JP2004157105A - 圧力センサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の第一配線2と複数の第二配線3を交差させて配置し、両配線の交差部付近にセンサ部4を設けた圧力センサにおいて、前記センサ部は空洞部10を介在させて第一電極8と第二電極9が対向配置されており、複数の前記センサ部4を圧力検知領域に配置し、列方向に並ぶ各センサ部の空洞部を空間的に連通させる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力センサに関し、特に微細な形状を検知するセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、個々を識別する装置として指紋センサが用いられており、この指紋センサには簡単で且つ精度良く指紋を検知することが要求されている。この種の指紋センサとしては指紋を光学的に検知するものや電気的に検知するものなど、様々なタイプのものが研究、開発されている。例えば特開平9−126918号公報や特開平10−300610号公報には、電極を有するマイクロセンサ部をマトリクス状に配置し、指からの圧力を電気信号に変換して指紋を検知するものが記載されている。このマイクロセンサ部は、2枚の電極の間に空洞を介在させた状態で対向配置している。
【0003】
図18には製造途中におけるマイクロセンサ部の断面図を示す。シリコン基板101上にはエッチングバリア層102が積層され、その上に所定のパターンでAu又はTiによる第一金属層103が形成される。この第一金属層103は可変コンデンサの第一電極、若しくは、マイクロコンタクタの第一端子として使用される。第一金属層103に対応して多結晶シリコン又はAlからなる隔膜104を形成し、隔膜104上にAu又はTiからなる第二金属層105を形成する。そして基板101の表面全体を窒化シリコンからなる絶縁膜106で覆う。マイクロセンサ部の表面には第二金属膜105及び絶縁膜106に隔膜104まで達する開口107が形成され、開口107の部分で隔膜が外部に露出する。なお図18ではこの状態を示している。この後で基板101にウェットエッチングを行うが、このとき溶液が多結晶シリコン又はAlからなる隔膜104をエッチングし、隔膜104が取除かれて空洞が形成される。エッチング終了後に開口107を窒化シリコンなどで塞ぎ、空洞を密閉する。そしてマイクロセンサに指からの圧力が加わると、その圧力に応じて絶縁膜106及び第二金属層105が第一金属層103側へ湾曲し、その状態に応じた電気信号を出力して、指紋の形状を検知する。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−126918号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、マイクロセンサ部の開口107を開けたままにしておくと、その開口107から空洞内に塵埃などが入り込んで誤動作の原因になるため、開口107は塞いだ方がよい。しかしながら開口を塞いだ後で例えばプラズマCVDにより絶縁膜を積層する工程があるとき、その製造工程でマイクロセンサを真空状態の中に曝すことになる。このとき空洞が密閉されているため空洞内と外部との間に気圧差が生じ、第二金属層105に大きな負担がかかり、その結果マイクロセンサ部が破損してしまう問題が生じる。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みなされたもので、製造中のセンサ部の破損を防止し、歩留まりを向上させた圧力センサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の圧力センサは、複数の第一配線と複数の第二配線を交差させて配置し、両配線の交差部付近にセンサ部を設けた圧力センサにおいて、前記センサ部は空洞部を介在させて第一電極と第二電極が対向配置されており、複数の前記センサ部を圧力検知領域に配置し、列方向に並ぶ各センサ部の空洞部を空間的に連通させたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明において、前記第二電極は前記センサ部に圧力が加わったときに前記第一電極側へ湾曲可能に形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明において、前記各センサ部の空洞部を連通させる連通部にリリース口が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明において、隣接する前記センサ部の間に前記連通部が2つ設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明において、前記センサ部は前記空洞部の上面をなす膜を貫通する円状のリリース口を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明において、前記連通部は該連通部と接続する前記センサ部の電極と同一材料で形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明において、前記センサ部は前記第一配線と前記第二配線の交点からずらして配置されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明において、隣接するセンサ部の前記第二電極は電気的に接続する連通部を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明において、隣接するセンサ部の前記第一電極は電気的に接続する連通部を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明において、空洞部を介在させて第一電極と第二電極を対向配置したセンサ部を有し、複数の前記センサ部を圧力検知領域に配置した圧力センサにおいて、センサ部とは別に設けられると共に表面に通気口を有する通気口部と、前記センサ部の空洞部と前記通気口部の通気口を空間的に連通する通路部を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明において、前記通路部は屈曲部を有していることを特徴とする。
【0018】
また、本発明において、前記通路部はつづらおり状に形成されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明において、前記通路部は渦巻き状に形成されていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明において、前記センサ部は前記空洞部の上面をなす膜を貫通する円状のリリース口を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明において、前記通気口部は前記通気口部の上面をなす膜を貫通する多角形の通気口を有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明において、前記通気口部は前記通気口部の上面をなす膜を貫通する四角形の通気口を有することを特徴とする。
【0023】
また、本発明において、複数の前記センサ部をマトリクス状に配置し、前記通気口部は前記センサ部が配置された領域の外側に配置されていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明において、前記通路部の内面のうち少なくとも一面は前記センサ部の電極と同じ材質により形成されていることを特徴とする。
