JP2006086447A - 半導体薄膜の製造方法および半導体薄膜の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板を損傷させることなく単結晶化領域を拡大させることができ、工業的生産性に優れた半導体薄膜の製造方法および半導体薄膜の製造装置を提供する。
【解決手段】 前駆体半導体薄膜に吸収される波長を有する主パルスレーザおよび副パルスレーザを時間的および空間的に重ね合わせて前駆体半導体薄膜に照射して多結晶半導体薄膜を製造する方法であって、主パルスレーザの照射開始後に複数の副パルスレーザからなる副パルスレーザ列を照射し、主パルスレーザの照射が完了した後に副パルスレーザ列の照射を完了させる半導体薄膜の製造方法とこの製造方法を実施するために用いられる半導体薄膜の製造装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体薄膜の製造方法および半導体薄膜の製造装置に関し、特に基板を損傷させることなく単結晶化領域を拡大させることができ、工業的生産性に優れた半導体薄膜の製造方法および半導体薄膜の製造装置に関する。
液晶やエレクトロルミネッセンス(EL)を応用した表示装置に用いられている薄膜トランジスタ(Thin Film Trangister;TFT)は、非晶質または結晶性のシリコン薄膜を活性層としている場合が多い。このうち、多結晶シリコンまたは単結晶シリコンなどの結晶性シリコン薄膜は電子の移動度が高いため、結晶性シリコン薄膜を用いたTFTは非晶質シリコン薄膜を用いたTFTに比較して多くの利点を有している。
たとえば、結晶性シリコン薄膜を用いたTFTを表示装置に適用した場合には、表示装置の画素部分にスイッチング素子を形成することができるだけでなく、画素の周辺部分に駆動回路などの回路を形成することができるため、1枚の基板上にこれらの素子や回路を形成することができる。そのため、別途、ドライバICや駆動回路基板を表示装置に実装する必要がなくなるため、表示装置を低価格で提供することができるようになる。
また、TFTの寸法を小さくすることができるので、画素部分に形成するスイッチング素子を小型化して表示装置の高開口率化が可能になる。それゆえ、高輝度、高精細な表示が可能な表示装置を提供することができるようになる。
多結晶シリコンまたは単結晶シリコンなどの結晶性シリコン薄膜の製造方法としては、レーザを用いた再結晶化技術が数多く提案されている。
特に、近年では、エキシマレーザを用いて600℃以下の低温で非晶質シリコン薄膜を多結晶化するELA(Excimer Laser Annealing)法が一般化され、低価格のガラス基板上に多結晶シリコン薄膜を形成したTFTを用いた表示装置が低価格で提供されるようになっている。
ELA法は、非晶質シリコン薄膜が形成されたガラス基板を400℃程度に加熱し、このガラス基板を一定の速度で移動させながら、長さ200〜400mmで幅0.2〜1.0mm程度の線状のエキシマレーザをガラス基板上の非晶質シリコン薄膜にパルス状に照射するものである。これにより、非晶質シリコン薄膜の膜厚と同程度の平均粒径を有する単結晶を含む多結晶シリコン薄膜が形成される。しかしながら、ELA法で形成される多結晶シリコン薄膜中の単結晶化領域は一般的には数十nm程度であって高性能のTFTを形成することが困難であった。
そこで、単結晶化領域を拡大させる方法として、たとえば以下の特許文献1〜3に開示されている方法が提案されている。
特許第3204986号公報 特開平11−307450号公報 特開2001−23918号公報
特許文献1においては、基板の表面に対して水平方向に結晶化させて単結晶化領域の拡大を図る逐次横方向成長(Sequential Lateral Solidification;SLS)法が提案されている。図5(a)および図5(b)は、多結晶半導体薄膜の形成過程を図解するための模式的な断面図である。上記のELA法においては、図5(a)に示すように、基板121上にバッファ層122を介して形成された多結晶シリコン薄膜123のレーザ照射領域124においては図5(a)中の矢印で示されるように基板121の表面に対して上方に向けて単結晶化が進行する。他方、SLS法においては、複数回のパルスレーザの照射を繰り返すことによって、図5(b)に示すように、基板121の表面に対して水平方向に単結晶化を進行させることができるためELA法に比べて単結晶化領域の拡大を図ることができる。しかしながら、SLS法を繰り返して単結晶化領域を拡大させるためには多大な時間を要するため、工業的生産性が低いという問題があった。なお、本願の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
