JP2004157179A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現像バイアスを種々の値に設定しながらパッチ画像を形成して(ステップS11)、各パッチ画像の画像濃度を検出し(ステップS12)、その検出結果に基づき画像濃度が目標濃度と一致する現像バイアスの最適値を求める(ステップS14)。ただし、どのように現像バイアスを設定しても画像濃度が不足する場合には(ステップS13)、装置の異常と判定する。このとき、トナーカウンタにより求めた現像器内のトナー残量をチェックし(ステップS15)、その残量が所定値を下回っていれば、トナーエンドと判定する(ステップS17)。一方、トナー残量が所定値以上であれば、濃度不足はトナーエンドによるものでなく、装置本体の異常によるものと判定する。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、静電潜像をトナーにより顕像化することで画像を形成する電子写真方式の画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術を応用した複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置では、所定の表面電位に帯電された像担持体上に静電潜像が形成されるとともに、像担持体と対向配置されてトナーを担持するトナー担持体と、静電潜像を担持する像担持体との間に印加された現像バイアスの作用により、トナーがトナー担持体から像担持体上に移動することでトナー像が形成される。
【0003】
この種の画像形成装置では、装置各部に与えるバイアス電位を始めとする様々な要素からなる画像形成条件を変化させることで画像濃度などの画像品質を制御できることが従来より知られている。また、装置の個体差や温湿度など装置の周囲環境の変化に起因してトナー像の画像濃度が異なることがある。そこで、上記要素のうち画像濃度に影響を与える濃度制御因子を調整することで画像濃度を制御する濃度制御技術が従来より提案されている。
【0004】
例えば、本件出願人は、現像バイアスおよび帯電バイアスを濃度制御因子として用いた画像形成装置を既に開示している(特許文献1参照)。この画像形成装置では、濃度制御因子としての現像バイアスおよび帯電バイアスを変更設定することで画像形成条件を種々に変化させるとともに、各条件でテスト用の小画像(パッチ画像)を形成する。そして、各パッチ画像の画像濃度を検出し、その検出結果に基づいて所望の画像濃度(目標濃度)を得るための画像形成条件を求めている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−100471号公報(図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この種の画像形成装置では、装置各部の劣化や、トナーの残量低下およびその特性の疲労劣化等に起因して、同一条件で形成された画像の画像濃度が経時的に変化してゆくことが知られている。一般には、像担持体の性能劣化やトナーの帯電性低下等により、画像濃度が次第に低下してゆく場合が多い。こうして画像濃度が経時的に変化してゆくため、濃度制御因子の調整による目標濃度の達成が次第に困難となる場合がある。
【0007】
このような画像濃度の変化に対しては、画像形成条件の可変範囲を広く取り、画像濃度の制御範囲を広くすることによって対応することが可能である。しかしながら、近年における高画質化、画像サイズの大型化およびプロセスの高速化等に対する要求の高まりに伴い、部品精度あるいはトナー特性に対する要求も厳しくなっている。これに伴って、画像形成条件に対する制約も厳しくなり、濃度制御因子の調整範囲を広く取ることが困難となってきている。そこで、濃度制御因子の調整範囲を所定範囲に収め、しかも、画像濃度が大きく変化した場合にも適切に対応することのできる濃度制御技術の確立が望まれている。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、濃度制御因子を調整することで画像濃度を制御する画像形成装置および画像形成方法において、濃度制御因子の調整範囲を適正な範囲に収め、しかも、画像濃度が大きく変化した場合にも適切に対応することのできる濃度制御技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、画像濃度に影響を与える濃度制御因子を所定の調整範囲内で調整することによって画像濃度が所定の目標濃度となるように制御しながら画像形成動作を実行する画像形成装置において、上記目的を達成するため、前記濃度制御因子の調整により制御可能な画像濃度の上限値が前記目標濃度に達しないときに、装置の異常が発生したと判定する判定手段を備えることを特徴としている。
【0010】
このような画像形成装置では、画像濃度を目標濃度に制御することができるように、濃度制御因子の調整範囲を定める必要がある。つまり、濃度制御因子の調整による画像濃度の制御範囲内に目標濃度が含まれるようにする必要がある。しかしながら、上記したように、画像濃度の制御範囲は経時的に変化してゆくため、濃度制御因子をどのように調整しても画像濃度が目標濃度とならない場合がありうる。このような場合に対応すべく濃度制御因子の調整範囲をむやみに広げることは、他の不具合を引き起こすおそれがあり好ましくない。
【0011】
そこで、この発明では、濃度制御因子の調整により制御可能な画像濃度の上限値が前記目標濃度に達しない、つまり画像濃度不足のときには、装置に何らかの異常が発生したものと判定する。すなわち、本来は濃度制御因子を所定範囲内で調整することにより達成可能なはずの目標濃度が、その範囲を超えてさらに大きく濃度制御因子を変化させなければ達成できないような状態は、装置の動作が正常である限りは通常起こり得ない状態である。そこで、このような状態を何らかの異常によるものとして取り扱うことで、装置の動作異常を早期に検知することができるとともに、濃度制御因子の調整範囲を無理に広げることなく、適正な範囲に収めることが可能となる。
