JP2009041778A - スラストころ軸受 - Google Patents

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真司 大石
Kosuke Obayashi
光介 尾林
Tetsuya Hayashi
林  哲也
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【課題】ドリリング摩耗が生じにくく、かつ軸受音響が小さいスラストころ軸受を提供する。
【解決手段】本発明のスラストころ軸受1は、複数のころ2a、2bと、それぞれがころ2a、2bを保持するためのポケット5、6を複数有する環状の保持器3、4とを備えたスラストころ軸受である。そして、上記複数のころ2a、2bの各々の端面はF端面であって、端面精度は30μm以下となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のオートマチックトランスミッションやコンプレッサー等に使用されるスラストころ軸受に関するものである。
スラスト針状ころ軸受は、針状ころと保持器、および軌道輪とで構成され、針状ころと軌道輪とが線接触する構造であるため、軸受投影面積が小さい割に高負荷容量と高剛性が得られる利点を有している。したがって、希薄潤滑下や高速回転下での運転等、苛酷な使用条件で使用する軸受として好適で、たとえば自動車のオートマチックトランスミッション用軸受やカーエアーコンプレッサー用軸受として広く使用されている。
従来、潤滑油の流入性および流出性の少なくとも一方を向上させることにより、通過する単位時間当たりの潤滑油量の増大を図ったスラスト針状ころ軸受が知られている(特許文献1参照)。そのスラスト針状ころ軸受について図9を用いて説明する。
図9(a)〜(c)を参照して、このスラスト針状ころ軸受50は、複数の針状ころ80と2枚の環状保持器60、70とからなり、この2枚の保持器60、70のそれぞれが径方向において、ころ長よりも長い複数の窓61、71を有し、これら複数の窓61、71に形成されたころ保持部64、74で複数の針状ころ80を上下方向に挟んで保持している。ここで、2枚の保持器60、70について、ころ保持部64、74の径方向長さlaがころ長lよりも短くされ、かつ、2枚の保持器60、70のうちの少なくとも一方が折り曲げ加工されている。それにより、ころ保持部64、74に対して径方向の外側部分および内側部分の、少なくとも一方の上下方向の厚さt1、t2が、ころ保持部64、74の上下方向の厚さt0よりも薄くされている。
これにより、ころ保持部64、74に対して厚さを薄くした径方向の外側部分および内側部分の、少なくとも一方側の潤滑油の流入性あるいは流出性が向上し、軸受を通過する単位時間当たりの潤滑油量を増加させることができる。さらに、保持器60、70によって潤滑油の通過が遮られにくくなるので潤滑油が滞留せず、油温の上昇を抑制することができ、軸受の耐久性を向上させることができる。
特開2002−70872号公報
しかしながら、この従来のスラスト針状ころ軸受50にあっては、針状ころ80の端面81が遠心力によって窓61、71の壁面に押し付けられ、さらに針状ころ80の自転による接触が加わって、窓61、71に異常摩耗(以下、ドリリング摩耗と呼ぶ)が生じるという問題があった。また、軸受音響が大きいという問題点があった。スラスト針状軸受50は主に自動車に使用されているので、自動車の車内空間の静粛性が求められている近年において、スラスト針状軸受50においても軸受音響の低下が求められていた。
したがって本発明の目的は、ドリリング摩耗が生じにくく、かつ軸受音響が小さいスラストころ軸受を提供することである。
従来のスラスト針状ころ軸受における、ドリリング摩耗が生じやすく、かつ軸受音響が大きいという問題は、ともに以下の原因によるものであることが本発明においてわかった。すなわち、スラスト針状ころ軸受に用いられている針状ころの各々の端面精度が大きい場合には、針状ころと保持器との接触部の摩擦抵抗が大きくなるので、これらがぶつかる際の摩擦によりドリリング摩耗が生じ、また、これらがぶつかる際の摩擦により生じる音により軸受音響が大きくなることがわかった。特に複列スラストころ軸受では、ころの端面同士も接触するため、ころの端面精度が悪いと軸受の音響値はさらに大きくなる傾向にあることもわかった。さらに本願発明者らは、スラストころ軸受において、ころの端面形状を所定の形状とし、かつその端面の精度を30μm以下にすることによりドリリング摩耗と軸受音響を顕著に改善できることを見出した。
