JP2004153218A - 放熱器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ねじ25と孔10との隙間から冷却媒体が漏れる。
【解決手段】孔10とねじ25との間に形成される隙間へフィン23の間に流れる冷却媒体が流入することを阻止する遮蔽体26を有するとともに、この遮蔽体26はベース部22の他方の面上に設けられ、少なくとも孔10と遮蔽体26のいずれか一方にはねじ25を固定するねじ部28が形成されるものである。これにより、薄型でありながら放熱性の良い放熱器を提供することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】孔10とねじ25との間に形成される隙間へフィン23の間に流れる冷却媒体が流入することを阻止する遮蔽体26を有するとともに、この遮蔽体26はベース部22の他方の面上に設けられ、少なくとも孔10と遮蔽体26のいずれか一方にはねじ25を固定するねじ部28が形成されるものである。これにより、薄型でありながら放熱性の良い放熱器を提供することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱部品の放熱器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年機器の小型化の要求に伴って、発熱部品に取り付けられる放熱器も小型、薄型化が要求されるようになってきた。そこで本発明においては、発熱携帯電話等の基地局に用いられる大出力増幅器(以降PAと言う)を発熱部品として搭載した基地局ユニットに用いる放熱器を一例として説明する。
【0003】
近年の携帯電話の普及は目覚ましく、また、CDMA2000などの新たな通信形態も登場し、基地局設備の増設が必要となってきている。しかしながら基地局を新たに増設するには、基地局設備を収める建家自体を新たに増設する必要があり、時間や費用が必要となる。そこで従来の基地局の建家の中に従来以上の基地局ユニットを収納できるように、基地局ユニットの小型・薄型化が望まれるようになってきた。そこで本発明は薄型化された放熱器を提供するものである。
【0004】
以下に、従来の放熱器について図を用いて説明する。図9は、従来の放熱器の断面図であり、図10は同、分解図である。
【0005】
図9及び図10において、1はPAである(発熱部品の一例として用いた)。
【0006】
このPA1は、プリント基板2上に形成される高周波増幅回路に接続される電子部品3と、この電子部品3をアルミ製のケース4に固定する電子部品固定用のねじ5と、前記ケース4の上方の開口部を覆う蓋6とから形成されている。なお、電子部品固定用のねじ5の先端は、ケース4の外周面より突出しないようにしてある。
【0007】
そして7は、発熱部品1と放熱器8とを固定するねじである。このねじ7は、前記プリント基板に形成された孔9と、ケース4に設けられるとともに前記孔9と略同心に設けられた孔10とを貫通し、放熱器8に締め付けされている。
【0008】
この放熱器8は、引き抜き加工によって3mmの厚みのベース部12と、このベース部12上に略5mmの等間隔で設けられた厚み2.5mmのフィン13とが一体に形成されていた。そしてベース部12には、孔9あるいは孔10と略同心であるとともに前記ベース部12を貫通したねじ孔11が形成され、このねじ孔11に前記ねじ7を締め付けて発熱部品1が固定されるものであった。これは、ねじ孔11をベース部12を貫通して設けることによって、充分に有効ねじ山数を確保し、発熱部品1と放熱器8とを隙間なく、確りと固定するためである。
【0009】
そして、フィン13の間の隙間14と隣接した発熱部品1aとの間に壁15を設けることによって閉じた管路16を形成し、この管路16にファン(図示せず)等によって強制的に空気(冷却媒体の一例として用いた)を送り込む(あるいは引く)ことによって発熱部品1を冷却するものであった。
【0010】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−112676号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の放熱器では、ねじ孔11がベース部12を貫通するように設けられているので、ねじ7とねじ孔11との固定部の要部を拡大した図11に示されるように、ねじ孔11とねじ7との間に生じる微少な隙間17が生じてしまう。この微少な隙間17から空気が漏れ、隙間14を流れる空気の圧力損失によって圧力低下を生じ、流速が小さくなるので、隙間間の空気の流れが少なくなり、放熱性が悪くなってしまうという課題があった。
【0013】
そこで本発明は、この問題を解決したもので、薄型でありながら放熱性の良い放熱器を提供することを目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の放熱器は、孔と前記ねじとの間に形成される隙間へ前記フィンの間に流れる冷却媒体が流入することを阻止する遮蔽体を有するとともに、この遮蔽体は前記ベース部の他方の面上に設けられ、少なくとも前記孔と前記遮蔽体のいずれか一方には前記ねじを固定するねじ部が形成されるものである。これにより、薄型でありながら放熱性の良い放熱器を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、発熱部品が搭載されるとともに、この発熱部品がねじで固定される金属製の放熱器であって、前記放熱器はその一方の面に前記発熱部品が搭載されるとともに、他方の面には複数のフィンが並んで立設されたベース部と、このベース部に設けられるとともに前記ねじが挿通される孔とを備え、この孔と前記ねじとの間に形成される隙間へ前記フィンの間に流れる冷却媒体が流入することを阻止する遮蔽体を有するとともに、この遮蔽体は前記ベース部の他方の面上に設けられ、少なくとも前記孔と前記遮蔽体のいずれか一方には前記ねじを固定するねじ部が形成される放熱器であり、これにより遮蔽体は孔と前記ねじとの間に形成される隙間へ冷却媒体が流入することを阻止するので、この隙間からの冷却媒体の漏れは発生せず、隙間を流れる空気の圧力損失を小さくすることができる。従って、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、隙間間の空気の流れを維持することができ、放熱性の良い放熱器を提供することができる。