【0025】
また、本発明において、前記通路部の内面は絶縁性の膜により形成されていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明において、隣接するセンサ部の前記第二電極は電気的に接続する連通部を有することを特徴とする。
【0027】
また、本発明において、隣接するセンサ部の前記第一電極は電気的に接続する連通部を有することを特徴とする。
【0028】
また、本発明の圧力センサの製造方法は、空洞部を介在させて第一電極と第二電極を対向配置したセンサ部と、通気口を有する通気口部と、前記センサ部の空洞部と前記通気口部の通気口を空間的に連通させる通路部とを有する圧力センサの製造方法において、基板上に金属層を積層してセンサ部に対応する位置に第一電極を形成する工程と、前記第一電極の一部を露出させる第一絶縁膜を形成する工程と、前記第一絶縁膜上に金属層を積層すると共に、前記センサ部及び前記通気口部の空洞部と前記通路部に相当する部分の前記金属層を残して中間層を形成する工程と、前記中間層上に金属層を積層すると共に、中間層上の金属層をパターニングしてセンサ部の第二電極を形成する工程と、前記第二電極上に第二絶縁膜を形成する工程と、前記中間層上に位置する前記第二電極及び前記第二絶縁膜の一部分を取除いてセンサ部のリリース口及び通気口部の通気口を形成する工程と、前記リリース口及び前記通気口を介して中間層を除去する工程と、前記リリース口を塞ぐ工程を備えたことを特徴とする。
【0029】
また、本発明の圧力センサの製造方法は、空洞部を有するセンサ部を複数配置し、隣接する前記センサ部の空洞部を空間的に連通する連通部を備えた圧力センサの製造方法において、基板上に金属層を積層してセンサ部に対応する位置に第一電極を形成する工程と、前記第一電極上に第一絶縁膜を積層する工程と、前記第一絶縁膜を部分的に取り除いて前記第一電極の中央部分を露出させる工程と、前記第一絶縁膜上に金属層から成る中間層を積層する工程と、前記中間層をパターニングしてセンサ部の中央部分及び連通部に相当する部分を残す工程と、前記中間層上に金属層を積層し、少なくともセンサ部及び連通部の中間層を覆うように金属層をパターニングしてセンサ部の第二電極を形成する工程と、前記第二電極上に第二絶縁膜を形成する工程と、前記中間層上に位置する前記第二電極及び前記第二絶縁膜の一部分を取除いてセンサ部のリリース口を形成する工程と、前記リリース口を介して中間層を除去してセンサ部の空洞部及び連通部を形成する工程と、前記リリース口を絶縁膜により塞ぐ工程を備えたことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明の圧力センサの概略を示す全体図である。1は透明なガラス基板であり、ガラス基板1上には行方向に存在する複数の第一配線2と列方向に存在する複数の第二配線3がマトリクス状に形成されている。この実施例では基板としてガラス基板1を用いたが、ガラス基板に限定するものではなく、プラスティックフィルムなどでもよい。4は第一配線2と第二配線3の交差部付近に設けられたセンサ部、5は第二配線3上に設けられた通気口部である。複数のセンサ部4をマトリクス状に並べた領域が、微細な形状を検知する圧力検知領域に該当し、通気口部5は圧力検知領域外に設けられている。なお、センサ部4を組み込んだ圧力センサ装置には形状を検知するための領域が設けられているが、ここでいう圧力検知領域とはこの圧力センサ装置の形状を検知するための領域ではなく、センサ部4が存在する領域のことを意味する。通気口部5はセンサ部4が並ぶ列方向の延長線上に存在し、この列方向に並ぶセンサ部群の両端に隣接して配置されている。なお、通気口部5をこのセンサ部群の一方の端部にだけ隣接配置してもよい。6は第一配線2に走査信号を供給する走査回路、7は第二配線3に流れる信号を検知する感知回路である。
【0031】
センサ部4の詳細な構成は後述するが、センサ部4では第一配線2に接続する第一電極と第二配線3に接続する第二電極が空洞部を介して対向配置している。第二電極は検体からの圧力に応じて第一電極側に湾曲し、所定以上の圧力が加わると第一電極に接触する。そして検体を圧力検知領域に押し付けたとき、検体の凸部に対応するセンサ部4では両電極が接触し、検体の凹部に対応するセンサ部4では両電極が離れたままである。このとき走査回路6から1つの第一配線2に走査信号を供給すると、両電極が接触しているセンサ部4では両電極を介して第二配線3に信号が流れ、両電極が接触していないセンサ部4では第二配線3に信号が流れない。そして感知回路7で第二配線3を流れる信号の有無を検知すれば、各センサ部4に加わる圧力を検知できる。走査回路6から各第一配線2に順次走査信号を供給し、圧力検知領域を一通り走査して形状を検知する。
【0032】
図2はセンサ部4及び通気口部5の平面図を示し、図3は図2のA−Aに沿った断面であるセンサ部4の断面図、図4は図2のB−Bに沿った断面である通気口部5の断面図、図5は図2のC−Cに沿った断面図である。
【0033】
まずセンサ部4の構造について説明する。ガラス基板1上には全面にSiNxによる下層絶縁膜11が積層されている。下層絶縁膜11上には複数の第一配線2がそれぞれ平行に配置され、センサ部4に第一電極8が形成される。この第一配線2と第一電極8は共に下層絶縁膜11上に積層された金属層をパターニングして形成される。この金属層としては例えばAlとMoによる積層構造が用いられる。第一電極8は、センサ部4の中央部に位置し中央電極部に相当する円状部8aと、センサ部4の周囲に位置する環状部8bと、円状部8aと環状部8bを接続する接続部8cとを備えている。この実施例では1つの環状部8bを設け、この環状部8bはセンサ部4の中央を中心とした環状である。
【0034】
12は第一配線2と第一電極8を電気的に接続する細長状のコンタクト層であり、多結晶層や金属層により形成されている。このコンタクト層12は第一配線2や第一電極8の金属よりも高抵抗な部材で形成する。ここでコンタクト層12の抵抗をR、第一配線2に供給される走査信号の電圧をE、第二配線3を流れる電流をIとすると、E=IRの関係が成り立つ。従って1つのセンサ部4を介して第二配線3に流れる信号は、電流値がIになる。しかし、第二配線3を流れる信号が、例えばセンサ部4、走査されていない第一配線2、他の列のセンサ部4、他の列の第二配線3と流れた場合、走査信号は始めの第一配線2から見て最終的に3つのコンタクト層12を通過することになる。そして、この他の列の第二配線3を流れる電流をI’とすると、E=3RI’となり、I’=I/3となる。従って第二配線3を流れる電流値を見ることで他のセンサ部4を経由していないかを見分けることができ、センサ自体の精度を向上させることができる。
【0035】
このコンタクト層12には膜厚均等に成膜でき、光学的手段を用いてパターン形成可能なものがよく、多結晶シリコンや導電性不純物を混入したアモルファスシリコン層が用いられるが、スイッチング素子や整流素子(ダイオードなど)で構成しても良い。コンタクト層12の抵抗は感知回路7で検出できる最小の電流値を基にして決める。また、高抵抗のコンタクト層12を用いる場合は、配線抵抗を小さくする必要がある。抵抗は距離に比例するため、走査回路6から離れるほど走査回路6までの抵抗も高くなる。そのため走査回路6から遠いところに位置するセンサ部4までの配線抵抗がコンタクト層12と同程度の抵抗になった場合、感知回路7の検出結果から適正な値かどうかの見分けがつかなくなる。よって第一配線2には抵抗の小さいAl等を含むようにした方がよい。
