JP2004157124A - アミロイド定量法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、βアミロイドの定量法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、同位元素標識Aβを、Aβを含む試料に加える段階、および標識Aβおよび非標識Aβを質量分析によって決定する段階を含む、哺乳類の組織試料および体液中のβアミロイドペプチド(Aβ)のインビトロ定量法を提供する。本発明はまた、組織試料および体液中のAβ含有量を決定するためならびにAβ微小不均一性を決定するための本発明の方法の使用も提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、同位元素希釈および質量分析を含む、哺乳類組織試料および体液中のβアミロイドペプチド(Aβ)のインビトロ定量法に関する。
20世紀の間に平均寿命は約49歳から76歳を上回って劇的に延びたため、神経変性疾患が当たり前である年齢に達する人はますます多くなっている。これらの中で、1906年にAlois Alzheimerによって初めて記述されたアルツハイマー病(AD)は、ヒトの晩年における最も一般的な型の精神障害となっている。
いくつかの重要な特徴が、ほとんどの患者において認められる:進行性の記憶障害、認識機能障害、行動の変化、および進行性の言語機能低下。ADに関連した神経変性プロセスおよび病的変化は、重点的に研究されている。しかし、ADの基礎となる分子機構は未だ未知のままである。密な(神経突起)プラークおよび神経原線維濃縮体が最初に記述されたため、これらは何年間もADの死後診断マーカーとして用いられている。
AD患者の脳における診断的病変は、以下のように要約することができる(非特許文献1)。神経突起プラークは、主に線維様状態で存在するアミロイドβ-タンパク質(Aβ)の細胞外沈着物を含む。これらの細胞外沈着物は、星形の塊のアミロイド原繊維であり、異栄養神経突起がこの周囲を取り囲み、内部に入り込んでいる。これらの神経突起は、肥大したライソゾーム、多数のミトコンドリア、および一対の(こともある)螺旋状の繊維(タウタンパク質の凝集型)のような超構造的異常を示す。これらのプラークに密接に関連しているのは、小膠細胞および反応性星状細胞である。小膠細胞は通常、中心アミロイドコアの内部またはそれに隣接して見出されるが、一方星状細胞、プラークの外側に環状に存在することが多い。これは、脳の免疫反応性応答を示している。Aβ原線維は、「βプリーツ」シート原線維と呼ばれる構造へと折りたたまれることができ、コンゴーレッド(Congo Red)またはチオフラビン(Thioflavine)Sのようなインターカレート剤によって実験的に染色されうる。神経突起プラークの断面は、直径10 μm〜120 μmであることが示されている。
Aβの多くの異なる変種が、カルボキシ末端とアミノ末端において不均一に生じることが知られている。アミノ酸42個(Aβ1-42)を持つより長い型は、アミノ酸40個(Aβ1-40)を含むより短い型よりも凝集する傾向がかなり強いことから、特に興味深いのは、カルボキシ末端における不均一性である。疾患の早期発症を特徴とする遺伝型の家族性アルツハイマー病は、発病におけるAβ1〜42の有害な役割を強く示唆している。主に、アミノ末端に対して特異的な抗体がない為に、アミノ末端の不均一性と発病との相関に関する情報はほとんど得られていない。
世界的な研究努力にもかかわらず、疾患の治癒も、簡便な死亡前診断も実現していない。信頼性の高い死亡前診断は、薬物の疾患改変効果に関する全ての臨床試験のために不可欠である。疾患マーカーは、血清、CSF、または脳に由来する生検として採取したアミロイドペプチドまたはその誘導体となりうるであろう。さらに、ヒト脳標本とトランスジェニック動物由来の標本との比較を明白に可能にする方法は、これらの動物について行われる任意の薬物試験の有効性を証明するために重要であろう。
しかし、Aβの特性のいくつかのせいで、その決定は困難である。最も明白な特性とは、乱暴な技法によって線維を分解しなければならないという事実、およびペプチドの凝集である。もう一つの特性とは、タンパク質、例えば血清アルブミンに対するペプチドの粘着性である。血清アルブミンは大量に存在することから、例えばELISAにおいて用いられる抗体と、Aβ結合に関して競合する。したがって、Aβの測定における重要な段階とは、試料の調製である。密なプラーク、散在性プラーク、血管壁からの試料の抽出、または血清アルブミンからの試料の分離には、しばしば煩雑である専用の技法を必要とし、かつそのような技法それぞれによって、どれほどの量のAβが損失するかわからない可能性がある。このように、Aβの量およびその微小不均一性を決定する方法は、診断方法を確立するために重要となりうる。
Selkoe D.J.、「Alzheimer's Disease: Genes, Proteins, and Therapy」、Physiological reviews(2001)81:741〜766
本発明は、βアミロイドの定量法を提供することを課題とする。
したがって、本発明は、同位元素希釈および質量分析を含む方法を組み合わせることによって、より正確なβアミロイドの定量および異なる型のAβの定量を与える方法を提供することによって、Aβを定量する問題を解決する。
本発明は、哺乳類の組織試料および体液中のβアミロイドペプチドの定量を与える分析法を提供する。本発明の方法は、生体試料中のβアミロイド含有量の同位元素希釈および質量分析による定量を含み、それによって当技術分野で既知の方法、例えば抗体に基づく技法よりも正確なβアミロイド含有量を提供する。その上、本発明の方法は、異なる型のAβを特異的に定量することによって、Aβの微小不均一性を考慮に入れる。
方法
したがって、本発明は、以下の段階を含むβアミロイドペプチドの定量法を提供する:
(a)βアミロイドの供給源を提供する段階;
(b)安定な同位元素によって標識したβアミロイドペプチドの規定量を(a)の供給源に加える段階;
(c)非標識βアミロイドと標識βアミロイドとを単離する段階;
(d)単離されたβアミロイドを質量分析によって分析するために調製する段階;
(e)調製されたβアミロイドを質量分析によって分析する段階;および
(f)βアミロイドの供給源に存在するβアミロイドの量を決定する段階。
記述の方法によって、本発明は、異なるAβ型の量も考慮に入れて、哺乳類の組織試料および体液中のAβのより正確な定量法を提供する。
本発明に係る方法においては、(1)以下の段階を含む、βアミロイドペプチドの定量法であることを特徴とする:
(a)βアミロイドの供給源を提供する段階;
(b)安定な同位元素によって標識したβアミロイドペプチドの規定量を(a)の供給源に加える段階;
(c)非標識βアミロイドと標識βアミロイドとを単離する段階;
(d)単離されたβアミロイドを質量分析による分析のために調製する段階;
(e)調製されたβアミロイドペプチドを質量分析によって分析する段階;および
(f)βアミロイドの供給源に存在するβアミロイドの量を決定する段階。