【0016】
また、隙間からの冷却媒体が漏れないので、小型ながら放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0017】
更に、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、フィンの長さを短くするかあるいは、ベース部の厚みを薄くしても放熱性の良い放熱器を実現することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、フィンとベース部との接合部におけるフィンの厚みは、孔の直径以下とした請求項1に記載の放熱器であり、これによりフィンによって孔を覆えないような薄い厚みのフィンを有する放熱器に対しても、ねじと孔との間の隙間への冷却媒体の流入を阻止することができるので、フィンの厚みを薄くしても放熱性の良い放熱器を実現することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、ねじの先端は、ベース部の他方の面より突出した請求項1に記載の放熱器であり、これにより有効ねじ部を大きくすることができるので、確りと固定することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、放熱器はアルミ合金で形成された請求項1に記載の放熱器であり、これにより放熱性を大きくすることができる。また、加工性が良い。さらに、軽い放熱器を得ることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、ねじ部は孔と遮蔽体の双方に形成されるとともに、そのねじ部に締め付けられるねじはタッピングねじとした請求項4に記載の放熱器であり、これにより予めタップ加工を行う必要がないので安価な放熱器を実現することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、遮蔽体の外周側面と前記遮蔽体に隣接したフィンの壁面との間隔は、フィン同士の間隔以上とした請求項1に記載の放熱器であり、これにより遮蔽体を設けることによって生じる冷却媒体が通る通路の断面積の減少を小さくすることができるので、冷却媒体の圧力損失を小さくすることができる。従って、放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、壁面は、遮蔽体の外周側面と略平行とした請求項6に記載の放熱器であり、これにより冷却媒体が通る通路の断面積が急激に変化しないので、急激な断面積の変化による圧力損失が発生し難い。従って、冷却媒体の流れがスムーズとなるので、さらに放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、フィンは、冷却媒体の流れ方向と平行に、遮蔽体の上流から下流まで設けられ、前記フィンには遮蔽体の少なくとも上流と下流のいずれか一方側に冷却媒体の通路が設けられた請求項1に記載の放熱器であり、これにより遮蔽体を設けることによって生じる冷却媒体が通る通路の断面積の減少を小さくすることができるので、冷却媒体の圧力損失を小さくすることができる。従って、ベース部の厚みを薄くしても、放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、通路の幅は、フィンの略ピッチ寸法以上とした請求項1に記載の放熱器であり、これにより冷却媒体が通過する通路はフィンのピッチよりも細くならないので、冷却媒体の圧力損失を小さくすることができる。
【0026】
請求項10に記載の発明は、遮蔽体は尖頭部を有し、この尖頭部は、冷却媒体の流れの方向とした請求項1に記載の放熱器であり、これにより遮蔽体における冷却媒体の抵抗は小さくすることができ、圧力損失を小さくできる。
【0027】
請求項11に記載の発明における冷却媒体が流入する側のフィンの端部は、この端部に向かって隣接したフィンとは離れる方向の傾斜を有した請求項1に記載の放熱器であり、これによりフィンへ冷却媒体を流れ込み易くすることができるので、放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0028】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1について図を用いて説明する。図1は、本実施の形態1における放熱器の断面図であり、図2は同、要部下面図であり、図3は同、要部拡大図であり、図4は同、フィンの端部の拡大図であり、図5は同、分解図であり、図6はフィンの要部詳細図を示している。なお、図1や図2あるいは図3と同じものについては同じ番号を付し、その説明は簡略化する。
【0029】
図1から図4において、発熱部品1は携帯電話の基地局用のPAユニットであり、電子部品3(増幅器)によって高周波信号を増幅するものである。しかしながら一般にこのような増幅度の大きい増幅器の効率は、良くても10%程度であるので、このPAユニットの消費電力は大きくなる。例えば、このPAユニットの出力が約30Wである場合には、300W程度の電力が必要である。つまり、消費電力300Wの内、約270Wが熱に変換されることとなるので、非常に大きな熱が生じることとなる。さらに基地局においては、このようなPAユニットが複数台が隣り合って設置される。従って本発明では特に、このような大きな熱が生じる発熱部品の放熱に対して小型・薄型の放熱器を提供することを目的としている。