【0036】
13はSiNxまたはSiO2などによる第一絶縁膜であり、下層絶縁膜11や第一配線2などを覆っている。第一絶縁膜13はセンサ部4にも存在するが、センサ部4の中央付近には円形状のセンサ孔14が形成され、第一電極の円状部8aの中央部分を露出させている。このセンサ孔14の大きさや厚さ(センサ孔14周縁の第一絶縁膜13の厚さ)はセンサの感度に影響する。
【0037】
第一電極の円状部8aの周囲を第一絶縁膜13で覆っているため、第二電極9が第一電極8と大きな範囲で密着することがなく、第二電極9が第一電極8に接触した後に第一絶縁膜13付近から第二電極9が第一電極8と離れる。そして第一絶縁膜13が厚くなるほど、第二電極9の弾力性が弱くても元の状態に戻りやすくなるが、第二電極9が第一電極8に接触する可能性も低くなる。
また、センサ孔14が大きいときは第一電極8の露出部分が多くなり、第二電極9と接触する可能性が増える。従ってセンサ部4に掛かる小さな圧力の検知が可能になるが、それだけ過度の検知にもなりやすい。それに対してセンサ孔14が小さくなると第一電極8の露出部分が少なくなり、第二電極9と接触する可能性が少なくなるため、その分だけ圧力に対して鈍感なセンサになる。よって、第一絶縁膜の厚さやセンサ孔の大きさは圧力センサに求められる感度によって適宜設定される。
【0038】
第一絶縁膜13から露出した第一電極8は空洞部10を介在させて第二電極9と対向配置する。空洞部10の形成方法は後述するが、センサ部4を平面方向から見たとき、空洞部10は第一電極の環状部8bまで広がっている。また、センサ部4の4隅にはリリース口15が設けられ、空洞部10はこのリリース口15にまで延在している。
【0039】
第二電極9は金属層により形成され、例えばMoが用いられる。センサ部4内では、第二電極9は50μm×50μmの正方形状にパターニングされ、4隈にリリース口15が開口している。列方向に並ぶセンサ部4では、それぞれ隣接するセンサ部4との間或いは通気口とセンサ部との間に互いの第二電極9を電気的に連結する連結部30が形成され、第二電極9や連結部30が第二配線3を兼ねている。連結部30は第二電極9よりも幅が狭く、第一配線2に第一絶縁膜13を介して直交方向に重なっている。第二電極9と連結部30の製造工程は後述するが、第二電極9と連結部30は同一の金属層をパターニングして形成されている。
【0040】
第二電極9はほぼ均一な膜厚を有しているが、後述する中間層25の表面が第一電極8の形状に応じて凹凸になるため、第二電極9も凹凸形状になる。つまり大まかにみて円状部8aや環状部8bに対向する部分が凸状になり、第一電極8に対向しない部分が凹状になる。こうして第二電極9が全体的に凹凸部分を有するため、第二電極9が補強され復元力が増加する。また第二電極9に強い圧力が掛かったときでも、第二電極9の全体に応力が働くため強度が増し、第二電極9が破損する可能性が低減し、耐久性が向上する。
【0041】
16は第二絶縁膜、17は保護膜であり、第一絶縁膜13や第二配線2上に積層される。この実施例では共にSiNxで形成されている。なお、これらの膜16、17はSiNxに限定するものではなく、SiO2でもよく、ポリイミドやポリアクリレートなどの有機絶縁膜でもよい。詳細は後述するが、第二絶縁膜16と保護膜17は別工程で形成される。第二絶縁膜16には円状のリリース口15が形成され、リリース口15を形成した後で第二絶縁膜16上に保護膜17を形成するため、リリース口15は保護膜17で塞がれる。そして、リリース口を塞ぐ保護膜17と第二絶縁膜16上に積層される保護膜17は同時形成されるが、膜としては連続せずに分かれている。このリリース口15を塞ぐ保護膜17が閉塞部に相当する。
【0042】
センサ部4では、第二電極9上の第二絶縁膜16と保護膜17が円形状に取除かれ、第二電極9が露出している。第二電極9は第二絶縁膜16が被覆されている境界部分を支点にして湾曲するため、第二絶縁膜16が取除かれている範囲の大きさによって第二電極9の柔軟性が変わる。第二絶縁膜16を大きく取除くと第二電極9が湾曲しやすくなり、検体の凸部が第二電極9に当たったときに第二電極9が湾曲して第一電極8と接触するため、圧力に対して敏感なセンサ部4になる。それに対して、第二電極9上に第二絶縁膜16や保護膜17を広めに残した場合、その分だけ第二電極9が湾曲し難くなるため、圧力に対して鈍感なセンサ部4になる。第二電極9の湾曲のしやすさはセンサ部4の感度に影響し、圧力に対して敏感になるほど圧力の検知のし過ぎにより検体の形状が不明瞭になり、圧力に対して鈍感になるほど微細な形状を検知できない部分が存在するため検体の形状が不鮮明になる。したがって敏感になりすぎても、鈍感になりすぎても誤検知の可能性が増大するため、第二電極9の湾曲のし易さが適正になるように設計する必要がある。そして第二絶縁膜16が取除かれている部分の境界が第一電極8の最も外側の環状部8bよりも内側に位置するように設定すると、第二電極9の柔軟性と復元力が適切な範囲内になる。
【0043】
さらに、薄膜状の第二絶縁膜16や保護膜17が第二電極9上に存在すると第二電極9の補強及び保護の役割を果すため、それだけ第二電極9の破損は少なくなる。この実施例では第二絶縁膜16と保護膜17を除去しているが、これらの条件を考慮して、除去せずに第二電極9上の第二絶縁膜16や保護膜17の厚み方向の一部を取除き、中央部分を薄くしてもよい。このとき薄くした部分はセンサ部4を中心として円形状にするとよい。なお、この実施例では第二絶縁膜16を円形状に取除いたが、第二絶縁膜を多角形状に取除いてもよい。
【0044】
次に通気口部5について説明する。20は通気口部5の中央付近に位置し、下層絶縁膜11上に形成されたダミー電極である。ダミー電極20は中心に開口を有する四角形の金属層であり、第一配線2や第一電極8と同一工程で形成される。従って、例えば下層絶縁膜11の全面にMoとAlの積層構造からなる金属層を積層し、この金属層をパターニングしてダミー電極20、第一配線2、第一電極8を同時形成する。そしてダミー電極20は第一配線2と電気的な接続がなく、孤立して設けられている。第一絶縁膜13は下層絶縁膜11やダミー電極20を覆うように積層され、通気口部5の中央付近では第一絶縁膜13を取除いて下層絶縁膜11やダミー電極20の一部を露出している。
【0045】
21は通気口部5に位置する補助電極であり、センサ部4の第二電極9と同様にMo等からなる金属層を50μm×50μmの正方形状にパターニングし、4隈に円状のリリース口15を形成している。通気口部5の補助電極21はその形状がセンサ部4の第二電極9と類似しているが、形状を検知する機能はなく、第二配線3の一部として存在する。補助電極21と第一絶縁膜13の間には第二空洞部22が設けられ、この第二空洞部22はセンサ部4の空洞部10と空間的に連通し、両空洞部10、22間を通気可能にしている。補助電極21上には第二絶縁膜16が積層され、補助電極21と同様にリリース口15が設けられている。
【0046】