【0012】
このように目標濃度を達成できなくなる主要な原因の1つは、画像形成動作を実行するときに十分な量のトナーが供給されないことである。すなわち、装置に貯留されたトナーの残量が少ない場合や、トナーの疲労が進んでその特性が劣化してしまった場合に、このような画像濃度不足は発生しやすい。そこで、前記装置の異常とは、装置に貯留されたトナーの残量不足であるとしてもよい。ここでいうトナーの「残量」とは、単に装置内に存在するトナーの絶対量のことではなく、画像形成に供するに十分な特性を有するトナーの量を示している。つまり、装置内に所定量以上のトナーが残っていたとしても、その性能が劣化して画像形成に供することができない状態であれば、もはや「十分なトナー残量がある」とはいえない。したがって、画像濃度不足を理由としてトナー残量不足と判定して差し支えない。
【0013】
また、より高い精度でトナーの残量不足を検出するために、前記判定手段は、前記濃度制御因子の調整により制御可能な画像濃度の上限値が前記目標濃度に達せず、かつ、装置に貯留されたトナーの残量が所定値未満であるときに、前記トナーの残量不足と判定するようにしてもよい。つまり、単純に画像濃度不足のみを理由としてトナー残量不足とするのではなく、何らかの方法で求めた装置内のトナー残量が所定の基準値を下回っているという条件を加えることで、トナー残量の低下をより精度よく判定することが可能となる。
【0014】
また、上記した画像形成装置において、前記判定手段は、前記濃度制御因子の調整により制御可能な画像濃度の上限値が前記目標濃度に達せず、かつ、装置に貯留されたトナーの残量が所定値未満であるときには、前記装置の異常として前記トナーの残量不足と判定するようにしてもよい。さらに、前記濃度制御因子の調整により制御可能な画像濃度の上限値が前記目標濃度に達せず、かつ、装置に貯留されたトナーの残量が所定値以上であるときには、前記装置の異常として装置本体の動作不良と判定するようにしてもよい。こうすることで、画像濃度不足を生じる原因のうち、トナーの残量不足に起因するものと、それ以外に起因するものとを高い確率で区別することができ、それぞれの状況に応じた適切な対応を取ることが可能となる。
【0015】
このように、画像濃度不足が発生したときに、その時点でのトナー残量の大小に応じて適切な対応をするために、前記トナーの残量を検出するトナー残量検出手段をさらに備えるようにしてもよい。このようなトナーの残量を求める技術は従来より多数提案されており、この発明においてもこれらの公知技術をはじめとする各種の手法を採ることができる。
【0016】
また、このような画像形成装置においては、パッチ画像として形成された画像の画像濃度を検出する濃度検出手段をさらに備え、前記濃度検出手段による検出結果に基づいて、前記制御可能な画像濃度の上限値を求めるようにしてもよい。こうすることで、実際に形成されたパッチ画像の画像濃度を把握することが可能となるので、実際の画像濃度と目標濃度との対応をより精度よく求めることができる。
【0017】
また、このような画像形成装置においては、前記判定手段が前記異常の発生を判定したときに、異常の発生を報知する報知手段をさらに備えるようにしてもよい。こうすることで、異常の発生をユーザに気づかせることができ、ユーザはそれに応じて適切な対応を取ることで、そのまま画像形成を継続することにより画質の劣悪な画像が形成されてしまったり、より深刻なトラブルを引き起こすのを未然に防止することができる。
【0018】
ここで、前記報知手段は、所定のメッセージを表示可能な表示部を備えるようにしてもよい。すなわち、装置に異常が発生した場合には、その旨を知らせるメッセージを表示することによってユーザに報知するようにしてもよい。
【0019】
また、この発明は、画像濃度に影響を与える濃度制御因子を所定の調整範囲内で調整することによって画像濃度が所定の目標濃度となるように制御しながら画像形成動作を実行する画像形成方法において、上記目的を達成するため、前記濃度制御因子の調整により制御可能な画像濃度の上限値が前記目標濃度に達しないときには、報知手段により装置の異常発生を報知することを特徴としている。
【0020】
このように構成された発明では、上記した装置と同様に、濃度制御因子をどのように設定しても画像濃度が目標濃度に達しない場合には、装置の異常をユーザに報知する。そのため、異常の発生を速やかにユーザに気づかせることができ、ユーザはそれに応じて適切な対応を取ることで、そのまま画像形成を継続することにより画質の劣悪な画像が形成されてしまったり、より深刻なトラブルを引き起こすのを未然に防止することができる。また、このように画像濃度の制御範囲を限定し、画像濃度がそこから外れた場合には異常として処理しているので、濃度制御因子の調整範囲を適正な範囲に収めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置では、ユーザからの画像形成要求に応じてホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EGの各部を制御してシートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0022】
