JP2004155054A - 成形金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、表面層に該表面層を構成する合成樹脂と異なる種類の樹脂で形成された図柄が露出し且つこの図柄の露出端面が被覆フィルムで被覆されてなる合成樹脂成形品を連続的に製造可能な成形金型を提供する。
【解決手段】本発明の成形金型は、金型1a、1bに第一、第二移動金型2a、2bを対向させて、第一、第二移動金型2a、2bを金型1a、1bに交互に接合させ、一方の金型1aと第一、第二移動金型2a、2bとによって中間成形空間部3aを形成する一方、他方の金型1bと第一、第二移動金型2a、2bとによって最終成形空間部3bを形成した成形金型において、一方の金型1aを固定台部11a と可動金型部12a とにより形成し、固定台部11a と可動金型部12a との間に装飾フィルム4を介入させるようにすると共に可動金型部12a に立体成形孔部122aを設け、更に、最終成形空間部3bのパーティクル面11b で立体成形部分B1の先端部を受止させるように構成している。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の成形金型は、金型1a、1bに第一、第二移動金型2a、2bを対向させて、第一、第二移動金型2a、2bを金型1a、1bに交互に接合させ、一方の金型1aと第一、第二移動金型2a、2bとによって中間成形空間部3aを形成する一方、他方の金型1bと第一、第二移動金型2a、2bとによって最終成形空間部3bを形成した成形金型において、一方の金型1aを固定台部11a と可動金型部12a とにより形成し、固定台部11a と可動金型部12a との間に装飾フィルム4を介入させるようにすると共に可動金型部12a に立体成形孔部122aを設け、更に、最終成形空間部3bのパーティクル面11b で立体成形部分B1の先端部を受止させるように構成している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面層に該表面層を構成する合成樹脂と異なる種類の合成樹脂で形成された立体成形部分が露出し且つこの立体成形部分の端面が被覆フィルムで被覆された合成樹脂成形品を製造するための成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プッシュ式電話機のボタン部等の合成樹脂成形品は、合成樹脂から形成された基材層と、この合成樹脂と異なる種類、特に色彩の異なる合成樹脂から形成され且つ上記基材層上に積層一体化された表面層とからなり、基材層表面に形成した数字等の図柄を表した立体成形部分の端面を表面層に露出させてなる。
【0003】
上記合成樹脂成形品は従来では次のようにして製造されていた。先ず、数字等の図柄を表した立体成形部分が表面に形成された基材層となる中間成形品を成形金型で成形する。そして、この中間成形品を別途、用意した成形金型内に配設した後、この中間成形品の立体成形部分の端面が露出した状態に、中間成形品表面に合成樹脂成形品を成形一体化させて表面層を積層一体化し、上記合成樹脂成形品を製造していた。
【0004】
しかしながら、上記の如く、先ず、基材層を構成する中間成形品を一の成形金型を用いて成形した後、この中間成形品を上記成形金型とは別の成形金型内に配設して中間成形品表面に表面層となる合成樹脂を成形一体化させるといった二つの工程を時間をおいて別々に行う必要があり、製造行程が煩雑であるといった問題があった。
【0005】
しかも、上記合成樹脂成形品における表面層から露出した立体成形部分の端面をメッキ等によって被覆する場合には、別途、立体成形部分の端面の被覆作業を行なう必要があり、この点においても煩雑であるといった問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、表面層に該表面層を構成する合成樹脂と異なる種類の樹脂で形成された図柄が露出し且つこの図柄の露出端面が被覆フィルムで被覆されてなる合成樹脂成形品を連続的に効率良く製造することができる成形金型を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の成形金型は、一定間隔を存して並設されている一対の金型に同大、同形のパーティクル面を有する第一移動金型と第二移動金型を対向させて、これらの第一、第二移動金型を上記一対の金型に交互に接合させることにより、一対の金型における一方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって中間成形空間部を形成する一方、他方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって上記中間成形空間部よりも大きい最終成形空間部を形成するように構成した成形金型において、上記一対の金型における一方の金型を固定台部とこの固定台部に対して接離可能な可動金型部とにより形成してこれらの固定台部と可動金型部との間に装飾フィルムを介入させるようにすると共に可動金型部に固定台部側に向かって貫通した立体成形孔部を設けてあり、更に、中間成形空間部によって形成された中間成形品を最終成形空間部内に移動させた時にこの最終成形空間部のパーティクル面で上記中間成形空間部で成形された中間成形品における上記立体成形孔部での立体成形部分の先端部を受止させるように構成していることを特徴とする。
【0008】
又、請求項2に記載の成形金型は、請求項1に記載の成形金型において、他方の金型のパーティクル面には、中間成形品における立体成形孔部での立体成形部分の先端部を収納するための収納凹部が凹設されていることを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明の成形金型を用いて合成樹脂成形品を製造する要領を説明する。一対の金型における一方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって形成された中間成形空間部で、基材層となる中間成形品を成形する。そして、この中間成形品の成形と同時に、該中間成形品における可動金型部の立体成形孔部で成形された立体成形部分の端面を装飾フィルムの一部から剥離させてなる被覆フィルムで被覆する。