通気口部5の中央には第二空洞部22の上面である補助電極21及び第二絶縁膜16を貫通する四角形の通気口23が形成されている。この実施例では通気口23を四角形にしたが、多角形であればよい。通気口23に対応する位置にはダミー電極20、第一絶縁膜13が存在しない。第二絶縁膜16上に保護膜17を積層するとき、リリース口15はこの保護膜17の一部によって塞がれて第二空洞部22との連通状態を絶たれるが、通気口23では保護膜17が下層絶縁膜11上に積層されるため第二空洞部22との連通状態を維持する。このときリリース口15は円状であるため塞がれやすく、通気口は多角形であるため塞がれにくい。そのことを図10に基づいて説明する。図10は開口を塞ぐときの様子を示した模式図であり、図10(a)は断面図、図10(b)は平面図である。ここで36は空洞35の底面層、37は空洞35の上面層、38は上面層37に形成された開口、39は開口38を塞ぐために積層された封止層である。封止層39はプラズマCVDにより成膜される。開口38のような段差のある個所に成膜を行うと、図10(a)に示すように、開口38のエッジ部(上面層37の端部)と開口38に対応する底面層36上に成膜される。そして底面層36上に積層された封止層39が開口38まで達したとき、図10(b)に示すように、多角形の角部分ではピンホール的な穴が生じる。リリース口15の形状は、中間層25を取り除くことができる構造であれば多角形や円形或いは一部に曲線部を有する形状であってもよい。その中でも開口を確実に塞ぐためには開口の形状を角部分の存在しない円状にするのがよく、リリース口15には円状が適している。それに対して通気口23はリリース口15を確実に塞いだときにも開口していることが求められるため、その形状は角部分が存在する多角形が適している。
【0047】
通気口部5では補助電極21上の第二絶縁膜16、保護膜17は取除かれず、そのまま残っている。従って第二絶縁膜16、保護膜17により補助電極21の湾曲が規制され、通気口23の周辺が補強されることになり、製造中や使用中でも通気口23は第二空洞部22と連通している。
【0048】
24は中空状でその内部を空気が行き来できる通路部であり、通気口部5とセンサ部4の間に位置し、センサ部4の空洞部10と通気口部5の第二空洞部22をつないでいる。通路部24は、その底面を第一絶縁膜13で、側面や上面を第二配線3の金属層である連結部30で構成している。通路部24によりセンサ部4の空洞部10と通気口部5の第二空洞部22が空間的に連通状態になり、通気口23を介して外気の行き来が可能になる。また通路部24の横幅は空洞部10の横幅よりも狭くなっているため、通気口23から入ってきた塵埃が通路部24を介して空洞部10に侵入することを防止できる。29は隣接するセンサ部4間に位置し、センサ部4の空洞部10同士を空間的に連通する連通部である。連通部29の構成は通路部24と共通するため説明は省略する。
【0049】
このような構造により、保護膜17により各リリース口15を塞いだ後でも、センサ部4の空洞部10内をほぼ外気圧と同じ気圧に保つことができる。また、隣接するセンサ部間を空間的に接続することにより各センサ部間の気圧も均一となり、そのため真空引きを行う工程中にセンサ部4の第二電極9には大きな負荷がかからず、破損することを防止できる。さらにセンサ部4とは別に通気口部5を設けているため、センサ部4の空洞部10内に塵埃が侵入することを防止でき、故障の少ない圧力センサを得ることができる。
【0050】
次にセンサ部4と通気口部5の製造工程を図面に基づいて説明する。図6はセンサ部4の製造工程を示す断面図(図3の断面図に相当)であり、図7はセンサ部4の製造工程を示す平面図であり、図8は通気口部5の製造工程を示す断面図(図4の断面図に相当)であり、図9は通気口部5の製造工程を示す平面図である。
【0051】
ガラス基板1上にSiNxからなる下層絶縁膜11を積層し、下層絶縁膜11上にSi層を積層する。Si層をアニール処理によって多結晶化し、その後でフォトリソグラフィ法によりコンタクト層12に相当する部分だけSi層を残す。その後、MoとAlの積層構造をした金属層をスパッタ法等により下層絶縁膜11上に形成し、フォトリソグラフィ法により図6(a)、図7(a)、図8(a)に示すような第一配線2、第一電極8、ダミー電極20を形成する。このときダミー電極20は中央に開口がない四角形状に形成される。
【0052】
次に、下層絶縁膜11や第一配線2上にSiNxを積層して第一絶縁膜13を形成する。そしてエッチング工程によって、第一絶縁膜13は円状部8aとダミー電極20に対応する部分が取除かれている。センサ部4では図6(b)、図7(b)に示すように、円状部8a上の第一絶縁膜13を円形状に取除き、センサ孔14を形成している。こうして円状部8aの中央部分を露出させ、円状部8aの周縁部分を第一絶縁膜13で被覆している。また通気口部5では図8(b)、図9(a)に示すように、ダミー電極20上の第一絶縁膜13を四角形状に取除いている。そしてダミー電極20の中央部分を露出させながら、ダミー電極20の周縁部分は第一絶縁膜13で被覆されている。ダミー電極20上の第一絶縁膜13のエッチング部分は、通気口23よりも大きくなっている。円状部8a上に存在する第一絶縁膜13の割合は圧力センサの感度に影響し、ダミー電極20上に存在する第一絶縁膜13の割合は通気口23の大きさに影響する。
【0053】
次に、第一絶縁膜13や露出した第一電極8、ダミー電極20上にAlからなる金属層を積層する。その後、フォトリソグラフィ法などでこの金属層を所定形状にパターニングし、中間層25を形成する。この中間層25は最終的には取除かれるが、中間層25の存在した部分が空洞部10や通路部24、連通部29になる。従って、センサ部4では図6(c)、図7(c)に示す形状の中間層25になり、通気口部5では図8(c)、図9(b)に示す形状の中間層25になる。センサ部4の中間層25は、第一電極8の円状部8aから環状部8bまでを覆うほぼ円形状の部分とこれから突出して4箇所のリリース口15まで延在する部分とを備えている。通気口部5の中間層25もセンサ部4の中間層25とほぼ同じ形状をしている。通気口部5のダミー電極20は中央付近にのみ存在するため、通気口部5には第一電極8の環状部8bのような金属層は存在しないが、中間層25はダミー電極20を含む通気口部5の大部分を覆う円形状の部分とこれから突出してリリース口15まで延在する部分とを備えている。そして、センサ部4と通気口部5との間には通路部24に、隣接するセンサ部4同士の間には連通部29に相当する細長状の中間層25が存在する。従って、列方向に並ぶ各センサ部4と通気口部5では、その部分に存在する中間層25が分割することなく連なって形成されている。なお、各中間層25の形状や厚み等の大きさは、希望する空洞部10や通路部24、連通部29の形状、サイズに合わせて設計される。
【0054】
次に、中間層25や第一絶縁膜13上に金属層をスパッタ法により積層する。この金属層はMoとAlの積層構造になる。センサ部4の中間層25は第一電極8の形状に応じて表面が凹凸状になる。この金属層上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法による露光、現像、エッチング処理を施して第二電極9や連結部30を含む第二配線3を形成する。このとき中間層25は第二配線3の金属層で完全に覆われた状態になる。図6(d)、図7(d)に示すように、センサ部4では中間層25を完全に覆うほぼ四角形状の第二電極9がほぼ均一な膜厚で形成され、中間層25の表面の凹凸に応じて第二電極9も凹凸状になる。このとき、まだ第二電極9にはリリース口15を形成しない。また図8(d)、図9(c)に示すように、通気口部5にも中間層25を完全に覆うほぼ四角形状の補助電極21が形成され、この工程のときには補助電極21にもリリース口15と通気口23を形成しない。通路部24、連通部29に相当する中間層25は連結部30で覆われ、この連結部30により隣接するセンサ部4の第二電極9を電気的に連結する。
