号が両メモリチップに共通に供給される。データ用リードは、後述するように入出力容量低減のため、接続されない側のリードを切断してもよい。
図2には、この発明に係る半導体記憶装置の積層構造にされる2つのメモリチップの一実施例の概略パターン図が示されている。同図(A)は、上側(UPPER)のメモリチップとそれに対応したリード及びボンディングワイヤが示され、同図(B)には下側(LOWER)のメモリチップとそれに対応したリード及びボンディングワイヤが示されている。
この実施例のメモリチップは、後述するようなメタルオプション又はボンディングオプションあるいはその組み合わせによって、×2ビット構成、×4ビット構成、×8ビット構成及び×16ビット構成が選択できるようにされる。これらの複数通りのビット構成に対応できるよう、リードは最大数が示されている。この実施例では、×2ビット構成で、それぞれのメモリチップが256Mビットの記憶容量を持つ場合のリード及びボンディングワイヤの例が示されている。したがって、信号名が付されていないリードは、上記の×2ビット構成のメモリでは存在しないリードであると理解されたい。
メモリチップは、その長手方向のほぼ中心線上にボンディングパッドがほぼ一直線状に配置される。このようなボンデングバッドを1列に並べる構成は、後述する2つのメモリチップを上記のように背中合わせで積層構造とし、アドレス端子や制御端子等のようなリードを外部で共通化して1つのパッケージに搭載する場合に極めて有益なボンディングパッドの配列となる。
上側のメモリチップ及び下側のメモリチップのリード端子の信号名は、四角で囲んだデータ用リードDQ0〜DQ3を除いて、図面上では左右対称的に配置される。例えば上側メモリチップUPPERの右側に配置される各リードは、下側のメモリチップLOWERでは、メモリチップの長手方向の中心線を基準にしてミラー反転させた左側に配置せされるリードと一致している。逆に、上側メモリチップUPPERの左側に配置される各リードは、下側のメモリチップLOWERでは、メモリチップの長手方向の中心線を基準にしてミラー反転させた右側に配置せされたリードと一致している。
上記のように上側メモリチップUPPERと下側メモリチップLOWERとの同じ信号が供給されるリードが左右逆に配置されるが、上記のようにボンディングパッドが1列に並んでいる場合には、リードに対して上側と下側では左右逆転させてボンディングワイヤを配置させればよい。図2において、メモリチップUPPERとそのリード及びボンディングワイヤに対して、メモリチップLOWERとそのリード及びボンディングワイヤの配列は、上記メモリチップUPPERの右側に鏡(ミラー)を置いて写し出されたものと一致している。ただし、上記データ用リードDQ0〜DQ3に関しては、上側メモリチップUPPERでは、右側のリードDQ3とDQ2に接続され、下側メモリチップLOWERでは、右側のリードDQ0とDQ1に接続される。つまり、メモリチップ側のボンディングパッドとそれに接続されるリードの位置は同じであるが、リード名が上記のように異なるようにされる。
この実施例では、メモリチップの長手方向に一対のリードが延長されてチップの上下端で電源電圧VDDと回路の接地電位VSSのリードに接続される。このリードは、バスバーとされて低電源インピーダンスによりメモリチップに対して適宜に電源電圧VDD、回路の接地電位VSSを供給するの用いられる。このバスバーVDD及びVSSも、上側メモリチップUPPERと下側メモリチップLOWERとでは上記ミラー反転した形態で配置される。
上記のようなつ2のメモリチップを裏面が接合するように背中合わせで積層構造にした場合、アドレス端子や制御端子はそれぞれ対応するリードが上下重ねなわされて共通接続される。これに対して、データ端子は2ずつのリードが上記積層構造にしたときに互いに左右に分離されて、互いに電気的に分離されて×4ビットのデータ端子DQ0〜DQ3のようにできるものである。
図3には、この発明に係る半導体記憶装置の一実施例の上面図が示されている。この実施例では、256Mビットのメモリチップを前記のように積構造として1つのパッケージに搭載し、全体で512Mビットの記憶容量を持つようにされる。この実施例では、2つのメモリチップをそれぞれ×2、×4及び×8ビット構成とすることにより、×4ビット、×8ビット及び×16ビットからなる3通りのビット構成とする場合のピン配列が示されている。
この実施例において、電源端子VCCは上記電源リードVDDに対応しており、電源端子VCCQやVSSQは、上記バスバーには接続されないで、これらの外部端子から電源電圧VCC及び回路の接地電位VSSを供給するものとして用いられる。これらの電源電圧VCCQ、VSSQは出力バッファ用の動作電圧を供給するものとして用いられる。これにより、出力バッファで発生する電源ノイズが半導体記憶装置の内部で前記バスバーを介して他の内部回路に伝搬するのを防止するものである。これによって、内部回路の動作を安定化を図ることができるものとなる。
この実施例では、54ピンの標準パッケージに256Mビットの2つのメモリチップを背中合わせで搭載したものであり、もちろんパッケージの厚さも標準パッケージの厚さとされる。
図4には、この発明に係る半導体記憶装置の一実施例の出力系統図が示されている。この実施例では、特に制限されないが、64Mビットの記憶容量のメモリチップを用いた例が示され、ノーマルモードでのメモリアレ位置とDQ番号の関係が示されている。この実施例では、×2ビット品、×4ビット品、×8ビット品及び×16ビット品の4通りのビット構成の中から1つが選択できるようにされる。メモリアレイは、後述するように1つのメモリバンクに対応したメモリアレイが16個のサブアレイに分割され、各サブアレイから2対のメイン入出力線(MIO)が設けられ、上記MIOに対応して32個のメインアンプが設けられる。上記16個のサブアレイは、8個ずつ左右(L/R)に分割される。
×2ビット品では記号LとRで示したようにメモリアレの左右半分ずつがそれぞれDQ0、DQ1に対応する。この実施例では、アドレス信号A0〜A7により選択信号YSが発生されて、1つのメモリバンクから32対のMIO(メイン入出力線)に信号が出力される。上記32対のMIOは、上記のように16個ずつが左L、右Rの2組に分けられる。×2ビット品では、メインアンプMAに対応して32個設けられるバッファ回路BCが上記LとRに対応した2組に分けられてデータ端子DQ3(0)とDQ15(1)に共通に接続される。
アドレス信号A8により形成されたカラム選択信号Y8又はY8Bにより、上記16個ずつのメインアンプのうちの8個が選択され、更に図示しないアドレス信号A9、A10及びA11により最終的に上記LとRから1個ずつつのメインアンプMAが選択されて上記選択されたメインアンプMAに対応したバッファ回路CBを通して出力端子DQ3(0)とDQ15(1)から2ビットのデータが出力される。ここで、(0)と(1)は、×2ビット構成のときの端子番号を示している。以下、このことは他のビット構成でも同様である。
×4ビット品では、上記バッファ回路CBの出力線が4組に分けられる。それに対応して、メインアンプMAを選択するアドレス信号A11が無効(縮退)させられて、4ビット単位でのデータ読み出しが行われる。×8ビット品では、バッファ回路CBの出力線が8組に分けられ、メインアンプMAを選択するアドレス信号A11とA10が無効(縮退)させられて8ビット単位でのデータ読み出しが行われる。そして、×16ビット品では、バッファ回路CBの出力線が16組に分けられ、メインアンプMAを選択するアドレス信号A11とA10及びA9が無効(縮退)させられて8ビット単位でのデータ読み出しが行われる。
図5には、この発明に係る半導体記憶装置を用いたメモリモジュールの一実施例の要部断面図が示されている。背中合わせのメモリチップを持つ半導体記憶装置が、モジュール基板の両面に搭載されている。リードはメモリチップ上に接着層を介して接着される。これらのリードの延長方向とは直角方向に延長されるバスバーは、接着層が薄く形成されて、その高さが上記リードより低くされる。これにより、リードの選択とメモリチップの表面に設けられるボンディングパッドとの間を接続するワイヤが上記バスバーと接触することがないように高さ方向のマージンを大きくすることができる。