したがって、本発明のスラストころ軸受は、複数のころと、それぞれがころを保持するためのポケットを複数有する環状の保持器とを備えていて、複数のころの各々の端面はF端面であって、端面精度は30μm以下である。これにより、ころと保持器との摩擦抵抗、およびころと隣のころとの摩擦抵抗が著しく小さくなる結果、これらがぶつかる際の摩擦によるドリリング摩耗が特に生じにくくなり、またこれらがぶつかる際の音により生じる軸受音響が特に小さくなる。
ここで、ころには針状ころと、棒状ころと、円筒ころとがある。JIS(Japanese Industrial Standards)の規定に基づいて、針状ころとは直径が5mmより小さく長さがその3〜10倍のころを意味し、棒状ころとは直径が5mm以上15mm以下で長さが直径の3〜10倍のころを意味し、円筒ころとは長さが直径の3倍未満のころを意味している。
本発明のスラストころ軸受において好ましくは、複数のころの各々は、複数のポケットの各々に保持器の径方向に単列で配置されている。
これにより、ころと保持器との接触抵抗が小さくなる。その結果、ころと保持器とがぶつかる際の音により生じる軸受音響が特に小さくなり、またこれらがぶつかる際の摩擦によるドリリング摩耗が特に生じにくくなる。
本発明のスラストころ軸受において好ましくは、複数のころの各々は、複数のポケットの各々に保持器の径方向に複列で配置されている。
これにより、ころと隣のころおよび保持器との接触部の抵抗が小さくなる。その結果、ころと隣のころとがぶつかる際の音により生じる軸受音響が特に小さくなり、またこれらがぶつかる際の摩擦によるドリリング摩耗が特に生じにくくなる。さらに、ころの外径側部分と内径側部分との公転周速差が小さくなり、軌道面(図示せず)との滑りが抑制される。これにより、接触部の発熱が少なくなり、針状ころの表面損傷(スミアリング)が防止される。
以上のように、本発明のスラストころ軸受は、複数のころと、それぞれがころを保持するためのポケットを複数有する環状の保持器とを備えていて、複数のころの各々の端面はF端面であって、端面精度は30μm以下である。これにより、ころと保持器との摩擦抵抗、およびころと隣のころとの摩擦抵抗が著しく小さくなる結果、これらがぶつかる際の摩擦によるドリリング摩耗が特に生じにくくなり、またこれらがぶつかる際の音により生じる軸受音響が特に小さくなる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第1の実施形態を示す平面図、(b)は(a)のIb−Ib線に沿った断面図、(c)は(b)の要部拡大図、そして(d)は(a)のポケット部の要部拡大図、(e)は(c)のIe−Ie線に沿った拡大断面図である。また、図2は図1(c)の斜視図である。
図1(a)〜(d)を参照して、このスラスト針状ころ軸受1は、複数の針状ころ2とこれら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器3、4とからなっている。ここで、2枚の保持器3、4のそれぞれは、径方向において針状ころ2の長さLよりも長い矩形状の複数のポケット5、6を有し、冷間圧延鋼鈑(SPCC)からなる鋼鈑をプレス加工にて形成されている。各ポケット5、6の両側縁には、対向する方向に突出するころ保持部5a、6aが形成されている。これらころ保持部5a、6aによって針状ころ2が上下方向に挟んで保持されている。なお、保持器3、4は、これ以外にもたとえば、SCM415等の帯鋼をプレスで絞り成形してもよい。
針状ころ2は、外径側の針状ころ2aと内径側の針状ころ2bで構成され、ポケット5、6内に複列で配置されている。各針状ころ2a、2bにおいて、外径側部分と内径側部分との公転周速差が小さくなり、軌道面(図示せず)との滑りが抑制されるので、接触部の発熱が少なく、表面損傷や表面起点型の剥離を防止することができる。なお、ここでは複列の針状ころ2a、2bの長さを同一としているが、使用条件によって外径を内径以下にするか、または外径を内径以上にするかを選択し、たとえば、外径と内径とのうち長い方を短い方の1.2倍の長さにすることにより、負荷容量を上げるようにしてもよい。