特許文献2においては、ガラス基板上に形成された非晶質シリコン薄膜にエキシマレーザと炭酸ガスレーザとを照射することによって、多結晶シリコン薄膜を形成する方法が開示されている。この方法においては、エキシマレーザのみを照射した場合と比べて単結晶化領域を約15倍にすることができる。しかしながら、この方法においては、遠赤外領域の波長を有する炭酸ガスレーザが非晶質シリコン薄膜を透過して耐熱性に乏しいガラス基板を加熱して、ガラス基板に損傷を生じさせてしまうという問題があった。
特許文献3においては、シリコン薄膜に2種類のエキシマレーザを照射して結晶性シリコン薄膜を形成する方法が開示されている。しかしながら、この方法においては、エキシマレーザのみを照射した場合と比べて単結晶化領域を約2倍にしかすることができず、単結晶化領域をほとんど拡大させることができないという問題があった。
上記事情に鑑みて、本発明の目的は、基板を損傷させることなく単結晶化領域を拡大させることができ、工業的生産性に優れた半導体薄膜の製造方法および半導体薄膜の製造装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明者らは、基本的には主レーザと副レーザを併用して単結晶化領域を拡大する方法を改善して単結晶化領域をさらに拡大し、かつ工業的生産性に優れた製造方法を見出せばよいとの方針の下で、そのようなレーザ再結晶化工程を見出すべく鋭意研究開発に取り組んだ。
その結果、本発明者らは、非晶質シリコン薄膜などの前駆体半導体薄膜に吸収される主パルスレーザと前駆体半導体薄膜の下の層に吸収される副パルスレーザとを前駆体半導体薄膜に照射して多結晶半導体薄膜を製造するに際して、主パルスレーザ照射中に副パルスレーザを複数回照射し、主パルスレーザの照射が完了した後に副パルスレーザ列の照射を完了することによって、基板を損傷させることなく単結晶化領域を拡大できること並びに工業的生産性よく多結晶半導体薄膜を形成できることを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、前駆体半導体薄膜に吸収される波長を有する主パルスレーザおよび副パルスレーザを時間的および空間的に重ね合わせて前駆体半導体薄膜に照射して多結晶半導体薄膜を製造する方法であって、主パルスレーザの照射開始後に複数の副パルスレーザからなる副パルスレーザ列を照射し、主パルスレーザの照射が完了した後に副パルスレーザ列の照射を完了させる半導体薄膜の製造方法であることを特徴とする。
ここで、本発明の半導体薄膜の製造方法においては、主パルスレーザの照射によって前駆体半導体薄膜の少なくとも一部について膜厚方向の全体を溶融させ、溶融した前駆体半導体薄膜に副パルスレーザ列が照射され、副パルスレーザの前駆体半導体薄膜に対する反射率変化に基づいて副パルスレーザ列の照射を完了させることができる。
また、本発明の半導体薄膜の製造方法において、副パルスレーザ列は、ピコ秒オーダーのパルス幅を有する副パルスレーザがメガヘルツオーダーの周波数で照射されてなるものであってもよい。
また、本発明の半導体薄膜の製造方法においては、主パルスレーザは固体状態にある前駆体半導体薄膜の膜厚方向の全体を溶融させることができるエネルギ密度を有しており、副パルスレーザは固体状態にある前駆体半導体薄膜の膜厚方向の全体を溶融させることができないエネルギ密度を有し得る。
また、本発明の半導体薄膜の製造方法においては、主パルスレーザは固体状態にある前駆体半導体薄膜に吸収される波長を有しており、副パルスレーザは液体状態にある前駆体半導体薄膜に吸収される波長を有していることが好ましい。
また、本発明の半導体薄膜の製造方法において、主パルスレーザおよび副パルスレーザはそれぞれ紫外域から可視域の波長を有し得る。
さらに、本発明は、上記のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法を実施するための半導体薄膜の製造装置であって、主パルスレーザを発振する第1のパルスレーザ発振器と、副パルスレーザを発振する第2のパルスレーザ発振器と、を含み、第2のパルスレーザ発振器はピコ秒オーダーのパルス幅を有する副パルスレーザをメガヘルツオーダーの周波数で発振する半導体薄膜の製造装置であることを特徴とする。
ここで、本発明の半導体薄膜の製造装置は、第2のパルスレーザ発振器からメガヘルツオーダーの周波数で発振される副パルスレーザの数を制御する変調器と、第1のパルスレーザ発振器から発振される主パルスレーザと第2のパルスレーザ発振器から発振される副パルスレーザの発振のタイミングを制御することができるコントローラとを含み得る。
また、本発明の半導体薄膜の製造装置は、前駆体半導体薄膜で反射した副パルスレーザの反射光を検出する検出器と、検出器で検出された反射光の強度の変化に基づいて第2のパルスレーザ発振器から発振される副パルスレーザの発振を制御する制御装置とを含み得る。
本発明によれば、基板を損傷させることなく単結晶化領域を拡大させることができ、工業的生産性に優れた半導体薄膜の製造方法および半導体薄膜の製造装置を提供することができる。