【0010】
そして、第一、第二移動金型を一対の金型に対して入れ換えることにより、上記中間成形品を、一対の金型における他方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって形成された最終成形空間部内に移動させる。この状態では、中間成形品における立体成形孔部で成形された所望図柄を表す立体成形部分の先端部は、最終成形空間部のパーティクル面で受止された状態となっている。
【0011】
しかる後、最終成形空間部内に中間成形空間部内に注入した合成樹脂とは異種類の合成樹脂を注入して、基材層となる中間成形品の表面上にその立体成形部分の先端部が露出した状態に表面層を積層一体化して合成樹脂成形品を製造し取り出す。
【0012】
上記合成樹脂成形品の製造と同時に、上記中間成形空間部内に合成樹脂を注入して、上述と同様の要領で、端面が被覆フィルムで被覆された立体成形部分を有する中間成形品を成形する。
【0013】
次に、この中間成形品を上記と同様の要領で最終成形空間部内に移動させ、最終成形空間部内に、上記と同様の要領で合成樹脂を注入して合成樹脂成形品を製造し取り出すと同時に、中間成形空間部内に上記と同様の要領で合成樹脂を注入して中間成形品を成形する。
【0014】
このように、本発明の成形金型によれば、中間成形空間部内で、端面が被覆フィルムで被覆された立体成形部分を有する中間成形品を成形すると同時に、最終成形空間部内で、先に成形された中間成形品に表面層を積層一体化させることによって、基材層上にこの立体成形部分の先端部が露出した状態に表面層が積層一体化され且つ上記立体成形部分の先端面が被覆フィルムで被覆されてなる合成樹脂成形品を連続的にしかも効率良く製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の成形金型の一例を図面を参照しつつ説明する。成形金型Aは、図1に示したように、一定間隔を存して並設されている一対の金型1a、1bと、この金型1a、1bに対向し且つ互いに同大、同形のパーティクル面を有する第一移動金型2a、第二移動金型2bとからなり、第一移動金型2a及び第二移動金型2bは、上記一対の金型1a、1bの何れにも対応し、これら金型1a、1bとによって成形空間部を形成可能に構成されている。
【0016】
上記一対の金型1a、1bにおける一方の金型1aは、図1乃至図3に示したように、固定台部11a と、この固定台部11a の上端面に対して下端面が接離可能な可動金型部12a とからなり、この可動金型部12a は、その下端面を固定台部11a の上端面に密接させた状態において、第一移動金型2a及び第二移動金型2bの何れの移動金型とによっても同大、同形の中間成形空間部3aを形成する。
【0017】
そして、上記可動金型部12a には、そのパーティクル面121aと上記固定台部11a の上端面に対向する外面(下端面)との間に亘って立体成形孔部122aが貫通状態に貫設されており、この立体成形孔部122aによって中間成形空間部3a内で成形される中間成形品Bの表面に所望図柄を表す立体成形部分B1が成形される。なお、上記可動金型部12a を上記固定台部11a 上に密接させた状態における上記可動金型部12a の立体成形孔部122aの下端開口部に対向する上記固定台部11a の上端面部は、上記中間成形空間部3aのパーティクル面の一部を構成する。
【0018】
更に、上記固定台部11a と上記可動金型部12a との間には、装飾フィルム4が順次供給し介入されるように構成されている。なお、上記装飾フィルム4は、図1及び図5に示したように、長尺状の合成樹脂フィルム41の一面にアルミニウム箔や金箔等の装飾層42が一体的に層着されてなるものであり、この装飾層42は、溶融状態の合成樹脂を接触、固化させた上で引き離すと、合成樹脂が接触していた部分が合成樹脂側に分離、転写されるように構成されている。
【0019】
具体的には、図1のように、上記可動金型部12a の下端面が上記固定台部11aの上端面に密接した状態では、上記装飾フィルム4がその装飾層42で可動金型部12a の立体成形孔部122aの下端開口部を全面的に閉止した状態に上記可動金型部12a と上記固定台部11a との対向面間に挟持、固定される一方、図3のように、上記可動金型部12a が上記固定台部11a に対して上方に離間した状態では、上記装飾フィルム4は自由な状態となって所定長さだけ巻き出し可能な状態となって、上記装飾フィルム4の新しい部分を上記可動金型部12a と上記固定台部11a との対向面間に供給可能に構成されている。
【0020】
又、上記一対の金型1a、1bにおける他方の金型1bは、上記第一移動金型2a及び上記第二移動金型2bの何れの移動金型とによっても同大、同形の最終成形空間部3bを形成する。
【0021】
そして、上記他方の金型1bと、上記第一移動金型2a及び第二移動金型2bの何れかの移動金型とによって形成された最終成形空間部3bは、上記一方の金型1aと、上記第一移動金型2a及び上記第二移動金型2bの何れかの移動金型とによって形成された上記中間成形空間部3aよりも大きな成形空間部となるように構成され、上記最終成形空間部3bは、上記中間成形空間部3aで成形された中間成形品Bを収納可能に構成されている。
【0022】
更に、上記最終成形空間部3bを構成する一方の金型1bのパーティクル面11b には、上記中間成形空間部3aで成形した中間成形品Bの立体成形部分B1の先端部を全面的に収納する収納凹部111bが立体成形部分B1の先端部に対応して凹設されている。即ち、上記最終成形空間部3b内に中間成形品Bを収納すると、この中間成形品Bの立体成形部分B1の先端部の全てが最終成形空間部3bのパーティクル面11b に当接、受止された状態、即ち、このパーティクル面11b に凹設された上記収納凹部111b内に隙間なく嵌まって収納された状態となるように構成されている。
【0023】
