JP2004155407A - 船舶の操舵補助装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操舵ハンドル6の回動可能な範囲を規制する規制手段34を備える。規制手段34は、操舵ハンドル6とともに回動する可動ストッパー(ロードセルアーム35)と、このストッパー片の移動を阻止する固定ストッパー(取付用プレート33)と、これらの間に介装したロードセル36とによって構成される。このロードセル36の出力に対応させてウォータージェット推進装置7のエンジン11の出力を増大させる操舵制御装置2を備えた。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、船舶の操舵性を改善する操舵補助装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に船舶は舵による方向転換を行っているが、このような旋回の性能は、推進機の発生する水流、または船舶の進行により発生する水流が舵に作用し舵の両面の水圧差に基づいて発生する揚力の分力によって決定されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、従来、ウォータージェット推進装置を駆動源として航走する船舶においては、推進装置が発生するジェット噴流の反力により方向転換を行っているが、このような形式の船舶の場合、船の速度に対して相対的にウォータージェット推進装置が発生させるジェット噴流の速度(反力の程度)が低い状態では操舵性能が低くなることが知られている。
【0003】
このため、従来のこの種の船舶において、接岸時などで微小な速度で航走しているときに速やかに進行方向を変えるためには、操舵ハンドルを操作するときに同時にスロットル弁を開いてエンジンの出力を一時的に増大させていた。このようにスロットル弁を操作することにより、船外機やウォータージェット推進装置のノズルディフレクターが所望の方向へ操舵された状態で推進力が増大し、船体の進行方向が速やかに変わるようになる。
【0004】
しかしながら、上述したように操舵とスロットル操作とを同時に行うと操船が煩雑になるという不具合があった。
操舵に連動して推進装置の出力が増大する船舶としては、例えば、後述する特許文献2や特許文献3に開示されたものがある。これらの従来の船舶に装備された操舵補助装置は、操舵ハンドルの操舵角度が予め定められた角度より大きくなったときに推進装置の出力を増大させる構成が採られていた。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭57−84297号公報
【特許文献2】
特開2001−329881号公報
【特許文献3】
米国特許第6336833号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した操舵補助装置は、操船者が操舵ハンドルを所定角度操舵すると自動的に推進装置の出力が増大するために、操船者の意思に反して推進力が生じることもあり、必ずしも自然な感覚で操船することはできなかった。このため、スロットル操作を特別に意識することがなく、自然な感覚で操船することができる操舵補助装置が要請されていた。
【0007】
本発明は上述したような問題点を解消するためになされたもので、操船者がスロットル操作を意識することなく自然な感覚で操船することができる船舶の操舵補助装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明に係る船舶の操舵補助装置は、船舶の操舵装置に、操舵ハンドルが最大操舵角度となるように操舵された状態で操舵ハンドルに加えられた操舵力を検出するロードセルを設け、操舵ハンドルに加えられた操舵力を検出するロードセルを設け、前記ロードセルの出力に対応させて推進装置の推進力を増大させる制御装置を備えたものである。
【0009】
本発明によれば、操舵装置を操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することによって、この力がロードセルにより検出されて推進装置の推進力が増大する。
【0010】
請求項2に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項1に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置において、推進装置をウォータージェット推進装置とするともに、操舵装置を、操舵ハンドルを回動させることにより前記ウォータージェット推進装置のノズルディフレクターが連動して回動する構成としたものである。
この発明によれば、操舵ハンドルを操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することによって、この力がロードセルにより検出されてウォータージェット推進装置の推進力が増大する。
【0011】
請求項3に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項2に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置において、ノズルディフレクターから噴出した水の流れる方向を変える補助ディフレクターをノズルディフレクターに左右方向に回動自在に設け、制御装置は、ロードセルの出力に対応させて補助ディフレクターの回動角度を制御する構成とされているものである。
【0012】
この発明によれば、操舵ハンドルを操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することにより、ノズルディフレクターから噴出される水の量が増大するとともに、この水の噴出する方向が補助ディフレクターによって変えられ、実質的な操舵角度が大きくなる。
【0013】
請求項4に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、ウォータージェット推進装置が搭載された船舶の操舵装置を、操舵ハンドルを回動させることにより前記ウォータージェット推進装置のノズルディフレクターが連動して回動する構成とし、前記操舵装置に、操舵ハンドルが最大操舵角度となるように操舵された状態で操舵ハンドルに加えられた操舵力を検出するロードセルを設け、前記ノズルディフレクターから噴出した水の流れる方向を変える補助ディフレクターをノズルディフレクターに左右方向に回動自在に設け、前記ロードセルの出力に対応させて補助ディフレクターの回動角度を制御する制御装置を備えたものである。
【0014】
この発明によれば、操舵装置を操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することによって、この力がロードセルにより検出されてノズルディフレクターから噴出する水の方向が補助ディフレクターによって変えられ、実質的な操舵角度が大きくなる。
【0015】
請求項5に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、船舶の操舵装置に、操舵ハンドルが最大操舵角度となるように操舵された状態で操舵ハンドルに加えられた操舵力を検出するロードセルを設け、船舶の航走方向を変えるラダーを昇降可能に設け、前記ロードセルの出力に対応させて前記ラダーの昇降動作を制御する制御装置を備えたものである。
【0016】
この発明によれば、操舵装置を操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することによって、この力がロードセルにより検出されてラダーが下り、操舵力が発生していない通常の航走時にはラダーが上昇し収納される。したがって、操舵力が発生していない通常の航走時にはラダーが上昇し収納されているので、船舶が浅瀬を航走する場合にラダーが海中の障害物に接触することがなく、浅瀬航走の支障になることがない。
【0017】
請求項6に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項5に記載した発明に係る操舵補助装置において、推進装置をウォータージェット推進装置とし、操舵装置を、操舵ハンドルを回動させることにより前記ウォータージェット推進装置のノズルディフレクターが連動して回動する構成としたものである。
この発明によれば、操舵ハンドルを操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することによって、この力がロードセルにより検出されてラダーが下りる。
【0018】
請求項7に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項6に記載した発明に係る操舵補助装置において、ラダーをノズルディフレクターに昇降可能に設けたものである。
この発明によれば、ラダーがノズルディフレクターとともに左右方向に回動するから、専らラダーを左右方向に回動させる操作機構が不要になる。
【0019】
請求項8に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項1ないし請求項7のうち何れか一つに記載した発明に係る船舶の操舵補助装置において、ロードセルは、船体側の固定ストッパーにステアリング軸側の可動ストッパーが当接することにより操舵範囲を規制する規制手段に介装された検出子を有し、この検出子が操舵力によって圧縮されたときの透磁率の変化を検出する磁歪式のものであり、請求項9に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項1ないし請求項7のうち何れか一つに記載した発明に係る船舶の操舵補助装置において、ロードセルは、船体側の固定ストッパーにステアリング軸側の可動ストッパーが当接することにより操舵範囲を規制する規制手段に介装された導電性ゴムからなる検出子を有し、この検出子が操舵力によって圧縮されたときの電気抵抗の変化を検出するものである。
【0020】
請求項8に記載した発明または請求項9に記載した発明によれば、操舵範囲を規制する規制手段の一つの部品としてロードセルを装備することができるから、専ら操舵力を検出するためにロードセルを操舵装置に設ける場合に較べると構造が簡単になる。
【0021】