また、本発明に係る方法においては、(2)段階(a)におけるβアミロイドの供給源が、組織試料から得られたアミロイド沈着物である、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(3)アミロイド沈着物がレーザー解剖顕微鏡による切除によって組織試料から得られる、上記(2)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(4)段階(a)におけるβアミロイド供給源が体液である、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(5)段階(b)において加えられた標識βアミロイドが、組み換えによって産生されかつ少なくとも一つの安定な同位元素によって標識されたβアミロイドである、上記(1)〜(4)のいずれか一項記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(6)段階(b)において加えられた標識βアミロイドが合成によって産生されかつ少なくとも一つの安定な同位元素によって標識されたβアミロイドである、上記(1)〜(5)のいずれか一項記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(7)段階(b)において加えられたβアミロイドが15N、13C、18O、および2Hを含む群より選択される安定な同位元素によって標識される、上記(1)〜(6)のいずれか一項記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(8)段階(c)におけるβアミロイドがタンパク質化学および免疫化学を含む方法によって体液から単離される、上記(1)、(4)〜(7)のいずれか一項記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(9)段階(c)におけるβアミロイドが、溶解剤による溶解を含む方法によってアミロイド沈着物から単離される、上記(2)〜(3)、(5)〜(7)のいずれか一項記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(10)段階(d)における単離されたβアミロイドが、飛行増強剤との化学反応、化学的断片化、および酵素的消化を含む方法によって、質量分析による分析のために調製される、上記(1)〜(9)のいずれか一項記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(11)段階(d)における単離されたβアミロイドが、エンドプロテイナーゼLys-C、トリプシン、およびエンドプロテイナーゼGlu-Cを含む群より選択されるプロテアーゼを用いた酵素的消化によって、質量分析による分析のために調製される、上記(10)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(12)段階(e)における調製されたβアミロイドが、質量分析による分析の前に脱塩される、上記(1)〜(11)のいずれか一項記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(13)段階(e)における調製されたβアミロイドがMALDI-TOF質量分析によって分析される、上記(1)〜(12)のいずれか一項記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(14)以下の段階を含む、βアミロイドペプチドの定量法であることを特徴とする:
(a)凝集βアミロイドを含む哺乳類の脳試料から切除されたアミロイド沈着物を提供する段階;
(b)安定な同位元素によって標識したβアミロイドペプチドの規定量を加える段階;
(c)標識したβアミロイドの存在下で、切除された凝集βアミロイドを溶解させる段階;
(d)溶解したβアミロイドをプロテアーゼによって消化する段階;
(e)消化したβアミロイドペプチド混合物を質量分析によって分析する段階;ならびに
(f)βアミロイドに天然のおよび安定な同位元素が存在することに起因するベースライン分離の助けを借りて、凝集βアミロイド供給源に存在するβアミロイドの量を決定する段階。
また、本発明に係る使用においては、(15)組織試料から得られた凝集βアミロイドを含むアミロイド沈着物におけるβアミロイド含有量を決定するための、上記(1)〜(3)、(5)〜(7)、(9)〜(14)のいずれか一項記載の方法の使用であることを特徴とする。
また、本発明に係る使用においては、(16)可溶性のβアミロイドを含む体液中のβアミロイド含有量を決定するための、上記(1)、(4)〜(8)、(10)〜(13)のいずれか一項記載の方法の使用であることを特徴とする。
また、本発明に係る使用においては、(17)アミノ末端微小不均一型のβアミロイドを定量するための、上記(1)〜(14)のいずれか一項記載の方法の使用であることを特徴とする。
また、本発明に係る使用においては、(18)カルボキシ末端微小不均一型のβアミロイドを定量するための、上記(1)〜(14)のいずれか一項記載の方法の使用であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(19)後述の実施例を特に参照して記載された、添付の明細書に実質的に記載された方法であることを特徴とする。
本発明により、βアミロイドの定量法が提供された。
本発明の方法において、βアミロイドを含む任意の供給源が用いられうる。βアミロイドの供給源は、組織試料、例えばホモジナイズした脳試料、および体液を含む。好ましいβアミロイド供給源は、組織試料、血清およびCSFから得られるアミロイド沈着物である。組織試料から得られるアミロイド沈着物は、密な(神経突起または老人性)プラーク、散在性プラーク、ならびに小動脈および細静脈におけるアミロイド沈着物を含み、これらは微小血管の血管障害を引き起こす。アミロイド沈着物は主に、凝集βアミロイドを含み、そのほかに微量のその他の成分を微量含む。最も好ましいのは、脳組織から得られるアミロイド斑である。
一般的な生化学的タンパク質精製法および、レーザー解剖顕微鏡を含む組織からの構造の特異的切除法を含む方法によって、凝集βアミロイドを含むアミロイド沈着物を組織試料から得てもよい。好ましくは、アミロイド沈着物は、レーザー解剖顕微鏡によって組織試料から切除される。好ましくは、アミロイド沈着物は、組織切片から切除され、より好ましくはそれらは脳切片から切除される。
レーザー解剖顕微鏡法は、低温剥離(ablation)およびレーザー圧発射(catapulting)の段階を含む(Schutzeら(1998)、「Identification of expressed genes by laser-mediated manipulation of single cells」、Nature Biotechnology 16:737〜742;Simoneら(1998)、「Laser-capture microdissection: opening the microscopic frontier to molecular analysis」、TIG 14:272〜276)。レーザー解剖顕微鏡を用いて、光学顕微鏡によって同定可能な任意の特異的表現型または表現型組織変化を捕捉することができる。例として、この技法は、単離された標本の個々の顕微解剖および分析(例えばマイクロアレイによる)によって、正常細胞または組織と病理材料とのあいだの遺伝子発現の差を検出するために役立ちうる。このように重要な変化の定性的および定量的な分析を、レーザー解剖を行わない場合に必要な全組織の分析と比較して、より容易かつより正確に行うことができる。タンパク質組成物を分析する前にレーザー解剖によって関心対象の構造を単離することの長所は、タンパク質組成または濃度の平均は必要ではないが、特定の生物構造を分析する必要があるような場合には有用である。
切除されたアミロイド沈着物またはプラークは、全体的な球状のプラークのある画分を表すに過ぎない(図8)。したがって、球状のプラーク全体に存在するAβの量を決定するためには、切除されたプラークにおいて決定されたAβの量を補正因子によって平衡化(balance)しなければならない。
さらに、切除後、プラークを、静電気的作用によって容器に移してもよい。
組織試料または体液は、哺乳類の組織試料または体液であってもよい。より好ましいのは、ヒトおよびマウスの組織試料および体液である。
βアミロイドは、βアミロイド供給源において凝集型または溶解型で存在する可能性がある。プラーク内のAβはアミロイド原線維に組み入れられていることが知られている一方、可溶性非原線維型のAβは、インビボで実際に存在する。Tellerら(Teller, J.K.ら、Nat. Med. 1996、2、93〜95)は、ダウン症候群の被験者および正常な加齢対照の脳の水性抽出物において可溶性のAβ種を検出した。試料は、胎児および生後4日〜61歳の被験者から剖検時に得た。可溶性Aβの量は、ダウン症候群の被験者において数倍高く、これは年齢と共に増加した。さらに、可溶性Aβの上昇は、神経突起プラーク形成のずっと前に起こった。Kuoら(Kuo, Y.M.ら、J. Biol. Chem. 1996、271、4077〜4081)は、AD被験者8人および正常対照4人の脳の水性抽出物を調べ、可溶性Aβの量が6倍増加していることを発見した。可溶性Aβに関する限外濾過実験により、Aβオリゴマーが存在することが示された。