モジュール基板の両面に搭載される半導体記憶装置は、前記のように2つのメモリチップが積層構造にされているが、裏面が重なり合うように形成されているので、封止樹脂の厚みを薄く形成することができる。つまり、この実施例の半導体記憶装置は、1つのメモリチップしか搭載されない通常の半導体記憶装置であって、それの半分の記憶容量を持つ半導体記憶装置と同じ厚さのパッケージに形成することができ、上記半導体記憶装置を用いたメモリモジュールとの置き換えが可能になる。このようなメモリモジュールの置き換えによって、同じ実装体積なら記憶容量が2倍にでき、同じ記憶容量なら実装面積を半分に低減させることができる。
本発明に係る半導体記憶装置は、前記図1、図2に及び第5図に示されるように、第1及び第2メモリチップ(すなわち、上側と下側のメモリチップ)の裏面同士を重ねた状態で封止され、封止体の第1辺から該封止体の内外に延びる第1リードDQ0及び第2リードDQ1と、上記第1辺と対向する前記封止体の第2辺から該封止体の内外に延びる第3リードDQ2及び第4リードDQ3とを備える。
前記第1及び第2メモリチップは、それぞれの回路形成面において、各メモリチップの長辺と平行な直線であって短辺の中央部を通る直線に沿って配置されたデータ出力用の第1端子DQ(a)、第2端子DQ(b)、第3端子DQ(c)及び第4端子DQ(d)を有する,前記第2端子DQ(b)は上記第1端子DQ(a)と第3端子DQ(c)との問の前記第1端子DQ(a)に近い位置に配置され、前記第3端子DQ(c)は上記第2端子DQ(b)と第4端子DQ(d)との問の前記第4端子DQ(d)に近い位置に配置される。
前記第1リードDQ0と前記第4リードDQ3は前記直線を侠んで対向する位置に配置され、前記第2リードDQ1と前記第3リードDQ2は前記直線を挟んで対向する位置に配置される。前記第1及び第2メモリチップはそれぞれ、前記第1及び第2端子のいずれか一方、例えば第1端子DQ(a)と、第3及び第4端子のいずれか一方、例えば第3端子DQ(c)とを用いて2ビット単位でデータ出力を行うことにより、合計4ビット単位で前記第1、第2、第3及び第4リードからデータ出力を行う。なお、第1図において下側のメモリチップには第2端子DQ(b)及び第4端子DQ(d)に対応する端子が描かれていないが、図面の煩雑さを避けるために記載を省略したものであり、実際は上側のチップと下側のチップは同様な構成とされ、各端子も対応して存在する。
ここで第1及び第2メモリチップはそれぞれ、2ビット単位でのデータ出力と4ビット単位でのデータ出力を選択することが可能であり、4ビット単位でデータ出力を行う場合には、前述の様に、第1端子DQ(a)、第2端子DQ(b)、第3端子DQ(c)及び第4端子DQ(d)が用いられる,これらの端子の上記の位置関係は、対応するリードの規格化された位置に応じて決められている。すなわち、互いに対応するリードと端子間をワイヤで接続する際、ワイヤの長さを短くしうる様な位置関係に各端子が配置されている。言い換えると、第1リードDQ0と第4リードDQ3の近くに各メモリチップの第1端子DQ(a)と第2端子DQ(b)が配置され、第2リードDQ1と第3リードDQ2の近くに各メモリチップの第3端子DQ(c)及び第4端子DQ(d)が配置されている。
2ビット単位でのデータ出力の場合は、各メモリチップは上記4つのデータ端子のいずれか2つを任意の組み合わせで用いる事ができるが、本発明者の検討によれば、本実施例に示したように前記第1及び第2メモリチップはそれぞれ、前記第1及び第2端子のいずれか一方(例えば第1端子DQ(a))と、第3及び第4端子のいずれか一方(例えば第3端子DQ(c))とを用いて2ビット単位の出力を行うことが好ましい事を見出した,
すなわち、第1メモリチツプの第1端子DQ(a)と第3端子DQ(c)は、それぞれこれらの端子の近くに延びている第1リードDQ0と第2リードDQ1にそれぞれワイヤを用いて容易に接続できる。また、第1メモリチツプの第1端子DQ(a)と第3端子DQ(c)は、それぞれこれらの端子の近くに延びている第4リードDQ3と第3リードDQ2にそれぞれワイヤを用いて容易に接続できる。
これに対して、第1端子DQ(a)と第2端子DQ(b)とを用いて各メモリチツプから2ビット単位の出力を行うと、第1メモリチップについては、これらの端子の近くに延びている第1リードDQ0と第4リードDQ3にそれぞれワイヤを用いて容易に接続できる。しかし、第2メモリチップについては、第1端子DQ(a)と第2端子DQ(b)から遠く離れた第2リードDQ1と第3リードDQ2に接続しなければならない。この様に遠く離れたリードと端子とをワイヤで接続する事は、他のワイヤとのショートや、ワイヤの寄生容量の増加を招くので好ましくない。
信号線の寄生容量を低減する事は、信号伝達速度を改善するために重要である。そこで、図15に示した実施例のように、接続されないメモリチツプヘのデータ用リードを短くする事により、リードの寄生容量を低減する事が可能である。この実施例において、接続されないデータ用リードは、メモリチップの端部で切断されているが、かかる接続されないデータ用リードそのものを省略することも可能である。図16には、上記メモリチップとリードフレームとの関係を説明する平面図が示されており、メモリチップと各リードは、2つのメモリチップのうちの片方を示すものである。複数のリードのうち上記切断されるリードは、点線で囲まれたリードのようにサヤ抜けを防止するためにメモリチップに向かってアルファベットのT字状に形成される。
前記図1においては、第1リードDQ0が上側のメモリチップと下側のメモリチツプに向かって分岐する個所またはその先において切断する事が好ましい。また、製造当初から切断後の形状を有するリードを用いてもよい。すなわち、各データ用リ一ドは、前記第1及び第2メモリチップに対する延長長さにおいて非対称な構成は、前記延長長さにおいて対称的な構成に対して、寄生容量低減による信号伝達速度の改善を図る挙ができる。
図6には、この発明に係るメモリモジュールの一実施例の表面図が示され、図7には、上記メモリモジュールの裏面図が示されている。モジュール基板の表面側及び裏面側には、9×2(=18個)のようにマトリックス状に並べられて半導体記憶装置が搭載される。これらメモリモジュール基板の両面に搭載された全体で36個からなる半導体記憶装置のそれぞれは、上記図1又は図5に示したような2つのメモリチップが積層構造にされて構成される。
上記9×2のようにマトリックス状に並べられた半導体記憶装置と、メモリモジュールの長手方向の一端側に設けられたコネクタ(接続電極)との間には、レジスタ、信号変換用の半導体集積回路装置及び安定化電源用のキャパシタ、各種抵抗素子等が搭載される。
図8には、図6及び図7のメモリモジュールの一実施例を示すブロック図が示されている。この実施例のメモリモジュールは、×2ビットのメモリチップが積層構造にされて等価的に×4ビット構成にされた半導体記憶装置を複数個モジュール基板に搭載して64ビットのメモリ装置を構成する。つまり、モジュール基板を挟んで両面に上記の半導体記憶装置が設けられ、メモリバンク(BANK)0と1を有するメモリ装置が構成される。
メモリバンク0と1は、上記図6と図7に示した9個の半導体記憶装置のそれぞれに対応している。つまり、メモリバンク0と1のデータ端子DQ0〜DQ31及びパリティビットCB0〜CB3を受け持つ9個の半導体記憶装置は、図6に示された9×2個に対応し、メモリバンク0と1のデータ端子DQ32〜DQ64及びパリティビットCB4〜CB7を受け持つ9個の半導体記憶装置は、図7に示された9×2個に対応している。このように、データ端子は、DQ0〜DQ63の64ビット構成のメモリモジュールとされる。パリティビットとしてCB0〜CB7の8ビットが設けられる。このため、この実施例に係るメモリモジュールが搭載される主基板において、上記メモリモジュールのコネクタが挿入されるソケットに接続されるデータバスは、72ビット構成とされる。
