JP2004158741A - 位置合わせ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】3種類の倍率を持つ検出系に於いて、検出時間の短縮と検出範囲を拡大し、スループットの向上と半導体生産対応力の向上を図る。
【解決手段】グローバルアライメントにおいて、高速高精度の検出をために、高倍率検出と、中倍率の検出を同時に行い、中倍で計測したずれ量が許容範囲内であれば高倍率検出の値を最小し、許容範囲を超えていた場合、ステージを微動し、高倍で観察できる視野に動かしてからマーク位置を正確に測定する。もしも、中倍率の検出でマーク位置を確認することができなかった場合、低倍率検出に切り替えてマーク位置を確認し、ステージを微動し、高倍で観察できる視野に動かしてからマーク位置を正確に測定する。
【選択図】 図1
【解決手段】グローバルアライメントにおいて、高速高精度の検出をために、高倍率検出と、中倍率の検出を同時に行い、中倍で計測したずれ量が許容範囲内であれば高倍率検出の値を最小し、許容範囲を超えていた場合、ステージを微動し、高倍で観察できる視野に動かしてからマーク位置を正確に測定する。もしも、中倍率の検出でマーク位置を確認することができなかった場合、低倍率検出に切り替えてマーク位置を確認し、ステージを微動し、高倍で観察できる視野に動かしてからマーク位置を正確に測定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体露光装置で、ウエハの位置をアライメントするための位置合わせマークと左記マークを用いたアライメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5と、図4、フロー図6を用いて従来の、半導体製造装置でのウエハアライメントを説明する。ウエハが半導体製造装置に供給されると、ウエハの外周とオリフラまたはノッチと呼ばれる印(図4 N)を用いてメカニカルな位置合わせをMAで行い、ウエハのラフな位置を決定する。メカニカルな位置合わせ精度は20μm程度である。次にウエハは不図示のウエハ供給装置でチャックCHに載せられ、グローバルアライメントを行う。グローバルアライメントは、図4に示されるFXY1〜4のマークを検出し、計測しウエハのX,Y方向のずれと、回転成分、および、ショット配列の倍率成分を求めるものである。グローバルアライメントの精度は、今日の256Mbitのメモリを製造するマシンにおいては50nm以下の精度になる。
【0003】
グローバルアライメント時のマークの観察は、ステージSTG上のウエハチャックCHに吸着されたウエハWをスコープSCで観察する。スコープSCは、2種類の倍率を持つ顕微鏡とセンサで構成されている。Liから照明光はハーフミラーM1を介してW上のアライメントマークを照明する。アライメントマークの反射光はM1を透過して、ハーフミラーM3で分割され、一方は低倍レンズL2を介してセンサS1上に結像する。もう一方は高倍レンズL3を介してセンサS2に結像する。
【0004】
センサS1,S2に結像した像は光電変換され、処理装置Pでマーク位置計算する。マーク位置の計算は低倍系と高倍系の2種類のセンサで行われる。実際のマーク位置は、高倍系のS2センサの像で決定する。2種類のセンサで計測が行われる理由を次に示す。図2(a)は高倍系の視野HFである。低倍系の視野は図2(b)に示される範囲MFである。低倍系でメカニカルアライメントの結果がセンサS2の視野に入っているかを確認し、視野内であれば高倍センサの計算結果を採用する。もし、入っていない場合、S1の視野に追い込むための微小移動量dx,dyを算出する。こうすることによって、メカニカルアライメントの誤差があったとしても、精度よく、高速にグローバルアライメントを終了させている。次に、図6を用いて具体的に処理フローを説明する。グローバルアライメントS100は最初にFXY1へ移動する(S101)。FX1,FX2の位置を測定する(S102)。測定はS10のフローとなっている。このフローでは高倍系センサS2がX計測高倍率センサと、Y計測高倍率センサにさらに分割されている場合を示す。この場合、ラインセンサなどが使われる。もちろん、イメージセンサでX,Yマークを撮像してもよい。Xの高倍撮像(S110)、Yの高倍撮像(S111)、低倍撮像(S112)を同時に行う。ただし特に同時である必要もない。同時のほうが、より高速である。FXマークの位置算出(S113)、FYマークの位置算出(S114)、低倍マーク位置算出(S115)を行い、S115の結果で高倍検出のための視野へ追い込む量dx,dyを算出し(S116)、その量が許容範囲内であるか判断する(S117)。許容範囲内であれば、S113,S114で算出した結果を採用する。範囲外であれば、dx,dyの量だけ微小移動し(S118)、Xの高倍撮像(S119)、Yの高倍撮像(S120)、FXマークの位置算出(S121)、FYマークの位置算出(S122)を行う。
【0005】
FXY1の位置が計算されたら、FXY2へ移動し(S103)同じ方法でFX2,FY2のマーク位置を算出する(S104)。2つのマーク位置が正確に求められると、チャックCH上のウエハWの位置は概略求められる。その結果を反映しFXY3,FXY4の目標位置を再計算する(S105)。概略が求められると、マーク位置は高倍系の視野に入るようになり、S106,S107でFX3,FY3,FX4,FY4のマーク位置を算出し、グローバルアライメントが終了する。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】
メカニカルアライメントの誤差が20um 程度であれば、低倍系と高倍系を使ったグローバルアライメントによって、高速に精度よくウエハの位置を求めることが可能である。しかし、メカニカルアライメントはステージ上で行われず、外部で行われる。そのため、ウエハをハンドでチャック上に置く際に生じる誤差が20μm以下であっても、異なる装置で作成したウエハの場合、絶対値の誤差が20μmを超える場合がある。この量をオフセットという。再現性が小さくてもオフセットのばらつきが生じることがあるのである。よって、低倍系で観察した際にマークが視野から外れてしまう可能性がある。