請求項10に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項8または請求項9に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置において、ステアリング軸側の可動ストッパーとロードセルとをそれぞれ右操舵用と左操舵用とで対をなすように設け、右操舵用ロードセルと左操舵用ロードセルとを一つのセンサーハウジングに収納し、このセンサーハウジングを介して船体側の固定ストッパーに固定したものである。
この発明によれば、二つのロードセルを一つのセンサーハウジングによって保持することができる。
【0022】
請求項11に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項10に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置において、右操舵用ロードセルと左操舵用ロードセルとを、ステアリング軸の軸線方向から見てV字状を呈するように配設し、これらのロードセルにおけるステアリング軸側の可動ストッパーとの接触部を、前記可動ストッパーの回動軌跡となる仮想円上に位置付け、これらのロードセルの軸線を前記仮想円の接線と平行としたものである。
この発明によれば、二つのロードセルとセンサーハウジングとからなる組立体を必要最小限度の大きさに形成することができる。
【0023】
請求項12に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項10または請求項11に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置において、ロードセルにおける受圧面を除く他の部位をセンサーハウジング内に弾性変形可能な合成樹脂材料によって封止したものである。
この発明によれば、ステアリング軸側の可動ストッパーからロードセルに加えられた衝撃を封止用の合成樹脂材料を介してセンサーハウジングに広く分散させることができる。また、水がロードセル内に浸入するのを合成樹脂材料によって阻止することができる。
【0024】
請求項13に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項10ないし請求項12のうち何れか一つに記載した発明に係る船舶の操舵補助装置において、ロードセルに接続された電気回路基板がロードセルとともにセンサーハウジング内に収納されているものである。
この発明によれば、ロードセルと電気回路基板とを一体的に形成することができるから、これら両者を温度が互いに一致する状態で使用することができる。また、ロードセルと電気回路基板とを接続する配線を可及的短く形成することができる。
【0025】
請求項14に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項13に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置において、電気回路基板は、衝撃吸収材料によって水密となるように封止されているものである。
この発明によれば、電気回路基板に衝撃が伝達されるのを阻止することができる。また、電気回路基板に水が浸入するのを衝撃吸収材料によって阻止することができる。
【0026】
請求項15に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項10ないし請求項14のうち何れか一つに記載した発明に係る船舶の操舵補助装置において、センサーハウジングを非磁性材料によって形成したものである。
この発明によれば、ロードセルの周囲の磁界がセンサーハウジングによって乱されることがないから、ロードセルの検出子の透磁率変化を高い精度で検出することができる。
【0027】
請求項16に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項1ないし請求項7のうち何れか一つに記載した発明に係る船舶の操舵補助装置において、ロードセルは、船体側とステアリング軸側とを連結するリンクによって操舵範囲を規制する規制手段に設けられ、前記リンクに作用する引張力の変化を透磁率の変化として検出する磁歪式のものである。
この発明によれば、操舵範囲を規制する規制手段の一つの部品としてロードセルを装備することができるから、専ら操舵力を検出するためにロードセルを操舵装置に設ける場合に較べると構造が簡単になる。
【0028】
請求項17に記載した発明に係る船舶の操舵補助装置は、請求項1ないし請求項7のうち何れか一つに記載した発明に係る船舶の操舵補助装置において、ロードセルは、操舵範囲を規制する規制手段とステアリング軸との間に介装されてステアリング軸とともに回動する検出子を有し、この検出子が操舵力によって捻られたときの透磁率の変化を検出する磁歪式のものである。
この発明によれば、一つのロードセルによって右操舵時と左操舵時の操舵力を検出することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る船舶の操舵補助装置の一実施の形態を図1ないし図4によって詳細に説明する。ここでは、小型滑走艇に装備する操舵補助装置の例を挙げて説明する。
図1は本発明に係る操舵補助装置を装備した小型滑走艇の平面図で、同図においては、理解し易いように操舵ハンドル用規制手段を実線で描いてある。図2は本発明に係る操舵補助装置の構成を示す斜視図、図3は同じくブロック図、図4は本発明に係る操舵補助装置装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0030】
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態による操舵補助装置2を装備した小型滑走艇である。この小型滑走艇1は、船体3の上部のデッキ4に操船者が跨って着座するシート5と、操船者が把持する操舵ハンドル6とが設けられ、船体3内にウォータージェット推進装置7が搭載されている。図1において、シート5の周囲に形成された符号8で示すものは、操船者が足を載せるためのステップである。
【0031】
前記ウォータージェット推進装置7は、従来からよく知られているように、エンジン11とジェットポンプ12とによって構成されており、水をエンジン11の動力によって船体3の底から吸い上げ、ジェットポンプ12の後端部に設けられたノズルディフレクター13から後方に噴出させることによって推力を得るものである。前記ノズルディフレクター13は、ジェットポンプ12の後端部に左右方向に揺動自在に支持され、図2に示すように、後述するプッシュ・プルワイヤー14を介して操舵ハンドル6のステアリングアーム15に連結されている。
【0032】
前記エンジン11は、クランク軸21(図1参照)を軸線が船体3の前後方向を指向するように支架した多気筒エンジンで、船体右側に吸気装置22が接続されるとともに、船体左側に排気装置(図示せず)が接続されている。前記吸気装置22は、気筒毎の吸気通路に燃料を気化器23(図2参照)またはインジェクタ(図示せず)によって供給する構造が採られ、気筒毎にスロットル弁24が設けられている。
【0033】
これらのスロットル弁24は、互いに連動するように連結されている。また、これらのスロットル弁24のうち最も船体前側に位置するスロットル弁24(このスロットル弁を図2に図示している)は、操舵ハンドル6のスロットルレバー25にスロットルワイヤ26を介して接続されている。このため、スロットルレバー25を操作することにより、全てのスロットル弁24が連動して開閉される。なお、各スロットル弁24は、図示してない復帰用スプリングによって閉じる方向に付勢されている。
【0034】
また、前記エンジン11には、クランク軸21の回転数を検出するためのエンジン回転数センサ27(図3参照)が設けられている。このセンサ27は、後述する操舵補助装置2のコントローラ28にエンジン回転数を示すデータを送出する。
【0035】
前記操舵ハンドル6は、図2に示すように、操船者が把持するハンドルバー29と、このハンドルバー29が上端部にクランプ30によって取付けられたステアリング軸31と、このステアリング軸31を嵌挿させて回動自在に支持するステアリング軸受32と、このステアリング軸受32をデッキ4に固定するための取付用プレート33などによって構成されている。
前記ステアリング軸31の上端部には、操舵ハンドル6の回動可能な範囲を規制するための規制手段34の一部を構成するロードセルアーム35が溶接されている。
【0036】
前記規制手段34は、ステアリング軸31に船体3の前方へ向けて突設された可動ストッパーとしての前記ロードセルアーム35と、このロードセルアーム35がステアリング軸31の回動軌跡の途中に配設されたロードセル36と、このロードセル36を支持する固定ストッパーとしての前記取付用プレート33などによって構成されている。この規制手段34によれば、ロードセルアーム35がロードセル36の検出子36aに当接することによって、ステアリング軸31の回動できる範囲が規制される。
【0037】
前記ロードセル36は、図3に示すように、検出子を磁性体によって形成してこの検出子36aにコイル36bを巻回させた磁気ひずみ形のもので、後述する操舵補助装置2のコントローラ28に接続されている。このロードセル36は、前記検出子36aがロードセルアーム35により押圧されることによって、コイルのインピーダンスが荷重に略比例して変化する。このインピーダンスの変化は、後述するコントローラ28によって検出される。なお、ロードセル36としては、磁気ひずみ形のものに限定されることはなく、例えば歪みゲージ形のものなど、他の形式のものを使用することができる。
【0038】
前記ステアリング軸31は、図2に示すように、下端部に前記ステアリングアーム15を介して操舵用の前記プッシュ・プルワイヤ14が接続されるとともに、軸心部に前記スロットルワイヤ26が挿通されている。
前記ステアリングアーム15に接続された前記プッシュ・プルワイヤ14は、アウタチューブ内14aにインナワイヤ14bが挿通された構造のもので、前記アウタチューブ14aの両端部がホルダー37,38によって船体3に支持されている。すなわち、ハンドルバー29を左右方向に回動させることによって、前記ステアリングアーム15が同方向に回動し、インナワイヤ14bが引かれたり押されたりしてノズルディフレクター13が左方または右方に揺動する。
