JP2004150705A - 映像射撃訓練装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】データ処理部6が記憶装置7から読み出した命中範囲特定区分データと、着弾座標計測部5から送られた着弾座標データとを比較し、弾丸が標的の頭部または標的の胴部に命中したか否かを判定し、その結果、射撃弾が標的の何れかの箇所に命中したならば、訓練映像を標的人物が倒れる映像のものに切り替えさせ、その判断結果が否ならば、弾丸が標的の腕部または標的の足部に命中したか否かを判定し、その判断結果が然りならば、データ処理部6は記憶装置7から読み出す訓練映像を標的人物が逃走しながら訓練者に反撃の発砲を行うものに切り替えるようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスクリーン上に投影された標的に向けて行った訓練射撃の着弾位置を計測した着弾位置データに基づいて射撃弾が標的に命中したか否かを判定し、その結果に応じて投影映像を切り替えるようにした映像射撃訓練装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
射撃訓練には目標地点に架設されたスクリーン上に標的画像を投影させて、光線模擬銃で標的を射撃し、標的部分に設けられた光検出器等により照射光を検知し、受光の有無により射撃の良否を判定する方法や、移動する標的を狙って実弾を発射し、標的の着弾位置を判定者が識別して命中精度を評価する方法等が知られている。これらの訓練方法の中、実射訓練をより簡便かつ非破壊的に行う方法が例えば、下記の特許文献1に開示されている。
【0003】
図5は従来技術に係る射撃訓練装置を示すブロック図、図6は射撃訓練映像切替処理の流れ図である。
図5に示すように、投影機3から照射された訓練映像は前方地点に架設された標的スクリーン4上に投影される。記憶装置7には訓練映像と共に命中映像および非命中映像が記録されていて、これらの映像が弾丸の命中・非命中の判定結果に応じて適宜切り替えられ、また、スーパーインポーズ合成装置2では弾着マーク等の情報が合成されて投影機3に送出される。
【0004】
標的スクリーン4の上部には数個の音響検知素子15が配設されていて、標的近傍に弾着した実弾の衝撃音をこれらの音響検知素子15が検知し、着弾座標計測部5はそれらの衝撃音の検知時間差から着弾座標を計測する。
【0005】
データ処理部6は記憶装置7から読み出した命中範囲特定データと、着弾座標計測部5から送られた着弾座標データとを比較し、弾丸の命中・非命中を判定して、その結果に応じた映像データを記憶装置7から読み出し、映像再生機1および記録再生機24に送出する。印字装置8は訓練結果の成績等を記録紙上に印字する。
【0006】
図6の流れ図に示すように、まず、映像再生機1から送られた映像データにより投影機3が射撃訓練映像を標的スクリーン4上に投影する(S1)。次に、訓練者が発射した弾丸が標的スクリーン4に着弾した着弾音を複数の音響検知素子15で検知し、その検知時間差および音響検知素子15の位置から着弾座標計測部5が着弾座標を計測する(S2)。
【0007】
次に、データ処理部6は記憶装置7から読み出した命中範囲特定データと、着弾座標計測部5から送られた着弾座標データとを比較し、弾丸の命中・非命中を判定する(S3)。その結果、射撃弾が標的に命中したならば、データ処理部6は映像切替機29が送出する映像データを標的人物が倒れる映像のものに切り替えさせる(S4)。また、射撃弾が標的を外したならば、標的人物が逃走する映像のものに切り替えさせる(S5)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−233497号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来技術においては訓練者が発射した射撃弾が標的に命中したか否かに応じて命中映像と非命中映像に切り替えられるだけなので、例えば、射撃弾が標的に命中した場合に、弾が標的人物の腕をかすめただけでも標的人物が倒れる映像が標的スクリーン4上に投影されるため、訓練者の技量の良否がさ程結果に反映されず、射撃訓練における現実感が乏しく、励みのないものとなっていた。
本発明は従来技術におけるかかる不具合を解消すべく為されたものであり、現実感に優れているため、訓練者の興味を引くことができると共に高度な技量を養うことができる映像射撃訓練装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、標的を複数の部位に分割し、射撃弾が命中した標的の部位に応じて投影映像を異なるものに切り替えるようにしたものであり、好ましくは、射撃弾が命中した標的の部位が所定箇所以外の部位であった時は標的側から射手側に反撃する投影映像に切り替えたり、標的側から射手を光線や超音波等の照射手段で模擬射撃するようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明の実施例に係る射撃訓練装置を示すブロック図、図2は同じく、射撃訓練装置の配置図、図3は射撃訓練映像切替処理の流れ図である。
