JP2004155979A - インクジェット用インクの複合着色粒子及びその製造法、インクジェット用インクのプレ分散体並びにインクジェット用インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均一次粒子径10〜50nmの体質顔料粒子又は白色顔料粒子からなる充填材と着色顔料粒子とからなる平均一次粒子径が10〜100nmの複合着色粒子であって、前記充填材の表面水酸基量が1.0mmol/g以下であるインクジェット用インクの複合着色粒子及び該複合着色粒子を用いたインクジェット用インクのプレ分散体並びにインクジェット用インクからなる。
【選択図】 なし
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、着色力が高く、鮮明な色相を呈する印刷画像を得ることができるとともに、分散安定性、耐水性、耐光性及び耐摩擦性に優れたインクジェット用インク及び該インクジェット用インクに用いるインクジェット用インクのプレ分散体並びにインクジェット用インクの複合着色粒子を提供する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンターはその価格、品質の面から業務用、家庭用を問わず広く普及しつつある。このインクジェットプリンターを実用化する上で重要な点は、信頼性及び汎用性である。そのため、インクジェットプリンターに用いられるインクジェット用インクは、印刷した場合に印刷画像の画像濃度が高く、鮮明な印刷画像を提供できるとともに、長期の分散安定性に優れていること、耐水性、耐光性、耐摩擦性に優れていること、ノズル目詰まりを起こさない、いわゆる吐出安定性に優れていること等が要求されている。
【0003】
従来、インクジェット用インクの着色材としてはインクのインクジェットプリンターのノズルへの目詰まり、透明性の点から染料が用いられているが、染料は、耐光性及び耐水性に劣るなどの問題を有しており、次第に顔料に移行しつつある。
【0004】
顔料は染料に対して、耐光性及び耐水性に優れるものであり、顔料をインクジェット用インクに用いた印刷画像は、耐光性及び耐水性に優れることが期待できる。
【0005】
しかしながら、顔料をインクジェット用インクの着色材として用いた場合には、顔料の有する凝集性及び沈降性に起因して長期分散安定性や吐出安定性に問題が生じるものであった。
【0006】
また、鮮明な印刷画像を得ること及び長期分散安定性や吐出安定性の改善ためには、インクジェット用インク中に含有する顔料がより微細であることが必要とされているが、顔料を単に粉砕機で粉砕した場合には、顔料の柔らかさに起因して顔料粒子同士が凝集して大きな顔料粒子を形成するため、微細化することが困難であった。
【0007】
従来、インクジェット用インク中に体質顔料粒子又は白色顔料粒子を含有させる技術として、疎水性シリカ微粒子を含有するもの(特許文献1)、酸化チタン微粒子を含有するもの(特許文献2乃至4)、硫酸バリウム微粒子を含有するもの(特許文献5)、アルミナ微粒子を含有するもの(特許文献6)等が知られている。
【0008】
また、コロイド状無機微粒子又はポリマー微粒子の存在下で顔料を粉砕することが知られている(特許文献7)。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−198954号公報
【特許文献2】
特開平6−287492号公報
【特許文献3】
特開平6−322306号公報
【特許文献4】
特開平9−194774号公報
【特許文献5】
特開平9−154774号公報
【特許文献6】
特開平9−132740号公報
【特許文献7】
特開2002−20656号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1乃至6に記載された各技術は、体質顔料又は白色顔料の屈折率を利用してインクジェット用インクの鮮明性及び耐水性を向上させるとともに、インクの記録紙などの記録媒体への定着性を向上させる技術であり、インクの分散粒子径を低減させるために添加するものではないため、分散粒子径は大きいままであり、さらに得られる印刷画像が鮮明性、定着性に優れるとは言い難いものである。
【0011】
また、着色顔料粒子を粉砕する方法として、着色顔料粒子に塩を添加して粉砕するソルトミリング法が知られているが、この方法では着色顔料粒子を十分に微細化することは困難であり、また、粉砕された着色顔料粒子から塩を完全に除去することができないためにインクジェット用インク中の塩濃度が高くなり、インクジェット用インクの分散安定性を低下させてノズル目詰まりを発生させるため好ましくない。
【0012】
また、前記特許文献7記載の有機ポリマー微粒子を用いて有機顔料を粉砕する場合には、有機ポリマー微粒子自体が柔らかいため、着色顔料粒子を十分に微細化することは困難である。表面処理されていない充填材を用いて顔料を粉砕した場合には、後出比較例14(比較例1)に示すとおり、熱変換方式でのインクジェットプリンターでコゲーション現象を起こし、ノズル目詰まりを発生させるため好ましくない。
【0013】
そこで、本発明は、着色力が高く、鮮明な色相を呈する印刷画像を得ることができるとともに、分散安定性、耐光性、耐水性及び耐摩擦性に優れるとともに、吐出安定性に優れたインクジェット用インクを提供することを技術的課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題は、次のとおりの本発明によって達成することができる。
【0015】
即ち、本発明は、平均一次粒子径10〜50nmの体質顔料粒子又は白色顔料粒子からなる充填材と着色顔料粒子とからなる平均一次粒子径が10〜100nmの複合着色粒子であって、前記充填材の表面水酸基量が1.0mmol/g以下であることを特徴とするインクジェット用インクの複合着色粒子である(本発明1)。
【0016】
また、本発明は、平均一次粒子径10〜50nmの体質顔料粒子又は白色顔料粒子からなる充填材と着色顔料粒子とからなる平均一次粒子径が10〜100nmの複合着色粒子であって、前記充填材の粒子表面にシリル基を有する有機化合物がC換算で0.8〜10重量%付着していることを特徴とするインクジェット用インクの複合着色粒子である(本発明2)。
【0017】
また、本発明は、本発明1又は本発明2の体質顔料粒子又は白色顔料粒子が、Si、Al、Ti、Zn及びアルカリ土類金属から選ばれる1種又は2種以上の元素の無機化合物であることを特徴とするインクジェット用インクの複合着色粒子である(本発明3)。
【0018】
また、本発明は、本発明1乃至本発明3のいずれかのインクジェット用インクの複合着色粒子において、着色顔料粒子を充填材100重量部に対して50〜1000重量部含有していることを特徴とするインクジェット用インクの複合着色粒子である(本発明4)。
【0019】
また、本発明は、平均一次粒子径が10〜50nmであって表面水酸基量が1.0mmol/gである体質顔料粒子又は白色顔料粒子からなる充填材と着色顔料粒子とを粉砕混合して複合着色粒子を得ることを特徴とする本発明1乃至本発明4のいずれかのインクジェット用インクの複合着色粒子の製造法である(本発明5)。