組織試料または体液中にβアミロイドが存在することを、タンパク質生化学、組織化学、および免疫化学を含む方法によって判定してもよい。好ましくは、組織試料中の凝集βアミロイドの有無は、コンゴーレッドもしくはチオフラビンSによる染色段階を含む組織化学法によって、または免疫組織化学法によって判定される。より好ましくは、組織試料中の凝集βアミロイドの有無は、組織化学法および免疫組織化学法による二重染色によって判定される。最も好ましくは、組織試料中の凝集βアミロイドの有無は、コンゴーレッドによる最初の染色に続いて免疫組織化学法によって判定される。好ましくは、体液中のβアミロイドの有無は、体液試料のウェスタンブロッティングによって判定される。
本発明の方法による定量の対象となるβアミロイドペプチドは、細胞によって、通常大量に産生されるより可溶型のAβであるAβ1-40であってもよい。さらに、42位のアミノ酸で終了するAβ1-42型であってもよく、これは対照的に、神経突起プラークにおいて認められるより疎水性型のAβである。Aβ1-40は通常、プラークにおいてAβ1-42と同時局在する。本発明の方法による定量の対象となるβアミロイドのさらなる型には、Aβ1-38、Aβ1-39、Aβ1-43および、N末端切断型のAβ3-40、Aβ3-42、Aβ4-42、Aβ6-42、Aβ7-42、Aβ8-42、Aβ9-42、Aβ11-42が含まれる(J Naslund、A Schierhorn、U Hellman、L Lannfelt、AD Roses、LO Tjernberg、J Silberring、SE Gandy、B Winblad、PG Gard、C Nordstedt、およびL Terenius(1994)、「Relative Abundance of Alzheimer Aβ Amylod Peptide Variants in Alzheimer Disease and Normal Aging」、PNAS 91:8378〜8382)。βアミロイドおよびAβという用語は、本発明において同義に用いられる。凝集したβアミロイドは、「βプリーツ」シート原線維へと折りたたまれるアミロイド原線維であってもよく、この場合アミロイド原線維は、以下を含む基準によって分類される:(1)コンゴーレッド結合、および十字偏光子の間から見た場合に緑色複屈折を示すこと;(2)電子顕微鏡によって直径6 nm〜10 nmの細い非分岐線維が示されること;(3)特徴的な構造が存在すること;ならびに(4)X線線維回折パターンが、絹フィブロインにおいて認められる十字パターンと類似すること。
本発明の方法において、安定な同位元素によって標識したAβを、溶解および/または単離技法の開始前にAβ供給源に標準物質として加える。安定な同位元素によって標識したAβを、ホモジナイズした組織試料に直接、切除したアミロイド沈着物に直接、または体液試料に直接加える。
本発明の方法の長所は、安定な同位元素によって標識したβアミロイド標準物質を、βアミロイド供給源に、例えば、切除したアミロイド沈着物にまたは体液の試料に、まさに最初に加えることができるという事実である。定量対象となる非標識Aβと標識Aβ標準物質とは、同一原子における質量のが違うという点を除いて化学的に同一であることから、他のタンパク質に結合する可能性がある凝集アミロイドまたは可溶性のアミロイドについて必要な溶解技法および/または単離技法において同一の挙動を示し、これにより分析物と標準物質の損失は等しくなる。
安定な同位元素で標識されて標準物質として加えられるAβは、Aβ供給源における定量対象と同じAβ型を表す。したがって、安定な同位元素によって標識されるAβを、Aβ1-38、Aβ1-39、Aβ1-40、Aβ1-42、Aβ1-43、Aβ3-40、Aβ3-42、Aβ4-42、Aβ6-42、Aβ7-42、Aβ8-42、Aβ9-42、およびAβ11-42を含む群より選択してもよい。Aβ標準物質は、2H、13C、15N、および18Oを含む群より選択される少なくとも一つの安定な同位元素によって標識される。好ましくは、Aβ標準物質は、15Nまたは13Cによって標識される。より好ましくは、Aβ標準物質は、15Nによって標識される。好ましくは、Aβ標準物質は、質量分析における同位元素パターンの分離に必要な程度に多くの、安定な同位元素によって標識される。
安定な同位元素によって標識したAβ標準物質を、規定量加える。好ましくは、標識したAβ標準物質を、βアミロイド供給源に存在するAβの有効量と同じ範囲の量を加える。この量を、例えばアミロイド沈着物中のAβの定量用の量を決定するための予備実験において決定してもよく、様々な量のAβ標準物質を加えた様々な数のプラークを3回の連続実験において分析する(図6)。プラーク15個またはそれ未満を用いると、加えられた15N標識Aβ標準物質のみを検出することができるが、一方でプラーク200個から得られた結果は、機器における直線範囲を超えることが判明した。第三の実験において、プラーク100個に5 pmol、10 pmol、および25 pmolの15Nアミロイド標準物質を加えた(図3)。これらの条件を用いて、14N/15Nアミロイド比の比例的増加を認めることができた。10 pmolの15N標識Aβ標準物質は、プラーク100個に存在するAβの有効量とほぼ等しかった(図3B)が、5 pmol(図3A)および25 pmol(図3C)の15N Aβから得られた反応はそれぞれ、この量を下回ったおよび上回った。質量分析計の直線的な測定範囲内での測定を可能にする量で、標識したAβ標準物質を加えることが好ましい。
本発明の方法において標準物質として用いられる、安定な同位元素によって標識されたAβは、組み換え的に産生されうる。発現構築物を調製するための方法ならびにポリペプチドおよびタンパク質の組み換え的産生のための方法は、当技術分野で既知であり、Ausubel、「Current Protocols in Molecular Biology/Protein science」、グリーンパブリッシングアソシエーツ&ウィリーインターサイエンス(Green Publishing Associates and Wiley Interscience)、ニューヨーク州(1994)で概説されている。天然Aβの組み換え的産生方法は当技術分野において、例えば、欧州特許第0641861号に記載されている。好ましくは、15N塩化アンモニウムを組み換え型大腸菌に与えることによって、標識したAβを作製してもよい。その他の安定な同位元素供給源は、13C標識グルコース、および15N標識基質上で成長させた藻類抽出物を含む。
本発明の方法において標準物質として用いられる、安定な同位元素によって標識されたAβを、化学合成によって作製してもよい。ポリペプチドおよびタンパク質の合成的産生の方法、例えばポリペプチドの固相合成などは当技術分野で既知であり、これは、Ausubel、「Current Protocols in Protein science」、グリーンパブリッシングアソシエーツ&ウィリーインターサイエンス、ニューヨーク州(1994)で概説されている。合成Aβペプチドを用いてインビトロで形成されたアミロイド原線維が老人斑から単離されたアミロイド原線維と同一であるという実証(Kirschner, D.A.、Inouye, H.、Duffy, L.K.、Sinclair, A.、Lind, M.、Selkoe, D.J.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1987、84:6953〜6957)により、様々な研究における合成ペプチドの使用が確認された。固相ペプチド合成は、合成ペプチドを調製するために用いられる最も一般的な方法であり、αアミノ基を保護するためにFmoc(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)(Burdick, D.ら、J. Biol. Chem. 1992、267:546〜554)およびBmoc(t-ブチルオキシカルボニル)(Barrow, C.J.ら、J. Mol. Biol. 1992、225:1075〜1093)法の双方を用いることにより、合成が成功している。Aβペプチドの合成は中程度難しいが、合成の成功のためには標準的なカップリング法および側鎖保護戦略で十分であることが証明された。安定な同位元素をAβ標準物質に導入するために、安定な同位元素によって標識されたアミノ酸を合成法において用いる。