一方、上記第一移動金型2a及び上記第二移動金型2bは、上述のように、互いに同大、同形のパーティクル面21a 、21b を有していると共に同一の移動台20に一体的に固着されており、上記第一移動金型2a及び上記第二移動金型2bを上記一対の金型1a、1bに対向させた状態に配設している。
【0024】
そして、上記移動台20を一対の金型1a、1bに近接させると、一方の金型1aと、上記第一移動金型2a及び上記第二移動金型2bのうちの何れか一方の移動金型とが接合すると同時に、他方の金型1bと、上記一方の金型1aと接合させた移動金型とは別のもう一方の移動金型とが接合し、一方の金型1aとこの金型1aに接合させた移動金型とで中間成形空間部3aが形成されると同時に、他方の金型1bとこの金型1bに接合させた移動金型とで最終成形空間部3bが形成されるように構成されている。
【0025】
逆に、上記移動台20を一対の金型1a、1bから離間させると、一方の金型1aとこの金型1aに接合させた移動金型が離間すると同時に、他方の金型1bとこの金型1bに接合させた移動金型も離間するように構成されている。
【0026】
更に、第一移動金型2a及び第二移動金型2bは、これら移動金型2a、2bを共に固着させている移動台20をその回転軸2cを中心にして回転させることによって、一対の金型1a、1bとの間の組み合わせを入れ換えることができるように構成されている。
【0027】
次に、上記成形金型Aを用いて合成樹脂成形品Cを製造する要領について説明する。先ず、図1に示したように、移動台20を金型1a、1b側に向かって近接させて、第一移動金型2aと一方の金型1aとを接合、型閉めして、第一移動金型2aのパーティクル面21a と金型1aの可動金型部12a のパーティクル面121aとによって中間成形空間部3aを形成すると同時に、第二移動金型2bと他方の金型1bとを接合、型閉めして、第二移動金型2bのパーティクル面21b と金型1bのパーティクル面11b とによって最終成形空間部3bを形成する。
【0028】
上記一対の金型1a、1bと第一、第二移動金型2a、2bの接合、型閉め動作と同時に、一方の金型1aにおける可動金型部12a の下端面と固定台部11a の上端面とを互いに密着させた状態とすると共に、可動金型部12a の下端面と固定台部11a の上端面との対向面間に装飾フィルム4をその装飾層42が可動金型部12a 側となり且つ可動金型部12a の立体成形孔部122aの固定台部11a 側開口端を閉止した状態に介入させる。
【0029】
しかる後、図2に示したように、上記中間成形空間部3a内に溶融状態の合成樹脂を注入して基材層となる中間成形品Bを成形する。図6に示したように、中間成形品Bの表面には、一方の金型1aにおける可動金型部12a の立体成形孔部122aにより成形された所望の図柄形状を有する立体成形部分B1が形成されており、更に、この立体成形部分B1の端面は、上記装飾フィルム4の装飾層42の一部(被覆フィルム42a )が全面的に一体化して被覆された状態となっている。
【0030】
一方、上記最終成形空間部3b内には、先に中間成形空間部3aで成形された中間成形品Bが移動、収納されている(図1参照)。この状態においては、上記中間成形品Bは、第二移動金型2bに対向する面を全面的に第二移動金型2bのパーティクル面21b に密着させられていると共に立体成形部分B1の先端部が全面的に他方の金型2bの収納凹部111b内に隙間なく嵌め込まれ収納された状態となっている。
【0031】
そして、図2に示したように、上記最終成形空間部3b内に、上記中間成形空間部3a内に注入した合成樹脂と異種類の合成樹脂を注入して、図7に示したように、基材層C1となる中間成形品Bの表面に表面層C2となる合成樹脂を成形一体化させて最終成形品である合成樹脂成形品Cを成形する。
【0032】
この時、中間成形品Bの立体成形部分B1の先端部は全面的に金型1bの収納凹部111b内に収納された状態となっており、立体成形部分B1の先端部や立体成形部分B1の先端面に付着させた被覆フィルム42a が最終成形空間部3b内に注入した溶融状態の合成樹脂の熱によって変質、変形したりすることはない。
【0033】
なお、金型1bのパーティクル面11b に収納凹部111bを凹設することなく、中間成形品Bの立体成形部分B1の先端面を全面的に他方の金型1bのパーティクル面11b に当接、受止させるだけでもよい。
【0034】
又、上記最終成形空間部3b内に注入した合成樹脂は、上記中間成形空間部3a内に注入した合成樹脂と異種類のものが用いられるが、この異種類の合成樹脂とは、分子量やモノマー成分等が異なるといった合成樹脂の種類が異なるものの他、合成樹脂は同一のものであっても合成樹脂に含有させた顔料等の添加物が異なって互いに色彩の異なる合成樹脂も含まれる。
【0035】
次に、図3に示したように、移動台20を一対の金型1a、1bから離間させて、この移動台20に一体的に固着させている第一、第二移動金型2a、2bを金型1a、1bから離間させて型開きし、最終成形空間部3bから最終成形品である合成樹脂成形品Cを取り出す。
【0036】
この合成樹脂成形品Cは、中間成形品Bから形成された基材層C1の表面に表面層C2が積層一体化されてなり、この表面層C2の表面には、所望図柄を表した立体成形部分B1の先端部が露出していると共にこの立体成形部分B1の先端面は全面的に被覆フィルム42a によって被覆されて優れた外観を呈している。
【0037】
そして、上記合成樹脂成形品Cの表面層C2から露出した立体成形部分B1の先端部は、表面層C2と異なる種類の合成樹脂から形成されており、立体成形部分B1が表す図柄を表面層C2上に際立たせた状態となっている。
【0038】
一方、上記中間成形空間部3aで成形した中間成形品Bを、第一移動金型2aのパーティクル面21a に付着させた状態のまま、一方の金型1aの可動金型部12a のパーティクル面121aから離脱させる。
【0039】
なお、上記中間成形品Bの立体成形部分B1の端面は、上記装飾フィルム4の装飾層42の一部が分離、転写された被覆フィルム42a によって全面的に被覆された状態となっている。
【0040】