【0012】
これらの図において、26は標的スクリーン4の側部に取り付けられた温度検知素子、31は後述する光線発光機からの反撃照射光の発光制御を司る光線発光機制御部、32は訓練者が立っている射手位置の座標データを次に述べるTVカメラ33で撮像した訓練者の撮像データから車種の位置を求める射手位置計測部である。
【0013】
33は投影機3側または標的スクリーン4側に設置されて射手の映像を撮影するTVカメラ、34は標的スクリーン4の上部に設置され、光線発光機制御部31の制御の下に射手位置計測部32で計測された射手位置に立つ訓練者に向けてレーザー光を発射する光線発光機、35は訓練者が胴体部に装着し、光線発光機34からのレーザー光を受光して光検知信号を発する受光機、36は映像再生機1、スーパーインポーズ合成装置2、着弾座標計測部5、データ処理部6、記憶装置7、光線発光機制御部31および射手位置計測部32を内蔵した制御盤である。従来例と同一または同一とみなせる箇所には同一の符号を附して重複する説明を省略する。
【0014】
温度検知素子26は標的スクリーン4近傍の温度を検知し、その検知信号を着弾座標計測部5に出力する。着弾座標計測部5は実弾の標的近傍に弾着した実弾の衝撃音の検知時間差から着弾座標を計測する際の温度条件を補正し、精度の高い着弾座標計測を実現する。記憶装置7は射撃訓練映像のデータを予め1フレーム分毎に記憶しており、データ処理部6は音響検知素子15が検知した実弾の標的近傍に弾着した衝撃音の検知時刻に対応する射撃訓練映像のフレームデータを記憶装置7から読み出して、当該映像の命中範囲特定データと、着弾座標計測部5から送られた着弾座標データとを比較し、弾丸が命中したか否か、命中した場合は、その何処に命中したかを判定する。そして、着弾座標データをスーパーインポーズ合成装置2に出力し、射撃訓練映像中に弾着マークを合成した映像データを作成させる。記録再生機24は射撃訓練が始まってからスーパーインポーズ合成装置2より実際に出力された射撃訓練映像、弾着マークが付加された射撃訓練映像および映像切替機29で切り替えられた射撃訓練映像を順次記録する。
【0015】
本実施例では記憶装置7から読み出した命中範囲特定データは標的人物の部位毎に区分けされている。図4は標的人物の区分標的を示す説明図である。同図に示すように、標的は人物の頭部が標的1、腕部が標的2、胴部が標的3、足部が標的4というように区分けされている。
【0016】
図3に示す射撃訓練映像切替処理の流れ図に従って、本実施例の動作を説明する。手順S11,S12の処理は従来例で説明した手順S1,S2と同一なので、重複する説明を省略する。なお、手順S12での着弾座標の計測における実弾の衝撃音の音速は温度検知素子26が検知した標的スクリーン4近傍の温度による補正を行う。
【0017】
手順S13では、データ処理部6が記憶装置7から読み出した命中範囲特定区分データと、着弾座標計測部5から送られた着弾座標データとを比較し、弾丸が標的1(頭部)または標的3(胴部)に命中したか否かを判定する。その結果、射撃弾が標的1または標的3に命中したならば、データ処理部6は映像切替機29が送出する映像データを標的人物が倒れる映像のものに切り替えさせる(S14)。手順S13の判断結果が否ならば、弾丸が標的2(腕部)または標的4(足部)に命中したか否かを判定する(S15)。
【0018】
その判断結果が然りならば、データ処理部6は記憶装置7から読み出す訓練映像を標的人物が逃走しながら訓練者に反撃の発砲を行うものに切り替える(S16)。この際に、スーパーインポーズ合成装置2は射撃訓練映像中に弾着マークを合成した映像データを作成し、標的スクリーン4上に当該訓練映像を投影させる。そして、射手位置計測部32にTVカメラ33で撮像した訓練者の撮像データから求めた射手位置の座標データを光線発光機制御部31に出力させる。
【0019】
光線発光機制御部31は光線発光機34にレーザー光の照射方向を射手位置に向けさせ、レーザー光を射手に発射させる。その結果、射手が装着した受光機35がレーザー光を受光したならば、図示しない表示器に射手が標的人物からの反撃により被弾したことを表示させる。
【0020】
手順S15の判断結果が否、即ち、訓練者が射撃を行った弾が完全に標的から外れたならば、データ処理部6は記憶装置7から読み出す訓練映像を標的人物が直ちに訓練者に反撃の発砲を行うものに切り替えると共に、上記手順に従ってレーザー光を射手に向けて発射させ、その結果を表示器に表示させる(S17)。こうして所定の射撃訓練が終了すると、印字装置8は訓練結果を評価点数等の形で紙に印字する。また、訓練者は所望により記録再生機24を再生動作させて、出力された実際に行われた射撃訓練の映像データを映像切替機29を介して投影機3に送出させ、標的スクリーン4上に当該訓練映像を再現させて訓練経過の検討や反省を行う。