【0030】
21は、放熱性を良くするために熱伝導性に優れた材料であるアルミを用いて作製された放熱器である。この放熱器21のベース部22の上面は平坦になった面21aを有しており、この面21aの上に発熱部品1が搭載され、固定される。一方、ベース部22の放熱部品1が搭載された面21aの反対面21bには、図2に示されるように、発熱部品1の幅の全幅に対してフィン23が形成されている。なお、このフィンの厚みは2.5mm、高さが10mmであり、フィンの間隔は5mmとしている。この放熱器21は、加工性に優れたアルミを用いているので、引き抜きあるいは押し出し加工等の安価な加工方法によって成形することができる。さらに非常に軽量な放熱器を得ることができる。
【0031】
このベース部22には、ケース4の孔10と略同心であり、その直径が6.5mmの孔24が前記ベース部22を貫通して設けられている。そしてこの孔24と前記孔10、孔9に直径が6mmのねじ25が挿通される。このねじ25の先端はベース部22の反対面21bより突出し、その先端部を覆うように鉄製の遮蔽体26が設けられる。
【0032】
遮蔽体26と反対面21bとの間には円状のゴムパッキン27が挿入され、遮蔽体26に設けられたねじ部28にねじ25を締め付ける。なお、本実施の形態1において、ねじ25はセルフタッピングねじとしている。これによって遮蔽体26には予めタップ加工を施す必要がないので、安価な放熱器を得ることができる。しかしながら、セルフタッピングねじは締め付けられながらねじを転造するものであるので、一般に先端部近傍の不完全ねじ部が長く、かつ先端部は三角おむすび状の形状となっている。従って先端部付近では螺旋がかみ合わない状態となるが、本実施の形態1においては遮蔽体26が鉄製であるので、遮蔽体26の螺旋部の強度が高くなる。これによって、発熱部品1と放熱器21とを確りと固定することができる。
【0033】
なお、この遮蔽体26は一般の六角レンチで締め付けることができるように、六角形としてある。これによりこの遮蔽体26の固定には格段に特別な治具などが不要となる。ただし、六角形の角が空気の流れ方向に向くようにしておくことが重要である。こうしておけば、遮蔽体26による空気抵抗を小さくすることができるので、遮蔽体26による圧力損失を小さくすることができる。また、本実施の形態においては遮蔽体26は六角形としているが、これはHカットやあるいはDカット型等でも良い。
【0034】
そしてこの遮蔽体26の周りには、フィン23の不形成部29が形成されている。この不形成部29は、遮蔽体26の外周面からフィンの間隔30以上の寸法だけ大きな寸法としておくことが重要である。本実施の形態1においては、遮蔽体26と隣接したフィンとの間の間隔30を5mm以上となるようにしておくことが重要である。つまり冷却媒体が通過する通路はフィンの間隔30よりも細くならないので、冷却媒体の圧力損失を小さくすることができるためである。なおここで、不形成部29はフライス加工等によって略ベース部22の厚さと同じ厚さとなるまでフィン23を切削することによって容易に得ることができる。
【0035】
なお、フィン23間の隙間31は、この放熱器21に隣接した発熱部品1aとの間に設けられた壁33によって閉じられ、管路34が形成される。そしてこの管路34にファン(図示せず)等によって強制的に空気(冷却媒体の一例として用いた)を送り込む(あるいは引く)ことによって発熱部品1が冷却されることとなる。なおここで、フィンの冷却媒体流入側端部23aには冷却媒体の流入抵抗を小さくする為に、隣り合うフィンとは離れる方向の傾斜が設けられた形状としている。本実施の形態1においては、半円状の形状としているが、これは図4に示されるように尖ったような形状でも良い。また、図4において傾斜は両面に形成されているが、片側でも良い。この場合、フィン厚みが薄くても加工できる。さらに、冷却媒体の流出側のフィン端部にも同様の傾斜を設けてやればさらに、冷却媒体の抵抗を小さくすることができる。
【0036】
以上の構成により、遮蔽体26を有するとともに、この遮蔽体26とベース部22との間にゴムパッキン27が挿入されて発熱部品1と放熱器21とが固定されているので、孔24とねじ25との間に形成される微少な隙間32へ冷却媒体が流入することを阻止し、この微少な隙間32からの冷却媒体の漏れは発生せず、フィンの隙間31を流れる空気の圧力損失を小さくすることができる。従って、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、フィンの隙間31を流れる空気の流れが減少せず、放熱性の良い放熱器を提供することができる。
【0037】
また、微少な隙間32からの冷却媒体が漏れないので、小型ながら放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0038】
さらに、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、フィンの長さを短くするかあるいは、ベース部22の厚みを薄くしても放熱性の良い放熱器を実現することができる。
【0039】
さらにまた、本実施の携帯のフィン23の厚みより孔24の直径の方が大きいが、このように孔24を覆えないような薄い厚みのフィン23を有するような放熱器であっても、ねじ25と孔24との間の微少な隙間32への冷却媒体の流入を阻止することができるので、フィン23の厚みを薄くしても放熱性の良い放熱器を実現することができる。
【0040】