【0020】
また、本発明は、本発明1乃至本発明4のインクジェット用インクの複合着色粒子を分散させたインクジェット用インクのプレ分散体であって、前記プレ分散体の固形分の分散粒子径が10〜300nmであることを特徴とするインクジェット用インクのプレ分散体である(本発明6)。
【0021】
また、本発明は、本発明1乃至本発明4のインクジェット用インクの複合着色粒子を分散させてなるインクジェット用インク又は本発明6のインクジェット用インクのプレ分散体を分散させてなるインクジェット用インクであって、前記インクジェット用インクの固形分の分散粒子径が10〜300nmであることを特徴とするインクジェット用インクである。(本発明7)。
【0022】
本発明の構成をより詳しく説明すれば次のとおりである。
【0023】
まず、本発明に係るインクジェット用インクの複合着色粒子(以下、「複合着色粒子」という。)について述べる。
【0024】
本発明に係る複合着色粒子は、表面水酸基量が1.0mmol/g以下である体質顔料粒子又は白色顔料粒子からなる充填材と着色顔料粒子との複合粒子である。
【0025】
本発明に用いる体質顔料粒子又は白色顔料粒子としては、Si、Al、Ti、Zn及びアルカリ土類金属から選ばれる1種又は2種以上の元素の無機化合物である。具体的には、体質顔料としては、シリカ粉、ホワイトカーボン、珪藻土及び微細珪酸等の二酸化珪素微粒子、アルミナ粉等の酸化アルミニウム微粒子、透明性チタニア、炭酸カルシウム微粒子等であり、好ましくは二酸化珪素微粒子、酸化アルミニウム微粒子である。白色顔料粒子としては、チタンホワイト等の酸化チタン微粒子、マグネシア、ハイドロタルサイト等のマグネシウム化合物微粒子、ジンクホワイト等の酸化亜鉛微粒子及び硫酸バリウム微粒子等であり、好ましくはチタンホワイトである。
【0026】
体質顔料粒子又は白色顔料粒子の粒子形状は、球状、粒状、多面体状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、鱗片状及び板状等いずれの形状であってもよいが、着色顔料粒子の粉砕を考慮した場合、球状、粒状、多面体状、米粒状及び板状が好ましい。
【0027】
体質顔料粒子又は白色顔料粒子の平均一次粒子径は10〜50nmが好ましく、より好ましくは10〜45nmである。BET比表面積は1〜300m2/gが好ましい。通常、表面処理が行われていない体質顔料粒子又は白色顔料粒子の表面水酸基量は1.0〜2.0mmol/gである。
【0028】
本発明における充填材は、前記体質顔料粒子又は白色顔料粒子の粒子表面にシリル基を有する有機化合物が付着していることによって、充填材の表面水酸基量を1.0mmol/g以下にすることができる。
【0029】
本発明におけるシリル基を有する有機化合物としては、体質顔料粒子又は白色顔料粒子の粒子表面の水酸基を有機官能基に置き換えることができるものなら何を用いてもよく、好ましくは、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、シランカップリング剤及びシリル化剤の一種又は二種以上を用いることができる。前記体質顔料粒子又は白色顔料粒子の表面水酸基に強固に吸着、反応させることを考慮すれば、より好ましくはアルコキシシラン、シランカップリング剤及びシリル化剤である。
【0030】
アルコキシシランとしては化1で示される化合物であり、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等が挙げられる。
【0031】
シランカップリング剤としては化2で表されるものがよく、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0032】
シリル化剤としては、ハロゲン化アルキルシラン化合物又はシラザン化合物が好ましい。ハロゲン化アルキルシラン化合物としては化3で表される化合物が好ましく、具体的には、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等が挙げられる。シラザン化合物としては化4で表される化合物が好ましく、具体的には、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン等が挙げられる。
【0033】
【化1】
R1 nSi(OR2)4−n
R1:CmH2m+1、C6H5
R2:CH3、C2H5、i−C3H6
n:1〜3の整数
m:1〜18の整数
【0034】
【化2】
AnSi(OR2)4−n
A:CH2=CH、CH2=C(CH2)COO(CH2)3
R2:CH3、C2H5、i−C3H6
n:1〜3の整数
【0035】
【化3】
R1 nSiX4−n
R1:CmH2m+1、C6H5
X:Cl、Br、I
n:1〜3の整数
m:1〜18の整数
【0036】
【化4】
R3 3SiNHSiR4 3
R3、R4:CmH2m+1、C6H5
m:1〜18の整数
【0037】
本発明における充填材のシリル基を有する有機化合物の付着量は、C換算で0.8〜10重量%が好ましい。0.8重量%未満の場合には、これを使用して作製したインクジェット用インクの吐出安定性が悪くなるため好ましくない。10重量%までの付着によって表面水酸基量が1.0mmol/g以下となるため必要以上に添加する意味がない。より好ましくは0.8〜5.0重量%である。
【0038】
本発明における充填材の表面水酸基量は1.0mmol/g以下である。表面水酸基量が1.0mmol/gを超える場合は、これを使用して作製したインクジェット用インクの吐出安定性が悪くなるため好ましくない。好ましくは0.95mmol/g以下、より好ましくは0.90mmol/g以下であり、下限値は0.0mmol/gである。
【0039】
本発明における充填材のBET比表面積は1〜250m2/gが好ましい。
【0040】
本発明における充填材の平均一次粒子径は、前記体質顔料又は白色無機顔料とほぼ同程度であり、10〜50nmである。平均一次粒子径が10nm未満の場合には着色顔料粒子の粉砕及び分散効率が低下してしまい、結果として着色顔料粒子の粗大粒子が残存し、インクジェット用インク及びインクジェット用インクのプレ分散体としたときの分散粒子径が大きくなり好ましくない。平均一次粒子径が50nmを超える場合には、得られるインクジェット用インク中に体質顔料粒子又は白色顔料粒子の粗大粒子が残存して分散粒子径が大きくなる。好ましくは12〜45nmである。
【0041】
本発明における充填材は、前記表面水酸基量を満たすものであれば、あらかじめ表面水酸基を有機官能基で置換した市販品を用いることもできる。あらかじめ表面水酸基を有機官能基で置換した市販品としては、日本アエロジル株式会社のAerosil−RX200、Aerosil−R812、Aerosil−R812S、Aerosil−R972、Aerosil−R972V、Aerosil−R974、デグサ社のAerosil−R8200、日本シリカ工業株式会社のNipsil−SS30V等を用いることができる。
