JP2004156802A - 冷却庫 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却庫に設けられ、スターリング冷凍エンジン11を収納するハウジング24と、ハウジングに配置され、スターリング冷凍エンジンが載置され、スターリング冷凍エンジンからの振動を前記ハウジングに伝わるのを防ぐ防振機構12と、二次冷媒の放熱システムを、スターリング冷凍エンジンおよび防振機構の少なくとも一方において支持する、支持部材26とを備える。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスターリングエンジンにより庫内の冷却を行う冷却庫に関する。ここで、「冷却庫」とは食品その他の物品の保存のために「庫内」と呼称される密閉空間の温度を下げる装置全般を指す概念であり、「冷蔵庫」「冷凍庫」「冷凍冷蔵庫」といった商品としての名称を問わない。
【0002】
【従来の技術】
冷却庫の冷凍サイクルには特定フロン(CFC:chlorofluorocarbon)や代替フロン(HCFC:hydrochlorofluorocarbon)が冷媒として使用されている。これらの冷媒は大気中に放出されると程度の差こそあれオゾン層の破壊につながるので、その生産及び使用は国際的な規制の対象となっている。
【0003】
そこで、冷媒としてオゾン破壊物質を使用しないスターリング冷凍エンジンが脚光を浴びている。スターリング冷凍エンジンではヘリウム等の不活性ガスを作動媒体として使用し、外部動力によりピストンとディスプレーサを動作させて作動媒体の圧縮・膨張を繰り返し、低温部(コールドセクション)と高温部(ウォームセクション)を形成する。そして低温部で庫内から吸熱を行い、高温部で周囲環境に放熱を行うものである(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
スターリング冷凍エンジンは構成がコンパクトであり、低温部、高温部ともに冷凍能力に比較して表面積が小さい。そのため、吸熱と放熱をいかに効率良く行うかが冷却庫の性能に大きな影響を及ぼす。中・大型(冷凍能力100W以上)のスターリング冷凍エンジンの放熱に関しては、スターリング冷凍エンジンの高温部に取り付けられた二次冷媒放熱システムを介在して、周囲雰囲気へ放熱する方法がよく使われている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−61974号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
二次冷媒放熱システムを用いる一般的な冷却庫の一例を図5に示す。二次冷媒放熱システムは、スターリング冷凍エンジン135の高温部に接続した蒸発器136と、周囲雰囲気と熱交換を行い、二次冷媒を凝縮させる放熱用熱交換器137と、冷却気流を起す送風ファン138とから構成されている。蒸発器136はスターリング冷凍エンジン135の高温部に接続され、固定されている。放熱用熱交換器である凝縮器137は冷媒配管を介して蒸発器に接続されているとともに、冷却庫139の上部に設置(固定)されている。
【0007】
しかしながら、ピストンとディスプレーサとの圧縮・膨張動作を繰り返すことによって、スターリング冷凍エンジン本体が強制的に振動される。そして、スターリング冷凍エンジンを駆動する限り、振動が発生し続ける。このような振動が、スターリング冷凍エンジンより冷却庫に伝達される。さらに、スターリング冷凍エンジンの高温部に取り付けられた二次冷媒放熱システムに伝達され、冷却庫と二次冷媒放熱システムとの接触部を介しても、冷却庫に伝達される。この振動により、冷却庫にある制御基盤などに障害を及ぼすという問題が生じる。また、この振動に起因する騒音も問題となる。
【0008】
一方、冷却庫本体や二次冷媒放熱システムの各パーツに到達する振動応力によって、二次冷媒放熱システムの冷媒配管や冷却庫と直接接触するフィンなどに、疲労破壊が発生する問題がある。
【0009】