【0055】
次に、第二電極9や第一絶縁膜13上にSiNxを積層し、第二絶縁膜16を形成する。そしてセンサ部4では図6(e)、図7(e)に示すようにリリース口15に該当する部分のSiNxを取除き、また通気口部5では図8(e)に示すようにリリース口15と通気口23に該当する部分のSiNxを取除く。この第二絶縁膜16が取除かれた部分は、それぞれ第二電極9、補助電極21の一部分が露出する。
【0056】
次に、MoとAlの両方の材質を除去するエッチング処理をする。このエッチング処理により第二絶縁膜16から露出している部分の金属層が除去される。エッチング方法としては、ドライエッチングとウェットエッチングの両方が利用できる。例えば、エッチング液にリン酸、硝酸、酢酸の混合液を用いれば、MoとAlの両方がエッチングできる。このエッチング処理により、センサ部4では図6(f)に示すようにリリース口15に対応する部分の第二電極9と中間層25が取除かれる。また、通気口部5では図8(f)に示すように、リリース口15に対応する部分の補助電極21と中間層25、通気口23に対応する部分の補助電極21、中間層25、ダミー電極20が取除かれる。
【0057】
次に、中間層25だけを除去するエッチング処理を行う。このときウェットエッチングを行い、エッチング液に塩酸、リン酸、水の混合液を用いる。エッチング液はリリース口15を通じて中間層25に達し、中間層25の端部から順にエッチングする。混合比が塩酸:リン酸:水=1:5:1のエッチング液を使用した場合、中間層25のAlと第二配線3などを構成するMoとの間に電池効果が生じ、Alが短時間でエッチングされる。電池効果によりAlを積極的にエッチングする場合、エッチング液としては特にリン酸が塩酸の5倍以上含まれていればその効果が得られるが、塩酸:リン酸=1:5のエッチング液のときには同時に多量の泡が発生する。そこで実験によりさらに研究を重ねた結果、塩酸:リン酸:水=1:10:1のエッチング液を用いたときに、泡の発生が少なく且つAlが短時間で積極的にエッチングできた。このエッチング処理により中間層25を確実に取除くことができ、各空洞部10、22や通路部24、連通部29が形成される(図8(g)、図9(d))。
【0058】
その後、第二絶縁膜16上にSiNxを積層し、保護膜17を形成する。このSiNxは例えばCVDで形成され、ほぼ同じ厚みの膜がガラス基板1上の全面に積層される。このときリリース口15や通気口23では第二絶縁膜16などが存在しないため、リリース口15では第一絶縁膜13上に、通気口23では下層絶縁膜11上にそれぞれ保護膜17が積層される。この保護膜17は、センサ部4のリリース口15を塞ぐと同時に通気口部5の通気口23は塞がない程度の厚さに設定されている。
【0059】
図11はリリース口15付近と通気口23付近の断面拡大図であり、図10に基づいて保護膜17の厚さの条件を説明する。空洞部10は中間層25により形成されるため、中間層25の厚さが空洞部10の厚さとなり、空洞部10内の厚さはほぼ均一になる。そして空洞部10の厚さが、リリース口15の下方の空間の底面からリリース口15までの距離に相当する。従って、空洞部10の厚さをd1、リリース口を塞ぐ保護膜17(閉塞部)の厚さをdとしたとき、d1≦dであればリリース口15を確実に塞ぐことができる。それに対して、通気口23の周囲部分には第一絶縁膜13とダミー電極20が存在し、通気口23部分では第一絶縁膜13とダミー電極20が取除かれているため、通気口23部分の底面はリリース口15部分の底面よりも下がった所に位置する。従って、通気口23の下方の空間の底面から通気口23までの距離をd2、第一絶縁膜13の厚さをd3、ダミー電極20の厚さをd4としたとき、d2=d1+d3+d4になり、d<d2であれば保護膜17を積層しても通気口23が塞がることはない。この条件を満たす保護膜17を積層することで、センサ部4では図6(g)に示すようにリリース口15が塞がれ、リリース口15から空洞部10内に塵埃が侵入することを防止できる。また通気口部5では図8(h)に示すように通気口23が第二空洞部22と連通するため、各センサ部4の空洞部10の圧力を外気とほぼ同じにすることができる。
【0060】
その後、図6(h)、図7(f)に示すようにセンサ部4の第二電極9上の第二絶縁膜16と保護膜17を取除く。この第二絶縁膜16と保護膜17は第一電極8の円状部8aから環状部8b付近までの領域が取除かれ、この領域の第二電極9が湾曲しやすくなる。これで圧力に対して敏感なセンサ部4を形成することができる。
【0061】
このようにセンサ部4に空洞部10を形成し、その形成に用いたリリース口15を塞いだとしても、空洞部10は外気と通気可能な状態を維持する。従って、例えこの後の製造工程でセンサ部を真空引きした空間に置いたとしても、空洞部10の内外で大きな気圧差が生じることを防止でき、第二電極9には大きな負荷がかからない。よって、センサ部4の破損を防ぐことができ、歩留まりが向上する。なお、センサ部を真空引きした空間に置く必要がある工程が終了した後であれば、通気口部の通気口を塞いでもよい。このとき例えば通気口にシール材を塗布し、熱処理や紫外線照射によりシール材を硬化させる。
【0062】
また、この実施例では、センサ部4の第一電極8の形状を実施例のような円状部8aと環状部8bを有する形状に限定するものではない。従って、例えばセンサ部の大部分を占める円板状の電極のみを設けてもよく、また、センサ部の中央に小さな円状部を配置し、その円状部の周囲に同心円状の複数の環状部を設けても良い。さらに第一電極ではセンサとして作用する電極部分が第一配線に接続していればよく、環状部などを円状部とは独立して設けてもよい。
【0063】
次に本発明の第二実施例を図面を参照して説明する。この実施例では第一実施例と通路部24の形状が異なるが、他の構成は同一であり、説明を省略する。図12はセンサ部4及び通気口部5の平面図である。
【0064】
この実施例では、隣接するセンサ部4の間に位置する連通部29は両空洞部10を最短距離でつなぐ直線状であるが、通気口部5とセンサ部4との間に位置する通路部24はつづらおり状に形成されている。そして通気口部5とセンサ部4の間の通路部24はセンサ部4間の連通部29よりも長くなっている。通路部24の上面は連結部30で形成されているため、通気口部5とセンサ部4との間の連結部30はセンサ部4の第二電極9と同じぐらいの大きさになる。
【0065】
リリース口15を塞ぐ閉塞部17(図8参照)は有機絶縁膜により形成され、この製造工程は有機絶縁膜の材料となるレジストを一面に塗布し、露光処理によりリリース口15や通気口部5上のレジストを硬化し、現像処理により閉塞部17を形成する。このとき有機材料膜となる材料は硬化処理前では軟らかいため、通気口部5とセンサ部4の間が直線的な通路部の場合は、通気口23から入り込んだ有機材料がセンサ部4の空洞部10内に入り込む可能性がある。そこで通気口部5とセンサ部4との間の通路部24を複数の屈曲部を有する形状にすれば、通気口部5からセンサ部4に有機材料を侵入することを防止できる。
【0066】