そして、図4に示したように、上記移動台20を回転軸2cを中心にして回転させることによって、一対の金型1a、1bと第一、第二移動金型2a、2bとの組み合わせを入れ換える。即ち、第一移動金型2aを他方の金型1bに対向させると共に、第二移動金型2bを一方の金型1aに対向させた状態とする。
【0041】
これと同時に、一方の金型1aにおける可動金型部12a の下端面と固定台部11aの上端面とを離間させて、新しい装飾フィルム4を可動金型部12a と固定台部11a との間に供給して、可動金型部12a における立体成形孔部122aの固定台部11a側開口端に、装飾フィルム4の新しい装飾層42部分が対向した状態とする。
【0042】
しかる後、上記移動台20を一対の金型1a、1b側に向かって近接させて、第一移動金型2aと他方の金型1bとを接合、型閉めして最終成形空間部3bを形成すると同時に、第二移動金型2bと一方の金型1aとを接合、型閉めして中間成形空間部3aを形成する。なお、上記型閉めと同時に、一方の金型1aにおける可動金型部12a の下端面と固定台部11a の上端面とを密着させた状態とし、可動金型部12a の下端面と固定台部11a の上端面との間に装飾フィルム4を挟着、保持させた状態とする(図1参照)。
【0043】
なお、上記第一移動金型2aと上記第二移動金型2bとは、同大、同形のパーティクル面を有していることから、上記第二移動金型2bと一方の金型1aとによって形成された中間成形空間部3aと、上記第一移動金型2aと一方の金型1aとによって形成された中間成形空間部3aとは、同大、同形に形成されている一方、上記第一移動金型2aと他方の金型1bとによって形成された最終成形空間部3bと、上記第二移動金型2bと他方の金型1bとによって形成された最終成形空間部3bとは同大、同形に形成されている。
【0044】
すると、中間成形空間部3a内は空の状態となっている一方、最終成形空間部3b内においては、上記中間成形品Bが、第一移動金型2aのパーティクル面21a に付着した状態のままに最終成形空間部3b内に移動、収納された状態となっている。
【0045】
上記状態では、上記中間成形品Bは、上述と同様に、第一移動金型2aに対向する面を全面的に第一移動金型2aのパーティクル面21a に密着させられていると共に立体成形部分B1の先端部が全面的に他方の金型1bの収納凹部111b内に隙間なく嵌め込まれ収納された状態とされている。
【0046】
そして、上述と同様に、上記中間成形空間部3a内に溶融状態の合成樹脂を注入して中間成形品Bを成形すると同時に、上記中間成形空間部3a内に注入した合成樹脂とは異種類の合成樹脂を上記最終成形空間部3b内に注入して最終成形品である合成樹脂成形品Cを成形する。しかして、上記要領を繰り返すことによって、合成樹脂成形品Cを連続的にしかも効率良く製造することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の成形金型は、一定間隔を存して並設されている一対の金型に同大、同形のパーティクル面を有する第一移動金型と第二移動金型を対向させて、これらの第一、第二移動金型を上記一対の金型に交互に接合させることにより、一対の金型における一方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって中間成形空間部を形成する一方、他方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって上記中間成形空間部よりも大きい最終成形空間部を形成するように構成した成形金型において、上記一対の金型における一方の金型を固定台部とこの固定台部に対して接離可能な可動金型部とにより形成してこれらの固定台部と可動金型部との間に装飾フィルムを介入させるようにすると共に可動金型部に固定台部側に向かって貫通した立体成形孔部を設けてあり、更に、中間成形空間部によって形成された中間成形品を最終成形空間部内に移動させた時にこの最終成形空間部のパーティクル面で上記中間成形空間部で成形された中間成形品における上記立体成形孔部での立体成形部分の先端部を受止させるように構成していることを特徴とするので、中間成形品からなる基材層とこの基材層上に積層一体化された表面層とからなり且つ上記表面層に基材層と同一合成樹脂からなる立体成形部分の先端部を露出させていると共にこの立体成形部分の先端面を被覆フィルムで被覆して装飾させてなる合成樹脂成形品を連続的に且つ効率良く製造することができる。
【0048】
又、請求項2に記載の成形金型は、請求項1に記載の成形金型において、他方の金型のパーティクル面には、中間成形品における立体成形孔部での立体成形部分の先端部を収納するための収納凹部が凹設されていることを特徴とするので、中間成形品の立体成形部分の先端部を最終成形空間部に注入する合成樹脂の熱から確実に保護し、得られる合成樹脂成形品の表面層から露出させた立体成形部分の先端部の変形、変質を防止してより鮮明で美麗なものとすることができると共に、立体成形部分の先端面に被覆させた被覆フィルムの変形、変色も防止して優れた外観性を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形金型の使用状態の一例を示した縦端面図である。
【図2】本発明の成形金型の使用状態の一例を示した縦端面図である。
【図3】本発明の成形金型の使用状態の一例を示した縦端面図である。
【図4】本発明の成形金型の使用状態の一例を示した縦端面図である。
【図5】装飾フィルムを示した縦断面図である。
【図6】本発明の成形金型で製造した中間成形品を示した斜視図である。
【図7】本発明の成形金型で製造した合成樹脂成形品を示した斜視図である。
【符号の説明】
1a 一方の金型
11a 固定台部
12a 可動金型部
121aパーティクル面
122a立体成形孔部
1b 他方の金型
11b パーティクル面
111b収納凹部
2a 第一移動金型
21a パーティクル面
2b 第二移動金型
21b パーティクル面
3a 中間成形空間部
3b 最終成形空間部
4 装飾フィルム
41 合成樹脂フィルム
42 装飾層
42a 被覆フィルム
A 成形金型
B 中間成形品
B1 立体成形部分