図9には、この発明に係るメモリモジュールを用いたメモリ装置を説明するための概略構成図が示されている。同図においては、複数のメモリモジュールを構成する実装基板の1つの辺に並んで形成されたコネタク(接続電極)が図示しない主基板に設けられたソケットに差し込まれる状態に並べられる様子を示している。複数のメモリモジュールは、上記ソケットに対応して狭い間隔で並べられる必要があり、そのためにメモリモジュールに実装される半導体記憶装置の厚さを薄く形成することが重要なのである。この実施例では、図6及び図7の実施例のメモリモジュールとは異なり、メジュール基板にメモリチップSDRAMが一列に並べられた例が示されている。
図10には、この発明に係る半導体記憶装置を用いたメモリモジュールの他の一実施例の要部断面図が示されている。この実施例では、2つのメモリチップを積層構造にし、しかも封止樹脂の厚さを薄くするために、図5の実施例とは逆にメモリチップの裏面が外側を向くように積層構造にされる。このため、メモリチップの裏面は、封止の目的ではモールド樹脂は形成されない。このことは、半導体記憶装置の製造の過程においてメモリチップの裏面の一部又は全体に薄い封止樹脂が形成されてしまうことは妨げない。つまり、封止としての役割を持たせるために従来のように厚く封止樹脂を裏面にまで形成されなければよい。
本願発明において、半導体記憶装置の薄くするために、メモリチップの裏面を完全に露出させた状態にしなければならないというものではない。積層構造にされたメモリチップの裏面は、全体の厚みが薄く形成されるならその製造の過程において封止樹脂が裏面まで薄く形成されてしまうことを妨げないし、適当な絶縁性の塗料等を塗布するものであってもよい。あるいは、メモリチップの裏面に酸化膜を形成して絶縁性を持たせるものであってもよい。半導体基板の裏面をそのまま露出させておくことは、半導体記憶装置それ自体は問題ないが、電子装置に実装したときや、組み立て時に不所望な電気的な接触を生じる可能性があるので、上記のように電気的に絶縁させて置くようにすることが望ましい。
この実施例の半導体記憶装置は、メモリチップの裏面を外側にして素子が形成される表面側を互いに向かい合う形態にして積層構造にされている。このように図5の実施例とはメモリチップの向きをそれぞれ逆にしても裏面の封止樹脂が省略できることによっても、実質的には図5の実施例と同様に半導体記憶装置の厚みを薄くすることができる。
図11には、この発明に係る半導体記憶装置の他の一実施例の要部断面図が示されている。この実施例の半導体記憶装置は、テープ(フレキシブル基板)にリードがプリントされ、それがメモリチップの表面に貼り付けられ、ワイヤバンプによりボンディングパッドに接続される。特に制限されないが、表面から側面にかけて封止樹脂が設けられ、裏面は上記図10で説明したような意味において実質的に樹脂封止されておらず露出し、全体としての厚みが薄く形成される。それ故、2つの半導体記憶装置を独立させたままモジュール基板上において積層構造にされる。
以上のように、本発明に係る半導体記憶装置では、メモリチップにおいて×2構成を加えることにより積層品で×4ビットからのビット構成を可能とするものである。またさらに本発明では×2、×4、×8、×16をすべてボンドオプションとすることにより、同一のウェーハ前工程で製作されたチップを組み立て段階の―部パッドの組み立てを違えるだけで展開可能とするものである。このようなボンドオプションとすることにより、ウェーハ前工程で作成されたメモリチップの量産化を図ることができ、低コスト化を促進することができる。
(表1)
┌───┬──────┬──────┬──────┬──────┐
│ │ BOP0B│ BOP1B│ BOP2B│ BOP3B│
├───┼──────┼──────┼──────┼──────┤
│×2 │ VSS │ Floating │ − │ − │
│×4 │ Floating │ Floating │ − │ − │
│×8 │ VSS │ VSS │ − │ − │
│×16│ Floating │ VSS │ − │ − │
├───┼──────┼──────┼──────┼──────┤
│EDO│ − │ − │ Floating │ − │
│FP │ − │ − │ VSS │ − │
│4KR│ − │ − │ − │ Floating │
│8KR│ − │ − │ − │ VSS │
└───┴──────┴──────┴──────┴──────┘
(表2)
EDO−FのDQパッドの並び
┌───────────────────────────────┐
×16│8 7 9 6 10 5 11 4 12 3 13 2 14 1 15 0│
×8 │ 3 4 2 5 1 6 0 7 │
×4 │ 1 2 0 3 │
×2 │ 0 1 │
└───────────────────────────────┘
表1は、本願発明に係る半導体記憶装置が約64Mビットのような記憶容量を持ち、EDO/FP品に適用した場合のボンデングオプションを行うためのパッド入力と機能の関係例である。4つのオプションパツドのうち、2パッドBOP0B,BOP1Bを用いて4通りのビット構成を切り替え、1パッドBOP2Bを用いてEDOとファーストページ(FP)の切り替えを行い、残り1パッドBOP3Bを用いて4Kリフレッシュ(4KR)と8Kリフレッシュ(8KR)の切り替えを行う。
表2は、DQピンの役割の関係である。×16ビットまでサポートするため16個のDQピンを有する。これらは×8,×4,×2になるに従がい不使用ピンが増えるが、これらの場合は開放(オープン)とすればよい。DQ1、DQ3、DQ13、DQ15は×4で用いるとともに、4DQ使用のパラレルテストの入出力ピンに用いられる。DQ15はあらゆる場合に使用される。すなわち×2ビツトにおいても、EIAJテストにおいても使用される。
表1において、上記のオプションパツドのうち、2パッドBOP0B,BOP1B及び必要に応じて2パッドBOP2B,BOP3Bも外部端子に接続するようにしてもよい。この場合には、前記メモリモジュールに搭載した際、これらの外部端子に表1のような電圧を供給することにより、上記と同様にビット構成の設定が可能にされる。これにより、ユーザーにおいてメモリモジュールに搭載する際にデータ端子のビット構成を選択することができる。
図12には、この発明が適用されるダイナミック型RAMの一実施例の概略レイアウト図が示されている。同図の各回路ブロックは、公知の半導体集積回路の製造技術によって、単結晶シリコンのような1個の半導体基板上において形成される。同図の各回路は、上記半導体基板上での幾何学的な配置にほぼ合わせて描かれている。この実施例では、メモリアレイは、全体として4個に分けられて、メモリバンク(Bank)0〜3を構成するようにされる。
上記メモリバンク0〜3は、半導体チップの長手方向に沿った上下に2個、左右に2個ずつに分割されたメモリアレイに対応される。上記チップの長手方向に沿った中央部分にアドレス入力回路、データ入出力回路及びボンディングパッド列からなる周辺回路PERIが設けられる。
図示しないが周辺回路PERIの例としては、昇圧電圧発生回路とその動作を制御する制御回路、SSTLのインターフェイスの場合には、外部電源電圧VDDQを1/2に分圧して、差動回路で構成された入力回路の参照電圧を形成する分圧回路、入出力回路とそのクロックコントロール回路、Yプリデコーダとリード/ライトバッファ、周辺回路の動作電圧を形成する降圧回路、VPP電圧が所望の電圧であるか否かを検出するVPPセンサ、Xアドレスラッチ回路、Yクロック回路、モードデコーダ/クロックバッファとコマンド回路、Yカンウタとその制御回路、リフレッシュ制御回路、ボンディングオプション回路、電源投入検出回路等からなる。