また、上記とは別の問題として、次のようなスターリング冷凍エンジンの効率に関する問題がある。すなわち、スターリング冷凍エンジンの胴体内には、ピストンやディスプレーサを駆動するモータが収納されている。モータからの発熱を速やかに排除しないと、モータの効率が落ち、スターリング冷凍エンジンのCOP(Coefficient Of Performance)が悪化するという問題点がある。
【0010】
さらに、高温部における二次冷媒の放熱にその二次冷媒の自然循環を利用する場合には、二次冷媒を循環させる駆動力を得るため、放熱用熱交換器である凝縮器を、蒸発器やスターリング冷凍エンジンより高い位置に設置しなければならない。冷媒の熱輸送能力を高めるために、その位置を高くすればればするほど、スターリング冷凍エンジンと上記凝縮器との距離が大きくなる。このため、スターリング冷凍エンジンと凝縮器との間に無駄な空間が生じ、冷凍システムのコンパクト化を劣化させるという問題が生じる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷却庫は、高温部において自然循環する二次冷媒の放熱システムを有するスターリング冷凍エンジンを含み、そのスターリング冷凍エンジンにより庫内の冷却を行う冷却庫である。この冷却庫は、冷却庫に設けられ、スターリング冷凍エンジンを収納するハウジングと、ハウジングに配置され、スターリング冷凍エンジンが載置され、スターリング冷凍エンジンからの振動をハウジングに伝わるのを防ぐ防振機構と、二次冷媒の放熱システムを、スターリング冷凍エンジンおよび防振機構の少なくとも一方において支持する、支持部材とを備える。
【0012】
この構成によれば、スターリング冷凍エンジンと、二次冷媒放熱システムとを含む系は、防振機構を介在して冷却庫に接続される。このため、スターリング冷凍エンジンの振動が大幅に吸収・軽減され、冷却庫本体に伝達される振動は、問題にならない微弱振動となる。また、上記の構成により、スターリング冷凍エンジンと二次冷媒放熱システムとは、同一振動系を形成する。このため、二次冷媒放熱システムとスターリング冷凍エンジンとの相対的な振動がなく、振動に対する抵抗力も生じることがない。このため、振動の問題および振動に起因する配管の破損問題を、ともに解決することができる。
【0013】
上記の二次冷媒の放熱システムにおいて、支持部材と接触する部分以外の部分は、ハウジングおよび冷却庫と直接に接触しないように配置されることができる。
【0014】
この構成により、高温部側の二次冷媒放熱システムは、スターリング冷凍エンジン11以外の他の部品との接触を無くしたため、高温側放熱システムを経由する振動の伝達が根絶される。
【0015】
上記の防振機構は、弾性体から構成されてもよい。これにより、簡便に上記振動問題および振動に起因する配管等の破損問題を解決することができる。
【0016】
上記の二次冷媒の放熱システムは放熱用熱交換器(凝集器)と蒸発器とを備え、蒸発器はスターリング冷凍エンジンの高温部に保持されるように配置され、放熱用熱交換器は支持部材によってスターリング冷凍エンジンに支持されてもよい。
【0017】
この構成によれば、スターリング冷凍エンジンと、二次冷媒放熱システムとは、実質的に一体された部品に相当し、防振機構を介在して冷却庫に接続される。このため、振動が大幅に吸収・軽減され、冷却庫本体に伝達される振動は、極くわずかであり、振幅が大幅に衰減した微弱振動となっている。また、二次冷媒放熱システムの絶対的な振動が存在しているが、接触しているスターリング冷凍エンジンとの相対的な振動がないため、相対的な振動に対する抵抗力が生じず、配管の破損問題を解決することができる。
【0018】
また、上記の二次冷媒の放熱システムは放熱用熱交換器と蒸発器とを備え、蒸発器はスターリング冷凍エンジンの高温部に保持されるように配置され、放熱用熱交換器は支持部材によって防振機構に支持されてもよい。
【0019】
この構成によれば、スターリング冷凍エンジンと、二次冷媒放熱システムとは、実質的に同一振動系に設置されており、防振機構に支持された支持部を介在して冷却庫に接続される。このため、振動が大幅に吸収・軽減され、冷却庫本体に伝達される振動は、極くわずかであり、振幅が大幅に衰減した微弱振動となっている。また、二次冷媒放熱システムの絶対的な振動が存在しているが、接触しているスターリング冷凍エンジンとの相対的な振動がないため、相対的な振動に対する抵抗力が生じず、配管の破損問題を解決することができる。