このエンジン部EGでは、感光体2が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット3、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部5がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3は帯電制御部103から帯電バイアスが印加されており、感光体2の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。
【0023】
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、露光制御部102から与えられる制御指令に応じて光ビームLを感光体2上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。例えば、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介してメインコントローラ11のCPU111に画像信号が与えられると、エンジンコントローラ10のCPU101が露光制御部102に対し所定のタイミングで画像信号に対応した制御信号を出力し、これに応じて露光ユニット6から光ビームLが感光体2上に照射されて、画像信号に対応する静電潜像が感光体2上に形成される。
【0024】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、図示を省略する回転駆動部、支持フレーム40に対して着脱自在に構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、図2に示すように、現像器制御部104により制御されている。そして、この現像器制御部104からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体2と対向する所定の現像位置に位置決めされて、選択された色のトナーを感光体2の表面に付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0025】
より詳しくは、この現像位置では、当該位置に位置決めされた現像器(図1の例ではイエロー用現像器4Y)に設けられた現像ローラ44が感光体2と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向配置される。そして、現像ローラ44がその表面に摩擦帯電されたトナーを担持しながら回転することによって順次、その表面に静電潜像が形成されている感光体2との対向位置にトナーが搬送される。ここで、現像器制御部104から直流電圧と交流電圧とが重畳された現像バイアスが現像ローラ44に印加されると、現像ローラ44上に担持されたトナーは、感光体2の表面各部にその表面電位に応じて部分的に付着し、こうして感光体2上の静電潜像が当該トナー色のトナー像として顕像化される。
【0026】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。さらに、中間転写ベルト71を挟んでローラ73と対向する位置には、該ベルト71表面に対して不図示の電磁クラッチにより当接・離間移動可能に構成された二次転写ローラ78が設けられている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から取り出されて中間転写ベルト71と二次転写ローラ78との間の二次転写領域TR2に搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部に搬送される。
【0027】
なお、中間転写ベルト71へトナー像を一次転写した後の感光体2は、不図示の除電手段によりその表面電位がリセットされ、さらに、その表面に残留したトナーがクリーニング部5により除去された後、帯電ユニット3により次の帯電を受ける。
【0028】
また、ローラ75の近傍には、クリーナ76、濃度センサ60および垂直同期センサ77が配置されている。これらのうち、クリーナ76は図示を省略する電磁クラッチによってローラ75に対して近接・離間移動可能となっている。そして、ローラ75側に移動した状態でクリーナ76のブレードがローラ75に掛け渡された中間転写ベルト71の表面に当接し、二次転写後に中間転写ベルト71の外周面に残留付着しているトナーを除去する。また、垂直同期センサ77は、中間転写ベルト71の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト71の回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るための垂直同期センサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色で形成されるトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。さらに、濃度センサ60は中間転写ベルト71の表面に対向して設けられており、後述する濃度制御処理において、中間転写ベルト71の外周面に形成されるパッチ画像の光学濃度を測定する。
【0029】
また、図2に示すように、各現像器4Y、4C、4M、4Kには該現像器の製造ロットや使用履歴、内蔵トナーの残量などに関するデータを記憶するメモリ91〜94がそれぞれ設けられている。さらに、各現像器4Y、4C、4M、4Kにはコネクタ49Y、49C、49M、49Kがそれぞれ設けられている。そして、必要に応じて、これらが選択的に本体側に設けられたコネクタ108と接続され、インターフェース105を介してCPU101と各メモリ91〜94との間でデータの送受を行って該現像器に関する消耗品管理等の各種情報の管理を行っている。なお、この実施形態では本体側コネクタ108と各現像器側のコネクタ49K等とが機械的に嵌合することで相互にデータ送受を行っているが、例えば無線通信等の電磁的手段を用いて非接触にてデータ送受を行うようにしてもよい。また、各現像器4Y、4C、4M、4Kに固有のデータを記憶するメモリ91〜94は、電源オフ状態や該現像器が本体から取り外された状態でもそのデータを保存できる不揮発性メモリであることが望ましく、このような不揮発性メモリとしては例えばフラッシュメモリや強誘電体メモリ、EEPROMなどを用いることができる。
