JP2004155647A - 高温超伝導層の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基体1a上に高温超伝導層を製造する方法に関するものである。本方法では、低い成長速度でRBa2Cu3O7層2を堆積させ(Rは、イットリウム、希土類族に属する元素(原子番号57〜71)またはこれらの元素の二種以上の混合物)、このRBa2Cu3O7層2上に、XBa2Cu3O7層3を高い成長速度で堆積させる(Xは、イットリウム、希土類族に属する元素(原子番号57〜71)またはこれらの元素の二種以上の混合物)。好ましくは、前記の低い成長速度は1nm/sより低く、高い成長速度は、1nm/sより高い。RBa2Cu3O7層2は、好ましくは、少なくとも二軸配向された基体1a上、あるいは、少なくとも二軸配向されたバッファ層を有する基体上に堆積させる。
【効果】従来技術に対して、XBa2Cu3O7機能層3が顕著に速い堆積速度を持つことによって、HTS層を製造する際の生産性に著しい利益が得られる。
【選択図】 図1
【効果】従来技術に対して、XBa2Cu3O7機能層3が顕著に速い堆積速度を持つことによって、HTS層を製造する際の生産性に著しい利益が得られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は超電導体の製造方法に関するものである。
高温超電導体(HTS)の薄膜は、電力技術において複数の用途に使用される。遷移温度Tc以下で電気抵抗が消失することによって、電力を貯蔵し、変換し、伝送する種々の機器の効率を向上させることができる。
理想的な状況では、HTSの薄膜を、長さの大きい薄い金属テープ上に堆積させる(HTSテープ状導体)。このようなHTSテープ状導体によって、大電流を負荷する確立された用途において、銅導体を置き換えることができる。こうした大電流によって、銅中には大きいオーム抵抗損失がもたらされる。超電導体を使用することによって、これらの損失を避けることができる。
更に、現在既に銅が従来の超電導体によって置き換えられている場合には、用途を広げることができる。HTSによって、顕著に高い稼働温度を実現し、一層高い磁場に耐えることができる。このようにして冷却のための努力を減らすことができると、効率が向上する。更に、基体が導電性であってはならないような容器がある。こうした場合には、セラミックスのような他種類の基体を金属テープの代わりに使用できる。
技術的な応用の見地からは、超電導体が電流を担持する用量は特に重要である。これは臨界電流密度jcによって測定する。jcは、超電導体中に1μV/cmの電場を生成させるような、導体断面積当たりの電流値として定義される。電流密度jcは、通常は、77.4K(液体窒素の沸点)の温度で示される。
今日、典型的に使用される超伝導性材料であるYBa2Cu3O7(YBCO)は、92Kをわずかに超える遷移温度を有しており、数MA/cm2の臨界電流密度を有している。また、均一なRBa2Cu3O7化合物類も使用される。ここで、Rは、イットリウム、希土類元素(原子番号57〜71)族の元素、またはこれら元素のうち二種以上の混合物である。これら一連の希土類元素中での例外は、セリウム元素(Ce)およびプラセオジム(Pr)である。Ceは典型的には成分中では四価であるので、YBCOには相同なCe成分は存在しない。PrBa2Cu3O7は存在しているが、しかしこれは、極度に純粋なPr系材料であり、かつ特定の製造条件を適用した場合にのみ、超伝導性となる。Z.ゾウ(Zou)他の文献(非特許文献1)に説明されているように、この場合であってさえも、超伝導性は試料の一部分内しか観測されない。ほとんどの場合には、既にある少量の不純物によって、PrBa2Cu3O7は超伝導性となり、または超導電性ではなくなる。
Z.Zou 他 「Phys. Rev. Lett.」 80, 1074-1077頁(1998年)
Z.Zou 他 「Phys. Rev. Lett.」 80, 1074-1077頁(1998年)
超電導体であるRBa2Cu3O7成分の中でも、単一の結晶秩序層(エピタキシャル層)として存在する成分のみが、電流を運ぶ上で高い容量を示す。高度に秩序づけられたエピタキシャル層を製造するためには、配向された基体(単結晶、あるいは圧延による配向組織を有する金属箔)が必要であるか、あるいは、配向されていない基体(例えばセラミックス、ステンレス鋼箔)上に配向されたバッファ層を設けることが必要である。
