JP2004152978A - シリコン膜加工方法 - Google Patents

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Toshio Kudo
利雄 工藤
Koji Seike
幸治 清家
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Abstract

【課題】ほぼ均一な膜厚を有するシリコン結晶性薄膜を、高スループットで形成する。
【解決手段】アモルファス相のシリコン膜に、固体レーザから、波長が340nmより大きく900nmより小さいレーザビームを複数回照射し、1回ごとの照射において前記シリコン膜の少なくとも一部に溶融領域を形成する。該溶融領域の降温過程において、該溶融領域を固化させ、前記シリコン膜に亜結晶領域を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アモルファス相のシリコン膜にレーザビームを照射して、シリコン膜の加工を行うシリコン膜加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
XeClレーザ(波長308nm)を光源とする、エキシマレーザアニールによる多結晶シリコン薄膜製造方法が知られている。XeClレーザは、ガスレーザであり、ビーム内のエネルギー密度を安定化することは難しい。基板上に形成された厚さ50nm程度のアモルファスシリコン層を結晶化するために、レーザビームを、アモルファスシリコン層上の狭い領域に集光する。レーザビームは、長さ30cmほどの長尺状のビームスポットを形成して、アモルファスシリコン層に入射する。アモルファスシリコン層は、XYステージにより移動され、レーザビームは、95%以上の重複率でアモルファスシリコン層に照射される。大きな重複率でレーザビームが照射されるため、エネルギー密度分布が不安定なレーザであっても、全領域のエネルギー密度分布が均一化され、照射された全領域が溶融する。その後の降温過程において、たとえば照射レーザビームのエネルギー密度の低い点を核として、核の周囲方向に結晶成長が生じると考えられる。その結果、アモルファスシリコン層は、多結晶化される。
【0003】
図12(A)は、エキシマレーザアニールによって、アモルファスシリコン層に形成された結晶粒及び結晶粒界を示す概略的な平面図である。結晶粒60a及び60bが隣接して形成され、その境界には結晶粒界61が形成されている。
【0004】
図12(B)は、図12(A)に示した結晶粒60a、60b及び結晶粒界61の概略を示す断面図である。結晶粒60a及び60bは、結晶粒界61近傍において、結晶粒界61に沿った凸部を有している。
【0005】
凸部の高さは、結晶粒のサイズによって異なる。サイズが大きいほど凸部の高さも高くなる。結晶粒の凸部の高さを、面内平均として表す指標であるRaを用いて示すと、平均結晶粒がたとえば約0.5μm径であるとき、結晶粒のRaは約50nmである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエキシマレーザアニールによる多結晶シリコン薄膜製造方法では、プロセスマージンが狭く、スループットが低い。また、形成される結晶粒は、結晶粒界近傍において凸部が形成されるため、これを薄膜トランジスタ(TFT)に用いるとき、その特性を均一に保つことが難しい。
【0007】
本発明の目的は、シリコンで形成されたほぼ均一な膜厚を有する結晶性薄膜を、高スループットで提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、アモルファス相のシリコン膜に、固体レーザから、波長が340nmより大きく900nmより小さいレーザビームを複数回照射し、1回ごとの照射において前記シリコン膜の少なくとも一部に溶融領域を形成し、該溶融領域の降温過程において、該溶融領域を固化させ、前記シリコン膜に亜結晶領域を形成するシリコン膜加工方法が提供される。
【0009】
亜結晶とは、結晶性の構造をいう。亜結晶領域の表面に生じる凸部の高さは、従来のエキシマレーザアニールで形成された結晶粒の結晶粒界近傍に生じる凸部の高さに比べると低い。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施例によるシリコン膜加工方法に用いるレーザアニール装置を示す概略図である。レーザ光源1は、たとえば波長変換ユニットを含む全固体レーザ発振器である。波長変換ユニットは、2倍波発生用非線形結晶(SHG,Second Harmonics Generator)とダイクロイックミラーとを含んで構成される。
