JP2004156727A - スラスト針状ころ軸受および保持器 - Google Patents

スラスト針状ころ軸受および保持器 Download PDF

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Tetsuya Hayashi
林  哲也
Kosuke Obayashi
光介 尾林
Shinji Oishi
真司 大石
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Abstract

【課題】針状ころを安定に保持しながら、軸受内部における潤滑油の通油性を向上させたスラスト針状ころ軸受およびその保持器を提供する。
【解決手段】針状ころ2と、針状ころを収納するポケット5,6内に針状ころを保持する保持器3とを備え、ポケットに設けられたころ保持部の長さLaが、ポケットの径方向の長さLpの30%〜80%の範囲内にある。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のオートマチックトランスミッションや、コンプレッサ等に使用されるスラスト針状ころ軸受およびそこで用いられる保持器に関し、より具体的には針状ころを安定に保持した上で潤滑油の通油性を向上させたスラスト針状ころ軸受およびその保持器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スラスト針状ころ軸受は、針状ころと、保持器と、軌道輪とで構成され、針状ころと軌道輪とが線接触する構造であるため、軸受投影面積が小さい割に高負荷容量と、高剛性とを得ることができる。したがって、希薄潤滑や高速回転など、苛酷な使用条件で使用する軸受として好適である。このため、たとえば自動車のオートマチックトランシミッション用軸受やカーエアコンのコンプレッサ用軸受として広く用いられている。
【0003】
図9は従来の針状ころを収納するポケットに設けられたころ保持部を示す図である。図9(a)は単列ころを示し、図9(b)は複列ころを示している。両方の図を参照して、保持器において針状ころ102,102a,102bを収納するポケット105の長さLpは、針状ころの長さLよりわずかに長い。また、ころ保持部105aは、ポケットの中心軸線に平行な窓の縁に設けられ、針状ころの軸線より上側において針状ころ側に向けて突き出ている。ここで、ころ保持部105aが上記の軸線に平行な窓の縁の全部にわたって設けられている。このようなころ保持部の配置では、開口面積、すなわち隙間が必然的に小さくなり、保持器内部への通油性は妨げられる。
【0004】
このため、単位時間当りの潤滑油の通過量の増大をはかったスラスト針状ころ軸受として、図10(a)〜(c)に示すようなものが提案された(特許文献1参照)。図10(a)〜(c)によれば、このスラスト針状ころ軸受50は、針状ころ80と、2枚の環状の保持器60,70とを備えている。2枚の保持器60,70は、針状ころを上下から挟むように配置され、それぞれが径方向において、ころ長よりも長い上側保持器の窓61および下側保持器の窓71を有し、これら複数の窓に形成されたころ保持部64,74で複数の針状ころ80を挟んで保持している。ここで、2枚の保持器60,70では、ころ保持部64,74の径方向長さlaを、ころ長lより短くしている。また、2枚の保持器60,70のうちの少なくとも一方を折り曲げ加工することにより、ころ保持部における径方向の外側部分62(72)の厚さtおよび内側部分63(73)の厚さtのうち、少なくとも一方を、ころ保持部の厚さtよりも薄く形成している。
【0005】
これにより、ころ保持部に対して厚さを薄くした径方向の外側部分および内側部分のうち少なくとも一方側との間における隙間が拡大する。このため、この隙間を通る潤滑油の流入性または流出性が向上し、軸受を通過する単位時間当りの潤滑油量を増加させることができる。さらに、保持器によって潤滑油の通過が遮られにくくなるので潤滑油の停留が防止される。この結果、油温の上昇を抑制することができ、軸受の耐久性を向上させることができる。上記の場合、2枚の保持器60,70が、外側板部62,72を互いに重ね合わせ、内側板部63,73の最内端部67,77を互いに重なる方向に折り曲げ、内側板部63の最内端部67を加締ることによって2枚の保持器60,70を一体に固定するようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−70872号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
スラスト針状ころ軸受に限られることではないが、特に高負荷で高速運転される使用条件下のスラスト針状ころ軸受では、針状ころの脱落はあってはならないことである。しかしながら、上記のスラスト針状ころ軸受においてころ保持部の長さを短くすると、確率は低いものの針状ころを安定に保持することが困難になり、針状ころの保持器からの脱落等が生じる。すなわち、潤滑油の通油量の改善を行なった結果、低い確率ながら、針状ころの脱落が発生するおそれが生じることになった。このため、潤滑油の通油性は確保しながら、針状ころの脱落発生のないスラスト針状ころ軸受の開発の要求がなされている。
【0008】