【0007】
上記問題を解決する手段として下記2つの方法が従来から考えられてきた。
1)低倍系の倍率をさらに低くしておく。
2)マークが見付からなかった場合、視野範囲の周辺をステージを動かしながらマークを探す
上記1)のデメリットは、低倍系の検出率が下がることである。マークの大きさをある程度の大きさを維持しなければ確実にマーク位置を判別することが難しくなる。また、類似パターンが視野内に入った場合、誤検出する可能性が高くなる。その対策として、画像処理の前処理、検出処理を強化することにより、可能な限り誤検出を防止しなければいけない。そのような対策は複雑で時間のかかる処理になり、スループットを下げてしまう。2)のデメリットはマークを探す時間が長くなる点である。
【0008】
【課題を解決する手段】
上記問題を解決するため、従来例で示した低倍系よりさらに低い倍率でアライメントマークを観察することが可能な光学系を追加することによって、メカニカルアライメントのオフセット量を含む誤差を測定することとする。そこで、ここより従来の低倍系を中倍系と定義し、従来の低倍より低い倍率を低倍系と定義を変えて説明する。
【0009】
中倍系で検出した際、マーク検出のエラーが発生した場合、中倍系から低倍系へレンズを切り替え、より広い視野を撮像した画像からマーク位置を算出し、高倍系で観察するためのずらし量を計算する。
【0010】
やむをえず低倍系に切り替える場合、処理時間は長くなるが検出率の低下をおさえながら広範囲のマーク位置検出を実施する。しかし、通常は中倍系での検出を優先するため、より高速で高い検出率が維持される。
【0011】
高倍系、中倍系、低倍系の3種類の検出系を持つことにより、高速・高精度だけでなく、メカニカルアライメントのオフセット誤差を含む視野範囲を確保することによって、検出率が向上する。検出率の向上により、装置が止まることなく、安定した半導体生産を維持することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
【実施例1】
グローバルアライメントで使用するアライメントマークの例を図2(a) AMに示す。このマークはグローバルアライメントにおいてX方向の計測とY方向の計測を同時に行うことが可能なマークである。
【0013】
グローバルアライメントでは図2(a)に示されるウインドウX内のマークを高倍率のスコープ(高倍率検出系)で観察し同時にウインドウY内のマークを高倍率検出系で観察し、プリアライメントの時よりさらに細かな分解能でマーク位置を検出する。
【0014】
次に、図1と図4を用いて、グローバルアライメントを説明する。ウエハが半導体製造装置に供給されると、ウエハの外周とオリフラまたはノッチと呼ばれる印(図4 N)を用いてメカニカルな位置合わせをMAで行い、ウエハのラフな位置を決定する。次にウエハは不図示のウエハ供給装置でチャックCHに載せられグローバルアライメントを行い、正確にウエハの位置および、露光ショットの位置が求められる。グローバルアライメントは、高い倍率のスコープ(高倍率検出系)を用いてウエハ上の複数のグローバルアライメントマークFXY1〜FXY4におけるX方向の計測マークFX1〜4、およびY方向の計測マークFY1〜4を計測しウエハのX,Y方向のずれと、回転成分、および、ショット配列の倍率成分を求める。
【0015】
次に図2(a)AMに示されるマークを、中倍系と高倍系を同時に観察し、さらに中倍系は低倍系に切り替えることができるスコープについて詳細に説明する。図1に示すウエハアライメント用の顕微鏡SCは、中倍系と、高倍系を同時に観察し、マーク位置検出処理できるようになっている。照明光は、Liからスコープ内に導光され、ハーフミラーM1(又は偏光ビームスプリッタ)を通り、ウエハ上のマークを照明する。例えば図4のマークFX1を照明する。ウエハからの反射光は、ハーフミラーM1,M2、M3と高倍系レンズL3を通って、高倍率検出センサS2に届く。同様に、ウエハからの反射光はハーフミラーM1,M2,M3と中倍系レンズL2と通り中倍率検出センサS1に届く。S1,S2で撮像された画像や信号は、処理装置Pでマーク位置が計測される。
【0016】
検出センサS1の手前には移動可能なミラーMMが構成されている。ミラーMMを光軸内に挿入すると、ハーフミラーM2で反射し低倍系レンズL1を通ったウエハからの反射光がセンサS1に撮像される。MMを出し入れすることによって、S1で撮像される視野が中倍系と低倍系を切り替える。
【0017】
通常MMは光軸内に挿入しないで使用するので、高倍系と中倍系を同時観察する。この場合、アクチュエータの切り替えが不要である。また、高倍系と中倍系の反射光の違いに関しては、S1、S2センサの蓄積時間を変えるなどして、照明側の切り替えを行わないようにしている。本発明では特に蓄積時間に関しては説明しない。
【0018】
次に図2を用いて、高、中、低倍系の倍率と視野およびアライメントマークの関係を説明する。図2(a)は高倍系の観察可能視野HFである。X,Yマークそれぞれの移動可能範囲はほとんどない。図2(b)は中倍系の観察可能視野MFである。HFより広い視野を有しており、高倍系、中倍系同時観察時に高倍視野に追い込むための微小移動量をdx,dyを算出する。図2(c)は低倍系の観察可能視野LFである。MFより広い観察領域を持っている。
【0019】