【0011】
たとえばNd:YLF(yttrium lithium fluorine)レーザから、半導体レーザを励起源としたNd:YLFレーザの基本波(波長1047または1053nm)が出射する。基本波は、2倍波発生用非線形結晶(SHG)に入射し、2倍波発生用非線形結晶(SHG)からは、基本波と2倍高調波(波長524または527nm)との異なる二つの波長成分を含む混合波が出射する。混合波は、ダイクロイックミラーで基本波と2倍高調波とに分離され、2倍高調波だけがレーザ光源1から出射する。
【0012】
レーザ光源1から出射した2倍高調波のパルスレーザビームは、必要に応じて配置される反射ミラー2で反射され、レーザビームのエネルギーを調整するアッテネータ3、レーザビームのビーム径を拡大するテレスコープ4を経て、ホモジナイザー5に入射する。
【0013】
ホモジナイザー5は、レーザビームの断面におけるエネルギー密度分布を均一化し、また、照射面におけるビームスポットの形状を長尺状にする。ホモジナイザー5から出射したレーザビームは、必要に応じて反射ミラー2で反射され、ステージ6上に載置された加工対象物である基板7に入射する。ステージ6は、その上に載置される加工対象物を、2次元平面内で移動させることができる。
【0014】
図2は、基板7の概略を示す断面図である。基板7は、たとえば、ガラス基板11、たとえば酸化シリコンで形成された下地層12、シリコン層13がこの順に下から積層されている。シリコン層13は、アモルファス相である。ガラス基板11の厚さは、たとえば0.5〜1.1μm、下地層12の厚さは、たとえば100nm、アモルファス相のシリコン層13の厚さは、たとえば50nmである。
【0015】
Nd:YLFレーザの2倍高調波(波長524または527nm)が、アモルファス相のシリコン層13に照射される。なお、説明の便宜のため、シリコン層13内に、直交する2方向、X方向及びY方向を画定する。図2において、X方向は、左から右に向かう向きであり、Y方向は、紙面表から裏に向かう向きである。
【0016】
図3は、シリコン層13に照射されるパルスレーザビームの断面における、1パルス当たりのエネルギー密度を示す概略的な図である。図中のX方向及びY方向は、図2のそれらと対応している。レーザビームは、X方向に、たとえば半値幅0.1mmの略ガウス分布のエネルギー密度を有し、Y方向(長さ方向)に、ほぼ均一のエネルギー密度分布を有している。Y方向(長さ方向)の長さは、たとえば5mmである。なお、100mm程度までは、技術的に可能である。レーザビームには幾分干渉性があり、また、シリコン層13に照射される際は、空間揺らぎが生じるため、パルスエネルギー密度分布に多数のスパイク状部分が、ランダムに発生している。スパイク状部分に関しては、スパイク中心部から周囲に向かっての距離が増加するとともに、エネルギー密度が次第に低減する。ホモジナイザー5が、Y方向へのエネルギー密度の均一化を行う。
【0017】
シリコン層13表面に形成されるビームスポット内の平均エネルギー密度を考えるとき、シリコン層13に照射されるパルスレーザビームの1パルス当たりのエネルギー密度は、アモルファス相のシリコン層13の一部が結晶化する閾値より大きく、完全溶融する値より小さいエネルギー密度となるように調整される。
【0018】
たとえば、シリコン層13の厚さが50nmであるとき、照射されるレーザビームのエネルギー密度は400〜450mJ/cmであることが好ましい。また、厚さ約50nmのアモルファス相のシリコン層13の場合、350〜500mJ/cmのエネルギー密度で、レーザビームが照射されると、良好な結果が得られる。ここで、「約」とは、通常の製造工程で許容される程度の誤差の範囲を表すものとする。なお、この明細書では、レーザビームが一方向に略ガウス分布のエネルギー密度を有している場合、半値幅を、その方向の長さと定義する。したがって、この場合、ビームスポットとは、横0.1mm、縦5mm内の領域をいう。エネルギー密度分布のスパイク状部分では、アモルファス相のシリコン層13が完全に溶融される。エネルギー密度が低い領域では、アモルファス相のシリコン層13が溶融しない部分もある。
【0019】
また、図1に示したレーザアニール装置に使用するホモジナイザー5は、Y方向にのみ、ビーム断面のエネルギー密度を均一化するため、X方向、Y方向の双方向にエネルギー密度を調整するホモジナイザーに比べ、光学系を単純化することができる。