【0042】
本発明における着色顔料粒子としては、一般に塗料及び樹脂組成物の着色材として用いられている赤色系有機顔料、青色系有機顔料、黄色系有機顔料及び黒色系有機顔料等の各種有機顔料、黒色系無機顔料を使用することができる。さらに調色のために緑色系有機顔料、橙色系有機顔料、紫色系有機顔料、褐色系有機顔料を併用して使用してもよい。
【0043】
なお、要求される色相に応じて前記着色顔料粒子を混合して用いてもよい。また、求められる色相及び特性等に応じて同系色の色であっても二種以上を用いてもよい。
【0044】
赤色系有機顔料としては、キナクリドンレッド等のキナクリドン顔料、パーマネントカーミン、パーマネントレッド等のアゾ系顔料、縮合アゾレッド等の縮合アゾ顔料、DPPレッド等のジケトピロロピロール系顔料、ジアミノアントラキノリルレッド等のアントラキノン系顔料及びペリレンレッド等のペリレン顔料等であり、具体的にはPigment−Red1、2、3、4、8、9、12、14、19、21、38、41、48、48:2、48:3、48:4、49、52、53、53:1、57、57:1、97、112、114、122、123、144、146、147、149、150、166、168、170、175、176、177、178、179、180、181、184、185、187、188、190、192、194、202、206、207、208、209、210、214、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、242、247、253、254、255、256、257、262、263、264、266、270、272等を用いることができる。
【0045】
青色系有機顔料としては、無金属フタロシアニン、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー等のフタロシアニン系顔料、インジゴブルー等のインジゴ系顔料及びアルカリブルー等であり、具体的にはPigment−Blue15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、17:1、18、19、22、56、56:1、57、60、61、61:1、63、64、66、88等を用いることができる。
【0046】
黄色系有機顔料としては、ハンザエロー等のモノアゾ系顔料、ベンジジンエロー、パーマネントエロー等のジスアゾ系顔料、縮合アゾイエロー等の縮合アゾ顔料、イソインドリノンイエロー等のイソインドリノン系顔料及びフラバントロンイエロー等のアントラキノン系顔料等であり、具体的にはPigment−Yellow1、3、10、12、13,14、17、20、24、55、65、73、74、75、81、83、86、88、93、94、95、97、98、99、108、109、110、111、117、120、123、125、126、127、129、130、133、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、156、166、167、168、169、173、174、175、176、180、181、185、191.192、194、196、198等を用いることができる。
【0047】
緑色系有機顔料としては、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料及びニトロソグリーン等のアゾ金属錯体系顔料等であり、具体的にはPigment−Green7、8、10、36、37等を用いることができる。
【0048】
橙色系有機顔料としては、ペリノンオレンジ等のペリノン系顔料、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料、ジクロロピラントロンオレンジ等のアントラキノン系顔料、DPPオレンジ等のジケトピロロピロール系顔料、ベンゾイミダゾロンオレンジ、ナフトールレッド等のアゾ系顔料及びキナクリドン等であり、具体的にはPigment−Orange5、13、16、34、36、38、43、48、51、55、59、61、62、66、68、69、70、71,72、73、74等を用いることができる。
【0049】
紫色系有機顔料としては、ジオキサジンバイオレット等のジオキサジン系顔料、ペリレンバイオレット等のペリレン系顔料及び無置換キナクリドン等であり、具体的にはPigment−Violet19、23、29、30、32、37、40、50等を用いることができる。
【0050】
褐色系有機顔料としては、ベンゾイミダゾロンブラウン等のアゾ系顔料及びチオインジゴブラウン等のインジゴ系顔料等であり、具体的にはPigment−Brawn23、25、26、27等を用いることができる。
【0051】
黒色系有機顔料としては、アニリンブラック等アニリン系顔料及びペリレンブラック等のペリレン系顔料等であり、具体的にはPigment−Black1、31、32等を用いることができる。
【0052】
黒色系無機顔料としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック等カーボンブラック類、フラーレン等などを用いることができる。
【0053】
複合着色粒子における充填材の平均一次粒子径は、複合化前の粒子径をほぼ維持しており、10〜50nmである。
【0054】
本発明に係る複合着色粒子の平均一次粒子径は10〜100nmである。平均一次粒子径が10nm未満の場合には着色顔料粒子の著しい凝集が起こり、結果として着色顔料粒子の粗大粒子が形成され、インクジェット用インク及びインクジェット用インクのプレ分散体としたときの分散粒子径が大きくなる。平均一次粒子径が100nmを超える場合には、鮮明な色相を呈する印刷画像が得られず、耐光性、耐水性及び耐摩擦性が低下する。より好ましくは10〜80nmである。
【0055】
本発明に係る複合着色粒子の表面水酸基量は、1.0mmol/g以下である。表面水酸基量が1.0mmol/gを超える場合は、これを使用して作製したインクジェット用インクの吐出安定性が悪くなるため好ましくない。好ましくは0.95mmol/g以下、より好ましくは0.90mmol/g以下であり、下限値は0.0mmol/gである。
【0056】
本発明に係る複合着色粒子における着色顔料粒子の含有量は、充填材100重量部に対して50〜1000重量部が好ましい。着色顔料粒子の含有量が50重量部未満の場合には、着色顔料粒子の量が少なすぎるため着色力が不足し、インクジェット用インクとして使用した場合に鮮明な色相を呈する印刷画像を得ることが困難となる。1000重量部を越える場合には、充填材に対して着色顔料粒子が多量となり、着色顔料粒子の粉砕及び分散効率が低下し、結果として着色顔料粒子の粗大粒子が残存してインクジェット用インク及びインクジェット用インクのプレ分散体としたときの分散粒子径が大きくなる。より好ましくは75〜800重量部であり、更により好ましくは80〜600重量部である。
【0057】
本発明に係る複合着色粒子のBET比表面積は5〜300m2/gが好ましく、より好ましくは30〜250m2/gである。
