JP2004151454A - 偏光光学素子、偏光光学素子の製造方法、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

偏光光学素子、偏光光学素子の製造方法、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光利用効率に優れた小型で安価な偏光光学素子を提供する。
【解決手段】その1側の面に第1の凹凸が形成された光学的異方性を有する第1光学部材50bと、第1の凹凸と対向して第2の凹凸が形成され、第1光学部材の光学的異方性と異なる光学的異方性を有する第2光学部材50cとを、第1光学部材の光学的異方性及び前記第2光学部材の光学的異方性とそれぞれ所定の関係にある光学的異方性を有する充填部材50eを介して積層し一体化する。これにより、安価で入手が容易な汎用光学部材を第1光学部材及び第2光学部材として用いることが可能となる。また、第1光学部材の光学的異方性及び第2光学部材の光学的異方性に応じた充填部材を用いることにより、ほぼ設計通りの光利用効率を得ることができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光光学素子、偏光光学素子の製造方法、光ピックアップ装置及び光ディスク装置に係り、さらに詳しくは、光ピックアップ装置に用いられる偏光光学素子、該偏光光学素子の製造方法、前記偏光光学素子を用いた光ピックアップ装置及び該光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置では、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された光ディスクなどの情報記録媒体の記録面にレーザ光を照射して情報の記録又は消去を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そして、光ディスク装置は、情報記録媒体の記録面にレーザ光を照射して光スポットを形成するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として、光ピックアップ装置を備えている。
【0003】
一般的に光ピックアップ装置は、対物レンズを含み、光源から出射される光束を情報記録媒体の記録面に導くとともに、記録面で反射された光束(戻り光束)を所定の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置された受光素子などを備えている。この受光素子からは、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報(サーボ情報)などを含む信号が出力される。
【0004】
記録面の所定位置にデータを正しく記録したり、記録面の所定位置に記録されているデータを正しく再生するためには、光スポットが記録面の所定位置に正確に形成されなければならない。そのためには、光スポットの形成位置を正確に検出する必要がある。記録面における光スポットの形成位置を検出する方法としては、記録面に形成された1つの光スポットの戻り光束を利用する方法(1ビーム方式)と、記録面に形成された3つの光スポットの各戻り光束を利用する方法(3ビーム方式)とに大別できる。3ビーム方式を用いる場合には、記録面に3つの光スポットを形成するために、光源から出射される光束を3つに分割(3ビーム化)する必要がある。そこで、この場合には、光源から出射される光束を3ビーム化するための光学素子としてグレーティングが一般的に用いられている。
【0005】
3ビーム方式に対応した光ピックアップ装置として、上記グレーティングと、記録面で反射された戻り光束を往路と復路の共通光路から分岐して前記受光位置に導くためのホログラムとを集積化した光ピックアップ装置が提案されている(非特許文献1参照。)。この光ピックアップ装置では、図20(A)に示されるように、ガラス基板GPの一方の面上にピッチが1〜2μmの凹凸がホログラムHM用に形成され、他方の面上にピッチが10〜20μmの凹凸がグレーティングGT用に形成されている。なお、ホログラムHMで分岐され受光素子PDの受光面に向かう戻り光束(以下、便宜上「分岐戻り光束」ともいう)がグレーティングGTに入射すると、その分岐戻り光束はグレーティングGTで回折されるため、受光素子PDでの受光量が減少することとなる。そこで、分岐戻り光束がグレーティングGTに入射しないようにするために、ホログラムHMとグレーティングGTとの間隔Lは2mm程度に設定されている。さらに、図20(B)に示されるように、グレーティングGTの面積をホログラムHMの面積よりも小さくすることで、分岐戻り光束がグレーティングGTに入射するのを防止している。これにより、光ピックアップ装置の小型化が図られた。
【0006】
さらに、入射する光束の偏光状態によってその回折効率が異なる偏光光学素子を用いた光ヘッド装置が考案された(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されている光ヘッド装置では、図21に示されるように、ホログラム用の凹凸が形成された等方性のガラス基板GHと、グレーティング用の凹凸が形成された等方性のガラス基板GGとを、光学的異方性を有する充填材(例えば液晶)FMを介して各凹凸面が対向するように一体化した偏光光学素子が用いられている。ここでは、2つのガラス基板のうち一方は充填材FMの常光屈折率(例えば1.5)とほぼ等しい屈折率を有し、他方は充填材FMの異常光屈折率(例えば1.8)とほぼ等しい屈折率を有している。これにより、光源から出射された光束はホログラムにてほとんどホログラム作用を受けないため、記録面に集光される光束の光量(照射光量)の低下を抑制することが可能となった。また、ホログラムでは、偏光性がないときに比べて多くの戻り光束が分岐されるため、受光素子での受光量が増加し、受光素子の出力信号における信号レベル及びS/N比を高くすることが可能となった。すなわち、光利用効率を向上させることが可能となった。さらに、分岐戻り光束はグレーティングに入射しても、グレーティングではほとんど回折されないため、ホログラムとグレーティングとの間隔を近づけることが可能となった。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−68820号公報 (第2−7頁、第1図)
【非特許文献1】
倉田幸夫、他8名、「3ビーム法を用いたCD用ホログラムピックアップ」、シャープ技報、シャープ株式会社、1989年9月、通巻第42号、p.45−52
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記非特許文献1に記載された光ピックアップ装置では、光源LDから出射された光束もホログラムHMでホログラム作用を受けるため、照射光量が低下する。この光ピックアップ装置が再生専用として用いられる場合には、1mW程度の照射光量があれば良いので問題ないが、記録用として用いられる場合には、10〜20mWの照射光量を必要とするため、特に記録速度が大きい場合には対応が困難であるという不都合があった。また、書き換え可能な光ディスクでは反射率が低いため、照射光量が少ないと受光素子で受光される戻り光束の光量が不足し、受光素子の出力信号における信号レベル及びS/N比が低いという不都合もあった。すなわち、光利用効率が低かった。
【0010】
また、上記特許文献1に開示されている光ヘッド装置では、偏光光学素子を構成するガラス基板GH及びガラス基板GGの屈折率がそれぞれ限定されているため、安価な汎用ガラス基板を用いることが困難(特に屈折率1.8の汎用ガラス基板は一般的に入手困難)であり、その結果偏光光学素子が高価になるという不都合があった。また、ガラス基板GH及びガラス基板GGの材質(特に硬度)がそれぞれ異なるために、例えば偏光光学素子の製造工程において、ガラス基板GH、液晶FM及びガラス基板GGを一体化した後に行われる、所定の形状及び寸法の偏光光学素子を切り出す切断作業では、作業の途中で加工工具(例えばダイシングソー)を取り替えたり、あるいは加工条件(例えば送り速度)を変更するなどの必要が生じ、結果的に生産性が低下してコストアップを招くという不都合があった。
【0011】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、光利用効率に優れた小型で安価な偏光光学素子を提供することにある。
【0012】
また、本発明の第2の目的は、光利用効率に優れた小型の偏光光学素子を低コストで製造する製造方法を提供することにある。
【0013】
また、本発明の第3の目的は、大型化及び高コスト化を招くことなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報などを含む信号を精度良く出力することができる光ピックアップ装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の第4の目的は、情報記録媒体への高速度でのアクセスを精度良く安定して行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光ピックアップ装置に用いられる偏光光学素子であって、光学的異方性を有し、その一側の面に第1の凹凸が形成された第1光学部材と;前記第1の凹凸に対向して第2の凹凸が形成され、前記第1光学部材の光学的異方性とは異なる光学的異方性を有する第2光学部材と;前記第1光学部材と前記第2光学部材との間に充填され、前記第1光学部材の光学的異方性及び前記第2光学部材の光学的異方性とそれぞれ所定の関係にある光学的異方性を有する充填部材と;を備える偏光光学素子である。
【0016】
これによれば、光学的異方性を有し、その1側の面に第1の凹凸が形成された第1光学部材と、第1の凹凸に対向して第2の凹凸が形成され、第1光学部材の光学的異方性とは異なる光学的異方性を有する第2光学部材とが、第1光学部材の光学的異方性及び第2光学部材の光学的異方性とそれぞれ所定の関係にある光学的異方性を有する充填部材を介して積層され一体化されている。そこで、安価で入手が容易な汎用光学部材を第1光学部材及び第2光学部材として用い、例えば、充填部材の異常光屈折率が第1光学部材の異常光屈折率とほぼ等しく、充填部材の常光屈折率が第2光学部材の常光屈折率とほぼ等しくなるように設定することが可能である。この場合には、第1光学部材に入射した光束における常光成分は回折されるが、異常光成分はそのほとんどが回折されることなくそのまま透過し、第2光学部材に入射した光束における異常光成分は回折されるが、常光成分はそのほとんどが回折されることなくそのまま透過することとなる。従って、ほぼ設計通りの偏光特性を有することができ、光利用効率を低下させることなく、小型化及び低コスト化を促進することが可能となる。
