JP2004152286A - 車両の作動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 例えばトンネル内において火災が発生した場合には、トンネル内が高温になるため、車両がトンネル内に進入すると危険である。
【解決手段】 火災を検出して信号T1を出力する少なくとも1個の検出手段3からの信号T1に基づいて、電磁波からなる信号T2を発信する発信装置4を備えさせた走行路2を走行する車両8に適用される車両の作動装置であつて、電磁波からなる信号T2を受信して制御信号T3を出力する受信装置7を車両8に有し、受信装置7の制御信号T3に基づいて、火災が生じたことを車両8内に報じさせる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の作動装置に関し、火災が生じたことを車両(8)内に報じさせる車両の作動装置に関するものである。
近時、運転者の意思(ブレーキペダルの踏込み)とは無関係に、車両に自動的にブレーキを掛ける自動ブレーキ装置が提案されている。この種の自動ブレーキ装置は、従来のアンチロック制御装置を基本として、構成することができる。
特開平7−69188
一方、車両の走行路には、トンネルが存在している。トンネル内において火災が発生した場合には、トンネル内が高温になると共に、一酸化炭素ガス、その他の有害ガスが発生している。このため、火災が発生していることをブザー、ランプ等によつて警報するのみでなく、車両がトンネル内に進入することを強制的に抑制させることが望まれる。
本発明は、車両の安全性を向上させることを目的としてなされたものである。
本発明は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成は、次の通りである。
請求項1に係る発明は、火災を検出して信号(T1)を出力する少なくとも1個の検出手段(3)からの信号(T1)に基づいて、電磁波からなる信号(T2)を発信する発信装置(4)を備えさせた走行路(2)を走行する車両(8)に適用される車両の作動装置であつて、
電磁波からなる信号(T2)を受信して制御信号(T3)を出力する受信装置(7)を車両(8)に有し、
受信装置(7)の制御信号(T3)に基づいて、火災が生じたことを車両(8)内に報じさせることを特徴とする車両の作動装置である。
請求項2に係る発明は、火災を検出して信号(T1)を出力する少なくとも1個の検出手段(3)からの信号(T1)に基づいて、電磁波からなる信号(T2)を発信する発信装置(4)を走行路(2)に備え、
電磁波からなる信号(T2)を受信して制御信号(T3)を出力する受信装置(7)を有する車両(8)の受信装置(7)に対して発信装置(4)からの電磁波からなる信号(T2)を発信させ、
受信装置(7)の制御信号(T3)に基づいて、火災が生じたことを車両(8)内に報じさせることを特徴とする車両の作動装置である。
本発明に係る車両の作動装置によれば、受信装置の制御信号に基づいて、火災が生じたことを車両内に報じさせる。その結果、車両の安全性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜図3は、本発明の1実施の形態を示す。図1中において符号1はトンネルを示し、走行路2(道路)の適当箇所に位置している。トンネル1は、図1において一部省略した断面で示してあり、このトンネル1内は一方通行道路になつている。トンネル1内の上部には、温度検出手段3が少なくとも1個設置されている。温度検出手段3は、トンネル1内の火災に伴う温度上昇を検出する機能を有し、火災が発生して雰囲気温度が所定温度以上(例えば80℃以上)になつたときに温度信号T1を出力する。従つて、温度検出手段3は、温度センサーによつて構成することが可能であるのみならず、雰囲気温度が所定温度以上になつたときに接点が閉じられ、温度信号T1を出力する温度スイッチによつて構成することができる。
温度検出手段3には、発信装置4が接続されている。発信装置4は、トンネル1の外部に設置され、温度検出手段3の温度信号T1が入力されたとき、電磁波からなる危険信号T2を発信する。発信装置4は、トンネル1の手前側、つまりトンネル1の入口となる一方の開口部1aから所定距離Lだけ離れた走行路2に設置する。具体的には、発信装置4は、トンネル1の入口となる開口部1aから所定距離Lを隔てた走行路2の側方に支柱5を設け、支柱5に所定高さとなるように固定してある。発信装置4が赤外線を発信する種類である場合には、近距離からの交信を行う必要がある。一方、発信装置4がマイクロ波等の電波を発信する種類である場合には、遠距離からの交信が可能であり、図1に一点鎖線で示す発信装置4Aのように開口部1aの壁面に取り付けることも可能である。なお、トンネル1内が双方向通行道路である場合には、トンネル1の入口は両端になり、それぞれの入口に対応させて発信装置4を設けることになる。