また、遮蔽体26の外周側面と遮蔽体26に隣接したフィンの壁面との間隔は、フィンの間隔30以上としているので、これにより遮蔽体26を設けることによって生じる冷却媒体が通る通路の断面積の減少を小さくすることができるので、冷却媒体の圧力損失を小さくすることができる。従って、放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0041】
さらに不形成部29は、遮蔽体26の外周側面と略平行となるように設けられているので、冷却媒体が通る通路の断面積が急激に変化せず、急激な断面積の変化による圧力損失が発生し難い。従って、冷却媒体の流れがスムーズとなるので、さらに放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0042】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2について図を用いて説明する。図7は実施の形態2における断面図であり、図8は遮蔽部の要部拡大図である。図7、図8において図1から図6と同じものについては同じ番号を付し、その説明は簡略化する。
【0043】
図7において、50はアルミダイキャスト製の放熱器であり、放熱器50のベース部22上に遮蔽体51が一体で形成されている。これによって別途遮蔽体を設ける必要がないので安価な放熱器を実現することができる。
【0044】
ここで、一般的にアルミダイキャストは柔らかいので、螺旋強度は弱い、その上さらにダイキャストでは、良好な型の抜け性を得るためにねじの下穴には開放端に向かって広がったテーパを有している。従って、本実施の形態2においては、放熱器をアルミダイキャスト製としたことによる取付強度の減少を防ぐために、遮蔽体51とベース部22とを一体とするとともにその双方にねじを形成させるものである。
【0045】
なお、本実施の形態2においてもねじ25はセルフタッピングねじとしているが、遮蔽体51とベース部22とを一体とするとともにその双方にねじを形成しているので、確りと発熱部品1と放熱器50とを固定することができる。
【0046】
そして実施の形態1と同様に、放熱器50のフィン23の隙間31へファン(図示せず)などによって強制的に冷却媒体を流し込み、発熱部品を冷却する。
【0047】
以上の構成によって、遮蔽体51とベース部22とが一体に形成されているので、孔24とねじ25との間に形成される微少な隙間32へ冷却媒体が流入することを阻止し、この微少な隙間32からの冷却媒体の漏れは発生せず、フィンの隙間31を流れる空気の圧力損失を小さくすることができる。従って、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、フィンの隙間31を流れる空気の流れが減少せず、放熱性の良い放熱器を提供することができる。
【0048】
また、微少な隙間32からの冷却媒体が漏れないので、小型ながら放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0049】
さらに、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、フィンの長さを短くするかあるいは、ベース部22の厚みを薄くしても放熱性の良い放熱器を実現することができる。
【0050】
なお、本実施の形態2においても本実施の形態1と同様に遮蔽体51の周辺にフィン23の不形成部29が設けられている。これによって、遮蔽体51が冷却媒体の流れを堰き止めることはなく、冷却媒体の圧力損失を小さくすることができる。なお、本実施の形態2において放熱器50はダストキャストによって成型されているので、前記フィン23の不形成部29の形成は別途加工工程は必要としないので、安価な放熱器を実現することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、孔と前記ねじとの間に形成される隙間へ前記フィンの間に流れる冷却媒体が流入することを阻止する遮蔽体を有するとともに、この遮蔽体は前記ベース部の他方の面上に設けられ、少なくとも前記孔と前記遮蔽体のいずれか一方には前記ねじを固定するねじ部が形成されるものである。
【0052】
これにより、遮蔽体は孔と前記ねじとの間に形成される隙間へ冷却媒体が流入することを阻止するので、この隙間からの冷却媒体の漏れは発生せず、隙間を流れる空気の圧力損失を小さくすることができる。従って、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、隙間間の空気の流れを維持することができ、放熱性の良い放熱器を提供することができる。
【0053】
また、隙間からの冷却媒体が漏れないので、小型ながら放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0054】
更に、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、フィンの長さを短くするかあるいは、ベース部の厚みを薄くしても放熱性の良い放熱器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における放熱器の断面図
【図2】同、要部下面図
【図3】同、要部拡大図
【図4】同、フィンの端部の要部拡大図
【図5】同、分解図
【図6】同、フィン不形成部の詳細図
【図7】実施の形態2における断面図
【図8】同、要部下面図
【図9】従来の放熱器の断面図
【図10】同、分解図
【図11】ねじとねじ孔との詳細図
【符号の説明】
1 発熱部品
21 放熱器
22 ベース部
23 フィン
24 孔
25 ねじ
26 遮蔽体
28 ねじ部
32 隙間
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱部品の放熱器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年機器の小型化の要求に伴って、発熱部品に取り付けられる放熱器も小型、薄型化が要求されるようになってきた。そこで本発明においては、発熱携帯電話等の基地局に用いられる大出力増幅器(以降PAと言う)を発熱部品として搭載した基地局ユニットに用いる放熱器を一例として説明する。