【0020】
本発明の別の冷却庫は、高温部において自然循環する二次冷媒の放熱システムを有し、モータによって駆動されるスターリング冷凍エンジンを含み、そのスターリング冷凍エンジンにより庫内の冷却を行う冷却庫である。そして、自然循環する二次冷媒の放熱システムに含まれる放熱用熱交換器と、スターリング冷凍エンジンのモータおよび放熱用熱交換器の少なくとも一方に気流を流す送風ファンとを備える。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1と図2は、本発明の実施の形態における冷却庫の断面と背面を示している。冷却庫本体1は、断熱構造のハウジング2を備える。ハウジング2には上下3段の冷却室3、4、5が設けられている。冷却室3、4、5はそれぞれハウジング2の正面側(図1において左側)に開口部を有し、この開口部を開閉自在な断熱扉6、7、8が閉ざす。冷却室3、4、5の内部には収納する食品の種類に適合した棚9を適宜設置する。
【0023】
ハウジング2の上面の背面側に、収納スペース(機械室)10が設けられ、スターリング冷凍エンジン11が防振機構12を介して設置されている。この防振機構には、各種の防振材料、防振構造、または防振材料と防振構造との組み合わせを用いることができる。簡単な防振機構としてよく用いるものとして、たとえば防振ゴムなどを挙げることができる。スターリング冷凍エンジン11の駆動による振動がこの防振機構12で吸収・軽減されるため、冷却庫本体1へ伝播した振動は極くわずかであり、微振動となる。このため、振動に起因する部品の破損問題や騒音問題を解決することができる。
【0024】
スターリング冷凍エンジン11は、低温部を含み、ここに低温側熱交換器13が取り付けられる。冷却室5の奥には庫内冷却用熱交換器14が設置される。低温側熱交換器13と庫内冷却用熱交換器14とは冷媒配管で接続され、低温側冷却システムを構成する。低温側冷却システムにはCO2などの自然冷媒を封入する。低温側熱交換器13には多数のフィンが設けられ、冷媒との間で効率よく熱交換を行えるようになっている。
【0025】
ハウジング2の内部には庫内冷却用熱交換器14により熱を奪われた空気を冷却室3、4、5に分配するダクト16が設けられている。ダクト16は冷却室3、4、5に連通する冷気吹出口15を適所に有する。ダクト16の内部には冷気を強制的に送気するための送風ファン17が適所に設置される。
【0026】
図示しないが、冷却室3、4、5から空気を回収するダクトもハウジング2に設けられている。このダクトは庫内冷却用熱交換器14の下方に吹出口を有し、冷却されるべき空気を図1の破線矢印のように庫内冷却用熱交換器14に供給する。
【0027】
スターリング冷凍エンジン11は、また他の部分に高温部を含み、ここに高温側蒸発器18が取り付けられる。高温側蒸発器18はスターリング冷凍エンジン11の上部に設置された放熱用熱交換器19と冷媒配管で接続され、高温側放熱システムを構成する。放熱用熱交換器19は庫外環境に放熱を行うものであり、送風ファン20が設けられている。高温側放熱システムには水(水溶液を含む)あるいは炭化水素系の冷媒を密封する。高温側放熱システムでは冷媒が自然循環する。
【0028】
ここで、冷媒の自然循環を利用するには、放熱用熱交換器である凝縮器19を高温側蒸発器18より高い位置に設置しなければならない。しかしながら、凝縮器19を高く設置すると、スターリング冷凍エンジン11との間に無駄な空間が生じる。本発明では、送風ファン20を凝縮器19とスターリング冷凍エンジン11の胴体との間に設置することによって、上記無駄の空間を活用する。この位置の送風ファン20は、凝集器19と、スターリング冷凍エンジンの胴体内に位置する駆動モータ(図示せず)を冷却することができる。
【0029】