車両8は、自動ブレーキ装置6及び受信装置7を備え、走行路2を走行し、次第にトンネル1に近付いている。受信装置7は、発信装置4の危険信号T2を受信して図2に示す制御信号T3を出力し、自動ブレーキ装置6を作動させる。
図2を参照して自動ブレーキ装置6の1例について説明する。なお、自動ブレーキ装置6は、アンチロック制御装置としても機能するようになつている。図2において符号51は液圧発生装置であるタンデム型のマスターシリンダであり、ブレーキペダル50の踏み込み操作により、複数の送液口51a,51bからブレーキ液がそれぞれ送り出されて制動に供される。その一方の送液口51aがアンチロック制御装置のアクチュエータ52を介して少なくとも1個のホイールブレーキ53に接続されている。ここで、ホイールブレーキ53は、車両8のブレーキ要素としてのディスクブレーキ又はドラムブレーキであり、前輪用及び後輪用がある。なお、実線で示すホイールブレーキ53は前輪の左右の一方を示し、ホイールブレーキ53,53’は、前輪用の一対を示している。
マスターシリンダ51とホイールブレーキ53の間は、第1流路54、第2流路55及び第3流路56によつてブロッキングバルブ57及び第1切換弁58を直列に接続して主流路を構成している。第1切換弁58は、一端がホイールブレーキ53(,53’)に接続される第3流路56の他端に接続され、連通位置である増圧位置a、遮断位置である保圧兼減圧位置bを有し、Z字状に示される第2流路55を介してブロッキングバルブ57に接続している。第1切換弁58は、常態で増圧位置aを採つている。
ブロッキングバルブ57は、他端がマスターシリンダ51の一方の送液口51aに接続される第1流路54の一端に接続され、常態で連通位置dを採り、車輪にスキッドを生じてアンチロック制御装置が作動している間、及び自動ブレーキ装置6が作動している間、連通位置dから遮断位置eに切換えられる。ブロッキングバルブ57の遮断位置eは、図2に示すように第2逆止弁57aを備えており、後記するアキュムレータ64からマスターシリンダ51へのブレーキ液の還流を防止するようになつている。第2逆止弁57aは、ブロッキングバルブ57を迂回させて第1流路54と第2流路55とを接続させて設けることも可能である。アキュムレータ64は、図上では、後記する減圧流路59の接続点59aとブロッキングバルブ57との間の第2流路55に接続されているが、減圧流路59の他端部付近に接続されていればよい。
59は減圧流路であり、モータ60Aによつて駆動されるポンプ60の両側に第3,第4逆止弁61,62が接続され、その他端が第2流路55に接続点59aにおいて接続され、一端がリザーバ63及び第2切換弁70を介して第3流路56(ホイールブレーキ53)に接続されている。従つて、減圧流路59は、第1切換弁58を迂回させて設けられている。第2切換弁70は、連通位置f及び遮断位置gを有し、常態で遮断位置gを採つている。第3,第4逆止弁61,62は、ホイールブレーキ53側からマスターシリンダ51側(アキュムレータ64)に向かう流れを許容している。ホイールブレーキ53から流入するリザーバ63内のブレーキ液は、ポンプ60を駆動して排出可能である。
また、第2流路55と第3流路56との間には、第1逆止弁72を介在するバイパスライン71が設けられている。バイパスライン71は、第1切換弁58を迂回させてホイールブレーキ53からのブレーキ液を還流させる機能を有する。オーバフロー回路65に設けたリリーフ弁66は、アキュムレータ64内の所定圧以上のブレーキ液を、ブロッキングバルブ57を迂回させて、オーバフロー回路65を通じてマスターシリンダ51へ還流させ、アキュムレータ64に高圧が作用することを防止する機能を有する。
また、ポンプ60と第2切換弁70との間の減圧流路59には、サクション流路73の一端が接続されている。サクション流路73は、チャージングバルブ74を介在し、その他端が第1流路54ひいてはマスターシリンダ51のリザーバタンク51dに接続されている。チャージングバルブ74は、連通位置h及び遮断位置iを有し、常態で遮断位置iを採つている。
ブロッキングバルブ57、第1切換弁58、第2切換弁70及びチャージングバルブ74は、それぞれ電磁弁によつて構成されてマイクロコンピュータ80に接続され、それらのソレノイド部に通電することにより、ばね力に抗して、常態位置(a,d,g,i)から他位置(b,e,f,h)へと切換えられる。更に、マイクロコンピュータ80には、モータ60A、受信装置7及び車速検出手段81が接続されている。車速検出手段81は、車輪、ドライブシャフトの回転数等から車両8の走行速度を検出し、車速信号T4を出力する。