【0003】
近年の携帯電話の普及は目覚ましく、また、CDMA2000などの新たな通信形態も登場し、基地局設備の増設が必要となってきている。しかしながら基地局を新たに増設するには、基地局設備を収める建家自体を新たに増設する必要があり、時間や費用が必要となる。そこで従来の基地局の建家の中に従来以上の基地局ユニットを収納できるように、基地局ユニットの小型・薄型化が望まれるようになってきた。そこで本発明は薄型化された放熱器を提供するものである。
【0004】
以下に、従来の放熱器について図を用いて説明する。図9は、従来の放熱器の断面図であり、図10は同、分解図である。
【0005】
図9及び図10において、1はPAである(発熱部品の一例として用いた)。
【0006】
このPA1は、プリント基板2上に形成される高周波増幅回路に接続される電子部品3と、この電子部品3をアルミ製のケース4に固定する電子部品固定用のねじ5と、前記ケース4の上方の開口部を覆う蓋6とから形成されている。なお、電子部品固定用のねじ5の先端は、ケース4の外周面より突出しないようにしてある。
【0007】
そして7は、発熱部品1と放熱器8とを固定するねじである。このねじ7は、前記プリント基板に形成された孔9と、ケース4に設けられるとともに前記孔9と略同心に設けられた孔10とを貫通し、放熱器8に締め付けされている。
【0008】
この放熱器8は、引き抜き加工によって3mmの厚みのベース部12と、このベース部12上に略5mmの等間隔で設けられた厚み2.5mmのフィン13とが一体に形成されていた。そしてベース部12には、孔9あるいは孔10と略同心であるとともに前記ベース部12を貫通したねじ孔11が形成され、このねじ孔11に前記ねじ7を締め付けて発熱部品1が固定されるものであった。これは、ねじ孔11をベース部12を貫通して設けることによって、充分に有効ねじ山数を確保し、発熱部品1と放熱器8とを隙間なく、確りと固定するためである。
【0009】
そして、フィン13の間の隙間14と隣接した発熱部品1aとの間に壁15を設けることによって閉じた管路16を形成し、この管路16にファン(図示せず)等によって強制的に空気(冷却媒体の一例として用いた)を送り込む(あるいは引く)ことによって発熱部品1を冷却するものであった。
【0010】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−112676号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の放熱器では、ねじ孔11がベース部12を貫通するように設けられているので、ねじ7とねじ孔11との固定部の要部を拡大した図11に示されるように、ねじ孔11とねじ7との間に生じる微少な隙間17が生じてしまう。この微少な隙間17から空気が漏れ、隙間14を流れる空気の圧力損失によって圧力低下を生じ、流速が小さくなるので、隙間間の空気の流れが少なくなり、放熱性が悪くなってしまうという課題があった。
【0013】
そこで本発明は、この問題を解決したもので、薄型でありながら放熱性の良い放熱器を提供することを目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の放熱器は、孔と前記ねじとの間に形成される隙間へ前記フィンの間に流れる冷却媒体が流入することを阻止する遮蔽体を有するとともに、この遮蔽体は前記ベース部の他方の面上に設けられ、少なくとも前記孔と前記遮蔽体のいずれか一方には前記ねじを固定するねじ部が形成されるものである。これにより、薄型でありながら放熱性の良い放熱器を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、発熱部品が搭載されるとともに、この発熱部品がねじで固定される金属製の放熱器であって、前記放熱器はその一方の面に前記発熱部品が搭載されるとともに、他方の面には複数のフィンが並んで立設されたベース部と、このベース部に設けられるとともに前記ねじが挿通される孔とを備え、この孔と前記ねじとの間に形成される隙間へ前記フィンの間に流れる冷却媒体が流入することを阻止する遮蔽体を有するとともに、この遮蔽体は前記ベース部の他方の面上に設けられ、少なくとも前記孔と前記遮蔽体のいずれか一方には前記ねじを固定するねじ部が形成される放熱器であり、これにより遮蔽体は孔と前記ねじとの間に形成される隙間へ冷却媒体が流入することを阻止するので、この隙間からの冷却媒体の漏れは発生せず、隙間を流れる空気の圧力損失を小さくすることができる。従って、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、隙間間の空気の流れを維持することができ、放熱性の良い放熱器を提供することができる。
【0016】
また、隙間からの冷却媒体が漏れないので、小型ながら放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0017】