この実施例の通路部24は、通気口部5とセンサ部4とを最短距離でつなぐ方向(この実施例では第二配線3の延長方向と一致)に対して直交する方向に複数の通路を有し、その通路の左右両端では通路の方向を180度反転させる屈曲部を設けている。通路部24内にはリリース口15を設け、このリリース口15からエッチング液が注入されることにより通路部24を確実に空間的に連通して形成でき、通路部24の形成後にこのリリース口15はセンサ部4のリリース口15と同様に閉塞部17により塞がれる。なお、閉塞部17によりリリース口15を塞いだ後も通路部24は連通状態になっている。
【0067】
次に本発明の第三実施例を図面を参照して説明する。この実施例も第一実施例と通路部24の形状が異なるが、他の構成は同一であり、説明を省略する。図13はセンサ部4及び通気口部5の平面図である。
【0068】
この実施例では通路部24は渦巻き状に形成されており、通気口部5からセンサ部4に対して、まず時計回り方向に径を小さくしながら5/4周する曲線通路と、中央部分で回転方向が切り替わり、反時計回り方向に径を大きくしながら5/4周する曲面通路とを有している。そして中央部分と各曲面通路の真ん中付近に、それぞれリリース口15が設けられている。そしてこの通路部24も例え通気口部5から有機絶縁膜の有機材料などが流れ込んだとしても通路部24に留めることができ、有機材料などがセンサ部4に流れ込むことを防止できる。
【0069】
本実施例は、通気口23として通気口部5とセンサ部4を空間的に連結するとともに通気口部5からセンサ部4への有機材料などの流れ込みを防止できればよく、通路部24をこの実施例の形状に限定するものではない。例えば、通路部の底面に凹凸などの段差を設け、有機材料などをこの段差で留めるようにしても良い。この段差を形成するためには、通路部に位置する第一絶縁膜上の所々に複数の凸部を設け、その凸部を含む第一絶縁膜上に通路部となる中間層を形成し、その後の工程で中間層を取除いて通路部を形成する。こうすることで簡単に通路部の底面に段差を形成することができる。
【0070】
なお本実施例は、センサ部4の空洞部を形成後に有機絶縁膜などを成膜する工程がある場合に有効である。従って、この実施例ではリリース口15を有機絶縁膜で塞ぎ、通気口23をSiNxで塞ぐ場合を説明したが、リリース口15をSiNxで塞ぎ、通気口23を有機絶縁膜で塞ぐ場合にも有効である。
【0071】
次に本発明の第四実施例を図面を参照して説明する。図14は図1の中で2×2の4つのセンサ部4及び通気口部5の平面図であり、図15は図14のA−A断面図(センサ部1個分に相当)である。図16はセンサ部の製造工程を示す断面図、図17はセンサ部の中間層除去工程を示す断面図である。ガラス基板1、下層絶縁膜11及び第一配線2の構成は第一実施例と共通であり、説明を省略する。
【0072】
8は、基板1の上に配置された第一電極で、中心が接点部となる円盤状のランドを有する。この第一電極8は、例えばAlとMoの積層構造からなり、行方向の第一配線2にコンタクト層12を介して接続されている。コンタクト層12の構成は第一実施例と共通であり、説明を省略する。
【0073】
9は、第一電極8に空洞部10を介して対向して設けられた第二電極で、列方向の第二配線3を兼ねている。この第一電極8と第二電極9の間の空洞部10は各々のセンサ部4で列方向に各々2本の連通部29で連通され、開口されている。この第二電極9は例えばMoからなり、各センサ部毎に見たときに、第一電極8の外輪(エッジ)から充分離れた位置から立ち上がる略四角形をなし、四隅にリリース口15を有している。この図の例では、第二電極9は実質的にセンサ部4の大きさを決めるものであり、例えば一接点センサあたり50μm×50μmの大きさである。
【0074】
リリース口15は、後述するような中間層25を除去するための孔で、二つのリリース口15を鳥瞰すると、その空洞が連通部29の略両端に設けられている。このリリース口15は以下のような手順のとき第二電極9に設けられるが、別途リリース口を設けるための被膜を設けてその被膜に設けても良い。リリース口15は、中間層25を確実に除去し、かつ均一にエッチングするために一つのセンサ部に対して複数個、さらには各センサ部毎に設けられるのが好ましく、図14では一センサ部あたり4つ設けてあり、それぞれ列方向に伸びる連通部1本あたり2個を、第一電極の外郭近傍上方に設けている。
【0075】
リリース口15は接点領域27に近いので、これを開放しておくと塵埃や液体が空洞部10に入り込み、接点不良など支障が出る可能性がある。したがって最終的にこのリリース口15は後述する絶縁膜17などによって塞がれるのが望ましい。その場合リリース口15が第一電極8の上方に位置していたとしても、リリース口15から第一電極8を観察することはできない。
【0076】
13は、第一電極8に積層された第一絶縁膜である。この第一絶縁膜13は、同心円状に配置された2つのリング状をなしており、下層絶縁膜11や第一電極8の要部を覆うものである。第一絶縁膜13は、例えばSiNxまたはSiO2などである。ここで内側に形成されている第一絶縁膜13によって覆われず、第一電極8が露出している中央部分は接点として機能させる接点領域27となっている。16は第二絶縁膜で、第二電極9を単に大気に晒さないためのものであっても良いし、第二電極9を補強もしくは支持するものであっても良い。また17、18は、工程上もしくは応力調整上必要とされる絶縁膜である。
【0077】
次に圧力センサ4の製造工程を簡単に説明する。下層絶縁膜11及び第一配線2、第一電極8、中間層25及び第二電極9を形成する工程は第一実施例と共通するため説明を省略する。
【0078】
第二電極9上にはオーバーコート膜として第二絶縁膜16を形成する。第二絶縁膜16となる感光性を有するポリイミドを基板1上に塗布し、スピンナーにより均一な膜にする。そしてリリース口15となる箇所を除いた部分の有機膜を露光処理により硬化する。そして現像処理によりリリース口15に対応する未硬化部分の有機膜を取除く。この状態を図15に示す。この第二絶縁膜16は第二電極9以外の部分にも形成されるが、第二電極9上のみに形成してもよい。
【0079】
次に、第二絶縁膜16上にSiNxを積層し、絶縁膜17を形成する。そしてリリース口15に該当する部分のSiNxを取除く。リリース口を形成する方法については第一実施例と共通するため説明は省略する。
【0080】
次に、中間層25だけを除去するエッチング処理を行う。エッチング処理の方法については第一実施例と共通するため説明を省略する。本発明においては、このときリリース口15より第一電極8の方向のみにエッチングが進むのではなく、連通部31を形成し隣のリリース口へ向かってもエッチングが進み、開口し、連通されるので、エッチング液の流れがよくエッチング速度が早まり、またエッチングのムラが抑えられ、エッチング残渣が残りにくい。またさらに連通部29を隣り合うセンサ部4との間に2つ設けることで、より均一なエッチングが可能となる。
【0081】
その後、絶縁膜17上にSiNx等を積層し、保護膜となる絶縁膜18を形成する。このとき第一実施例と同様にリリース口15では第二絶縁膜16や絶縁膜17などが存在しないため、絶縁膜18が積層され、リリース口15を塞ぐことになる。これによりリリース口15から空洞部10内に塵埃が侵入することを防止できるが、空洞部10は通気口部5と連通するため、各圧力センサ4の空洞部10の圧力を外気とほぼ同じにすることができる。また、隣接するセンサ部間を空間的に接続することによりセンサ部間の気圧が均一となり、そのため真空引きを行う工程中においてセンサ部4の第二電極9には大きな負担がかからず、破損することを防止できる。