本発明は、針状ころを安定に保持しながら、軸受内部における潤滑油の通油性を向上させたスラスト針状ころ軸受およびその保持器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のスラスト針状ころ軸受は、針状ころと、針状ころを収納するポケット内に針状ころを保持する保持器と、針状ころおよび保持器を挟むようにして針状ころに接する一対の軌道輪とを備え、ポケットに設けられたころ保持部の長さが、ポケットの径方向の長さの30%〜80%の範囲内にある。
【0010】
この構成によれば、針状ころを保持するという機能を確保しながら、軸受内部への通油性を向上させ、軸受寿命を向上させることができる。ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの30%未満では、針状ころを確実に保持することが困難になる。また、ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの80%を超えると、潤滑油の通過を妨げて通油性を劣化させる。このため、長時間の使用により潤滑油の温度上昇が発生して、スラスト針状軸受の耐久性を劣化させる。針状ころのより確実な保持という点からは、ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの40%以上あることが一層好ましく、また、通油性の向上という観点からは、ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの70%以下であることが一層好ましい。
【0011】
上記のころ保持部は、通常、左右対象に形成される。しかし、左右非対称に形成されていてもよい。すなわちポケットの窓の、右側の縁に形成されるころ保持部の形状と、左側の縁に形成されるころ保持部の形状とが、ポケットの窓の中心軸線に関して対称でなくてもよい。この場合、両側のころ保持部のうち、ころ保持部の径方向長さが小さいほう(複数に分かれている場合はその合計が小さいほう)が、ポケットの径方向長さの30%以上あり、また、ころ保持部の径方向長さが大きいほう(複数に分かれている場合はその合計が大きいほう)が、ポケットの径方向長さの80%以下とする。すなわち、0.3×(ポケット径方向長さ:Lp)≦Min(ころ保持部(右側),ころ保持部(左側))であり、Max(ころ保持部(右側),ころ保持部(左側))≦0.8×Lpとする。
【0012】
また、上記のころ保持部は、複数のころ保持部から構成されており、その複数のころ保持部の長さの合計がポケットの径方向の長さの30%〜80%の範囲内にあるように構成してもよい。
【0013】
ころ保持部を互いに分れた複数のころ保持部の配置とすることにより、ころの保持および通油性の確保という相反する2つの要因のうち、実用上の見地からころの保持を最低限満たした上で、たとえば通油性を最大限向上させることができる。この複数のころ保持部は、たとえば、複列ころに適用してもよいし、または単列ころに適用してもよい。また、複数のころ保持部の配置とすることにより、通油性を向上させた上で、より長いスパンにてころを保持案内することができる。このため、安定した回転を得ることができる。
【0014】
また、上記の針状ころが複列のころ列で配置されており、複列のそれぞれにそのころ長さより短いころ保持部が設けられてもよい。
【0015】
上記の構成により、複列ころの場合、たとえば、複列における各列のころの保持を最低限満たし、かつ複列における各列のころに対する潤滑油の通油性を最大限発揮する、ころ保持部の配置を設けることができる。
【0016】
さらに、上記の針状ころが複列のころ列で配置されており、その複列の針状ころが共通の1つのころ保持部によって保持されてもよい。この構成により、ころ保持部を形成する工程が簡単化される。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるスラスト針状ころ軸受を示す図である。このスラスト針状ころ軸受は、軌道輪19a,19bと、両軌道輪の間に配置された針状ころ2と、針状ころ2を案内保持する保持器33とを有している。この保持器33にはポケット(図示せず)が設けられ、そのポケットの窓の縁にころ保持部(図示せず)が設けられている。本実施の形態におけるころ保持部の径方向の長さは、ポケットの径方向の長さの30%〜80%の範囲内にある。この結果、針状ころを保持するという機能を確保しながら、軸受内部への通油性を向上させ、軸受寿命を向上させることができる。
【0019】
(実施の形態2)
図2(a)は、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の実施の形態2を示す平面図であり、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb線に沿った断面図であり、図2(c)は図2(b)の要部拡大図であり、そして図2(d)は図2(a)の別の箇所の要部拡大図である。また、図2(e)は図2(c)のIIe−IIe線に沿った拡大断面図である。
【0020】