【0020】
なお、後に詳述するが、Nd:YLFレーザの2倍高調波(波長524または527nm)におけるアモルファスシリコンの吸収係数は、結晶シリコンのそれより1桁以上大きい。従って、入射光は、結晶シリコン領域より、アモルファス相領域で、優先的に吸収される波長領域の光である。
【0021】
図4は、基板7のアモルファス相のシリコン層13(厚さ50nm)に、Nd:YLFレーザの2倍高調波(波長524または527nm)を照射して溶融領域を形成し、その溶融領域を降温過程において固化させてから、基板7にセコエッチを施し、その後シリコン層13の表面を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影した像の一部をスケッチしたものである。ただし、点線は説明の便宜のために書き入れた。なお、アモルファス相のシリコンは、セコエッチで容易に溶解することが知られている。
【0022】
シリコン層13に照射されるレーザビームのエネルギー密度は450mJ/cmであり、シリコン層13に入射する長尺状レーザビームのビームスポットのサイズは、長さ方向に5mm、幅方向に0.1mmであった。ステージ6により、シリコン層13を移動させることで、長尺レーザビームを幅方向に走査し、重複率80%でシリコン層13に照射した。すなわち、同一箇所は、5回レーザビームの照射を受ける。
【0023】
図には、エッチングされずに残っている2つの領域、左上の大きな領域と、右下の小さな領域とが見られる。エッチングされていないことから、これらの領域はアモルファス相ではないことがわかる。右下の小さな領域を「単位結晶性領域」と名付けることとする。このスケッチにはないが、シリコン層13の他の部分にも、単位結晶性領域が形成されていることが認められた。それらは円状に観察され、ほぼ均一の大きさ(直径2〜4μm)を有していた。
【0024】
左上の大きな領域は、3つの単位結晶性領域から形成されているように見える。また、左上の大きな領域の表面には、図中の点線に沿った位置に凸部が存在する。そこで本願発明者らは、図中左上の大きな領域のように、複数の単位結晶性領域から形成されているように見える領域については、表面に凸部が存在する位置、及びその直下のシリコン層13内部で、各単位結晶性領域が隣接していると考え、その隣接位置を、「結晶性領域境界」と呼ぶこととした。
【0025】
なお、各単位結晶性領域が結晶性領域境界に沿って有している凸部の高さは、従来の多結晶シリコン膜が結晶粒界近傍に有する凸部に比べると、かなり低い。この点について、従来のレーザアニールで形成された多結晶とは、性質を異にする。これに関しては、後に詳述する。
【0026】
図5を参照する。図5(A)及び(B)は、それぞれ図4に示した単位結晶性領域、及び図2に示した基板7のアモルファス相のシリコン層13に、アルゴンレーザを、ビームスポット径が1μm以下になるように集光して照射し、ラマン散乱した散乱光の強度を分光測定したグラフである。2つのグラフとも、横軸は、アルゴンレーザからの波数シフトを単位「cm−1」で示し、縦軸は、散乱光の強度を「任意単位」で示してある。
【0027】
図5(A)のグラフにおいては、約510cm−1の波数で、強度のピークが生じている。これは格子振動に起因するものと思われる。図5(B)のアモルファス相のシリコン層13のグラフには、ピークは生じていない。したがって、図4にスケッチを示した単位結晶性領域は、アモルファス相ではなく、格子振動を生じ得る程度の結晶構造を有していると考えられる。
【0028】
図6は、図3に示したエネルギー密度分布を有するNd:YLFレーザの2倍高調波(波長524または527nm)を、シリコン層13に照射して溶融領域を形成し、その溶融領域を降温過程において固化させてから、シリコン層13の表面を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影した像の一部をスケッチしたものである。図中のX方向、Y方向は、図2及び図3のそれらと対応している。
【0029】
シリコン層13に照射されるレーザビームのエネルギー密度は500mJ/cmであり、シリコン層13に入射する長尺状レーザビームのビームスポットのサイズは、長さ方向に5mm、幅方向に0.1mmであった。ステージ6により、シリコン層13を移動させることで、長尺レーザビームを幅方向に走査し、重複率50%でシリコン層13に照射した。すなわち、同一箇所は、2回レーザビームの照射を受けている。