更に、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、フィンの長さを短くするかあるいは、ベース部の厚みを薄くしても放熱性の良い放熱器を実現することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、フィンとベース部との接合部におけるフィンの厚みは、孔の直径以下とした請求項1に記載の放熱器であり、これによりフィンによって孔を覆えないような薄い厚みのフィンを有する放熱器に対しても、ねじと孔との間の隙間への冷却媒体の流入を阻止することができるので、フィンの厚みを薄くしても放熱性の良い放熱器を実現することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、ねじの先端は、ベース部の他方の面より突出した請求項1に記載の放熱器であり、これにより有効ねじ部を大きくすることができるので、確りと固定することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、放熱器はアルミ合金で形成された請求項1に記載の放熱器であり、これにより放熱性を大きくすることができる。また、加工性が良い。さらに、軽い放熱器を得ることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、ねじ部は孔と遮蔽体の双方に形成されるとともに、そのねじ部に締め付けられるねじはタッピングねじとした請求項4に記載の放熱器であり、これにより予めタップ加工を行う必要がないので安価な放熱器を実現することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、遮蔽体の外周側面と前記遮蔽体に隣接したフィンの壁面との間隔は、フィン同士の間隔以上とした請求項1に記載の放熱器であり、これにより遮蔽体を設けることによって生じる冷却媒体が通る通路の断面積の減少を小さくすることができるので、冷却媒体の圧力損失を小さくすることができる。従って、放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、壁面は、遮蔽体の外周側面と略平行とした請求項6に記載の放熱器であり、これにより冷却媒体が通る通路の断面積が急激に変化しないので、急激な断面積の変化による圧力損失が発生し難い。従って、冷却媒体の流れがスムーズとなるので、さらに放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、フィンは、冷却媒体の流れ方向と平行に、遮蔽体の上流から下流まで設けられ、前記フィンには遮蔽体の少なくとも上流と下流のいずれか一方側に冷却媒体の通路が設けられた請求項1に記載の放熱器であり、これにより遮蔽体を設けることによって生じる冷却媒体が通る通路の断面積の減少を小さくすることができるので、冷却媒体の圧力損失を小さくすることができる。従って、ベース部の厚みを薄くしても、放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、通路の幅は、フィンの略ピッチ寸法以上とした請求項1に記載の放熱器であり、これにより冷却媒体が通過する通路はフィンのピッチよりも細くならないので、冷却媒体の圧力損失を小さくすることができる。
【0026】
請求項10に記載の発明は、遮蔽体は尖頭部を有し、この尖頭部は、冷却媒体の流れの方向とした請求項1に記載の放熱器であり、これにより遮蔽体における冷却媒体の抵抗は小さくすることができ、圧力損失を小さくできる。
【0027】
請求項11に記載の発明における冷却媒体が流入する側のフィンの端部は、この端部に向かって隣接したフィンとは離れる方向の傾斜を有した請求項1に記載の放熱器であり、これによりフィンへ冷却媒体を流れ込み易くすることができるので、放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0028】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1について図を用いて説明する。図1は、本実施の形態1における放熱器の断面図であり、図2は同、要部下面図であり、図3は同、要部拡大図であり、図4は同、フィンの端部の拡大図であり、図5は同、分解図であり、図6はフィンの要部詳細図を示している。なお、図1や図2あるいは図3と同じものについては同じ番号を付し、その説明は簡略化する。
【0029】
図1から図4において、発熱部品1は携帯電話の基地局用のPAユニットであり、電子部品3(増幅器)によって高周波信号を増幅するものである。しかしながら一般にこのような増幅度の大きい増幅器の効率は、良くても10%程度であるので、このPAユニットの消費電力は大きくなる。例えば、このPAユニットの出力が約30Wである場合には、300W程度の電力が必要である。つまり、消費電力300Wの内、約270Wが熱に変換されることとなるので、非常に大きな熱が生じることとなる。さらに基地局においては、このようなPAユニットが複数台が隣り合って設置される。従って本発明では特に、このような大きな熱が生じる発熱部品の放熱に対して小型・薄型の放熱器を提供することを目的としている。
【0030】
21は、放熱性を良くするために熱伝導性に優れた材料であるアルミを用いて作製された放熱器である。この放熱器21のベース部22の上面は平坦になった面21aを有しており、この面21aの上に発熱部品1が搭載され、固定される。一方、ベース部22の放熱部品1が搭載された面21aの反対面21bには、図2に示されるように、発熱部品1の幅の全幅に対してフィン23が形成されている。なお、このフィンの厚みは2.5mm、高さが10mmであり、フィンの間隔は5mmとしている。この放熱器21は、加工性に優れたアルミを用いているので、引き抜きあるいは押し出し加工等の安価な加工方法によって成形することができる。さらに非常に軽量な放熱器を得ることができる。
【0031】
このベース部22には、ケース4の孔10と略同心であり、その直径が6.5mmの孔24が前記ベース部22を貫通して設けられている。そしてこの孔24と前記孔10、孔9に直径が6mmのねじ25が挿通される。このねじ25の先端はベース部22の反対面21bより突出し、その先端部を覆うように鉄製の遮蔽体26が設けられる。
【0032】