Aβ標準物質を添加した後、標識Aβおよび非標識Aβを含む全Aβを、免疫沈殿および免疫アフィニティクロマトグラフィーを含むタンパク質化学法によって、体液から、好ましくは血清またはCSFから単離してもよい。
したがって、さらなる態様において、段階(c)におけるβアミロイドは、タンパク質化学および免疫化学を含む方法によって体液から単離される。
凝集Aβを含むAβ供給源のAβ含有量を決定するため、凝集Aβを溶解させなければならない。本発明の方法において、凝集Aβは、可溶化剤による溶解、および任意には、標識したAβ標準物質の存在下での機械的可溶化を含む方法によって、溶解する。本発明の可溶化剤は、凝集Aβを溶解させることができる全ての物質、例えば、ヘキサフルオロプロパノール、ギ酸などの酸、、尿素-SDSでありうる。機械的可溶化には、超音波処理が含まれうる。凝集Aβの溶解技法は添加された標識Aβ標準物質の存在下で行われ、これによりAβ標準物質と定量対象のAβの損失が等しくなることが保証される。
したがって、さらなる態様において、段階(c)のβアミロイドは、可溶化剤を用いた溶解および任意に超音波処理による溶解を含む方法によってアミロイド沈着物から単離される。
単離されたAβはその後、質量分析による分析のために調製される。質量分析による分析のための調製は、分析対象のAβのイオン化を改善する方法を含む。イオン化を改善する方法は、化学的断片化および酵素消化、ならびに飛行増強剤を用いた化学反応を含む方法による断片化を含む。飛行増強剤を用いた化学反応には、ポストソース(post-source)分解MALDI質量分析による断片イオンの感受性を増強して形成を促進するために、ペプチドの遊離N末端の電荷誘導体化が含まれる(J. Stultsら(1993)、Anal. Chem. 65、1703〜1708;B. Speglerら(1997)Int. J. Mass Spectrom.169〜170、127〜140;Z. Huangら(1999)Anal. Biochem. 268、305〜317;Staudenmann W.およびJames P.、「Proteome Research: Mass Spectrometry」(P. James編)スプリンガー出版(Springer Verlag)、ベルリン(2001)、143〜166)。単離されたAβを、質量分析による分析用に調製するために飛行増強剤と直接反応させてもよい。または、単離されたAβを、断片化後に飛行増強剤と反応させてもよい。化学的断片化は、臭化シアンまたは酸加水分解を用いることによって行われうる。酵素的消化は、エンドプロテイナーゼLys-C、トリプシン、エンドプロテイナーゼGlu-C、およびペプシンを含む群より選択されるプロテアーゼによって行われうる。本発明の方法において、単離されたAβを、プロテアーゼによる消化の前に、乾燥させて緩衝液に再度溶解させてもよい。溶解したAβを断片化することによって、質量分析におけるよりよい検出限界が得られ、例えば、エンドプロテイナーゼLys-Cによるアミロイドペプチドの切断によって、質量分析における感度が100倍高く作製された三つの断片のうち二つを検出することができる。
したがって、さらなる態様において、段階(d)における単離されたβアミロイドは、飛行増強剤を用いた化学反応、化学的断片化、および酵素的消化を含む方法によって、質量分析による分析のために調製される。
質量分析を行う前に、溶解され任意で断片化されたAβを脱塩してもよい。試料の脱塩(例えば、ZipTipによる)は、質量分析の感度を10倍増加させる可能性がある。
次に、単離され任意で断片化されたAβを、質量分析によって分析する。近年の生物材料に関して用いられるイオン化技術には、ESI(エレクトロスプレーイオン化)およびMALDI(マトリクス補助レーザー脱離イオン化)が含まれる。好ましくは、用いられる質量分析は、MALDI-TOF(飛行時間型)質量分析である。MALDI-TOF-MS分析のスペクトルは、主に、完全な1価分子イオンからなる。タンパク質のようなより大きな分子もまた、多価イオンおよび、その濃度に応じて一価多量体を生じる可能性がある。
質量分析における天然14N Aβのピークパターンは、基線がその人工的15N相同体とは離れており、それによって質量分析における天然Aβと標準Aβの識別が可能になる。
凝集Aβの供給源に存在するAβの量は、a)15N標識アミロイド標準物質とAβ供給源由来のAβの二つの主要なピークの高さを比較することによって、b)分離されたピークパターンの全ピーク高を比較することによって、c)二つの主なピーク下面積を比較することによって、およびd)二つの異なるピークパターンの全てのピーク下面積の総和を比較することによって、質量分析に対する異なるアプローチにより決定されうる。技法の最初に加えた規定量および既知量の標識Aβ標準物質を用いて、Aβ供給源に存在するAβの量を計算することができる。三次元アミロイド沈着物に、例えばプラークに存在するAβの量を決定しなければならない場合、補正因子を計算に含めなければならない。
本発明のさらなる態様において、以下の段階を含むβアミロイドペプチドの定量方法が提供される:
(a)凝集βアミロイドを含む哺乳類の脳試料から切除したアミロイド沈着物を提供する段階;
(b)安定な同位元素によって標識したβアミロイドペプチドの規定量を加える段階;
(c)標識したβアミロイドの存在下で、切除した凝集βアミロイドを溶解させる段階;
(d)溶解したβアミロイドをプロテアーゼによって消化する段階;
(e)消化したβアミロイドペプチド混合物を質量分析によって分析する段階;および
(f)βアミロイド中に天然同位元素および安定な同位元素が存在することに起因するベースライン分離の助けを借りて、凝集βアミロイド供給源に存在するβアミロイドの量を決定する段階。
応用
本発明はさらに、組織試料から得たアミロイド沈着物中、例えばプラーク中のAβ含有量を決定するために本発明の方法を用いることを提供する。死亡前にアミロイド沈着物を定量する方法は、軽度のまたは臨床的に曖昧な症例における診断ツールとしてのみならず、Aβ沈着の阻害を標的とする治療の有効性をモニタリングするために必要である。
さらに、例えば血清またはCSFなどの可溶性Aβを含む体液中のAβ含有量を決定するための、本発明の方法の使用が提供される。様々な知見によってアミロイド仮説が拡大されたが、これには、ADの病態の原因となる神経毒性種内の可溶型Aβが含まれる。
さらに、本方法を、アミノ末端およびカルボキシ末端のβアミロイドの微小不均一性を定量するために用いることができる。これは、その量を決定すべき特殊な型のβアミロイドをβアミロイド供給源に加えることによって行われる。
脳性アミロイドーシスの場合、脳内の異なる型のAβ(例えば、1-40、1-42、1-39、1-43)の分布を明確化することができる。レーザー解剖顕微鏡を用いて、AD脳の様々な構造(血管、密なプラーク、散在性プラーク)を選択的に切除して、質量分析によって分析することができる。さらに、これらの異なる構造における個々のタンパク質組成を分析することができる。
本発明をここまで全体的に説明してきたが、説明目的でのみ本明細書に含まれ、かつ特記しない限り制限を意図したものではない具体的実施例を、添付の図面に関連して参照することによって、本発明はよりよく理解されるであろう。
実施例において参照した市販の試薬は、特記しない限り製造元の説明書に従って用いられた。
組織化学によるアミロイド斑の同定
トランスジェニック動物およびヒト脳標本
APPswe/PS2バックグラウンドを有する20ヶ月齢の二重トランスジェニックマウスを用いた(Richards J.G.、Messer J.、Goepfert F.、Ozmen L.、Brockhaus M.、Bohrmann B.、Malherbe P.、Jacobsen H.、Huber G.S.、Bluethman H.、Kew J.N.C.、Kemp J.A.、Ouagazzal A.M.、およびHiggins G.A.(2001)、「Double transgenic mice overexpressing hAPPswe and hPS2mut show age-dependent cognitive deficits and amyloid deposits in discrete brain regions.」、Soc. Neurosci. Abstr. 第27巻、プログラム番号546.7、2001)。