【0039】
ステアリング軸31の軸心部に挿通された前記スロットルワイヤ26は、アウターチューブ26aの内部にインナワイヤ26bが挿通されており、インナワイヤ26bの先端部が前記スロットル弁24の駆動用プーリ24aに接続されている。また、このスロットルワイヤ26のアウターチューブ26aは、スロットル弁24側の端部に設けられた端末金具39がスロットル操作用サーボモータ41のアーム42に支持されている。
【0040】
このため、サーボモータ41のアーム42を揺動させることによって、前記端末金具39の位置が変わり、インナワイヤ26bのスロットル弁24側の端部を引いたり戻したりすることができる。この実施の形態では、前記アーム42が図2中に矢印Aで示す方向へ揺動することによって、インナワイヤ26bのスロットル弁24側端部が引かれ、スロットルレバー25を操作することなくスロットル弁24が開く。また、前記アーム42が上記とは逆方向(矢印Bで示す方向)に揺動することによって、インナワイヤ26bが戻されてスロットル弁24が閉じる。
【0041】
このアーム42を有するサーボモータ41は、図3に示すように、モータ43の回転を減速機44によって減速して前記アーム42に伝達する構造が採られ、後述する操舵補助装置2によりフィードバック制御によって駆動される。このフィードバック制御は、前記アーム42に設けられたフィードバックポテンショメータ45によってアーム42の実際の揺動角度を検出し、操舵補助装置2によって設定されたアーム42の目標角度と、前記実際の回動角度とが一致するまでモータ43を駆動することによって行われる。
【0042】
操舵補助装置2は、低速航走時の操舵性を向上させるためのもので、図2および図3に示すように、前記ロードセル36やエンジン回転数センサ27に接続されたコントローラ28と、このコントローラ28が制御するスロットル操作用サーボモータ41などによって構成され、バッテリー46によって給電される。
前記コントローラ28は、前記ロードセル36のインピーダンスの変化を検出してロードセル36に加えられた荷重に相当する検出値を求めるロードセルアンプ47と、前記検出値に基づいて前記サーボモータ41を駆動するサーボモータコントローラ48などによって構成されている。
【0043】
前記サーボモータコントローラ48は、前記ロードセルアンプ47が求めた前記検出値が予め定めた設定荷重より大きいときに、後述する操舵制御を行う回路が採られている。前記設定荷重は、ハンドルバー29をそれ以上回すことができなくなるまで回した状態(規制手段34により操舵が規制される状態)で、通常の操舵時にハンドルバー29を回すために要する力より大きな力でさらにハンドルバー29を回したときにロードセル36に加えられる荷重に設定されている。なお、このサーボモータコントローラ48は、急ハンドル操作をしたりしてロードセル36の検出子36aにロードセルアーム35が衝突したときにロードセル36に加えられる衝撃荷重は、検出される荷重からは除外するように回路が構成されている。すなわち、この操舵補助装置2によれば、小型滑走艇1が低速で航走している状態で操舵ハンドル6を規制手段34によって規制されるまで回し、通常より大きな力でさらに回すことによって、サーボモータコントローラ48が後述する操舵制御を実施するようになる。
【0044】
サーボモータコントローラ48が実施する操舵制御は、ロードセル36に加えられた荷重に相当する前記検出値(F)にゲイン(k)を乗じた値を前記サーボモータ41のアーム42の目標角度(θ)とし、この目標角度に達するようにサーボモータ41をフィードバック制御することによって行われる。すなわち、この操舵制御によれば、前記ロードセル36の出力(操船者が操舵ハンドル6に加えた力)の大きさに対応する開度をもってスロットル弁24が開き、エンジン11の出力が制御される。なお、前記目標角度は、スロットルワイヤ26のインナワイヤ26bが引かれてスロットル弁24の開度が増大する方向にアーム42が回るときの角度である。
【0045】
次に、上述した操舵補助装置2の動作を図4に示すフローチャートによってさらに詳細に説明する。
サーボモータコントローラ48は、先ず、図4のステップS1に示すように、ロードセルアンプ47がロードセル36に加えられる荷重に相当する検出値をロードセル36のインピーダンスに基づいて演算によって求める。そして、ステップS2で前記検出値が予め定めた設定荷重より大きいか否かをロードセルアンプ47が判定する。
この判定結果がNO、すなわち直進中や緩やかにカーブを描くように旋回しているときであったり、操舵ハンドル6を規制手段34により規制されるまで回してはいるが操舵ハンドル6には通常と同等の力しか加えていないようなときには、ステップS1に戻る。
【0046】
一方、前記判定結果がYES、すなわち操舵ハンドル6を規制手段34により規制されるまで回し、さらに通常より大きな力で同方向へ付勢しているような場合(意図して操舵を行っている場合)には、ステップS5に進み、サーボモータコントローラ48が前記検出値(f)にゲイン(k)を乗じることによってサーボモータ41のアーム42の目標角度(θ)を算出する。
その後、サーボモータコントローラ48は、ステップS4でサーボモータ41を駆動し、ステップS5でサーボモータ41のアーム42の実際の角度が前記目標角度に達したか否かを判定する。ステップS5で判定結果がNOのときには、ステップS4に戻り、判定結果がYESのときには、ステップS6に進んでサーボモータコントローラ48がサーボモータ41を停止させる。
【0047】
前記ステップS4〜S6で示したようにサーボモータ41が駆動されることによって、スロットルワイヤ26のインナワイヤ26bが引かれ、スロットル弁24の開度が増大してエンジン11の回転数が増大する。この結果、ウォータージェット推進装置7から噴出される水が増え、いわゆる舵がよく効くようになる。このときのエンジン11の回転数は、操船者が操舵ハンドル6に加える力の大きさに対応して増減する。
【0048】
上述したようにサーボモータ41を駆動した後、ステップS7でロードセルアンプ47が再びロードセル36の荷重を計測して検出値を求め、ステップS8でサーボモータコントローラ48が前記検出値が設定値より小さいか否かを判定する。
この判定結果がNO、すなわち操船者が操舵ハンドル6を継続して大きな力で付勢している場合には、ステップS3に戻り、上述した制御を繰り返す。前記判定結果がYES、すなわちエンジン回転数が増大して船体3の進行方向が変わり、操船者が操舵ハンドル6を回す力を緩めた場合には、ステップS9に進み、サーボモータコントローラ48がサーボモータ41のアーム42を初期位置まで復帰させる。このようにサーボモータ41を駆動することによって、スロットル弁24の開度が初期の開度(操舵制御により増大する以前の開度)に戻され、操舵制御が行われる以前の速度で航走するようになる。
【0049】
したがって、上述したように構成された操舵補助装置2を装備した小型滑走艇1においては、操舵ハンドル6を回動可能な範囲の一端まで操舵させた状態でさらに力を加えて操舵することによって、この力がロードセル36により検出されてエンジン11の出力が上昇するから、操舵操作を行っている操船者が現在の状態より速く旋回させようとして行う自然な動作によってエンジン11の出力を増大させることができる。このため、操船者がスロットル操作を意識することなく自然な感覚で操船することができるようになる。
【0050】
また、操舵ハンドル6を誤って操舵したとしても、ロードセル36に荷重が検出されない状態ではエンジン11の出力が不必要に増大することはなく、操船者の意思によって操舵ハンドル6に操舵力を作用されたときのみに操舵する力に応じてエンジン11の出力が増大する。
【0051】
(第2の実施の形態)
操舵補助装置が操舵制御によって上昇させるエンジン出力は、操舵制御時のエンジン回転数に応じて上昇幅を大きくしたり小さくしたりすることができる。
この構成を採る場合の操舵補助装置の構成を図5に示すフローチャートによって説明する。
図5は操舵補助装置の他の実施の形態を説明するためのフローチャートである。同図において、前記図4によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0052】
この実施の形態による操舵補助装置2は、操舵制御を実施するときにエンジン回転数を予め定めた接岸制御回転数と比較し、そのときのエンジン回転数が前記接岸制御回転数より大きいときと、エンジン回転数が前記接岸制御回転数より小さいときとでサーボモータ41の目標角度θを求めるためのゲインkを変える構成が採られている。
【0053】
前記接岸制御回転数は、接岸するために徐行するときのエンジン回転数に設定されている。前記ゲインkは、エンジン回転数が相対的に大きいときには、相対的に大きいkAに設定され、エンジン回転数が相対的に小さいときには、相対的に小さいkBに設定される。すなわち、エンジン回転数が前記接岸制御回転数より小さいときには、操舵制御で増大させるエンジン出力は相対的に小さくなり、エンジン回転数が接岸制御回転数より大きいときには、操舵制御で増大させるエンジン出力は相対的に大きくなる。
【0054】
この実施の形態による操舵補助装置の動作を図5に示すフローチャートによって詳細に説明する。図5のステップS2に至るまでは前記実施の形態と同一の制御が行われ、ステップS2でロードセル36によって計測された荷重が設定値より大きいか否か判別される。この判別結果がNOの場合には、ステップS1に戻り、判別結果がYESである場合には、ステップS2Aに進んでエンジン回転数が接岸制御回転数より大きいか否かを判別する。
【0055】
この判別結果がYES、すなわちエンジン回転数の方が接岸制御回転数より大きい場合には、ステップS2Bに進んでゲインkとして相対的に大きいkAを選択してからステップS3に進む。また、判別結果がNOである場合には、ステップS2Cに進んでゲインkとして相対的に小さいkBを選択してからステップS3に進む。
その後、操舵補助装置2は、第1の実施の形態を採るときと同様に、ステップS3で前記ゲインkAまたはゲインkBを用いて演算により目標角度θを算出し、ステップS4以降でスロットル弁用サーボモータ41を制御する。
【0056】