【0058】
次に、本発明に係る複合着色粒子の製造法について述べる。
【0059】
本発明に係る複合着色粒子は、平均一次粒子径が10〜100nmであって表面水酸基量が1.0mmol/gである体質顔料粒子又は白色顔料粒子からなる充填材と着色顔料粒子とを粉砕混合して得ることができる。
【0060】
本発明における充填材は、体質顔料粒子又は白色顔料粒子とシリル基を有する有機化合物とを混合、乾燥、熱処理によって反応させる方法、あらかじめシリル基を有する有機化合物によって表面処理された体質顔料粒子又は白色顔料粒子を用いる方法のいずれかによって、表面水酸基量が1.0mmol/g以下とすることができる。
【0061】
体質顔料粒子又は白色顔料粒子とシリル基を有する有機化合物との混合は、前記体質顔料粒子又は白色顔料粒子とシリル基を有する有機化合物又はシリル基を有する有機化合物の有機溶剤溶液とを混合撹拌する。もしくは、前記体質顔料粒子又は白色顔料粒子にシリル基を有する有機化合物又はシリル基を有する有機化合物の有機溶剤溶液を噴霧しながら混合撹拌すればよい。
【0062】
体質顔料粒子又は白色顔料粒子とシリル基を有する有機化合物とを混合する際に用いられる有機溶剤は、シリル基を有する有機化合物を溶解し、反応を阻害しないものであれば何を用いてもよく、好ましくはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の複素環式エーテル、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物などが挙げられる。
【0063】
体質顔料粒子又は白色顔料粒子に対するシリル基を有する有機化合物の添加量は、体質顔料粒子又は白色顔料粒子100重量部に対して8〜50重量部、好ましくは10〜30重量部である。
【0064】
体質顔料粒子又は白色顔料粒子とシリル基を有する有機化合物との混合をするための機器としては、前記体質顔料粒子又は白色顔料粒子に均一にシリル基を有する有機化合物が混合できる装置であれば乾式でも湿式でもよく、せん断、ヘラ撫で及び圧縮が同時に行える装置、例えばホイール型混練機、ブレード型混練機、ボール型混練機、ロール型混練機等を用いることが好ましい。
【0065】
ホイール型混練機としてはエッジランナー、マルチミル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル及びリングマラー等を用いることができる。ブレード型混練機としては万能攪拌機、ヘンシェルミキサー、ハイスピードミキサー、プラネタリーミキサー及びナウターミキサー等を用いることができる。ボール型混練機としては乾式アトライタ及び振動ミル等を用いることができる。ロール型混練機としては、プラストミル等を用いることができる。より好ましくはホイール型混練機又はブレード型混練機であり、更により好ましくはエッジランナー又は万能攪拌機である。
【0066】
体質顔料粒子又は白色顔料粒子とシリル基を有する有機化合物との混合をするための処理条件は、前記体質顔料粒子又は白色顔料粒子の粒子表面に均一にシリル基を有する有機化合物が付着できるように適宜調整すればよい。
【0067】
体質顔料粒子又は白色顔料粒子に対しシリル基を有する有機化合物を完全に反応させるために、乾燥、熱処理を行う。乾燥、熱処理の際の加熱温度はシリル基を有する有機化合物の種類によって異なるが、通常、60〜150℃が好ましく、より好ましくは80〜120℃である。加熱時間は1〜24時間が好ましく、より好ましくは3〜16時間である。
【0068】
充填材と着色顔料粒子との粉砕混合をするための機器としては、充填材と着色顔料粒子とが均一に混合できる装置であればよく、体質顔料粒子又は白色顔料粒子とシリル基を有する有機化合物との混合をするための機器と同じでよい。より好ましくはエッジランナーである。
【0069】
次に、インクジェット用インクのプレ分散体について述べる。
【0070】
本発明に係るインクジェット用インクのプレ分散体は、本発明に係る複合着色粒子を分散させてなる充填材と微細な着色顔料粒子とを含有するものである。
【0071】
本発明に係るインクジェット用インクのプレ分散体中には、充填材と微細な着色顔料粒子との総量でインクジェット用インクのプレ分散体100重量部中に10〜50重量部含有することが好ましく、より好ましくは15〜40重量部である。
【0072】
本発明に係るインクジェット用インクのプレ分散体は、本発明に係る複合着色粒子を分散させてなる充填材と微細な着色顔料、分散剤及び水からなり、必要に応じて、水溶性樹脂、樹脂エマルジョン等添加剤を含有してもよい。
【0073】
インクジェット用インクのプレ分散体における分散剤の割合は、充填材及び微細な着色顔料粒子100重量部に対して10〜100重量部が好ましく、より好ましくは15〜50重量部である。
【0074】
分散剤としては、充填材及び/又は微細な着色顔料粒子の粒子表面に吸着して分散を安定化するための界面活性剤及び/又は高分子分散剤を用いることができ、界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が好ましく、高分子分散剤としてはスチレン−アクリル酸共重合体、ポリカルボン酸塩等が好ましい。
【0075】
本発明に係るインクジェット用インクのプレ分散体は、溶媒として水と、必要に応じて水溶性有機溶剤を用いることができる。インクジェット用インクのプレ分散体中の水100重量部に対する水溶性有機溶剤の割合は、1〜50重量部が好ましく、より好ましくは1〜40重量部である。
【0076】
水溶性有機溶剤としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール、グリセリン等の3価アルコール、ブチルセロソルブ等の多価アルコールのアルキルエーテルが用いられ、単独で用いても、混合して用いてもよい。
【0077】
本発明に係るインクジェット用インクのプレ分散体において、固形分(充填材及び微細な着色顔料粒子)の分散粒子径は10〜300nmが好ましく、分散粒子径が300nmを越える場合には、鮮明な色相を呈する印刷画像が得られず、耐摩擦性が低下する。より好ましくは10〜290nm、更により好ましくは10〜250nmである。
【0078】
本発明に係るインクジェット用インクのプレ分散体中における充填材の表面水酸基量は1.0mmol/g以下である。表面水酸基量が1.0mmol/gを超える場合には、これを用いて作製したインクジェット用インクの分散粒子径が大きくなり好ましくない。好ましくは0.95mmol/g以下、より好ましくは0.90mmol/g以下であり、下限値は0.0mmol/gである。
【0079】
本発明に係るインクジェット用インクのプレ分散体の粘度は、E型粘度計での摺り速度383s−1で10.0mPa・s以下が好ましい。粘度が10.0mPa・sを越える場合には、これを用いて作製したインクジェット用インクの分散粒子径が大きくなり好ましくない。より好ましくは8.0mPa・s以下である。下限値は2.0mPa・s程度である。
【0080】