このスラスト針状ころ軸受1は、複数の針状ころ2とこれら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器3,4とからなっている。ここで、2枚の保持器3,4のそれぞれは、径方向において針状ころ2の長さLよりも長い矩形状の複数のポケット5,6を有し、冷間圧延鋼板(SPCC)からなる鋼板をプレス加工にて形成している。各ポケット5,6の両側縁には、互いに向き合って突出するころ保持部5a,6aが形成されている。これらころ保持部5a,6aが針状ころ2を上と下とから挟んで保持している。本実施の形態における最大の特徴は、ころ保持部の長さLaがポケット長さの30%〜80%の範囲内にあることである。この構成によれば、針状ころを保持するという機能を確保しながら、軸受内部への通油性を向上させ、軸受寿命を向上させることができる。針状ころのより確実な保持という点からは、ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの40%以上あることが一層好ましく、また、通油性の向上という観点からは、ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの70%以下であることが一層好ましい。なお、保持器3,4は、SPCC以外にも、たとえば、SCM415などの帯鋼をプレスで絞り成形してもよい。
【0021】
針状ころ2は、外径側の針状ころ2aと、内径側の針状ころ2bとで形成し、ポケット5,6内に複列で配置されている。2列ころにすることにより、各針状ころ2a,2bにおいて、外径側部分と内径側部分との交点周速差が小さくなり、軌道面(図示せず)との滑りが抑制される。このため、接触部の発熱が少なく、表面損傷(スミアリング)を防止することができる。上述のように、ころ保持部の径方向長さをポケットの径方向長さの30%〜80%とすることにより、針状ころを確実に保持しながら潤滑油の通油性を向上させることができる。すなわち、ころ保持部5a,6aの径方向の内端側および外端側に形成された凹部5b,6bによって潤滑油が容易に通過することができる。なお、針状ころ2は複列のころ2a,2bで構成したものを例示したが、単列の針状ころであってもよい。また、針状ころ2の端面は、フラットな形状に限らず円弧面で形成してもよい。
【0022】
2枚の保持器3,4のうち、上側保持器3のころ保持部5aの径方向外側は、図2(c)に示すように、ころ保持部5aの外端から折り曲げられた傾斜延出部3aと、この傾斜延出部3aの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた外側板部3bとで構成されている。また、上側保持器3のころ保持部5aの径方向内側は、同じくころ保持部5aの内端から折り曲げられた傾斜延出部3cと、この傾斜延出部3cの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた内側板部3dとで構成されている。
【0023】
また、上側保持器3と同一形でポケット抜きされた下側保持器4のころ保持部6aの径方向外側は、ころ保持部6aの外端から折り曲げられた傾斜延出部4aと、この傾斜延出部4aの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた外側板部4bとで構成されている。また、下側保持器4のころ保持部6aの径方向内側は、同じくころ保持部6aの内端から折り曲げられた傾斜延出部4cと、この傾斜延出部4cの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた内側板部4dとで構成されている。そして、2枚の保持器3,4は、外側板部3b,4bを互いに上下に重ね合わせるとともに、外側板部4bの最外端部を上方向に折り曲げて加締部7を形成している。また、内側板部3d,4dも互いに上下に重ね合わせるとともに、内側板部3dの最内端部を下方向に折り曲げて加締部8を形成している。これら加締部7,8により、2枚の保持器3,4は内側端部を加締固定して強固に一体化されているため、運転中においても2枚の保持器3,4は分離することはない。また、外側板部3b,4bおよび内側板部3d,4dでは、針状ころ2の端面とポケット5,6との接触面積を広くとることができ、ドリリング磨耗を抑制することができる。
【0024】
2枚の保持器3,4を固定した状態では、2枚の保持器3,4がなすころ保持部5a、6aに対して、径方向の外側部分,内側部分とも上下方向の厚さT,Tは、傾斜延出部3a,4aおよび3c,4cが存在することから、ころ保持部5a,6aの上下方向の厚さTよりも薄い。
【0025】
図3は、上記の保持器において針状ころがころ保持部によって回転自由に拘束されている状態を示す斜視図である。ころ保持部5aは、針状ころの軸線よりも上側に位置し、針状ころの側に突き出している。
【0026】
図4は、本発明の実施の形態2におけるころ列およびころ保持部、ならびにその変形例を示す図である。図4(a)は単列ころにおける単一ころ保持部の場合を示す図である。ポケットの径方向長さLpはころ長さLよりわずかに長い。また、ころ保持部5aの長さLaはポケットの径方向長さLpと、0.3Lp≦La≦0.8Lpの関係を満たす。また、図4(b)は、単列ころにおける複数のころ保持部の場合を示す図である。複数のころ保持部の各々の径方向長さLaiとして、La=La1+La2+・・・+Lai+・・とするとき、LaとLpとの間には上記の不等式0.3Lp≦La≦0.8Lpの関係が成立する。図4(c)は複列ころにおいて単一のころ保持部を設けた場合を示す図である。図4(d)は複列ころにおいて複数のころ保持部を設けた場合を示す図である。いずれの場合も、針状ころの確実な保持と、潤滑油の通油性を向上させるために、Laは(0.3〜0.8)×Lpの範囲内にある。
【0027】
上記図4(a)〜図4(d)に示したころ保持部は、すべて左右対称であるが、左右非対称のころ保持部であってもよい。
【0028】
