JP2004155409A - コンテナ船の船倉用冷却システム - Google Patents

Abstract

【課題】コンテナ船の船倉用冷却システムを提供する。
【解決手段】本発明は、コンテナ船の船倉用冷却システムであって、独自に分離された空間に収容されて冷凍圧縮機により作動され、貨物を構成する冷凍コンテナのコンデンサの周りに適切な周囲温度を維持することができる冷却空気をコンテナ船の船倉に供給するために用いられる冷却機構を含む。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテナ船の船倉用冷却システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
本システムは、冷凍食品コンテナを積載するためのコンテナ船の貨物倉を冷却することを対象とする。食品コンテナにはコンテナ内冷凍システムが設けられ、コンテナ外部にはコンデンサが設けられている。コンデンサは貨物倉内で熱を発生する。その結果生じた熱およびその熱を換気するために、船倉内に保持されるコンテナの数が制限される。
【０００３】
これまでに適用され、現在非常に広範囲に用いられている１つの解決策は、貨物倉の上の甲板上に設置され、貨物倉の下方向に向けられたファンを用いて、貨物倉を大気によって換気することである。温暖な地域では、この解決策は大量で不経済な空気流をもたらす。
【０００４】
このタイプの従来技術の解決策は、以下のような欠点を有する。
【０００５】
温暖な地域では、温度差が小さいため、大気の換気により得られる冷却効果は極めて小さい。すなわち、コンテナから発生する熱を船倉から換気するのは非常に困難である。船倉内の温度は＋４５℃を上回るほど上昇してはならず、それを超えるとコンテナの冷凍能力が大幅に低下し、貨物を構成する食料品が腐敗してしまう。この結果、貨物倉は、冷凍コンテナ用には少ない積載量しか有さない。冷凍コンテナを積載する船舶の大気容量は、甲板設備が許容する限りに増大した。そのため甲板上の船楼に費用がかかり、さらに船舶の船体構造が長くなってしまう。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような欠点を排除することを目的とする。本発明の冷却システムは、独自に分離された空間に収容されて冷凍圧縮機により作動され、貨物を構成する冷凍コンテナのコンデンサの周りに適切な周囲温度を維持することができる冷却空気をコンテナ船の船倉に供給するために用いられる冷却機構を含むことを特徴とする。
【０００７】
本発明の様々な実施形態は、併記された特許請求の範囲における従属請求項に記載されている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
基本的概念は、貨物を構成する冷凍コンテナのコンデンサに空気ダクトに沿って冷却空気を吹き込むことができる冷却装置およびファンを貨物倉内部の輸送コンテナに取り付けることである。冷気はコンデンサを冷却し、貨物倉の温度を最高＋４５℃に維持する。貨物倉は、甲板の貨物倉のハッチにより水を通さない状態で密封されるため、合理的に水の漏れない区画を構成する。コンデンサに吹き込まれた空気はコンデンサ内で暖まり、再循環空気口を通って冷却コンテナへと戻って再循環空気として機能し、さらに冷却されて貨物倉のコンデンサに吹き戻される。
【０００９】
周波数変換機を備えたファンにより、わずかな空気のみが貨物倉で入れ替えられる。
【００１０】
冷却コンテナの自動装置は、船橋および機関制御室から貨物倉の状態を管理するため、ならびに貨物として積載されるコンテナの温度を監視するために用いることができる。
【００１１】
本発明の解決策により得られる利益は次の通りである：
−貨物倉の冷凍コンテナ用の積載量が実質的に増加する。
−貨物倉の状態に対する制御が改善され、貨物倉の状態を自動化して効率的に管理することにより、貨物の腐敗が回避される。
−貨物倉の湿気の問題が緩和する。
−制御された状態により、輸送の質が維持される。
−貨物スペースを利用する時にファンを設置するために必要とする空間を考える必要はもはやなく、船舶の全長が縮小される。
−船舶が消費する電力が削減される。
−甲板のファンのスペースを甲板貨物コンテナの積載に利用することができる。
【００１２】
本発明の冷却システムを図式的に示す添付図面を参照して、本発明の一例を説明する。
【００１３】
【発明の実施の形態】
冷却コンテナは、規格化された２０フィートまたは４０フィートの長さのスチールコンテナにより構成される。コンテナは、海水コンデンシングポンプ（ｓｅａ ｗａｔｅｒ ｃｏｎｄｅｎｓｉｎｇ ｐｕｍｐｓ）７を備える冷凍圧縮機２を収容する。管１０は海水槽まで延びている。冷凍圧縮機には、コンデンサ１１および蒸発器１２が設けられる。冷凍圧縮機により冷却された冷却水は、冷却水ポンプ６によって冷却ラジエータ５を通って循環する。
【００１４】
冷却された水は、排気ダクト８によって貨物スペースから循環する空気を冷却し、その空気は、吸気ダクトシステム４に沿って、ファン３により貨物コンテナのコンデンサに吹き戻される。
【００１５】
コンテナ１の内部には、冷却水管システム９、海水コンデンシングポンプシステム、および管システム取付具が取り付けられる。コンテナはまた、ポンプ、冷凍圧縮機、およびファンが必要とするアクチュエータまたはスタータをすべて収容する。
【００１６】
システム制御装置用のワークステーションは、船橋および制御室（ＥＣＲ）に設置される。ワークステーションおよびコンテナは、バスによって相互に接続される。
【００１７】
冷却コンテナとして用いられる２０フィート長のコンテナは、互いに積み重ねられる。このうち、最下部のコンテナには冷凍装置が設けられ、最上部のコンテナにはファンおよび冷却ラジエータが設けられる。
【００１８】
冷却コンテナは、貨物区画のサイズに応じて、４０フィートコンテナおよび２０フィートコンテナを様々に組み合わせて構成することもできる。
【００１９】
冷凍装置は、コンテナから取り出して、貨物区画外の別システムに設けられたスペースに配置することもできる。
【００２０】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の欠点を排除したコンテナ船の船倉用冷却システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の冷却システムの一例を示す図である。

Claims (5)

1. コンテナ船の船倉用冷却システムであって、独自に分離された空間（１）に収容されて冷凍圧縮機（２）により作動され、貨物を構成する冷凍コンテナのコンデンサの周りに適切な周囲温度を維持することができる冷却空気（４）をコンテナ船の船倉に供給するために用いられる冷却機構を含む冷却システム。
2. 冷却システム（１）であって、
   コンテナ内に収容される請求項１に記載の冷却システム。
3. 船舶の船橋および機関制御室から船倉の状態および温度を制御する自動化及び制御ユニットを備える請求項１または２に記載の冷却システム。
4. ダクトシステム（４）に沿って冷却コンテナの前記コンデンサに冷却空気を吹き込むファン（３）と、前記冷凍圧縮機（２）により冷却された冷却水が、冷却水ポンプ（６）を通って循環される冷却ラジエータ（５）とをさらに備える請求項１から３のいずれかに記載の冷却システム。
5. 前記冷凍圧縮機（２）は、海水コンデンシングポンプ（７）または空気コンデンサを備える請求項１から４のいずれかに記載の冷却システム。

Images