上述のように半導体チップの長手方向に沿った上下に2個と、左右に2個ずつに分けられて合計4個からなる各メモリアレイにおいて、長手方向に対して左右方向の中間部にX系プリデコーダ回路ROWPDC及び救済回路ROWRED、Y系プリデコーダ回路COLPDC及び救済回路COLREDが纏めて配置される。つまり、上記4個のメモリアレイにそれぞれ対応して、上記X系プリデコーダ回路ROWPDC及び救済回路ROWRED、Y系プリデコーダ回路COLPDC及び救済回路COLREDが上記左右2個ずつ設けられたメモリアレイに対応して2組ずつ振り分けて設けられる。
上記メモリアレイの上記中間部分に沿って前記同様にメインワードドライバ領域MWDが形成されて、それぞれのメモリアレイに対応して下、上方側に延長するように設けられたメインワード線をそれぞれが駆動するようにされる。この構成では、前記同様なザブアレイを用いた場合には、16個のサブアレイを貫通するようにメインワード線が延長される。特に制限されないが、上記メモリアレイにおいて、上記チップ中央部分とは反対側のチップ周辺側にYデコーダYDCが設けられる。つまり、上記中央側に配置されたメインアンプMAと周辺側に配置されたYデコーダYDCとにより上記4分割されてなる各メモリアレイがそれぞれ挟さまれるように配置されるものである。これらの4つのメモリアレイが、4つのメモリバンクに対応している。
上記のようにメモリバンクに対応した1つのメモリアレイがワード線方向に16個のサブアレイを持ち、それぞれから2対のメイン入出力線がサブアレイの間をビット線方向に延長されて、前記のように32個のメインアンプMAの入力端子に導かれる。これにより、前記のような×2、×4、×8及び×16通りのビット構成の切り換えが可能にされる。
この実施例においては、上記中央側に配置されたメインアンプMAと周辺側に配置されたYデコーダYDCとにより上記4分割されてなる各メモリアレイが挟さまれるように配置される。上記メモリアレイは、その1つが拡大して示されているように、複数のサブアレイ15に分割される。かかるサブアレイ15は、それを挟むように配置されたセンスアンプ領域16、サブワードドライバ領域17に囲まれて形成される。上記センスアンプアンプ領域16と、上記サブワードドライバ領域17の交差部は交差領域18とされる。上記センスアンプ領域16に設けられるセンスアンプは、シェアードセンス方式により構成され、メモリセルアレイの両端に配置されるセンスアンプを除いて、センスアンプを中心にして左右に相補ビット線が設けられ、左右いずれかのメモリセルアレイの相補ビット線に選択的に接続される。
1つのサブアレイ15は、図示しないが例えば256本のサブワード線と、それと直交する256対からなる相補ビット線(又はデータ線)とにより構成される。なお、サブアレイには不良ワード線又は不良ビット線の救済のために予備のワード線及び予備の相補ビット線も設けられるものである。上記1つのメモリアレイにおいて、上記サブアレイがワード線の配列方向に16個設けられるから、全体としての上記サブワード線は約4K分設けられ、ビット線の配列方向に16個設けられるから、相補ビット線は全体として約4K分設けられる。このようなメモリアレイが全体で4個設けられるから、全体では4×4K×4K=64Mビットのような記憶容量を持つようにされる。
他の例として、1つのサブアレイ15は、図示しないが例えば512本のサブワード線と、それと直交する512対からなる相補ビット線(又はデータ線)とにより構成してもよい。上記同様にサブアレイには不良ワード線又は不良ビット線の救済のために予備のワード線及び予備の相補ビット線も設けられる。上記1つのメモリアレイにおいて、上記サブアレイがワード線の配列方向に16個設けられるから、全体としての上記サブワード線は約8K分設けられ、ビット線の配列方向に16個設けられるから、相補ビット線は全体として約8K分設けられる。このようなメモリアレイが全体で4個設けられるから、全体では8×8K×4K=256Mビットのような記憶容量を持つようにされる。
上記のような階層ワード線方式を採ることにより、上記いずれの場合においても相補ビット線の長さが、上記16個のサブアレイに対応して1/16の長さに分割される。サブワード線は、上記16個のサブアレイに対応して1/16の長さに分割される。上記1つのメモリアレイの分割されたサブアレイ15毎にサブワードドライバ(サブワード線駆動回路)17が設けられる。サブワードドライバ17は、上記のようにメインワード線に対して1/16の長さに分割され、それと平行に延長されるサブワード線の選択信号を形成する。
この実施例では、メインワード線の数を減らすために、言い換えるならば、メインワード線の配線ピッチを緩やかにするために、特に制限されないが、1つのメインワード線に対して、相補ビット線方向に4本からなるサブワード線を配置させる。このようにメインワード線方向には8本に分割され、及び相補ビット線方向に対して4本ずつが割り当てられたサブワード線の中から1本のサブワード線を選択するために、メインワードドライバMWDには図示しないサブワード選択ドライバが配置される。このサブワード選択ドライバは、上記サブワードドライバの配列方向に延長される4本のサブワード選択線の中から1つを選択する選択信号を形成する。
図12のようなレイアウトを採用した場合において、Yアドレスが入力されると、アドレスバッファADDBUPを通して上記メモリアレイの中間部に設けられた救済回路、プリデコーダを介してチップの周辺側に配置されたYデコーダYDCに伝えられ、ここでY選択信号が形成される。上記Y選択信号より1つのサブアレイの相補ビット線が選択されて、それと反対側のチップ中央部側のメインアンプMAに伝えられ、増幅されて図示しない出力回路を通して出力される。
この構成は、一見すると信号がチップを引き回されて読み出し信号が出力されるまでの時間が長くなるように判断される。しかし、救済回路には、アドレス信号をそのまま入力する必要があるので、救済回路をチップ中央のいずれかに配置すると、不良アドレスであるか否かの判定結果をまってプリデコーダの出力時間が決定される。つまり、プリデコーダと救済回路とが離れていると、そこでの信号遅延が実際のY選択動作を遅らせる原因となる。
この実施例では、メモリアレイを挟んでメインアンプMAとYデコーダYDCが両側に配置されるため、サブアレイの相補ビット線を選択するための信号伝達経路と、選択された相補ビット線から入出力線を通ってメインアンプMAの入力に至る信号伝達経路との和は、いずれの相補ビット線を選択しようともメモリアレイを横断するだけの信号伝達経路となって上記のように1往復するものの半分に短縮できるものである。これにより、メモリアクセスの高速化が可能になるものである。
上記のように4つのメモリアレイをそれぞれメモリバンクに対応させた場合、前記図5の実施例のように背中合わせで積層構造にしたとき、2つのメモリチップにおいて同時に動作させられるメモリアレイの位置が異なるようにされる。つまり、上記メモリチップの縦中央部に設けられる周辺回路PERIを挟んで二つのメモリアレイが選択される。これにより、発熱箇所を分散させることができるものとなる。
図13には、この発明に係るダイナミック型RAMのセンスアンプ部を中心にして、アドレス入力からデータ出力までの簡略化された一実施例の回路図が示されている。同図においては、2つのサブアレイ15に上下から挟まれるようにされたセンスアンプ16と交差エリア18に設けられる回路が例示的に示され、他はブロック図として示されている。