次に潤滑油の通油性について説明する。上記の構成を有するスラスト針状ころ軸受1は、図5に示すように、第1軸(回転軸)9の軌道面9aと、第2軸(固定軸)10の軌道面10aとの間を針状ころ2が転動するように、上側保持器3の加締部8を案内面として隙間嵌めされる。第1軸9が回転すると、保持器3,4のこの第1軸9とともに回転し、針状ころ2が第1軸9aと第2軸10の軌道面10aとの間を転動する。ここで、図示していない油圧供給源から油路を経由してスラスト針状ころ軸受1内に供給される。
【0029】
潤滑油は、油路を矢印aのように通ってから、第2軸10の軌道面10aと下側保持器4のころ保持部6aに対して径方向内側部分との間を矢印bのように通る。その後潤滑油は、針状ころ2の周囲および保持器3,4で形成される空間内を矢印cのように通って、針状ころ2の側面と保持器3,4のころ保持部5a,6aとの間、針状ころ2の端面との間、および針状ころ2の側面と軌道面9a,10aとの間を潤滑し、第2軸10の軌道面10aと保持器4のころ保持部6aに対して、径方向の外側部分との間、および第1軸9の軌道面9aと保持器3のころ保持部5aに対して径方向の外側部分との間を通って、矢印dのように排出される。
【0030】
この潤滑油による各部の潤滑に際し、2枚の保持器3,4がなすころ保持部5a,6aに対して、径方向の外側部分、内側部分の厚さT,Tをころ保持部5a,6aの厚さTよりも薄く形成している(図2(c)参照)。また、ころ保持部の径方向長さLaをポケットの径方向長さLpの0.3〜0.8の範囲内にしている(図2(d)参照)。このため、第2軸10の軌道面10aと下側保持器4のころ保持部6aに対して径方向の内側部分との間の空間の断面積が従来に比べて大きくなり、潤滑油の流出性だけでなく流入性も向上している。したがって、軸受各部の焼付けを確実に防止することができるとともに、針状ころ2の端面と保持器3,4のポケット5,6のドリリング磨耗を抑制することができる。また、保持器3,4によって潤滑油の通過が遮られにくくなるため潤滑油が滞留しにくくなり、油温の上昇を抑制することができる。このため保持器の強度アップとあいまって軸受の耐久性を一層向上させることができる。
【0031】
次に、本発明に係るスラスト針状ころ軸受1の製造手順について詳細に説明する。2枚の保持器は、成形加工後、窓の打ち抜き加工により、ころ保持部の長さLaがポケットの径方向長さLpの30%〜80%となるように加工する。この成形加工と窓の打ち抜き加工とを、一つの型打ち加工で行なってもよい。また、窓開けは放電加工やワイヤカット加工、切削加工により行なってもよい。
【0032】
2枚の保持器3,4と、焼入れ焼戻し済みまたは未焼入れの針状ころ2をセットし、外側板部4bの最外端部を上方向に折り曲げて加締部7を形成するとともに、内側板部3dの最内端部を下方向に折り曲げて加締部8を形成し2枚の保持器3,4を一体に固定する。ここで、針状ころ2の素材として、たとえば高炭素クロム軸受鋼の1種または2種であるSUJ軸受鋼を使用する。また、上記の針状ころに対して済ませておく焼入れ焼戻し処理としては、たとえば840℃×30分で油焼入れ、次いで180℃×90分で焼戻しして、表面硬さをビッカース硬度(Hv)で700〜750程度に設定する。
【0033】
その後、針状ころ2と2枚の保持器3,4をセットした状態で、浸炭焼入れ焼戻しまたは浸炭窒化処理後焼入れ焼戻しを施して製品とする。この場合、浸炭処理の条件は、850℃×35分浸炭し(RXガス雰囲気中)、油中または冷却ガス中に焼入れ、次いで165℃×60分で焼戻しする。また、浸炭窒化処理は、浸炭窒化雰囲気(RXガスに容積比で1〜3%のアンモニア添加)で、840〜850℃×35分間保持して浸炭窒化した後、直ちに油中または冷却ガス中に急冷した。
【0034】
ここで、予め2枚の保持器3,4を570〜580℃×35分で軟窒化処理し、強度アップを図ってもよい。また、針状ころ2は、予め熱処理を施さなくてもよいが、組込みの前に予め熱処理、すなわちずぶ焼入れを施しておけば、製造工程がそれだけ増加することになるが、その一方で、その後実施される浸炭または浸炭窒化処理によってさらなる強度向上を達成できるという利点がある。少なくとも、2枚の保持器3,4および針状ころ2を別々に熱処理し、加締部を焼鈍ししていた従来の方法に比べ製造工程は簡略化されたものとなる。なお、保持器3,4を軟窒化処理すれば、保持器3,4と針状ころ2とを別々に熱処理し、保持器3,4と針状ころ2とをセットした後、保持器3,4を加締めることもできる。
【0035】
上述の手順によりスラスト針状ころ軸受1を製造することによって、下記に示すような具体的な特性を付与することができる。次に、これらの特性について詳細に説明する。
【0036】
まず、針状ころ2は、その表層部に浸炭層または浸炭窒化層が形成されているので、表層の硬度は従来品と比べて高くなっており高硬度の異物を噛み込んでも圧痕が生じ難く長寿命化に寄与する。また、浸炭窒化処理においては、窒素富化層が形成され、かつその残留オーステナイト量が20容積%以上と多く形成することができる。これは軌道面9a,10aに高硬度の異物を噛み込むと、従来では圧痕周辺で応力集中源となっていたが、多量に存在する残留オーステナイトの組成変形によってこうした応力集中が緩和され、高硬度の硬化とともに長寿命化に寄与することができる。なお、窒素富化層は、具体的には厚みを0.1mm以上、表面硬さ750Hv以上とすることができる。さらに、内部硬さも表面硬さと同程度に高めることができ、針状ころ2全体の強度を向上させることができる。したがって、過酷な条件、たとえば高荷重の条件で使用される場合であっても十分負荷し、所望の寿命を満足することができる。