<本発明による半導体薄膜の製造方法の概要>
図1の模式的断面図に示すように、本発明による半導体薄膜の製造方法においては、基板21上のバッファ層22上に堆積された前駆体半導体薄膜23(以下、これらを合せて「基板複合体」とも称す)に、主パルスレーザ24と副パルスレーザ25とを同一箇所若しくは副パルスレーザ25の照射領域が主パルスレーザ24の照射領域を包含するように照射することによって主パルスレーザ24と副パルスレーザ25とが時間的および空間的に重なり合うようにして照射される。これにより、前駆体半導体薄膜23を溶融させて再結晶化させる。
ここで、主パルスレーザ24は固体状態の前駆体半導体薄膜23に吸収される波長を有し、固体状態にある前駆体半導体薄膜23の膜厚方向の全体を溶融させることができるエネルギ密度を有しており、前駆体半導体薄膜23を溶融させるために用いられる。また、副パルスレーザ25は液体状態の前駆体半導体薄膜23に吸収される波長を有し、固体状態にある前駆体半導体薄膜23の膜厚方向の全体を溶融させることができないエネルギ密度を有しており、前駆半導体薄膜23が溶融状態から完全に凝固するに至るまでの時間を延長させ、形成される多結晶半導体膜の単結晶化領域を拡大させるために用いられる。
図2は、本発明による主パルスレーザと副パルスレーザの照射様式を図解するタイミングチャートである。図2において、横軸は時間の経過を示しており、縦軸は主パルスレーザと副パルスレーザの強度を示している。本発明においては、パルス11で示される主パルスレーザが1回照射された後に、パルス12で示される副パルスレーザ列を構成する複数の副パルスレーザの一部が図2に示すように主パルスレーザと時間的に重なり合うようにして照射される。そして、図2に示すように、主パルスレーザの照射が完了した後も副パルスレーザ列の照射は継続され、溶融した前駆体半導体薄膜が凝固した時点で副パルスレーザ列の照射が完了させられる。これにより、前駆体半導体薄膜の一部に複数の単結晶が形成されて多結晶半導体薄膜が形成される。なお、本発明においては、図2に示す主パルスレーザのパルス幅13および主パルスレーザの照射の繰返し周波数は特に限定されない。また、図2に示す副パルスレーザのパルス幅14および副パルスレーザの照射の繰返し周波数も特に限定されず、たとえば副パルスレーザのパルス幅14をピコ秒(ps)オーダー(10-12秒以上10-13秒未満)とし、副パルスレーザの照射の繰返し周波数をメガヘルツ(MHz)オーダー(106Hz以上107Hz未満)とすることができる。
続いて、主パルスレーザの照射領域が上記のようにして形成された多結晶半導体薄膜と一部重なるようにして、主パルスレーザおよび副パルスレーザの照射領域を前駆体半導体薄膜の表面に対して水平方向に移動させ、上記と同様にして主パルスレーザと副パルスレーザとを照射することによって再度前駆体半導体薄膜の溶融および凝固を行なう。このような工程を繰り返すことによって単結晶化領域を拡大して前駆体半導体薄膜の所望の領域に多結晶半導体薄膜を形成することができる。
図3(a)はSLS法により得られる多結晶半導体薄膜の結晶構造を図解する模式的な平面図である。また、図3(b)はパルスレーザを用いたSLS法により多結晶半導体薄膜を形成したときの熱の移動について図解する模式的な断面図である。
図3(b)に示すように、前駆体半導体薄膜33の一部が溶融した溶融再結晶部34においては、溶融/非溶融の境界部37から図3(b)中の矢印で示される水平方向への熱の移動と、溶融再結晶部34から図3(b)中の矢印で示される垂直方向(基板の表面方向)への熱の移動とが生じ、これらの熱の移動方向に結晶が成長する。すなわち、図3(a)に示す針状結晶35は、図3(b)に示す溶融/非溶融の境界部37から水平方向の熱の移動によって成長したものであり、図3(a)に示す粒状の微細な結晶36は、基板方向への熱の移動によって成長したものである。
本発明者は、図3(b)に示す前駆体半導体薄膜33における溶融再結晶部34の溶融/非溶融の境界部37の温度と、溶融再結晶部34の中央の温度とを解析した。図3(c)にその結果を示す。なお、図3(c)において、縦軸はパルスレーザの強度または温度を示しており、横軸は時間経過を示している。また、図3(c)において、実線はパルスレーザの強度変化(図3(c)においてはレーザパルス波形と表記)を示し、破線は溶融再結晶部34の中央の温度変化(図3(c)においてはレーザパターン中央部の温度と表記)を示し、一点鎖線は溶融/非溶融の境界部37の温度変化(図3(c)においてはレーザパターン端部の温度と表記)を示している。