ダイナミック型メモリセルは、上記1つのサブアレイ15に設けられたサブワード線SWLと、相補ビット線BL,BLBのうちの一方のビット線BLとの間に設けられた1つが代表として例示的に示されている。ダイナミック型メモリセルは、アドレス選択MOSFETQmと記憶キャパシタCsから構成される。アドレス選択MOSFETQmのゲートは、サブワード線SWLに接続され、このMOSFETQmのドレインがビット線BLに接続され、ソースに記憶キャパシタCsが接続される。記憶キャパシタCsの他方の電極は共通化されてプレート電圧VPLTが与えられる。上記MOSFETQmの基板(チャンネル)には負のバックバイアス電圧VBBが印加される。特に制限されないが、上記バックバイアス電圧VBBは、−1Vのような電圧に設定される。上記サブワード線SWLの選択レベルは、上記ビット線のハイレベルに対して上記アドレス選択MOSFETQmのしきい値電圧分だけ高くされた高電圧VPPとされる。
センスアンプを内部降圧電圧VDLで動作させるようにした場合、センスアンプにより増幅されてビット線に与えられるハイレベルは、上記内部電圧VDLレベルにされる。したがって、上記ワード線の選択レベルに対応した高電圧VPPはVDL+Vth+αにされる。センスアンプの左側に設けられたサブアレイの一対の相補ビット線BLとBLBは、同図に示すように平行に配置される。かかる相補ビット線BLとBLBは、シェアードスイッチMOSFETQ1とQ2によりセンスアンプの単位回路の入出力ノードと接続される。
センスアンプの単位回路は、ゲートとドレインとが交差接続されてラッチ形態にされたNチャンネル型の増幅MOSFETQ5,Q6及びPチャンネル型の増幅MOSFETMOSFETQ7,Q8からなるCMOSラッチ回路で構成される。Nチャンネル型MOSFETQ5とQ6のソースは、共通ソース線CSNに接続される。Pチャンネル型MOSFETQ7とQ8のソースは、共通ソース線CSPに接続される。上記共通ソース線CSNとCSPには、それぞれパワースイッチMOSFETが接続される。
特に制限されないが、Nチャンネル型の増幅MOSFETQ5とQ6のソースが接続された共通ソース線CSNには、特に制限されないが、上記クロスエリア18に設けられたNチャンネル型のパワースイッチMOSFETQ14により接地電位に対応した動作電圧が与えられる。同様に上記Pチャンネル型の増幅MOSFETQ7とQ8のソースが接続された共通ソース線CSPには、上記内部電圧VDLを供給するNチャンネル型のパワーMOSFETQ15が設けられる。上記のパワースイッチMOSFETは、各単位回路に分散して設けるようにしてもよい。
上記Nチャンネル型のパワーMOSFETQ14とQ15のゲートに供給されるセンスアンプ用活性化信号SANとSAPは、センスアンプの活性時にハイレベルにされる同相の信号とされる。信号SAPのハイレベルは昇圧電圧VPPレベルの信号とされる。昇圧電圧VPPは、VDLが1.8Vのとき、約3.6Vにされるので、上記Nチャンネル型MOSFETQ15を十分にオン状態にして共通ソース線CSPを内部電圧VDLレベルにすることができる。
上記センスアンプの単位回路の入出力ノードには、相補ビット線を短絡させるイコライズMOSFETQ11と、相補ビット線にハーフプリチャージ電圧VBLRを供給するスイッチMOSFETQ9とQ10からなるプリチャージ(イコライズ)回路が設けられる。これらのMOSFETQ9〜Q11のゲートは、共通にプリチャージ信号PCBが供給される。このプリチャージ信号PCBを形成するドライバ回路は、図示しないが、上記クロスエリアにインバータ回路を設けて、その立ち上がりや立ち下がりを高速にする。つまり、メモリアクセスの開始時にワード線選択タイミングに先行して、各クロスエリアに分散して設けられたインバータ回路を通して上記プリチャージ回路を構成するMOSFETQ9〜Q11を高速に切り替えるようにするものである。
上記クロスエリア18には、IOスイッチ回路IOSW(ローカルIOとメインIOを接続するスイッチMOSFETQ19,Q20)が置かれる。さらに、図3に示した回路以外にも、必要に応じて、センスアンプのコモンソース線CSPとCSNのハーフプリチャージ回路、ローカル入出力線LIOのハーフプリチャージ回路、メイン入出力線のVDLプリチャージ回路、シェアード選択信号線SHRとSHLの分散ドライバ回路等も設けられる。
センスアンプの単位回路は、シェアードスイッチMOSFETQ3とQ4を介して図下側のサブアレイ15の同様な相補ビット線BL,BLBに接続される。例えば、上側のサブアレイのサブワード線SWLが選択されたときには、センスアンプの上側シェアードスイッチMOSFETQ1とQ2はオン状態に、下側シェアードスイッチMOSFETQ3とQ4とがオフ状態にされる。スイッチMOSFETQ12とQ13は、カラム(Y)スイッチ回路を構成するものであり、上記選択信号YSが選択レベル(ハイレベル)にされるとオン状態となり、上記センスアンプの単位回路の入出力ノードとローカル入出力線LIO1とLIO1B、LIO2,LIO2B等とを接続させる。
これにより、センスアンプの入出力ノードは、上記上側の相補ビット線BL,BLBに接続されて、選択されたサブワード線SWLに接続されたメモリセルの微小信号を増幅し、上記カラムスイッチ回路(Q12とQ13)を通してローカル入出力線LIO1,LIO1Bに伝える。上記ローカル入出力線LIO1,LIO1Bは、上記センスアンプ列に沿って、つまり、同図では横方向に延長される。上記ローカル入出力線LIO1,LIO1Bは、クロスエリア18に設けられたNチャンネル型MOSFETQ19とQ20からなるIOスイッチ回路を介してメインアンプ61の入力端子が接続されるメイン入出力線MIO,MIOBに接続される。
上記IOスイッチ回路は、X系のアドレス信号を解読して形成された選択信号よりスイッチ制御されれる。なお、IOスイッチ回路は、上記Nチャンネル型MOSFETQ19とQ20のそれぞれにPチャンネル型MOSFETを並列に接続したCMOSスイッチ構成としてもよい。シンクロナスDRAMのバーストモードでは、上記カラム選択信号YSがカウンタ動作により切り換えられ、上記ローカル入出力線LIO1,LIO1B及びLIO2,LIO2Bとサブアレイの二対ずつの相補ビット線BL,BLBとの接続が順次に切り換えられる。
アドレス信号Aiは、アドレスバッファ51に供給される。このアドレスバッファは、時分割的に動作してXアドレス信号とYアドレス信号を取り込む。Xアドレス信号は、プリデコーダ52に供給され、メインローデコーダ11とメインワードドライバ12を介してメインワード線MWLの選択信号が形成される。上記アドレスバッファ51は、外部端子から供給されるアドレス信号Aiを受けるものであり、外部端子から供給される電源電圧VDDQにより動作させられ、上記プリデコーダは、それを降圧した降圧電圧VPERI(VDD)により動作させられ、上記メインワードドライバ12は、昇圧電圧VPPにより動作させられる。このメインワードドライバ12として、上記プリデコード信号を受けるレベル変換機能付論理回路が用いられる。カラムデコーダ(ドライバ)53は、上記VCLP発生回路を構成するMOSFETQ23により動作電圧が形成される駆動回路を含み、上記アドレスバフッァ51の時分割的な動作によって供給されるYアドレス信号を受けて、上記選択信号YSを形成する。
上記メインアンプ61は、前記降圧電圧VPERI(VDD)により動作させられ、外部端子から供給される電源電圧VDDQで動作させられる出力バッファ62を通して外部端子Dout から出力される。外部端子Dinから入力される書き込み信号は、入力バッファ63を通して取り込まれ、同図においてメインアンプ61に含まれるライトアンプ(ライトドライバ)を通して上記メイン入出力線MIOとMIOBに書き込み信号を供給する。上記出力バッファ62の入力部には、レベル変換回路とその出力信号を上記クロック信号に対応したタイミング信号に同期させて出力させるための論理部が設けられる。
特に制限されないが、上記外部端子から供給される電源電圧VDDQは、第1の形態では3.3Vにされ、内部回路に供給される降圧電圧VPERI(VDD)は2.5Vに設定され、上記センスアンプの動作電圧VDLは1.8Vとされる。そして、ワード線の選択信号(昇圧電圧)は、3.6Vにされる。ビット線のプリチャージ電圧VBLRは、VDL/2に対応した0.9Vにされ、プレート電圧VPLTも0.9Vにされる。そして、基板電圧VBBは−1.0Vにされる。上記外部端子から供給される電源電圧VDDQは、第2の形態として2.5Vのような低電圧にされてもよい。このように低い電源電圧VDDQのときには、降圧電圧VPERI(VDD)と、降圧電圧VDLを1.8V程度と同じくしてもよい。