【0030】
また、図1への記載を省略するものの、この画像形成装置では表示部12が設けられている(図2)。そして、必要に応じCPU111から与えられる制御指令に応じて所定のメッセージを表示することで、必要な情報をユーザに対し報知する。例えば、装置の故障や紙詰まり等の異常が発生したときにはその旨をユーザに知らせるメッセージを表示する。また、いずれかの現像器内のトナー残量が所定値以下まで低下したときには、当該現像器の交換を促すメッセージを表示する。この表示部12としては、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置を用いることができるが、これ以外に、必要に応じて点灯あるいは点滅する警告ランプを用いてもよい。さらに、メッセージを表示することで視覚によりユーザに報知する以外に、予め録音された音声メッセージやブザー等の音声による警報装置を用いたり、これらを適宜組み合わせて使用してもよい。このように、この実施形態では、表示部12が本発明の「報知手段」として機能している。
【0031】
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリであり、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
【0032】
また、この画像形成装置では、現像ローラ44に印加する現像バイアスの大きさを調整可能となっており、パッチ画像として形成したトナー像の画像濃度に基づいて現像バイアスを設定することにより、画像濃度を所定の目標濃度に制御している。この濃度制御処理については後に詳述する。
【0033】
図3はトナーの粒径分布の変化を例示する図である。上記のように構成された画像形成装置に用いられるトナーでは、様々な粒径を有するトナー粒子が混在しているため、その粒径分布は一定の広がりを有している。一方、このような粒径分布を有するトナーを用いて画像形成を行うと、トナーの粒径の違いによって消費される確率が異なる、いわゆる選択現像という現象が知られている。
【0034】
この現象については実験的にも確認されている。図3(a)は、現像器内の全トナーのうちその粒径が5μm以下の小粒径トナーが占める割合(体積%)が、画像形成を繰り返し行ったときにどのように変化するかを実測した結果の一例を示すものである。また、図3(b)は、そのときの現像器内に残存するトナーの体積平均粒径の変化を示すものである。図3(a)に示すように、画像形成を長期間にわたって行いトナー消費量が増加するにつれて、小粒径トナーの割合が次第に低下しており、これと対応して、図3(b)に示す体積平均粒径は次第に増加してゆく。このことから、画像形成を行うことによって様々な粒径のトナーが一様に消費されるのではなく、当初は粒径の小さいトナーが優先的に消費されていることがわかる。このように、画像形成を繰り返し、トナー消費量が増えるにつれて、現像器内のトナーの粒径のばらつきの程度、すなわちトナーの粒径分布も次第に変化してゆくこととなる。
【0035】
さらに、この画像形成装置では、現像ローラ44上に担持されたトナーのうち感光体2との対向位置において画像形成に用いられなかったものは、再び現像器内に戻されるようになっている。こうして現像ローラ44への付着および剥離が繰り返されると、現像器内のトナーが次第に疲労劣化を起こす。例えば、現像ローラ44への付着および剥離が繰り返されることによって、トナーの帯電性や流動性を調節するために加えられた外添剤が剥離してしまい、その結果、トナーの帯電量が変化してしまう。このように、画像形成を繰り返すことによってトナーの特性が変化するため、これに伴って画像濃度も次第に変化することとなる。
【0036】
図4は現像器の稼動時間と画像濃度との関係を例示する図である。上記のようにトナー特性が変化するのに伴って画像濃度も変化する。後述するように、この画像形成装置では、濃度制御因子としての現像バイアスを調整することによって画像濃度を所定の範囲で制御することが可能となっているが、その制御可能な濃度範囲も変化する。すなわち、現像バイアスの調整によって、当初は画像濃度を最高濃度Dmaxから最低濃度Dminまでの間の範囲Rbにおいて制御可能となっており、これにより目標濃度Dtarを達成することが可能となっている。
【0037】
ところが、画像形成を繰り返し、現像器を長期間にわたって稼動させると、画像濃度の制御範囲Raも次第に低下してくる。そして、現像器の稼動時間が時間tmに達すると、最高濃度Dmaxが目標濃度Dtarを下回ってしまい、こうなると、もはや現像バイアスをどのように設定しても画像濃度を目標濃度Dtarに制御することはできなくなる。これを防止するためには、現像バイアスの可変範囲を大きくして画像濃度の制御範囲RbあるいはRaを広く取ればよいことになるが、現像バイアスの大きさは画像濃度だけでなく、例えば現像ローラ44から剥落して装置内に飛散するトナーの量など装置の特性に関わる他の要素にも影響を及ぼしているため、その可変範囲を自由に設定することは難しい。
【0038】