したがって、この実施の形態を採ることによって、ロードセル36の出力に応じて制御されるエンジン11の出力をそのときのエンジン回転数に対応して増減させることができる。このため、接岸時に艇速が相対的に速いときには、舵が効き易くなって進行方向を早く変えることができ、低速が相対的に遅いときには、操舵を緩やかに行うことができるようになって進行方向を微調整することが容易になる。
【0057】
(第3の実施の形態)
第1および第2の実施の形態で示した小型滑走艇においては、図6〜図8に示すように、ノズルディフレクターに補助ディフレクターを設けることができる。
図6は補助ディフレクターを装備した操舵補助装置の構成を示す斜視図、図7は補助ディフレクターを拡大して示す斜視図、図8はノズルディフレクターと補助ディフレクターの動作を説明するための平面図で、同図(a)は直進状態を示し、同図(b)は補助ディフレクターを作動させずに旋回しているときの状態を示し、同図(c)は補助ディフレクターを作動させて旋回しているときの状態を示す。これらの図において、前記図1〜図5によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0058】
図6〜図8に示すノズルディフレクター13は、前部の左右両側に補助ディフレクター51,52が左右方向に回動自在に取付けられている。これらの補助ディフレクター51,52は、ノズルディフレクター13から噴出した水の流れる方向を変えるためのもので、断面コ字状に形成されて前端部の上下二箇所が支軸53によってノズルディフレクター13に枢支されている。前記支軸53は、軸線方向が上下方向を指向する状態でノズルディフレクターのボス54に螺着されている。また、左側の補助ディフレクター51と右側の補助ディフレクター52とは、前後方向の中途部分どうしが連結用リンク55によって互いに連動するように連結されている。
【0059】
さらに、これらの補助ディフレクター51,52の前端部であって左右方向の中央側に突設されたアーム51a,52aには、プッシュプルワイヤ56を介して補助ディフレクター用サーボモータ57(図6参照)が接続されている。この実施の形態では、補助ディフレクター51,52毎のプッシュプルワイヤ56がサーボモータ57の一つのプーリ58に接続され、両方の補助ディフレクター51,52が同方向へ同角度だけ回動するように構成されている。前記プッシュプルワイヤ56は、ノズルディフレクター13の回動の影響を受けることがないように、アウターチューブ56aの後端部がノズルディフレクター13の回動軸13aの近傍にホルダー56bによって固定されている。
【0060】
前記サーボモータ57は、操舵補助装置2のコントローラ28に接続され、操舵制御が実施されるときにコントローラ28によってスロットル操作用サーボモータ41とともに駆動される。すなわち、ハンドルバー29をそれ以上回すことができなくなるまで回した状態(規制手段34により操舵が規制される状態)で、通常の操舵時にハンドルバー29を回すために要する力より大きな力でさらにハンドルバー29が回されたときに、コントローラ28によりサーボモータ57が駆動される。
【0061】
コントローラ28が補助ディフレクター用サーボモータ57を制御するに当たっては、ロードセル36の出力に基づいて操舵ハンドル6の操舵方向を検出し、この操舵方向に対応する方向へサーボモータ57を回動させる。この回動方向は、例えば操舵ハンドル6が右方向へ操舵されて船体が右方向へ旋回する場合には、両方の補助ディフレクター51,52をその後端が相対的に右側に変位する{図8(c)参照}方向である。このように補助ディフレクター51,52が回動することにより、補助ディフレクター51,52の角度は、船体に対してノズルディフレクター13より大きくなる。
【0062】
また、このときのサーボモータ57の回動角度(補助ディフレクター51,52の回動角度)は、ロードセル36に加えられた荷重の大きさに対応する角度となるように設定される。すなわち、操船者によって操舵ハンドル6に大きな力が加えられているときには、補助ディフレクター51,52は相対的に大きく回動し、操舵ハンドル6に加えられる力が相対的に小さいときには、補助ディフレクター51,52の回動角度も相対的に小さくなる。
【0063】
このように補助ディフレクター51,52を備えた小型滑走艇は、例えば直進時には、図8(a)に示すように、ノズルディフレクター13と補助ディフレクター51,52とが船体に対して同一角度になり、操舵ハンドル6を例えば右方向に操舵角度が最大になるように操舵することによって、図8(b)に示すように、ノズルディフレクター13が回動する。すなわち、ロードセル36に加えられた荷重が相対的に小さいとき(操舵制御が開始されるときの荷重より小さいとき)には、補助ディフレクター51,52はノズルディフレクター13と同一角度になるように一体に回動する。
【0064】
さらに、操舵ハンドル6を操舵角度が最になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵し、操舵制御が開始される荷重がロードセル36に加えられたときには、図8(c)に示すように、補助ディフレクター51,52が操舵方向へ前記荷重の大きさと対応する角度をもって回動する。図8(c)は、操舵ハンドル6が右方向へ操舵されている状態で描いてある。なお、このときには、スロットル操作用サーボモータ41がコントローラ28によって駆動されることにより、エンジン11の出力が増大され、これに伴ってノズルディフレクター13から噴出する水の量が増える。
【0065】
このように補助ディフレクター51,52が回動することにより、ノズルディフレクター13から噴出される水の方向が補助ディフレクター51,52によって変えられ、実質的な操舵角度が大きくなる。
したがって、例えば、操船者が旋回中により一層小回りになるように(旋回半径が小さくなるように)操船しようとして操舵ハンドル6に加える力を増やすことにより、船体の旋回半径が小さくなるから、操船者がスロットル操作を意識することなく自然な感覚で操船をすることができる。
【0066】
この実施の形態による補助ディフレクター51,52の形状・数量や、補助ディフレクター51,52をノズルディフレクター13に回動自在に取付けるための構造や、補助ディフレクター51,52を駆動する構成などは、ここで例示した形態に限定されることはなく、同等の機能を有する他の形態に適宜変更することができる。
【0067】
また、補助ディフレクター51,52をノズルディフレクター13に設ける場合には、操舵制御が開始される荷重がロードセル36に加えられたとしてもエンジン11の制御を実施しない構成を採ることもできる。この場合には、航走中であれば補助ディフレクター51,52によって操舵性を向上させることができる。
【0068】
(第4の実施の形態)
請求項5ないし請求項7に記載された発明に係る操舵補助装置の一実施の形態を図9ないし図11によって詳細に説明する。
図9はラダーを備えた小型滑走艇の要部を示す斜視図、図10はノズルディフレクターとラダーの側面図、図11はラダーを制御するコントローラの動作を説明するためのフローチャートである。これらの図において、前記図1〜図5によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0069】
図9および図10に示すノズルディフレクター13は、左右方向の両側部にそれぞれラダー61が昇降可能に設けられている。この実施の形態では、左右方向に延びる回動軸62によってノズルディフレクター13に上下方向に回動自在に取付けられている。詳述すると、これらのラダー61は、一端部がノズルディフレクター13より下方に突出する突出位置(図10中に実線で示す位置)と、図10中に二点鎖線で示すように、一端部が船体の後方を指向してノズルディフレクター13と同等の高さとなる収納位置との間で水平方向に対する角度を変えることができるように構成されている。なお、ラダー61は、このように水平方向に対する角度を変えることができるように構成する他に、ノズルディフレクター13に上下方向へ平行移動可能に設けることもできる。
【0070】
このラダー61の駆動系は、ラダー61に固定したプーリ63に一対のワイヤ64を介してサーボモータ65を接続した構成が採られている。このサーボモータ65は、後述するコントローラ66によって制御され、前記二つのラダー61を同時に同方向へ回動させる。
【0071】
前記コントローラ66は、操舵ハンドル6側のロードセル36と、エンジン11に設けられたエンジン回転数センサ27とが接続されており、エンジン回転数センサ27が検出したエンジン回転数が予め定めた制御開始回転数を下回っているときであって、ロードセル36に加えられた荷重が予め定めた補助操舵開始荷重を上回っているときに、ロードセル36に加えられた荷重の大きさに対応する角度だけラダー61を前記収納位置から後端が下がるように回動させる構成が採られている。
前記制御開始回転数は、ノズルディフレクター13から噴出する水の量が少なくなって舵が効き難くなるような回転数に設定されている。この実施の形態では、前記制御開始回転数は2000rpmに設定されている。なお、ラダー61を収納位置から下げるに当たっては、エンジンの回転数とは無関係に行うことができる。この構成を採ることにより、旋回中に船体後部がいわゆるドリフトを起こすのを抑えることができるようになり、操舵性をより一層向上させることができる。
【0072】
また、前記補助操舵開始荷重は、ハンドルバー29をそれ以上回すことができなくなるまで回した状態(規制手段34により操舵が規制される状態)で、通常の操舵時にハンドルバー29を回すために必要な力より大きな力でさらにハンドルバー29が回されたときにロードセル36に加えられる荷重に設定されている。さらに、このコントローラ66は、ラダー61が収納位置から突出位置に向けて回動するときの角度がロードセル36に加えられた荷重の大きさに略比例するようにサーボモータ65を制御する。
【0073】
ここで、コントローラ66の動作を図11に示すフローチャートによって説明する。コントローラ66は、先ず、ステップP1で操舵ハンドル6を操舵する力を検出し、次いで、ステップP2でエンジン回転数が制御開始回転数より低いか否かを判別する。このとき、ロードセル36に加えられている荷重が補助操舵開始荷重を越えていたとしても、エンジン回転数が前記制御開始回転数より大きい場合には、ステップP1に戻る。また、ロードセル36に加えられている荷重が補助操舵開始荷重を越えるとともに、エンジン回転数が前記制御開始回転数より小さい場合には、ステップP3に進む。