図3(c)に示すように、パルスレーザの照射とともに溶融再結晶部34の中央および溶融/非溶融の境界部37の温度が上昇して前駆体半導体薄膜33の融点(図3(c)中のA、A′点)に達すると、溶融潜熱を吸収するために温度上昇が一段落し、その後再び図3(c)中のB、B′点から上昇し始める。そして、最高温度(図3(c)中のC、C′点)に到達した後、溶融再結晶部34の中央および溶融/非溶融の境界部37の温度は下降し始めるが、このとき溶融再結晶部34における融液は過冷却状態にあり、融点以下の温度でも液体状態を保って温度が下降していく。そして、図3(c)中のD、D′点において、溶融再結晶部34における融液の凝固が始まるので、融解潜熱を放出して溶融再結晶部34の中央および溶融/非溶融の境界部37の温度は再び上昇する(図3(c)中のE、E′点)。
ここで、図3(c)に示すように、溶融再結晶部34の中央と、溶融/非溶融の境界部37とでは、結晶核が形成されて融液の凝固が始まる時間(図3(c)中のD、D′点)が大きく異なっている。溶融/非溶融の境界部37では水平方向に結晶が成長し始めても、溶融再結晶部34の中央ではまだ液体状態にある。そして、溶融再結晶部34の中央でも結晶核が形成し始めると基板方向への熱の移動とともに微細な結晶粒が形成される。この微細な結晶粒の形成により、溶融/非溶融の境界部37からの水平方向の結晶成長が阻害され、溶融再結晶部34の全体の凝固が完了する。
この解析結果から、過冷却状態にある前駆体半導体薄膜にさらにエネルギを与えて過冷却度を小さくすることにより、結晶核生成密度を減少させることが可能になることが判明した。さらに、結晶核が形成された後、結晶が成長していく過程においてもエネルギを与え続けると、図3(c)に示すD′点の発現を遅らせることができるので、水平方向の結晶の成長が長く継続することが判明した。
本発明者は、この解析結果に基づいて前駆体半導体薄膜の再結晶化実験を繰り返し行なった。その結果、主パルスレーザ照射後に照射が完了するまで(図3(c)におけるC、C′点)に副パルスレーザの照射を開始する。そして、溶融した前駆体半導体薄膜の凝固が完了するまで複数回の副パルスレーザの照射を行なうことによって結晶が水平方向に成長する距離(長さ)を飛躍的に増大させることに成功した。このとき、副パルスレーザは、固化した再結晶粒を再度溶融させないような条件に設定する必要があることも判明した。
<前駆体半導体薄膜の詳細>
図1に示す基板複合体を構成する基板21の材質としては、たとえばガラスや石英などを含む絶縁性の材質が好適に用いられる。なかでも、基板21の材質としては、安価である点、大面積の基板を容易に製造することができる点でガラスを用いることが好ましい。なお、基板21の厚さは特に限定されず、用途に応じて適宜設定することができる。
また、図1に示すように、基板21と前駆体半導体薄膜23との間にはバッファ層22が形成されることが好ましい。基板21として耐熱性および純度が石英基板と比べて劣るガラス基板を用いる場合には、溶融した前駆体半導体薄膜の熱影響がバッファ層22の形成によりガラス基板に及ばないようにすることができる。さらに、バッファ層22の形成によって、ガラス基板から前駆体半導体薄膜への不純物拡散を防止することができる。バッファ層22の材質は特に限定されず、たとえば酸化シリコンまたは窒化シリコンなどの絶縁膜が好適に用いられる。バッファ層22の厚さは、バッファ層22の形成時間を極力短くし、工業的に効率良く生産することができるという観点から、基板21への熱影響の抑制と基板21からの不純物拡散を損なわない程度に薄くすることが好ましく、経験的には100nm以上500nm以下であることが好ましい。また、バッファ層22の形成方法はCVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタリング法などのPVD(Physical Vapor Deposition)法などを用いることができる。なかでも、最も高速に形成することが可能なCVD法を用いることが工業的生産性を向上させる観点から好ましい。
また、図1に示す前駆体半導体薄膜23の材質は、多結晶半導体若しくは単結晶半導体などの結晶質半導体または非晶質半導体であれば特に限定されず、任意の半導体材料を用いることができる。前駆体半導体薄膜23としては、水素終端されたアモルファスシリコン(a−Si:H)などのアモルファスシリコンを含む材質であることが好ましいが、多結晶シリコンを含む材質であってもよく、微結晶シリコンを含む材質であってもよい。また、前駆体半導体薄膜23の材質は、シリコンのみからなる材質に限られるものではなく、ゲルマニウムなどの他の元素を含んだシリコンを主成分とする材質にすることもできる。たとえば、シリコンにゲルマニウムを添加することにより前駆体半導体薄膜23の禁制帯幅を任意に制御することができるようになる。また、前駆体半導体薄膜23の厚さは特に限定されないが、所望の電気的特性を満足させることができる範囲内で工業的生産性の観点から極力薄いことが望ましく、経験的には30nm以上200nm以下の範囲であることが好ましい。
<半導体薄膜の製造装置の詳細>