【0017】
この場合において、請求項2に記載の偏光光学素子の如く、前記第1の凹凸及び前記第2の凹凸は、それぞれのピッチが互いに異なることとすることができる。
【0018】
この場合において、請求項3に記載の偏光光学素子の如く、前記第1の凹凸のピッチが前記第2の凹凸のピッチよりも大きい場合には、前記第1の凹凸が形成された領域の面積は、前記第2の凹凸が形成された領域の面積よりも広いこととしても良い。
【0019】
上記請求項2及び3に記載の各偏光光学素子において、請求項4に記載の偏光光学素子の如く、前記充填部材の常光屈折率及び異常光屈折率のうち大きいほうの屈折率は、前記第1光学部材及び前記第2光学部材のうち凹凸のピッチが小さいほうの光学部材における常光屈折率及び異常光屈折率のうち小さいほうの屈折率とほぼ等しいこととすることができる。かかる場合には、例えば充填部材の常光屈折率と第2光学部材の常光屈折率とがほぼ等しいときには、第2光学部材に入射した光束における異常光成分は回折されるが、常光成分は回折されることなくそのほとんどがそのまま透過することとなる。
【0020】
上記請求項2〜4に記載の各偏光光学素子において、請求項5に記載の偏光光学素子の如く、前記充填部材の常光屈折率及び異常光屈折率のうち小さいほうの屈折率は、前記第1光学部材及び前記第2光学部材のうち凹凸のピッチが大きいほうの光学部材における常光屈折率及び異常光屈折率のうち小さいほうの屈折率とほぼ等しいこととすることができる。かかる場合には、例えば充填部材の異常光屈折率と第1光学部材の異常光屈折率とがほぼ等しいときには、第1光学部材に入射した光束における常光成分は回折されるが、異常光成分は回折されることなくそのほとんどがそのまま透過することとなる。
【0021】
上記請求項1〜5に記載の各偏光光学素子において、前記充填部材としては、種々の部材が考えられるが、請求項6に記載の偏光光学素子の如く、前記充填部材は液晶であることとしても良い。かかる場合には、汎用品を用いることができるため、充填部材の材料コストを低下させることが可能となる。
【0022】
上記請求項1〜6に記載の各偏光光学素子において、請求項7に記載の偏光光学素子の如く、前記第1光学部材はグレーティングであり、前記第2光学部材はホログラムであることとすることができる。かかる場合には、例えば偏光光学素子が、光ピックアップ装置における光束の往路と復路の共通光路上に配置されても、グレーティングで3ビーム化された光束はホログラムをそのまま透過することが可能となり、その結果照射光量の低下を抑制することができる。また、この場合に、ホログラムで回折された戻り光束はグレーティングをそのまま透過することが可能となり、その結果受光素子での受光量の低下を抑制することができる。
【0023】
上記請求項1〜7に記載の各偏光光学素子において、請求項8に記載の偏光光学素子の如く、前記第1光学部材の他側に配置され、前記第1光学部材を保持する第1基板と;前記第2光学部材の前記第2の凹凸が形成された面とは反対側に配置され、前記第2光学部材を保持する第2基板と;を更に備えることとすることができる。かかる場合には、取り扱いが容易となり、例えば油などが付着しても各光学部材に影響を与えることなく溶剤などで簡単に除去することができる。
【0024】
この場合において、前記第1基板と前記第2基板とは同じ板厚であっても良いが、請求項9に記載の偏光光学素子の如く、前記第1基板と前記第2基板とは、互いに板厚が異なることとしても良い。
【0025】
上記請求項8及び9に記載の各偏光光学素子において、請求項10に記載の偏光光学素子の如く、前記第1基板は、前記第1光学部材の常光屈折率及び異常光屈折率のいずれかとほぼ等しい屈折率を有する接着剤を介して前記第1光学部材と貼り合わされていることとすることができる。
【0026】
上記請求項8〜10に記載の各偏光光学素子において、請求項11に記載の偏光光学素子の如く、前記第2基板は、前記第2光学部材の常光屈折率及び異常光屈折率のいずれかとほぼ等しい屈折率を有する接着剤を介して前記第2光学部材と貼り合わされていることとすることができる。
【0027】
上記請求項8〜11に記載の各偏光光学素子において、請求項12に記載の偏光光学素子の如く、前記第1基板と前記第2基板とは互いにほぼ同一の材質であることとすることができる。かかる場合は、第1基板と第2基板とが異なる材質の場合に比べて生産性が向上し、コスト低下を促進することができる。
【0028】
この場合において、請求項13に記載の偏光光学素子の如く、前記第1基板及び前記第2基板の素材は、それぞれ光学ガラス又は透明樹脂であることとすることができる。かかる場合には、安価な汎用品を用いることができ、光学部材の材料コストを低下させることが可能となる。
【0029】
上記請求項1〜13に記載の各偏光光学素子において、請求項14に記載の偏光光学素子の如く、前記第1光学部材及び前記第2光学部材の少なくとも一方は、有機延伸膜から成ることとすることができる。かかる場合には、有機延伸膜の透明度が高いため、光利用効率の低下を抑制することができる。また、有機延伸膜は安価であるとともに、微細加工を正確にしかも容易に行うことができるため、歩留まりが向上し、その結果コスト低下を促進することが可能となる。さらに、有機延伸膜はシート状であるために、小型化を促進することが可能となる。
【0030】
上記請求項8〜14に記載の各偏光光学素子において、請求項15に記載の偏光光学素子の如く、前記第1基板における前記第1光学部材側とは反対側の面に第3の凹凸が形成されていることとすることができる。
【0031】
上記請求項8〜15に記載の各偏光光学素子において、請求項16に記載の偏光光学素子の如く、前記第2基板における前記第2光学部材側とは反対側の面に第4の凹凸が形成されていることとすることができる。
【0032】
請求項17に記載の発明は、光ピックアップ装置に用いられる偏光光学素子の製造方法であって、光学的異方性を有する第1部材の一方の面に第1の凹凸を形成する第1工程と;前記第1部材の光学的異方性とは異なる光学的異方性を有する第2部材の一方の面に第2の凹凸を形成する第2工程と;前記第1の凹凸と第2の凹凸とが対向するように、前記第1部材の光学的異方性及び前記第2部材の光学的異方性と所定の関係にある光学的異方性を有する充填部材を介して前記第1部材と前記第2部材とを貼り合わせる第3工程と;を含む偏光光学素子の製造方法である。
【0033】
これによれば、光学的異方性を有する第1部材の一方の面に第1の凹凸が形成され(第1工程)、第1部材の光学的異方性とは異なる光学的異方性を有する第2部材の一方の面に第2の凹凸が形成される(第2工程)。そして、第1の凹凸と第2の凹凸とが対向するように、第1部材の光学的異方性及び第2部材の光学的異方性と所定の関係にある光学的異方性を有する充填部材を介して第1部材と第2部材とが貼り合わされる(第3工程)。すなわち、第1部材及び第2部材にそれぞれ所定の凹凸を予め個別に形成した後、各凹凸が対向するように充填部材を介して第1部材及び第2部材を貼り合わしているため、光利用効率に優れた小型の偏光光学素子を低コストで製造することが可能となる。
【0034】
この場合において、請求項18に記載の製造方法の如く、前記第1工程に先立って、前記第1部材を保持するための第1基板と前記第1部材とを貼り合わせる第4工程と;前記第2部材を保持するための第2基板と前記第2部材とを貼り合わせる第5工程と;を更に含むこととすることができる。かかる場合には、例えば第1部材及び第2部材が外力によって容易に変形する部材であっても、それぞれ第1基板及び第2基板によって保持されるため、以降の工程での作業性が低下することを抑制できる。
【0035】
この場合において、請求項19に記載の製造方法の如く、前記第3工程に先立って、前記第1基板における前記第1部材側と反対側の面に第3の凹凸を形成する第6工程を更に含むこととすることができる。かかる場合には、2波長光ピックアップ装置に用いられる光利用効率に優れた小型の偏光光学素子を低コストで製造することが可能となる。
【0036】
上記請求項18及び19に記載の製造方法において、請求項20に記載の製造方法の如く、前記第3工程に先立って、前記第2基板における前記第2部材側と反対側の面に第4の凹凸を形成する第7工程を更に含むこととすることができる。かかる場合には、2波長光ピックアップ装置に用いられる光利用効率に優れた小型の偏光光学素子を低コストで製造することが可能となる。
【0037】
請求項21に記載の発明は、情報記録媒体の記録面に光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、光源と;前記光源から出射される光束を前記記録面に集光する対物レンズと、前記光源から出射され前記対物レンズに向かう光束の光路上に配置された請求項1〜14のいずれか一項に記載の偏光光学素子とを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;前記受光位置に配置された光検出器と;を備える光ピックアップ装置である。
【0038】
これによれば、請求項1〜14のいずれか一項に記載の偏光光学素子を備えていることから、大型化及び高コスト化を招くことなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報などを含む信号を精度良く出力することが可能となる。
【0039】
請求項22に記載の発明は、複数種類の情報記録媒体の記録面に光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、前記複数の情報記録媒体に個別に対応して設けられ、波長の異なる光束を択一的に出射する複数の光源と;前記複数の光源から出射される各光束を前記記録面に集光する対物レンズと、前記複数の光源から出射され前記対物レンズに向かう光束の光路上に配置された請求項15又は16に記載の偏光光学素子とを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;前記受光位置に配置された光検出器と;を備える光ピックアップ装置である。
【0040】
これによれば、請求項15又は16に記載の偏光光学素子を備えていることから、大型化及び高コスト化を招くことなく、複数種類の情報記録媒体に対して、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報などを含む信号を精度良く出力することが可能となる。
【0041】
上記請求項21及び22に記載の各光ピックアップ装置において、請求項23に記載の光ピックアップ装置の如く、前記対物レンズと前記偏光光学素子とは一体化されていることとすることができる。かかる場合には、対物レンズのシフトに起因して光検出器の出力信号にオフセット成分が付加されることを防止できる。