本発明に係るインクジェット用インクのプレ分散体の分散安定性は、1週間後の分散粒子径の変化率において7%以下が好ましく、より好ましくは6%以下、最も好ましくは5%以下である。また1週間後の粘度の変化率において10%以下が好ましく、より好ましくは8%以下、最も好ましくは6%以下である。
【0081】
次に、本発明に係るインクジェット用インクのプレ分散体の製造法について述べる。
【0082】
本発明に係るインクジェット用インクのプレ分散体は、本発明に係るインクジェット用インクの複合着色粒子と、分散剤、水、必要により、水溶性樹脂、樹脂エマルジョン等の添加剤とを分散機により混合分散、ろ過することによって得られる。
【0083】
前記分散機としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、ロールミル、ビーズミル、コロイドミル、超音波ホモジナイザ、高圧ホモジナイザ及び振動撹拌機を使用することができる。
【0084】
本発明においては、前記分散工程を経ることによって、複合着色粒子が充填材と微細な着色顔料粒子となってインクジェット用インクのプレ分散体中で分散するものである。
【0085】
次に、本発明に係るインクジェット用インクについて述べる。
【0086】
本発明に係るインクジェット用インクは、充填材と微細な着色顔料粒子との総量でインクジェット用インク100重量部中に1〜40重量部、好ましくは2.5〜20重量部含有する。
【0087】
本発明に係るインクジェット用インクは、充填材、微細な着色顔料粒子、分散剤及び水からなり、必要に応じて、水溶性樹脂、樹脂エマルジョン、浸透剤、保湿剤、水溶性溶剤、pH調整剤、防腐剤等添加剤を含有してもよい。
【0088】
本発明に係るインクジェット用インクにおける分散剤の割合は充填材と微細な着色顔料粒子100重量部に対して5〜200重量部が好ましく、より好ましくは7.5〜100重量部、更により好ましくは10〜60重量部である。
【0089】
本発明に係るインクジェット用インクにおける分散剤は、前記インクジェット用インクのプレ分散体と同一の分散剤を使用することができる。
【0090】
本発明に係るインクジェット用インクは、溶媒として水と、必要に応じて水溶性有機溶剤を用いることができる。インクジェット用インク中の水100重量部に対する水溶性有機溶剤の割合は、1〜25重量部が好ましく、より好ましくは1〜20重量部、最も好ましくは1〜15重量部であり、使用できる水溶性有機溶剤はとしては前記インクジェット用インクのプレ分散体と同一の水溶性有機溶剤を使用することができる。
【0091】
本発明に係るインクジェット用インクは、固形分(充填材と微細な着色顔料粒子)の分散粒子径10〜300nmが好ましく、分散粒子径が300nmを越える場合には、着色顔料粒子の粗大粒子が存在しており、鮮明な色相を呈する印刷画像が得られず、耐光性、耐水性及び耐摩擦性が低下する。より好ましくは10〜290nm、最も好ましくは10〜250nmである。
【0092】
本発明に係るインクジェット用インクの粘度は、E型粘度計でのずり速度383s−1で5.0mPa・s以下が好ましく、粘度が5.0mPa・sを越える場合には、鮮明な色相を呈する印刷画像が得られない。より好ましくは4.5mPa・s以下であり、下限値は1.5mPa・s程度である。
【0093】
本発明に係るインクジェット用インクの分散安定性は、1週間後の分散粒子径の変化率において7%以下が好ましく、より好ましくは6%以下、更により好ましくは5%以下である。また、1週間後粘度の変化率において10%以下が好ましく、より好ましくは8%以下、更により好ましくは6%以下である。
【0094】
次に、本発明に係るインクジェット用インクの製造法について述べる。
【0095】
本発明に係るインクジェット用インクは、所定量の本発明に係るインクジェット用インクのプレ分散体又は本発明に係る複合着色粒子と、分散剤、水、必要により、水溶性樹脂、樹脂エマルジョン、浸透剤、保湿剤、水溶性溶剤、pH調整剤、防腐剤等の添加剤とを混合して作製し、次いでメンブランフィルターを用いてろ過することによって得られる。
【0096】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は次のとおりである。
【0097】
粒子(体質顔料粒子又は白色顔料粒子、着色顔料粒子、充填材及び複合着色粒子)の平均一次粒子径は、測定粒子を水、分散剤とともにペイントシェーカーで10分間分散させた分散液の電子顕微鏡写真(×50,000)に示される粒子300個の粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
【0098】
粒子の比表面積値は、BET法により測定した。
【0099】
粒子の炭素含有量は、金属炭素・硫黄分析装置(株式会社堀場製作所製、商品名EMIA−2200型)により測定した。
【0100】
粒子の表面水酸基量は、K.Yoshinaga,et al. J.Colloid Interface Science,153,207(1992)に基づき、粒子表面の水酸基にジメチルクロロシランを用いてジメチルシリル基置換してFT−IR法で測定し、別に求めた検量線より求めた。
【0101】
インクジェット用インクのプレ分散体及びインクジェット用インクの分散粒子径は、動的光散乱法粒径アナライザー(大塚電子株式会社製、商品名FPAR−1000)を用いて測定した。
【0102】
インクジェット用インクのプレ分散体及びインクジェット用インクの粘度値は、E型粘度計(東京精密株式会社製)を用いてずり速度383s−1で測定した。
【0103】
インクジェット用インクのプレ分散体及びインクジェット用インク中の充填材の表面水酸基量は、インクジェット用インクのプレ分散体及びインクジェット用インクを100℃で16時間乾燥させた後、水で十分洗浄して、さらに100℃で16時間乾燥させた後、前記と同様にして、FT−IR法で測定した。
【0104】
インクジェット用インクのプレ分散体及びインクジェット用インクの分散安定性は、前記分散粒子径及び粘度の1週間後の値を測定し、経時前後の値から数1、数2に基づいて計算して、それぞれ分散粒子径の1週間の変化率及び粘度の1週間の変化率(%)として示した。
【0105】
【数1】
Δd=(d2−d1)/d1×100
Δd:分散粒子径の1週間の変化率(%)
d1:経時前の分散粒子径(nm)
d2:経時(1週間)後の分散粒子径(nm)
【0106】
【数2】
Δη=(η2−η1)/η1×100
Δη:粘度の1週間の変化率(%)
η1:経時前の粘度(mPa・s)
η2:経時(1週間)後の粘度(mPa・s)
【0107】
インクジェット用インクの吐出安定性の評価及び印刷画像の作製は、バブルジェット方式インクジェットプリンター(キヤノン株式会社製、商品名BJ−F 6600)を用い、A4版普通紙(コクヨ株式会社製、商品名KB)に印刷することで行った。
【0108】
吐出安定性の評価は、前記インクジェットプリンターで前記普通紙を100枚印刷させ、下記の3段階で評価を行った。
著しい目詰まり:1枚も印刷できない。