マイクロコンピュータ80は、比較手段82と、車両8の所定の走行速度に対応する基準値tを設定する基準値設定手段83と、作動信号発生手段84としての機能を有する。比較手段82によつて車速信号T4と基準値tとを比較し、その比較結果に基づいて車速信号T4が基準値tよりも小さくなるまで、つまり車速が所定値未満になるまで、作動信号発生手段84から作動信号T13,T23及びT33を出力する。基準値tは、目標となる低い車両速度に対応する値であり、通常は速度零に対応する値である。作動信号T13は、ブロッキングバルブ57のソレノイド部に供給され、作動信号T23は、チャージングバルブ74のソレノイド部に供給され、作動信号T33は、モータ60Aに供給され、これらを適宜に制御する。
次に、自動ブレーキ装置6によるアンチロック制御装置の作用について説明する。
制動時にブレーキペダル50を踏み込んで、図外の車輪回転センサーによつて車輪のロックが検出されれば、この車輪回転センサーからの信号を受けてマイクロコンピュータ80が指令を出し、アンチロック制御装置が作動してブレーキ力を生ずる。すなわち、ブロッキングバルブ57が遮断位置eを採ると共に、第2切換弁70が連通位置fを採り、かつ、第1切換弁58が保圧兼減圧位置bを採つて、ホイールブレーキ53のブレーキ液圧が減圧され、ブレーキ液がリザーバ63に貯留される。モータ60A及びポンプ60が作動すれば、リザーバ63のブレーキ液圧がアキュムレータ64に蓄圧される。これが減圧工程である。また、第2切換弁70が遮断位置gを採り、かつ、第1切換弁58が保圧兼減圧位置bを採つてホイールブレーキ53のブレーキ液が一定圧に保持される。これが保圧工程である。
ブレーキ力に不足を生じた場合には、再増圧をなすべく第2切換弁70が遮断位置gを採り、かつ、第1切換弁58が増圧位置aを採る。これにより、減圧時にアキュムレータ64に貯留したブレーキ液が、第1切換弁58を通じてホイールブレーキ53に供給される。これが増圧工程である。増圧工程では、ブロッキングバルブ57は遮断位置eのままでよいので、ブレーキペダル50に対するキックバックを生ずることはない。
更に、ブロッキングバルブ57が第2逆止弁57aを備える遮断位置eを採つた状態にて、ブレーキペダル50が強く踏み込み作動され、第1流路54の圧力が第2流路55の圧力を上回つた場合には、ブレーキ液がブロッキングバルブ57の第2逆止弁57aを流通してアキュムレータ64に貯留されるため、ブレーキペダル50はストローク可能であり、操作フィーリングの悪化(石踏感)が回避される。
次に、トンネル1内で火災が発生した際の自動ブレーキ装置6の作用について説明する。
トンネル1内で火災が発生した際には、火災に伴う雰囲気の温度上昇が温度検出手段3によつて検出され、温度信号T1が出力される。この温度検出手段3の温度信号T1が発信装置4に入力され、発信装置4から危険信号T2が発信され、走行路2上をトンネル1に向けて走行して来る車両8の受信装置7に受信される。これにより、受信装置7から制御信号T3が出力され、制御信号T3に基づいて自動ブレーキ装置6がマイクロコンピュータ80によつて制御される。
自動ブレーキ装置6の制御は、次のようにしてなされる。すなわち、ブロッキングバルブ57が遮断位置eに切換えられ、チャージングバルブ74が連通位置hに切換えられ、モータ60Aひいてはポンプ60が駆動される。これにより、マスターシリンダ51の主としてリザーバタンク51dに貯留されたブレーキ液が、サクション流路73、減圧流路59、第2流路55及び第3流路56を通つてホイールブレーキ53に供給され、ブレーキ力が生ずる。
ホイールブレーキ53によつて得られるブレーキ力は、図3に示すフローチャートに従い、車速信号T4が基準値tよりも小さくなるまで得られる。すなわち、受信装置7から出力される制御信号T3が発生することによりスタートし、車速検出手段81から出力される車速信号T4が読み込まれる(ステップ(1))。また、基準値設定手段83の基準値tが読み込まれる(ステップ(2))。次に、比較手段82において、基準値tと車速信号T4とが比較される(ステップ(3))。車速信号T4が基準値tよりも小さいときは、マイクロコンピュータ80による制御が終了するので、自動ブレーキ装置6は作動しない。車速信号T4が基準値tを越えるときはステップ(4)に移行して作動信号T13,T23及びT33を出力し、ステップ(1)に戻る。ステップ(1)〜(4)を繰り返すうちに車速信号T4が基準値t以下に小さくなるので、作動信号T13,T23及びT33が出力されなくなり、自動ブレーキ装置6の制御が終了する。基準値tが速度零に対応する値であれば、車両8が停止するまで作動信号T13,T23及びT33が出力され、自動ブレーキ装置6が作動する。