【0042】
請求項24に記載の発明は、情報記録媒体に対して、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、請求項21〜23のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置と;前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
【0043】
これによれば、請求項21〜23のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置からの出力信号に基づいて、RF信号及びサーボ信号などを精度良く安定して検出することができるため、結果として情報記録媒体への高速度での情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を含むアクセスを精度良く安定して行うことが可能となる。
【0044】
【発明の実施の形態】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。図1には、本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置20の概略構成が示されている。
【0045】
この図1に示される光ディスク装置20は、光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、モータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、ROM39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、本第1の実施形態では、一例としてDVD系の規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15に用いられるものとする。
【0046】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。なお、この光ピックアップ装置23の構成等については後に詳述する。
【0047】
前記再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてウォブル信号、RF信号及びサーボ信号(フォーカスエラー信号、トラックエラー信号)などを検出する。そして、再生信号処理回路28はウォブル信号からADIP(Address In Pregroove)情報及び同期信号などを抽出する。ここで抽出されたADIP情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。さらに、再生信号処理回路28はRF信号に対して、復調処理及び誤り訂正処理などを行なった後、再生データとしてバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。また、サーボ信号は再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に出力される。なお、光ディスク15に対するアクセス中は、ADIP情報及びサーボ信号は、それぞれ所定のタイミング毎に再生信号処理回路28から出力される。
【0048】
前記サーボコントローラ33は、サーボ信号に基づいて光ピックアップ装置23を制御するための各種制御信号を生成し、モータドライバ27に出力する。
【0049】
前記モータドライバ27は、サーボコントローラ33からの制御信号及びCPU40の指示に基づいて光ピックアップ装置23及びスピンドルモータ22に駆動信号を出力する。
【0050】
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定量になるとCPU40に通知する。
【0051】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、バッファRAM34に蓄積されているデータをバッファマネージャ37を介して取り出し、データの変調及びエラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成するとともに、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して書き込み信号をレーザコントロール回路24に出力する。
【0052】
前記レーザコントロール回路24は、エンコーダ25からの書き込み信号及びCPU40の指示に基づいて光ディスク15に照射するレーザ光の出力を制御する。
【0053】
前記インターフェース38は、ホスト(例えばパソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)及びSCSI(Small Computer System Interface)などの標準インターフェースに準拠している。
【0054】
前記ROM39には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。そして、CPU40は、ROM39に格納されているプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどを一時的に前記RAM41に保存する。
【0055】
次に、前記光ピックアップ装置23の構成等について図2(A)に基づいて説明する。この光ピックアップ装置23は、図2(A)に示されるように、光源ユニット51、偏光光学素子としての偏光回折素子50、カップリングレンズ52、λ/4板55、光検出器としての受光器59、対物レンズ60及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ(いずれも図示省略))などを備えている。
【0056】
上記光源ユニット51は、波長が660nmの光束を出射する光源としての半導体レーザ51aを含んで構成されている。なお、ここでは、半導体レーザ51aから出射される光束(以下、便宜上「出射光束」ともいう)の最大強度出射方向を+X方向(図2(A)における紙面右方向)とする。また、本第1の実施形態では、一例として出射光束はP偏光の光束であるものとする。
【0057】
前記偏光回折素子50は光源ユニット51の+X側に配置され、出射光束を3ビーム化するとともに、光ディスク15の記録面からの戻り光束を往路と復路の共通光路上から分岐する。この偏光回折素子50の構成等については後に詳述する。
【0058】
前記カップリングレンズ52は偏光回折素子50の+X側に配置され、偏光回折素子50にて3ビーム化された各光束をそれぞれ略平行光とする。そして、前記λ/4板55は、カップリングレンズ52の+X側に配置され、入射した光束に1/4波長の光学的位相差を付加する。
【0059】
前記対物レンズ60はλ/4板55の+X側に配置され、λ/4板55を透過した光束を集光し、光ディスク15の記録面に光スポットを形成する。
【0060】
前記受光器59は光源ユニット51の近傍に配置され、偏光回折素子50で分岐された戻り光束を受光する。この受光器59は3ビーム法に対応した複数の受光素子を含んで構成されている。
【0061】
ここで、前記偏光回折素子50の構成等について図2(B)を用いて説明する。偏光回折素子50は、第1基板としての第1ガラス基板50a、第1光学部材としてのグレーティング50b、充填部材としての充填材50e、第2光学部材としてのホログラム50c、第2基板としての第2ガラス基板50d、及びシール材SEを含んで構成されている。
【0062】
上記グレーティング50bは、出射光束を0次光及び±1次回折光に分割する。このグレーティング50bの材料には、光学的異方性を有する有機延伸膜(特開2000−075130号公報参照)が用いられている。そして、その有機延伸膜(以下、便宜上「第1の有機延伸膜」という)の+X側の面には所定の凹凸が形成されている。この凹凸が形成されている面(以下「第1の凹凸形成面」という)の反対側の面(−X側の面)は、前記第1ガラス基板50aと貼り合わされている。すなわち、グレーティング50bは第1ガラス基板50aに保持されている。そこで、出射光束は第1ガラス基板50aを介してグレーティング50bに入射することとなる。
【0063】
前記ホログラム50cは、光ディスク15の記録面からの戻り光束を受光素子59の受光面方向に分岐する。このホログラム50cの材料には、前記第1の有機延伸膜の光学的異方性と異なる光学的異方性を有する有機延伸膜(以下、便宜上「第2の有機延伸膜」という)が用いられている。そして、上記第1の凹凸形成面に対向する第2の有機延伸膜の面(−X側の面)には所定の凹凸が形成されている。この凹凸が形成されている面(以下「第2の凹凸形成面」という)の反対側の面(+X側の面)は、前記第2ガラス基板50dと貼り合わされている。そこで、戻り光束は第2ガラス基板50dを介してホログラム50cに入射することとなる。
【0064】
本第1の実施形態では、一例として図3に示されるように、第1の凹凸形成面における凹凸が形成されている領域(以下、便宜上「グレーティング領域」ともいう)AGの面積は、第2の凹凸形成面における凹凸が形成されている領域(以下、便宜上「ホログラム領域」ともいう)AHの面積よりも大きくなるように設定されている。
【0065】
第1の有機延伸膜及び第2の有機延伸膜は、ポリエステル系、ポリイミド系、ポリエチレン系、ポリカーボネート系、ポリビニルアルコール系、ポリメタクリル酸メチル系、ポリスチレン系、ポリサルフォン系、ポリエーテルサルフォン系、及びポリエチレンテレフタレート系などの有機材料から作られている。
【0066】
前記充填材50eは光学的異方性を有し、グレーティング50bとホログラム50cとの間に充填されている。そして、ここでは、一例として充填材50eの常光屈折率は1.8、異常光屈折率は1.6に設定されているものとする。この充填材50eは、汎用的に用いられているネマチック液晶やスメクチック液晶等の表示用液晶や、高分子液晶、液晶モノマー、及び液晶組成物などを調整することにより、容易に作成可能である。なお、充填材50eは、前記シール材SEによってグレーティング50bとホログラム50cとの間に保持されている。
【0067】