目詰まりあり:印刷途中で印刷できなくなる。
目詰まりなし:100枚全て鮮明に印刷できる。
【0109】
印刷画像の色相の評価は、前記インクジェットプリンターで前記普通紙を印刷させた印刷画像の色相(L*値、a*値、b*値)を色差計(ビックケミージャパン株式会社製)で測定した値を用いた。
【0110】
印刷画像の耐光性の評価は、前記インクジェットプリンターで前記普通紙を印刷させた印刷画像の半分を金属製箔で覆い、紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製、商品名アイ スーパーUVテスターSUV−W13)を用いて紫外線を100mW/cm2の照射強度で6時間照射し、紫外線が照射された部分と照射されていない部分との色相(L*値、a*値、b*値)を色差計(ビックケミージャパン株式会社製)で測定し、数3によりΔE値を求めることによって示した。
【0111】
【数3】
ΔE={(L1−L2)2+(a1−a2)2+(b1−b2)2}1/2
L1:紫外線照射前の印刷画像のL*値
L2:紫外線照射後の印刷画像のL*値
a1:紫外線照射前の印刷画像のa*値
a2:紫外線照射後の印刷画像のa*値
b1:紫外線照射前の印刷画像のb*値
b2:紫外線照射後の印刷画像のb*値
【0112】
印刷画像の耐水性の評価は、前記インクジェットプリンターで印刷した印刷画像を水に1時間浸漬させ、にじみの有無によって示した。
【0113】
印刷画像の耐磨耗性の評価は、前記インクジェットプリンターで印刷した印刷画像にセロハンテープを貼り付けて剥がしたときの印刷画像の剥離の有無によって示した。
【0114】
<インクジェット用インクの複合着色粒子の製造>
沈殿法で得られた二酸化珪素微粒子(微粒子1、一次平均粒子径20nm、表面水酸基量1.63mmol/g、BET法比表面積値200.4m2/g、炭素含有量0.0重量%、日本シリカ工業株式会社製、商品名Nipsil−AQ)100重量部に、メチルトリエトキシシラン(GE東芝シリコーン株式会社製、商品名TSL−8123)12重量部をエッジランナーを稼動させながら添加し、混合撹拌を行った。次に、混合撹拌後の二酸化珪素微粒子を加熱温度100℃、加熱時間16時間の条件で乾燥、熱処理を行い、二酸化珪素微粒子の表面水酸基をメチルシリル基で置換させた。得られたメチルシリル基置換表面二酸化珪素微粒子(「充填材1」とする)は、一次平均粒子径22nm、BET法比表面積値147.3m2/g、表面水酸基量0.73mmol/g、炭素含有量0.99重量%であった。
【0115】
得られたメチルシリル基置換表面二酸化珪素微粒子(充填材1)100重量部に、エッジランナーを稼動させながら、青色系有機顔料粒子(フタロシアニン系顔料Pigment Blue15:3、BET法比表面積値43.5m2/g、平均粒子径103nm、大日本インキ化学工業株式会社製、商品名KET−BLUE111)100重量部を添加して粉砕混合を行い、複合着色粒子を作製した。
【0116】
得られた複合着色粒子は一次平均粒子径55nm、BET法比表面積値65.3m2/g、表面水酸基量0.45mmol/gであった。
【0117】
<インクジェット用インクのプレ分散体の製造>
ここに得たインクジェット用インクの複合着色粒子100重量部に、イオン交換水356.8重量部、ノニオン系分散剤33.3重量部及び消泡剤4重量部を加えて、撹拌機で2時間撹拌させた後、0.3mmφジルコニアビーズをメディアとしたビーズミルを用いて6時間分散させ、インクジェット用インクのプレ分散体を得た。
【0118】
得られたインクジェット用インクのプレ分散体は、分散粒子径58nm、E型粘度計のずり速度3.83s−1での粘度6.9mPa・s、1週間後の分散粒子径変化率1%、粘度変化率2%であった。
【0119】
<インクジェット用インクの製造>
ここに得たインクジェット用インクのプレ分散体100重量部に、イオン交換水102重量部、湿潤剤53重量部及び浸透剤11重量部を加えて、混合しインクジェット用インクを作製した。
【0120】
得られたインクジェット用インクは、分散粒子径60nm、E型粘度計のずり速度3.83s−1での粘度3.5mPa・s、1週間後の分散粒子径変化率1%、粘度変化率1%であった。
【0121】
ここに得たインクジェット用インクを用いて、バブルジェットプリンターBJ−F6600(キヤノン株式会社製)にて印刷を行った結果、コゲーション現象、ノズル詰まりの様なインクの目詰まりは全くみられず吐出安定性に優れており、L*値53.6、a*値−17.8、b*値−38.9の鮮明な色相を呈した印刷画像が得られ、後述する比較例14の着色顔料粒子のみでインクジェット用インクとして作製した印刷画像のL*値41.4、a*値8.4、b*値−21.1と比較して、透明性を示す明るさ(L*値)、青み(b*値のマイナス値)が向上していた。さらに、印刷画像の耐光性試験でΔE値が1.5、印刷画像の耐水性を示す浸水性テスト、印刷画像の耐摩擦性を示す剥離性テストにおいても変化がみられなかった。
【0122】
【作用】
本発明に係るインクジェット用インクの複合着色粒子は、表面水酸基量が低減された体質顔料粒子又は白色顔料粒子からなる充填材と着色顔料粒子とをあらかじめ粉砕混合させて複合化しているので、プレ分散体作製時に、充填材が粉砕メデイアとして機能し、着色顔料粒子を微細な状態にするとともに、充填材の存在により微細な着色顔料粒子同士の凝集を阻害するため、微細な着色顔料粒子が微細な粒子径を安定して維持できるものと本発明者は推定している。
【0123】
本発明に係るインクジェット用インクは、含有する着色顔料粒子が微細で粒子径を安定に維持できるので、印刷した場合に鮮明な色相の印刷画像が得られるとともに、着色顔料粒子単独の場合に対し印刷画像の色相が向上しており着色力に優れるものである。しかも、充填材を含有することによって印刷画像の定着性を向上させる効果をもたらすため、耐光性、耐水性及び耐摩擦性に優れた印刷画像が得られるものと本発明者は考えている。
【0124】
また、本発明に係るインクジェット用インクは、吐出安定性に優れており、熱変換方式でのインクジェットプリンターでコゲーション現象を発生しないものである。この理由は未だ明らかではないが、本発明においては、表面水酸基を1.0mmol/g以下の体質顔料粒子又は白色顔料粒子を用いたことによって、インクジェット用インクの分散粒子径を小さくでき、しかも、微細な粒子径を安定して維持できる、即ち、微細な着色顔料粒子を安定して得ることができたことによるものと本発明者は推定している。
【0125】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を示す。
【0126】
実施例1〜17、比較例1〜5
〔実施例1〕
青色系有機顔料粒子に代えて赤色系有機顔料粒子(キナクリドンレッド系顔料Pigment Red122、BET法比表面積値71.5m2/g、平均粒子径145nm、クラリアントジャパン株式会社製、商品名E−WD)を用いた以外は前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0127】