【0074】
前記ロードセル36に加えられている荷重が補助操舵開始荷重より小さい場合や、エンジン回転数が制御開始回転数より大きい場合には、ラダー61は収納位置に位置付けられる。このため、直進時や大きく旋回するときなど、操舵性能が重要でないような航走形態を採るときには、ラダー61が受ける水の抵抗が低減され、最高速度や加速性能が高く保たれる。
【0075】
ステップP3では、コントローラ66は、ラダー61の角度がロードセル36に加えられている荷重の大きさに略比例する角度になるようにサーボモータ65を駆動する。このため、ラダー61が図10中に二点鎖線で示す収納位置から例えば同図中に実線で示す突出位置まで下がって水を受けるから、ラダー61によって操舵性が向上するようになる。すなわち、このときには、エンジン回転数が相対的に低く、ノズルディフレクター13から噴出される水の量が少なくなるにもかかわらず、ラダー61が水を受けることによって舵がよく効くようになる。
【0076】
したがって、この実施の形態による小型滑走艇によれば、スロットル操作を行うことなくラダー61によって操舵性能を向上させることができる。このため、操船者の意図したとおりに操船をすることがさらに容易になる。しかも、この小型滑走艇は、ラダー61を装備しているにもかかわらず、直進時や大きく旋回するときなどではラダー61がノズルディフレクター13と同等の高さに位置するようになって抵抗が減るから、最高速度や加速性能を高く保つことができる。
【0077】
この実施の形態によるラダー61の形状・数量や、ラダー61をノズルディフレクター13に回動自在に取付けるための構造や、ラダー61を駆動する構成などは、ここで例示した形態に限定されることはなく、同等の機能を有する他の形態に適宜変更することができる。
【0078】
上述した各実施の形態では、ロードセル36をデッキ4側の取付用プレート33に固定する例を示したが、ロードセル36は、図12に示すようにステアリング軸31とともに回動するように構成することができる。
図12は規制手段の他の実施の形態を示す断面図で、同図において、前記図1〜図5によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0079】
図12に示すステアリング軸31は、ハンドルバー29が上端部に取付けられた上部ステアリング軸31aと、この上部ステアリング軸31の下端部にロードセル36を介して接続された下部ステアリング軸31bとによって構成されている。前記上部ステアリング軸31aは、下端部に可動ストッパーとしての押圧片71が突設され、前記下部ステアリング軸31bは、前記押圧片71を収容する接続用ボックス72が一体的に形成されている。この接続用ボックス72内には、前記押圧片71の両側方に位置するようにロードセル36が配設されている。
【0080】
このロードセル36は、一端の検出子36aが他端側の圧縮コイルばね73の弾発力によって前記押圧片71に押し付けられるように前記ボックス72の内部に装填されている。すなわち、操船者がハンドルバー29に加えた力は、上部ステアリング軸31aの押圧片71からロードセル36と圧縮コイルスプリング73とを介して前記ボックス72(下部ステアリング軸31b)に伝達される。
図6において、符号74で示すものは、前記接続用ボックス72の回動を規制するための固定ストッパーとしての受圧部材である。この受圧部材74は、デッキ4に固定されている。
このように規制手段を構成しても第1および第2の実施の形態を採るときと同等の効果を奏する。
【0081】
上述した第1〜第3の実施の形態では、エンジン11の出力を増大させるためにスロットル弁24の開度をサーボモータ41で変える例を示したが、スロットル弁24を制御する代わりに、スロットル弁24を迂回するような補助吸気通路を設け、この補助吸気通路に介装した電磁式開閉弁を操舵制御時に開く構成を採ることができる。また、上述した第1〜第4の実施の形態では、ロードセル36に加えられた荷重の大きさに対応する角度をもってスロットル弁24、補助ディフレクター51,52およびラダー61などの作動子を回動させる例を示したが、これらの作動子は、ON,OFF動作するように一定角度だけ回動するように構成することもできる。
【0082】
(第5の実施の形態)
上述した各実施の形態では本発明を小型滑走艇の操舵系に適用する例を示したが、本発明は、図13に示すように、船外機の操舵系に適用することもできる。
図13は船外機用操舵補助装置を示す斜視図である。これらの図において、前記図1〜図12によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0083】
図13において、符号81で示すものは、船外機用操舵装置である。この船外機用操舵装置81は、例えば特開平6−107286号公報に開示されたものと同等のもので、船体(図示せず)側に設けられた操舵ハンドル82を操作することによって、油圧シリンダ83が船外機84の操舵アーム85を左右方向に揺動させる構成が採られている。
【0084】
前記操舵ハンドル82は、ピニオン86が設けられており、このピニオン86に噛合したラック87を左右方向に移動させるように構成されている。このラック87の移動がケーブル88を介して油圧切換装置89に伝達されることにより、この油圧切換装置89によって前記油圧シリンダ83の油圧回路が切換えられ、前記操舵アーム85が油圧シリンダ83によって操舵方向と対応する方向に揺動させられる。
【0085】
前記ラック87は、ロードセルアーム35が一端部に突設されており、このロードセルアーム35がロードセル36に対接することによって移動が規制される。この実施の形態では、操舵補助装置2のコントローラ28およびスロットル操作用サーボモータ41が船外機84に装備され、前記ロードセル36に加えられた荷重が予め定めた荷重を上回ったときに、この船外機84のスロットル弁(図示せず)の開度を増大させる構成が採られている。スロットル弁の制御方法は、上述した各実施の形態での制御方法と同等である。なお、ロードセル35は、前記ラック87に設ける代わりに、油圧シリンダ83のピストンロッド83aに固定された連結用バー83bに設けることもできる。
【0086】
このように本発明に係る操舵制御装置を船外機に装備することにより、操舵ハドル82を操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することによって、この力がロードセル36により検出されて船外機84の推進力が増大するから、船外機84で駆動される船舶を自然な感覚で操船することができる。なお、船外機84によって駆動される船舶に本発明を適用するに当たっては、操舵装置はこの実施の形態に示すものに限定されることはなく、適宜変更することができる。
【0087】
(第6の実施の形態)
上述した第1〜第5の実施の形態を実施するに当たって使用するロードセルは、図14ないし図17に示すように構成することができる。
図14は規制手段の他の実施の形態を示す平面図、図15はセンサーユニットの構成を示す断面図で、同図の破断位置を図14中にXV−XV線で示す。図16はセンサーユニットを取付用プレートに取付けた状態を示す斜視図で、同図はセンサーユニットの一部を破断してその内部が露出する状態で描いてある。図17はセンサーユニットの端部に緩衝部材を設けた例を示す断面図である。これらの図において、前記図1〜図13によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0088】
図14〜図17において、符号101で示すものは、2個のロードセル36,36を有するセンサーユニット101である。このセンサーーユニットは、図15に示すように、前記2個のロードセル36,36と、これらのロードセル36,36を保持するセンサーハウジング102と、このセンサーハウジング102内に弾装された皿ばね103などによって構成され、図14に示すように、操舵ハンドル6の取付用プレート33に取付用ボルト104,105によって固定されている。このセンサーユニット101が取付けられる位置は、ステアリング軸31に対して船体の前方(図14においては左方)にロードセル36が位置付けられるように設定されている。
【0089】
前記ステアリング軸31に設けられたロードセルアーム35は、図14に示すように、ステアリング軸31から左右方向の両側方に突出する右操舵用アーム本体35aと左操舵用アーム本体35bとが一体に形成され、これらのアーム本体35a,35bによってロードセル36を押圧する構成が採られている。右操舵用アーム本体35aは、図示していないハンドルバーを右方向へ操舵することによって、図14の下側に位置する右操舵用のロードセル36を押圧する。左操舵用アーム本体35bは、ハンドルバーを左方向へ操舵することによって、図14の上側に位置する左操舵用のロードセル36を押圧する。
【0090】
前記センサーユニット101の2個のロードセル36は、図15に示すように、検出子36aが圧縮されたときの透磁率の変化をセンサーコイル36bによって検出する磁歪式のもので、右操舵用のものと左操舵用のものとで対をなし、図14に示すように、ステアリング軸31の軸線方向から見てV字状を呈するように配設されている。また、これらのロードセル36は、検出子36aの先端面が受圧面106となるように形成されており、この受圧面106が前記アーム本体35a,35bの回動軌跡となる仮想円C(図14参照)の上に位置付けられ、かつロードセル36の軸線が前記仮想円Cの接線と平行となるようにセンサーハウジング102を介して取付用プレート33に固定されている。
【0091】
前記センサーハウジング102は、非磁性材によって形成され、図15に示すように、底壁107と、両端部の縦壁108と、中央部の受圧壁109などが一体に形成されている。センサーハウジング102を形成する非磁性材料としては、アルミニウム合金、ステンレス鋼、プラスチックなどが挙げられる。この実施の形態によるセンサーハウジング102は、アルミニウム合金を材料としてダイキャスト法によって所定の形状に成形されている。