【0037】
保持器3,4の場合は、針状ころ2と同様、その表層部に浸炭層または浸炭窒化層が形成され、少なくとも表面硬さを400Hv、熱処理の条件によっては600Hv以上とすることができる。したがって、従来のものに比べ耐摩耗性を向上させることができる。
【0038】
(実施の形態3)
図6(a)は、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の実施の形態3を示す平面図であり、図6(b)は図6(a)のVIb−O−VIb線に沿った断面図であり、図6(c)は図6(a)の底面図であり、図6(d)は図6(b)のA部拡大図、そして図6(e)は図6(b)のB部拡大図である。この実施の形態3は、前述した実施の形態2とは、保持器形状と加締方法とが異なるのみで、その他同一部品、同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0039】
このスラスト針状ころ軸受11は、複数の針状ころ2とこれら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器13,14とからなっている。2枚の保持器13,14のうち、上側保持器13のころ保持部15aの径方向外側は、図6(d)に示すように、ころ保持部15aの外端から折り曲げられた傾斜延出部13aと、この傾斜延出部13aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部13bとで構成されている。
【0040】
また、上側保持器13のころ保持部15aの径方向内側は、同じくころ保持部15aの内端から折り曲げられた傾斜延出部13cと、この傾斜延出部13cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部13dとで構成されている。
【0041】
また、上側保持器13と同一形でポケット抜きされた下側保持器14のころ保持部16aの径方向外側は、ころ保持部16aの外端から折り曲げられた傾斜延出部14aと、この傾斜延出部14aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部14bとで構成されている。また、上側保持器14のころ保持部16aの径方向内側は、同じくころ保持部16aの内端から折り曲げられた傾斜延出部14cと、この傾斜延出部14cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部14dとで構成されている。
【0042】
そして、2枚の保持器13,14は、図6(d)に示すように、外側板部13b,14bを互いに上下に重ね合わせるとともに、外側板部14bの最外端部の一部を上方向に折り曲げて部分加締部17を形成している。一方、内側板部13d,14dは互いに上下に重ね合わせるとともに、内側板部13dの最内端部を下方向に折り曲げている。また、図6(e)に示すように、外側板部13b,14bを互いに上下に重ね合わせるとともに外側板部14bの最外端部を上方向に折り曲げている。さらに、内側板部13d,14dは互いに上下に重ね合わせるとともに、内側板部13dの最外端部の一部を下方向の折り曲げて部分加締部18を形成している。これら部分加締部17,18により、2枚の保持器13,14は内外端部を強固に一体化されるとともに、前述した実施の形態2における全周加締に比べ、加締工程を格段に簡略化することができる。
【0043】
保持器の外周縁の部分19は、2枚の保持器13,14の位相合わせ用の位置決め部である。たとえば、上側保持器13の外縁に切欠部(図示せず)を形成するとともに下側保持器14の外縁に形成した突起部(図示せず)を係合させ、加締加工などに両保持器13,14のポケット15,16のピッチがずれないようにしている。また、これらの部分加締部17,18は周縁の4箇所に、その位相を45度ずらせて形成し、加締加工時、保持器変形の影響を防止している。なお、部分加締部は必ずしも4箇所に形成される必要はなく、2箇所以上に等配されれば加締加工時に保持器の変形への影響を防止することが可能であり、たとえば、5〜8箇所であってもよい。
【0044】
本実施の形態における最大の特徴は、ころ保持部の長さLaがポケット長さLpの30%〜80%の範囲内にあることである。この構成によれば、針状ころを保持するという機能を確保しながら、軸受内部への通油性を向上させ、軸受寿命を向上させることができる。針状ころのより確実な保持という点からは、ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの40%以上あることが一層好ましく、また、通油性の向上という観点からは、ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの70%以下であることが一層好ましい。後で説明する本実施例において、ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの30%〜80%の範囲内にあれば、針状ころの保持および通油性の両方を満足させることができることを確認した。
【0045】
(実施の形態4)