〔実施例2〕
青色系有機顔料粒子に代えて黄色系有機顔料粒子(モノアゾイエロー系顔料Pigment Yellow74、BET法比表面積値34.7m2/g、平均粒子径210nm、クラリアントジャパン株式会社製、商品名5GX−B)を用いた以外は前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0128】
〔実施例3〕
青色系有機顔料粒子に代えて黒色系顔料粒子(カーボンブラック系顔料、BET法比表面積値100.8m2/g、平均粒子径75nm、三菱化学株式会社製、商品名MA−100B)を用いた以外は前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0129】
〔実施例4〕
発明の実施の形態で用いたメチルトリエトキシシラン12重量部の代わりに、ヘキサメチルジシラザン(GE東芝シリコーン株式会社製、商品名TSL−8802)20重量部を用いた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0130】
〔実施例5〜7〕
実施例4の青色系有機顔料粒子の代わりに赤色系有機顔料粒子、黄色系有機顔料粒子及び黒色系顔料を用いた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0131】
〔実施例8〕
発明の実施の形態で用いたメチルトリエトキシシラン12重量部の代わりに、トリメチルメトキシシラン(GE東芝シリコーン株式会社製、商品名TSL−8111)24重量部を用いた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0132】
〔実施例9〕
発明の実施の形態で用いたメチルトリエトキシシラン12重量部の代わりに、トリメチルクロルシラン(GE東芝シリコーン株式会社製、商品名TSL−8031)22重量部を用いた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0133】
〔実施例10〕
発明の実施の形態で用いた二酸化珪素微粒子(微粒子1)の代わりに、あらかじめ表面水酸基が有機官能基で置換された二酸化珪素微粒子(微粒子2、一次平均粒子径22nm、表面水酸基量0.0mmol/g、炭素含有量3.02重量%、BET法比表面積値144.4m2/g、日本アエロジル株式会社製、商品名Aerosil−RX200)を用いるとともに着色顔料の添加量を120重量部とした以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0134】
〔実施例11〕
発明の実施の形態で用いたエッジランナーの代わりに、万能撹拌機を用いて二酸化珪素微粒子(微粒子1)100重量部にメチルトリエトキシシラン12重量部、トルエン100重量部を加えて湿式混合を行った。混合後の二酸化珪素微粒子スラリーを常温で風乾後、加熱温度100℃、加熱時間16時間の条件で乾燥、熱処理を行い、二酸化珪素微粒子の表面水酸基をメチルシリル基で置換させた。得られたメチルシリル基置換表面二酸化珪素微粒子を用いた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0135】
〔実施例12〕
一次平均粒子径35nmの二酸化珪素微粒子(微粒子3、表面水酸基量1.20mmol/g、炭素含有量0.0重量%、BET法比表面積値151.8m2/g、日本シリカ工業株式会社製、商品名Nipsil−E150J)に対してメチルトリエトキシシラン10重量部を用いた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0136】
〔実施例13〕
一次平均粒子径12nmの二酸化珪素微粒子(微粒子4、表面水酸基量1.93mmol/g、炭素含有量0.0重量%、BET法比表面積値225.6m2/g、日本シリカ工業株式会社製、商品名Nipsil−K500)に対してメチルトリエトキシシラン15重量部を用いるとともに着色顔料の添加量を200重量部とした以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0137】
〔実施例14〕
発明の実施の形態で用いた二酸化珪素微粒子の代わりに、酸化アルミニウム微粒子(微粒子5、一次平均粒子径13nm、表面水酸基量1.27mmol/g、炭素含有量0.0重量%、BET法比表面積値99.9m2/g、日本アエロジル株式会社製、商品名Aluminium Oxide−C)を用いるとともに着色顔料の添加量を350重量部とした以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0138】
〔実施例15〕
発明の実施の形態で用いた二酸化珪素微粒子の代わりに、酸化チタン微粒子(微粒子6、一次平均粒子径21nm、表面水酸基量1.03mmol/g、炭素含有量0.0重量%、BET法比表面積値54.0m2/g、日本アエロジル株式会社製、商品名Titanium Dioxide−P25)を用いた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0139】
〔実施例16〕
発明の実施の形態の青色系有機顔料粒子の添加量を120重量部に変えた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0140】
〔実施例17〕
発明の実施の形態の青色系有機顔料粒子の添加量を500重量部に変えた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を作製した。
【0141】
〔比較例1〕
発明の実施の形態で用いた二酸化珪素微粒子(微粒子1)に、シリル基を有する有機化合物の付着を行わないこと以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を得た。
【0142】
〔比較例2〕
発明の実施の形態におけるメチルトリエトキシシランの添加量を6重量部としてメチルシリル基置換二酸化珪素微粒子を作製した以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を得た。
【0143】
〔比較例3〕
実施の形態の二酸化珪素微粒子の代わりに一次平均粒子径70nmの二酸化珪素粒子(微粒子7)を用いた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を得た。
【0144】
〔比較例4〕
実施の形態の二酸化珪素微粒子の代わりに一次平均粒子径5nmの二酸化珪素超微粒子(微粒子8)を用いた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を得た。
【0145】
〔比較例5〕
実施の形態の青色系有機顔料粒子の添加量を1200重量部とした以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合着色粒子を得た。
【0146】