遮蔽体26と反対面21bとの間には円状のゴムパッキン27が挿入され、遮蔽体26に設けられたねじ部28にねじ25を締め付ける。なお、本実施の形態1において、ねじ25はセルフタッピングねじとしている。これによって遮蔽体26には予めタップ加工を施す必要がないので、安価な放熱器を得ることができる。しかしながら、セルフタッピングねじは締め付けられながらねじを転造するものであるので、一般に先端部近傍の不完全ねじ部が長く、かつ先端部は三角おむすび状の形状となっている。従って先端部付近では螺旋がかみ合わない状態となるが、本実施の形態1においては遮蔽体26が鉄製であるので、遮蔽体26の螺旋部の強度が高くなる。これによって、発熱部品1と放熱器21とを確りと固定することができる。
【0033】
なお、この遮蔽体26は一般の六角レンチで締め付けることができるように、六角形としてある。これによりこの遮蔽体26の固定には格段に特別な治具などが不要となる。ただし、六角形の角が空気の流れ方向に向くようにしておくことが重要である。こうしておけば、遮蔽体26による空気抵抗を小さくすることができるので、遮蔽体26による圧力損失を小さくすることができる。また、本実施の形態においては遮蔽体26は六角形としているが、これはHカットやあるいはDカット型等でも良い。
【0034】
そしてこの遮蔽体26の周りには、フィン23の不形成部29が形成されている。この不形成部29は、遮蔽体26の外周面からフィンの間隔30以上の寸法だけ大きな寸法としておくことが重要である。本実施の形態1においては、遮蔽体26と隣接したフィンとの間の間隔30を5mm以上となるようにしておくことが重要である。つまり冷却媒体が通過する通路はフィンの間隔30よりも細くならないので、冷却媒体の圧力損失を小さくすることができるためである。なおここで、不形成部29はフライス加工等によって略ベース部22の厚さと同じ厚さとなるまでフィン23を切削することによって容易に得ることができる。
【0035】
なお、フィン23間の隙間31は、この放熱器21に隣接した発熱部品1aとの間に設けられた壁33によって閉じられ、管路34が形成される。そしてこの管路34にファン(図示せず)等によって強制的に空気(冷却媒体の一例として用いた)を送り込む(あるいは引く)ことによって発熱部品1が冷却されることとなる。なおここで、フィンの冷却媒体流入側端部23aには冷却媒体の流入抵抗を小さくする為に、隣り合うフィンとは離れる方向の傾斜が設けられた形状としている。本実施の形態1においては、半円状の形状としているが、これは図4に示されるように尖ったような形状でも良い。また、図4において傾斜は両面に形成されているが、片側でも良い。この場合、フィン厚みが薄くても加工できる。さらに、冷却媒体の流出側のフィン端部にも同様の傾斜を設けてやればさらに、冷却媒体の抵抗を小さくすることができる。
【0036】
以上の構成により、遮蔽体26を有するとともに、この遮蔽体26とベース部22との間にゴムパッキン27が挿入されて発熱部品1と放熱器21とが固定されているので、孔24とねじ25との間に形成される微少な隙間32へ冷却媒体が流入することを阻止し、この微少な隙間32からの冷却媒体の漏れは発生せず、フィンの隙間31を流れる空気の圧力損失を小さくすることができる。従って、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、フィンの隙間31を流れる空気の流れが減少せず、放熱性の良い放熱器を提供することができる。
【0037】
また、微少な隙間32からの冷却媒体が漏れないので、小型ながら放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0038】
さらに、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、フィンの長さを短くするかあるいは、ベース部22の厚みを薄くしても放熱性の良い放熱器を実現することができる。
【0039】
さらにまた、本実施の携帯のフィン23の厚みより孔24の直径の方が大きいが、このように孔24を覆えないような薄い厚みのフィン23を有するような放熱器であっても、ねじ25と孔24との間の微少な隙間32への冷却媒体の流入を阻止することができるので、フィン23の厚みを薄くしても放熱性の良い放熱器を実現することができる。
【0040】
また、遮蔽体26の外周側面と遮蔽体26に隣接したフィンの壁面との間隔は、フィンの間隔30以上としているので、これにより遮蔽体26を設けることによって生じる冷却媒体が通る通路の断面積の減少を小さくすることができるので、冷却媒体の圧力損失を小さくすることができる。従って、放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0041】
さらに不形成部29は、遮蔽体26の外周側面と略平行となるように設けられているので、冷却媒体が通る通路の断面積が急激に変化せず、急激な断面積の変化による圧力損失が発生し難い。従って、冷却媒体の流れがスムーズとなるので、さらに放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0042】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2について図を用いて説明する。図7は実施の形態2における断面図であり、図8は遮蔽部の要部拡大図である。図7、図8において図1から図6と同じものについては同じ番号を付し、その説明は簡略化する。
【0043】
図7において、50はアルミダイキャスト製の放熱器であり、放熱器50のベース部22上に遮蔽体51が一体で形成されている。これによって別途遮蔽体を設ける必要がないので安価な放熱器を実現することができる。
【0044】
ここで、一般的にアルミダイキャストは柔らかいので、螺旋強度は弱い、その上さらにダイキャストでは、良好な型の抜け性を得るためにねじの下穴には開放端に向かって広がったテーパを有している。従って、本実施の形態2においては、放熱器をアルミダイキャスト製としたことによる取付強度の減少を防ぐために、遮蔽体51とベース部22とを一体とするとともにその双方にねじを形成させるものである。