C 合成樹脂成形品
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面層に該表面層を構成する合成樹脂と異なる種類の合成樹脂で形成された立体成形部分が露出し且つこの立体成形部分の端面が被覆フィルムで被覆された合成樹脂成形品を製造するための成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プッシュ式電話機のボタン部等の合成樹脂成形品は、合成樹脂から形成された基材層と、この合成樹脂と異なる種類、特に色彩の異なる合成樹脂から形成され且つ上記基材層上に積層一体化された表面層とからなり、基材層表面に形成した数字等の図柄を表した立体成形部分の端面を表面層に露出させてなる。
【0003】
上記合成樹脂成形品は従来では次のようにして製造されていた。先ず、数字等の図柄を表した立体成形部分が表面に形成された基材層となる中間成形品を成形金型で成形する。そして、この中間成形品を別途、用意した成形金型内に配設した後、この中間成形品の立体成形部分の端面が露出した状態に、中間成形品表面に合成樹脂成形品を成形一体化させて表面層を積層一体化し、上記合成樹脂成形品を製造していた。
【0004】
しかしながら、上記の如く、先ず、基材層を構成する中間成形品を一の成形金型を用いて成形した後、この中間成形品を上記成形金型とは別の成形金型内に配設して中間成形品表面に表面層となる合成樹脂を成形一体化させるといった二つの工程を時間をおいて別々に行う必要があり、製造行程が煩雑であるといった問題があった。
【0005】
しかも、上記合成樹脂成形品における表面層から露出した立体成形部分の端面をメッキ等によって被覆する場合には、別途、立体成形部分の端面の被覆作業を行なう必要があり、この点においても煩雑であるといった問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、表面層に該表面層を構成する合成樹脂と異なる種類の樹脂で形成された図柄が露出し且つこの図柄の露出端面が被覆フィルムで被覆されてなる合成樹脂成形品を連続的に効率良く製造することができる成形金型を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の成形金型は、一定間隔を存して並設されている一対の金型に同大、同形のパーティクル面を有する第一移動金型と第二移動金型を対向させて、これらの第一、第二移動金型を上記一対の金型に交互に接合させることにより、一対の金型における一方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって中間成形空間部を形成する一方、他方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって上記中間成形空間部よりも大きい最終成形空間部を形成するように構成した成形金型において、上記一対の金型における一方の金型を固定台部とこの固定台部に対して接離可能な可動金型部とにより形成してこれらの固定台部と可動金型部との間に装飾フィルムを介入させるようにすると共に可動金型部に固定台部側に向かって貫通した立体成形孔部を設けてあり、更に、中間成形空間部によって形成された中間成形品を最終成形空間部内に移動させた時にこの最終成形空間部のパーティクル面で上記中間成形空間部で成形された中間成形品における上記立体成形孔部での立体成形部分の先端部を受止させるように構成していることを特徴とする。
【0008】
又、請求項2に記載の成形金型は、請求項1に記載の成形金型において、他方の金型のパーティクル面には、中間成形品における立体成形孔部での立体成形部分の先端部を収納するための収納凹部が凹設されていることを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明の成形金型を用いて合成樹脂成形品を製造する要領を説明する。一対の金型における一方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって形成された中間成形空間部で、基材層となる中間成形品を成形する。そして、この中間成形品の成形と同時に、該中間成形品における可動金型部の立体成形孔部で成形された立体成形部分の端面を装飾フィルムの一部から剥離させてなる被覆フィルムで被覆する。
【0010】
そして、第一、第二移動金型を一対の金型に対して入れ換えることにより、上記中間成形品を、一対の金型における他方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって形成された最終成形空間部内に移動させる。この状態では、中間成形品における立体成形孔部で成形された所望図柄を表す立体成形部分の先端部は、最終成形空間部のパーティクル面で受止された状態となっている。
【0011】
しかる後、最終成形空間部内に中間成形空間部内に注入した合成樹脂とは異種類の合成樹脂を注入して、基材層となる中間成形品の表面上にその立体成形部分の先端部が露出した状態に表面層を積層一体化して合成樹脂成形品を製造し取り出す。
【0012】
上記合成樹脂成形品の製造と同時に、上記中間成形空間部内に合成樹脂を注入して、上述と同様の要領で、端面が被覆フィルムで被覆された立体成形部分を有する中間成形品を成形する。
【0013】
次に、この中間成形品を上記と同様の要領で最終成形空間部内に移動させ、最終成形空間部内に、上記と同様の要領で合成樹脂を注入して合成樹脂成形品を製造し取り出すと同時に、中間成形空間部内に上記と同様の要領で合成樹脂を注入して中間成形品を成形する。
【0014】