ここでは、出射光束がP偏光の光束(常光)であり、戻り光束がS偏光の光束(異常光)となるために、第1の有機延伸膜は、充填材50eの常光屈折率と異なる常光屈折率を有し、充填材50eの異常光屈折率とほぼ一致する異常光屈折率を有している。本第1の実施形態では、一例として第1の有機延伸膜の常光屈折率は1.7、異常光屈折率は1.6であるものとする。また、第2の有機延伸膜は、充填材50eの常光屈折率とほぼ一致する常光屈折率を有し、充填材50eの異常光屈折率と異なる異常光屈折率を有している。本第1の実施形態では、一例として第2の有機延伸膜の常光屈折率は1.8、異常光屈折率は1.9であるものとする。有機延伸膜に上記各光学的異方性をそれぞれ付与するのは極めて容易である。従って、図4(A)に示されるように、出射光束LBpはグレーティング50bでは回折されるが、ホログラム50cではそのまま透過することとなる。一方、図4(B)に示されるように、戻り光束LBsはホログラム50cでは回折されるが、グレーティング50bではそのまま透過することとなる。
【0068】
ホログラム50cの回折効率は、充填材50eの異常光屈折率と第2の有機延伸膜の異常光屈折率との差分Δnと、凹凸の溝深さdとの積で決定される。そして、その積が波長の1/2と等しくなるときに回折効率が最大となることが知られている。そこで、本第1の実施形態では、差分Δnが0.3、波長が660nmであることから、凹凸の溝深さdを1.1μmとした。なお、従来はΔnが0.1程度であり、凹凸の溝深さは3μmを超えていた。
【0069】
前記第1ガラス基板50aと前記第2ガラス基板50dとは同じ材質であり、光学ガラスの一種であるBSC7及び石英ガラスなどの安価なガラスが用いられている。なお、第1ガラス基板50a及び第2ガラス基板50dの代わりに、透明な樹脂製の基板を用いても良い。
【0070】
ここで、偏光回折素子50の製造方法の一例について図5〜図7を用いて説明する。なお、実際は複数個の偏光回折素子が同時に製造されるが、図5〜図7には便宜上1個の偏光回折素子に対応する部分のみが示されている。
【0071】
1.第1ガラス基板50aとなるガラス円板G1と、第1の有機延伸膜となる有機延伸膜M1とを第1の接着剤AD1で貼り付ける(図5(A)参照)。なお、ガラス円板G1及び有機延伸膜M1は、それぞれ通常のシリコンウェハと同程度の直径(例えば約10cm)を有している。また、第1の接着剤AD1は有機延伸膜M1の常光屈折率とほぼ同じ屈折率(ここでは約1.7)を有している。
2.スピン塗布装置を用いて有機延伸膜M1の表面に感光性樹脂(以下、「フォトレジスト」と呼ぶ)Rを均一に塗布する(図5(B)参照)。
3.露光装置を用いて波長が660nmの光束に対応したグレーティング用の格子パターンをフォトレジストRに転写した後、現像装置を用いてフォトレジストRを現像し、フォトレジストRによる格子パターンを形成する(図5(C)参照)。この格子パターンのピッチは10〜30μmである。なお、図5(C)には便宜上1つの格子パターンが示されているが、有機延伸膜M1の表面上には図5(C)に示される格子パターンと同じ格子パターンが複数個形成されている。
4.反応性イオンエッチング装置を用いてフォトレジストRが残っていない部分の有機延伸膜M1をドライエッチングし、深さが約1.0μmの溝を形成した後、洗浄装置を用いて溶剤あるいはガスなどによりフォトレジストRを除去する。これにより、有機延伸膜M1の表面にピッチが10〜30μm、深さが約1.0μmの凹凸が形成される(図5(D)参照)。
5.第2ガラス基板50dとなるガラス円板G2と、第2の有機延伸膜となる有機延伸膜M2とを第2の接着剤AD2で貼り付ける(図6(A)参照)。なお、ガラス円板G2及び有機延伸膜M2は、それぞれガラス円板G1及び有機延伸膜M1とほぼ同じ直径を有している。また、第2の接着剤AD2は有機延伸膜M2の常光屈折率とほぼ同じ屈折率(ここでは約1.8)を有している。
6.スピン塗布装置を用いて有機延伸膜M2の表面にフォトレジストRを均一に塗布する(図6(B)参照)。
7.露光装置を用いて波長が660nmの光束に対応したホログラム用の格子パターンをフォトレジストRに転写した後、現像装置を用いてフォトレジストRを現像し、フォトレジストRによる格子パターンを形成する(図6(C)参照)。この格子パターンのピッチは1〜5μmである。なお、図6(C)には便宜上1つの格子パターンが示されているが、有機延伸膜M2の表面上には図6(C)に示される格子パターンと同じ格子パターンが複数個形成されている。
8.反応性イオンエッチング装置を用いてフォトレジストが残っていない部分の有機延伸膜M2をドライエッチングし、深さが約1.1μmの溝を形成した後、洗浄装置を用いて溶剤あるいはガスなどによりフォトレジストRを除去する。これにより、有機延伸膜M2の表面にピッチが1〜5μm、深さが約1.1μmの凹凸が形成される(図6(D)参照)。
9.有機延伸膜M1の凹凸が形成された面及び有機延伸膜M2の凹凸が形成された面に、それぞれスピン塗布装置を用いて配向剤(例えばポリイミド)を塗布した後、所定の熱処理を行う。
10.有機延伸膜M1の凹凸が形成された面において、1個の偏光回折素子に対応する部分毎にシール材SEで取り囲む(図7(A)参照)。ここでは、シール材SEとして紫外線硬化型接着剤が用いられる。なお、後工程で凹凸の溝に液晶を充填するために、シール材SEの一部に液晶の注入口及び空気抜き(いずれも不図示)が設けられている。
11.凹凸が形成された面同士がそれぞれ対向するように、有機延伸膜M1と有機延伸膜M2とを重ね合わせる(図7(B)参照)。
12.紫外線照射装置を用いてシール材SEに紫外線を照射し、シール材SEを硬化させる。
13.有機延伸膜M1と有機延伸膜M2との間の空間に光重合開始剤が添加された液晶UPを充填する(図7(C)参照)。
14.紫外線照射装置を用いて液晶UPに紫外線を照射し、液晶UPを重合する。これにより、ガラス円板G1、有機延伸膜M1、液晶UP、有機延伸膜M2及びガラス円板G2が積層され一体化した円板(以下、便宜上「第1の積層円板」という)HPが作られる。
15.第1の積層円板HPを切断装置にセットし、所定の寸法に切断する。そして、仕上げ工程、洗浄・乾燥工程及び検査工程などを経て偏光回折素子50となる。すなわち、1枚の第1の積層円板HPから複数個の偏光回折素子50を得ることができる。
【0072】
上記のように構成される光ピックアップ装置23の作用を説明すると、半導体レーザ51aから出射された直線偏光(ここではP偏光)の光束は、第1ガラス基板50aを介してグレーティング50bに入射する。この光束はグレーティング50bで0次光及び±1次回折光に分割される。そして、各光束はホログラム作用を受けることなくホログラム50cを透過し、コリメートレンズ52で略平行光となった後、λ/4板55で円偏光とされ、対物レンズ60を介して光ディスク15の記録面に微小スポットとしてそれぞれ集光される。光ディスク15の記録面にて反射した各反射光は、往路とは反対回りの円偏光となり、それぞれ戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされ、λ/4板55で往路と直交した直線偏光(ここではS偏光)とされる。そして、各戻り光束は、コリメートレンズ52を透過した後、ホログラム50cで回折され、グレーティング50bをそのまま透過して受光器59で受光される。受光器59を構成する各受光素子は受光量に応じた信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0073】
次に、前述の光ディスク装置20を用いて、光ディスク15にデータを記録する場合の処理動作について簡単に説明する。
【0074】
CPU40はホストから記録要求のコマンドを受信すると、記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、ホストから記録要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。また、CPU40はホストから受信したデータ(以下、「ユーザデータ」という)をバッファRAM34に蓄積するようにバッファマネージャ37に指示する。
【0075】
光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、再生信号処理回路28は受光器59の出力信号に基づいてサーボ信号(トラックエラー信号及びフォーカスエラー信号)を検出し、その検出結果をサーボコントローラ33に出力する。
【0076】
サーボコントローラ33はトラックエラー信号に基づいてモータドライバ27を介して光ピックアップ装置23のトラッキングアクチュエータを制御し、トラックずれを補正する。また、サーボコントローラ33はフォーカスエラー信号に基づいてモータドライバ27を介して光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータを制御し、フォーカスずれを補正する。このようにして、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。
【0077】
また、再生信号処理回路28は受光器59の出力信号に基づいてウォブル信号を検出し、そのウォブル信号から抽出したADIP情報をCPU40に通知する。そして、CPU40は再生信号処理回路28からのADIP情報に基づいて、指定された書き込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するように光ピックアップ装置23のシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。なお、再生信号処理回路28はADIP情報の抽出を所定のタイミング毎に行い、抽出したADIP情報をCPU40に通知する。
【0078】
CPU40はバッファマネージャ37からバッファRAM34に蓄積されたユーザデータのデータ量が所定の量を超えたとの通知を受けると、エンコーダ25に書き込み信号の作成を指示する。
【0079】
また、CPU40はADIP情報に基づいて光ピックアップ装置23の位置が書き込み開始地点であると判断すると、エンコーダ25に通知する。これにより、ユーザデータは、エンコーダ25、レーザコントロール回路24及び光ピックアップ装置23を介して光ディスク15に記録される。
【0080】
次に、前述した光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に記録されているユーザデータを再生する場合の処理動作について簡単に説明する。
【0081】
CPU40はホストから再生要求のコマンドを受信すると、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、ホストから再生要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。そして、光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、上記記録処理の場合と同様に、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。また、再生信号処理回路28は上記記録処理の場合と同様に、ADIP情報を抽出し、CPU40に通知する。