図1(c)、図2を参照して、2枚の保持器3、4のうち、上側保持器3のころ保持部5aの径方向外側は、ころ保持部5aの外端から折り曲げられた傾斜延出部3aと、この傾斜延出部3aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部3bとで構成されている。また、上側保持器3のころ保持部5aの径方向内側は、同じくころ保持部5aの内端から折り曲げられた傾斜延出部3cと、この傾斜延出部3cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部3dとで構成されている。
また、上側保持器3と同一型でポケット抜きされた下側保持器4のころ保持部6aの径方向外側は、ころ保持部6aの外端から折り曲げられた傾斜延出部4aと、この傾斜延出部4aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部4bとで構成されている。また、下側保持器4のころ保持部6aの径方向内側は、同じくころ保持部6aの内端から折り曲げられた傾斜延出部4cと、この傾斜延出部4cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部4dとで構成されている。
そして、2枚の保持器3、4においては、外側板部3b、4bが互いに上下方向に重合され、外側板部4bの最外端部が上方向に折り曲げられることで加締部7が形成されている。また、内側板部3d、4dが互いに上下方向に重合され、内側板部3dの最内端部を下方向に折り曲げられることで加締部8が形成されている。これら加締部7、8により、2枚の保持器3、4は内外端部を加締固定されて強固に一体化されているため、運転中においても2枚の保持器3、4は分離することはない。また、外側板部3b、4bおよび内側板部3d、4dでは、針状ころ2の端面とポケット5、6との接触面積を広くとることができ、ドリリング摩耗が抑制される。
2枚の保持器3、4を固定した状態において、2枚の保持器3、4がなすころ保持部5a、6aよりも径方向の外側部分の上下方向の厚さT1と径方向の内側部分の上下方向の厚さT2とは、傾斜延出部3a、4aおよび3c、4cが存在することから、ころ保持部5a、6aの上下方向の厚さT0よりも薄い。
図1(d)を参照して、ころ保持部5a、6aの径方向の長さLaはころ長さLよりも短く形成されることで、ころ保持部5a、6aの両端に形成された凹部5b、6bによって潤滑油が容易に通過させることができる。なお、針状ころ2a、2bの端面は、フラットな形状に限らず円弧面で形成されてもよい。
図1(e)を参照して、ころ保持部5a、6aの角部は、プレスでポケット5、6を打抜きする際にだらして形成するか、打抜き後、内縁部を面押し加工により角部を滑らかにだらしている。針状ころ2a、2bの表面に形成された潤滑油膜を切ることなく、針状ころ2a、2bを安定して案内保持することができる。
図3を参照して、以上の構成を有するスラスト針状ころ軸受1は、第1軸(回転軸)9の軌道面9aと、第2軸(固定軸)10の軌道面10aとの間を針状ころ2が転動するように、上側保持器3の加締部8を案内面としてすきまばめされる。第1軸9が回転すると、保持器3、4もこの第1軸9とともに回転し、針状ころ2が第1軸9の軌道面9aと第2軸10の軌道面10aとの間を転動する。ここで、図示しない油圧供給源から油路を経由してスラスト針状ころ軸受1内に潤滑油が供給される。
潤滑油は、油路を矢印aのように通ってから第2軸10の軌道面10aと下側保持器4のころ保持部6aに対して径方向内側部分との間を矢印bのように通る。その後、潤滑油は、針状ころ2の周囲および保持器3、4で形成される空間内を矢印cのように通って、針状ころ2の側面と保持器3、4のころ保持部5a、6aとの間、針状ころ2の端面との間、および針状ころ2の側面と軌道面9a、10aとの間を潤滑し、第2軸10の軌道面10aと保持器4のころ保持部6aに対して径方向の外側部分との間、および第1軸9の軌道面9aと保持器3のころ保持部5aに対して径方向の外側部分との間を通って矢印dのように排出される。