一方、このような画像濃度の変化は上記したトナーの特性変化によるもののほか、装置に生じた何らかの動作異常によっても起こりうる。すなわち、例えば感光体2の性能劣化や、現像ローラ44および帯電ユニット3へのバイアス電圧を供給する電源の不調などによって十分な画像濃度が得られないこともある。また、実際には十分な画像濃度が得られているにもかかわらず、濃度センサ60の動作不良によって画像濃度の検出結果が誤ったものとなることもある。いずれにせよ、このように画像濃度が目標濃度から大きくずれてしまった状態では、そのまま画像形成を継続したのでは画像品質を保証することはできないばかりか、より深刻な装置故障につながることもある。
【0039】
そこで、この実施形態では、装置特性を低下させる可能性のある画像濃度の制御範囲の拡大は行わず、画像濃度の制御範囲をその目標濃度を含む一定の範囲に留めている。そして、現像バイアスの調整により制御可能な画像濃度の上限値、つまり図4に示す最高濃度Dmaxが目標濃度Dtarを下回った場合には、CPU101が装置に何らかの異常が発生したものと判定し、その判定結果に基づき以後の動作を決定するようにしている。さらに、このような濃度不足の原因を推定するため、トナーカウンタのカウント値から現像器内のトナー残量を求め、その結果に基づいて濃度不足の原因が単に現像器内のトナー切れに起因するものか、あるいはより深刻なトラブルに起因するものかを判別するようにしている。すなわち、この実施形態では、CPU101が本発明の「判定手段」として機能している。
【0040】
図5はこの実施形態におけるトナーカウンタを示す図である。この実施形態では、CPU101が所定のプログラムを実行することでソフトウェア上でトナーカウンタ200の機能を果たしているが、図5に示すハードウェア構成によっても同様の機能を果たすことが可能である。ここでは、図5のハードウェアによる構成例を参照しながらこの実施形態におけるトナーカウンタの動作を説明する。
【0041】
このトナーカウンタ200は、本発明の「トナー残量検出手段」として機能するものであり、感光体2上に形成された印刷ドットのドット数に基づいてトナー消費量を求める。ただし、印刷ドット1ドットあたりのトナー消費量が、当該印刷ドットの前後のドットの状態によって異なることに鑑み、印刷ドット列を孤立ドット、2連続ドットおよび3連続ドットの3つのパターンに分類し、各パターン毎に個別にその形成回数をカウントする。そして、各パターン毎に所定の重み付け係数を乗じ、その結果を積算することで総トナー消費量を求める。このとき、上記したようにトナーの粒径分布が経時的に変化することに鑑み、重み付け係数を総トナー消費量の値に応じて変化させるようにしている。さらに、装置内部へのトナー飛散やカブリなど、印刷ドット数の多少とは無関係に消費されるトナーの量をオフセット値として加算する。これを式で表すと以下のとおりである:
(トナー消費量)=Kx・(K1・C1+K2・C2+K3・C3)+No…(1)
ここに、係数Kxは、トナー色に依存する比例係数であり、文字C1、C2、C3はそれぞれ孤立ドット、2連続ドット、3連続ドットの形成回数である。また、係数K1、K2、K3はそれぞれ孤立ドット、2連続ドット、3連続ドットに対応する重み付け係数であり、文字Noは画像形成枚数により決まるオフセット値である。
【0042】
トナーカウンタ200の動作をより具体的に説明する。CPU101から露光制御部102に与えられるものと同一の制御信号、すなわち、外部装置から与えられた画像信号に基づいて各トナー色毎の階調値に展開された信号が比較回路201に入力される。比較回路201はその制御信号に基づき、階調値が所定の閾値以上の印刷ドットに対応する信号のみを通過させ、判別回路202に入力する。判別回路202は、比較回路201の出力信号に基づき印刷ドットの配列状態を判別する。すなわち、判別回路202は、印刷ドット列を構成するドット数を検知して、その連続数に応じて孤立ドット、2連続ドットおよび3連続ドットの3パターンに分類し、そのパターンに応じてカウンタ203〜205のいずれかに「1」を出力する。これらのカウンタ203、204および205は、それぞれ孤立ドット、2連続ドットおよび3連続ドットの各パターンに対応して設けられたものであり、判別回路202から随時出力される信号をカウントすることによって、当該パターンの印刷ドット列の形成回数を計数する。
【0043】
例えば、比較回路201に入力された制御信号が、孤立ドットに対応したものであったときには、比較回路201からの出力信号に基づいて判別回路202は当該印刷ドットが孤立ドットであることを判別し、カウンタ203に対して「1」を出力する一方、他のカウンタ204、205に対しては「0」を出力する。こうすることで、孤立ドットの形成回数を示すカウンタ203のカウント値のみが1つ増加する一方、他のカウンタ204、205のカウント値は変化しない。同様に、比較回路201に入力された制御信号が2連続あるいは3連続ドットに対応したものである場合には、それぞれに対応したカウンタ204あるいは205のカウント値が1つずつ増加してゆく。このようにして、各パターン毎の印刷ドットの形成回数が個別にカウントされる。
【0044】
なお、比較回路201に入力された制御信号が、4つ以上の印刷ドットが連続する印刷ドット列に対応したものであった場合には、判別回路202は、3つ連続する印刷ドットを検出する度毎にカウンタ205に「1」を出力する。したがって、例えば4連続の印刷ドットはその一部が重複する2組の3連続ドットとして数えられ、このときカウンタ205のカウント値は2つ増加することとなる。このようにすることで、孤立ドット、2連続ドットおよび3連続ドットそれぞれの形成回数C1、C2およびC3が、3つのカウンタ203、204および205のそれぞれにカウントされてゆく。
【0045】