実験において用いるヒト脳組織を、患者のインフォームドコンセントを得た後に、ドナー1人から得た。死後組織を、死後2時間のアルツハイマー患者ただ1人から採取して、天然の組織構造を保存するために直ちに凍結させた(-80℃)。患者は、ApoE4/E4遺伝的バックグラウンドを有しており、試料は皮質領域から採取された。
マウスおよびヒトの脳試料からの切片の調製
マウスをハロタンによる麻酔後、頚部脱臼または断頭のいずれかによって屠殺した。頭部をはさみで開き、脳を摘出して半球に分けてから、ドライアイス中で凍結した。全ての動物実験を、管轄のスイス獣医局が発行した指針に完全に従って実施した。
(免疫)組織化学のために、凍結ミクロトーム(LEICA CM3050 S)を用いて脳組織を厚さ10 μmの切片に切断した。これらの切片をカバーガラス上に置いて、その後の処理(例えば染色)まで-20℃で保存した。
切片をレーザー解剖顕微鏡に供するために、厚さ1.35μmのポリエチレンホイルでコーティングされた特殊なカバーガラス(P.A.L.M. LPC-MOMenT-Objectスライド、8150)を用いた。
コンゴーレッド染色
次に、市販の染色キット(Sigma Diagnostics、Accustain Amyloid Stain、コンゴーレッド、HT60)を用いて、コンゴーレッドによる染色を行った。
脳組織切片をPBS中で5分間再水和した。細胞核を、ガラスキュベットにおいて室温で10分間インキュベートすることによって、メイヤースヘマトキシリン(Mayers Hematoxylin)溶液(Fluka、Hematoxylin Mayer溶液、51275)で染色した。この溶液で核を10分間染色した。プローブを水道水で5分間洗浄してすすいだ後、アルカリ塩化ナトリウム溶液によって20分間処理した。この溶液は、塩化ナトリウム(Sigma Diagnostics、塩化ナトリウム溶液、HT60-1)溶液にNaOH(NaClの1/100容量;Sigma Diagnostics、水酸化ナトリウム溶液、HT60-2)を加えることによって先に調製しておかねばならない。その後、アルカリ性コンゴーレッド溶液(Sigma Diagnostics、コンゴーレッド溶液、HT60-3)でプローブを20分間処理したが、これも同様に1%NaOHを加えてから溶液を濾過する(それによって結晶を除去する)ことにより予め調製しておかなければならない。次にエタノール(Merck、エタノール、100983)で(2回)洗浄し、未結合のコンゴーレッドを除去した。最後の段階においてキシロール(Fluka、m-キシロール、95673)を用いて切片をすすぎ、その後、試料を蛍光マウンティング培地(DAKO、蛍光マウンティング培地、S3023)に抱埋した。
チオフラビンSと同様に、コンゴーレッドは、アミロイド原線維内に存在する構造のような、タンパク質のβプリーツシート二次構造の染料であり、これを用いてアルツハイマー病の特徴である密なプラークを可視化させることができる(Carterら(1997)、A Model for Structure-Dependent Binding of Congo Red to Alzheimerβ-Amyloid Fibrils、Neurobiology of aging 19:37〜40)。
コンゴーレッド(CR)染色によって、マウスにおいてと同様にヒトにおいても、Aβペプチドからなる密に充填されたプラークが見出された。しかし、CRで染色した場合、ヒトおよびトランスジェニックマウスの脳切片は、いくつかの局面において異なった。ヒト脳試料の新皮質における同じ大きさの領域と比較すると、20ヶ月齢のマウスの染色された脳切片では、全体的に多数のCR反応性スポットが示された。マウスにおいて染色されたアミロイド斑は皮質領域全体に均一に分布ていたのに対し、ヒトを用いた場合は、コンゴーレッド親和性(congophilic)プラークをほとんど有さないごく少数の領域が認められたに過ぎなかった。ヒトプラークは、用いたトランスジェニックモデル由来のマウスプラークよりわずかに大きかった。
多数の脳切片および画像から、マウスプラークの大部分がヒトの密なプラークよりも強く染色されていることが明らかとなり、これはより密集しているように思われた。
チオフラビンS染色
脳の組織切片を燐酸緩衝生理食塩液(PBS中)中で5分間再水和した。PBSを除去した後、チオフラビンS(Sigma、チオフラビンS、T1892)水溶液(1%)を3分間〜5分間適用した。その後プローブを70%エタノール(Merck、エタノール、100983)中で3分間〜5分間分化(differentiate)させた。最後にグリセロール-H2O(3:1)(Fluka、無水グリセロール、49770)を用いてマウンティングを行った。
チオフラビンS染色の感度はコンゴーレッドの感度と同等であることから、プラークの大きさ、プラークの数およびスポットの強度に関する知見を、蛍光顕微鏡下で確認できた。ヒトとトランスジェニックモデルとのさらなる違いとは、血管の染色であった。ヒト脳試料をチオフラビンS(またはCR)で染色すると、脳血管内で強い蛍光シグナルが観察されることがあった。用いた二重トランスジェニックモデル由来のマウス脳試料をチオフラビンSで染色した場合、そのような沈着物は観察されなかった。
Aβの免疫染色
脳組織切片をPBS中で5分間再水和させた。PBSを除去した後、4℃の70%アセトン(Fluka、アセトン、00570)1 mlを脳組織切片に約80秒間適用した。次に、切片をPBS 1 mlで2分間洗浄(2回)した後、非特異的結合部位を1%BSA(Roche、ウシ血清アルブミン画分5、775869)、1%卵白アルブミン(Fluka、ニワトリ卵白アルブミン、05440)、および1%正常ヤギ血清(BBInternational、正常ヤギ血清、NGS5)を含むPBS 500 μlによって15分間ブロッキングした。ブロッキング段階を終了した後、最終濃度が約3 μg/mlとなるようにブロッキング溶液で10倍希釈した一次抗体(F. Hoffmann-La Roche Ldt.、BAP-2、ID358、Aβの2位〜8位のアミノ酸を認識する)200 μlで、室温において試料を30分間処理した。このインキュベーション後、500 μlのPBS +1%BSAによる洗浄(3×5分間)を行った。検出のために、PBS +1%BSAで200倍希釈した二次抗体(Molecular Probes、Alexa Fluor488、ヤギ抗マウス抗体、A-11001、ID:555)を、次に室温で30分間適用した。PBS 1 mlによる5分間の洗浄段階を2回およびH2O-Bidestによる2分間の洗浄段階1回によって、抱埋培地(DAKO、蛍光マウンティング培地、S3023)を用いたマウンティング段階のためにプローブを調製した。次に試料を蛍光顕微鏡下で試験し、4℃で保存した。
試料をレーザー解剖のために用いる場合、免疫染色の際に用いるPBSは、プロテアーゼ阻害剤(1錠/50 ml、Roche Diagnostics、プロテアーゼ阻害剤カクテル錠、1836145)を含まなければならない。スライドガラスを空気乾燥させて、さらに使用するまで-20℃で保存した。
Aβ沈着物を染色するために最も感度の高い方法とは、ペプチドに対する特異的なモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体による標識である。脳切片の染色の特徴も同様に、用いた抗体によって異なっていた。ヒトおよびトランスジェニックマウスの脳試料は、この場合も、抗体で染色したのと同じ像を示すことはなかった。ヒトおよびマウスのプラークは、これまでに記述された大きさおよび数の差に加えて、免疫組織化学によってのみ検出される散在性Aβ沈着物に関しても異なった。
トランスジェニックマウス由来の脳ではヒトAβペプチドが過剰負荷されているように思われたが、用いたトランスジェニックマウスの脳の大きな領域は、ヒト脳試料では認められない様々なサイズの大きな散在性小片によって覆われていた。これらの沈着物が本当にアミロイド沈着物であるという確証は、そのような領域をウェスタンブロッティングにより分析することによって得た。この散在性免疫反応性付近の脳の大きな領域が蛍光シグナルを全く含まないという事実によって、この知見がさらに確認された。