この潤滑油による各部の潤滑に際し、2枚の保持器3、4がなすころ保持部5a、6aに対して、径方向の外側部分、内側部分の上下方向の厚さT1、T2はころ保持部5a、6aの上下方向の厚さT0よりも薄く形成されている(図1(c)参照)。このため、第2軸10の軌道面10aと下側保持器4のころ保持部6aに対して径方向の内側部分との間の空間の断面積が従来に比べて大きくなり、潤滑油の流出性だけでなく流入性も向上している。したがって、軸受各部の焼付きが確実に防止されるとともに、針状ころ2の端面と保持器3、4のポケット5、6とのドリリング摩耗が抑制される。また、保持器3、4によって潤滑油の通過が遮られ難くなるため潤滑油が滞留し難くなるので、油温の上昇が抑制され、保持器の強度アップと相俟って軸受の耐久性が一層向上される。
本実施の形態において最も注目すべきは、針状ころ2a、2bの各々の端面5c、6cはF端面であって、端面精度は30μm以下である。F端面とはJIS(Japanese Industrial Standards)に規定された記号Fの形状(平面形)を意味する。
ここで端面精度の測定方法について説明する。図4(a)は端面精度の測定方法を示す模式図である。図4(a)を参照して、まず、針状ころ2の端面5c、6cにおける高さの変化が測定される。この測定は、図中矢印方向で示すように端面5c、6cの直径方向に沿って行なわれ、かつ測定方向が互いに直角となるように各1回行なわれる。このようにして測定された図4(b)に示す高さの変化から、ころ端面5c、6cの高さの最高値(Hmax)と最低値(Hmin)とが抽出され、そのHmaxとHminとの差が端面精度として得られる。なお、端面精度を測定する装置としてはたとえばタリサーフ(テーラーホブソン社製)が用いられる。
ここで、従来のスラスト針状ころ軸受におけるドリリング摩耗が生じるという問題と軸受音響が大きいという問題とは、ともに以下の原因によるものであると本願発明者らは推測した。すなわち、スラスト針状ころ軸受1に用いられている針状ころ2a、2bの各々の端面精度が大きいために、針状ころ2aと隣の針状ころ2bおよび保持器3、4との接触部の抵抗が大きくなり、これらがぶつかる際の摩擦によりドリリング摩耗が生じ、また、これらがぶつかる際の摩擦により生じる音により軸受音響が大きくなると推測した。そこで、スラスト針状ころ軸受1における針状ころ2a、2bの端面精度と軸受音響との関係が調べられた。
図5はスラスト針状ころ軸受における針状ころ2a、2bの端面精度と軸受音響との関係を示す図(グラフ)である。音響測定は以下の条件で行なわれた。すなわち、スラスト針状ころ軸受の回転速度:1800rpm、荷重:100N、マイクロホンの位置:保持器の主表面の法線から45度方向であって、スラスト針状ころ軸受から100mmの距離という条件で音響測定が行なわれた。
図5を参照して、軸受音響は、針状ころの端面精度が50μm以上では81dBA以上と大きいのに対し、30μm以下のときに78dBA以下と著しく小さくなっていることがわかる。これは針状ころの端面精度が30μm以下の場合には、針状ころと隣の針状ころとの摩擦抵抗、および針状ころと保持器との摩擦抵抗が著しく小さくなっているためである。したがって針状ころの端面精度が30μm以下の場合には、摩擦抵抗が著しく小さくなるので、ドリリング摩耗もまた生じにくくなる。
したがって、本実施の形態のスラスト針状ころ軸受1においては、針状ころ2a、2bの各々の端面精度は30μm以下になされることにより、針状ころ2aと隣の針状ころ2bとの摩擦抵抗、および針状ころ2a、2bと保持器3、4との摩擦抵抗が小さくなる結果、これらがぶつかる際の摩擦によるドリリング摩耗が特に生じにくくなり、またこれらがぶつかる際の音により生じる軸受音響が特に小さくなる。
次に本実施の形態に係るスラスト針状ころ軸受1の製造手順について詳細に説明する。一例として、針状ころ2a、2bは通常の外径研削などにより成形された後、研削やワイヤカット放電加工などにより端面が2次加工される。ここでワイヤカット放電とは、小径の導電性のワイヤを電極として材料を切断する加工方法をいう。これにより、針状ころ2a、2bの端面精度は30μm以下とされる。