【0030】
図中に斜線を施した部分が、複数の単位結晶性領域から形成されていると思われる結晶性の領域である。この結晶性の領域の幅(X方向の長さ)は、約30μmであった。結晶性の領域は、アモルファス相のシリコン層13との境界において、シリコン層13の面内方向に凹凸を有していることが見て取れる。しかし、その凹凸は、単位結晶性領域のサイズレベルである。
【0031】
次に、この結晶性の領域のX線回折を測定した。その結果、結晶性の領域には、特別な面配向がなく、配向がランダム(等方的)であることが判明した。また、結晶性の領域から得られた試料をパウダー状にしてX線回折を測定した。X線の回折角を2θとしたとき、20°≦2θ≦80°の範囲で測定を行うと、回折のパターンには、(111)面、(220)面、(311)面が観察された。したがって、図に示すような結晶性の領域は、単結晶(多結晶のグレインに相当するもの)ではなく、アモルファス相でもない。
【0032】
以上より、本発明の実施例によって得られた結晶性の領域は、アモルファス相とは明確に異なり、結晶的性質を有するが、多結晶のグレイン構造は有さず、ましてや単結晶ではない。このような結晶性の領域は、従来、見ることができなかった。そこで、本願発明者らは、単位結晶性領域、及び、複数の単位結晶性領域から形成されていると見える結晶性の領域が有する構造を、「亜結晶」と呼ぶこととした。
【0033】
なお、観察の結果、亜結晶の領域が形成される際の成長速度は、約10m/sであると計算された。これから、亜結晶の領域は、液相成長により形成されていると考えられる。
【0034】
図7(A)〜(E)は、基板7のアモルファス相のシリコン層13(厚さ50nm)に、Nd:YLFレーザの2倍高調波(波長524または527nm)を異なる重複率で照射して亜結晶の領域を形成した後、シリコン層13の表面を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影した像の一部をスケッチしたものである。
【0035】
シリコン層13に照射されるレーザビームのエネルギー密度は450mJ/cmであり、シリコン層13に入射する長尺状レーザビームのビームスポットのサイズは、長さ方向に5mm、幅方向に0.1mmであった。ステージ6により、シリコン層13を移動させることで、長尺レーザビームを幅方向に走査した。(A)〜(E)の重複率は、順に、50%、80%、90%、95%、98%である。すなわち、シリコン層13の同一箇所は、それぞれ、2回、5回、10回、20回、50回のレーザビームの照射を受ける。
【0036】
図に斜線を施した部分が、亜結晶が形成されている領域である。図より、重複率が大きくなるほど、亜結晶の領域は、増大することがわかる。なお、照射するレーザビームのパルスエネルギー密度を大きくすることによっても、亜結晶化する領域を増大させることができる。照射回数の増大とともに、亜結晶領域の面積が増大していることは、亜結晶相のシリコンの吸収係数が、アモルファス相のシリコンの吸収係数より、著しく小さいことを示していると考えられる。
【0037】
以下、上記の実験、観察結果をもとに、他の実験、観察により、新たに補充を行いながら、亜結晶について詳しく考察、記述していく。
【0038】
図8(A)は、2ショットのパルスレーザビームが照射された後の、シリコン層13の一部を示す概略的な平面図である。図中のX方向、Y方向は、図2及び図3のそれらと対応している。すなわち図8(A)におけるY方向と長尺レーザビームの長さ方向とは、平行である。この点に関しては、以下の図8(B)及び(C)についても同様である。
【0039】
図3に示すパルスエネルギー密度を有するレーザビームが、アモルファス相のシリコン層13に入射すると、エネルギー密度のスパイク状部分が照射された多数の位置を中心に、多数のスポット状の溶融領域が形成される。シリコン層13の各々の溶融領域は、降温過程において、周辺部から中央部に向かって固化していくと考えられ、単位結晶性領域20を形成することが認められた。単位結晶性領域20は、直径がμmレベルの均一な円状(主として直径2〜4μm)に形成されている。固化の方向が周辺部から中央部に向かうのは、溶融部分が低温部から高温部に向かって固化していくためではないかと思われる。また、単位結晶性領域20のサイズは、シリコン層13の厚さや、溶融領域の固化速度等によって制御できることがわかった。単位結晶性領域20をより大きなサイズで形成する場合、たとえば、シリコン層13の厚さを増加させればよい。また、固化速度は、シリコン層13上に入射するレーザビームのビームスポットの大きさや、基板7や下地層12の熱容量、熱伝導性等に依存する。