このようなRBa2Cu3O7薄層を製造するためには幾つかの方法が知られており、例えば非特許文献2、3、特許文献1に説明されている。ここで、前記方法はインシチュおよびエクスシチュでの堆積方法に分けることができる。
H. Kinder 他 「Physica C 282−287」、107 頁(1997年) J. Geerk 他 「IEEE Trans. On Appl. Supercond. 」11 No. 1, 3856−3858頁(2001年) DE39 14 476
H. Kinder 他 「Physica C 282−287」、107 頁(1997年) J. Geerk 他 「IEEE Trans. On Appl. Supercond. 」11 No. 1, 3856−3858頁(2001年)
インシチュ法は、主として物理堆積法またはいわゆる化学的気相成長法(CVD)であり、ここで超電導体の成分は、真空中で、適切な条件下に、加熱された基体上へと堆積される。成分が基体上へと到達すると、成分は直接に反応し、所望の結晶格子構造を生成し、ここで、基体の結晶配向が受け継がれる(エピタキシー)。電流の運搬能力が高い(>1MA/cm2)最高品質の被膜を育成するためには、育成を1nm/s以下の比較的低い速度で実施する。もし堆積速度を数nm/sまで上昇させると、特に人工的に配向されたバッファ層を有する金属テープや多結晶セラミック基体のような不完全な基体上では、膜の臨界電流密度が低くなる。この結果、比較的に長い堆積時間を必要とする。
エクスシチュ法においては、最初にアモルファスの前駆体を化学的、物理的または機械的堆積方法によって堆積させる。この前駆体は、超電導体のすべての必須金属成分を含有している。しかし、これは結晶秩序を有しておらず、従って超伝導性ではない。この転移は、典型的には、600℃を超える温度を、相転移を助けて必要な酸素濃度に調節するような適切な気体混合物中で加えることによって生ずる。結晶化は、結晶性基体の境界に近い理想的な場所中で始まる。適切な処理条件下では、結晶化前線は、1nm/sを超える比較的に速い速度で、前駆体材料中をその表面へと向かって、前駆体材料が消費されるまで走る。しかし、ここでも転移速度が大きい場合には、電流を運ぶ臨界容量が大きく減少するのが観測される。また、この場合には、温度および酸素圧力のような処理パラメーターを選択することによって、転移速度を、高い電流密度を有する高品質層の育成を可能とするのに十分なほど遅くする。従って、この場合においても、層の製造工程全体には長時間が必要である。
これらの問題点を克服するために、また高品質のRBa2Cu3O7層を製造するために、文献には、HTS機能層の育成改善を助けるような複数層システムが記載されている。例えば、特許文献2には、BiSrCaCuO層の品質を、MgO基体上で、よく調節された格子構造なしに、YBCOの中間層を用いていかにして向上させ得るかが記載されている。
米国特許5,712,227号
更に問題のある基体材料α−Al2O3(サファイア)の場合には、超電導体中へのアルミニウムの拡散という問題を起こすのであるが、特許文献3には、HTS層を改善するためにLa2−xSrxCuO4中間層を設けることが示唆されている。誘電体基体についても、特にRBa2Cu3O7からなる薄い超伝導性バッファ層が記載されており、これによって、次に更にXBa2Cu3O7層(ここでRおよびXは希土類元素またはYまたはこれらの元素二種類以上の混合物である)の育成を改善を助ける。特許文献4、特許文献5の開示を参照。
米国特許5,162,294号
WO 00/16412
日本国特許JP01063212
しかし、いずれの場合においても、二層構造に対しては低い堆積速度(0,0667nm/s)を採用することが好ましく、あるいは本質的に堆積速度が低い方法(スパッタリング、分子線エピタキシー(MBE))を採用することが好ましい。従って、HTSの品質改善は、主として、HTS層と基体との化学的適合性の改善に依存している。特に、中間層の堆積は、すべての場合において、実際の機能層と同等の育成速度で実行されている。これによっても、対応して製造時間が長くなる。