2枚の保持器3、4と、焼入れ焼戻し済みまたは未焼入れの針状ころ2がセットされ、外側板部4bの最外端部が上方向に折り曲げられて加締部7が形成されるとともに、内側板部3dの最内端部が下方向に折り曲げられて加締部8が形成され、2枚の保持器3、4が一体に固定される。ここで、針状ころ2の素材として、たとえば高炭素クロム軸受鋼の1種あるいは2種であるSUJ軸受鋼が使用されいる。針状ころ2は、840℃×30分で油焼入れされ、次いで180℃×90分で焼戻しされることにより、表面硬さがビッカース硬度(Hv)で700〜750程度になるようにされている。
その後、針状ころ2と2枚の保持器3、4がセットされた状態で浸炭焼入れ焼戻し、あるいは浸炭窒化処理が施されて製品が完成する。浸炭処理の場合、針状ころ2と2枚の保持器3、4が850℃×35分浸炭され(RXガス雰囲気中)、油中で焼入れされ、次いで165℃×60分で焼戻される。また、浸炭窒化処理の場合、針状ころ2と2枚の保持器3、4が浸炭窒化雰囲気(RXガスに容積比で1〜3%のアンモニア添加)で、840〜850℃×35分間保持され浸炭窒化された後、直ちに油中にて急冷される。
ここで、予め2枚の保持器3、4が570〜580℃×35分で軟窒化処理されることで強度アップされてもよい。また、針状ころ2は予め熱処理を施されなくてもよい。しかし、針状ころ2は、組み込みの前に予め熱処理、すなわちずぶ焼入れが施されれば、製造工程がそれだけ増加することになるが、その一方で、その後実施される浸炭あるいは浸炭窒化処理によってさらに強度が向上する。少なくとも2枚の保持器3、4および針状ころ2が別々に熱処理され、加締部が焼きなまされていた従来のものに比べ製造工程は簡略化されたものとなる。
前述した手順でスラスト針状ころ軸受1を製造することによって、下記に示すような具体的な特性を付与することができる。次に、これらの特性について詳細に説明する。
まず針状ころ2は、その表層部に浸炭層あるいは浸炭窒化層が形成されているので、表層の硬度は従来品と比べて高くなり、高硬度の異物を噛み込んでも圧痕が生じ難くなるので、長寿命となる。また、針状ころ2は、浸炭窒化処理において窒素富化層が形成され、かつその残留オーステナイト量が20容積%以上となるようにすることができる。これは、軌道面9a、10aに高硬度の異物を噛み込むと、従来では圧痕周辺で応力集中源となっていたが、多量に存在する残留オーステナイトの塑性変形によってこうした応力集中が緩和されるので、これにより針状ころ2が高硬度となるとともに長寿命となる。なお、窒素富化層は、具体的には厚みを0.1mm以上、表面硬さ750Hv以上とすることができる。さらに、内部硬さも表面硬さと同程度に高めることができるので、針状ころ2全体の強度を向上させることができる。したがって、苛酷な条件、たとえば高荷重の条件であっても針状ころ2は使用可能となり、所望の寿命を満足することができる。
保持器3、4の場合は、針状ころ2と同様、その表層部に浸炭層あるいは浸炭窒化層が形成され、それにより表面硬さを700Hv以上とすることができる。したがって、従来のものに比べ耐摩耗性が向上する。
図6(a)は、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第2の実施形態を示す平面図、(b)は(a)のVIb−O−VIb線に沿った断面図、(c)は(a)の底面図、(d)は(b)のA部拡大図、そして(e)は(b)のB部拡大図である。この第2の実施形態は前述した第1の実施形態と保持器形状と加締方法が異なるのみで、その他同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6(a)〜(e)を参照して、このスラストころ軸受11は、複数の針状ころ2と、これら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器13、14とからなっている。2枚の保持器13、14のうち、上側保持器13のころ保持部15aの径方向外側は、図6(d)に示すように、ころ保持部15aの外端から折り曲げられた傾斜延出部13aと、この傾斜延出部13aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部13bとで構成されている。