図7(a)は、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の実施の形態4を示す平面図であり、図7(b)は図7(a)のVIIb−O−VIIb線に沿う断面図であり、図7(c)は図7(b)のC部拡大図であり、そして図7(d)は図7(b)のD部拡大図である。この実施の形態4は前述した実施の形態3と加締方向が異なるのみであり、その他同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0046】
このスラスト針状ころ軸受11’は、複数の針状ころ2とこれら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器13’,14’とからなっている。2枚の保持器13’,14’のうち、上側保持器13’のころ保持部15aの径方向外側は、図7(c)に示すように、ころ保持部15aの外端から折り曲げられた傾斜延出部13aと、この傾斜延出部13aの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた外側板部13bとで構成されている。また、上側保持器13のころ保持部15aの径方向内側は、同じくころ保持部15aの内端から折り曲げられた傾斜延出部13cと、この傾斜延出部13cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部13d’とで構成されている。
【0047】
また、下側保持器14のころ保持部16aの径方向外側は、ころ保持部16aの外端から折り曲げられた傾斜延出部14aと、この傾斜延出部14aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部14bとで構成されている。また、上側保持器14のころ保持部16aの径方向内側は、同じくころ保持部16aの内端から折り曲げられた傾斜延出部14cと、この傾斜延出部14cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部14d’とで構成されている。
【0048】
そして、2枚の保持器13’,14’は、図7(c)に示すように、外側板部13b,14bを互いに上下に重ね合わせるとともに、外側板部14bの最外端部の一部を上方向に折り曲げて部分加締部17を形成している。一方、内側板部13d’、14d’は互いに上下に重ね合わせるとともに、内側板部14d’の最外端部を上方向に折り曲げている。また、図7(d)に示すように、内側板部13d’,14d’は互いに上下に重ね合わせるとともに、内側板部14d’の最内端部の一部を上方向に折り曲げて部分加締部18’を形成している。これら部分加締部17,18’により、2枚の保持器13’,14’は内外端部を強固に一体化されるとともに、前述した第2の実施の形態における部分加締部と異なり同一面に部分加締部17,18’が存在するため加締加工のさらなる簡略化ができる。
【0049】
本実施の形態における最大の特徴は、ころ保持部の長さLaがポケット長さLpの30%〜80%の範囲内にあることである。この構成によれば、針状ころを保持するという機能を確保しながら、軸受内部への通油性を向上させ、軸受寿命を向上させることができる。針状ころのより確実な保持という点からは、ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの40%以上あることが一層好ましく、また、通油性の向上という観点からは、ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの70%以下であることが一層好ましい。
【0050】
(実施の形態5)
図8(a)は、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の実施の形態5を示す平面図であり、図8(b)は図8(a)のVIIIb−O−VIIIb線に沿った断面図であり、図8(c)は図8(b)のE部拡大図である。この実施の形態5は、前述した実施の形態2〜4とは、2枚の保持器の固定手段が異なるのみであり、その他同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0051】
このスラスト針状ころ軸受21は、複数の針状ころ2とこれら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器23,24とからなっている。2枚の保持器23,24のうち、上側保持器23のころ保持部25aの径方向外側は、図8(c)に示すように、ころ保持部25aの外端から折り曲げられた傾斜延出部23aと、この傾斜延出部23aの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた外側板部とで構成されている。また、上側保持器23のころ保持部25aの径方向内側は、同じくころ保持部25aの内端から折り曲げられた傾斜延出部23cと、この傾斜延出部23cの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた内側板部23dとで構成されている。
【0052】
また、下側保持器24のころ保持部26aの径方向外側は、ころ保持部26aの外端から折り曲げられた傾斜延出部24aと、この傾斜延出部24aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部24bとで構成されている。また、下側保持器24のころ保持部26aの径方向内側は、同じくころ保持部26aの内端から折り曲げられた傾斜延出部24cと、この傾斜延出部24cの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた内側板部24dとで構成されている。