スターリング冷凍エンジン11を駆動すると、その低温部は冷え、高温部は温度が上昇する。低温側熱交換器13は熱を奪われ、内部の冷媒は凝縮状態で低温側冷却システムを通って庫内冷却用熱交換器14に流れ込む。
【0030】
庫内冷却用熱交換器14に流れ込んだ冷媒は庫内冷却用熱交換器14を通り抜ける空気の熱で蒸発し、庫内冷却用熱交換器14の表面温度を下げる。庫内冷却用熱交換器14を通り抜ける空気は熱を奪われて冷気となり、ダクト16の冷気吹出口15から冷却室3、4、5に吹き出し、冷却室3、4、5の温度を下げる。その後空気は図示しないダクトを通って庫内冷却用熱交換器14に還流する。
【0031】
蒸発した冷媒は低温側冷却システムを通って低温側熱交換器13に戻り、熱を奪われて凝縮する。そして再び庫内冷却用熱交換器14へと流れて行く。
【0032】
スターリング冷凍エンジン11が仕事をすることにより生じる熱、また低温部が庫内から回収した熱は高温部から放熱されるべき廃熱となる。この廃熱により、高温側蒸発器18が加熱される。
【0033】
高温側蒸発器18が加熱されると内部の冷媒が蒸発し、放熱用熱交換器19に流れ込む。送風ファン20が放熱用熱交換器19の表面に空気を送り、冷媒は熱を奪われて凝縮する。凝縮した冷媒は重力で高温側蒸発器18に戻り、再び蒸発する。このようにして、冷媒がスターリング冷凍エンジン11の高温部から廃熱を受け取って蒸発し、放熱用熱交換器19でそれを冷却用空気に伝えて凝縮するというサイクルが繰り返される。
【0034】
スターリング冷凍エンジン11の駆動機構であるモータ(図示しない)はスターリング冷凍エンジン11の胴体内に収納されている。モータの発熱を速やかに排出しないと、モータの効率が低下する問題がある。本実施の形態では、送風ファン20をスターリング冷凍エンジン11と放熱用熱交換器19との間の空間に設置することによって、送風ファン20で起された気流が、凝縮器19を冷やすとともに、スターリング冷凍エンジン11の胴体を冷やすことができ、前記の問題を解決する。また、送風ファン20を凝縮器19の上方に設置して、凝縮器19に風を通させると同時に、スターリング冷凍エンジンの胴体を冷やす気流を送るなどの構造でも、同様な効果が得られる。
【0035】
スターリング冷凍エンジン11が動作するとき、ピストン及びディスプレーサ(図示しないが、スターリング冷凍エンジンの胴体内に収納されている)の繰り返す圧縮・膨張動作により、スターリング冷凍エンジン11胴体に封入されたヘリウムなどの冷媒作動媒体を圧縮・膨張して冷熱が得られる。同時に、この繰り返す動作によって、スターリング冷凍エンジンが振動される。そして、スターリング冷凍エンジンが駆動される限り、振動が消えることはない。この振動が冷却庫に伝播されると、電気回路基板が破損される恐れがあり、または騒音の発生や振動に対する抵抗力による冷媒配管の破損など様々な問題を生じる。
【0036】
図3に示すように、本実施の形態1では、スターリング冷凍エンジン11を、防振機構12を介してスターリング冷凍エンジン支持部23により、ハウジング24(一部を図示)に取り付ける。また、冷却庫と直接接触しないようにしながら、放熱用熱交換器19の片側を、支持部材26を介して、スターリング冷凍エンジン11の胴体に接続させる。上記の二次冷媒放熱システムは、送風ファンも含めて、冷却庫またはハウジング24とは、直接に接触することはなく、図示するように、スターリング冷凍エンジンが載置される防振機構を介在させて、荷重の受け渡しを行なっている。このため、上記の二次冷媒放熱システムは、スターリング冷凍エンジン11以外の他の部品との接触を無くしたため、高温側放熱システムを経由する振動の伝達が根絶される。かつ防振機構12によって、冷却庫へ伝達される振動が大幅に吸収・軽減されるため、冷却庫の振動問題を解決することができる。また、高温側の蒸発器18と凝縮器19とを、直接にスターリング冷凍エンジン11に接続させることによって、高温側放熱システムは常にスターリング冷凍エンジンと同じ振動系に置かれる。このため、スターリング冷凍エンジンとほぼ同周期・同位相の振動が維持される。したがって、高温側放熱システムの各パーツからの振動に対する抵抗力がほとんど生じず、配管の破損などの問題をクリアすることができる。