また、上側保持器13のころ保持部15aの径方向内側は、同じくころ保持部15aの内端から折り曲げられた傾斜延出部13cと、この傾斜延出部13cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部13dとで構成されている。また、上側保持器13と同一型でポケット抜きされた下側保持器14のころ保持部16aの径方向外側は、ころ保持部16aの外端から折り曲げられた傾斜延出部14aと、この傾斜延出部14aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部14bとで構成されている。また、上側保持器14のころ保持部16aの径方向内側は、同じくころ保持部16aの内端から折り曲げられた傾斜延出部14cと、この傾斜延出部14cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部14dとで構成されている。
そして、2枚の保持器13、14においては、図6(d)に示すように、外側板部13b、14bが互いに上下方向に重合され、外側板部14bの最外端部の一部が上方向に折り曲げられて、部分加締部17が形成されている。一方、内側板部13d、14dは互いに上下方向に重合され、内側板部13dの最内端部が下方向に折り曲げられている。また、図6(e)に示すように、外側板部13b、14bが互いに上下方向に重合され、外側板部14bの最外端部が上方向に折り曲げられている。さらに、傾斜延出部13c、14cは互いに上下方向に重合され、内側板部13dの最内端部の一部が下方向に折り曲げられることで部分加締部18が形成されている。これら部分加締部17、18により、2枚の保持器13、14は内外端部を強固に一体化されるとともに、前述した第1の実施形態における全周加締に比べ、加締工程が格段に簡略化される。
位置決め部19は2枚の保持器13、14の位相合わせ用のものである。たとえば、上側保持器13の外縁に切欠き部(図示せず)が形成されるとともに、下側保持器14の外縁に形成した突起部(図示せず)が係合され、加締加工などに両保持器13、14のポケット15、16のピッチがずれないようにされている。また、これらの部分加締部17、18は、たとえば周縁の4箇所に、その位相を45°ずらして形成され、加締加工時における保持器変形への影響を防止している。なお、部分加締部は必ずしも4箇所に形成される必要はなく、2箇所以上に等配されれば加締加工時に保持器変形への影響が防止可能である。
図7(a)は、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第3の実施形態を示す平面図、(b)は(a)のVIIb−O−VIIb線に沿った断面図、(c)は(b)のC部拡大図、そして(d)は(b)のD部拡大図である。この第3の実施形態は前述した第2の実施形態と加締方向が異なるのみで、その他同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図7(a)〜(d)を参照して、このスラスト針状ころ軸受11’は、複数の針状ころ2とこれら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器13’、14’とからなっている。2枚の保持器13’、14’のうち、上側保持器13’のころ保持部15aの径方向外側は、図7(c)に示すように、ころ保持部15aの外端から折り曲げられた傾斜延出部13aと、この傾斜延出部13aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部13bとで構成されている。また、上側保持器13のころ保持部15aの径方向内側は、同じくころ保持部15aの内端から折り曲げられた傾斜延出部13cと、この傾斜延出部13cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部13d’とで構成されている。
また、下側保持器14のころ保持部16aの径方向外側は、ころ保持部16aの外端から折り曲げられた傾斜延出部14aと、この傾斜延出部14aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部14bとで構成されている。また、下側保持器14のころ保持部16aの径方向内側は、同じくころ保持部16aの内端から折り曲げられた傾斜延出部14cと、この傾斜延出部14cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部14d’とで構成されている。