【0092】
前記底壁107は、センサーハウジング102の一端から他端へ延設され、ステアリング軸31の軸線方向から見てV字状を呈するように形成されている。前記縦壁108と受圧壁109は、前記底壁107から起立するように形成されており、縦壁108は、ロードセル36の検出子36aが貫通する貫通穴108aが穿設されている。前記受圧壁109は、ロードセル36の後端面(検出子36aの受圧面106とは反対側に位置する端面)と平行な受圧面109aが両面に形成されている。この受圧面109aとロードセル36の後端面のとの間に、ロードセル36を前記縦壁108に押し付けて保持する前記皿ばね103が弾装されている。
【0093】
このようにセンサーハウジング102にロードセル36と皿ばね103とが装着されてなる組立体は、封止樹脂110によって封止されている。この封止樹脂110は、弾性変形可能な合成樹脂材料からなり、前記組立体が予め装填されたモールド金型(図示せず)のキャビティに充填され、このモールド金型によって所定の形状に成形されている。この封止樹脂110は、ロードセル36における前記受圧面106を除く他の部位の全域と、皿ばね103と、センサーハウジング102の内面の全域および縦壁108の外面とを覆っている。この実施の形態においては、封止樹脂110における前記縦壁108の外面を覆う部位に受圧板111が接着されている。この受圧板111は、ステンレス鋼などの金属の非磁性材料によって形成され、前記受圧面106に接触している。このように受圧板111が設けられることにより、前記受圧面106の実質的な受圧面積が増大する。
【0094】
前記受圧板111は、図17に示すように、衝撃吸収材112を設けることができる。図17に示す受圧板111は、2枚の金属板111a,111bと、これらの金属板どうしの間に挟持された高分子ゲルからなる衝撃吸収材112とから構成されている。前記衝撃吸収材112は、柔軟性を有する合成樹脂材料によって形成されている。
上述したように受圧板111を形成することによって、外側の金属板111bにロードセルアーム35から加えられた衝撃がロードセル36に伝達されるのを衝撃吸収材112によって防ぐことができる。
【0095】
図14〜図17に示すセンサーユニット101を使用しても前記第1〜第5の実施の形態を採るときと同様に操舵力を検出することができ、これらの実施の形態と同等の効果を奏する。
この実施の形態によれば、二つのロードセル36,36を一つのセンサーハウジング102によって保持することができるから、ロードセル36毎にセンサーーハウジングを設けてそれぞれ船体側の取付用プレート33に固定する場合に較べて部品数を低減することができる。
【0096】
この実施の形態においては、右操舵用ロードセル36と左操舵用ロードセル36とがステアリング軸31の軸線方向から見てV字状を呈するように配設され、これらのロードセル36におけるロードセルアーム35との接触部は、前記ロードセルアーム35の回動軌跡となる仮想円C上に位置付けられ、これらのロードセル36の軸線は前記仮想円Cの接線と平行になっているから、二つのロードセル36,36とセンサーハウジング102とからなる組立体を必要最小限度の大きさにコンパクトに形成することができる。
【0097】
この実施の形態においては、ロードセル36の受圧面106を除く他の部位がセンサーハウジング102内に弾性変形可能な封止樹脂110によって封止されているから、ロードセルアーム35からロードセル36に加えられた衝撃を封止樹脂110を介してセンサーハウジング102に広く分散させることができる。このため、前記衝撃が加えられたときにロードセル36で発生するいわゆるスパイク信号を低減することができる。また、水がロードセル36に浸入するのを封止樹脂110によって阻止することができるから、防水性を向上させることができる。
【0098】
この実施の形態においては、センサーハウジング102が非磁性材料によって形成されているから、ロードセル36の周囲の磁界がセンサーハウジング102によって乱されることがなく、ロードセル36の検出子の透磁率変化を高い精度で検出することができる。
【0099】
(第7の実施の形態)
センサーユニットは、図18ないし図20に示すように電気回路基板を内蔵することができる。
図18はロードセル用アンプを内蔵するセンサーユニットの断面図、図19は電気回路基板をセンサーユニットに内蔵させるとともに衝撃吸収材をロードセルアームに設ける例を示す図で、同図(a)はセンサーユニットとロードセルアームの平面断面図、同図(b)はセンサーユニットの縦断面図である。図20は電気回路基板を備えるとともにロードセルの装着方向を変えたセンサーユニットの断面図である。これらの図において、前記図1〜図17によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0100】
図18に示すセンサーユニット101は、ロードセル36を封止した封止樹脂110の上方に電気回路基板121が設けられている。この電気回路基板121は、ロードセル36を動作させるために必要な例えばアンプなどを構成するためのもので、図示していない電子部品が実装され、リード122によってロードセル36に接続されている。また、この電気回路基板121は、シリコンゲルなどの衝撃吸収材料123によって水密となるように封止されており、この衝撃吸収材料123によって封止樹脂110の上に保持されている。
【0101】
図19に示すセンサーユニット101は、センサーハウジング102にロードセル36が固定され、ロードセル36の検出子36aがロードセルアーム35側に突出するように形成されている。すなわち、この実施の形態によるセンサーユニット101は、図14〜図18に示す実施の形態のものとは異なり、内部に皿ばねは設けられていない。また、前記センサーハウジング102の上部には、図19(b)に示すように、シリコンゲルなどの衝撃吸収材料123を介して電気回路基板121が保持されている。
【0102】
この実施の形態を採るときに用いるロードセルアーム35は、右操舵用アーム本体35aと左操舵用アーム本体35bの回動端部に緩衝部材124が設けられている。この緩衝部材124は、金属材料からなるヘッド125と受圧板126との間に衝撃吸収材112を介装してなる押圧子127と、この押圧子127をセンサーユニット101側へ押圧する皿ばね128とから構成されている。
図19(a)において、電気回路基板121に接続した符号129で示すものは、コントローラ(図示せず)に電気回路基板121を電気的に接続するためのコネクタである。
【0103】
図19に示す実施の形態によれば、衝撃がロードセル36に加えられるのを阻止する緩衝部材124がロードセルアーム35に設けられ、ロードセル36や電気回路基板121などの通電される部品がセンサーユニット101に設けられているから、衝撃緩和用の部品と電気系の部品とを個別に形成することができる。すなわち、これらが一つのセンサーユニット101に混在する場合に較べて、一方が他方を干渉することがないから、信頼性を向上させることができる。特に、ロードセル36がセンサーハウジング102に対して移動することがないから、リード122が疲労により折損することがない。また、ロードセルアーム35に設けるばね部材として皿ばね128の他に板ばねやコイルばねなどを使用することができるから、設計上の自由度が高くなる。
【0104】
図20に示すセンサーユニット101は、上述した各実施の形態で示したセンサーユニットに較べてロードセル36が逆方向を指向する状態で取付けられている。すなわち、ロードセル36は、検出子36aの先端面がセンサーハウジング102の受圧壁109に当接し、前記先端面とは反対側に位置する後端面36cがセンサーハウジング102の外に露出している。この実施の形態では、2個のロードセル36,36どうしの間に電気回路基板121が配設されている。
【0105】
図18〜図20に示したようにセンサーユニット101内に電気回路基板121を設けることにより、ロードセル36と電気回路基板121とを一体的に形成することができるから、これら両者を温度が互いに一致する状態で使用することができ、温度特性を改善することができる。ロードセル36に内蔵されているトルク検出コイルのインピーダンスは、荷重のみならず温度によっても変化するため、このセンサーユニット101においては温度を補償する構成が採られている。すなわち、このセンサーユニット101においては、荷重が加えられたロードセル36の検出コイルと、荷重が加えられていないロードセル36の検出コイルとの間で差動増幅回路によりそれぞれの検出コイルに対応するコイルのインピーダンスとの差動をとることによって、温度補償が行われるように構成されている。この実施の形態で示したように、左右のロードセル36(検出コイル)と電気回路基板121とを一体的に形成することにより、左右の温度容量を均等化し、左右の検出コイルに生じる温度差を最小限にすることにより左右での温度変化のばらつきが無くなるから、上述したように温度特性を改善することができる。
【0106】
また、ロードセル36と電気回路基板121とを接続するリードを可及的短く形成することができるから、外来のノイズの影響を受け難くすることができる。また、電気回路基板121は、シリコンゲルなどの衝撃吸収材料123によって水密となるように封止されているから、電気回路基板121に衝撃が伝達されるのを阻止することができ、しかも、電気回路基板121に水が浸入するのを衝撃吸収材料によって阻止することができる。
【0107】
前記第1〜第7の実施の形態においては、操舵範囲を規制する規制手段にロードセル36の検出子36aが介装され、この検出子36aが操舵力によって圧縮されたときの透磁率の変化を検出する構成が採られているから、操舵範囲を規制する規制手段の一つの部品としてロードセル36を装備することができる。このため、専ら操舵力を検出するためにロードセル36を操舵装置に設ける場合に較べると構造が簡単になる。なお、このように操舵力を検出するに当たってロードセル36に圧縮力が加えられる場合には、図示してはいないが、磁歪式のロードセル36の代わりに、導電性ゴムからなる検出子が圧縮されたときの電気抵抗の変化を検出する電気抵抗式のロードセルを用いることができる。
【0108】
(第8の実施の形態)