次に、図2のマークと図1に示されるアライメントスコープを用いた高速なウエハアライメントを説明する。ハーフミラーM3で分割され、透過した光は高倍率検出結像光学系L3を通して、光電変換素子(蓄積時間可変カメラ)S2に導光され、アライメントマークAM像を素子上に結像する。さらに、ハーフミラーM3で分割された光は中倍率結像光学系L2を通して、光電変換素子(蓄積時間可変カメラ)S1に導光され、アライメントマークAM像を素子上に結像する。このとき、同時にS1,S2の光電変換素子にアライメントマークAM像を結像させる。同時に結像させることによって、図2(b)に示されるずれ量dx1,dy1が許容範囲より小さい場合、高倍率検出系の光電変換素子上には正確な位置計測が可能なアライメントマークAMの像が結像していることになる。さらに、dx1,dy1のずれ量が許容範囲内であればそのときに取り込んだアライメントマークによる高倍系センサS2の信号で求められたアライメントマーク位置の計算結果は有効である。許容範囲とは図2(a)に示されるウインドウXおよびウインドウYにマークが入っていると判断されるずれ量である。従って、中倍系計測で求められたずれ量dx1,dy1が許容範囲内であれば最も高速に高倍系検出位置を決定することが可能となる。
【0020】
もしも、中倍系計測でマーク位置が検出されなかった場合は、中倍系の検出可能範囲外にマークが存在することになる。マークが中倍系の範囲外に存在すると判断された場合、移動可能なミラーMMを光軸内に挿入し、ハーフミラーM2で反射し、低倍率結像光学系L1を通じて光電変換素子S1に導光され、アライメントマークAM像を素子上に結像する。ここで図2(c)に示されるずれ量dx2、dy2が求められる。
【0021】
次に図3に示すフローチャートを用いて説明する。ウエハの露光に関する概略フローは図6に示されるS100〜S107と何ら変わらない。本実施例ではマーク位置を算出するS10が図3に示すフローとなる。グローバルアライメントが始まると、最初の計測マークFXY1へ移動する(S101)。なお、中倍系、高倍系同時検出に使用されるマークはFXY1とFXY2の2箇所とした。最初のFXY1では、中倍系・高倍系検出を行うマークであるので、移動可能なミラーMMを光軸から外した状態で、中倍撮像、高倍X撮像、高倍Y撮像を同時に行う(S110、S111,S200)。取り込まれた像はマーク位置の算出が行われる。高倍系に関してはマークが正しく撮像されていない可能性もあるが、マーク位置を計算する(S113、S114,S201)。中倍系はメカニカルアライメントの再現性の範囲で視野内にマークが入るほど広い範囲で撮像しているので、マーク位置は求められる。しかし、例えばメカニカルアライメントオフセットが大きくずれているウエハが挿入されると、中倍系の視野ではマーク位置が検出できない場合がある。その場合、中倍系でのマーク検出を判断し(S202)、検出できなかった場合、移動可能なミラーMMを光軸に挿入してセンサS1への像を低倍率結像光学系に切り替え(S203)、FXY1マークの低倍撮像を実施する(S204)。低倍撮像によって、マーク位置を算出する(S205)。
【0022】
中倍系または低倍系のマーク位置が求められると、高倍系計測のためマークずらし量dx,dyが決定する(S116)。中倍系でのdx,dyは図2(b)に示されるdx1,dy1である。低倍系でのdx,dyは図2(c)に示されるdx2,dy2である。ずらし量dx,dyがそれぞれ高倍系計測のためにステージを移動する必要のない距離であれば、すなわち許容範囲内であれば高倍系側で撮像したアライメントマークの像は正確な位置を求めることが可能な像であるのでS113,S114で計算されたFX,FYマーク位置を採用しマーク位置検出を終了する(S117)。もしも許容範囲を超えていた場合、正しいアライメントマークが高倍系側で撮像されていないので、dx,dyだけステージをずらし(S118)、再度高倍系の撮像を行う(S119,S120)。最後にマーク位置検出(S121,S122)を行い、FX,FYマーク位置を決定する。
【0023】
第2のアライメントマークFXY2へ移動し(S103)、第2のマークも中倍系、高倍系同時計測が必要なのでS10のフローでマーク位置FX2,FY2を算出する。ただし、メカニカルアライメントのオフセットが大きくずれていて、第1のマークで移動可能なミラーMMを低倍側に切り替えている場合、第2のマークも大きくずれる可能性があるので、ミラー位置は維持する。もちろん、MMを中倍系側に戻しても構わない。
【0024】
第3、第4のマーク位置を算出するために、FXY1,FXY2マークのFX1,FY1,FX2,FY2から求められる第3、第4マークの目標位置のずれShift X ,Shift Yおよび回転成分θおよび、ウエハ倍率成分Magを求める(S219)。Shift X ,Shift Yおよびθは、ウエハがCHに載せられた際のずれ量であり、Magはウエハ上のショットパターンの伸び量である。この量が大きいと、第3、第4のマーク位置へ直接移動してもアライメントスコープの真下にマークを移動させることができない。そこで、θ量とMag量およびShift X ,Shift Yの量に基づいて、ウエハのショットレイアウトとステージ座標系のずれを計算する。すなわちウエハ上の格子をステージの格子に合わせる際の微小補正量を求める。第3、第4マークをアライメントスコープ位置に追い込む際に前記微小補正量を反映させる。そうすることで、低倍系で処理しなくとも第3、第4マークは高倍系で直接観察することが可能となる。
【0025】
このとき、θの補正をウエハが乗っているチャックCH、あるいはステージSTGを回転させる事も構わない。ただし、回転動作を加えるとウエハ処理時間が長くなる場合がある。よって、本特許で回転操作を加えない事が望ましい。第1のマークから第4マークまで計測が完了すると、ウエハアライメントが完了する。
【0026】
図1の構成は、オフアクシスアライメント方式の半導体製造装置で説明したが、TTLアライメント方式でも、レチクル(Mask)を通してウエハのマークを観察するTTRアライメント方式であっても、中倍系と、高倍系を同時に観察することのできるスコープを使用し、中倍系の視野から外れている場合、さらに倍率を低くして観察するならば、方式はとわない。また、アライメントマークの数も実施例で示した4マークに限ったことは無い。
【0027】
【実施例2】
高倍と中倍を同時に観察でき、中倍を低倍系に切り替えることが可能なるアライメントスコープを用いたアライメント方法で、他の実施例を示す。なお、基本的なハード構成、アライメントマークおよび計測のフローは実施例1と同じなので詳細は省略し、差異を述べる。