また、誘電体基体上に、溶融したRBa2Cu3O7種層から単結晶を育成することは、特許文献6に既に記載されている。しかし、単結晶の成長は、対照的に、熱力学的平衡に近い層の堆積をもたらす。RBa2Cu3O7層の成長は、その溶融温度がXBa2Cu3O7結晶より高くなるように選択され、これによって種結晶が溶融物中へと浸漬した状態で維持され、種層が結晶化の開始点として機能する。
米国特許5,869,431号
説明してきたように、上記したすべての方法は、相当な長時間を必要とする。しかし、長い金属基体のコーティングは、高い容積成長速度をもってのみ、経済的に実行可能となるものである。従って、本発明は、前記問題点に基づくものであり、HTS導体の迅速な育成を可能とし、同時にこの層の品質の低下と電流密度の低下とを防止できるようにすることである。
本発明は、基体上に高温超伝導層を製造する方法であって、
この基体上に低い成長速度でRBa2Cu3O7層を堆積させる工程(ここで、Rは、イットリウム、希土類族に属する元素(原子番号57〜71)またはこれらの元素の二種以上の混合物);および
RBa2Cu3O7層上に、XBa2Cu3O7層を高い成長速度で堆積させる工程(Xは、イットリウム、希土類族に属する元素(原子番号57〜71)またはこれらの元素の二種以上の混合物)
を有する方法を提供する。
この基体上に低い成長速度でRBa2Cu3O7層を堆積させる工程(ここで、Rは、イットリウム、希土類族に属する元素(原子番号57〜71)またはこれらの元素の二種以上の混合物);および
RBa2Cu3O7層上に、XBa2Cu3O7層を高い成長速度で堆積させる工程(Xは、イットリウム、希土類族に属する元素(原子番号57〜71)またはこれらの元素の二種以上の混合物)
を有する方法を提供する。
本発明は、もし他の層を続いて堆積するべき基体が、堆積された膜に非常に近い化学的特性と結晶性とを有していれば、高品質の結晶すらも非常に迅速に形成できるという認識に基づいている。理想的な場合には、これらが同じ材料である。このような場合はホモエピタキシーと呼ばれる。反対に、ヘテロエピタキシーは、基体と堆積材料との化学的特性および結晶性が相異なる場合を指す。こうした化学ポテンシャルと表面エネルギー(表面張力)との差によって成長の態様が決定され、島状の成長や層状の成長が引き起こされる。化学ポテンシャルと表面エネルギーとが近いほど、成長界面の原子が、既に存在する結晶表面へと付着するのが容易かつ迅速となる。
ヘテロエピタキシー法の場合に過剰な成長速度を採用すると、堆積した原子が基体の境界に、秩序だった配列で並ぶのに十分な時間が得られない。この結晶構造に欠陥が生ずると、この欠陥は厚さ方向に更に成長しても消滅せず、この層の全体品質を損傷する。本発明によれば、これらの欠陥を避けるために、最初にRBa2Cu3O7層を低い育成速度で堆積させ、この層が好ましくは次のXBa2Cu3O7層に対して一種の種層として作用し、これが高い育成速度で堆積され、高温超電導体の実際の機能層となる。
この低い成長速度は、好ましくは1nm/秒より低く、高い方の成長速度は好ましくは1nm/秒より高く、好ましくは2nm/秒より高い。従って、RBa2Cu3O7層は、秩序をもって堆積するのに十分なほど遅く成長する。この下に設けられた第一のRBa2Cu3O7種層に対して化学的に近似していることから、次のXBa2Cu3O7層は、高い成長速度を持って堆積させることができ、これによってHTS層の製造時の全生産性を向上させることができる。
このRBa2Cu3O7層は、好ましくは最大厚さ500nmであり、特に好ましくは100nmであり、好ましくは厚さが少なくとも5nmである。XBa2Cu3O7層は、好ましくは1μm以上の厚さを有する。
好ましくは、RBa2Cu3O7層を、少なくとも二軸配向された基体上に堆積し、あるいは、少なくとも二軸配向されたバッファ層を有する基体上に堆積する。これによって、RBa2Cu3O7層に、必要な結晶学的構造がもたらされる。
