JP2004153194A - Cofフィルムキャリアテープの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁層12と、この絶縁層12の一方面に積層された導体層11をパターニングした配線パターン21を具備するCOFフィルムキャリアテープ20の製造方法であって、前記パターニングを行うフォトリソグラフィー工程の後に前記絶縁層12に離型剤層13を形成する工程を具備する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICあるいはLSIなどの電子部品を実装するCOFフィルムキャリアテープの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロニクス産業の発達に伴い、IC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)等の電子部品を実装するプリント配線板の需要が急激に増加しているが、電子機器の小型化、軽量化、高機能化が要望され、これら電子部品の実装方法として、最近ではTABテープ、T−BGAテープ、ASICテープ等の電子部品実装用フィルムキャリアテープを用いた実装方式が採用されている。特に、パーソナルコンピュータ、携帯電話等のように、高精細化、薄型化、液晶画面の額縁面積の狭小化が要望されている液晶表示素子(LCD)を使用する電子産業において、その重要性が高まっている。
【0003】
また、より小さいスペースで、より高密度の実装を行う実装方法として、裸のICチップをフィルムキャリアテープ上に直接搭載するCOF(チップ・オン・フィルム)が実用化されている。
【0004】
このCOFに用いられるフィルムキャリアテープはデバイスホールを具備しないので、導体層と絶縁層とが予め積層された積層フィルムが用いられ、位置決めパターンは導体層のみに形成されるため、ICチップの配線パターン上への直接搭載の際には、絶縁層を透過して視認される位置決めパターンを介して位置決めが行われ、その状態で加熱ツールによりICチップと、配線パターン、すなわちインナーリードとの接合が行われる(例えば、特許文献1等参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−168149号公報(図13、図14、段落[0019]等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようなICチップの実装は、絶縁層が加熱ツール又はステージに直接接触した状態で行われるが、この状態で加熱ツールによりかなり高温に加熱されるので、絶縁層がステージ又は加熱ツールに融着する現象が生じ、インナーリードの剥がれやテープの変形が生じるという問題がある。また、加熱ツールと融着した場合には、加熱ツールに汚れが発生して、製造装置の停止の原因となり、信頼性、生産性を阻害するという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、絶縁体層が加熱ツールやステージに熱融着することがなく、ICチップ実装ラインの信頼性及び生産性を向上させるCOFフィルムキャリアテープの製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、絶縁層と、この絶縁層の一方面に積層された導体層をパターニングした配線パターンを具備するCOFフィルムキャリアテープの製造方法であって、前記パターニングを行うフォトリソグラフィー工程の後に前記絶縁層に離型剤層を形成する工程を具備することを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法にある。
【0009】
かかる第1の態様では、ICチップ実装時に、加熱ツール又はステージが離型剤層と接触するので、両者が密着することがなく、絶縁体層と熱融着が生じて加熱ツール等が汚れるという問題が生じない。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記離型剤層がシリコーン系離型剤からなることを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法にある。
【0011】
かかる第2の態様では、加熱ツール又はステージと接触する離型剤がシリコーン系離型剤なので、熱融着等が確実に防止される。
【0012】
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記シリコーン系離型剤が、シロキサン化合物、シラン化合物、及びシラザン化合物から選択される少なくとも一種を含有することを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法にある。
【0013】
かかる第3の態様では、加熱ツール又はステージと接触する離型剤としてのシリコーン系離型剤に含有されるシロキサン化合物、シラン化合物、又はシラザン化合物の作用により、熱融着等が確実に防止される。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記離型剤層の形成の工程が、前記離型剤溶液の塗布工程及び加熱処理工程を含むことを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法にある。
【0015】