図4に、本発明の半導体薄膜の製造装置の好ましい一例の構成図を示す。図4に示す半導体薄膜の製造装置は、主パルスレーザ発振器401と、主パルスレーザの光路を形成する各種光学部品と、副パルスレーザ発振器411と、副パルスレーザの光路を形成する各種光学部品と、副パルスレーザの反射光を検出する検出部である受光センサ422と、副パルスレーザの照射を制御する制御システムとを少なくとも含んでいる。
図4に示す半導体薄膜の製造装置において、主パルスレーザ発振器401から発振された主パルスレーザが基板複合体421に至るまでの光路は、マスク405のパターン形成面を均一強度で照射する照明光学系と、マスク405の像を基板複合体421の表面上に縮小投影する投影光学系とから構成されている。
また、副パルスレーザ発振器411から発振された副パルスレーザが基板複合体421に至るまでの光路は、ビーム径を調整するための整形光学系と、基板複合体421の表面に均一な強度分布を有する副パルスレーザを照射するための均一照射光学系とから構成されている。
まず、主パルスレーザ発振器から発振された主パルスレーザが基板複合体に至るまでの光路について詳細に説明する。
主パルスレーザ発振器401としては、たとえば、基板複合体421の最表面にある固体状態の前駆体半導体薄膜に吸収される波長を有しており、前駆体半導体薄膜の膜厚方向の全体を溶融させることができるエネルギ密度を有する主パルスレーザを発振することができるものが用いられる。このような主パルスレーザ発振器401としては、たとえばエキシマレーザ、YAGレーザ(第3、第4高調波)に代表される各種固体レーザなどの紫外域の波長(紫外域の波長はたとえば1nm以上360nm未満)を有する主パルスレーザを発振する発振器であることが好ましい。本発明に用いられる前駆体半導体薄膜は紫外域から可視域の波長(可視域の波長はたとえば360nm以上830nm以下)を有する光を吸収する特性があるためである。
主パルスレーザ発振器401から発振された主パルスレーザは可変減衰器402によって、そのエネルギ量が調整される。そして、主パルスレーザはミラー407によってその進行方向を変更させられた後にビーム整形光学系403によって主パルスレーザの寸法が適当な寸法に整形させられる。そして、ビーム整形光学系403を通過した主パルスレーザは再度ミラー407によってその進行方向を変更させられる。次いで、均一照明光学系404によって、主パルスレーザは均一照明光学系404の後に設置されたマスク405のパターン形成面を均一な強度で照射するように設定される。均一照明光学系404を通過した主パルスレーザはフィールドレンズ408およびマスク405を順次通過してミラー407によってその進行方向を変更させられた後、結像レンズ406を通過して基板複合体421上に照射される。これによりマスク405の像が結像レンズ406によって基板複合体上に所定倍率で投影される。結像レンズ406による縮小倍率をたとえば1/5とすることができる。また、均一照明光学系404とマスク405との間にフィールドレンズ408を設置することによって像側テレセントリック光学系を形成することができる。なお、主パルスレーザの光路に設置されたミラー407の配置箇所、個数に制限はなく、半導体薄膜の製造装置の光学設計、機構設計に応じて適切に配置することが可能である。
次に、副パルスレーザ発振器から発振された副パルスレーザが基板複合体に至るまでの光路について詳細に説明する。
副パルスレーザ発振器411としては、たとえば、液体状態の前駆体半導体薄膜に吸収される波長を有しており、固体状態の前駆体半導体薄膜の膜厚方向の全体を溶融させることができないエネルギ密度を有する副パルスレーザを発振することができるものが用いられる。このような副パルスレーザ発振器411としては、たとえばYAGレーザ(第2高調波;波長532nm)に代表される可視域の波長を有するモードロックレーザを用いることが好ましい。これは以下の理由によるものである。
一般に、半導体材料や金属材料などは、固体から液体へ相変化するに伴って光学特性が大きく変化することが知られている。たとえば、シリコンの場合には、固体から液体への相変化に伴って、紫外域から赤外域の幅広い波長の光の透過率が減少し反射率が増大する傾向を示す。
たとえば、532nmの波長を有するレーザ光の場合には、固体状態のシリコンの透過率、吸収率および反射率はそれぞれ順に48%、36%および16%であるのに対して、液体状態のシリコンではそれぞれ0%、30%および70%となる(Applied Physics Letter Vol.43, No.2, 5, P.168-170)。したがって、前駆体半導体薄膜がシリコン薄膜であって副パルスレーザをYAGレーザ(第2高調波;波長532nm)とした場合には、前駆体半導体薄膜が固体状態のときと液体状態のときとで副パルスレーザの反射率(前駆体半導体薄膜に対しての反射光の強度/前駆体半導体薄膜に対しての入射光の強度)が大きく異なり、副パルスレーザの照射を完了させるタイミングがより明確になるため、副パルスレーザとしてはYAGレーザの第2高調波を用いることが好ましい。なお、副パルスレーザの発振のタイミングは図示しないコントローラによって制御することができる。