このように、本発明の成形金型によれば、中間成形空間部内で、端面が被覆フィルムで被覆された立体成形部分を有する中間成形品を成形すると同時に、最終成形空間部内で、先に成形された中間成形品に表面層を積層一体化させることによって、基材層上にこの立体成形部分の先端部が露出した状態に表面層が積層一体化され且つ上記立体成形部分の先端面が被覆フィルムで被覆されてなる合成樹脂成形品を連続的にしかも効率良く製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の成形金型の一例を図面を参照しつつ説明する。成形金型Aは、図1に示したように、一定間隔を存して並設されている一対の金型1a、1bと、この金型1a、1bに対向し且つ互いに同大、同形のパーティクル面を有する第一移動金型2a、第二移動金型2bとからなり、第一移動金型2a及び第二移動金型2bは、上記一対の金型1a、1bの何れにも対応し、これら金型1a、1bとによって成形空間部を形成可能に構成されている。
【0016】
上記一対の金型1a、1bにおける一方の金型1aは、図1乃至図3に示したように、固定台部11a と、この固定台部11a の上端面に対して下端面が接離可能な可動金型部12a とからなり、この可動金型部12a は、その下端面を固定台部11a の上端面に密接させた状態において、第一移動金型2a及び第二移動金型2bの何れの移動金型とによっても同大、同形の中間成形空間部3aを形成する。
【0017】
そして、上記可動金型部12a には、そのパーティクル面121aと上記固定台部11a の上端面に対向する外面(下端面)との間に亘って立体成形孔部122aが貫通状態に貫設されており、この立体成形孔部122aによって中間成形空間部3a内で成形される中間成形品Bの表面に所望図柄を表す立体成形部分B1が成形される。なお、上記可動金型部12a を上記固定台部11a 上に密接させた状態における上記可動金型部12a の立体成形孔部122aの下端開口部に対向する上記固定台部11a の上端面部は、上記中間成形空間部3aのパーティクル面の一部を構成する。
【0018】
更に、上記固定台部11a と上記可動金型部12a との間には、装飾フィルム4が順次供給し介入されるように構成されている。なお、上記装飾フィルム4は、図1及び図5に示したように、長尺状の合成樹脂フィルム41の一面にアルミニウム箔や金箔等の装飾層42が一体的に層着されてなるものであり、この装飾層42は、溶融状態の合成樹脂を接触、固化させた上で引き離すと、合成樹脂が接触していた部分が合成樹脂側に分離、転写されるように構成されている。
【0019】
具体的には、図1のように、上記可動金型部12a の下端面が上記固定台部11aの上端面に密接した状態では、上記装飾フィルム4がその装飾層42で可動金型部12a の立体成形孔部122aの下端開口部を全面的に閉止した状態に上記可動金型部12a と上記固定台部11a との対向面間に挟持、固定される一方、図3のように、上記可動金型部12a が上記固定台部11a に対して上方に離間した状態では、上記装飾フィルム4は自由な状態となって所定長さだけ巻き出し可能な状態となって、上記装飾フィルム4の新しい部分を上記可動金型部12a と上記固定台部11a との対向面間に供給可能に構成されている。
【0020】
又、上記一対の金型1a、1bにおける他方の金型1bは、上記第一移動金型2a及び上記第二移動金型2bの何れの移動金型とによっても同大、同形の最終成形空間部3bを形成する。
【0021】
そして、上記他方の金型1bと、上記第一移動金型2a及び第二移動金型2bの何れかの移動金型とによって形成された最終成形空間部3bは、上記一方の金型1aと、上記第一移動金型2a及び上記第二移動金型2bの何れかの移動金型とによって形成された上記中間成形空間部3aよりも大きな成形空間部となるように構成され、上記最終成形空間部3bは、上記中間成形空間部3aで成形された中間成形品Bを収納可能に構成されている。
【0022】
更に、上記最終成形空間部3bを構成する一方の金型1bのパーティクル面11b には、上記中間成形空間部3aで成形した中間成形品Bの立体成形部分B1の先端部を全面的に収納する収納凹部111bが立体成形部分B1の先端部に対応して凹設されている。即ち、上記最終成形空間部3b内に中間成形品Bを収納すると、この中間成形品Bの立体成形部分B1の先端部の全てが最終成形空間部3bのパーティクル面11b に当接、受止された状態、即ち、このパーティクル面11b に凹設された上記収納凹部111b内に隙間なく嵌まって収納された状態となるように構成されている。
【0023】
一方、上記第一移動金型2a及び上記第二移動金型2bは、上述のように、互いに同大、同形のパーティクル面21a 、21b を有していると共に同一の移動台20に一体的に固着されており、上記第一移動金型2a及び上記第二移動金型2bを上記一対の金型1a、1bに対向させた状態に配設している。
【0024】
そして、上記移動台20を一対の金型1a、1bに近接させると、一方の金型1aと、上記第一移動金型2a及び上記第二移動金型2bのうちの何れか一方の移動金型とが接合すると同時に、他方の金型1bと、上記一方の金型1aと接合させた移動金型とは別のもう一方の移動金型とが接合し、一方の金型1aとこの金型1aに接合させた移動金型とで中間成形空間部3aが形成されると同時に、他方の金型1bとこの金型1bに接合させた移動金型とで最終成形空間部3bが形成されるように構成されている。
【0025】
逆に、上記移動台20を一対の金型1a、1bから離間させると、一方の金型1aとこの金型1aに接合させた移動金型が離間すると同時に、他方の金型1bとこの金型1bに接合させた移動金型も離間するように構成されている。
【0026】
更に、第一移動金型2a及び第二移動金型2bは、これら移動金型2a、2bを共に固着させている移動台20をその回転軸2cを中心にして回転させることによって、一対の金型1a、1bとの間の組み合わせを入れ換えることができるように構成されている。
【0027】
次に、上記成形金型Aを用いて合成樹脂成形品Cを製造する要領について説明する。先ず、図1に示したように、移動台20を金型1a、1b側に向かって近接させて、第一移動金型2aと一方の金型1aとを接合、型閉めして、第一移動金型2aのパーティクル面21a と金型1aの可動金型部12a のパーティクル面121aとによって中間成形空間部3aを形成すると同時に、第二移動金型2bと他方の金型1bとを接合、型閉めして、第二移動金型2bのパーティクル面21b と金型1bのパーティクル面11b とによって最終成形空間部3bを形成する。