操舵ハンドルの操舵範囲を規制する規制手段は、図21および図22に示すように形成することができる。
図21および図22は船体側とステアリング軸側とを連結すリンクによって操舵範囲を規制する規制手段にロードセルを設ける例を示す図である。これらの図において、前記図1〜図20によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0109】
図21に示す規制手段131は、船体側の固定部材132とステアリング軸31との間に介装された第1のテンションロッド133と第2のテンションロッド134とを有するリンク135によって構成されている。第1のテンションロッド133と第2のテンションロッド134との連結部は、図21(a)〜(c)に示すように、一方が他方に対して回動し、操舵時に両テンションロッド133,134が屈曲したり伸長したりすることができるように回動自在に連結されている。また、この連結部には、同図(b)に示すように、操舵ハンドルを船体が直進するように操舵したときに前記両テンションロッド133,134が必ず同じ方向に屈曲するように引張りコイルばね136が弾装されている。
【0110】
第1および第2のテンションロッド133,134のうち、船体側に位置する第1のテンションロッド133は、磁歪材料によって形成されてセンサーコイル137が設けられており、この実施の形態によるロードセル36の検出子36aを構成している。このロードセル36は、第1のテンションロッド133に作用する引張力の変化を透磁率の変化として検出する磁歪式のものである。
【0111】
図22に示す規制手段141は、船体側の固定部材142とステアリング軸31との間に介装された第1〜第3のテンションロッド143〜145とを有するリンク146によって構成されている。前記第1のテンションロッド143は、内部にロードセル36が2個設けられている。これらのロードセル36,36は、互いに直列状に接続されており、第2のテンションロッド144から検出子36aに常に押圧力が加えられている。この押圧力は、第1のテンションロッド143と第2のテンションロッド144との接続部分に弾装された皿ばね147によって付与されている。
【0112】
すなわち、この規制手段によれば、操舵ハンドルを例えば左側に操舵し、図22中に二点鎖線で示すように、第1〜第3のテンションロッド143〜145が一直線状に並ぶことによって、操舵が規制されるようになる。この状態で操舵ハンドルに加える力を増大させることによって、第2のテンションロッド144が皿ばね147の弾発力に抗して引かれ、ロードセル36を押圧する力が低減するから、このときの操舵力をロードセル36によって検出することができる。
【0113】
図21および図22に示すように規制手段131,141を構成し、この規制手段にロードセル36を組込むことによっても上述した各実施の形態と同等の効果を奏する。すなわち、規制手段131,141の一つの部品としてロードセル36を装備することができるから、専ら操舵力を検出するためにロードセル36を操舵装置に設ける場合に較べると構造が簡単になる。このため、コストダウンを図りながら、操舵性を向上させることができる。
【0114】
この実施の形態で示したように、リンクを用いて規制手段を構成し、リンクにロードセル36を設ける構成を採ることによって、左操舵時と右操舵時とで一つのロードセル36によって操舵力を検出することができるから、ロードセル36を左右に対をなすように二つ設ける場合に較べてロードセル36の出力調整を行う必要がない。
【0115】
図21に示すようにテンションロッド自体をロードセル36の検出子として使用することにより、構造が簡単になり、コストダウンを図ることができる。
また、図22に示すように、ばね部材によってロードセル36に予め荷重を加え、操舵力によって前記荷重を減少させる構成を採ることにより、ロードセル36に加えられる最大荷重を簡単に設定することができるから、設計上の自由度が高くなる。
【0116】
(第9の実施の形態)
ロードセル36は、図23に示すように構成することができる。
図23は捻り力を検出するロードセンサを用いる例を示す図で、同図(a)は操舵装置の分解斜視図、同図(b)はロードセルの断面図である。これらの図において、前記図1〜図22によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0117】
図23(a)に示すステアリング軸31は、下端部にこの実施の形態によるロードセル36の検出子36aを介してステアリングアーム15が接続されている。このロードセル36は、図23(b)に示すように、筒状を呈するように形成されたセンサーハウジング151と、このセンサーハウジング151の内部に軸受152,153を介して回動自在に支持されてステアリング軸31とともに回動する軸からなる検出子36aと、この検出子36aの外周面とセンサーハウジング151の内周面との間に設けられたセンサーコイル154などを備え、船体側ブラケット155に支持されている。このロードセル36は、前記検出子36aが捻られたときの透磁率の変化を検出する磁歪式のものである。
【0118】
前記検出子36aは、磁歪材料からなり、外周面に多数の歯が形成されている。この検出子36aは、最大操舵角度まで操舵ハンドルが操舵された状態でさらに操舵ハンドルを操舵することによって捻られる。このように検出子36aが捻られると、その透磁率が変化し、さらに、この透磁率の変化をセンサーコイル154が検出する。
【0119】
したがって、この実施の形態によれば、一つのロードセル36によって右操舵時と左操舵時の操舵力を検出することができるから、ロードセル36を複数使用する場合に較べて構造が簡単になる。このため、コストダウンを図りながら、操舵性を向上させることができる。しかも、ロードセルを左右に対をなすように二つ設ける場合に較べてロードセル36の出力調整を行う必要がない。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、操舵装置を操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することによって、この力がロードセル36により検出されて推進装置の推進力が増大するから、操船者は、自然な感覚で操船することができる。
【0121】
請求項2記載の発明によれば、操舵ハンドルを操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することによって、この力がロードセル36により検出されてウォータージェット推進装置の推進力が増大するから、操船者は、ウォータージェット推進装置を搭載した船舶を自然な感覚で操船することができる。
【0122】
請求項3記載の発明によれば、操舵ハンドルを操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することにより、ノズルディフレクターから噴出される水の量が増大するとともに、この水の噴出する方向が補助ディフレクターによって変えられて実質的な操舵角度が大きくなる。このため、進行方向が速く変わるようになるから、より一層円滑に操船を行うことができる。
【0123】
請求項4記載の発明によれば、操舵装置を操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することによって、この力がロードセル36により検出されてノズルディフレクターから噴出する水の方向が補助ディフレクターによって変えられ、実質的な操舵角度が大きくなる。このため、航走時により一層舵が効き易くなり、操船者の意図したとおりに操船をすることがさらに容易になる。
【0124】
請求項5記載の発明によれば、操舵装置を操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することによって、この力がロードセル36により検出されてラダーが下り、操舵力が発生していない通常の航走時にはラダーが上昇し収納される。したがって、操舵力が発生していない通常の航走時にはラダーが上昇し収納されているので、船舶が浅瀬を航走する場合にラダーが海中の障害物に接触することがなく、浅瀬航走の支障になることがない。
【0125】
請求項6記載の発明によれば、操舵ハンドルを操舵角度が最大になるように操舵した状態でさらに力を加えて操舵することによって、この力がロードセル36により検出されてラダーが下り、操舵性が向上する。このため、操船者は、ウォータージェット推進装置を搭載した船舶を自然な感覚で操船することができる。
【0126】
請求項7記載の発明によれば、ラダーがノズルディフレクターとともに左右方向に回動するから、専らラダーを左右方向に回動させる操作機構が不要になる。このため、コストダウンを図りながら、操舵性を向上させることができる。
【0127】
請求項8記載の発明によれば、ロードセル36が規制手段の一つの部品として機能するから、専ら操舵力を検出するためにロードセル36を操舵装置に設ける場合に較べて構造が簡単になる。このため、コストダウンを図りながら、操舵性を向上させることができる。
【0128】
請求項9記載の発明によれば、ロードセル36が規制手段の一つの部品として機能するから、専ら操舵力を検出するためにロードセル36を操舵装置に設ける場合に較べて構造が簡単になる。このため、コストダウンを図りながら、操舵性を向上させることができる。
【0129】
請求項10記載の発明によれば、二つのロードセル36を一つのセンサーーハウジングによって保持することができるから、ロードセル36毎にセンサーーハウジングを設けてそれぞれ船体側の固定ストッパーに固定する場合に較べて部品数を低減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0130】
請求項11記載の発明によれば、二つのロードセル36とセンサーーハウジングとからなる組立体を必要最小限度の大きさに形成することができる。このため、前記組立体をコンパクトに形成することができ、コストダウンを図ることができる。
【0131】
請求項12記載の発明によれば、ステアリング軸31側の可動ストッパーからロードセル36に加えられた衝撃を封止用の合成樹脂材料を介してセンサーハウジングに広く分散させることができるから、いわゆるスパイク信号を低減することができる。また、水がロードセル36に浸入するのを合成樹脂材料によって阻止することができるから、防水性を向上させることができる。