また、副パルスレーザ発振器411にモードロックレーザを用いることが好ましい理由としては、工業的に一種の高速シャッタとして用いられているQスイッチを用いた場合には極めて大きな尖頭出力のパルス出力が得られるものの、パルス幅の制御が困難であるという問題があり、モードロックレーザを用いた場合には光速をc、共振器長をLとしたときに、共振器を光が往復する時間間隔(=2L/c)で副パルスレーザが発振され、レーザ媒質の電界振幅のスペクトル分布幅に反比例するパルス幅が得られるため、Qスイッチを用いた場合よりもパルス幅を制御しやすいためである。なお、副パルスレーザを変調させる場合には、モードロックレーザの共振器外部に設置された変調器によって行なうことが可能である。
副パルスレーザ発振器411から発振された副パルスレーザは外部変調器412によって、副パルスレーザの繰返し回数、すなわち1つの副パルスレーザ列を構成する副パルスレーザの数が制御される。外部変調器412としては、たとえばEO変調器を用いることができる。
外部変調器412を通過した副パルスレーザはミラー415によってその進行方向を変更させられて、可変減衰器416によって、そのエネルギ量が調整される。そして、副パルスレーザはビーム整形光学系413によってその寸法が整形させられる。ビーム整形光学系413による副パルスレーザの精密な寸法の調整により、基板複合体421上に照射される副パルスレーザの強度分布を高精度に均一化することができる。
そして、ビーム整形光学系413を通過した主パルスレーザは再度ミラー415によってその進行方向を変更させられる。次いで、均一照明光学系414によって、副パルスレーザは均一照明光学系414の後に設置された基板複合体421に均一な強度で照射するように設定される。そして、均一照明光学系414を通過した副パルスレーザはミラー415によってその進行方向を変更させられた後、基板複合体421上に照射される。
基板複合体421により反射された副パルスレーザの反射光は、受光センサ422によりその強度が検知される。そして、副パルスレーザの反射光の強度変化(すなわち、副パルスレーザの反射率の変化)により前駆体半導体薄膜が固体状態になったことを認知して、図示しない制御システムにより外部変調器412を制御して副パルスレーザの照射を完了させる。
なお、副パルスレーザの光路に設置されたミラー415の配置箇所、個数に制限はなく、半導体薄膜の製造装置の光学設計、機構設計に応じて適切に配置することが可能である。また、上記のように、外部変調器412を設置することも可能であるが、副パルスレーザ発振器411に出力可変機能を有するものを用いることもできる。
(実施例1)
図4に示す半導体薄膜の製造装置を用いて、図1に示す基板複合体に図2に示すタイミングで主パルスレーザと副パルスレーザ列とを照射して多結晶半導体薄膜を形成した。ここで、図1に示す基板複合体は、ガラスからなる基板21上にCVD法によって厚さ300nmの酸化シリコンからなるバッファ層22および非晶質シリコン薄膜からなる前駆体半導体薄膜23が順次形成されることによって作製された。
また、主パルスレーザとしては、波長308nmのエキシマレーザが300Hzの繰返し周期で照射され、主パルスレーザのエネルギ密度は400mJ/cm2であり、パルス幅は55ナノ秒(ns)であった。また、副パルスレーザ列としては、波長532nmのYAGレーザの第2高調波が300Hzの繰返し周期で照射され、副パルスレーザ列のエネルギ密度は1000mJ/cm2であり、パルス幅は1000ナノ秒(ns)であった。ここで、副パルスレーザ列を構成する個々の副パルスレーザは、パルス幅15psで繰返し周期が80MHzで照射されており、副パルスレーザを1000ns照射した副パルスレーザ列を1単位とし、1単位に含まれる副パルスレーザの数は1000(ns)×80(MHz)=80(個)であった。そして、この80個の副パルスレーザからなる副パルスレーザ列が1単位として300Hzの繰返し周期で照射され、この1単位の副パルスレーザ列が有するエネルギ密度は1000mJ/cm2であった。
このような条件で主パルスレーザと副パルスレーザ列とが非晶質シリコン薄膜に照射され、多結晶シリコン薄膜を形成した。その結果を表1に示す。表1に示すように、主パルスレーザと副パルスレーザ列の1回の照射によって多結晶シリコン薄膜を構成する針状結晶の成長長さは20〜23μmとなって、ガラスからなる基板の損傷は無かった。