さらに、マウスにおける密なプラークと散在性プラークは異なる形態を有しており、明確に区別されうるが、一方ヒトでは、密なプラークと散在性プラークとの間でおそらく連続的移行が起こっているために、この差は明確ではない。
二重標識
原則として、二重標識プロセスとは、コンゴーレッド染色(またはチオフラビンS染色)と免疫標識との組み合わせである。可能な一連の染色法を二つ試験したところ、最初にコンゴーレッド染色を行い、その後免疫染色を行うことによって、最善の結果が得られた。PBSによる再水和の直後にアセトン処理を行うことによって、染色技法を上記のように連続的に実施した。
利用可能な生物材料におけるプラークの有無を試験するために、トランスジェニックマウスおよびヒトの脳由来の脳試料をコンゴーレッド、チオフラビンS、およびAβに対する特異的抗体で染色した。
ヒトおよびトランスジェニックマウスに由来するAβの染色特性を、表1に要約する。
アミロイド沈着物の(免疫)組織化学において認められた差を、二重染色アプローチによって調べた。この技法によって顕著なAβ沈着が明らかとなったが、これはコンゴーレッド/チオフラビンSでは示されず、抗体によっては認識された。Aβ沈着物が存在しないためにヒトにおけるコンゴーレッド親和性スポットの数がより少ないのではなく、これは、コンゴーレッド/チオフラビンSとより感度の高い抗体との感度の差を示すものである。免疫組織化学と比較して着色染料による染色能に差が認められたことは、おそらくヒトプラークとトランスジェニックマウスプラークとの密集性の差に起因する。
これらの染色から、少なくとも二種類の異なるAβ沈着物、すなわち密なプラークおよび散在性プラークがヒト(およびトランスジェニックマウス)のアルツハイマー病の脳において頻繁に生じることが示された。感度のより低いコンゴーレッドでは非常に密集したプラークのみが染色されたが、さらにより感度の高い抗体によってさらに、散在性沈着物が示された。
Figure 2004157124
アミロイド斑の回収および処理
レーザー解剖顕微鏡
プラークタンパク質の試験は、プラークの単離のための高度な技法および感度の高いタンパク質化学法による。単離のために、レーザー解剖顕微鏡(LDM)を適用した(Schutzeら(1998)、「Identification of expressed genes by laser-mediated manipulation of single cells」、Nature Biotechnology 16:737〜742;Simoneら(1998)、「Laser-capture microdissection: opening the microscopic frontier to molecular analysis」、TIG 14:272〜276)。用いたレーザー解剖顕微鏡(P.A.L.M.、ロボット-マイクロビーム)は、三つの主要な構成成分からなる。
適当な励起波長を選択することとは別に、新しく開発されたフィルター(ビームスプリッター)を備えた倒立蛍光顕微鏡(Carl Zeiss、Axiovert135)も同様に、レーザービームを通過させて所望の放出波長を濾過する(Zeiss、フィルターセット09、励起:BP 450〜490、ビームスプリッター:FT 510、放出:LP 520)。
パルス窒素レーザー(337 nm)は、その焦点(レーザービームを目的物の焦点平面に集める)およびレーザーのエネルギーに関して変更されうる。レーザーは、パルス期間3 nsで1分間あたり30エネルギーパルスの最大設定を用いた低温剥離用に調節する。定常レーザー光線と比較すると、パルスレーザーは、生物標本を損傷しうる過剰な熱対流を回避するものである。
コンピューターシステムにより、レーザー光線の自動配置および最大50の解剖位置の保存を行うための電動xyステージの制御が可能になる。顕微鏡を通して、または代替的にモニター上でCCDカメラを用いて、試料を観察および調べることができる。
レーザー解剖顕微鏡は、低温剥離段階および、二つの異なる設定のレーザー光線を必要とするレーザー圧発射の段階を含む。
1)低温剥離
切除プロセスは、加熱を行わない限定的な剥離光分解プロセスである(Srinivasan, R.(1986)、「Ablation of polymers and biological tissue by ultraviolett lasers」、Science 234:559〜565)。最初に、脳切片を37℃で最大30分間乾燥させる。生体構造を実際に切除するために、顕微鏡を倍率20倍に設定して、焦点距離(focus)を最大35ポイントに合わせ、エネルギーを最大44ポイントに設定した(任意の単位)。所望の構造を切除した後、ボタンを1回押すだけで位置が保存される。
2)レーザー圧発射(LPC)
第二段階において、切除した試料を採取した。この段階は、エネルギーを増大させた(+20ポイント)単一レーザーパルスによって技術的に媒介されるが、これは試料の少し下に(-2.2ポイント、最大で1 μm〜2 μm)その焦点平面を有する。単一レーザーパルスは急速なガスの膨張を誘発するが、これにより切除した材料が共通の微量遠心管のキャップに直接輸送され、これは特殊なLPCコレクター装置によってレーザー発火線の上に集められて固定される。この技法によって、切除した材料がキャップに蓄積された。
脳切片から切断された切除材料は、プラーク全体を表すものではなく、三次元形状のアミロイド沈着物由来の円板を表すに過ぎない(図8)。次に、三次元形状のアミロイド沈着物中に存在するAβの量を決定する際に、この事実を考慮に入れなければならない。LDMによるプラーク切除前後の免疫染色トランスジェニックマウス脳切片の写真をそれぞれ、図2Aおよび図2Bに示す。
キャップに、8 M尿素(BioRad、尿素、161-0731)を含む試料緩衝液(マウス組織用:Invitrogen、NuPAGE SDS試料緩衝液4×、NP0003)最大25 μl、またはギ酸(ヒト組織用:Fluka、ギ酸、06440)最大25 μlを満たした。切除された組織を回収した後、15,500×gで液体を遠心沈降させた。ヒト試料の入ったキャップをさらにHCOOH 30 μlによって2回洗浄した後、遠心沈降させた。ヒト材料をHCOOH中に一晩放置した。その後、これをボルテックス攪拌して、水浴中で3分間の超音波処理を3回行い、それぞれの処理のあいだにボルテックス攪拌を行った。その後、HCOOH(〜90 μl)を排液遠心管中で蒸発させて乾燥させた。酸性残渣を中和するために、1%ピリジン溶液50 μlを加えてボルテックス攪拌を行い、再度、排液遠心管中で蒸発させて乾燥させた。残りの残渣を、8 M尿素を含むSDS試料緩衝液25μl混合し、下記のウェスタンブロットアッセイに記載されるようにさらに処理した。
βアミロイドの分析および定量
質量分析によるAβの検出
染色したマウス脳切片由来のプラーク100個をレーザー解剖によって切除して、ギ酸によって一晩処理した。翌日、試料に3分間の超音波処理を3回行い、それぞれの処理のあいだにボルテックス攪拌を行った。液体を11900×gで5分間遠心沈降させた後、試料をスピードバック(Speed Vac)中で蒸発乾固させた。得られた沈降物を、0.1 μg〜1 μgのLys-Cまたはトリプシンを含む10 mM炭酸水素アンモニウム10 μl中で室温で一晩消化させた。ZipTip(商標)(MILLIPORE、ZipTip、ZTC18S960)を用いて試料を脱塩してからMALDI標的にスポットした。技法を図1で概説する。
ケラチンのバックグラウンドを回避するために以下の手法を行わなければならなかった。低温槽(kryostate)を洗浄し、かつ脳試料を調製する際にプラスチック手袋を着用して、汚染を防止した。脳切片における非特異的結合部位を遮断するためにヤギ血清を加えることは、染色技法中では省略した。さらに、BAP-2腹水(これはシリンジにより皮膚を介して採取した)ではなく精製Aβ抗体を用いてAβ陽性プラークを染色した。
同位元素希釈と質量分析によるAβの定量
アミロイド斑から得たAβペプチドの消化パターンを、15N標識生合成Aβ1-42から得たタンパク質分解断片と比較した。15N標識生合成Aβ1-42を、15N標識アミノ酸を用いてDoebeliら(Doebeliら、Biotechnology 13、1995、988〜993)によって作製した。Aβ標準物質は、プラーク由来のAβに関する技法と同じ作業技法を用いて分析した。