そして、2枚の保持器13’、14’は、図7(c)に示すように、外側板部13b、14bが互いに上下方向に重合されるとともに、外側板部14bの最外端部の一部が上方向に折り曲げられることで部分加締部17が形成されている。一方、内側板部13d’、14d’は互いに上下方向に重合されるとともに、内側板部14d’の最内端部が上方向に折り曲げられている。また、図7(d)に示すように、内側板部13d’、14d’は互いに上下方向に重合されるとともに、内側板部14d’の最内端部の一部が上方向に折り曲げられることで部分加締部18’が形成されている。これら部分加締部17、18’により、2枚の保持器13’、14’の内外端部が強固に一体化されるとともに、前述した第2の実施形態における部分加締と異なり、同一面に部分加締部17、18’が存在するため、加締加工のさらなる簡略化ができる。
図8(a)は、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第4の実施形態を示す平面図、(b)は(a)のVIIIb−O−VIIIb線に沿った断面図、(c)は(b)のE部拡大図である。この第4の実施形態は前述した第1〜3の実施形態とは2枚の保持器の固定手段が異なるのみで、その他同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8(a)〜(c)を参照して、このスラスト針状ころ軸受21は、複数の針状ころ2とこれら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器23、24とからなっている。2枚の保持器23、24のうち、上側保持器23のころ保持部25aの径方向外側は、図8(c)に示すように、ころ保持部25aの外端から折り曲げられた傾斜延出部23aと、この傾斜延出部23aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部23bとで構成されている。また、上側保持器23のころ保持部25aの径方向内側は、同じくころ保持部25aの内端から折り曲げられた傾斜延出部23cと、この傾斜延出部23cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部23dとで構成されている。
また、下側保持器24のころ保持部26aの径方向外側は、ころ保持部26aの外端から折り曲げられた傾斜延出部24aと、この傾斜延出部24aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部24bとで構成されている。また、下側保持器24のころ保持部26aの径方向内側は、同じくころ保持部26aの内端から折り曲げられた傾斜延出部24cと、この傾斜延出部24cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部24dとで構成されている。
そして、2枚の保持器23、24は、図8(c)に示すように、外側板部23b、24bが互いに上下方向に重合されるとともに、外側板部24bの最外端部が上方向に折り曲げられている。一方、内側板部23d、24dは互いに上下方向に重合されるとともに、内側板部24dの最内端部が上方向に折り曲げられている。この第4の実施形態では、2枚の保持器23、24を図8(a)に示すように、それぞれの外周部と内周部をスポット溶接部27、28で一体に固定している。これらの溶接部27、28は周方向等配に4箇所、互いに位相を45°ずらして設けている。これにより、溶接による保持器変形への影響を防止している。なお、溶接箇所は周方向等配なら良く、4箇所に限らず、たとえば3箇所、あるいは5箇所以上であってもよい。
位置決め部29は2枚の保持器23、24の位相を合わせるためのもので、上側保持器23の外縁に突起部29aを形成されるとともに、下側保持器24の外縁に形成した切欠き部29bが係合され、これにより2枚の保持器23、24のポケット25、26の位相がずれないようにしている。なお、この位置決め部29はこうした構成に限らず、たとえば、下側保持器24の外縁部の一部を加締、上側保持器23に係合させて固定する所謂ステ−キング方式や、ピンと孔による係合方式であってもよい。