【0082】
またリリース口15は連通部29に形成されるので、リリース口15が大きいとリリース口15を塞ぐことによって連通部29も塞ぐか若しくは通路を狭める可能性がある。然しながら、空洞部10が十分大きいならば接点を閉じる動作には問題がないし、係る動作中は連通部29そのものは空気の大きな流れは不要なので、複数の連通部29のいずれかが僅かに空気が通る程度に残っていれば良い。リリース口15を塞ぐ堆積は、型崩れや拡散をするだけの空間的余裕がないので、リリース口15近傍の連通部29を僅かばかり広げておけばより好ましい。なお第二電極9上においては絶縁膜17と絶縁膜18とを円形状あるいは四角形状等に一部取除いている。これは絶縁膜17と絶縁膜18を取除くことにより第二電極9を湾曲しやすくするためである。
【0083】
なお、通気口部5については、センサ部4と略同じステップで同時に作成することが出来、中央の接点領域27に代えて通気口23を設けておけばよい。また圧力センサ部が完成したときには通気口23も塞いだ方がよく、この場合、各種工程を経た後、感光性を有するポリイミド樹脂などからなるシール材により通気口23を塞ぐことが出来る。
【0084】
本発明では、センサ部4の第二電極9を第二配線3と兼ねているため、特別に第二配線9を配置するスペースを設ける必要がなく、その分だけセンサ部4を密集させて配置することができる。従って圧力検知領域におけるセンサ部4の占める割合が増え、解像度が向上する。また、第二電極9と連結部30とを同じ金属層をパターニングして同時形成するため、簡単な工程により連結部を形成することができる。
【0085】
また、本発明では第二電極9を第二配線3と兼ねたが、第一電極8を第一配線2と兼ねてもよい。このとき下層絶縁膜11上に金属層を積層し第一電極8をパターニングする際に、行方向に並ぶセンサ部4の第一電極8を電気的に接続するように連結部を形成する。この場合、第一電極8と連結部により第一配線2を形成するため、第一配線2を特別に設けるスペースを省くことができる。このときの第二配線3は実施例と同様に第二電極9と連結部30を含む形態にしてもよく、また、センサ部4の側方に第二配線を設け、この第二配線に各々の第二電極9を接続してもよい。
【0086】
また、本発明の圧力センサは、第一配線2に供給した走査信号が両電極8、9を介して第二配線3に流れるかどうかを検知し、その結果により形状を検知している。従って、センサ部4の第一電極8と第一配線2の間を第一配線2よりも高抵抗の部材により接続した方が、第二配線3を流れる信号が走査していない第一配線2を介して他の第二配線3に流れることを防止でき、誤検知を防止できる。従ってセンサ部4の電極で配線を兼ねるとき、走査信号を供給しない第二配線3を第二電極9で兼ねた方が誤検知の少ない圧力センサを得ることができる。
【0087】
また、センサ部4の第二電極9の表面はできるだけ水平な方が正確な検知ができる。そして第一配線2と第二配線3が重なる部分では、第二配線3の表面が盛り上がるため、センサ部4としては適していない。従ってセンサ部4は両配線2、3が重なる部分を外して配置する方がよい。
【0088】
また、本発明では連結部30をセンサ部4の第二電極9と同一工程で形成したが、連結部を第二電極9とは別工程で形成してもよい。このとき連結部を第二電極9とは異なる層上に形成してもよく、例えば第二電極9上の第二絶縁膜16にコンタクトホールを形成し、第二絶縁膜16上に導電性の連結部を形成し、コンタクトホールを介して連結部を第二電極9に接続してもよい。
【0089】
また、本発明では通気口部5の通気口23付近にダミー電極20などを設けたが、センサ部4のリリース口15を塞ぐときに通気口23が塞がれない構成であればよく、通気口23付近にダミー電極20の代わりに絶縁層を設けても良い。
【0090】
また、本発明ではセンサ部4の空洞部10と通気口部5の第二空洞部22をつないでいる通路部24及び各センサ部4の空洞部10を連通する連通部29を、その内壁を絶縁膜である第一絶縁膜13と金属層である第二配線3で構成するようにしたが、通路部、連通部によって各空洞部を空間的に連通できればよく、通路部及び連通部を下層の絶縁膜と上層の絶縁膜で囲って形成しても良い。
【0091】
また、リリース口15を塞ぐ構成として、リリース口15部分に膜を堆積させる方法ではなく、例えばシート状の膜をリリース口15に張付けてもよい。また絶縁膜などでリリース口15と通気口23を完全に塞いだ後に、通気口23を開口して空洞部10に空間的に連通する工程を設けてもよい。
【0092】
また、通気口部5を第二配線3に沿って配置し、列方向に並ぶセンサ部4の空洞部10と連通したが、通路部24を行方向に形成すると共に通気口部5を行方向に配置し、通気口部5を行方向に並ぶセンサ部4の空洞部10と連通しても良い。
【0093】
また、本発明ではセンサ部4の一対の電極による接触の有無により圧力を検知する圧力センサを説明したが、本発明はセンサ部に空洞部を有する形態の圧力センサに有効であり、例えば静電容量方式のセンサにも適用できる。
【0094】
【発明の効果】
本発明は、空洞部を介在させて第一電極と第二電極を対向配置したセンサ部を有し、複数の前記センサ部を圧力検知領域に配置した圧力センサにおいて、センサ部とは別に設けられると共に表面に通気口を有する通気口部と、前記センサ部の空洞部と前記通気口部の通気口を空間的に連通する通路部を備えたことにより、その製造工程で真空状態の中に曝された場合においてもセンサ部の破損を防止し、歩留まりを向上させた圧力センサを提供することができる。
【0095】
また、連通部を介して隣接するセンサ部の空洞部をつなぐことにより、空洞部内の圧力を複数のセンサ部により均一化でき、製造中のセンサ部の破損を防止できる。
【0096】
また、リリース口や通気口を有機絶縁膜などで塞ぐ場合、通気口部から有機材料などが流れ込むことがあるが、センサ部と通気口部の間の通路部をつづらおり状や渦巻き状に屈曲させることにより、有機材料がセンサ部の空洞部まで侵入することを防止し、製造中の不良なセンサ部の発生を低減して歩留まりを向上することができる。
【0097】
また、リリース口を円状にすることにより確実に閉じることができ、更に通気口を多角形にすることによりリリース口を塞いだ際に通気口まで塞がれることを防止できる。
【0098】
また、各センサ部の空洞部を連通させる連通部にリリース口を設けることにより中間層を効率よく除去ムラなく除去することができる。
【0099】
また、隣接するセンサ部の第一電極、第二電極をそれぞれ電気的に接続し、配線の一部として兼ねることにより配線用のスペースを別に設ける必要がなく、センサ部を密集して配置することができ、解像度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例である圧力センサの概略を示す全体図である
【図2】圧力センサのセンサ部及び通気口部の平面図である。
【図3】センサ部の断面概略図である。
【図4】通気口部の断面概略図である。
【図5】センサ部と通気口部を含む断面概略図である。
【図6】センサ部の製造工程を説明する断面図である。
【図7】センサ部の製造工程を説明する平面図である。
【図8】通気口部の製造工程を説明する断面図である。
【図9】通気口部の製造工程を説明する平面図である。
【図10】開口を塞ぐときの様子を模式的に説明した図である。