【0040】
更に、複数の単位結晶性領域20が連続したような形状に亜結晶の領域が形成されている。この領域には表面に凸部が存在し、前述したように、本願発明者らは、その位置、及びその直下のシリコン層13内部で、各単位結晶性領域が隣接していると考えた。
【0041】
図8(B)は、図8(A)に示す亜結晶の領域が形成されたときより、エネルギー密度の大きな長尺状のパルスレーザビームを、50%の重複率で、ビームの幅方向(X方向)に走査し、シリコン層13に照射した後の、シリコン層13の一部を示す概略的な平面図である。ここで重複率とは、図8(B)に示すような亜結晶の領域を形成することが可能な、実効的なビーム照射領域を、現ショットと次ショットで50%重複させるという意味である。したがって、重複率50%でレーザビームを照射するとき、シリコン層13の同一箇所には、2ショットのパルスレーザビームが照射される。レーザビームの走査は、基板7を載置したステージの移動により行う。また、たとえばガルバノスキャナを用い、ビームをシリコン層13上に走査することもできる。
【0042】
図8(A)に示した場合に比べて、亜結晶の領域が連続し、拡大している。亜結晶の領域を連続させたり、広くしたりするには、照射するレーザビームのエネルギー密度を増大させたり、レーザビームを同じ位置に重複照射すればよい。また、レーザビームの走査により、亜結晶の領域は、長尺状のパルスレーザビームの幅方向(X方向)に伸張される。
【0043】
連続的に形成されたスポット状の溶融領域が、降温過程において固化することにより、大面積に渡る亜結晶の領域が形成されると考えられる。太線で示したのは、亜結晶の領域とシリコン層13のアモルファス相領域との境界線である。長尺ビームの幅方向(X方向)のエネルギー密度が略ガウス分布であるにもかかわらず、この境界線はシャープである。すなわち、前述のように、亜結晶の領域とアモルファス相領域との境界において、シリコン層13の面内方向には、単位結晶性領域20のサイズレベルでの凹凸しか見られない。
【0044】
図8(C)は、シリコン層13に、長尺状のパルスレーザビームを、50%の重複率で、ビームの幅方向(X方向)に走査しながら入射させ、更に、図8(B)に示した結晶性の領域を形成した場合よりも照射するビームのショット数を増やし、結晶性の領域を拡大した際の、シリコン層13の一部を示す概略的な平面図である。結晶性の領域は、ビームの幅方向(X方向)に伸張される。
【0045】
前述のように、亜結晶の領域と、アモルファス相のシリコン層13との境界が、シャープに形成されるため、マスクを使用せず、加工を行うことができる。また、低い重複率でレーザビームを重複照射し、亜結晶の領域を伸張することができる。したがって、高いスループットで、大面積の亜結晶の領域を形成することができる。
【0046】
レーザビームは、照射するエネルギー密度にもよるが、同一箇所に2ショットの照射で、広い亜結晶領域が得られている。5ショット以下、より好ましくは10ショット以下、照射することにより、アモルファス相のシリコン層の全領域を、亜結晶に変換することができるであろう。
【0047】
図9は、アモルファスシリコン及び結晶シリコンにおける照射光の波長に対する吸収係数の関係を表すグラフである。横軸は、照射する光の波長を単位「nm」で表し、縦軸は、吸収係数を単位「×10cm−1」で表す。
【0048】
白丸で示したのがアモルファスシリコン、黒丸で示したのが結晶シリコンにおける吸収係数である。前述したように、Nd:YLFレーザの2倍高調波の波長(524または527nm)においては、アモルファスシリコンの吸収係数は、結晶シリコンのそれより1桁以上大きい。従って、入射光は、結晶シリコン領域より、アモルファス相領域で、優先的に吸収される。
【0049】
亜結晶における吸収係数は、結晶シリコンの吸収係数とアモルファスシリコンのそれとの間の値をとると考えられる。また、結晶シリコンの吸収係数に、より近いであろうとも考えられる。したがって、Nd:YLFレーザの2倍高調波の波長(524または527nm)においては、アモルファスシリコンの吸収係数は、結晶シリコンのそれより、かなり大きいことが予想される。このため、入射光は、形成された亜結晶領域より、アモルファス相の部分に優先的に吸収され、亜結晶の領域を低い重複照射率で伸張することができると思われる。
【0050】