これらのカウント値C1、C2およびC3は、演算回路206に入力される。この演算回路206には、これ以外に、CPU101から与えられるオフセット値Noと、係数テーブル207からの出力とが入力される一方、演算回路206からの出力は、CPU101および係数テーブル207に入力されている。この係数テーブル207には、重み付け係数Kx、K1、K2、K3((1)式)の候補となる複数組の数値が予め記憶されており、演算回路206の出力値に応じてそのうちの1組が選択される。そして、演算回路206は、各カウンタ203〜205から出力されるそれぞれのカウント値C1、C2、C3と、係数テーブル207から選択されて出力される重み付け係数K1、K2、K3とを乗じるとともにそれらの和を求める。そして、その和と係数Kxとの積に、CPU101から与えられるオフセット値Noを加算する。こうすることによって、(1)式に定義するトナー消費量が求められる。
【0046】
図6はこの画像形成装置におけるトナーカウント動作を示すフローチャートである。この画像形成装置では、一定期間毎に図6に示すトナーカウント動作を実行しており、これにより随時トナーの消費量を求めている。このトナーカウント動作では、まず印刷ドット列の各パターン毎のカウント値の増分を求める(ステップS1)。これにより、先のトナーカウント動作から現在までの間(以下、「対象期間」という)に形成された印刷ドットの数を各パターン毎に求めることができる。次に、これらの値と予め設定された所定の重み付け係数とを乗じるとともに、それらの和を求める(ステップS2)。そして、その結果に、対象期間内における画像形成枚数に比例するオフセット値を加えると(ステップS3)、当該対象期間におけるトナー消費量が求まる。したがって、各対象期間におけるトナー消費量を積算することにより(ステップS4)、現在までの総トナー消費量を求めることができる。
【0047】
さらに、こうして求めた総トナー消費量の数値によって、各重み付け係数の再設定が必要かどうかを判定する(ステップS5)。そして、係数変更が必要な場合には、以下に示す方法により新たな重み付け係数の設定を行う一方(ステップS6)、係数変更が不要であればそのままトナーカウント動作を終了する。この重み付け係数の変更は、先に述べたトナー特性の経時変化に伴って生じる計算上のトナー消費量と実際の値とのズレを、重み付け係数をトナー消費量に合わせて適宜変更することによって補正することを目的としたものである。以下、図7を参照しながらより具体的に説明する。
【0048】
図7は係数テーブルの一例を示す図である。この実施形態では、上記計算により求めた総トナー消費量の値を4つのレベル:レベル0(0〜15g);レベル1(15〜35g);レベル2(35g〜100g)およびレベル3(100g以上)に分類している。そして、各レベル毎に一定の重み付け係数を設定する一方、算出した総トナー消費量が属するレベルの変化があったときには、それに応じて重み付け係数も変化させる。例えば、ブラック色(K)において、総トナー消費量がレベル0である場合には、(1)式における各係数は、
Kx=2.30,K1=0.705,K2=0.655,K3=0.658
である。このときのオフセット値Noは、画像形成枚数1枚あたり4.5mgとした。
【0049】
一方、画像形成を行うことにより総トナー消費量がさらに増加し、そのレベルがレベル1に移行すると、新たな係数として、
Kx=2.25,K1=0.698,K2=0.681,K3=0.666
が設定されることとなる。オフセット値Noは上記と同一の値である。また、他のトナー色についても同様に、図7の係数テーブルに基づいて各重み付け係数を設定することができる。
【0050】
なお、これらの数値は、装置の構成や使用するトナーによって異なるものである。したがって、装置およびトナーの組み合わせ毎に実験を行い、計算により求めたトナー消費量と実際の消費量とがよく一致するような数値を予め求めておく必要がある。また、予め各現像器に充填されたトナー量とがわかっていれば、その値とこうして求めた総トナー消費量とから各時点における現像器内のトナー残量を求めることが可能である。
【0051】
次に、上記のように構成された画像形成装置において実施する濃度制御処理について説明する。この画像形成装置では、装置の電源が投入されたときや、画像形成枚数が所定値に達したとき、現像器の交換がなされたときなど適当なタイミングで、エンジンコントローラ10のCPU101が図8に示す濃度制御処理を実行して、画像濃度を目標濃度に制御している。
【0052】
図8はこの実施形態における濃度制御処理を示すフローチャートである。装置各部の動作特性に関わるパラメータのうち、濃度制御因子として使用可能なパラメータの選択や、濃度制御処理の内容については、従来より多くの手法が提案されており、この実施形態においても基本的にはこれらの従来技術を用いることが可能である。すなわち、現像バイアスを種々の値に変更設定しながら各現像バイアスで所定パターンのパッチ画像を形成し(ステップS11)、中間転写ベルト71上に転写された該パッチ画像が濃度センサ60との対向位置に搬送されてくるタイミングで、その画像濃度を濃度センサ60により検出し(ステップS12)、その検出結果に基づき、画像濃度が目標濃度と一致するような現像バイアスの最適値を算出する(ステップS14)。
【0053】
ただし、この実施形態においては、パッチ画像として形成したトナー像の画像濃度の検出結果から濃度制御因子としての現像バイアスをどのように設定しても画像濃度が不足することがわかった場合には(ステップS13)、CPU101は装置に何らかの異常が発生したものと判定する。すなわち、現像器内のトナー残量を確認し(ステップS15)、その残量が所定値を下回っている場合には、当該現像器のトナー切れと判断し(ステップS17)、表示部12にトナーエンドを示す旨のメッセージ、例えば「トナーが残り少なくなりました」、あるいは「現像器を交換してください」というメッセージを表示させる。この「所定値」は、当該現像器およびトナーを用いて良好な画像形成を行うために現像器内に必要な最少限のトナー量として定義することができる。このようにすれば、トナーの残量不足による画像濃度不足を、他の原因による濃度不足と区別することができる。