【図11】リリース口付近と通気口付近の断面拡大図である。
【図12】本発明の第二実施例である圧力センサのセンサ部及び通気口部の平面図である。
【図13】本発明の第三実施例である圧力センサのセンサ部及び通気口部の平面図である。
【図14】本発明の第四実施例である圧力センサのセンサ部及び通気口部の平面図である。
【図15】センサ部の断面概略図である。
【図16】センサ部の製造工程を説明する断面図である。
【図17】センサ部の中間層除去の製造工程を説明する断面図である。
【図18】従来の圧力センサの製造途中の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2 第一配線
3 第二配線
4 センサ部
5 通気口部
8 第一電極
9 第二電極
10 空洞部
12 コンタクト層
15 リリース口
20 ダミー電極
21 補助電極
22 第二空洞部
23 通気口
24 通路部
29 連通部
30 連結部
Claims (23)
- 複数の第一配線と複数の第二配線を交差させて配置し、両配線の交差部付近にセンサ部を設けた圧力センサにおいて、前記センサ部は空洞部を介在させて第一電極と第二電極が対向配置されており、複数の前記センサ部を圧力検知領域に配置し、列方向に並ぶ各センサ部の空洞部を空間的に連通させたことを特徴とする圧力センサ。
- 前記第二電極は前記センサ部に圧力が加わったときに前記第一電極側へ湾曲可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
- 前記各センサ部の空洞部を連通させる連通部にリリース口が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の圧力センサ。
- 隣接する前記センサ部の間に前記連通部が2つ設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の圧力センサ。
- 前記センサ部は前記空洞部の上面をなす膜を貫通する円状のリリース口を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の圧力センサ。
- 前記連通部は該連通部と接続する前記センサ部の電極と同一材料で形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の圧力センサ。
- 前記センサ部は前記第一配線と前記第二配線の交点からずらして配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の圧力センサ。
- 隣接するセンサ部の前記第二電極は電気的に接続する連通部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の圧力センサ。
- 隣接するセンサ部の前記第一電極は電気的に接続する連通部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の圧力センサ。
- 空洞部を介在させて第一電極と第二電極を対向配置したセンサ部を有し、複数の前記センサ部を圧力検知領域に配置した圧力センサにおいて、センサ部とは別に設けられると共に表面に通気口を有する通気口部と、前記センサ部の空洞部と前記通気口部の通気口を空間的に連通する通路部を備えたことを特徴とする圧力センサ。
- 前記通路部は屈曲部を有していることを特徴とする請求項10に記載の圧力センサ。
- 前記通路部はつづらおり状に形成されていることを特徴とする請求項10または請求項11のいずれかに記載の圧力センサ。
- 前記通路部は渦巻き状に形成されていることを特徴とする請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の圧力センサ。
- 前記センサ部は前記空洞部の上面をなす膜を貫通する円状のリリース口を有することを特徴とする請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の圧力センサ。
- 前記通気口部は前記通気口部の上面をなす膜を貫通する多角形の通気口を有することを特徴とする請求項10ないし請求項14のいずれかに記載の圧力センサ。
- 前記通気口部は前記通気口部の上面をなす膜を貫通する四角形の通気口を有することを特徴とする請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の圧力センサ。
- 複数の前記センサ部をマトリクス状に配置し、前記通気口部は前記センサ部が配置された領域の外側に配置されていることを特徴とする請求項10ないし請求項16のいずれかに記載の圧力センサ。
- 前記通路部の内面のうち少なくとも一面は前記センサ部の電極と同じ材質により形成されていることを特徴とする請求項10ないし請求項17のいずれかに記載の圧力センサ。
- 前記通路部の内面は絶縁性の膜により形成されていることを特徴とする請求項10ないし請求項18のいずれかに記載の圧力センサ。
- 隣接するセンサ部の前記第二電極は電気的に接続する連通部を有することを特徴とする請求項10ないし請求項19のいずれかに記載の圧力センサ。
- 隣接するセンサ部の前記第一電極は電気的に接続する連通部を有することを特徴とする請求項10ないし請求項20のいずれかに記載の圧力センサ。
- 空洞部を介在させて第一電極と第二電極を対向配置したセンサ部と、通気口を有する通気口部と、前記センサ部の空洞部と前記通気口部の通気口を空間的に連通させる通路部とを有する圧力センサの製造方法において、基板上に金属層を積層してセンサ部に対応する位置に第一電極を形成する工程と、前記第一電極の一部を露出させる第一絶縁膜を形成する工程と、前記第一絶縁膜上に金属層を積層すると共に、前記センサ部及び前記通気口部の空洞部と前記通路部に相当する部分の前記金属層を残して中間層を形成する工程と、前記中間層上に金属層を積層すると共に、中間層上の金属層をパターニングしてセンサ部の第二電極を形成する工程と、前記第二電極上に第二絶縁膜を形成する工程と、前記中間層上に位置する前記第二電極及び前記第二絶縁膜の一部分を取除いてセンサ部のリリース口及び通気口部の通気口を形成する工程と、前記リリース口及び前記通気口を介して中間層を除去する工程と、前記リリース口を塞ぐ工程を備えたことを特徴とする圧力センサの製造方法。
- 空洞部を有するセンサ部を複数配置し、隣接する前記センサ部の空洞部を空間的に連通する連通部を備えた圧力センサの製造方法において、基板上に金属層を積層してセンサ部に対応する位置に第一電極を形成する工程と、前記第一電極上に第一絶縁膜を積層する工程と、前記第一絶縁膜を部分的に取り除いて前記第一電極の中央部分を露出させる工程と、前記第一絶縁膜上に金属層から成る中間層を積層する工程と、前記中間層をパターニングしてセンサ部の中央部分及び連通部に相当する部分を残す工程と、前記中間層上に金属層を積層し、少なくともセンサ部及び連通部の中間層を覆うように金属層をパターニングしてセンサ部の第二電極を形成する工程と、前記第二電極上に第二絶縁膜を形成する工程と、前記中間層上に位置する前記第二電極及び前記第二絶縁膜の一部分を取除いてセンサ部のリリース口を形成する工程と、前記リリース口を介して中間層を除去してセンサ部の空洞部及び連通部を形成する工程と、前記リリース口を絶縁膜により塞ぐ工程を備えたことを特徴とする圧力センサの製造方法。
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