【0028】
メカニカルアライメントオフセットが大きくずれるのは、オフセット量の異なる他の露光装置で第1レイアーを露光するからである。ウエハの処理は通常、1枚単位ではなく、LOT単位である。1LOTは、1枚から数十枚、数百枚の単位で処理される。従って、第1レイアーを同じ露光装置で1LOT処理すると、メカニカルアライメントオフセットはほぼ同量である。
【0029】
第1ウエハのグローバルアライメントでは、中倍の視野から外れる可能性はもともと高い事が予想できる。そこで、LOT処理する1枚目のウエハは、高倍と中倍系の同時観察から始めず、最初から移動可能なミラーMMを低倍系に切り替えて低倍検出を優先させることも効率的である。2枚目からは、ミラーMMを中倍系に切り替え、1枚目のウエハで算出済みのdx,dyすなわちメカニカルアライメントオフセットを2枚目以降のウエハに反映させることで、高倍・中倍系同時観察によるアライメントは成立する。以上の方法で、1枚目のウエハも2枚目のウエハもグローバルアライメント処理時間が短縮され、スループットが向上する。
【0030】
また、最初の1枚目で処理するウエハを低倍系で検出する場合、低倍系での検出率が高いように配慮された専用マークを使う方法もある。その場合、低倍専用マークと高倍検出マークの距離は予め既知であるので、低倍専用マークの検出位置のずれに左記既知の距離を加えただけ移動することによって高倍系でのマークを追い込むことが可能となる。
【0031】
【発明の効果】
高倍系、中倍系、低倍系という3種類の光学系を有するアライメントスコープによって高速で高精度なアライメントと、メカニカルアライメントのオフセットなど吸収できる検出率の高いグローバルアライメントを提案した。本発明により、スループットを落とすことなくアライメントの対応力が高まった。
【0032】
さらに、低倍・高倍同時検出マークの結果に基づいて高倍のみ検出するマークへのステージ送り込み移動量をウエハとステージ間の回転成分θと倍率成分MagおよびShift X, Shift Yを補正したことによって、高倍での検出では正確にマーク位置検出ができる。もちろん、回転成分の補正にステージのθ回転動作を伴わない方法、すなわちθ成分をX,Yに分離したステージ移動による追い込みによってマーク位置を追い込むことにより、θ回転動作に起因するスループット低下を防いだ。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示す半導体製造装置の概略図である。
【図2】アライメントマークの低倍視野、中倍視野、高倍視野の模式図である。
【図3】実施例を示すフローチャートである。
【図4】実施例を説明するためのアライメントマークをウエハに配置した様子を示す図である。
【図5】従来の半導体製造装置の概略図である。
【図6】従来のアライメントを示すフローチャートである。
【符号の説明】FXY1〜FXY4,FX1〜FX4,FY1〜FY4:グローバルアライメントマーク、W:ウエハ、N:ノッチ、CH:チャック、STG:ステージ、P:マーク位置算出処理装置、Li:アライメントマーク照明光源、MC:半導体製造装置制御装置、MA:メカニカルアライメント装置、S1:低倍・中倍検出センサ、S2:高倍検出センサ、M1,M2、M3,MM:ミラー、L1:低倍率光学系、L2:中倍率光学系、L3:高倍率光学系。
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体露光装置で、ウエハの位置をアライメントするための位置合わせマークと左記マークを用いたアライメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5と、図4、フロー図6を用いて従来の、半導体製造装置でのウエハアライメントを説明する。ウエハが半導体製造装置に供給されると、ウエハの外周とオリフラまたはノッチと呼ばれる印(図4 N)を用いてメカニカルな位置合わせをMAで行い、ウエハのラフな位置を決定する。メカニカルな位置合わせ精度は20μm程度である。次にウエハは不図示のウエハ供給装置でチャックCHに載せられ、グローバルアライメントを行う。グローバルアライメントは、図4に示されるFXY1〜4のマークを検出し、計測しウエハのX,Y方向のずれと、回転成分、および、ショット配列の倍率成分を求めるものである。グローバルアライメントの精度は、今日の256Mbitのメモリを製造するマシンにおいては50nm以下の精度になる。
【0003】
グローバルアライメント時のマークの観察は、ステージSTG上のウエハチャックCHに吸着されたウエハWをスコープSCで観察する。スコープSCは、2種類の倍率を持つ顕微鏡とセンサで構成されている。Liから照明光はハーフミラーM1を介してW上のアライメントマークを照明する。アライメントマークの反射光はM1を透過して、ハーフミラーM3で分割され、一方は低倍レンズL2を介してセンサS1上に結像する。もう一方は高倍レンズL3を介してセンサS2に結像する。
【0004】
センサS1,S2に結像した像は光電変換され、処理装置Pでマーク位置計算する。マーク位置の計算は低倍系と高倍系の2種類のセンサで行われる。実際のマーク位置は、高倍系のS2センサの像で決定する。2種類のセンサで計測が行われる理由を次に示す。図2(a)は高倍系の視野HFである。低倍系の視野は図2(b)に示される範囲MFである。低倍系でメカニカルアライメントの結果がセンサS2の視野に入っているかを確認し、視野内であれば高倍センサの計算結果を採用する。もし、入っていない場合、S1の視野に追い込むための微小移動量dx,dyを算出する。こうすることによって、メカニカルアライメントの誤差があったとしても、精度よく、高速にグローバルアライメントを終了させている。次に、図6を用いて具体的に処理フローを説明する。グローバルアライメントS100は最初にFXY1へ移動する(S101)。FX1,FX2の位置を測定する(S102)。