【0082】
CPU40はADIP情報に基づいて、指定された読み込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。CPU40はADIP情報に基づいて、光ピックアップ装置23の位置が読み込み開始地点であると判断すると、再生信号処理回路28に通知する。
【0083】
そして、再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号に基づいてRF信号を検出し、復調処理及び誤り訂正処理などを行った後、バッファRAM34に蓄積する。バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホストに転送する。
【0084】
なお、記録処理及び再生処理が終了するまで、トラッキング制御及びフォーカス制御は所定のタイミング毎に行われる。
【0085】
以上の説明から明らかなように、本第1の実施形態に係る光ディスク装置20では、再生信号処理回路28、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって、処理装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記第1の実施形態は一例に過ぎず、上記のCPU40によるプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって構成することとしても良い。
【0086】
以上説明したように、本第1の実施形態に係る偏光回折素子50によると、光学的異方性(常光屈折率1.7、異常光屈折率1.6)を有し、その対物レンズ側の面にグレーティング用の凹凸(第1の凹凸)が形成された第1の有機延伸膜と、グレーティング用の凹凸に対向してホログラム用の凹凸(第2の凹凸)が形成され、第1の有機延伸膜とは異なる光学的異方性(常光屈折率1.8、異常光屈折率1.9)を有する第2の有機延伸膜とが、各有機延伸膜の光学的異方性とそれぞれ所定の関係にある光学的異方性(常光屈折率1.8、異常光屈折率1.6)を有する液晶を介して一体化されている。そして、液晶の異常光屈折率が第1の有機延伸膜の異常光屈折率とほぼ等しく、液晶の常光屈折率が第2の有機延伸膜の常光屈折率とほぼ等しくなるように設定されているために、グレーティングに入射した光束における常光成分は回折されるが、異常光成分はそのほとんどが回折されることなくそのまま透過し、ホログラムに入射した光束における異常光成分は回折されるが、常光成分はそのほとんどが回折されることなくそのまま透過することとなる。従って、ほぼ設計通りの偏光特性を有することができ、光利用効率を低下させることなく、小型化及び低コスト化を促進することが可能となる。
【0087】
また、本第1の実施形態によると、グレーティング及びホログラムの材料として有機延伸膜を用いている。有機延伸膜は透明度が高いため、偏光回折素子における光量のロスを抑制することができる。すなわち、光利用効率の低下を抑制することができる。また、有機延伸膜は安価であるため、部品コストを低減することが可能となる。さらに、有機延伸膜はシート状であるため、小型化を促進することが可能となる。また、波長が660nmの光束に対する有機延伸膜の屈折率は1.6近傍であるため、汎用の光学的異方性材料を若干調整するのみで充填材として用いることが可能となる。
【0088】
また、本第1の実施形態によると、充填材として安価な液晶を用いているため、部品コストを低減することができる。
【0089】
また、本第1の実施形態によると、第2の有機延伸膜の異常光屈折率と液晶の異常光屈折率との差分Δnが0.3となるように設定されているため、ホログラムにおける凹凸の溝深さを従来よりも大幅に浅くすることができる。これにより、体積ホログラムの程度を示すパラメータであるQ値が小さくなり、回折効率の入射角依存性が小さくなる。従って、回折効率のばらつきが小さくなり、受光器59から出力される信号の安定性を向上させることが可能となる。
【0090】
また、本第1の実施形態によると、第1ガラス基板50aとグレーティング50bとは、第1の有機延伸膜の常光屈折率(1.7)とほぼ同じ屈折率を有する接着剤によって接着されているために、一例として図8(A)に示されるように、接着剤層の厚みが不均一な場合に、出射光束に対するグレーティング50bと接着剤AD1との接合界面における平面性の乱れが補正され、記録面に形成される光スポットにおける波面収差の劣化を抑制することができる。同様に、第2ガラス基板50dとホログラム50cとは、第2の有機延伸膜の常光屈折率(1.8)とほぼ同じ屈折率を有する接着剤によって接着されているために、一例として図8(B)に示されるように、接着剤層の厚みが不均一な場合に、出射光束に対するホログラム50cと接着剤AD2との接合界面における平面性の乱れが補正され、記録面に形成される光スポットにおける波面収差の劣化を抑制することができる。すなわち、光利用効率の低下を抑制することが可能となる。
【0091】
また、本第1の実施形態によると、グレーティング領域の面積が、ホログラム領域の面積よりも大きくなるように設定されているために、ホログラム50cで回折された戻り光束は常にグレーティング領域を透過して受光器59で受光されることとなる。これにより、ホログラム50cで回折された戻り光束は、ほぼ一定の透過率でグレーティング50bを透過するとともに、波面収差の乱れをほとんど生じることなく受光器59で受光される。すなわち、受光器59で受光される回折光の光量変動及び分布むらを低減することができる。従って、受光器59から出力される信号の安定性及び信頼性を向上させることが可能となる。
【0092】
また、本第1の実施形態に係る偏光回折素子の製造方法によると、グレーティング用の凹凸が形成された有機延伸膜M1及びホログラム用の凹凸が形成された有機延伸膜M2は、それぞれ同じ材質のガラス基板によって保持されているために、第1の積層円板HPから偏光回折素子50を切り出す際に、作業の途中で加工工具(例えばダイシングソー)を取り替えたり、あるいは加工条件(例えば送り速度)を変更する必要がない。従って、生産性が向上し、低コスト化を促進することが可能となる。
【0093】
また、本第1の実施形態によると、有機延伸膜M2の表面に形成する凹凸の溝深さを従来に比べて1/3程度とすることが可能となるため、偏光回折素子の製造工程において、有機延伸膜M2の表面にホログラム用の凹凸を形成する作業時間を短縮することができるとともに、歩留まりが向上し、低コスト化を促進することが可能となる。
【0094】
また、本第1の実施形態によると、グレーティング及びホログラムにおける光学的異方性を有する材料として有機延伸膜を用いているために、微細加工が容易であり、有機延伸膜M1及び有機延伸膜M2の表面に所定の凹凸を精度良く形成することができる。従って、歩留まりが向上し、低コスト化を促進することができるとともに、ほぼ設計通りの偏光特性を有することとなる。
【0095】
また、本第1の実施形態に係る光ピックアップ装置によると、光利用効率に優れた小型で安価な偏光回折素子を用いているために、大型化及び高コスト化を招くことなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報などを含む信号を精度良く出力することが可能となる。
【0096】
また、本第1の実施形態に係る光ディスク装置によると、光ピックアップ装置の出力信号に基づいて光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置を精度良く制御することができるため、高速度での情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を含むアクセスを精度良く安定して行うことが可能となる。さらに、光ピックアップ装置の小型化によって、光ディスク装置自体の小型化及び消費電力の低減も促進することができ、例えば携帯用として用いられる場合には、持ち運びが容易となり、更に長時間の使用が可能となる。
【0097】
なお、上記第1の実施形態では、ガラス円板G1と有機延伸膜M1とを接着するための第1の接着剤AD1が有機延伸膜M1の常光屈折率とほぼ同じ屈折率を有する場合について説明したが、例えば接着剤層が極めて薄い場合や、接合面の平面性が担保されている場合には、必ずしも有機延伸膜M1の常光屈折率と同じ屈折率でなくても良い。同様に、ガラス円板G2と有機延伸膜M2とを接着するための第2の接着剤AD2についても、例えば接着剤層が極めて薄い場合や、接合面の平面性が担保されている場合には、必ずしも有機延伸膜M2の常光屈折率と同じ屈折率でなくても良い。
【0098】
また、上記第1の実施形態では、グレーティング及びホログラムの材料として有機延伸膜を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。但し、例えば図9に示されるように、グレーティング及びホログラムの材料としてニオブ酸リチウムLN1、LN2を用いた偏光回折素子50Nの場合には、ガラス基板が不要であるため素子全体としては、偏光回折素子50よりも薄くなる。しかしながら、光学的異方性を有する部材の合計の厚みが偏光回折素子50の場合よりも大幅に厚くなるため、偏光回折素子50Nは平行光路中にしか配置できないという制約がある。また、一例として図9に示されるように、グレーティング及びホログラムの材料として液晶LC1、LC2を用いた偏光回折素子50Lの場合には、光学的異方性を有する部材の合計の厚みは偏光回折素子50の場合よりも薄くなる。しかしながら、液晶はガラス板LGで挟む必要があるため、素子全体としては偏光回折素子50よりも厚くなる。
【0099】
また、上記第1の実施形態では、第1ガラス基板50aと第2ガラス基板50dとが同じ板厚の場合について説明したが、これに限らず、第1ガラス基板50aの板厚と第2ガラス基板50dの板厚とが互いに異なっていても良い。例えば図10に示されるように、第1ガラス基板50aの代わりに第1ガラス基板50aよりも板厚が厚い第1ガラス基板50a’を用い、第2ガラス基板50dの代わりに第2ガラス基板50dよりも板厚が薄い第2ガラス基板50d’を用いた偏光回折素子50’であっても、偏光回折素子50と同様にして製造することができる。この場合には、第1ガラス基板50a’の板厚は第2ガラス基板50d’の板厚よりも厚くなる。これにより、一例として図11(A)及び図11(B)に示されるように、偏光回折素子50’におけるホログラム(ホログラム50c’)と受光器59とのX軸方向に関する距離が、偏光回折素子50におけるホログラム(ホログラム50c)と受光器59とのX軸方向に関する距離よりも長くなるため、偏光回折素子50’におけるホログラムでの回折角を偏光回折素子50の場合に比べて小さくすることができる。そこで、ホログラム50c’ではホログラム50cに比べて凹凸のピッチを大きくすることが可能となる。すなわち、有機延伸膜M2の表面におけるホログラム用の凹凸の形成が容易となり、歩留まりを向上させることができる。