【0021】
このように、本実施例では訓練者が射撃を行った弾が標的人物に命中した場合でも、弾の当たった箇所に応じてその状況に相応して訓練映像に切り替えると共に、弾着箇所が標的人物に軽傷を負わせるに過ぎないような場合は、標的人物側から反撃させるようになっているから、訓練者はより現実感のある訓練映像による緊張感を持った高度な射撃訓練を行うことができる。なお、上記説明では、射撃弾が標的2または標的4に命中した場合は、標的人物側から反撃させる訓練映像に切り替えるようにしたが、単に逃走するだけの訓練映像としても良いし、光線発光機34を省いて、標的人物側から反撃する訓練映像を標的スクリーン4上に投影させるだけにしても良い。また、標的人物側からの反撃手段としては、レーザー光に代えて指向性の超音波を発射するようにしても良い。この場合は受光器は感音素子に置き換えられる。
【0022】
さらに反撃手段としてプラスチック弾を反射するエアガンを用いてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、標的を複数の部位に分割し、射撃弾が命中した標的の部位に応じて投影映像を異なるものに切り替えるようにしたので、例えば、標的人物は被弾部位に応じて逃走したり、反撃する等の様々な対応を採らせることができるから、訓練者は意欲的により精度の高い射撃を目指すようになり、現実感に優れているため、訓練者の興味を引くことができると共に高度な技量を養うことができる。
請求項2記載の発明によれば、射撃弾が命中した標的の部位が所定箇所以外の部位であった時は標的側から射手側に反撃する投影映像に切り替えるようにしたので、例えば、標的人物が軽傷を負う程度の被弾ならば、標的人物は射手側に反撃してくるから、射手は適度な緊張感を持って射撃技量の向上に励むことができる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、射撃弾が命中した標的の部位が所定箇所以外の部位であった時は標的側から射手を光線や超音波等の照射手段で模擬射撃するようにしたので、射手はより現実感のある射撃訓練を行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、照射手段は射手位置検知手段で検知した射手位置に向けて模擬射撃するようにしたので、標的側からの射撃精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る射撃訓練装置を示すブロック図である。
【図2】その射撃訓練装置の射撃訓練装置の配置図である。
【図3】その射撃訓練装置における射撃訓練映像切替処理の流れ図である。
【図4】標的人物の区分標的を示す説明図である。
【図5】従来技術に係る射撃訓練装置を示すブロック図である。
【図6】その射撃訓練装置における射撃訓練映像切替処理の流れ図である。
【符号の説明】
1 映像再生機
2 スーパーインポーズ合成装置
3 投影機
4 標的スクリーン
5 着弾座標計測部
6 データ処理部
7 記憶装置
8 印字装置
15 音響検知素子
24 記録再生機
26 温度検知素子
29 映像切替機
31 光線発光機制御部
32 射手位置計測部
33 カメラ
34 光線発光機
35 受光機
36 制御盤
Claims (4)
- スクリーン上に投影された標的に向けて行った訓練射撃の着弾位置を間接的に計測し、当該着弾位置データと射撃時刻における投影映像の命中範囲特定データとを比較して射撃弾が標的に命中したか否かを判定し、その結果に応じて投影映像を切り替えるようにした映像射撃訓練装置において、
前記標的を複数の部位に分割し、射撃弾が命中した標的の前記部位に応じて投影映像を異なるものに切り替えるようにしたことを特徴とする映像射撃訓練装置。 - 射撃弾が命中した標的の部位が所定箇所以外の部位であった時は標的側から射手側に反撃する投影映像に切り替えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の映像射撃訓練装置。
- 射撃弾が命中した標的の部位が所定箇所以外の部位であった時は標的側から射手を光線や超音波等の照射手段で模擬射撃するようにしたことを特徴とする請求項1記載の映像射撃訓練装置。
- 射手位置を検知する射手位置検知手段を有し、照射手段は該射手位置検知手段で検知した射手位置に向けて模擬射撃するようにしたことを特徴とする請求項3記載の映像射撃訓練装置。
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