【0045】
なお、本実施の形態2においてもねじ25はセルフタッピングねじとしているが、遮蔽体51とベース部22とを一体とするとともにその双方にねじを形成しているので、確りと発熱部品1と放熱器50とを固定することができる。
【0046】
そして実施の形態1と同様に、放熱器50のフィン23の隙間31へファン(図示せず)などによって強制的に冷却媒体を流し込み、発熱部品を冷却する。
【0047】
以上の構成によって、遮蔽体51とベース部22とが一体に形成されているので、孔24とねじ25との間に形成される微少な隙間32へ冷却媒体が流入することを阻止し、この微少な隙間32からの冷却媒体の漏れは発生せず、フィンの隙間31を流れる空気の圧力損失を小さくすることができる。従って、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、フィンの隙間31を流れる空気の流れが減少せず、放熱性の良い放熱器を提供することができる。
【0048】
また、微少な隙間32からの冷却媒体が漏れないので、小型ながら放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0049】
さらに、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、フィンの長さを短くするかあるいは、ベース部22の厚みを薄くしても放熱性の良い放熱器を実現することができる。
【0050】
なお、本実施の形態2においても本実施の形態1と同様に遮蔽体51の周辺にフィン23の不形成部29が設けられている。これによって、遮蔽体51が冷却媒体の流れを堰き止めることはなく、冷却媒体の圧力損失を小さくすることができる。なお、本実施の形態2において放熱器50はダストキャストによって成型されているので、前記フィン23の不形成部29の形成は別途加工工程は必要としないので、安価な放熱器を実現することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、孔と前記ねじとの間に形成される隙間へ前記フィンの間に流れる冷却媒体が流入することを阻止する遮蔽体を有するとともに、この遮蔽体は前記ベース部の他方の面上に設けられ、少なくとも前記孔と前記遮蔽体のいずれか一方には前記ねじを固定するねじ部が形成されるものである。
【0052】
これにより、遮蔽体は孔と前記ねじとの間に形成される隙間へ冷却媒体が流入することを阻止するので、この隙間からの冷却媒体の漏れは発生せず、隙間を流れる空気の圧力損失を小さくすることができる。従って、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、隙間間の空気の流れを維持することができ、放熱性の良い放熱器を提供することができる。
【0053】
また、隙間からの冷却媒体が漏れないので、小型ながら放熱性の良好な放熱器を得ることができる。
【0054】
更に、冷却媒体の圧力低下を小さくし、流速が小さくなることを防止することができるので、フィンの長さを短くするかあるいは、ベース部の厚みを薄くしても放熱性の良い放熱器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における放熱器の断面図
【図2】同、要部下面図
【図3】同、要部拡大図
【図4】同、フィンの端部の要部拡大図
【図5】同、分解図
【図6】同、フィン不形成部の詳細図
【図7】実施の形態2における断面図
【図8】同、要部下面図
【図9】従来の放熱器の断面図
【図10】同、分解図
【図11】ねじとねじ孔との詳細図
【符号の説明】
1 発熱部品
21 放熱器
22 ベース部
23 フィン
24 孔
25 ねじ
26 遮蔽体
28 ねじ部
32 隙間
Claims (11)
- 発熱部品が搭載されるとともに、この発熱部品がねじで固定される金属製の放熱器であって、前記放熱器はその一方の面に前記発熱部品が搭載されるとともに、他方の面には複数のフィンが並んで立設されたベース部と、このベース部に設けられるとともに前記ねじが挿通される孔とを備え、この孔と前記ねじとの間に形成される隙間へ前記フィンの間に流れる冷却媒体が流入することを阻止する遮蔽体を有するとともに、この遮蔽体は前記ベース部の他方の面上に設けられ、少なくとも前記孔と前記遮蔽体のいずれか一方には前記ねじを固定するねじ部が形成される放熱器。
- フィンとベース部との接合部におけるフィンの厚みは、孔の直径以下とした請求項1に記載の放熱器。
- ねじの先端は、ベース部の他方の面より突出した請求項1に記載の放熱器。
- 放熱器はアルミ合金で形成された請求項1に記載の放熱器。
- ねじ部は孔と遮蔽体の双方に形成されるとともに、そのねじ部に締め付けられるねじはタッピングねじとした請求項4に記載の放熱器。
- 遮蔽体の外周側面と前記遮蔽体に隣接したフィンの壁面との間隔は、フィン同士の間隔以上とした請求項1に記載の放熱器。
- 壁面は、遮蔽体の外周側面と略平行とした請求項6に記載の放熱器。
- フィンは、冷却媒体の流れ方向と平行に、遮蔽体の上流から下流まで設けられ、前記フィンには遮蔽体の少なくとも上流と下流のいずれか一方側に冷却媒体の通路が設けられた請求項1に記載の放熱器。
- 通路の幅は、フィンの略ピッチ寸法以上とした請求項1に記載の放熱器。
- 遮蔽体は尖頭部を有し、この尖頭部は、冷却媒体の流れの方向とした請求項1に記載の放熱器。
- 冷却媒体が流入する側のフィンの端部は、この端部に向かって隣接したフィンとは離れる方向の傾斜を有した請求項1に記載の放熱器。
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