【0037】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における冷却庫を示す図である。図4を参照して、スターリング冷凍エンジン11を、防振機構12を備えたスターリング冷凍エンジン支持板30を介在させて、ハウジング24に取り付ける。そして、高温側の二次冷媒の放熱システムを冷却庫と直接接触しないようにして、高温側放熱用熱交換器19の片側を、スターリング冷凍エンジン支持板30に設置された凝縮器用支持部材33に接続する。このスターリング冷凍エンジン支持板30も防振機構12と協働して、上記の振動を減衰させ、また振動の伝搬を抑制することに大きく貢献することができる。すなわち、スターリング冷凍エンジン支持板30自身の固有振動数などを調整し、また防振機構12との接触部分を調節するなどして、上記振動の減衰や振動の伝搬抑制に大きく貢献することができる。このため、本発明でいう防振機構には、ハウジングの上に、直接、置かれる防振ゴムのような狭い意味の防振機構だけでなく、上記防振ゴム12に接触し、その上に載置されるスターリング冷凍エンジン支持板30のような部材も含まれる。
【0038】
高温側の二次冷媒放熱システムは、スターリング冷凍エンジン11以外の他の部品との接触を無くしている。このため、高温側の二次冷媒放熱システムを経由する振動の伝達が根絶される。かつ、防振機構12によって、冷却庫へ伝達された振動が大幅に吸収・軽減されるため、冷却庫の振動問題を解決することができる。また、高温側の蒸発器18を直接にスターリング冷凍エンジン11に接続させると同時に、凝縮器19を凝縮器用支持部材33およびスターリング冷凍エンジン支持板30を介してスターリング冷凍エンジン28に接続させる。この結果、高温側の二次冷媒放熱システムは常にスターリング冷凍エンジンと同じ振動系に置かれ、スターリング冷凍エンジンとほぼ同周期・同位相の振動が維持される。このため、高温側放熱システムの各パーツからのこの振動に対する抵抗力がほとんど生じず、配管の破損などの問題をクリアできる。
【0039】
(実施の形態に対する付言)
(1)上記の実施の形態では、高温側の二次冷媒放熱システムは、スターリング冷凍エンジンが載置される防振機構を介在させて、ハウジング24へ荷重を負荷している。しかし、上記二次冷媒システムは、直接にハウジングや冷却庫の内壁に接触しなければよく、たとえばゴムや弾性樹脂などの弾性体を介在させて接触させてもよい。
(2)スターリング冷凍エンジンが載置される防振機構は、弾性体に限定されず、その他の材料、また異種材料を組み合わせた複合材料、機械的な構造、または材料と構造との組み合わせに基づく振動減衰機構などであってもよい。
(3)上記実施の形態では、スターリング冷凍エンジンと放熱用熱交換器との間に配置される送風ファンは、スターリング冷凍エンジンと放熱用熱交換器とを冷却する場合を説明した。しかし、本発明において、送風ファンは、スターリング冷凍エンジンおよび放熱用用熱交換器の少なくとも一方を冷却するように送風すればよく、その配置位置は、放熱用熱交換器とスターリング冷凍エンジンとの間に限られず、任意の位置であってもよい。
【0040】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されることはない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0041】
【発明の効果】
本発明の冷却庫を用いることにより、スターリング冷凍エンジンから冷却庫へと伝搬する振動を大幅に抑制することができ、騒音問題や、上記振動に起因する配管等の破損問題を解消することができる。また、送風ファンを放熱用熱交換器(凝集器)とスターリング冷凍エンジンとの間に配置して、凝集器とスターリング冷凍器の胴体内に位置するモータとを冷却することにより、二次冷媒の自然循環方式におけるスペースの有効利用ひいてはコンパクト化の推進、およびスターリング冷凍エンジンのCOPを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における冷却庫の断面図である。