【0100】
また、上記第1の実施形態では、光源として波長が660nmの光束を出射する半導体レーザを用いる場合について説明したが、これに限られるものはなく、例えば波長が405nmの光束を出射する光源及び波長が780nmの光束を出射する光源のいずれかが用いられても良い。但し、その場合には、グレーティング用の凹凸及びホログラム用の凹凸は、使用される光源から出射される光束の波長に対応したものとなる。
【0101】
また、上記第1の実施形態では、光ディスク15としてDVD系の規格に準拠した情報記録媒体を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、3ビーム法を用いて光スポットの形成位置を検出する情報記録媒体であれば良い。
【0102】
《第2の実施形態》
以下、本発明の第2の実施形態を図12〜図18に基づいて説明する。
【0103】
この第2の実施形態は、光ディスク装置がCD系の規格に準拠した情報記録媒体(以下「CD系」と略述する)及びDVD系の規格に準拠した情報記録媒体(以下「DVD系」と略述する)にそれぞれアクセス可能である点に特徴を有する。そこで、一例として図12(A)に示されるように、上記第1の実施形態における光ピックアップ装置23の代わりに、2波長の光束に対応した光ピックアップ装置23’が用いられる。この光ピックアップ装置23’では、第1の実施形態における光源ユニット51の代わりに、互いに波長が異なる2つの光束を択一的に出射する光源ユニット71が用いられ、偏光回折素子50の代わりに2波長の光束に対応した偏光回折素子70が用いられる。なお、その他の光ピックアップ装置及び光ディスク装置の構成などは、第1の実施形態とほぼ同様である。従って、以下においては、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用い、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
【0104】
前記光源ユニット71は、波長が660nmの光束を出射する光源としての第1の半導体レーザ71aと、波長が780nmの光束を出射する光源としての第2の半導体レーザ71bとを含んで構成されている。
【0105】
前記偏光回折素子70は、第1の実施形態における偏光回折素子50に、波長が780nmの光束を0次光及び±1次回折光に分割するグレーティング(以下、便宜上「CDグレーティング」ともいう)と、波長が780nmの戻り光束を受光素子59の受光面方向に分岐するホログラム(以下、便宜上「CDホログラム」ともいう)とを付加したものである。ここでは、一例として図12(B)に示されるように、第1ガラス基板50aの光源ユニット71側の面にCDグレーティング70a用の凹凸が形成され、第2ガラス基板50dのカップリングレンズ52側の面にCDホログラム70b用の凹凸が形成されている。すなわち、偏光回折素子70は、波長が660nmの光束を0次光及び±1次回折光に分割するグレーティング(以下、便宜上「DVDグレーティング」ともいう)50bと、波長が660nmの戻り光束を受光素子59の受光面方向に回折するホログラム(以下、便宜上「DVDホログラム」ともいう)50cと、CDグレーティング70aと、CDホログラム70bとを備えている。なお、CDグレーティング70a及びCDホログラム70bは無偏光性である。そこで、CDグレーティング70aの面積は、CDホログラム70bで分岐された戻り光束が入射しないようにCDホログラム70bの面積よりも小さく設定されている。
【0106】
ここで、偏光回折素子70の製造方法について図13〜図15を用いて説明する。なお、実際は複数個の偏光回折素子が同時に製造されるが、図13〜図15には便宜上1個の偏光回折素子に対応する部分のみが示されている。
【0107】
1.第1の実施形態における偏光回折素子50の場合と同様にして、ガラス円板G1と有機延伸膜M1とを第1の接着剤AD1で接着した後、有機延伸膜M1の表面にピッチが10〜30μm、深さが約1.0μmのDVDグレーティング用の凹凸を形成する(図5(A)〜図5(D)参照)。
2.ガラス円板G1が上側となるように反転する(図13(A)参照)。
3.スピン塗布装置を用いてガラス円板G1の上にフォトレジストRを均一に塗布する(図13(B)参照)。
4.露光装置を用いて波長が780nmの光束に対応したグレーティング用の格子パターンをフォトレジストRに転写した後、現像装置を用いてフォトレジストRを現像し、フォトレジストRによる格子パターンを形成する(図13(C)参照)。なお、図13(C)には便宜上1つの格子パターンが示されているが、ガラス円板G1の表面には図13(C)に示される格子パターンと同じ格子パターンが複数個形成されている。
5.反応性イオンエッチング装置を用いてフォトレジストRが残っていない部分のガラス円板G1をドライエッチングした後、洗浄装置を用いて溶剤あるいはガスなどによりフォトレジストRを除去する。これにより、ガラス円板G1の表面にCDグレーティング用の凹凸が形成される(図13(D)参照)。
6.第1の実施形態における偏光回折素子50の場合と同様にして、ガラス円板G2と有機延伸膜M2とを第2の接着剤AD2で接着した後、有機延伸膜M2の表面にピッチが1〜5μm、深さが約1.1μmのDVDホログラム用の凹凸を形成する(図6(A)〜図6(D)参照)。
7.ガラス円板G2が上側となるように反転する(図14(A)参照)。
8.スピン塗布装置を用いてガラス円板G2の上にフォトレジストRを均一に塗布する(図14(B)参照)。
9.露光装置を用いて波長が780nmの光束に対応したホログラム用の格子パターンをフォトレジストRに転写した後、現像装置を用いてフォトレジストRを現像し、フォトレジストRによる格子パターンを形成する(図14(C)参照)。なお、図14(C)には便宜上1つの格子パターンが示されているが、ガラス円板G2の表面には図14(C)に示される格子パターンと同じ格子パターンが複数個形成されている。
10.反応性イオンエッチング装置を用いてフォトレジストRが残っていない部分のガラス円板G2をドライエッチングした後、洗浄装置を用いて溶剤あるいはガスなどによりフォトレジストRを除去する。これにより、ガラス円板G2の表面にCDホログラム用の凹凸が形成される(図14(D)参照)。
11.有機延伸膜M1の凹凸が形成された面及び有機延伸膜M2の凹凸が形成された面に、それぞれスピン塗布装置を用いて配向剤(例えばポリイミド)を塗布した後、所定の熱処理を行う。
12.有機延伸膜M1の凹凸が形成された面において、1個の偏光回折素子に対応する部分毎にシール材SEで取り囲む(図15(A)参照)。ここでは、シール材SEとして紫外線硬化型接着剤が用いられる。なお、後工程で凹凸の溝に液晶を充填するために、シール材SEの一部に液晶の注入口及び空気抜き(いずれも不図示)が設けられている。
13.凹凸が形成された面同士がそれぞれ対向するように、有機延伸膜M1と有機延伸膜M2とを重ね合わせる(図15(B)参照)。
14.紫外線照射装置を用いてシール材SEに紫外線を照射し、シール材SEを硬化させる。
15.有機延伸膜M1と有機延伸膜M2との間の空間に光重合開始剤が添加された液晶UPを充填する(図15(C)参照)。
16.紫外線照射装置を用いて液晶UPに紫外線を照射し、液晶UPを重合する。これにより、ガラス円板G1、有機延伸膜M1、液晶UP、有機延伸膜M2及びガラス円板G2が積層され一体化した円板(以下、便宜上「第2の積層円板」という)WPが作られる。
17.第2の積層円板WPを切断装置にセットし、所定の寸法に切断する。そして、仕上げ工程、洗浄・乾燥工程及び検査工程などを経て偏光回折素子70となる。すなわち、1枚の第2の積層円板WPから複数個の偏光回折素子70を得ることができる。
【0108】
上記のように構成される光ピックアップ装置23’の作用を説明する。先ず、光ディスク15がDVD系の場合について説明する。
【0109】
第1の半導体レーザ71aから出射された直線偏光(ここではP偏光)の光束は、CDグレーティング70aに入射する。この光束は、図16(A)に示されるように、CDグレーティング70aではほとんど分割されず、その大部分はCDグレーティング70aを透過する。CDグレーティング70aを透過した光束は、第1ガラス基板50aを透過し、DVDグレーティング50bで3ビーム化される。そして、各光束はDVDホログラム50cを透過し、CDホログラム70bに入射する。CDホログラム70bを透過した各光束は、それぞれコリメートレンズ52で略平行光となった後、λ/4板55で円偏光とされ、対物レンズ60を介して光ディスク15の記録面に微小スポットとして集光される。
【0110】
光ディスク15の記録面にて反射した各反射光は、往路とは反対回りの円偏光となり、それぞれ戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされ、λ/4板55で往路と直交した直線偏光(ここではS偏光)とされる。各戻り光束は、コリメートレンズ52を透過した後、CDホログラム70bに入射する。図16(B)に示されるように、CDホログラム70bを透過した各戻り光束は、DVDホログラム50cで回折され、DVDグレーティング50bをそのまま透過して受光器59で受光される。受光器59を構成する各受光素子は受光量に応じた信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0111】
次に、光ディスク15がCD系の場合について用いて説明する。
【0112】
第2の半導体レーザ71bから出射された直線偏光(ここではP偏光)の光束は、図17(A)に示されるように、CDグレーティング70aで3ビーム化され、第1ガラス基板50aを透過し、DVDグレーティング50bに入射する。DVDグレーティング50bを透過した各光束はDVDホログラム50cを透過し、CDホログラム70bに入射する。CDホログラム70bを透過した各光束は、それぞれコリメートレンズ52で略平行光となった後、λ/4板55で円偏光とされ、対物レンズ60を介して光ディスク15の記録面に微小スポットとして集光される。
【0113】