【0054】
一方、トナー残量が所定値以上である場合には、画像濃度不足はトナーの残量不足によるとは考えにくく、装置本体、例えばエンジン部EGやコントローラ10、11等の動作に何らかの異常が発生したものと考える方が合理的である。そこで、このような場合には、表示部12には、装置の動作不良を報知するメッセージ、例えば「動作エラーが発生しました」、あるいは「サービスセンターに連絡してください」というメッセージを表示させる(ステップS16)。
【0055】
つまり、この実施形態では、形成したパッチ画像の画像濃度を検出し、その検出結果から、達成可能な画像濃度の上限値が目標濃度に達しないとわかった場合には、装置またはトナーに何らかの異常が発生したものと判断する。このとき、トナー残量が所定値を下回っていれば、画像濃度不足はトナーの残量不足によるものと判断し、その旨をユーザに報知し、現像器の交換を促す。一方、トナーが所定値以上残っている場合には、トナー以外の原因、すなわち装置本体に問題があるものと判断し、ユーザに点検・修理を促す旨のメッセージを表示する。
【0056】
なお、装置本体に異常があり、しかも現像器内のトナー残量が少なくなっている場合には、トナーエンドを示すメッセージのみが表示されることとなるが、当該メッセージにしたがいユーザが現像器の交換を行った後に実行される濃度制御処理では、十分なトナー残量があるため装置本体の異常と判定される。そのため、装置の異常が見落とされてしまうことはない。
【0057】
以上のように、この画像形成装置では、パッチ画像濃度の検出結果から制御可能な画像濃度の上限値が目標濃度に達しないときには、装置に異常が発生したものと判定する。そのため、画像濃度の制御範囲を無理に広げることなく、しかも、装置の異常により画像濃度が大きく変化した場合にも、その状況に応じて適切に対応することが可能となっている。そして、このとき、トナーカウンタのカウント値から求めた現像器内のトナー残量の値によって、判定された異常の内容が異なる。すなわち、トナー残量が所定値未満であればその異常はトナーエンドによるものと判定し、その旨をユーザに報知する。一方、トナーが所定値以上に残っていれば、その異常はトナーではなく装置本体に発生したものと判定し、その旨をユーザに報知する。そのため、ユーザはメッセージの内容に応じて適切な対応を取ることができ、無用な現像器交換や、異常な状態のまま動作させることにより引き起こされるより深刻な故障の発生を未然に防止することができる。
【0058】
また、トナー残量を求めるにあたり、印刷ドット列を印刷ドットの連続数のパターン毎に分類するとともに各パターン毎にその形成回数を数え、それらをトナー量に応じた重みを与えながら積算することによって総トナー消費量を求めているので、現像器内のトナー残量を精度よく求めることが可能となっている。そして、こうして求めたトナー残量とパッチ画像濃度の検出結果とを組み合わせて装置の異常の内容を判断しているので、異常の発生原因がトナーにあるのか装置本体にあるのかを適切に判別することができる。
【0059】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、現像器内のトナー残量により装置異常の内容を区別しているが、画像濃度が不足する原因としては、現像器内のトナー量の不足、あるいはトナーの劣化によるものが最も大きいので、画像濃度不足がわかった時点で自動的にトナー残量不足と判断するようにしてもよい。特に、自己診断プログラムを実行することによって装置本体の異常を独自に判断することのできる装置においては、このようにすることで制御がより簡単となる。
【0060】
また、トナーの残量を求めるための方法としては、上記構成のトナーカウンタによるものに限定されず、公知のものを初めとする他の方法によってもよい。現像器内のトナー消費量あるいは残量に関わる情報としては、上記した印刷ドット数のほか、当該現像器の稼動時間あるいは現像ローラの回転量、外部装置から与えられた画像信号の内容、各現像器に設けたトナーセンサによる検出結果などがあり、これらの値、あるいはこれらを適宜組み合わせた結果に基づいてトナー残量を求めてもよい。
【0061】
また、上記した実施形態では、画像濃度が不足することがわかった場合、所定のメッセージを表示してユーザに警告を発するのみで、その後に特別の動作を行うことはしていない。しかしながら、このとき実行する動作の内容は任意であり、例えば、装置本体の動作異常と判定したときにはその後の画像形成動作を禁止するようにしてもよい。またトナーエンドと判定したときにも同様にしてよい。
【0062】
また、例えば、トナー残量の閾値を2段階に設けておき、トナー残量が第1の閾値に達したときにはニアエンド、すなわちトナーエンドが近いことを報知するメッセージを表示しながら引き続き画像形成を許容する一方、トナー残量がより少ない第2の閾値に達したときにはトナーエンドを報知するメッセージを表示した上で画像形成動作を禁止するようにしてもよい。このようにした場合には、ニアエンドの表示により、ユーザは画像形成を引き続き行いながら、予期されるトナーエンドに備えて予め新しい現像器の準備をすることができる。また、トナーエンドの状態で劣悪な画像が形成されるのを防止することができる。
【0063】
また、上記した実施形態は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナーを用いてフルカラー画像を形成可能に構成された画像形成装置であるが、使用するトナー色およびその色数はこれに限定されるものでなく任意であり、例えばブラックトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する装置に対しても本発明を適用することが可能である。