【0028】
上記一対の金型1a、1bと第一、第二移動金型2a、2bの接合、型閉め動作と同時に、一方の金型1aにおける可動金型部12a の下端面と固定台部11a の上端面とを互いに密着させた状態とすると共に、可動金型部12a の下端面と固定台部11a の上端面との対向面間に装飾フィルム4をその装飾層42が可動金型部12a 側となり且つ可動金型部12a の立体成形孔部122aの固定台部11a 側開口端を閉止した状態に介入させる。
【0029】
しかる後、図2に示したように、上記中間成形空間部3a内に溶融状態の合成樹脂を注入して基材層となる中間成形品Bを成形する。図6に示したように、中間成形品Bの表面には、一方の金型1aにおける可動金型部12a の立体成形孔部122aにより成形された所望の図柄形状を有する立体成形部分B1が形成されており、更に、この立体成形部分B1の端面は、上記装飾フィルム4の装飾層42の一部(被覆フィルム42a )が全面的に一体化して被覆された状態となっている。
【0030】
一方、上記最終成形空間部3b内には、先に中間成形空間部3aで成形された中間成形品Bが移動、収納されている(図1参照)。この状態においては、上記中間成形品Bは、第二移動金型2bに対向する面を全面的に第二移動金型2bのパーティクル面21b に密着させられていると共に立体成形部分B1の先端部が全面的に他方の金型2bの収納凹部111b内に隙間なく嵌め込まれ収納された状態となっている。
【0031】
そして、図2に示したように、上記最終成形空間部3b内に、上記中間成形空間部3a内に注入した合成樹脂と異種類の合成樹脂を注入して、図7に示したように、基材層C1となる中間成形品Bの表面に表面層C2となる合成樹脂を成形一体化させて最終成形品である合成樹脂成形品Cを成形する。
【0032】
この時、中間成形品Bの立体成形部分B1の先端部は全面的に金型1bの収納凹部111b内に収納された状態となっており、立体成形部分B1の先端部や立体成形部分B1の先端面に付着させた被覆フィルム42a が最終成形空間部3b内に注入した溶融状態の合成樹脂の熱によって変質、変形したりすることはない。
【0033】
なお、金型1bのパーティクル面11b に収納凹部111bを凹設することなく、中間成形品Bの立体成形部分B1の先端面を全面的に他方の金型1bのパーティクル面11b に当接、受止させるだけでもよい。
【0034】
又、上記最終成形空間部3b内に注入した合成樹脂は、上記中間成形空間部3a内に注入した合成樹脂と異種類のものが用いられるが、この異種類の合成樹脂とは、分子量やモノマー成分等が異なるといった合成樹脂の種類が異なるものの他、合成樹脂は同一のものであっても合成樹脂に含有させた顔料等の添加物が異なって互いに色彩の異なる合成樹脂も含まれる。
【0035】
次に、図3に示したように、移動台20を一対の金型1a、1bから離間させて、この移動台20に一体的に固着させている第一、第二移動金型2a、2bを金型1a、1bから離間させて型開きし、最終成形空間部3bから最終成形品である合成樹脂成形品Cを取り出す。
【0036】
この合成樹脂成形品Cは、中間成形品Bから形成された基材層C1の表面に表面層C2が積層一体化されてなり、この表面層C2の表面には、所望図柄を表した立体成形部分B1の先端部が露出していると共にこの立体成形部分B1の先端面は全面的に被覆フィルム42a によって被覆されて優れた外観を呈している。
【0037】
そして、上記合成樹脂成形品Cの表面層C2から露出した立体成形部分B1の先端部は、表面層C2と異なる種類の合成樹脂から形成されており、立体成形部分B1が表す図柄を表面層C2上に際立たせた状態となっている。
【0038】
一方、上記中間成形空間部3aで成形した中間成形品Bを、第一移動金型2aのパーティクル面21a に付着させた状態のまま、一方の金型1aの可動金型部12a のパーティクル面121aから離脱させる。
【0039】
なお、上記中間成形品Bの立体成形部分B1の端面は、上記装飾フィルム4の装飾層42の一部が分離、転写された被覆フィルム42a によって全面的に被覆された状態となっている。
【0040】
そして、図4に示したように、上記移動台20を回転軸2cを中心にして回転させることによって、一対の金型1a、1bと第一、第二移動金型2a、2bとの組み合わせを入れ換える。即ち、第一移動金型2aを他方の金型1bに対向させると共に、第二移動金型2bを一方の金型1aに対向させた状態とする。
【0041】
これと同時に、一方の金型1aにおける可動金型部12a の下端面と固定台部11aの上端面とを離間させて、新しい装飾フィルム4を可動金型部12a と固定台部11a との間に供給して、可動金型部12a における立体成形孔部122aの固定台部11a側開口端に、装飾フィルム4の新しい装飾層42部分が対向した状態とする。
【0042】
しかる後、上記移動台20を一対の金型1a、1b側に向かって近接させて、第一移動金型2aと他方の金型1bとを接合、型閉めして最終成形空間部3bを形成すると同時に、第二移動金型2bと一方の金型1aとを接合、型閉めして中間成形空間部3aを形成する。なお、上記型閉めと同時に、一方の金型1aにおける可動金型部12a の下端面と固定台部11a の上端面とを密着させた状態とし、可動金型部12a の下端面と固定台部11a の上端面との間に装飾フィルム4を挟着、保持させた状態とする(図1参照)。
【0043】
なお、上記第一移動金型2aと上記第二移動金型2bとは、同大、同形のパーティクル面を有していることから、上記第二移動金型2bと一方の金型1aとによって形成された中間成形空間部3aと、上記第一移動金型2aと一方の金型1aとによって形成された中間成形空間部3aとは、同大、同形に形成されている一方、上記第一移動金型2aと他方の金型1bとによって形成された最終成形空間部3bと、上記第二移動金型2bと他方の金型1bとによって形成された最終成形空間部3bとは同大、同形に形成されている。
【0044】
すると、中間成形空間部3a内は空の状態となっている一方、最終成形空間部3b内においては、上記中間成形品Bが、第一移動金型2aのパーティクル面21a に付着した状態のままに最終成形空間部3b内に移動、収納された状態となっている。