光ディスク15の記録面にて反射した各反射光は、往路とは反対回りの円偏光となり、それぞれ戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされ、λ/4板55で往路と直交した直線偏光(ここではS偏光)とされる。各戻り光束は、コリメートレンズ52を透過した後、図17(B)に示されるように、CDホログラム70bで回折され、DVDホログラム50c及びDVDグレーティング50bを介して受光器59で受光される。受光器59を構成する各受光素子は受光量に応じた信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0114】
なお、光ディスク15がCD系であるかDVD系であるかは、その記録面からの反射光の強度から判別することができる。通常、この判別は光ディスク15が光ディスク装置の所定位置に挿入されたとき、すなわちローディング時に行われる。また、光ディスク15に予め記録されているTOC(Table Of Contents)情報、PMA(Program Memory Area)情報及びウォブル信号などに基づいて光ディスク15の種類を判別することも可能である。そして、その判別結果はレーザコントロール回路に通知され、レーザコントロール回路によって、第1の半導体レーザ71a及び第2の半導体レーザ71bのいずれか一方が選択される。また、判別結果は光ディスクの種類に応じた処理を行う他の回路等にも通知される。
【0115】
本第2の実施形態に係る光ディスク装置では、光ディスク15がDVD系の場合には、第1の実施形態と同様にして、光ディスク15へのデータの記録及び光ディスク15に記録されているデータの再生が行われる。また、光ディスク15がCD系の場合には、DVD系の場合と若干異なる処理もあるが、DVD系とほぼ同様な手順で記録及び再生が行なわれる。
【0116】
以上の説明から明らかなように、本第2の実施形態に係る光ディスク装置では、再生信号処理回路28、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって、処理装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記第2の実施形態は一例に過ぎず、上記のCPU40によるプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって構成することとしても良い。
【0117】
以上説明したように、本第2の実施形態に係る偏光回折素子70によると、第1の実施形態での偏光回折素子50において、更に第1ガラス基板50aの光源側の面にCDグレーティング70a用の凹凸(第3の凹凸)を形成し、第2ガラス基板50dのカップリングレンズ側の面にCDホログラム70b用の凹凸(第4の凹凸)を形成しているために、一例として図18に示されるように、従来の2波長対応の回折素子KSに比べて小型化することができる。なお、回折素子KSでは、CD用の光源から出射された光束はCD用のグレーティングGcdで3ビーム化され、DVD用の光源から出射された光束はDVD用のグレーティングGdvdで3ビーム化される。また、CD系の光ディスクからの戻り光束はCD用のホログラムHcdで分岐され、DVD系の光ディスクからの戻り光束はDVD用のホログラムHdvdで分岐される。すなわち、偏光回折素子70は、CD用及びDVD用いずれに対してもグレーティングとホログラムとの間隔を従来よりも短縮することができる。
【0118】
また、本第2の実施形態に係る偏光回折素子の製造方法によると、DVDグレーティング、DVDホログラム、CDグレーティング及びCDホログラムは、それぞれ同じ材質のガラス基板を介して配置されているために、第2の積層円板WPから偏光回折素子70を切り出す際に、作業の途中で加工工具(例えばダイシングソー)を取り替えたり、あるいは加工条件(例えば送り速度)を変更する必要がない。従って、生産性が向上し、光利用効率に優れた偏光回折素子の低コスト化を実現することが可能となる。
【0119】
また、本第2の実施形態に係る光ピックアップ装置によると、光利用効率に優れた小型で安価な2波長対応の偏光回折素子を用いているために、アクセスの対象となる光ディスクがCD系及びDVD系のいずれであっても、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報などを含む信号を精度良く出力することが可能となる。
【0120】
また、本第2の実施形態に係る光ディスク装置によると、アクセスの対象となる光ディスクがCD系及びDVD系のいずれであっても、光ピックアップ装置の出力信号に基づいて光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置を精度良く制御することができるため、光ディスクに対して高速度での情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を含むアクセスを精度良く安定して行うことが可能となる。
【0121】
なお、上記第2の実施形態では、第2ガラス基板50dにCDホログラム70bを形成し、DVDホログラム50cと一体化させる場合について説明したが、これに限らず、例えばDVDホログラムとCDホログラムとを個別に調整する必要がある場合には、一例として図19に示されるように、新たなガラス基板70c上にCDホログラム70bを形成しても良い。この場合には、DVDホログラムとCDホログラムとの位置調整を行った後に、第2ガラス基板50dとガラス基板70cとを接着することとなる。
【0122】
また、上記第2の実施形態では、光学的異方性を有する材料として有機延伸膜を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0123】
また、上記第2の実施形態では、光源ユニットから出射される光束の波長が2種類の場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0124】
また、上記第2の実施形態では、波長が660nmの光束を出射する光源と波長が780nmの光束を出射する光源とを備える場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えばいずれかの光源の代わりに、波長が405nmの光束を出射する光源を備えても良い。
【0125】
また、上記第2の実施形態では、光ディスク15としてCD系及びDVD系の情報記録媒体を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、3ビーム法を用いて光スポットの形成位置を検出する情報記録媒体であれば良い。
【0126】
なお、上記各実施形態では、充填材50eとして液晶を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。同様な光学的異方性を有していれば良い。
【0127】
また、上記各実施形態では、第1光学部材及び第2光学部材が、それぞれ有機延伸膜から成る場合について説明したが、これに限らず、いずれかが有機延伸膜から成っても良い。
【0128】
また、上記各実施形態では、第1光学部材及び第2光学部材が、それぞれ同一の材質のガラス基板で保持される場合について説明したが、これに限らず、異なる材質のガラス基板で保持されても良い。例えば、各ガラス基板の材質がそれぞれ異なっていても機械的性質に大きな違いがなければ生産性を低下させるおそれはない。
【0129】
また、上記各実施形態では、第1光学部材及び第2光学部材が、それぞれガラス基板で保持される場合について説明したが、これに限らず、例えば変形のおそれがないときは、ガラス基板で保持されてなくても良い。
【0130】
また、上記各実施形態では、半導体レーザと受光器とが個別に実装された場合について説明したが、これに限らず、半導体レーザと受光器とが同一の筐体内に実装されても良い。
【0131】
また、上記各実施形態では、光源ユニットと偏光回折素子とが個別に実装された場合について説明したが、これに限らず、光源ユニットと偏光回折素子とが一体化されても良い。これらにより、光ピックアップ装置の小型化を促進することができるとともに、組み付け時の構成部品の数が減少し、組み付け作業及び調整作業を簡略化することができ、作業コストを削減することが可能となる。なお、対物レンズのシフトに起因して受光器からの出力信号にオフセットが付加されるおそれがある場合には、偏光回折素子と対物レンズとを一体化しても良い。このとき、偏光回折素子が従来よりも薄いため、大きな設計変更を必要としない。
【0132】
また、上記各実施形態では、情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生が可能な光ディスク装置であれば良い。要するに、3ビーム法によって光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置を制御する光ディスク装置であれば良い。
【0133】
また、上記各実施形態では、光源として半導体レーザを用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0134】
【発明の効果】
本発明に係る偏光光学素子によれば、光利用効率を低下させることなく、小型化及び低コスト化を促進することができるという効果がある。
【0135】
また、本発明に係る偏光光学素子の製造方法によれば、光利用効率に優れた小型の偏光光学素子を低コストで製造することができるという効果がある。
【0136】
また、本発明に係る光ピックアップ装置によれば、大型化及び高コスト化を招くことなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報などを含む信号を精度良く出力することができるという効果がある。
【0137】
また、本発明に係る光ディスク装置によれば、情報記録媒体への高速度でのアクセスを精度良く安定して行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(A)は、図1の光ピックアップ装置における光学系の概略構成を示す図であり、図2(B)は、図2(A)における偏光回折素子の詳細構成を説明するための図である。
【図3】第1の実施形態における偏光回折素子でのグレーティング領域の面積とホログラム領域の面積との関係を説明するための図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、それぞれ第1の実施形態における偏光回折素子の偏光特性を説明するための図である。
【図5】図5(A)〜図5(D)は、それぞれ第1の実施形態における偏光回折素子の製造方法を説明するための図(その1)である。