かかる第4の態様では、離型剤層はシリコーン系離型剤を塗布し、必要により熱処理することより形成される。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記離型剤層の形成の工程を、前記配線パターンを形成したレジストマスクを除去した後の任意のときに行うことを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法にある。
【0017】
かかる第5の態様では、フォトリソグラフィー工程後に離型剤層を設けるので、フォトレジストの剥離液等により離型剤層が溶解されることがなく、有効な離型効果が発揮される。
【0018】
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記絶縁層が、前記導体層にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布した後、乾燥・硬化することにより形成されたものであることを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法にある。
【0019】
かかる第6の態様では、ポリイミドからなる絶縁層を有するCOFフィルムキャリアテープとなる。
【0020】
本発明の第7の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記絶縁層が、前記導体層に熱圧着された熱可塑性樹脂層及び絶縁フィルムにより形成されたものであることを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法にある。
【0021】
かかる第7の態様では、熱可塑性樹脂層及び絶縁フィルムにより絶縁層が導体層上に形成される。
【0022】
本発明の第8の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記絶縁層が、前記導体層に熱圧着された熱硬化性樹脂層及び絶縁フィルムにより形成されたものであることを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法にある。
【0023】
かかる第8の態様では、熱硬化性樹脂層及び絶縁フィルムにより絶縁層が導体層上に形成される。
【0024】
本発明の第9の態様は、第1〜8の何れかの態様において、前記導体層が、前記絶縁層にスパッタされた密着強化層及びこの上に設けられた銅メッキ層からなることを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法にある。
【0025】
かかる第9の態様では、絶縁層上にニッケルなどの密着強化層及び銅メッキ層からなる導体層が形成される。
【0026】
本発明のCOFフィルムキャリアテープに用いられる導体層と絶縁層との積層フィルムとしては、ポリイミドフィルムなどの絶縁フィルムにニッケルなどの密着強化層をスパッタした後、銅メッキを施した積層フィルムを挙げることができる。また、積層フィルムとしては、銅箔にポリイミドフィルムを塗布法により積層したキャスティングタイプや、銅箔に熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂などを介し絶縁フィルムを熱圧着した熱圧着タイプの積層フィルムを挙げることができる。本発明では、何れを用いてもよい。
【0027】
本発明のCOFフィルムキャリアテープは、このような積層フィルムの導体層とは反対側の絶縁体層に離型剤層を設けたものである。かかる離型剤層は、ICチップの実装時に加熱ツールやステージと密着しないような離型性を有しており且つこのような加熱により熱融着しない材料で形成されていればよく、有機材料でも無機材料でもよい。例えば、シリコーン系離型剤、エポキシ系離型剤、フッ素系離型剤などを用いるのが好ましい。
【0028】
ここで、離型剤としては、シリコーン系離型剤が特に好ましく、具体的には、ジシロキサン、トリシロキサンなどのシロキサン化合物、モノシラン、ジシラン、トリシランなどのシラン化合物、及びヘキサメチルジシラザン、ペルヒドロポリシラザンなどのシラザン化合物から選択される少なくとも一種を含有するものである。このようなシリコーン系離型剤は、一般的には溶剤として有機溶剤を含有しているが、水溶液タイプのもの又はエマルジョンタイプのものを用いてもよい。
【0029】
一例としては、ジメチルシロキサンを主成分とするシリコーン系オイル、メチルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラン、トルエン、リグロインを成分とするシリコーン系レジンSR2411(商品名:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、シラザン、合成イソパラフィン、酢酸エチルを成分とするシリコーン系レジンSEPA−COAT(商品名:信越化学工業社製)などを挙げることができる。
【0030】
かかる離型剤層の形成方法は特に限定されず、離型剤又はその溶液をスプレー、ディッピング、又はローラー塗布などにより塗布してもよい。また、何れの場合にも、絶縁体層と離型剤層との間の剥離を防止するために、加熱処理等により両者の間の接合力を高めるようにしてもよい。
【0031】