用いた体質顔料、白色無機顔料の諸特性を表1に、充填材の製造条件及び得られた充填材の諸特性を表2に、複合着色粒子の製造条件及び得られた複合着色粒子の諸特性を表3に示す。
【0147】
【表1】
【0148】
【表2】
【0149】
【表3】
【0150】
<インクジェット用インクのプレ分散体>
〔実施例18〜34〕
実施例1〜17で得られたインクジェット用インクの複合着色粒子を用いて、実施の形態と同じ方法でインクジェット用インクのプレ分散体を作製した。得られたインクジェット用インクのプレ分散体の諸特性を表3に示す。
【0151】
〔比較例6〕
充填材を用いることなく、発明の実施の形態で用いた青色系着色顔料粒子を単独で用いて、実施の形態と同様にしてインクジェット用インクのプレ分散体を作製した。
【0152】
〔比較例7〜9〕
充填材を用いることなく、実施例1〜3で用いた各着色顔料粒子を単独で用いて、実施の形態と同様の方法でインクジェット用インクのプレ分散体を作製した。
【0153】
〔比較例10〜12〕
比較例3〜5で得られた各複合着色粒子を用いた以外は、前記発明の実施の形態と同様にしてインクジェット用インクのプレ分散体を作製した。
【0154】
〔比較例13〕
実施の形態のメチルシリル基置換二酸化珪素微粒子(充填材1)と青色系着色顔料とをあらかじめ粉砕混合することなく添加して実施の形態と同様の方法で混合して、インクジェット用インクのプレ分散体を作製した。
【0155】
得られたインクジェット用インクのプレ分散体の諸特性を表4に示す。
【0156】
【表4】
【0157】
<インクジェット用インクの製造>
〔実施例35〜51〕
実施例18〜34で得られた各インクジェット用インクのプレ分散体を用いて、前記発明の実施の形態と同様にしてインクジェット用インクを作製した。得られたインクジェット用インクは前記発明の実施の形態で得られたインクジェット用インクと同様、鮮明な色相を呈する印刷画像が得られ、コゲーション現象、ノズル詰まりの様なインクの目詰まりは全くみられず、後述する比較例16〜19の着色顔料粒子のみで作製されたものと比較して色相が向上した。評価結果について表5に示す。
【0158】
〔比較例14、15〕
比較例1又は2で得られた各複合着色粒子を用いて、前記発明の実施の形態と同様にしてインクジェット用インクプレ分散体を作製し、さらにこれを用いてインクジェット用インクを作製した。得られたインクジェット用インクは著しいコゲーション現象がみられ、印刷画像を得るに至らなかった。
【0159】
得られたインクジェット用インクの諸特性を表6に示す。
【0160】
〔比較例16〜19〕
比較例6〜9で得られた各インクジェット用インクのプレ分散体を用いて、前記発明の実施の形態と同様にしてインクジェット用インクを作製して記録紙に印刷を行った。得られたインクジェット用インクはノズル詰まりがみられ、また得られた印刷画像は鮮明な色相が得られず、耐水性、耐摩擦性が良くなかった。
【0161】
得られたインクジェット用インクの諸特性を表6に示す。
【0162】
〔比較例20〜22〕
比較例10、12、13で得られた各インクジェット用インクのプレ分散体を用いて、前記発明の実施の形態と同様にしてインクジェット用インクを作製して記録紙に印刷を行った。得られたインクジェット用インクはノズル詰まりがみられ、また得られた印刷画像は鮮明な色相が得られず、耐水性、耐摩擦性が良くなかった。
【0163】
得られたインクジェット用インクの諸特性を表6に示す。
【0164】
〔比較例23〕
比較例11で得られたインクジェット用インクのプレ分散体を用いて実施の形態と同様にしてインクジェット用インクを作製した。得られたインクジェット用インクは著しいコゲーション現象がみられ、印刷画像を得るに至らなかった。
【0165】
得られたインクジェット用インクの諸特性を表6に示す。
【0166】
【表5】
【0167】
【表6】
【0168】
【発明の効果】
本発明に係るインクジェット用インクの複合着色粒子は、インクジェット用インクのプレ分散体又はインクジェット用インクに用いた場合に、微細な着色顔料粒子が安定して存在でき、分散安定性が良好であるので、インクジェット用インクの着色材として好適である。
【0169】
本発明に係るインクジェット用インクのプレ分散体は、微細な着色顔料粒子が安定して存在でき、分散安定性が良好であるので、インクジェット用インクのプレ分散体として好適である。
【0170】
本発明に係るインクジェット用インクは鮮明な印刷画像が得られるとともに、分散安定性が良好であり、しかも、耐水性、耐光性及び耐摩擦性に優れた印刷画像が得られるため、インクジェット用インクとして好適である。
Claims (7)
- 平均一次粒子径10〜50nmの体質顔料粒子又は白色顔料粒子からなる充填材と着色顔料粒子とからなる平均一次粒子径が10〜100nmの複合着色粒子であって、前記充填材の表面水酸基量が1.0mmol/g以下であることを特徴とするインクジェット用インクの複合着色粒子。
- 平均一次粒子径10〜50nmの体質顔料粒子又は白色顔料粒子からなる充填材と着色顔料粒子とからなる平均一次粒子径が10〜100nmの複合着色粒子であって、前記充填材の粒子表面にシリル基を有する有機化合物がC換算で0.8〜10重量%付着していることを特徴とするインクジェット用インクの複合着色粒子。
- 請求項1又は請求項2記載の体質顔料粒子又は白色顔料粒子が、Si、Al、Ti、Zn及びアルカリ土類金属から選ばれる1種又は2種以上の元素の無機化合物であることを特徴とするインクジェット用インクの複合着色粒子。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット用インクの複合着色粒子において、着色顔料粒子を充填材100重量部に対して50〜1000重量部含有していることを特徴とするインクジェット用インクの複合着色粒子。
- 平均一次粒子径が10〜50nmであって表面水酸基量が1.0mmol/gである体質顔料粒子又は白色顔料粒子からなる充填材と着色顔料粒子とを粉砕混合して複合着色粒子を得ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット用インクの複合着色粒子の製造法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット用インクの複合着色粒子を分散させたインクジェット用インクのプレ分散体であって、前記プレ分散体の固形分の分散粒子径が10〜300nmであることを特徴とするインクジェット用インクのプレ分散体。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット用インクの複合着色粒子を分散させてなるインクジェット用インク又は請求項6記載のインクジェット用インクのプレ分散体を分散させてなるインクジェット用インクであって、前記インクジェット用インクの固形分の分散粒子径が10〜300nmであることを特徴とするインクジェット用インク。
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