マウスプラークにおけるアミロイドの量を定量するために、規定量の15N-Aβ1-42(M35Mox)を、切除したプラークを含むエッペンドルフチューブの蓋に加えた。次に、得られた混合物を、標準的なパラメーターを用いてリフレクターモードで操作するBruker Ultraflex Tof-Tof質量分析計(Bruker Daltonics、ブレーメン、ドイツ)を用いて、MALDI質量分析によって分析した。
質量分析による相対的定量は、加えたタンパク質(例えば、Aβ)標準物質の量が、プラークに存在するタンパク質の有効量に等しい場合に、最も正確である。この量を決定するために、様々な量のAβ標準物質を加えた様々な数のプラークを3回の連続的実験において分析した(図6)。プラーク15個またはそれ以下を用いると、加えた15N標識Aβ標準物質のみしか検出できなかったが、プラーク200個から得られた結果は、機器の直線範囲を超えることが判明した。3回目の実験において、プラーク100個に15Nアミロイド標準物質を5 pmol、10 pmol、および25 pmol加えた(図3)。これらの条件を用いたところ、14N/15Nアミロイド比の比例的増加が認められた:10 pmolの15N標識Aβ標準物質は、プラーク100個中に存在するAβの有効量にほぼ等しかったが(図3B)、5 pmol(図3A)および25 pmol(図3C)の15N Aβから得られた反応はそれぞれ、この量を下回ったおよび上回った。
15N標識アミロイド標準物質およびプラーク由来のアミロイドの二つのピークの高さを比較することによって、プラーク100個中に存在する(溶解性)Aβの有効量を計算して、その結果、単一の切除されたプラークに存在するAβ量を決定することができる。
二つのAβ断片の同位元素分布モデルの比較から、単一の同位元素のピーク(12C/14Nおよび12C/15N)の高さがほぼ類似していることが判明した(図4および図5)。したがって、加えたAβ標準物質の量が既知である場合、実験から得た類似ピークの高さを比較することによって、プラーク中のAβの量を決定することができる。これらの結果を図8Aに示す。
Aβの定性的確認
タンデム型質量分析
検出されたペプチドがプラークAβタンパク質に由来することは、タンデム型質量分析によって確認した。Lys-C消化後のプラークから得られたAβペプチドを時間ゲーティング(time gating)によって単離して、ポストソース分解によって断片化した。ペプチドは優先的にペプチド結合において断片化するため、得られた断片化パターンは、そのアミノ酸配列を表している。14Nアミロイド合成標準物質のLys-C消化で得られた対応するペプチドも、同様に分析した。プラークのAβペプチドから得られたタンデム型質量分析を、Aβ標準物質由来のタンデム型質量分析と比較することにより、同一のパターンが見出され、それによって、プラーク中にAβタンパク質が存在することが確認された。
同位元素の分布
Aβ断片のさらなる定性的証明を、同位元素分布の比較によって行った。それぞれのペプチド(すなわち、Aβ断片)は、天然同位元素(すなわち、12C/13C、14N/15N)の特徴的な分布を有する。したがって、理論的に計算された同位元素分布との比較による、断片の質量分析により、特定のペプチドを明確に同定する特徴的な一連のピークが示される。
これらの調節されたおよび実験的に得られたAβ断片1-16(図4)およびAβ断片17-28(図5)の同位元素分布のスペクトルの比較によって、同一のパターンが示され、それによってプラーク中のAβタンパク質の存在が定性的に確認される。
単離されたプラークセグメント中のAβ含有量の、プラーク全体への変倍(scaling)
プラーク中のAβの推定量に関して本明細書に示した結果を、プラーク全体における絶対的な含有量に外挿した。定義されるように、「プラーク」という用語は、直径が最大40 μm(マウス)から最大70 μm(ヒト)のプラーク全体から切断された10 μm切片に関して用いた。この円板に関して得られたAβの量を全体の球状プラークに対して変倍するために、プラークの切断の厚さおよび大きさに基づく「補正」因子を計算しなければならない。
プラーク球の全容積に対する円板の容積の比(Vdisc:r2πhおよびVsphere:4/3πr3)は、円板において決定されたAβの量を球における全量に外挿するための「補正」因子である。表2に、切片の厚さを10 μmであると仮定して、異なるプラークの大きさに関する「補正」因子を記載する:
Figure 2004157124
ウェスタンブロッティングによる方法の確認
ウェスタンブロッティングは、Idaら(Ida N、Hartmann T.、Pantel J.、Schroder J.、Zerfass R.、Forstl H.、Sandbrink R.、Masters C.L.、Beyreuther K.(1996)、「Analysis of Heterogenous βA4 Peptides in Human Cerebrospinal Fluid and Blood by a Newly-Developed Sensitive Western Blot Assay.」、J. Biol. Chem. 271:22908〜22914)の方法に小さな改変を加えて行った。
8 M尿素(BioRad、尿素、161-0731)を含む試料緩衝液(Invitrogen、NuPAGE SDS試料緩衝液4×、NP0003)中に生体材料を含む試料を、還元剤(Invitrogen、NuPAGE試料還元剤10×、NP0004)2 μlと共に混合して、ボルテックス攪拌を行い、50℃で10分間加熱し、再度ボルテックス攪拌を行って50℃で10分間加熱して、11900×gで5分間遠心分離した。
分離は、MES泳動緩衝液(Invitrogen、NuPAGE MES SDS泳動緩衝液、NP0002)を用いる10%SDS-PAGE(Invitrogen、10%NuPAGEビストリスゲル、NP0301)によって行った。ゲル上で分離したタンパク質を25 Vで1時間、ニトロセルロースメンブレン(Amersham、Hybond-Cエクストラ、RPN303E)上に電気泳動的に転写した(転写緩衝液は、Invitrogen、NuPAGE転写緩衝液20×、NP0006+20%MeOH(Merck、106009);転写ブロットは、BioRad、Mini Trans-Blot濾紙、170-3932)。ブロットしたメンブレンを沸騰PBS中でマイクロ波(900 W)により3分間加熱して結合を増強させ、非特異的結合部位を、0.05%ツイーン20(Fluka、ツイーン20、93773)を含むPBS中、すなわちPBS-T中で、5%スキムミルク(Fluka、スキムミルク粉末、70166)50 mlを用いて少なくとも30分間ブロッキングした。新鮮なPBS-Tですすぎ(2×)および洗浄(1×5分間)を行った後、メンブレンに、PBS-Tで希釈したWO-2抗体(ハイデルベルク大学分子生物学センターのK. Beyreuther氏の研究室からの供与であり、これはバックグラウンドの全く無い強いシグナルを提供する)を加え、4℃で一晩インキュベートした。膜をまずPBS-Tによって洗浄した後、新鮮なPBS-Tによってすすぎ(3×10分間)、結合した抗体を、PBS-Tによって10,000倍希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ結合二次抗体(Amersham、NA931/NA934)50 mlで検出した。前述と同様のPBS-Tによる洗浄およびすすぎサイクルを、メンブレンに適用した。メンブレンをオートラジオグラフィーフィルム(Kodak、BIOMAX ML、243 012 06)に曝露することによって、製造元の説明に従ってECL検出系(Amersham、ECLウェスタンブロッティング検出試薬、RPN2106)による可視化を行った。