あるいは、外部端子から供給される電源電圧VDDQは3.3Vにされ、内部回路に供給される降圧電圧VPERI(VDD)とセンスアンプの動作電圧VDLとを同じく2.0V又は1.8Vのようにしてもよい。このように外部電源電圧VDDQに対して内部電圧は、種々の実施形態を採ることができる。
図14には、この発明が適用される約256MビットのシンクロナスDRAM(以下、単にSDRAMという)の一実施例の全体ブロック図が示されている。この実施例のSDRAMは、特に制限されないが、4つのメモリバンクのうちメモリバンク0を構成するメモリアレイ200Aとメモリバンク3を構成するメモリアレイ200Dが例示的に示されている。
つまり、4つのメモリバンクのうちの2つのメモリバンク1と2に対応したメモリアレイ200B、200Cが省略されている。4つのメモリバンク0〜3にそれぞれ対応されたメモリアレイ200A〜200Dは、同図に例示的に示されているメモリアレイ200Aと200Dのようにマトリクス配置されたダイナミック型メモリセルを備え、図に従えば同一列に配置されたメモリセルの選択端子は列毎のワード線(図示せず)に結合され、同一行に配置されたメモリセルのデータ入出力端子は行毎に相補データ線(図示せず)に結合される。
上記メモリアレイ200Aの図示しないワード線は行(ロウ)デコーダ201Aによるロウアドレス信号のデコード結果に従って1本が選択レベルに駆動される。メモリアレイ200Aの図示しない相補データ線はセンスアンプ及びカラム選択回路を含むI/O線202Aに結合される。センスアンプ及びカラム選択回路を含むI/O線202Aにおけるセンスアンプは、メモリセルからのデータ読出しによって夫々の相補データ線に現れる微小電位差を検出して増幅する増幅回路である。それにおけるカラムスイッチ回路は、相補データ線を各別に選択して相補I/O線に導通させるためのスイッチ回路である。カラムスイッチ回路はカラムデコーダ203Aによるカラムアドレス信号のデコード結果に従って選択動作される。
メモリアレイ200Bないし200Dも同様に、メモリアレイ200Dに例示的に示されているようにロウデコーダ201D,センスアンプ及びカラム選択回路を含むI/O線202D,カラムデコーダ203Dが設けられる。上記相補I/O線はライトバッファ214A,Bの出力端子及びメインアンプ212A,Dの入力端子に接続される。上記メインアンプ212A,Dの出力信号は、ラッチ/レジスタ213の入力端子に伝えられ、このラッチ/レジスタ213の出力信号は、出力バッファ211を介して外部端子から出力される。
外部端子から入力された書き込み信号は、入力バッファ210を介して上記ライトバッファ214A,Dの入力端子に伝えられる。上記外部端子は、特に制限されないが、16ビットからなるデータD0−D15を出力するデータ入出力端子とされる。なお、上記省略されたメモリアレイ200BとCとに対応して、それぞれ上記同様なメインアンプ、ライトバッファが設けられる。
アドレス入力端子から供給されるアドレス信号A0〜A13はカラムアドレスバッファ205とロウアドレスバッファ206にアドレスマルチプレクス形式で取り込まれる。256Mビットのような記憶容量を持つ場合、前記のように2ビット単位でのメモリアクセスを行うようにする場合には、アドレス信号A14を入力するアドレス端子が設けられる。×4ビット構成では、アドレス信号A11まで有効とされ、×8ビット構成ではアドレス信号A10までが有効とされ、×16ビット構成ではアドレス信号A9までが有効とされる。64Mビットのような記憶容量の場合には、×4ビット構成では、アドレス信号A10まで有効とされ、×8ビット構成ではアドレス信号A9までが有効とされ、そして図のように×16ビット構成ではアドレス信号A8までが有効とされる。
アドレス入力端子から供給されたアドレス信号はそれぞれのバッファが保持する。ロウアドレスバッファ206はリフレッシュ動作モードにおいてはリフレッシュカウンタ208から出力されるリフレッシュアドレス信号をロウアドレス信号として取り込む。カラムアドレスバッファ205の出力はカラムアドレスカウンタ207のプリセットデータとして供給され、列(カラム)アドレスカウンタ207は後述のコマンドなどで指定される動作モードに応じて、上記プリセットデータとしてのカラムアドレス信号、又はそのカラムアドレス信号を順次インクリメントした値を、カラムデコーダ203A〜203Dに向けて出力する。
同図において点線で示したコントローラ209は、特に制限されないが、クロック信号CLK、クロックイネーブル信号CKE、チップセレクト信号/CS、カラムアドレスストローブ信号/CAS(記号/はこれが付された信号がロウイネーブルの信号であることを意味する)、ロウアドレスストローブ信号/RAS、及びライトイネーブル信号/WEなどの外部制御信号と、アドレス入力端子A0〜A11からの制御データとが供給され、それらの信号のレベルの変化やタイミングなどに基づいてSDRAMの動作モード及び上記回路ブロックの動作を制御するための内部タイミング信号を形成するもので、モードレジスタ10、コマンドデコーダ20、タイミング発生回路30及びクロックバッファ40等を備える。
クロック信号CLKは、クロックバッファ40を介して前記説明したようなクロック同期回路50に入力され、内部クロックが発生される。上記内部クロックは、特に制限されないが、出力バッファ211、入力バッファ210を活性化するタイミング信号として用いられるとともに、タイミング発生回路30に供給され、かかるクロック信号に基づいて列アドレスバッファ205、行アドレスバッファ206及び列アドレスカウンタ207に供給されるタイミング信号が形成される。
他の外部入力信号は当該内部クロック信号の立ち上がりエッジに同期して有意とされる。チップセレクト信号/CSはそのロウレベルによってコマンド入力サイクルの開始を指示する。チップセレクト信号/CSがハイレベルのとき(チップ非選択状態)やその他の入力は意味を持たない。但し、後述するメモリバンクの選択状態やバースト動作などの内部動作はチップ非選択状態への変化によって影響されない。/RAS,/CAS,/WEの各信号は通常のDRAMにおける対応信号とは機能が相違し、後述するコマンドサイクルを定義するときに有意の信号とされる。
クロックイネーブル信号CKEは次のクロック信号の有効性を指示する信号であり、当該信号CKEがハイレベルであれば次のクロック信号CLKの立ち上がりエッジが有効とされ、ロウレベルのときには無効とされる。なお、リードモードにおいて、出力バッファ211に対するアウトプットイネーブルの制御を行う外部制御信号/OEを設けた場合には、かかる信号/OEもコントローラ209に供給され、その信号が例えばハイレベルのときには出力バッファ211は高出力インピーダンス状態にされる。
上記ロウアドレス信号は、クロック信号CLK(内部クロック信号)の立ち上がりエッジに同期する後述のロウアドレスストローブ・バンクアクティブコマンドサイクルにおけるA0〜A11のレベルによって定義される。
アドレス信号A12とA13は、上記ロウアドレスストローブ・バンクアクティブコマンドサイクルにおいてバンク選択信号とみなされる。即ち、A12とA13の組み合わせにより、4つのメモリバンク0〜3のうちの1つが選択される。メモリバンクの選択制御は、特に制限されないが、選択メモリバンク側のロウデコーダのみの活性化、非選択メモリバンク側のカラムスイッチ回路の全非選択、選択メモリバンク側のみの入力バッファ210及び出力バッファ211への接続などの処理によって行うことができる。