【図2】図1に示す冷却庫の背面図である。
【図3】図1の冷却庫のスターリング冷凍エンジンにおける高温部を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態2の冷却庫のスターリング冷凍エンジンにおける高温部を説明する図である。
【図5】従来の冷却庫を説明する図である。
【符号の説明】
1 冷却庫本体、2 ハウジング、3,4,5 冷却室、6,7,8 断熱扉、9 棚、10 収納スペース(機械室)、11 スターリング冷凍エンジン、12 防振機構、13 低温側熱交換器、14 庫内冷却用熱交換器、15 冷気吹出口、16 ダクト、17 送風ファン、18 高温側蒸発器、19 放熱用熱交換器(凝集器)、20 送風ファン、23 スターリング冷凍エンジン支持部、24 ハウジング、26 放熱用熱交換器(凝集器)のスターリング冷凍エンジンへの支持部材、30 スターリング冷凍エンジン支持板、33 凝集器の防振機構への支持部材。
Claims (6)
- 高温部において自然循環する二次冷媒の放熱システムを有するスターリング冷凍エンジンを含み、そのスターリング冷凍エンジンにより庫内の冷却を行う冷却庫において、
前記冷却庫に設けられ、前記スターリング冷凍エンジンを収納するハウジングと、
前記ハウジングに配置され、前記スターリング冷凍エンジンが載置され、前記スターリング冷凍エンジンからの振動を前記ハウジングに伝わるのを防ぐ防振機構と、
前記二次冷媒の放熱システムを、前記スターリング冷凍エンジンおよび前記防振機構の少なくとも一方において支持する、支持部材とを備える、冷却庫。 - 前記二次冷媒の放熱システムにおいて、前記支持部材と接触する部分以外の部分は、前記ハウジングおよび冷却庫と直接に接触しないように配置されている、請求項1に記載の冷却庫。
- 前記防振機構が、弾性体から構成される、請求項1または2に記載の冷却庫。
- 前記二次冷媒の放熱システムは放熱用熱交換器と蒸発器とを備え、前記蒸発器は前記スターリング冷凍エンジンの高温部に保持されるように配置され、前記放熱用熱交換器は前記支持部材によって前記スターリング冷凍エンジンに支持されている、請求項1〜3のいずれかに記載の冷却庫。
- 前記二次冷媒の放熱システムは放熱用熱交換器と蒸発器とを備え、前記蒸発器は前記スターリング冷凍エンジンの高温部に保持されるように配置され、前記放熱用熱交換器は前記支持部材によって前記防振機構に支持されている、請求項1〜3のいずれかに記載の冷却庫。
- 高温部において自然循環する二次冷媒の放熱システムを有し、モータによって駆動されるスターリング冷凍エンジンを含み、そのスターリング冷凍エンジンにより庫内の冷却を行う冷却庫において、
前記自然循環する二次冷媒の放熱システムに含まれる放熱用熱交換器と、
前記スターリング冷凍エンジンのモータおよび前記放熱用熱交換器の少なくとも一方に気流を流す送風ファンとを備える、冷却庫。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006051703A1 (ja) * | 2004-11-12 | 2006-05-18 | Sharp Kabushiki Kaisha | スターリング冷凍システムおよびそれを備えた冷却庫 |
JP2006242486A (ja) * | 2005-03-03 | 2006-09-14 | Twinbird Corp | 電子式冷蔵庫 |
WO2008026472A1 (fr) * | 2006-08-29 | 2008-03-06 | Sharp Kabushiki Kaisha | Boîte de refroidissement et dispositif de refroidissement monté sur cette dernière |
-
2002
- 2002-11-05 JP JP2002321011A patent/JP2004156802A/ja active Pending
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