また、離型剤層は、フォトリソグラフィー後、IC実装時までに設けられていればよい。これは、フォトレジスト層の剥離液等により離型剤層が溶解する虞があるためであり、導体層をエッチング後、配線パターン用レジストマスクを除去後設けるようにするのが好ましい。すなわち、レジストマスクを除去後、スズメッキを施した後の工程、または、レジストマスクを除去後、ソルダーレジスト層を設け、リード電極にメッキを施した後の工程等に設けるのが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るCOFフィルムキャリアテープを実施例に基づいて説明する。
【0033】
図1には、一実施形態に係るCOFフィルムキャリアテープ20を示す。
【0034】
図1(a)、(b)に示すように、本実施形態のCOFフィルムキャリアテープ20は、銅箔からなる導体層11とポリイミドフィルムからなる絶縁層12とからなるCOF用積層フィルム10を用いて製造されたものであり、導体層11をパターニングした配線パターン21と、配線パターン21の幅方向両側に設けられたスプロケットホール22とを有する。また、配線パターン21は、それぞれ、実装される電子部品の大きさにほぼ対応した大きさで、絶縁層12の表面に連続的に設けられている。さらに、配線パターン21上には、ソルダーレジスト材料塗布溶液をスクリーン印刷法にて塗布して形成したソルダーレジスト層23を有する。
【0035】
ここで、導体層11としては、銅の他、金、銀などを使用することもできるが、銅箔が一般的である。また、銅箔としては、電解銅箔、圧延銅箔など何れも使用することができる。導体層11の厚さは、一般的には、1〜70μmであり、好ましくは、5〜35μmである。
【0036】
一方、絶縁層12としては、ポリイミドの他、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルサルホン、液晶ポリマーなどを用いることができるが、ピロメット酸2無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの重合によって得られる全芳香族ポリイミドを用いるのが好ましい。なお、絶縁層12の厚さは、一般的には、12.5〜75μmであり、好ましくは、12.5〜50μmである。
【0037】
ここで、COF用積層フィルム10は、例えば、銅箔からなる導体層11上に、ポリイミド前駆体やワニスを含むポリイミド前駆体樹脂組成物を塗布して塗布層12aを形成し、溶剤を乾燥させて巻き取り、次いで、酸素をパージしたキュア炉内で熱処理し、イミド化して絶縁層12とすることにより形成されるが、勿論、これに限定されるものではない。
【0038】
一方、離型剤層13は、シリコーン系離型剤の他、エポキシ系離型剤、フッ素系離型剤を挙げることができる。離型剤層13は、離型剤を塗布等により設けた後、加熱処理して絶縁層12と強固に接合するのが好ましい。なお、離型剤層13の厚さは、例えば、0.1〜1μmである。
【0039】
このような本発明のCOFフィルムキャリアテープは、例えば、搬送されながらICチップやプリント基板などの電子部品の実装工程に用いられ、COF実装されるが、この際、絶縁層12の光透過性が50%以上あるので、絶縁層12側から配線パターン21をCCD等で画像認識することができ、さらに、実装するICチップやプリント基板の配線パターンを認識することができ、画像処理により相互の位置合わせを良好に行うことができ、高精度に電子部品を実装することができる。
【0040】
次に、上述したCOFフィルムキャリアテープの一製造方法を図2を参照しながら説明する。
【0041】
図2(a)に示すように、COF用積層フィルム10を用意し、図2(b)に示すように、パンチング等によって、導体層11及び絶縁層12を貫通してスプロケットホール22を形成する。このスプロケットホール22は、絶縁層12の表面上から形成してもよく、また、絶縁層12の裏面から形成してもよい。次に、図2(c)に示すように、一般的なフォトリソグラフィー法を用いて、導体層11上の配線パターン21が形成される領域に亘って、例えば、ネガ型フォトレジスト材料塗布溶液を塗布してフォトレジスト材料塗布層30を形成する。勿論、ポジ型フォトレジスト材料を用いてもよい。さらに、スプロケットホール22内に位置決めピンを挿入して絶縁層12の位置決めを行った後、フォトマスク31を介して露光・現像することで、フォトレジスト材料塗布層30をパターニングして、図2(d)に示すような配線パターン用レジストパターン32を形成する。次に、配線パターン用レジストパターン32をマスクパターンとして導体層11をエッチング液で溶解して除去し、さらに配線パターン用レジストパターン32をアルカリ溶液等にて溶解除去することにより、図2(e)に示すように配線パターン21を形成する。続いて、必要に応じて配線パターン21全体にスズメッキなどのメッキ処理を行った後、図2(f)に示すように、塗布法により離型剤層13を絶縁層12の表面に形成する。この離型剤層13は、塗布して乾燥するだけでもよいが、加熱ツールと熱融着しないという離型効果を向上させるためには、加熱処理を行うのが好ましい。加熱処理は、例えば、100〜200℃で、30分〜2時間程度行えばよい。次に、図2(g)に示すように、例えば、スクリーン印刷法を用いて、ソルダーレジスト層23を形成する。そして、ソルダーレジスト層23で覆われていないインナーリード及びアウターリードに必要に応じて金属メッキ層を施す。金属メッキ層は特に限定されず、用途に応じて適宜設ければよく、スズメッキ、スズ合金メッキ、金メッキ、金合金メッキなどを施す。
【0042】