測定はS10のフローとなっている。このフローでは高倍系センサS2がX計測高倍率センサと、Y計測高倍率センサにさらに分割されている場合を示す。この場合、ラインセンサなどが使われる。もちろん、イメージセンサでX,Yマークを撮像してもよい。Xの高倍撮像(S110)、Yの高倍撮像(S111)、低倍撮像(S112)を同時に行う。ただし特に同時である必要もない。同時のほうが、より高速である。FXマークの位置算出(S113)、FYマークの位置算出(S114)、低倍マーク位置算出(S115)を行い、S115の結果で高倍検出のための視野へ追い込む量dx,dyを算出し(S116)、その量が許容範囲内であるか判断する(S117)。許容範囲内であれば、S113,S114で算出した結果を採用する。範囲外であれば、dx,dyの量だけ微小移動し(S118)、Xの高倍撮像(S119)、Yの高倍撮像(S120)、FXマークの位置算出(S121)、FYマークの位置算出(S122)を行う。
【0005】
FXY1の位置が計算されたら、FXY2へ移動し(S103)同じ方法でFX2,FY2のマーク位置を算出する(S104)。2つのマーク位置が正確に求められると、チャックCH上のウエハWの位置は概略求められる。その結果を反映しFXY3,FXY4の目標位置を再計算する(S105)。概略が求められると、マーク位置は高倍系の視野に入るようになり、S106,S107でFX3,FY3,FX4,FY4のマーク位置を算出し、グローバルアライメントが終了する。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】
メカニカルアライメントの誤差が20um 程度であれば、低倍系と高倍系を使ったグローバルアライメントによって、高速に精度よくウエハの位置を求めることが可能である。しかし、メカニカルアライメントはステージ上で行われず、外部で行われる。そのため、ウエハをハンドでチャック上に置く際に生じる誤差が20μm以下であっても、異なる装置で作成したウエハの場合、絶対値の誤差が20μmを超える場合がある。この量をオフセットという。再現性が小さくてもオフセットのばらつきが生じることがあるのである。よって、低倍系で観察した際にマークが視野から外れてしまう可能性がある。
【0007】
上記問題を解決する手段として下記2つの方法が従来から考えられてきた。
1)低倍系の倍率をさらに低くしておく。
2)マークが見付からなかった場合、視野範囲の周辺をステージを動かしながらマークを探す
上記1)のデメリットは、低倍系の検出率が下がることである。マークの大きさをある程度の大きさを維持しなければ確実にマーク位置を判別することが難しくなる。また、類似パターンが視野内に入った場合、誤検出する可能性が高くなる。その対策として、画像処理の前処理、検出処理を強化することにより、可能な限り誤検出を防止しなければいけない。そのような対策は複雑で時間のかかる処理になり、スループットを下げてしまう。2)のデメリットはマークを探す時間が長くなる点である。
【0008】
【課題を解決する手段】
上記問題を解決するため、従来例で示した低倍系よりさらに低い倍率でアライメントマークを観察することが可能な光学系を追加することによって、メカニカルアライメントのオフセット量を含む誤差を測定することとする。そこで、ここより従来の低倍系を中倍系と定義し、従来の低倍より低い倍率を低倍系と定義を変えて説明する。
【0009】
中倍系で検出した際、マーク検出のエラーが発生した場合、中倍系から低倍系へレンズを切り替え、より広い視野を撮像した画像からマーク位置を算出し、高倍系で観察するためのずらし量を計算する。
【0010】
やむをえず低倍系に切り替える場合、処理時間は長くなるが検出率の低下をおさえながら広範囲のマーク位置検出を実施する。しかし、通常は中倍系での検出を優先するため、より高速で高い検出率が維持される。
【0011】
高倍系、中倍系、低倍系の3種類の検出系を持つことにより、高速・高精度だけでなく、メカニカルアライメントのオフセット誤差を含む視野範囲を確保することによって、検出率が向上する。検出率の向上により、装置が止まることなく、安定した半導体生産を維持することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
【実施例1】
グローバルアライメントで使用するアライメントマークの例を図2(a) AMに示す。このマークはグローバルアライメントにおいてX方向の計測とY方向の計測を同時に行うことが可能なマークである。
【0013】
グローバルアライメントでは図2(a)に示されるウインドウX内のマークを高倍率のスコープ(高倍率検出系)で観察し同時にウインドウY内のマークを高倍率検出系で観察し、プリアライメントの時よりさらに細かな分解能でマーク位置を検出する。
【0014】
次に、図1と図4を用いて、グローバルアライメントを説明する。ウエハが半導体製造装置に供給されると、ウエハの外周とオリフラまたはノッチと呼ばれる印(図4 N)を用いてメカニカルな位置合わせをMAで行い、ウエハのラフな位置を決定する。次にウエハは不図示のウエハ供給装置でチャックCHに載せられグローバルアライメントを行い、正確にウエハの位置および、露光ショットの位置が求められる。グローバルアライメントは、高い倍率のスコープ(高倍率検出系)を用いてウエハ上の複数のグローバルアライメントマークFXY1〜FXY4におけるX方向の計測マークFX1〜4、およびY方向の計測マークFY1〜4を計測しウエハのX,Y方向のずれと、回転成分、および、ショット配列の倍率成分を求める。
【0015】
次に図2(a)AMに示されるマークを、中倍系と高倍系を同時に観察し、さらに中倍系は低倍系に切り替えることができるスコープについて詳細に説明する。図1に示すウエハアライメント用の顕微鏡SCは、中倍系と、高倍系を同時に観察し、マーク位置検出処理できるようになっている。照明光は、Liからスコープ内に導光され、ハーフミラーM1(又は偏光ビームスプリッタ)を通り、ウエハ上のマークを照明する。例えば図4のマークFX1を照明する。ウエハからの反射光は、ハーフミラーM1,M2、M3と高倍系レンズL3を通って、高倍率検出センサS2に届く。同様に、ウエハからの反射光はハーフミラーM1,M2,M3と中倍系レンズL2と通り中倍率検出センサS1に届く。S1,S2で撮像された画像や信号は、処理装置Pでマーク位置が計測される。