【0045】
上記状態では、上記中間成形品Bは、上述と同様に、第一移動金型2aに対向する面を全面的に第一移動金型2aのパーティクル面21a に密着させられていると共に立体成形部分B1の先端部が全面的に他方の金型1bの収納凹部111b内に隙間なく嵌め込まれ収納された状態とされている。
【0046】
そして、上述と同様に、上記中間成形空間部3a内に溶融状態の合成樹脂を注入して中間成形品Bを成形すると同時に、上記中間成形空間部3a内に注入した合成樹脂とは異種類の合成樹脂を上記最終成形空間部3b内に注入して最終成形品である合成樹脂成形品Cを成形する。しかして、上記要領を繰り返すことによって、合成樹脂成形品Cを連続的にしかも効率良く製造することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の成形金型は、一定間隔を存して並設されている一対の金型に同大、同形のパーティクル面を有する第一移動金型と第二移動金型を対向させて、これらの第一、第二移動金型を上記一対の金型に交互に接合させることにより、一対の金型における一方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって中間成形空間部を形成する一方、他方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって上記中間成形空間部よりも大きい最終成形空間部を形成するように構成した成形金型において、上記一対の金型における一方の金型を固定台部とこの固定台部に対して接離可能な可動金型部とにより形成してこれらの固定台部と可動金型部との間に装飾フィルムを介入させるようにすると共に可動金型部に固定台部側に向かって貫通した立体成形孔部を設けてあり、更に、中間成形空間部によって形成された中間成形品を最終成形空間部内に移動させた時にこの最終成形空間部のパーティクル面で上記中間成形空間部で成形された中間成形品における上記立体成形孔部での立体成形部分の先端部を受止させるように構成していることを特徴とするので、中間成形品からなる基材層とこの基材層上に積層一体化された表面層とからなり且つ上記表面層に基材層と同一合成樹脂からなる立体成形部分の先端部を露出させていると共にこの立体成形部分の先端面を被覆フィルムで被覆して装飾させてなる合成樹脂成形品を連続的に且つ効率良く製造することができる。
【0048】
又、請求項2に記載の成形金型は、請求項1に記載の成形金型において、他方の金型のパーティクル面には、中間成形品における立体成形孔部での立体成形部分の先端部を収納するための収納凹部が凹設されていることを特徴とするので、中間成形品の立体成形部分の先端部を最終成形空間部に注入する合成樹脂の熱から確実に保護し、得られる合成樹脂成形品の表面層から露出させた立体成形部分の先端部の変形、変質を防止してより鮮明で美麗なものとすることができると共に、立体成形部分の先端面に被覆させた被覆フィルムの変形、変色も防止して優れた外観性を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形金型の使用状態の一例を示した縦端面図である。
【図2】本発明の成形金型の使用状態の一例を示した縦端面図である。
【図3】本発明の成形金型の使用状態の一例を示した縦端面図である。
【図4】本発明の成形金型の使用状態の一例を示した縦端面図である。
【図5】装飾フィルムを示した縦断面図である。
【図6】本発明の成形金型で製造した中間成形品を示した斜視図である。
【図7】本発明の成形金型で製造した合成樹脂成形品を示した斜視図である。
【符号の説明】
1a 一方の金型
11a 固定台部
12a 可動金型部
121aパーティクル面
122a立体成形孔部
1b 他方の金型
11b パーティクル面
111b収納凹部
2a 第一移動金型
21a パーティクル面
2b 第二移動金型
21b パーティクル面
3a 中間成形空間部
3b 最終成形空間部
4 装飾フィルム
41 合成樹脂フィルム
42 装飾層
42a 被覆フィルム
A 成形金型
B 中間成形品
B1 立体成形部分
C 合成樹脂成形品
Claims (2)
- 一定間隔を存して並設されている一対の金型に同大、同形のパーティクル面を有する第一移動金型と第二移動金型を対向させて、これらの第一、第二移動金型を上記一対の金型に交互に接合させることにより、一対の金型における一方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって中間成形空間部を形成する一方、他方の金型とこの金型に接合する第一又は第二移動金型とによって上記中間成形空間部よりも大きい最終成形空間部を形成するように構成した成形金型において、上記一対の金型における一方の金型を固定台部とこの固定台部に対して接離可能な可動金型部とにより形成してこれらの固定台部と可動金型部との間に装飾フィルムを介入させるようにすると共に可動金型部に固定台部側に向かって貫通した立体成形孔部を設けてあり、更に、中間成形空間部によって形成された中間成形品を最終成形空間部内に移動させた時にこの最終成形空間部のパーティクル面で上記中間成形空間部で成形された中間成形品における上記立体成形孔部での立体成形部分の先端部を受止させるように構成していることを特徴とする成形金型。
- 他方の金型のパーティクル面には、中間成形品における立体成形孔部での立体成形部分の先端部を収納するための収納凹部が凹設されていることを特徴とする請求項1に記載の成形金型。
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JP2006218833A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-08-24 | Kasai Sangyo:Kk | 携帯電話機用操作部品の製造方法及びその製造方法に用いられる製造装置 |
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