図10は、図8(A)に平面図を示したシリコン層13を、A8−A8線に沿って切断したときの、シリコン層13の断面図である。2つの単位結晶性領域20が連続して、結晶性領域境界21を形成している。前述の通り、2つの単位結晶性領域20は、結晶性領域境界21近傍において、結晶性領域境界21に沿った凸部を有している。この凸部の高さは、従来例として既述した、結晶粒界61に沿った結晶粒60a及び60bの凸部の高さ(図12参照)よりも低い。
【0051】
基板全面を亜結晶で形成した場合(連続膜形成)、表面の凹凸Raは、約1.0nmである。従来例として既述の結晶粒においては、たとえば平均サイズが約0.5μm径であるとき、Raは約50nmであった。
【0052】
すなわち、亜結晶は、従来の技術で形成された結晶粒に比し、表面の凹凸が小さく、ほぼ一定の厚さに亜結晶領域を形成することができる。したがって、これを薄膜トランジスタ(TFT)に用いるとき、低リーク電流の実現や、高耐圧電圧の確保が可能となる。
【0053】
図11(A)は、レーザビーム照射後も、局所的にアモルファス相の領域が残存しているシリコン層13の一部を示す概略的な平面図である。シリコン層13には、亜結晶の領域が形成されており、その中に、斜線で示したアモルファス相の領域が残存している。この部分に再度レーザビームを照射し、亜結晶の領域を形成することができる。
【0054】
図11(B)は、図11(A)に見られるアモルファス相の領域に亜結晶の領域が形成された、シリコン層13の一部を示す概略的な平面図である。レーザビームを50%以上の重複率で重複照射すると、シリコン層13には、同じ位置に、2ショット以上のレーザビームが入射する。重複照射により、亜結晶の領域が形成されていない部分が存在しても、その部分に、亜結晶の領域を形成することができる。これは、図9を参照して既述したように、Nd:YLFレーザの2倍高調波の波長(524または527nm)においては、アモルファスシリコンの吸収係数が、亜結晶の吸収係数より大きいことに起因していると思われる。なお、アモルファス相の領域が残存している場合のほか、サイズの小さな単位結晶性領域が形成されている場合等も、レーザビームを重複照射することで、その箇所に、均一サイズの単位結晶性領域を形成することができる。
【0055】
良質の亜結晶領域を形成するために、レーザビームは、照射するエネルギー密度にもよるが、同一箇所に20ショット以下、好ましくは、50ショット以下、より好ましくは100ショット以下、照射すればよいであろう。
【0056】
本実施例においては、亜結晶の領域を形成するレーザビームとして、Nd:YLFレーザの2倍高調波(波長524または527nm)を用いたが、Nd:YAG(yttrium aluminum garnet)レーザの2倍高調波(波長532nm)、Nd:YVOレーザの2倍高調波(波長532nm)等、アモルファス相シリコンの光吸収係数が亜結晶シリコンのそれより大きくなる波長帯のレーザビームであればよいであろう。好適な波長帯は、アモルファス相シリコンの光吸収係数が、結晶シリコンのそれより大きくなる波長帯とほとんど変わらない。ほぼ、340nmより大きく900nmより小さい波長帯であれば、アモルファス相シリコンの光吸収係数が亜結晶シリコンのそれより大きくなると思われる。このような可視領域のレーザビームを用いることにより、エネルギー密度における広いプロセスマージンを確保することができる。
【0057】
また、固体レーザを用いるのが好ましい。固体レーザは、たとえばガスレーザに比べ、安定性と干渉性とが高く、たとえば、干渉により(ノイズ、揺らぎ等を含む。)、エネルギー密度の高い部分をランダムに発生しやすい。エネルギー密度の高い部分が照射されたシリコン膜の部分が溶融し、その他の部分は溶融しないエネルギー密度でシリコン膜にレーザビームを照射することにより、シリコン膜にランダムにスポット状の溶融部分を形成することができる。スポット状の溶融部分は周囲から固化すると考えられ、膜厚がほぼ均一なシリコン亜結晶膜を形成することができる。
【0058】
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ほぼ均一な膜厚を有するシリコン結晶性薄膜を、高スループットで形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるシリコン膜加工方法に用いるレーザアニール装置を示す概略図である。
【図2】実施例によるシリコン膜加工方法に用いる基板の概略的な断面図である。