次の実施形態においては、XBa2Cu3O7層を、高温超伝導層の金属成分を含有する前駆体として堆積させる。この前駆体層は、好ましくは、温度処理によって、超伝導性のXBa2Cu3O7層へと、次の方法工程において高い転移速度で転移される。また、他の実施形態においては、本発明のRBa2Cu3O7層を、最初に低い成長速度で堆積させ、次のRBa2Cu3O7層上に設けられた前駆体層が迅速に転移して十分な品質のXBa2Cu3O7層を確実にもたらすようにし、これによって.非常に高い臨界電流密度を得ることができる。この転移速度は、好ましくは、2nm/sより高い。特に好ましくは、Rが、大きなイオン半径を有する希土類元素(La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd)、またはこれらの元素を少なくとも50%以上含有するような他の元素との混合物である。なぜなら、これらの材料から得られた層は、基体欠陥の上で良好に成長する傾向があり、このような基体欠陥を補償できるからである。
本発明の次の現在のところ好ましい実施形態を、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
固相(前駆体)からの単結晶層の成長、あるいは気相からの直接の単結晶層の成長は、熱力学的平衡から離れて生ずる。成長速度が大きいほど、平衡からの距離が大きくなる。秩序だったHTS層を迅速に製造して高い電流密度を得るためのこの非平衡状態に関する問題点は、次に記載するようにして、本発明方法の実施形態によって克服される。
固相(前駆体)からの単結晶層の成長、あるいは気相からの直接の単結晶層の成長は、熱力学的平衡から離れて生ずる。成長速度が大きいほど、平衡からの距離が大きくなる。秩序だったHTS層を迅速に製造して高い電流密度を得るためのこの非平衡状態に関する問題点は、次に記載するようにして、本発明方法の実施形態によって克服される。
高い育成速度と高い臨界電流密度とをもってHTS層を育成することは、本発明の第一の実施形態によって達成され、これによって図1の層システムが得られる。これには、最初に厚さ5〜500nmのRBa2Cu3O7層を、少なくとも表面に二軸配向された領域を有する基体1a(例えば、誘電性単結晶または配向された金属テープ)上へと、1nm/sより低い成長速度で通常技術、例えばスパッタリング、PLD、CVD、真空蒸着等を用いて堆積させる。
第二の方法工程において、最大厚さ数μmのXBa2Cu3O7機能層3を、高速度堆積方法によって、あるいは迅速な結晶化によって、種層2上に堆積させる。種層2と機能層3との各材料が類似していることから、機能層3の成長はほとんどホモエピタキシャルとなる。即ち、表面に近い欠陥生成が抑制され、層の品質が改善され、これによって1MA/cm2より高い電流密度が得られる。明記すべきことは、図1(および図2)における層厚さは単に模式的なものであり、実寸ではないということである。
第一の実施形態を変更することによって、図2の層システムがもたらされ、RBa2Cu3O7種層2を基体1a上へと、少なくとも一つの二軸配向されたバッファ層1bを用いて、上記した標準的な堆積方法によって堆積する。ここで、RBa2Cu3O7種層2も二軸配向されており、1nm/sより低い堆積速度を採用する。この種層に続いてXBa2Cu3O7機能層3を設け、これを2nm/sより高い成長速度で堆積させる。
従来技術に対して、XBa2Cu3O7機能層3が顕著に速い堆積速度を持つことによって、HTS層を製造する際の生産性に著しい利益が得られる。
1 厚さ5〜200nmのRBa2Cu3O7種層2を、1nm/sより低い成長速度で、標準的な堆積方法を採用して、誘電体単結晶1a、例えばMgO、Al2O3、YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)上、または二軸配向された金属基体(例えば銀、銀合金、ニッケル、ニッケル合金またはこれらの材料を含む複合材料)上に作製する。2nm/sより高い速度での迅速堆積法を利用して、最大厚さ数μmの超伝導性XBa2Cu3O7層3をこの層上に堆積する。
2. 厚さ5〜200nmのRBa2Cu3O7層2を、1nm/sより低い成長速度で、標準的な堆積方法を利用して、二軸配向バッファ層1bを有する基体1a上に作製する。この超伝導性のXBa2Cu3O7層3は、最大厚さ数μmであり、2nm/sより高い速度で、速い堆積方法で前記層上に堆積させる。