上記カラムアドレス信号は、前記のように256Mビットで×16ビット構成の場合には、クロック信号CLK(内部クロック)の立ち上がりエッジに同期するリード又はライトコマンド(後述のカラムアドレス・リードコマンド、カラムアドレス・ライトコマンド)サイクルにおけるA0〜A9のレベルによって定義される。そして、この様にして定義されたカラムアドレスはバーストアクセスのスタートアドレスとされる。
次に、コマンドによって指示されるSDRAMの主な動作モードを説明する。
1)モードレジスタセットコマンド(Mo)
上記モードレジスタ30をセットするためのコマンドであり、/CS,/RAS,/CAS,/WE=ロウレベルによって当該コマンド指定され、セットすべきデータ(レジスタセットデータ)はA0〜A11を介して与えられる。レジスタセットデータは、特に制限されないが、バーストレングス、CASレイテンシイ、ライトモードなどとされる。特に制限されないが、設定可能なバーストレングスは、1,2,4,8,フルページとされ、設定可能なCASレイテンシイは1,2,3とされ、設定可能なライトモードは、バーストライトとシングルライトとされる。
上記CASレイテンシイは、後述のカラムアドレス・リードコマンドによって指示されるリード動作において/CASの立ち下がりから出力バッファ211の出力動作までに内部クロック信号の何サイクル分を費やすかを指示するものである。読出しデータが確定するまでにはデータ読出しのための内部動作時間が必要とされ、それを内部クロック信号の使用周波数に応じて設定するためのものである。換言すれば、周波数の高い内部クロック信号を用いる場合にはCASレイテンシイを相対的に大きな値に設定し、周波数の低い内部クロック信号を用いる場合にはCASレイテンシイを相対的に小さな値に設定する。
2)ロウアドレスストローブ・バンクアクティブコマンド(Ac)
これは、ロウアドレスストローブの指示とA12とA13によるメモリバンクの選択を有効にするコマンドであり、/CS,/RAS=ロウレベル、/CAS,/WE=ハイレベルによって指示され、このときA0〜A9に供給されるアドレスがロウアドレス信号として、A12とA13に供給される信号がメモリバンクの選択信号として取り込まれる。取り込み動作は上述のように内部クロック信号の立ち上がりエッジに同期して行われる。例えば、当該コマンドが指定されると、それによって指定されるメモリバンクにおけるワード線が選択され、当該ワード線に接続されたメモリセルがそれぞれ対応する相補データ線に導通される。
3)カラムアドレス・リードコマンド(Re)
このコマンドは、バーストリード動作を開始するために必要なコマンドであると共に、カラムアドレスストローブの指示を与えるコマンドであり、/CS,/CAS=ロウレベル、/RAS,/WE=ハイレベルによって指示され、このときA0〜A9(×16ビット構成の場合)に供給されるカラムアドレスがカラムアドレス信号として取り込まれる。これによって取り込まれたカラムアドレス信号はバーストスタートアドレスとしてカラムアドレスカウンタ207に供給される。
これによって指示されたバーストリード動作においては、その前にロウアドレスストローブ・バンクアクティブコマンドサイクルでメモリバンクとそれにおけるワード線の選択が行われており、当該選択ワード線のメモリセルは、内部クロック信号に同期してカラムアドレスカウンタ207から出力されるアドレス信号に従って順次選択されて連続的に読出される。連続的に読出されるデータ数は上記バーストレングスによって指定された個数とされる。また、出力バッファ211からのデータ読出し開始は上記CASレイテンシイで規定される内部クロック信号のサイクル数を待って行われる。
4)カラムアドレス・ライトコマンド(Wr)
ライト動作の態様としてモードレジスタ10にバーストライトが設定されているときは当該バーストライト動作を開始するために必要なコマンドとされ、ライト動作の態様としてモードレジスタ10にシングルライトが設定されているときは当該シングルライト動作を開始するために必要なコマンドとされる。更に当該コマンドは、シングルライト及びバーストライトにおけるカラムアドレスストローブの指示を与える。
当該コマンドは、/CS,/CAS,/WE=ロウレベル、/RAS=ハイレベルによって指示され、このときA0〜A9に供給されるアドレスがカラムアドレス信号として取り込まれる。これによって取り込まれたカラムアドレス信号はバーストライトにおいてはバーストスタートアドレスとしてカラムアドレスカウンタ207に供給される。これによって指示されたバーストライト動作の手順もバーストリード動作と同様に行われる。但し、ライト動作にはCASレイテンシイはなく、ライトデータの取り込みは当該カラムアドレス・ライトコマンドサイクルから開始される。
5)プリチャージコマンド(Pr)
これはA12とA13によって選択されたメモリバンクに対するプリチャージ動作の開始コマンドとされ、/CS,/RAS,/WE=ロウレベル、/CAS=ハイレベルによって指示される。
6)オートリフレッシュコマンド
このコマンドはオートリフレッシュを開始するために必要とされるコマンドであり、/CS,/RAS,/CAS=ロウレベル、/WE,CKE=ハイレベルによって指示される。
7)バーストストップ・イン・フルページコマンド
フルページに対するバースト動作を全てのメモリバンクに対して停止させるために必要なコマンドであり、フルページ以外のバースト動作では無視される。このコマンドは、/CS,/WE=ロウレベル、/RAS,/CAS=ハイレベルによって指示される。
8)ノーオペレーションコマンド(Nop)
これは実質的な動作を行わないこと指示するコマンドであり、/CS=ロウレベル、/RAS,/CAS,/WEのハイレベルによって指示される。
SDRAMにおいては、1つのメモリバンクでバースト動作が行われているとき、その途中で別のメモリバンクを指定して、ロウアドレスストローブ・バンクアクティブコマンドが供給されると、当該実行中の一方のメモリバンクでの動作には何ら影響を与えることなく、当該別のメモリバンクにおけるロウアドレス系の動作が可能にされる。例えば、SDRAMは外部から供給されるデータ、アドレス、及び制御信号を内部に保持する手段を有し、その保持内容、特にアドレス及び制御信号は、特に制限されないが、メモリバンク毎に保持されるようになっている。或は、ロウアドレスストローブ・バンクアクティブコマンドサイクルによって選択されたメモリブロックにおけるワード線1本分のデータがカラム系動作の前に予め読み出し動作のためにラッチ/レジスタ213に保持されるようになっている。
したがって、例えば16ビットからなるデータ入出力端子においてデータD0−D15が衝突しない限り、処理が終了していないコマンド実行中に、当該実行中のコマンドが処理対象とするメモリバンクとは異なるメモリバンクに対するプリチャージコマンド、ロウアドレスストローブ・バンクアクティブコマンドを発行して、内部動作を予め開始させることが可能である。この実施例のSDRAMは、上記のように16ビットの単位でのメモリアクセスを行い、A0〜A11のアドレスにより約4Mのアドレスを持ち、4つのメモリバンクで構成されることから、全体では約256Mビット(4M×4バンク×16ビット)のような記憶容量を持つようにされる。
上記の実施例から得られる作用効果は、下記の通りである。
1)2ビット単位でメモリアクセスが行われる2つのメモリチップの裏面を重ね合わせた状態で積層構造に組み立てて4ビット単位でのメモリアクセスを行うようにすることにより、薄いパッケージを用いつつ、使い勝手のよい半導体記憶装置を得ることができる。
2)上記2つのメモリチップは、互いに裏面が接触するよう重ね合わせることにより、裏面の封止樹脂を封止の目的のためには不要であり、極力排除することができるからパッケージの薄型化を実現することができる。
3)上記メモリチップは、複数のメモリバンクに分けられており、上記裏面が接触するように重ね合わされたとき、同じアドレスが割り当てられたメモリバンクのメモリチップ裏面での位置が異なるようにすることにより、発熱箇所を分散させることができる。