【0016】
検出センサS1の手前には移動可能なミラーMMが構成されている。ミラーMMを光軸内に挿入すると、ハーフミラーM2で反射し低倍系レンズL1を通ったウエハからの反射光がセンサS1に撮像される。MMを出し入れすることによって、S1で撮像される視野が中倍系と低倍系を切り替える。
【0017】
通常MMは光軸内に挿入しないで使用するので、高倍系と中倍系を同時観察する。この場合、アクチュエータの切り替えが不要である。また、高倍系と中倍系の反射光の違いに関しては、S1、S2センサの蓄積時間を変えるなどして、照明側の切り替えを行わないようにしている。本発明では特に蓄積時間に関しては説明しない。
【0018】
次に図2を用いて、高、中、低倍系の倍率と視野およびアライメントマークの関係を説明する。図2(a)は高倍系の観察可能視野HFである。X,Yマークそれぞれの移動可能範囲はほとんどない。図2(b)は中倍系の観察可能視野MFである。HFより広い視野を有しており、高倍系、中倍系同時観察時に高倍視野に追い込むための微小移動量をdx,dyを算出する。図2(c)は低倍系の観察可能視野LFである。MFより広い観察領域を持っている。
【0019】
次に、図2のマークと図1に示されるアライメントスコープを用いた高速なウエハアライメントを説明する。ハーフミラーM3で分割され、透過した光は高倍率検出結像光学系L3を通して、光電変換素子(蓄積時間可変カメラ)S2に導光され、アライメントマークAM像を素子上に結像する。さらに、ハーフミラーM3で分割された光は中倍率結像光学系L2を通して、光電変換素子(蓄積時間可変カメラ)S1に導光され、アライメントマークAM像を素子上に結像する。このとき、同時にS1,S2の光電変換素子にアライメントマークAM像を結像させる。同時に結像させることによって、図2(b)に示されるずれ量dx1,dy1が許容範囲より小さい場合、高倍率検出系の光電変換素子上には正確な位置計測が可能なアライメントマークAMの像が結像していることになる。さらに、dx1,dy1のずれ量が許容範囲内であればそのときに取り込んだアライメントマークによる高倍系センサS2の信号で求められたアライメントマーク位置の計算結果は有効である。許容範囲とは図2(a)に示されるウインドウXおよびウインドウYにマークが入っていると判断されるずれ量である。従って、中倍系計測で求められたずれ量dx1,dy1が許容範囲内であれば最も高速に高倍系検出位置を決定することが可能となる。
【0020】
もしも、中倍系計測でマーク位置が検出されなかった場合は、中倍系の検出可能範囲外にマークが存在することになる。マークが中倍系の範囲外に存在すると判断された場合、移動可能なミラーMMを光軸内に挿入し、ハーフミラーM2で反射し、低倍率結像光学系L1を通じて光電変換素子S1に導光され、アライメントマークAM像を素子上に結像する。ここで図2(c)に示されるずれ量dx2、dy2が求められる。
【0021】
次に図3に示すフローチャートを用いて説明する。ウエハの露光に関する概略フローは図6に示されるS100〜S107と何ら変わらない。本実施例ではマーク位置を算出するS10が図3に示すフローとなる。グローバルアライメントが始まると、最初の計測マークFXY1へ移動する(S101)。なお、中倍系、高倍系同時検出に使用されるマークはFXY1とFXY2の2箇所とした。最初のFXY1では、中倍系・高倍系検出を行うマークであるので、移動可能なミラーMMを光軸から外した状態で、中倍撮像、高倍X撮像、高倍Y撮像を同時に行う(S110、S111,S200)。取り込まれた像はマーク位置の算出が行われる。高倍系に関してはマークが正しく撮像されていない可能性もあるが、マーク位置を計算する(S113、S114,S201)。中倍系はメカニカルアライメントの再現性の範囲で視野内にマークが入るほど広い範囲で撮像しているので、マーク位置は求められる。しかし、例えばメカニカルアライメントオフセットが大きくずれているウエハが挿入されると、中倍系の視野ではマーク位置が検出できない場合がある。その場合、中倍系でのマーク検出を判断し(S202)、検出できなかった場合、移動可能なミラーMMを光軸に挿入してセンサS1への像を低倍率結像光学系に切り替え(S203)、FXY1マークの低倍撮像を実施する(S204)。低倍撮像によって、マーク位置を算出する(S205)。
【0022】
中倍系または低倍系のマーク位置が求められると、高倍系計測のためマークずらし量dx,dyが決定する(S116)。中倍系でのdx,dyは図2(b)に示されるdx1,dy1である。低倍系でのdx,dyは図2(c)に示されるdx2,dy2である。ずらし量dx,dyがそれぞれ高倍系計測のためにステージを移動する必要のない距離であれば、すなわち許容範囲内であれば高倍系側で撮像したアライメントマークの像は正確な位置を求めることが可能な像であるのでS113,S114で計算されたFX,FYマーク位置を採用しマーク位置検出を終了する(S117)。もしも許容範囲を超えていた場合、正しいアライメントマークが高倍系側で撮像されていないので、dx,dyだけステージをずらし(S118)、再度高倍系の撮像を行う(S119,S120)。最後にマーク位置検出(S121,S122)を行い、FX,FYマーク位置を決定する。
【0023】
第2のアライメントマークFXY2へ移動し(S103)、第2のマークも中倍系、高倍系同時計測が必要なのでS10のフローでマーク位置FX2,FY2を算出する。ただし、メカニカルアライメントのオフセットが大きくずれていて、第1のマークで移動可能なミラーMMを低倍側に切り替えている場合、第2のマークも大きくずれる可能性があるので、ミラー位置は維持する。もちろん、MMを中倍系側に戻しても構わない。