3. 厚さ5〜200nmのRBa2Cu3O7層2を、1nm/sより低い成長速度で、標準的な堆積方法を利用して、誘電体単結晶1a(例えばMgO、Al2O3、YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)または二軸配向金属基体(例えば銀、銀合金、ニッケル、ニッケル合金またはこれらの材料の複合材料)上に作製する。迅速な堆積法を利用して、この層の上に、最大厚さ数μmの前駆体層を化学的または物理的方法によって堆積する。ここで前駆体層は、所望の超導電性機能層の金属成分(カチオン)を含有する。この前駆体層を、温度処理によって高い転移速度、好ましくは2nm/sより高い転移速度で超導電性のXBa2Cu3O7層3へと転移させる。
4. 厚さ5〜200nmのRBa2Cu3O7層2を、1nm/sより低い成長速度で、標準的な堆積方法を利用して、基体1a上に、二軸配向されたバッファ層1b上に堆積させる。この層上に最大厚さ数μmの前駆体層を、速い堆積方法によって、または化学的または物理的方法によって堆積させる。ここで前駆体層は、所望の導電性層の金属成分(カチオン)を含有する。前駆体層を、温度処理によって、高い転移速度、好ましくは2nm/sより高い転移速度で超導電性のXBa2Cu3O7層3へと転移させる。
5. 厚さ5〜200nmの半導性のPrBa2Cu3O7層2を、1nm/sより低い成長速度で、標準的な堆積方法を利用して、配向された基体1a上、あるいは二軸配向されたバッファ層1bを有する基体上に堆積させる。2nm/sより速い迅速な堆積方法を利用して、この層の上に、最大厚さ数μmのXBa2Cu3O7層3を堆積させる。
Claims (11)
- 基体(1a、1b)上に高温超伝導層を製造する方法であって、
(a) 前記基体(1a、1b)上に低い成長速度でRBa2Cu3O7層(2)を堆積させる工程(Rは、イットリウム、希土類族に属する元素(原子番号57〜71)またはこれらの元素の二種以上の混合物);および
(b) 前記RBa2Cu3O7層(2)上に、XBa2Cu3O7層(3)を高い成長速度で堆積させる工程(Xは、イットリウム、希土類族に属する元素(原子番号57〜71)またはこれらの元素の二種以上の混合物)
を有する方法。 - 前記低い成長速度が1nm/sより低く、前記高い成長速度が1nm/sよりも高い、請求項1記載の方法。
- 前記RBa2Cu3O7層(2)が500nmより小さい厚さを有する、請求項1または2記載の方法。
- 前記RBa2Cu3O7層(2)が5nmより大きい厚さを有する、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 前記XBa2Cu3O7層(3)が1μmより大きい厚さを有する、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 前記RBa2Cu3O7層(2)を、少なくとも二軸配向された基体(1a)または少なくとも二軸配向されたバッファ層(1b)を有する基体上に堆積させる、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 前記XBa2Cu3O7層(3)を、前記高温超伝導層の金属成分を含む前駆体層として堆積させる、請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 更に、前記前駆体層を温度処理することによって高い転移速度で超伝導性のXBa2Cu3O7層(3)へと転移させる工程を有する、請求項7記載の方法。
- 前記転移速度が2nm/sより大きい、請求項8記載の方法。
- Rが、大きいイオン半径を有する希土類元素(La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd)、またはこれらの元素と他の希土類元素との混合物であって、これらの元素を少なくとも50%含有する混合物である、請求項1〜9のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 請求項1〜10のいずれか一つの請求項に記載の高温超伝導体からなる層システム。
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