以上説明した実施形態では、離型剤層13の形成を配線パターン用レジストパターン32をアルカリ溶液等にて溶解除去した後、ソルダーレジスト層23を設ける前に行ったが、ソルダーレジスト層23を設けた後のフォトレジスト製造工程最後に離型剤層13を形成するようにしてもよい。このように離型剤層13を形成すると、離型剤層13がエッチング液やフォトレジストの剥離液等に曝されないので、離型効果が高いという利点がある。なお、ここで製造工程最後とは、製品検査工程の前を意味する。
【0043】
このように、本発明の離型剤層は、配線パターン21を形成するフォトリソグラフィー工程後に形成するのが好ましい。これはフォトレジスト層の剥離工程で離型剤層が溶解する可能性があるからである。したがって、フォトレジスト工程終了直後、又はメッキ処理後、さらには、ソルダーレジスト層23形成後等に離型剤層13を設けるのが好ましい。
【0044】
(実施例1a〜1d)
種々の市販のポリイミド製のベースフィルム、エスパーフレックス(商品名:住友金属鉱山社製;実施例1a)、エスパネックス(商品名:新日鐵化学社製;実施例1b)、ネオフレックス(商品名:三井化学社製;実施例1c)およびユピセル(商品名:宇部興産社製;実施例1d)を用いたCOF用積層フィルムの導体層をフォトレジスト法によりパターニングし、配線パターン全体にスズメッキを施した後、ベースフィルムにシリコーン系レジン(シラン系化合物を含有する)であるSR2411(商品名:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を塗布し、125℃で1時間加熱して離型剤層を形成したCOFフィルムキャリアテープを製造した。
【0045】
(実施例2a〜2d)
実施例1a〜1dと同様な種々の市販のポリイミド製のベースフィルム、エスパーフレックス(商品名:住友金属鉱山社製;実施例2a)、エスパネックス(商品名:新日鐵化学社製;実施例2b)、ネオフレックス(商品名:三井化学社製;実施例2c)およびユピセル(商品名:宇部興産社製;実施例2d)を用いたCOF用積層フィルムの導体層をフォトレジスト法によりパターニングし、配線パターン全体にスズメッキを施した後、ベースフィルムにシリコーン系レジン(シラザンを含有する)であるSEPA−COAT(商品名:信越化学工業社製)を塗布し、125℃で1時間加熱して離型剤層を形成したCOFフィルムキャリアテープを製造した。
【0046】
(比較例1a〜1d、2a〜2d)
実施例1a〜1d、2a〜2dで離型剤層を設けない以外は同様なCOFフィルムキャリアテープを比較例1a〜1d、2a〜2dとした。
【0047】
(試験例1)
実施例1a〜1d、2a〜2dおよび比較例1a〜1d、2a〜2dのCOFフィルムキャリアテープを用い、加熱ツール温度を260℃〜420℃の範囲で変化させながら離型剤層13側へ押し当ててICチップを実装し、加熱ツールとの付着性を観察した。この結果を表1に示す。
【0048】
この結果、実施例1a〜1d及び実施例2a〜2dでは、離型剤層13を有さない比較例1a〜1d、2a〜2dと比較して顕著な付着防止効果を示した。
【0049】
【表1】
【0050】
(実施例3a〜3d)
実施例1a〜1dと同様な種々の市販のポリイミド製のベースフィルム、エスパーフレックス(商品名:住友金属鉱山社製;実施例3a)、エスパネックス(商品名:新日鐵化学社製;実施例3b)、ネオフレックス(商品名:三井化学社製;実施例3c)およびユピセル(商品名:宇部興産社製;実施例3d)を用いたCOF用積層フィルムの導体層をフォトレジスト法によりパターニングし、配線パターン全体にスズメッキを施した後、ベースフィルムにシリコーン系オイルであるSRX310(商品名:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を塗布し、125℃で1時間加熱して離型剤層を形成したCOFフィルムキャリアテープを製造した。
【0051】
(比較例3a〜3d)
実施例3a〜3dで離型剤層を設けない以外は同様なCOFフィルムキャリアテープを比較例3a〜3dとした。
【0052】
(試験例2)
実施例3a〜3dおよび比較例3a〜3dのCOFフィルムキャリアテープを用い、加熱ツール温度を260℃〜420℃の範囲で変化させながら離型剤層13側へ押し当ててICチップを実装し、加熱ツールとの付着性を観察し、付着した温度を測定した。この結果を表2に示す。
【0053】
この結果、実施例3a〜3cは、比較例3a〜3cと比較して顕著な効果が認められた。なお、実施例3dは、比較例3dと差はあるものの、効果は顕著ではなかった。しかしながら、加熱融着温度は、加熱ツール、実装するICチップの種類、実装品の用途等により異なり、一般的には200〜350℃程度の場合もあるので、付着温度が上昇する点では有効である。
【0054】
【表2】
【0055】
(実施例4a〜4b)
SEPA−COAT(商品名:信越化学工業社製)の塗布時期を、導体層パターニング後、フォトレジストを剥離し、スズメッキを施した後に塗布し3時間以上乾燥して離型剤層を形成した(実施例4a)、乾燥の代わりに125℃で1時間熱処理して離型剤層を形成した(実施例4b)とした以外は、実施例2aと同様にCOFフィルムキャリアテープを製造した。
【0056】
(比較例4a〜4f)
SEPA−COAT(商品名:信越化学工業社製)の塗布時期を、COF用積層フィルムの原料に塗布し3時間以上乾燥して離型剤層を形成した(比較例4a)、乾燥の代わりに125℃で1時間熱処理して離型剤層を形成した(比較例4b)、導体層のパターニング前クリーニング工程で塗布し3時間以上乾燥して離型剤層を形成した(比較例4c)、乾燥の代わりに125℃で1時間熱処理して離型剤層を形成した(比較例4d)、導体層パターニング用のフォトレジスト現像をした後に塗布し3時間以上乾燥して離型剤層を形成した(比較例4e)、乾燥の代わりに125℃で1時間熱処理して離型剤層を形成した(比較例4f)とした以外は、実施例2aと同様にCOFフィルムキャリアテープを製造した。