【0024】
第3、第4のマーク位置を算出するために、FXY1,FXY2マークのFX1,FY1,FX2,FY2から求められる第3、第4マークの目標位置のずれShift X ,Shift Yおよび回転成分θおよび、ウエハ倍率成分Magを求める(S219)。Shift X ,Shift Yおよびθは、ウエハがCHに載せられた際のずれ量であり、Magはウエハ上のショットパターンの伸び量である。この量が大きいと、第3、第4のマーク位置へ直接移動してもアライメントスコープの真下にマークを移動させることができない。そこで、θ量とMag量およびShift X ,Shift Yの量に基づいて、ウエハのショットレイアウトとステージ座標系のずれを計算する。すなわちウエハ上の格子をステージの格子に合わせる際の微小補正量を求める。第3、第4マークをアライメントスコープ位置に追い込む際に前記微小補正量を反映させる。そうすることで、低倍系で処理しなくとも第3、第4マークは高倍系で直接観察することが可能となる。
【0025】
このとき、θの補正をウエハが乗っているチャックCH、あるいはステージSTGを回転させる事も構わない。ただし、回転動作を加えるとウエハ処理時間が長くなる場合がある。よって、本特許で回転操作を加えない事が望ましい。第1のマークから第4マークまで計測が完了すると、ウエハアライメントが完了する。
【0026】
図1の構成は、オフアクシスアライメント方式の半導体製造装置で説明したが、TTLアライメント方式でも、レチクル(Mask)を通してウエハのマークを観察するTTRアライメント方式であっても、中倍系と、高倍系を同時に観察することのできるスコープを使用し、中倍系の視野から外れている場合、さらに倍率を低くして観察するならば、方式はとわない。また、アライメントマークの数も実施例で示した4マークに限ったことは無い。
【0027】
【実施例2】
高倍と中倍を同時に観察でき、中倍を低倍系に切り替えることが可能なるアライメントスコープを用いたアライメント方法で、他の実施例を示す。なお、基本的なハード構成、アライメントマークおよび計測のフローは実施例1と同じなので詳細は省略し、差異を述べる。
【0028】
メカニカルアライメントオフセットが大きくずれるのは、オフセット量の異なる他の露光装置で第1レイアーを露光するからである。ウエハの処理は通常、1枚単位ではなく、LOT単位である。1LOTは、1枚から数十枚、数百枚の単位で処理される。従って、第1レイアーを同じ露光装置で1LOT処理すると、メカニカルアライメントオフセットはほぼ同量である。
【0029】
第1ウエハのグローバルアライメントでは、中倍の視野から外れる可能性はもともと高い事が予想できる。そこで、LOT処理する1枚目のウエハは、高倍と中倍系の同時観察から始めず、最初から移動可能なミラーMMを低倍系に切り替えて低倍検出を優先させることも効率的である。2枚目からは、ミラーMMを中倍系に切り替え、1枚目のウエハで算出済みのdx,dyすなわちメカニカルアライメントオフセットを2枚目以降のウエハに反映させることで、高倍・中倍系同時観察によるアライメントは成立する。以上の方法で、1枚目のウエハも2枚目のウエハもグローバルアライメント処理時間が短縮され、スループットが向上する。
【0030】
また、最初の1枚目で処理するウエハを低倍系で検出する場合、低倍系での検出率が高いように配慮された専用マークを使う方法もある。その場合、低倍専用マークと高倍検出マークの距離は予め既知であるので、低倍専用マークの検出位置のずれに左記既知の距離を加えただけ移動することによって高倍系でのマークを追い込むことが可能となる。
【0031】
【発明の効果】
高倍系、中倍系、低倍系という3種類の光学系を有するアライメントスコープによって高速で高精度なアライメントと、メカニカルアライメントのオフセットなど吸収できる検出率の高いグローバルアライメントを提案した。本発明により、スループットを落とすことなくアライメントの対応力が高まった。
【0032】
さらに、低倍・高倍同時検出マークの結果に基づいて高倍のみ検出するマークへのステージ送り込み移動量をウエハとステージ間の回転成分θと倍率成分MagおよびShift X, Shift Yを補正したことによって、高倍での検出では正確にマーク位置検出ができる。もちろん、回転成分の補正にステージのθ回転動作を伴わない方法、すなわちθ成分をX,Yに分離したステージ移動による追い込みによってマーク位置を追い込むことにより、θ回転動作に起因するスループット低下を防いだ。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示す半導体製造装置の概略図である。
【図2】アライメントマークの低倍視野、中倍視野、高倍視野の模式図である。
【図3】実施例を示すフローチャートである。
【図4】実施例を説明するためのアライメントマークをウエハに配置した様子を示す図である。
【図5】従来の半導体製造装置の概略図である。
【図6】従来のアライメントを示すフローチャートである。
【符号の説明】FXY1〜FXY4,FX1〜FX4,FY1〜FY4:グローバルアライメントマーク、W:ウエハ、N:ノッチ、CH:チャック、STG:ステージ、P:マーク位置算出処理装置、Li:アライメントマーク照明光源、MC:半導体製造装置制御装置、MA:メカニカルアライメント装置、S1:低倍・中倍検出センサ、S2:高倍検出センサ、M1,M2、M3,MM:ミラー、L1:低倍率光学系、L2:中倍率光学系、L3:高倍率光学系。
Claims (20)
- 被検出物体の位置を検出する位置検出装置に於いて、該検出装置は該被検出物体に光を照射する照明手段と前記被検出物体からの光を受光する倍率の異なる複数の検出光学系を有し、前記検出光学系からの光を光電変換する複数の光電変換素子を有し、該複数の光電変換素子の信号情報より該被検出物体の位置を算出する位置検出において前記複数の光電変換素子の信号取り込みを同時に行い、同時に計測することを特徴とする位置検出装置又は該位置検出装置を備えた半導体露光装置。