【図3】パルスレーザビームの断面における1パルス当たりのエネルギー密度を示す概略的な図である。
【図4】レーザビームを照射した後、シリコン層の表面を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影した像のスケッチである。
【図5】(A)及び(B)は、それぞれシリコン層の単位結晶性領域及びアモルファス相領域に、アルゴンレーザを照射し、ラマン散乱した散乱光の強度を分光測定したグラフである。
【図6】レーザビームを照射した後、シリコン層の表面を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影した像のスケッチである。
【図7】(A)〜(E)は、レーザビームを、重複率を変えて照射した後、シリコン層の表面を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影した像のスケッチである。
【図8】(A)〜(C)は、パルスレーザビームが照射された後の、シリコン層の一部を示す概略的な平面図である。
【図9】アモルファスシリコン及び結晶シリコンにおける、照射光の波長と、その波長の光に対する吸収係数の関係を表すグラフである。
【図10】図8(A)のA8−A8線に沿って切断したシリコン層の断面図である。
【図11】(A)及び(B)は、シリコン層の一部を示す概略的な平面図である。
【図12】(A)は、エキシマレーザアニールによって、アモルファスシリコン層に形成された結晶粒及び結晶粒界を示す概略的な平面図であり、(B)は、(A)に示した結晶粒及び結晶粒界の概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源
2 反射ミラー
3 アッテネータ
4 テレスコープ
5 ホモジナイザー
6 ステージ
7 基板
11 ガラス基板
12 下地層
13 シリコン層
20 単位結晶性領域
21 結晶性領域境界
60a、b 結晶粒
61 結晶粒界

Claims (9)

  1. アモルファス相のシリコン膜に、固体レーザから、波長が340nmより大きく900nmより小さいレーザビームを複数回照射し、1回ごとの照射において前記シリコン膜の少なくとも一部に溶融領域を形成し、該溶融領域の降温過程において、該溶融領域を固化させ、前記シリコン膜に亜結晶領域を形成するシリコン膜加工方法。
  2. 前記レーザビームは、前記シリコン膜上に、前記シリコン膜のアモルファス相領域が結晶化する閾値よりも大きく、完全に溶融する値よりも小さいパルスエネルギー密度で照射される請求項1に記載のシリコン膜加工方法。
  3. 前記シリコン膜の厚さが約50nmであり、前記レーザビームのエネルギー密度が350〜500mJ/cmである請求項2に記載のシリコン膜加工方法。
  4. 前記レーザビームの前記シリコン膜上におけるビームスポットは長尺状であり、前記レーザビームは、前記シリコン膜上を、前記長尺状のビームスポットの長さ方向と交差する方向に走査しながら、前記シリコン膜に入射する請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコン膜加工方法。
  5. 前記シリコン膜上における長尺状のビームスポットは、該長尺状のビームスポットの長さ方向に沿って、ほぼ均一な強度分布を有する請求項4に記載のシリコン膜加工方法。
  6. 前記固体レーザから出射するレーザビームがNd:YLFレーザの2倍高調波、またはNd:YAGレーザの2倍高調波、またはNd:VOレーザの2倍高調波である請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコン膜加工方法。
  7. 前記レーザビームは、前記シリコン膜上の同一箇所に、100回以下照射される請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリコン膜加工方法。
  8. 前記レーザビームは、前記シリコン膜上の同一箇所に、50回以下照射される請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリコン膜加工方法。
  9. 前記レーザビームは、前記シリコン膜上の同一箇所に、20回以下照射される請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリコン膜加工方法。
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