作動信号T13は、ブロッキングバルブ57のソレノイド部に供給され、ブロッキングバルブ57に遮断位置eを採らせる。作動信号T23は、チャージングバルブ74のソレノイド部に供給され、チャージングバルブ74に連通位置hを採らせる。作動信号T33は、モータ60Aに供給され、ポンプ60を駆動する。自動ブレーキ装置6の作動中にも上記したようにアンチロック制御装置を作動させ、車輪のロックを防止することは可能である。
作動信号T13,T23及びT33の出力が終了すれば、ブロッキングバルブ57がばね力によつて連通位置dに復帰し、チャージングバルブ74がばね力によつて遮断位置iに復帰し、モータ60Aひいてはポンプ60の駆動が停止する。これにより、ホイールブレーキ53内のブレーキ液が第3流路56、第2流路55及び第1流路54を通つてマスターシリンダ51に還流する。なお、ホイールブレーキ53内のブレーキ液は、第2切換弁70及びチャージングバルブ74に連通位置f,hを採らせても、マスターシリンダ51に還流する。かくして、自動ブレーキ装置6の作動が終了する。
自動ブレーキ装置6の作動は、少なくとも1つのホイールブレーキ53にブレーキを掛け、走行路2から外れた箇所に車両8を所定の走行速度未満にして移動させれば十分な場合もある。しかし、通常は、左右一対の前輪(又は後輪)に備えられるホイールブレーキ53,53’、或いは前・後輪の全てに備えられるホイールブレーキにブレーキを掛け、車両8の左右に均一かつ大きなブレーキ力を発生させて、トンネル1の手前の走行路2上に車両8を停止させる。自動ブレーキ装置6を作動させることにより、トンネル内に火災を生じている際に、車両がトンネル内に入り込むことが防止され、車両に火災の影響を受けることを避けることができる。
また、受信装置7の制御信号T3に基づいて、トンネル1内に火災、事故等が生じたことを音声によつて車両8内に警報することができる。上記1実施の形態にあつては、トンネル1内が高温になつたことを検出し、車両8がトンネル1内に進入することを抑制させたが、トンネル1内に一酸化炭素ガス、その他の有害ガスが発生していることを図外のガス検出手段によつて検出し、車両8がトンネル1内に進入することを抑制させことも可能である。更に、トンネル1内で衝突等の事故を生じた際に、トンネル1内に設けた図外のスイッチを手動によつて操作して発信装置4から危険信号T2を発信させ、車両8がトンネル1内に進入することを抑制させることも可能である。
本発明の1実施の形態に係る車両の作動装置を一部省略して示す断面図。 同じく車両の作動装置の構成要素を示す図。 同じくフローチャートを示す図。
符号の説明
1:トンネル、1a:開口部、2:走行路、3:温度検出手段、4:発信装置、6:自動ブレーキ装置、7:受信装置、8:車両、53,53’:ホイールブレーキ、60:ポンプ、81:車速検出手段、82:比較手段、83:基準値設定手段、84:作動信号発生手段、L:所定距離、t:基準値、T1:温度信号、T2:危険信号、T3:制御信号、T4:車速信号、T13,T23,T33:作動信号。

Claims (2)

  1. 火災を検出して信号(T1)を出力する少なくとも1個の検出手段(3)からの信号(T1)に基づいて、電磁波からなる信号(T2)を発信する発信装置(4)を備えさせた走行路(2)を走行する車両(8)に適用される車両の作動装置であつて、
    電磁波からなる信号(T2)を受信して制御信号(T3)を出力する受信装置(7)を車両(8)に有し、
    受信装置(7)の制御信号(T3)に基づいて、火災が生じたことを車両(8)内に報じさせることを特徴とする車両の作動装置。
  2. 火災を検出して信号(T1)を出力する少なくとも1個の検出手段(3)からの信号(T1)に基づいて、電磁波からなる信号(T2)を発信する発信装置(4)を走行路(2)に備え、
    電磁波からなる信号(T2)を受信して制御信号(T3)を出力する受信装置(7)を有する車両(8)の受信装置(7)に対して発信装置(4)からの電磁波からなる信号(T2)を発信させ、
    受信信装置(7)の制御信号(T3)に基づいて、火災が生じたことを車両(8)内に報じさせることを特徴とする車両の作動装置。
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