【0132】
請求項13記載の発明によれば、、ロードセル36と電気回路基板121とを一体的に形成することができるから、これら両者を温度が互いに一致する状態で使用することができる。このため、温度特性を改善することができる。また、ロードセル36と電気回路基板121とを接続する配線を可及的短く形成することができるから、外部のノイズの影響を受け難くすることができる。
【0133】
請求項14記載の発明によれば、電気回路基板121に衝撃が伝達されるのを阻止することができるから、信頼性を向上させることができる。また、電気回路基板121に水が浸入するのを衝撃吸収材料によって阻止することができるから、防水性を向上させることができる。
【0134】
請求項15記載の発明によれば、ロードセル36の検出子の透磁率変化を高い精度で検出することができるから、磁気特性に優れ、操舵力の大きさを高い精度をもって検出することができる。
【0135】
請求項16記載の発明によれば、操舵範囲を規制する規制手段の一つの部品としてロードセル36を装備することができるから、専ら操舵力を検出するためにロードセル36を操舵装置に設ける場合に較べると構造が簡単になる。このため、コストダウンを図りながら、操舵性を向上させることができる。
【0136】
請求項17記載の発明によれば、一つのロードセル36によって右操舵時と左操舵時の操舵力を検出することができるから、ロードセル36を複数使用する場合に較べて構造が簡単になる。このため、コストダウンを図りながら、操舵性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る操舵補助装置を装備した小型滑走艇の平面図である。
【図2】本発明に係る操舵補助装置の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る操舵補助装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る操舵補助装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】操舵補助装置の他の実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図6】補助ディフレクターを装備した操舵補助装置の構成を示す斜視図である。
【図7】補助ディフレクターを拡大して示す斜視図である。
【図8】ノズルディフレクターと補助ディフレクターの動作を説明するための平面図である。
【図9】ラダーを備えた小型滑走艇の要部を示す斜視図である。
【図10】ノズルディフレクターとラダーの側面図である。
【図11】ラダーを制御するコントローラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】規制手段の他の実施の形態を示す断面図である。
【図13】船外機用操舵補助装置を示す斜視図である。
【図14】規制手段の他の実施の形態を示す平面図である。
【図15】センサーユニット101の構成を示す断面図である。
【図16】センサーユニット101を取付用プレートに取付けた状態を示す斜視図である。
【図17】センサーユニット101の端部に緩衝部材を設けた例を示す断面図である。
【図18】ロードセル36用アンプを内蔵するセンサーユニット101の断面図である。
【図19】電気回路基板121をセンサーユニット101に内蔵させるとともに衝撃吸収材をロードセルアーム35に設ける例を示す図である。
【図20】電気回路基板121を備えるとともにロードセル36の装着方向を変えたセンサーユニット101の断面図である。
【図21】船体側とステアリング軸31側とを連結すリンクによって操舵範囲を規制する規制手段にロードセル36を設ける例を示す図である。
【図22】船体側とステアリング軸31側とを連結すリンクによって操舵範囲を規制する規制手段にロードセル36を設ける例を示す図である。
【図23】捻り力を検出するロードセンサを用いる例を示す図である。
【符号の説明】
1…小型滑走艇、2…操舵補助装置、3…船体、7…ウォータージェット推進装置、6…操舵ハンドル、11…エンジン、13…ノズルディフレクター、16…舵、24…スロットル弁、28…コントローラ、31…ステアリング軸、31a…上部ステアリング軸、31b…下部ステアリング軸、33…取付用プレート、34,131,141…規制手段、35…ロードセルアーム、36…ロードセル、36a…検出子、41…サーボモータ、48…サーボモータコントローラ、51,52…補助ディフレクター、61…ラダー、71…押圧片、72…接続用ボックス、84…船外機、101…センサーユニット、102…センサーハウジング、110…封止樹脂、112…衝撃吸収材、121…電気回路基板、123…衝撃吸収材料、135,146…リンク。
Claims (17)
- 船舶の操舵装置に、操舵ハンドルが最大操舵角度となるように操舵された状態で操舵ハンドルに加えられた操舵力を検出するロードセルを設け、前記ロードセルの出力に対応させて推進装置の推進力を増大させる制御装置を備えたことを特徴とする船舶の操舵補助装置。
- 請求項1記載の船舶の操舵補助装置において、推進装置をウォータージェット推進装置とするともに、操舵装置を、操舵ハンドルを回動させることにより前記ウォータージェット推進装置のノズルディフレクターが連動して回動する構成としたことを特徴とする船舶の操舵補助装置。
- 請求項2記載の船舶の操舵補助装置において、ノズルディフレクターから噴出した水の流れる方向を変える補助ディフレクターをノズルディフレクターに左右方向に回動自在に設け、制御装置は、ロードセルの出力に対応させて補助ディフレクターの回動角度を制御する構成とされていることを特徴とする船舶の操舵補助装置。
- ウォータージェット推進装置が搭載された船舶の操舵装置を、操舵ハンドルを回動させることにより前記ウォータージェット推進装置のノズルディフレクターが連動して回動する構成とし、この操舵装置に、操舵ハンドルが最大操舵角度となるように操舵された状態で操舵ハンドルに加えられた操舵力を検出するロードセルを設け、前記ノズルディフレクターから噴出した水の流れる方向を変える補助ディフレクターをノズルディフレクターに左右方向に回動自在に設け、前記ロードセルの出力に対応させて補助ディフレクターの回動角度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする船舶の操舵補助装置。
- 船舶の操舵装置に、操舵ハンドルが最大操舵角度となるように操舵された状態で操舵ハンドルに加えられた操舵力を検出するロードセルを設け、船舶の航走方向を変えるラダーを昇降可能に設け、前記ロードセルの出力に対応させて前記ラダーの昇降動作を制御する制御装置を備えたことを特徴とする船舶の操舵補助装置。
- 請求項5記載の操舵補助装置において、推進装置をウォータージェット推進装置とし、操舵装置を、操舵ハンドルを回動させることにより前記ウォータージェット推進装置のノズルディフレクターが連動して回動する構成としたことを特徴とする船舶の操舵補助装置。
- 請求項6記載の操舵補助装置において、ラダーをノズルディフレクターに昇降可能に設けたことを特徴とする操舵補助装置。
- 請求項1ないし請求項7のうち何れか一つの船舶の操舵補助装置において、ロードセルは、船体側の固定ストッパーにステアリング軸側の可動ストッパーが当接することにより操舵範囲を規制する規制手段に介装された検出子を有し、この検出子が操舵力によって圧縮されたときの透磁率の変化を検出する磁歪式のものである船舶の操舵補助装置。
- 請求項1ないし請求項7のうち何れか一つの船舶の操舵補助装置において、ロードセルは、船体側の固定ストッパーにステアリング軸側の可動ストッパーが当接することにより操舵範囲を規制する規制手段に介装された導電性ゴムからなる検出子を有し、この検出子が操舵力によって圧縮されたときの電気抵抗の変化を検出するものである船舶の操舵補助装置。
- 請求項8または請求項9記載の船舶の操舵補助装置において、ステアリング軸側の可動ストッパーとロードセルとをそれぞれ右操舵用と左操舵用とで対をなすように設け、右操舵用ロードセルと左操舵用ロードセルとを一つのセンサーハウジングに収納し、このセンサーハウジングを介して船体側の固定ストッパーに固定してなる船舶の操舵補助装置。
- 請求項10記載の船舶の操舵補助装置において、右操舵用ロードセルと左操舵用ロードセルとを、ステアリング軸の軸線方向から見てV字状を呈するように配設し、これらのロードセルにおけるステアリング軸側の可動ストッパーとの接触部を、前記可動ストッパーの回動軌跡となる仮想円上に位置付け、これらのロードセルの軸線を前記仮想円の接線と平行としてなる船舶の操舵補助装置。
- 請求項10または請求項11記載の船舶の操舵補助装置において、ロードセルにおける受圧面を除く他の部位をセンサーハウジング内に弾性変形可能な合成樹脂材料によって封止してなる船舶の操舵補助装置。
- 請求項10ないし請求項12のうち何れか一つの船舶の操舵補助装置において、ロードセルに接続された電気回路基板がロードセルとともにセンサーハウジング内に収納されている船舶の操舵補助装置。
- 請求項13記載の船舶の操舵補助装置において、電気回路基板は、衝撃吸収材料によって水密となるように封止されている船舶の操舵補助装置。
- 請求項10ないし請求項14のうち何れか一つの船舶の操舵補助装置において、センサーハウジングを非磁性材料によって形成してなる船舶の操舵補助装置。
- 請求項1ないし請求項7のうち何れか一つの船舶の操舵補助装置において、ロードセルは、船体側とステアリング軸側とを連結するリンクによって操舵範囲を規制する規制手段に設けられ、前記リンクに作用する引張力の変化を透磁率の変化として検出する磁歪式のものである船舶の操舵補助装置。
- 請求項1ないし請求項7のうち何れか一つの船舶の操舵補助装置において、ロードセルは、操舵範囲を規制する規制手段とステアリング軸との間に介装されてステアリング軸とともに回動する検出子を有し、この検出子が操舵力によって捻られたときの透磁率の変化を検出する磁歪式のものである船舶の操舵補助装置。
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