なお、実施例1においては、副パルスレーザが前駆体半導体薄膜で反射する際の反射光の強度変化(反射率変化)を検出して、副パルスレーザの照射時間を制御することも併せて実施した。上述の通り、532nmの波長を有するレーザ光の場合、固体状態のシリコンの透過率、吸収率および反射率はそれぞれ順に48%、36%および16%である。一方、液体シリコンでは、それぞれ順に0%、30%および70%となる。すなわち、副パルスレーザを照射した時点では、前駆体半導体薄膜は液体状態にあるため副パルスレーザを70%反射するが、前駆体半導体薄膜の凝固が完了した時点では、副パルスレーザの反射率は16%まで低下する。このことを応用して、副パルスレーザの反射率が低下し始めた時点で、副パルスレーザの照射を完了した。このときの副パルスレーザの照射時間は約1μsであった。
(比較例1)
YAGレーザの第2高調波からなる副パルスレーザ列を照射しなかったこと以外は実施例1と同様にして多結晶シリコン薄膜を形成した。その結果を表1に示す。表1に示すように、主パルスレーザと副パルスレーザ列の1回の照射によって多結晶シリコン薄膜を構成する針状結晶の成長長さは表1に示すように1.2〜1.5μmとなって、ガラスからなる基板の損傷は無かった。なお、この比較例1による方法は上記の特許文献1の方法と同様の方法である。
(比較例2)
YAGレーザの第2高調波からなる副パルスレーザ列の代わりに波長10.6μmの炭酸ガス(CO2)レーザを300Hzの繰返し周期で照射したこと以外は実施例1と同様にして多結晶シリコン薄膜を形成した。その結果を表1に示す。表1に示すように、主パルスレーザとCO2レーザの1回の照射によって多結晶シリコン薄膜を構成する針状結晶の成長長さは表1に示すように18〜20μmとなったが、ガラスからなる基板の損傷が見られた。ここで、CO2レーザのエネルギ密度は800mJ/cm2であり、照射時間は50マイクロ秒(μs)であった。なお、この比較例1による方法は上記の特許文献2の方法と同様の方法である。
(比較例3)
YAGレーザの第2高調波からなる副パルスレーザ列の代わりに波長308nmのエキシマレーザを300Hzの繰返し周期で照射したこと以外は実施例1と同様にして多結晶シリコン薄膜を形成した。その結果を表1に示す。表1に示すように、主パルスレーザとエキシマレーザの1回の照射によって多結晶シリコン薄膜を構成する針状結晶の成長長さは表1に示すように2.5〜3.0μmとなって、ガラスからなる基板の損傷は無かった。ここで、エキシマレーザのエネルギ密度は350mJ/cm2であり、パルス幅は55nsであった。なお、この比較例1による方法は上記の特許文献3の方法と同様の方法である。
Figure 2006086447
表1に示すように、実施例1においては、比較例1〜3の場合と比べて、基板を損傷させることなく単結晶化領域を拡大できることが確認された。
さらに、表1の結果から、単結晶化領域の拡大効果が多結晶シリコン薄膜の工業的生産性に及ぼす影響について算出した。その算出にあたり、まず、特許文献1に記載の方法であるSLS法により、多結晶シリコン薄膜を製造する方法について説明する。
特許文献1に記載のSLS法では、上記の工程で形成された針状結晶の一部に重ね合わせるようにレーザを照射し、針状結晶の長さを拡大していく。1回のレーザ照射工程で得られる針状結晶の長さ(=ラテラル成長距離)をL(μm)とすると、Lよりも短い距離を1回のレーザの照射ごとに水平方向に移動させて逐次結晶化していくことによって、針状結晶の長さを拡大することが可能である。たとえば、水平方向への移動距離(ピッチ)をL−0.5(μm)とする。また、逐次結晶化の時間間隔は、レーザ発振器の繰返し周期f(Hz)に等しくし、300Hzとする。このとき、1/f(秒)毎にレーザ照射位置をL−0.5(μm)移動させれば、水平方向への逐次結晶化が可能になる。すなわち、前駆体半導体薄膜を(L−0.5)/(1/f)=(L−0.5)×f(μm/秒)の速度で移動させながら、レーザ照射を行えばよい。
したがって、表1に示すラテラル成長距離の最小値を用いると、実施例1の場合には(20−0.5)×300=5850(μm/秒)となる。一方、比較例1の場合には(1.2−0.5)×300=210(μm/秒)となり、比較例2の場合には(18−0.5)×300=5250(μm/秒)となり、比較例3の場合には(2.5−0.5)×300=600(μm/秒)となる。この結果から、実施例1と比較例1、3とを比べると、実に10〜28倍の移動速度となる。これは、実施例1においては、結晶化に要する時間が比較例1、3に比べて1/28〜1/10に低減されることを示している。また、実施例1と比較例2とを比べると工業的生産性はほぼ同等であるが、実施例1では比較例2と異なり基板損傷がみられない点で優位性がある。
本発明によれば、主パルスレーザの照射開始後に複数の副パルスレーザからなる副パルスレーザ列を照射し、主パルスレーザの照射が完了した後に副パルスレーザ列の照射を完了させることによって基板を損傷させることなく単結晶化領域を拡大させることができ、工業的生産性に優れた半導体薄膜の製造方法および半導体薄膜の製造装置を提供することができる。