【0053】
そして、2枚の保持器23,24は、図8(c)に示すように、外側板部23b,24bを互いに上下に重ね合わせるとともに、外側板部24bの最外端部を上方向に折り曲げている。一方、内側板部23d,24dは互いに上下に重ね合わせるとともに、内側板部24dの最内端部を上方向に折り曲げている。なお、内側板部23dの最内端部を下方向に折り曲げてもよい。実施の形態では、2枚の保持器23,24を図8(a)に示すように、それぞれの内周部と外周部とをスポット溶接部27,28で一体に固定している。これらの溶接部27,28は周方向に等間隔で4箇所互いに位相を45度ずらせて設けている。これにより、溶接による保持器変形への影響を防止している。なお、部分加締部は必ずしも4箇所に形成される必要はなく、2箇所以上に等配されれば加締加工時に保持器変形への影響が防止可能である。
【0054】
保持器の外周縁の部分29は、2枚の保持器23,24の位相合わせ用の位置決め部である。上側保持器23の外縁に突起部29aを形成するとともに、下側保持器24の外縁に形成した切欠部29bを係合させ、2枚の保持器23,24のポケット25,26の位相がずれないようにしている。なお、この位置決め部29はこうした構成に限らず、たとえば、下側保持器24の外縁部の一部を加締し、上側保持器23に係合させて固定するいわゆるステーキング方式や、ピンと孔とによる係合方式であってもよい。
【0055】
本実施の形態における最大の特徴は、ころ保持部の長さLaがポケット長さLpの30%〜80%の範囲内にあることである。この構成によれば、針状ころを保持するという機能を確保しながら、軸受内部への通油性を向上させ、軸受寿命を向上させることができる。針状ころのより確実な保持という点からは、ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの40%以上あることが一層好ましく、また、通油性の向上という観点からは、ころ保持部の長さがポケットの径方向長さの70%以下であることが一層好ましい。
【0056】
【実施例】
図2に示すスラスト針状ころ軸受において、複列ころにおいて単一のころ保持部を設けた。この構成は、図2の構成と同じであるが、図4(c)の構成とも同じである。上記構成の保持器を有するスラスト針状ころ軸受を組み立てた。ころ保持部の径方向長さLaを各種変えて、(A1)3個のスラスト針状ころ軸受に対する落下試験により、ころのポケットからの脱落の傾向を評価した。落下試験は、試験体の軸受を一定の高さ(1.5m)からコンクリート製の地面に自由落下させ、ころの脱落を検証した。また、(A2)同じくポケット長さを変化させ、通油性試験を行ない通油性を評価した。通油性試験では、軸受に100N程度の軽荷重を負荷し、1000〜3000r/minで回転させ、油500mlを内径側から送り、外径側の排出口から全量が排出されるまでの時間を測定した。この通油性試験では、比較例として、図9(b)に示す複列ころの保持器を用いて通油性試験を行なった。落下試験結果を表1に、また通油性試験結果を表2に示す。
【0057】
【表1】
Figure 2004156727
【0058】
【表2】
Figure 2004156727
【0059】
表1の落下試験結果によれば、ころ保持部の径方向長さLaがポケット径方向長さLpの25%程度では、3個のスラスト針状ころ軸受のうち2個において針状ころの脱落が生じた。これに対して、上記LaがLpの30%の場合には、3個のスラスト針状ころ軸受のうちいずれにおいても針状ころの脱落は生じなかった。
【0060】
また、表2の通油性試験結果によれば、ころ保持部の径方向長さLaがポケット径方向長さLpの85%では、通油量は比較例とほとんど変わらない結果が得られた。これに対してころ保持部の径方向長さLaがポケット径方向長さLpの80%では、比較例に対して通油量が10%改善された。また、ころ保持部の上記長さがLpの75%になると、比較例に対して通油量が15%改善された。
【0061】
上記の結果によれば、ころ保持部の径方向長さLaを、ポケット径方向長さLpの30%〜80%の範囲内とすることにより、はり状ころの脱落を生じずに、かつころ保持部をポケット長さ一杯に形成した従来のものに比べて、通油性を向上させることができる。
【0062】
以上、本発明の実施の形態について説明を行なったが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることはもちろんのことであり、本発明の範囲は特許請求の範囲の記載によって示されさらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、範囲内のすべての変更を含む。
【0063】
【発明の効果】
本発明のスラスト針状ころ軸受および保持器を用いることにより、針状ころを安定に保持しながら、軸受内部における潤滑油の通油性を向上させたスラスト針状ころ軸受およびその保持器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスラスト針状ころ軸受を示す図である。