4)上記2つのメモリチップは、互いに表面が向かい合うよう重ね合わされて上記封止樹脂が2つのメモリチップで挟まれた少なくとも表面と接触するよう形成することにより、パッケージの薄型化を実現することができる。
5)上記2つのメモリチップは、それぞれが表面にテープ状態のリードが設けられ、裏面を除いて少なくとも上記表面部が上記封止樹脂と接触するようにすることによって積層にしつつ、その厚みを薄くすることができる。
6)上記積層構造にされた2つのメモリチップを備えた半導体記憶装置の厚さは、それの半分又は同等の記憶容量を有する1個メモリチップを有する半導体記憶装置の厚さと同等かそれ以下にすることにより、既存(汎用)の半導体記憶装置との置き換えを行うようにすることができる。
7)上記メモリチップは、配線手段又はボンディングワイヤを用いて、その信号伝達経路又はそれとともに信号レベルの設定により、2ビット単位でのメモリアクセスを含んだ複数ビット単位による複数通りのデータ入出力を可能にする機能を持つようにすることにより、多品種からなるメモリチップを同一工程で形成できるから量産化を図ることができる。
8)上記複数ビット単位を、2ビット単位、4ビット単位、8ビット単位及び16ビット単位の4通りにすることにより、2チップの積層構造を含めて一般的に広く用いられる4、8、16及び32ビット構成の半導体記憶装置を実質的に1種類のメモリチップで実現でき、しかも最大で1つのメモリチップの2倍の記憶容量を得ることができる。
9)上記半導体記憶装置は、方形の樹脂封止パッケージの長手方向の両側面から延びるようリードを形成し、上記4ビットを第1端子ないし第4端子からなるデータ端子として、上記第1と第2端子と第3と第4端子とを方形の樹脂封止パッケージの両側に上記長手方向と平行な中心線に対して対称的な位置に分けて設け、上記2つのメモリチップを上記2ビットのデータ端子に対応された電極を上記第1端子と第2端子に対して電気的に接続することにより、2つのメモリチップのそれぞれのデータ端子を分離させて上記4つのデータ端子に対応させることができる。
10)2ビット単位でメモリアクセスが行われる2つのメモリチップの裏面に封止樹脂が触れない状態で積層構造に組み立てて4ビット単位でのメモリアクセスを行うようにしてなる半導体記憶装置の複数個を、方形からなる1つの辺に沿って電極が形成されてなる実装基板上に設けることにより、単位体積当たりの記憶容量の増大と、高密度実装が可能なメモリモジュールを得ることができる。
11)上記メモリモジュールの複数個を主基板上に平行に並んで配置される複数個のコネタクに上記電極を差し込むようにして用いるものとすることにより、単位体積当たりの記憶容量の増大と、高密度実装を可能にすることができる。
12)上記2つのメモリチップは、互いに裏面が接触するよう重ね合わされて2つのメモリチップの少なくとも表面に上記封止樹脂に接触するように形成することにより、汎用の半導体記憶装置と置き換えが可能で、かつ単位体積当たりの記憶容量の増大と、高密度実装を可能にすることができる。
13)上記2つのメモリチップは、互いに表面が向かい合うよう重ね合わされて上記封止樹脂が2つのメモリチップの少なくとも表面に接触するよう形成されることによって、汎用の半導体記憶装置と置き換えが可能で、かつ単位体積当たりの記憶容量の増大と、高密度実装を可能にすることができる。
14)上記積層構造にされた2つのメモリチップの厚さを、それの半分又は同等の記憶容量を有する汎用の1個の半導体記憶装置の厚さと同等かそれ以下にすることにより、汎用の半導体記憶装置を用いたものとの置き換えが可能で、かつ、記憶容量の増大と、高密度実装を可能にすることができる。
15)上記半導体記憶装置は、外部端子に与えられる電圧の設定により、2ビット単位でのメモリアクセスを含んだ複数ビット単位による複数通りのデータ入出力を可能にする機能を設けることにより、メモリモジュールに搭載する際にデータ端子のビット構成を選択することができる。
16)上記複数ビット単位は、2ビット単位、4ビット単位、8ビット単位及び16ビット単位の4通りとすることにより、2チップの積層構造を含めて一般的に広く用いられる4、8、16及び32ビット構成のメモリモジュールを得ることができる。
以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、図12に示したダイナミック型RAMにおいてメモリアレイ、サブアレイ及びサブワードドライバの構成は、種々の実施形態を採ることができるし、ダイナミック型RAMの入出力インターフェイスは、シンクロナス仕様の他にランバス仕様等に適合したもの等種々の実施形態を採ることができるものである。ワード線は、前記のような階層ワード線方式の他にワードシャント方式を採るものであってもよい。
2つのメモリチップは、それぞれが半分の記憶エリアが有効とされる、いわゆるパーシャルチップの組み合わせから構成されてもよい。つまり、一部に不良が存在し、半分の記憶エリアに対してのみメモリアクセスが可能にされた2つのメモリチップを、前記のように積層構造に組み合わせて、1つの半導体記憶装置を構成するようにしてもよい。この場合において、1つのメモリチップで構成された良品の半導体記憶装置と、上記半分の記憶エリアしかメモリアクセスができない2つのメモリチップを組み合わせて、上記1つのメモリチップと外観的には同一の半導体記憶装置を構成することができる。
上記のように上記半分の記憶エリアしかメモリアクセスができない2つのメモリチップを組み合わせて、上記1つのメモリチップと外観的には同一の半導体記憶装置を構成す場合においても、上記2ビットの単位でメモリアクセスを行う機能は有効に利用できる。つまり、上記有効とされる半導体記憶装置のうち、同一のアドレスが割り当てられる記憶エリアが有効とされる2つのメモリチップを組み合わせて、4ビット単位でのメモリアクセスが可能な半導体記憶装置として動作させることができるからである。なお、8ビットや16ビット単位でのメモリアクセスが必要なら、上記2つのメモリチップはそれぞれが4ビット構成あるいは8ビット構成とすればよい。
これとは逆に、上記有効とされる半導体記憶装置のうち、異なるアドレスが割り当てられる記憶エリアが有効とされる2つのメモリチップを組み合わせた場合に、アドレス信号により2つのメモリチップのうちいずれか一方にメモリアクセスが行われるので、上記2ビット単位でのメモリアクセスではなく、半導体記憶装置が接続されるメモリモジュール等のバス幅に対応した4ビット、8ビットあるいは16ビットのような複数ビット単位でメモリアクセスが行われるようにすればよい。
半導体記憶装置は、前記のようなDRAMの他にスタティック型RAMやEPROM、あるいはEEPROMのような読み出し専用メモリであってもよい。この発明は、積層構造にされる各種半導体記憶装置及びメモリモジュールに広く利用できる。
YDC…Yデコーダ、MA…メインアンプ、COLRED…Y系救済回路、COLPDC…Y系プリデコーダ、ROWRED…X系救済回路、ROWPDC…X系プリデコーダ、SA…センスアンプ、SWD…サブワードドライバ、MWD…メインワードドライバ、
11,12…デコーダ,メインワードドライバ、15…サブアレイ、16…センスアンプ、17…サブワードドライバ、18…クロスエリア、51…アドレスバッファ、52…プリデコーダ、53…デコーダ、61…メインアンプ、62…出力バッファ、63…入力バッファ、
10…モードレジスタ、20…コマンドデコーダ、30…タイミング発生回路、30…クロックバッファ、200A〜200D…メモリアレイ、201A〜201D…ロウデコーダ、202A〜202D…センスアンプ及びカラム選択回路、203A〜203D…カラムデコーダ、205…カラムアドレスバッファ、206…ロウアドレスバッファ、207…カラムアドレスカウンタ、208…リフレッシュカウンタ、209…コントローラ、210…入力バッファ、211…出力バッファ、212A〜D…メインアンプ、213…ラッチ/レジスタ、214A〜D…ライトバッファ。