【図6】図6(A)〜図6(D)は、それぞれ第1の実施形態における偏光回折素子の製造方法を説明するための図(その2)である。
【図7】図7(A)〜図7(C)は、それぞれ第1の実施形態における偏光回折素子の製造方法を説明するための図(その3)である。
【図8】図8(A)及び図8(B)は、それぞれガラス基板と有機延伸膜とを接着する接着剤を説明するための図である。
【図9】偏光回折素子におけるグレーティング及びホログラムの材質と素子の大きさとの関係を説明するための図である。
【図10】第1ガラス基板の板厚と第2ガラス基板の板厚とが異なる偏光回折素子の例を説明するための図である。
【図11】図11(A)及び図11(B)は、それぞれ図10の偏光回折素子の利点を説明するための図である。
【図12】図12(A)は、本発明の第2の実施形態に係る光ピックアップ装置の概略構成を示す図であり、図12(B)は、図12(A)における偏光回折素子の詳細構成を説明するための図である。
【図13】図13(A)〜図13(D)は、それぞれ第2の実施形態における偏光回折素子の製造方法を説明するための図(その1)である。
【図14】図14(A)〜図14(D)は、それぞれ第2の実施形態における偏光回折素子の製造方法を説明するための図(その2)である。
【図15】図15(A)〜図15(C)は、それぞれ第2の実施形態における偏光回折素子の製造方法を説明するための図(その3)である。
【図16】図16(A)及び図16(B)は、それぞれ光ディスクがDVD系の場合における偏光回折素子の作用を説明するための図である。
【図17】図17(A)及び図17(B)は、それぞれ光ディスクがCD系の場合における偏光回折素子の作用を説明するための図である。
【図18】第2の実施形態における偏光回折素子と従来の2波長に対応した回折素子との厚みの違いを説明するための図である。
【図19】第2の実施形態における偏光回折素子の変形例を説明するための図である。
【図20】図20(A)及び図20(B)は、それぞれ偏光性を有さない従来の回折素子の一例を説明するための図である。
【図21】従来の偏光光学素子の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置、23,23’…光ピックアップ装置、28…再生信号処理回路(処理装置の一部)、40…CPU(処理装置の一部)、50,50’…偏光回折素子(偏光光学素子)、50a…第1ガラス基板(第1基板)、50b…グレーティング(第1光学部材)、50c…ホログラム(第2光学部材)、50d…第2ガラス基板(第2基板)、50e…充填材(充填部材)、51a…半導体レーザ(光源)、59…受光器(光検出器)、60…対物レンズ、70…偏光回折素子(偏光光学素子)、70a…CDグレーティング、70b…CDホログラム、71a…第1の半導体レーザ(光源)、71b…第2の半導体レーザ(光源)、AD1…第1の接着剤(接着剤)、AD2…第2の接着剤(接着剤)、G1,G2…ガラス円板(第1部材)、M1,M2…有機延伸膜(第2部材)、UP…液晶(充填部材)。

Claims (24)

  1. 光ピックアップ装置に用いられる偏光光学素子であって、
    光学的異方性を有し、その一側の面に第1の凹凸が形成された第1光学部材と;
    前記第1の凹凸に対向して第2の凹凸が形成され、前記第1光学部材の光学的異方性とは異なる光学的異方性を有する第2光学部材と;
    前記第1光学部材と前記第2光学部材との間に充填され、前記第1光学部材の光学的異方性及び前記第2光学部材の光学的異方性とそれぞれ所定の関係にある光学的異方性を有する充填部材と;を備える偏光光学素子。
  2. 前記第1の凹凸及び前記第2の凹凸は、それぞれのピッチが互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の偏光光学素子。
  3. 前記第1の凹凸のピッチは、前記第2の凹凸のピッチよりも大きく、前記第1の凹凸が形成された領域の面積は、前記第2の凹凸が形成された領域の面積よりも広いことを特徴とする請求項2に記載の偏光光学素子。
  4. 前記充填部材の常光屈折率及び異常光屈折率のうち大きいほうの屈折率は、前記第1光学部材及び前記第2光学部材のうち凹凸のピッチが小さいほうの光学部材における常光屈折率及び異常光屈折率のうち小さいほうの屈折率とほぼ等しいことを特徴とする請求項2又は3に記載の偏光光学素子。
  5. 前記充填部材の常光屈折率及び異常光屈折率のうち小さいほうの屈折率は、前記第1光学部材及び前記第2光学部材のうち凹凸のピッチが大きいほうの光学部材における常光屈折率及び異常光屈折率のうち小さいほうの屈折率とほぼ等しいことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の偏光光学素子。
  6. 前記充填部材は、液晶であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の偏光光学素子。
  7. 前記第1光学部材はグレーティングであり、前記第2光学部材はホログラムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の偏光光学素子。
  8. 前記第1光学部材の他側に配置され、前記第1光学部材を保持する第1基板と;
    前記第2光学部材の前記第2の凹凸が形成された面とは反対側に配置され、前記第2光学部材を保持する第2基板と;を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の偏光光学素子。
  9. 前記第1基板と前記第2基板とは、互いに板厚が異なることを特徴とする請求項8に記載の偏光光学素子。
  10. 前記第1基板は、前記第1光学部材の常光屈折率及び異常光屈折率のいずれかとほぼ等しい屈折率を有する接着剤を介して前記第1光学部材と貼り合わされていることを特徴とする請求項8又は9に記載の偏光光学素子。
  11. 前記第2基板は、前記第2光学部材の常光屈折率及び異常光屈折率のいずれかとほぼ等しい屈折率を有する接着剤を介して前記第2光学部材と貼り合わされていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の偏光光学素子。
  12. 前記第1基板と前記第2基板とは互いにほぼ同一の材質であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の偏光光学素子。
  13. 前記第1基板及び前記第2基板の素材は、それぞれ光学ガラス又は透明樹脂であることを特徴とする請求項12に記載の偏光光学素子。
  14. 前記第1光学部材及び前記第2光学部材の少なくとも一方は、有機延伸膜から成ることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の偏光光学素子。
  15. 前記第1基板における前記第1光学部材側とは反対側の面に第3の凹凸が形成されていることを特徴とする請求項8〜14のいずれか一項に記載の偏光光学素子。
  16. 前記第2基板における前記第2光学部材側とは反対側の面に第4の凹凸が形成されていることを特徴とする請求項8〜15のいずれか一項に記載の偏光光学素子。
  17. 光ピックアップ装置に用いられる偏光光学素子の製造方法であって、
    光学的異方性を有する第1部材の一方の面に第1の凹凸を形成する第1工程と;
    前記第1部材の光学的異方性とは異なる光学的異方性を有する第2部材の一方の面に第2の凹凸を形成する第2工程と;
    前記第1の凹凸と第2の凹凸とが対向するように、前記第1部材の光学的異方性及び前記第2部材の光学的異方性と所定の関係にある光学的異方性を有する充填部材を介して前記第1部材と前記第2部材とを貼り合わせる第3工程と;を含む偏光光学素子の製造方法。
  18. 前記第1工程に先立って、
    前記第1部材を保持するための第1基板と前記第1部材とを貼り合わせる第4工程と;
    前記第2部材を保持するための第2基板と前記第2部材とを貼り合わせる第5工程と;を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の偏光光学素子の製造方法。
  19. 前記第3工程に先立って、前記第1基板における前記第1部材側と反対側の面に第3の凹凸を形成する第6工程を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の偏光光学素子の製造方法。
  20. 前記第3工程に先立って、前記第2基板における前記第2部材側と反対側の面に第4の凹凸を形成する第7工程を更に含むことを特徴とする請求項18又は19に記載の偏光光学素子の製造方法。
  21. 情報記録媒体の記録面に光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、
    光源と;
    前記光源から出射される光束を前記記録面に集光する対物レンズと、前記光源から出射され前記対物レンズに向かう光束の光路上に配置された請求項1〜14のいずれか一項に記載の偏光光学素子とを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;
    前記受光位置に配置された光検出器と;を備える光ピックアップ装置。
  22. 複数種類の情報記録媒体の記録面に光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、
    前記複数の情報記録媒体に個別に対応して設けられ、波長の異なる光束を択一的に出射する複数の光源と;
    前記複数の光源から出射される各光束を前記記録面に集光する対物レンズと、前記複数の光源から出射され前記対物レンズに向かう光束の光路上に配置された請求項15又は16に記載の偏光光学素子とを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;
    前記受光位置に配置された光検出器と;を備える光ピックアップ装置。
  23. 前記対物レンズと前記偏光光学素子とは一体化されていることを特徴とする請求項21又は22に記載の光ピックアップ装置。
  24. 情報記録媒体に対して、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、
    請求項21〜23のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置と;
    前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
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