本実施の形態においては、保持器が4つのころ保持部でころと線接触するものについて示したが、針状ころを保持するためのものであれば、たとえばころ保持部がW形(保持器のポケットを避けた部分の径方向に沿った断面形状がW字状)に形成され、6つの部分でころと線接触するものなどでもよい。
また本実施の形態においては、針状ころが用いられたスラストころ軸受について示したが、本発明は棒状ころや円筒ころが用いられたスラストころ軸受にも適用可能である。さらに本実施の形態においては、ころが複列に配列される場合について示したが、図9のように単列に配列される場合でも、複数のころの各々の端面がF端面であって端面精度が30μm以下であれば、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。ころの端面の2次加工の方法として研削やワイヤカット放電加工が示されたが、端面精度が30μm以下にされる加工方法であればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第1の実施形態を示す平面図(a)、(a)のIb−Ib線に沿った断面図(b)、(b)の要部拡大図(c)、(a)のポケット部の要部拡大図(d)、(c)のIe−Ie線に沿った拡大断面図(e)である。 図1(c)の要部斜視図である。 本発明に係るスラスト針状ころ軸受の使用状態を説明する部分断面図である。 端面精度の測定方法を示す模式図(a)、測定結果と端面精度との関係を示す図(b)である。 針状ころの端面精度と軸受音響との関係を示す図である。 本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第2の実施形態を示す平面図(a)、(a)のVIb−O−Vb線に沿った断面図(b)、(a)の底面図(c)、(b)のA部拡大図(d)、(b)のB部拡大図(e)である。 本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第3の実施形態を示す平面図(a)、(a)のVIIb−O−VIIb線に沿った断面図(b)、(b)のC部拡大図(c)、(b)のD部拡大図(d)である。 本発明に係るスラスト針状ころ軸受の第4の実施形態を示す平面図(a)、(a)のVIIIb−O−VIIIb線に沿った断面図(b)、(b)のE部拡大図(c)である。 従来のスラスト針状ころ軸受を示す部分平面図(a)、(a)のIXb−IXb線に沿った断面図(b)、(b)のIXc−IXc線に沿った断面図(c)である。
符号の説明
1,11,11’,21,50 スラスト針状ころ軸受、2,2a,2b,80 針状ころ、3,13,13’,23,60 上側保持器、3a,3c,4a,4c,13a,13c,14a,14c,23a,23c,24a,24c 傾斜延出部、3b,4b,13b,14b,23b,24b 外側板部、3d,4d,13d,13d’,14d,14d’,23d,24d 内側板部、4,14,14’,24,70 下側保持器、5,6,15,16,25,26 ポケット、5a,6a,15a,16a,25a,26a,64,74 ころ保持部、5b,6b 凹部、5c,6c,81 ころ端面、7,8 加締部、9 第1軸、9a,10a 軌道面、10 第2軸、17,18,18’ 部分加締部、19,29 位置決め部、27,28 スポット溶接部、29a 突起部、29b 切欠き部、61,71 窓。

Claims (3)

  1. 複数のころと、
    それぞれが前記ころを保持するためのポケットを複数有する環状の保持器とを備えたスラストころ軸受であって、
    前記複数のころの各々の端面はF端面であって、端面精度は30μm以下である、スラストころ軸受。
  2. 前記複数のころの各々は、前記複数のポケットの各々に前記保持器の径方向に単列で配置されている、請求項1に記載のスラストころ軸受。
  3. 前記複数のころの各々は、前記複数のポケットの各々に前記保持器の径方向に複列で配置されている、請求項1に記載のスラストころ軸受。
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