- 前記位置検出装置において、少なくとも異なる3種類の倍率を有する検出光学系で構成されることを特徴とする請求項1記載の位置検出装置又は該位置検出装置を備えた半導体露光装置。
- 前記位置検出装置において、中倍率の検出と、高倍率の検出を同時に行い、中倍率の光電変換素子での計測位置が予め決められた範囲内の場合、前記同時に計測を行った高倍率の計測位置を採用する事を特徴とする請求項1、2記載の位置検出装置又は該位置検出装置を備えた半導体露光装置。
- 前記位置検出装置に於いて、複数の光電変換素子の中で、中倍率の計測位置が予め決められた範囲内の場合、高倍の計測位置を採用し、範囲を超えていた場合、計測位置に基づいて検出物体の位置をずらす事を特徴とする請求項1,2,3記載の位置検出装置又は該位置検出装置を備えた半導体露光装置。
- 前記位置検出装置において、低倍率の検出と、高倍率の検出を同時に行い、低倍率の光電変換素子での計測位置が予め決められた範囲内の場合、前記同時に計測を行った高倍率の計測位置を採用する事を特徴とする請求項1,2記載の位置検出装置又は該位置検出装置を備えた半導体露光装置。
- 前記位置検出装置において、中倍率の検出と、高倍率の検出を同時に行い、中倍率の光電変換素子での計測位置が検出できない場合、低倍率に切り替え、低倍率の光電変換素子での計測位置に基づいて検出物体の位置をずらす事を特徴とする請求項1,2,3,4記載の位置検出装置又は該位置検出装置を備えた半導体露光装置。
- 請求項1〜6の位置検出装置又は該位置検出装置を備えた半導体露光装置は、ウエハ上に設定された複数のアライメントマークのうち、中倍計測または低倍計測と高倍計測を同時に行うマーク、および高倍計測だけ行うマークを設定することを特徴とする。
- 請求項7の位置検出装置又は該位置検出装置を備えた半導体製造装置において、高倍計測だけを行うマークを計測する前に、中倍計測または低倍計測と高倍計測を同時に行ったマーク計測位置に基づいてステージ上に乗っているウエハとステージの線形ずれ成分を計算し、線形ずれ成分を補正するようにステージを動かし、高倍計測専用マーク位置に前記光電変換素子をあわせることを特徴とする半導体露光装置。
- 請求項6の位置検出装置又は該位置検出装置を備えた半導体製造装置において、低倍計測で使用するマークを低倍専用マークとすることを特徴とする位置検出装置又は該位置検出装置を備えた半導体露光装置。
- 請求項8の位置検出装置又は該位置検出装置を備えた半導体製造装置において、前記線形成分を補正する際、X,Y方向の補正成分に分解しステージのX,Y移動により、高倍計測専用マーク位置に前記光電変換素子をあわせることを特徴とする半導体露光装置。
- 被検出物体の位置を検出する位置検出装置に於いて、該検出装置は該被検出物体に光を照射する照明手段と前記被検出物体からの光を受光する倍率の異なる複数の検出光学系を有し、前記検出光学系からの光を光電変換する複数の光電変換素子を有し、該複数の光電変換素子の信号情報より該被検出物体の位置を算出する位置検出において前記複数の光電変換素子の信号取り込みを同時に行い、同時に計測することを特徴とする位置検出方法又は該位置検出方法を備えた半導体露光方法。
- 前記位置検出方法において、少なくとも異なる3種類の倍率を有する検出光学系で構成されることを特徴とする請求項11記載の位置検出方法又は該位置検出方法を備えた半導体露光方法。
- 前記位置検出方法において、中倍率の検出と、高倍率の検出を同時に行い、中倍率の光電変換素子での計測位置が予め決められた範囲内の場合、前記同時に計測を行った高倍率の計測位置を採用する事を特徴とする請求項11記載の位置検出方法又は該位置検出方法を備えた半導体露光方法。
- 前記位置検出方法に於いて、複数の光電変換素子の中で、中倍率の計測位置が予め決められた範囲内の場合、高倍の計測位置を採用し、範囲を超えていた場合、計測位置に基づいて検出物体の位置をずらす事を特徴とする請求項11,12,13記載の位置検出方法又は該位置検出方法を備えた半導体露光方法。
- 前記位置検出方法において、低倍率の検出と、高倍率の検出を同時に行い、低倍率の光電変換素子での計測位置が予め決められた範囲内の場合、前記同時に計測を行った高倍率の計測位置を採用する事を特徴とする請求項11,12記載の位置検出方法又は該位置検出方法を備えた半導体露光方法。
- 前記位置検出方法において、中倍率の検出と、高倍率の検出を同時に行い、中倍率の光電変換素子での計測位置が検出できない場合、低倍率に切り替え、低倍率の光電変換素子での計測位置に基づいて検出物体の位置をずらす事を特徴とする請求項11,12,13,14記載の位置検出方法又は該位置検出方法を備えた半導体露光方法。
- 請求項11〜16の位置検出方法又は該位置検出方法を備えた半導体露光方法は、ウエハ上に設定された複数のアライメントマークのうち、中倍計測または低倍計測と高倍計測を同時に行うマーク、および高倍計測だけ行うマークを設定することを特徴とする。
- 請求項17の位置検出方法又は該位置検出方法を備えた半導体製造方法において、高倍計測だけを行うマークを計測する前に、中倍計測または低倍計測と高倍計測を同時に行ったマーク計測位置に基づいてステージ上に乗っているウエハとステージの線形ずれ成分を計算し、線形ずれ成分を補正するようにステージを動かし、高倍計測専用マーク位置に前記光電変換素子をあわせることを特徴とする半導体露光方法。
- 請求項16の位置検出装置又は該位置検出装置を備えた半導体製造装置において、低倍計測で使用するマークを低倍専用マークとすることを特徴とする位置検出方法又は該位置検出方法を備えた半導体露光方法。
- 請求項18の位置検出方法又は該位置検出方法を備えた半導体製造方法において、前記線形成分を補正する際、X,Y方向の補正成分に分解しステージのX,Y移動により、高倍計測専用マーク位置に前記光電変換素子をあわせることを特徴とする半導体露光方法。
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