【0057】
(試験例3)
実施例4a〜4b及び比較例4a〜4fのCOFフィルムキャリアテープを用い、加熱ツール温度を260℃〜420℃の範囲で変化させながら離型剤層13側へ押し当ててICチップを実装し、加熱ツールとの付着性を観察し、付着した温度を測定した。この結果を表3に示す。
【0058】
この結果、フォトリソグラフィー工程のフォトレジストの剥離の際に離型剤層が溶解されるためか、その後に離型剤層を形成した実施例4a〜4bが付着防止効果が高かった。また、離型剤層を塗布法で設ける場合には、自然乾燥よりも加熱処理した方が付着防止効果が向上することも認められた。
【0059】
【表3】
【0060】
(実施例5a〜5e)
SEPA−COAT(商品名:信越化学工業社製)の希釈倍率を変化させて実施例4a及び4bと同様に導体層パターニング後、フォトレジストを剥離し、スズメッキを施した後に塗布し3時間以上乾燥して離型剤層を形成したものと、乾燥の代わりに125℃で1時間熱処理して離型剤層を形成したものとをそれぞれ製造した。この場合、希釈倍率を原液のままから2倍、3倍、5倍、10倍と酢酸エチルで希釈したシリコーン系レジンを用いたが、この場合の離型剤層の厚さ(計算値)を算出した。
【0061】
(試験例4)
実施例5a〜5eのCOFフィルムキャリアテープを用い、加熱ツール温度を260℃〜420℃の範囲で変化させながら離型剤層13側へ押し当ててICチップを実装し、加熱ツールとの付着性を観察し、付着した温度を測定した。この結果を表4に示す。
【0062】
この結果、離型剤層が0.1μmを越える実施例5a〜5cで付着防止効果が特に顕著であった。
【0063】
【表4】
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のCOFフィルムキャリアテープの製造方法は、離型剤層を設けることにより、ICチップ実装時に加熱ツールやステージと絶縁体層とが熱融着するのを防止することができ、ICチップ実装ラインの信頼性及び生産性を向上させるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るCOFフィルムキャリアテープを示す概略構成図であって、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るCOFフィルムキャリアテープの製造方法の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 COF用積層フィルム
11 導体層
12 絶縁層
13 離型剤層
20 COFフィルムキャリアテープ
21 配線パターン
22 スプロケットホール
23 ソルダーレジスト層
Claims (9)
- 絶縁層と、この絶縁層の一方面に積層された導体層をパターニングした配線パターンを具備するCOFフィルムキャリアテープの製造方法であって、前記パターニングを行うフォトリソグラフィー工程の後に前記絶縁層に離型剤層を形成する工程を具備することを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法。
- 請求項1において、前記離型剤層がシリコーン系離型剤からなることを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法。
- 請求項2において、前記シリコーン系離型剤が、シロキサン化合物、シラン化合物、及びシラザン化合物から選択される少なくとも一種を含有することを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記離型剤層の形成の工程が、前記離型剤溶液の塗布工程及び加熱処理工程を含むことを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記離型剤層の形成の工程を、前記配線パターンを形成したレジストマスクを除去した後の任意のときに行うことを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記絶縁層が、前記導体層にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布した後、乾燥・硬化することにより形成されたものであることを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記絶縁層が、前記導体層に熱圧着された熱可塑性樹脂層及び絶縁フィルムにより形成されたものであることを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記絶縁層が、前記導体層に熱圧着された熱硬化性樹脂層及び絶縁フィルムにより形成されたものであることを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法。
- 請求項1〜8の何れかにおいて、前記導体層が、前記絶縁層にスパッタされた密着強化層及びこの上に設けられた銅メッキ層からなることを特徴とするCOFフィルムキャリアテープの製造方法。
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