【0064】
さらに、上記実施形態では、装置外部からの画像信号に基づき画像形成動作を実行するプリンタに本発明を適用しているが、ユーザの画像形成要求、例えばコピーボタンの押動に応じて装置内部で画像信号を作成し、その画像信号に基づき画像形成動作を実行する複写機や、通信回線を介して与えられた画像信号に基づき画像形成動作を実行するファクシミリ装置に対しても本発明を適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】トナーの粒径分布の変化を例示する図である。
【図4】現像器の稼動時間と画像濃度との関係を例示する図である。
【図5】トナーカウンタの構成を示すブロック図である。
【図6】トナーカウント動作を示すフローチャートである。
【図7】係数テーブルの一例を示す図である。
【図8】この実施形態における濃度制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…感光体、 4C、4K、4M、4Y…現像器、 12…表示部(報知手段)、 44…現像ローラ、 60…濃度センサ(濃度検出手段)、 101…CPU(判定手段)、 200…トナーカウンタ(トナー残量検出手段)、 EG…エンジン部
Claims (10)
- 画像濃度に影響を与える濃度制御因子を所定の調整範囲内で調整することによって画像濃度が所定の目標濃度となるように制御しながら画像形成動作を実行する画像形成装置において、
前記濃度制御因子の調整により制御可能な画像濃度の上限値が前記目標濃度に達しないときに、装置の異常が発生したと判定する判定手段を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記装置の異常とは、装置に貯留されたトナーの残量不足である請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記判定手段は、前記濃度制御因子の調整により制御可能な画像濃度の上限値が前記目標濃度に達せず、かつ、装置に貯留されたトナーの残量が所定値未満であるときに、前記トナーの残量不足と判定する請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記判定手段は、前記濃度制御因子の調整により制御可能な画像濃度の上限値が前記目標濃度に達せず、かつ、装置に貯留されたトナーの残量が所定値未満であるときには、前記装置の異常として前記トナーの残量不足と判定する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記判定手段は、前記濃度制御因子の調整により制御可能な画像濃度の上限値が前記目標濃度に達せず、かつ、装置に貯留されたトナーの残量が所定値以上であるときには、前記装置の異常として装置本体の動作不良と判定する請求項1または4に記載の画像形成装置。
- 前記トナーの残量を検出するトナー残量検出手段をさらに備える請求項3ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
- パッチ画像として形成された画像の画像濃度を検出する濃度検出手段をさらに備え、
前記濃度検出手段による検出結果に基づいて、前記制御可能な画像濃度の上限値を求める請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記判定手段が前記異常の発生を判定したときに、異常の発生を報知する報知手段をさらに備える請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記報知手段は、所定のメッセージを表示可能な表示部を備える請求項8に記載の画像形成装置。
- 画像濃度に影響を与える濃度制御因子を所定の調整範囲内で調整することによって画像濃度が所定の目標濃度となるように制御しながら画像形成動作を実行する画像形成方法において、
前記濃度制御因子の調整により制御可能な画像濃度の上限値が前記目標濃度に達しないときには、報知手段により装置の異常発生を報知することを特徴とする画像形成方法。
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JP2012078705A (ja) * | 2010-10-05 | 2012-04-19 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
US8725012B2 (en) | 2011-03-28 | 2014-05-13 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus and a method for determining a condition of toner |
JP2014175861A (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-22 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像処理装置及び画像処理システム |
JP2016194597A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-17 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
-
2002
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