様々な数のプラークをゲルにロードすることによって、ウェスタンブロットによるAβ検出用のマウスプラークの最小数はプラーク1個であると決定された(図7)。検出したバンドの強度はプラークによって異なった。Aβ含有量の推定値を得るために、いくつかのプラークをゲルにロードして、合成Aβの標準的な濃度のバンド強度と比較した。マウスプラークの大多数は、0.05 ng〜0.2 ngの範囲内の量のAβを含んだ。測定したプラークの大きさによると、密なマウスプラーク(球状)の半径は10 μm〜30 μmのあいだである。切除したプラーク(円板)におけるAβの推定量が0.05 ng〜0.2 ngであれば、マウスプラーク全体(球状)におけるAβの全量が0.07 ng〜0.8 ngであると計算することができる。
0.1 ngの合成Aβ由来のバンド強度を様々な数のヒトプラーク由来のバンド強度と比較することによって、ヒトプラーク1個中のAβ量を推定した。ヒトの密なプラーク9個には0.1 ngを上回るAβが含まれるが、ヒトの密なプラーク4個ではこの値未満であった。したがって、ヒトプラーク1個中のAβの量は約0.01 ngである。ヒトプラークの半径は10 μm〜50 μmの範囲であり、Aβの量は0.01 ng〜0.05 ngである。したがって、ヒトプラーク全体(球状)におけるAβの全量を、0.013 ng〜0.33 ngの範囲であると計算することができる。
MSおよびウェスタンブロットによって得られたマウスプラークに存在するβアミロイドの定量結果を比較することによって、MSおよび同位元素希釈を含む方法は、最大4倍〜5倍量の、単一マウスプラークに存在するAβを検出した。これは、分析物の大部分が操作のあいだに失われたという事実に起因する。質量分析法では、14N Aβおよび15N Aβの喪失は同じ割合で起こると想定されているため、これらの二つの同位元素種の比率は、技法の最初の状況を反映している。ウェスタンブロット(またはELISA)では内部標準を用いることができず、分析物の喪失は未知因子となるであろう。
脳切片に由来するプラークのAβ含有量の決定方法のフローチャート。 レーザー解剖顕微鏡およびレーザー圧発射の前後におけるトランスジェニックAPPswe/PS2マウスの免疫染色脳切片。 14N Aβおよび15N Aβの断片1-16および17-28による質量分析プロフィールの例。A)トランスジェニックAPPswe/PS2マウス由来のプラーク100個および内部標準5 pmolによる実験;B)プラーク100個および内部標準10 pmolによる実験;C)プラーク100個、および内部標準25 pmolによる実験。 計算された、および実験的に観察された、14N Aβおよび15N Aβの断片1-16の比較。 計算された、および実験的に観察された、14N Aβおよび15N Aβの断片17-28の比較。 最適作業範囲の決定:四角、1回目の実験;丸、2回目の実験;三角、3回目の実験(図3を参照のこと);黒のアイコン、有用な範囲;白のアイコン、結果が得られず;四角内の領域、選択された作業範囲。 ウェスタンブロットによる方法の確認。レーン1〜5:HCOOHで(一晩)処理した切除された単一マウスプラーク1個。レーン6:サイズマーカー。レーン7〜10:0.1 ngの合成Aβ1-42。WO-2抗体、曝露時間は2分間であった。プラーク中のAβの検出可能な量は、0.05 ng〜0.2 ngである。 A)トランスジェニックマウスから単離したプラークのAβ含有量の定量:MS、質量分析;WB、ウェスタンブロッティング;必要数、分析したプラーク数。B)実験:切除したプラークにおけるAβ量(2D)を分析する。この量は、球状のプラークに存在するAβ量を表すために修正されねばならない。

Claims (18)

  1. 以下の段階を含む、βアミロイドペプチドの定量法:
    (a)βアミロイドの供給源を提供する段階;
    (b)安定な同位元素によって標識したβアミロイドペプチドの規定量を(a)の供給源に加える段階;
    (c)非標識βアミロイドと標識βアミロイドとを単離する段階;
    (d)単離されたβアミロイドを質量分析による分析のために調製する段階;
    (e)調製されたβアミロイドペプチドを質量分析によって分析する段階;および
    (f)βアミロイドの供給源に存在するβアミロイドの量を決定する段階。
  2. 段階(a)におけるβアミロイドの供給源が、組織試料から得られたアミロイド沈着物である、請求項1記載の方法。
  3. アミロイド沈着物がレーザー解剖顕微鏡による切除によって組織試料から得られる、請求項2記載の方法。
  4. 段階(a)におけるβアミロイド供給源が体液である、請求項1記載の方法。
  5. 段階(b)において加えられた標識βアミロイドが、組み換えによって産生されかつ少なくとも一つの安定な同位元素によって標識されたβアミロイドである、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 段階(b)において加えられた標識βアミロイドが合成によって産生されかつ少なくとも一つの安定な同位元素によって標識されたβアミロイドである、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 段階(b)において加えられたβアミロイドが15N、13C、18O、および2Hを含む群より選択される安定な同位元素によって標識される、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 段階(c)におけるβアミロイドがタンパク質化学および免疫化学を含む方法によって体液から単離される、請求項1、4〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 段階(c)におけるβアミロイドが、溶解剤による溶解を含む方法によってアミロイド沈着物から単離される、請求項2〜3、5〜7のいずれか一項記載の方法。
  10. 段階(d)における単離されたβアミロイドが、飛行増強剤との化学反応、化学的断片化、および酵素的消化を含む方法によって、質量分析による分析のために調製される、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 段階(d)における単離されたβアミロイドが、エンドプロテイナーゼLys-C、トリプシン、およびエンドプロテイナーゼGlu-Cを含む群より選択されるプロテアーゼを用いた酵素的消化によって、質量分析による分析のために調製される、請求項10記載の方法。
  12. 段階(e)における調製されたβアミロイドが、質量分析による分析の前に脱塩される、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 段階(e)における調製されたβアミロイドがMALDI-TOF質量分析によって分析される、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. 以下の段階を含む、βアミロイドペプチドの定量法:
    (a)凝集βアミロイドを含む哺乳類の脳試料から切除されたアミロイド沈着物を提供する段階;
    (b)安定な同位元素によって標識したβアミロイドペプチドの規定量を加える段階;
    (c)標識したβアミロイドの存在下で、切除された凝集βアミロイドを溶解させる段階;
    (d)溶解したβアミロイドをプロテアーゼによって消化する段階;
    (e)消化したβアミロイドペプチド混合物を質量分析によって分析する段階;ならびに
    (f)βアミロイドに天然のおよび安定な同位元素が存在することに起因するベースライン分離の助けを借りて、凝集βアミロイド供給源に存在するβアミロイドの量を決定する段階。
  15. 組織試料から得られた凝集βアミロイドを含むアミロイド沈着物におけるβアミロイド含有量を決定するための、請求項1〜3、5〜7、9〜14のいずれか一項記載の方法の使用。
  16. 可溶性のβアミロイドを含む体液中のβアミロイド含有量を決定するための、請求項1、4〜8、10〜13のいずれか一項記載の方法の使用。
  17. アミノ末端微小不均一型のβアミロイドを定量するための、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法の使用。
  18. カルボキシ末端微小不均一型のβアミロイドを定量するための、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法の使用。
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