本発明による半導体薄膜の製造方法を図解するための模式的な断面図である。 本発明による主パルスレーザと副パルスレーザの照射様式を図解するタイミングチャートである。 (a)はSLS法により得られる多結晶半導体薄膜の結晶構造を図解する模式的な平面図であり、(b)はパルスレーザを用いたSLS法により多結晶半導体薄膜を形成したときの熱の移動について図解する模式的な断面図であり、(c)は(b)に示す溶融/非溶融の境界部の温度と、溶融再結晶部の中央の温度とを解析した結果を示す図である。 本発明の半導体薄膜の製造装置の好ましい一例の構成図である。 (a)はELA法による多結晶半導体薄膜の形成過程を図解するための模式的な断面図であり、(b)はSLS法よる多結晶半導体薄膜の形成過程を図解するための模式的な断面図である。
符号の説明
11,12 パルス、13,14 パルス幅、21,121 基板、22,122 バッファ層、23 前駆体半導体薄膜、24 主パルスレーザ、25 副パルスレーザ、34 溶融再結晶部、35 針状結晶、36 微細な結晶、37 境界部、123 多結晶シリコン薄膜、124 レーザ照射領域、401 主パルスレーザ発振器、402,416 可変減衰器、403,413 ビーム整形光学系、404,414 均一照明光学系、405 マスク、406 結像レンズ、407,415 ミラー、408 フィールドレンズ、411 副パルスレーザ発振器、412 外部変調器、421 基板複合体、422 受光センサ。

Claims (9)

  1. 前駆体半導体薄膜に吸収される波長を有する主パルスレーザおよび副パルスレーザを時間的および空間的に重ね合わせて前記前駆体半導体薄膜に照射して多結晶半導体薄膜を製造する方法であって、前記主パルスレーザの照射開始後に複数の前記副パルスレーザからなる副パルスレーザ列を照射し、前記主パルスレーザの照射が完了した後に前記副パルスレーザ列の照射を完了させることを特徴とする、半導体薄膜の製造方法。
  2. 前記主パルスレーザの照射によって前記前駆体半導体薄膜の少なくとも一部について膜厚方向の全体を溶融させ、前記溶融した前駆体半導体薄膜に前記副パルスレーザ列が照射され、前記副パルスレーザの前記前駆体半導体薄膜に対する反射率変化に基づいて前記副パルスレーザ列の照射を完了させることを特徴とする、請求項1に記載の半導体薄膜の製造方法。
  3. 前記副パルスレーザ列は、ピコ秒オーダーのパルス幅を有する前記副パルスレーザがメガヘルツオーダーの周波数で照射されてなることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体薄膜の製造方法。
  4. 前記主パルスレーザは固体状態にある前記前駆体半導体薄膜の膜厚方向の全体を溶融させることができるエネルギ密度を有しており、前記副パルスレーザは固体状態にある前記前駆体半導体薄膜の膜厚方向の全体を溶融させることができないエネルギ密度を有していることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  5. 前記主パルスレーザは固体状態にある前記前駆体半導体薄膜に吸収される波長を有しており、前記副パルスレーザは液体状態にある前記前駆体半導体薄膜に吸収される波長を有していることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  6. 前記主パルスレーザおよび前記副パルスレーザはそれぞれ紫外域から可視域の波長を有していることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の半導体薄膜の製造方法を実施するための半導体薄膜の製造装置であって、前記主パルスレーザを発振する第1のパルスレーザ発振器と、前記副パルスレーザを発振する第2のパルスレーザ発振器と、を含み、前記第2のパルスレーザ発振器はピコ秒オーダーのパルス幅を有する前記副パルスレーザをメガヘルツオーダーの周波数で発振することを特徴とする、半導体薄膜の製造装置。
  8. 前記第2のパルスレーザ発振器からメガヘルツオーダーの周波数で発振される前記副パルスレーザの数を制御する変調器と、前記第1のパルスレーザ発振器から発振される前記主パルスレーザと前記第2のパルスレーザ発振器から発振される前記副パルスレーザの発振のタイミングを制御することができるコントローラと、を含むことを特徴とする、請求項7に記載の半導体薄膜の製造装置。
  9. 前記前駆体半導体薄膜で反射した前記副パルスレーザの反射光を検出する検出器と、前記検出器で検出された前記反射光の強度の変化に基づいて前記第2のパルスレーザ発振器から発振される前記副パルスレーザの発振を制御する制御装置と、を含むことを特徴とする、請求項7または8に記載の半導体薄膜の製造装置。
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