【図2】(a)は、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第1の実施の形態を示す平面図であり、(b)は(a)のIIb−IIb線に沿った断面図であり、(c)は(b)の要部拡大図であり、(d)は(a)のポケット部の要部拡大図であり、(e)は(c)のIIe−IIe線に沿った拡大断面図である。
【図3】図2のスラスト針状ころ軸受の部分斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態2におけるころ列およびころ保持部ならびにその変形例を示す図であり、(a)は単列ころにおける単一ころ保持部の場合を示し、(b)は単列ころにおける複数のころ保持部の場合を示し、(c)は複列ころにおいて単一のころ保持部を設けた場合を示し、(d)は複列ころにおいて複数のころ保持部を設けた場合を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2におけるスラスト針状ころ軸受の使用状態を説明する部分断面図である。
【図6】(a)は本発明の実施の形態3におけるスラスト針状ころ軸受を示す平面図であり、(b)は(a)のVIb−O−VIb線に沿った断面図であり、(c)は(a)の底面図であり、(d)は(b)のA部拡大図であり、(e)は(b)のB部拡大図である。
【図7】(a)は、本発明の実施の形態4におけるスラスト針状ころ軸受を示す平面図であり、(b)は(a)のVIIb−O−VIIb線に沿った断面図であり、(c)は(b)のC部拡大図であり、(d)は(b)のD部拡大図である。
【図8】(a)は、本発明の実施の形態5におけるスラスト針状ころ軸受を示す平面図であり、(b)は(a)のVIIIb−O−VIIIb線に沿った断面図であり、(c)は(b)のE部拡大図でる。
【図9】従来の保持器を示す図であり、(a)は単列ころの場合を、また(b)は複列ころを示す図である。
【図10】(a)は従来のスラスト針状ころ軸受を示す部分平面図であり、(b)は(a)のXb−Xb線に沿った断面図であり、(c)は(b)のXc−Xc線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1,11,11’,21 スラスト針状ころ軸受、2 針状ころ、2a 外径側針状ころ、2b 内径側針状ころ、3,13,13’,23,33 上側保持器、3a,13a,23a 傾斜延出部、3b,13b,23b 外側板部、3c,13c,23c 傾斜延出部、3d,13d,13d’,23d 内側板部、4a,14a、24a 傾斜延出部、4b,14b,24b 外側板部、4c,14c,24c 傾斜延出部、4d,14d,14d’,24d 内側板部、4,14,14’,24 下側保持器、5,15,25 ポケット、5a,15a,25a ころ保持部、5b,6b 凹部、6,16,26 ポケット、6a,16a,26a ころ保持部、7,8 加締部、17,18,18’ 部分加締部、9 第1軸、9a,10a 軌道面、10 第2軸、19,29 位置決め部、29a 突起部、29b 切欠部、50 スラスト針状ころ軸受、60 上側保持器、61,71 窓、70 下側保持器、62,72 外側板部、63,73 内側板部、64,74 ころ保持部、67,77 最内端部、80 針状ころ、L,l ころ長さ、La,la ころ保持部の径方向の長さ、Lp ポケットの径方向長さ、T,t ころ保持部の厚さ、T,t ころ保持部の外側部分の厚さ、T,t ころ保持部の内側部分の厚さ。

Claims (9)

  1. 複数の針状ころと、前記針状ころを収納するポケット内に前記針状ころを保持する保持器とを備えたスラスト針状ころ軸受であって、
    前記ポケットに設けられたころ保持部の長さが、前記ポケットの径方向の長さの30%〜80%の範囲内にある、スラスト針状ころ軸受。
  2. 前記ころ保持部は、複数のころ保持部から構成されており、その複数のころ保持部の長さの合計が前記ポケットの径方向の長さの30%〜80%の範囲内にある、請求項1に記載のスラスト針状ころ軸受。
  3. 前記針状ころが複列のころ列で配置されており、複列のそれぞれにそのころ長さより短いころ保持部が設けられている、請求項1または2に記載のスラスト針状ころ軸受。
  4. 前記針状ころが複列のころ列で配置されており、その複列の針状ころが共通の1つのころ保持部によって保持される、請求項1または2に記載のスラスト針状ころ軸受。
  5. 針状ころを収納するポケット内に前記針状ころを保持する保持器であって、
    前記ポケットに設けられたころ保持部の長さが、前記ポケットの径方向の長さの30%〜80%の範囲内にある、保持器。
  6. 前記ころ保持部は、複数のころ保持部から構成されており、その複数のころ保持部の長さの合計が前記ポケットの径方向の長さの30%〜80%の範囲内にある、請求項5に記載の保持器。
  7. 前記針状ころが複列のころ列で配置されており、複列のそれぞれにそのころ長さより短いころ保持部が設けられている、請求項5または6に記載の保持器。
  8. 前記針状ころが複列のころ列で配置されており、その複列の針状ころが共通の1つのころ保持部によって保持される、請求項5または6に記載の保持器。
  9. 前記ポケットの窓の、右側の縁に形成されるころ保持部の形状と、左側の縁に形成されるころ保持部の形状とが、前記ポケットの窓の中心軸線に関して非対称である、請求項5〜8のいずれかに記載の保持器。
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