JP2683201B2 - ゴルフ練習装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，疑似ゴルフクラブから
照射されるレーザー光線を用いて，ゴルフクラブのスイ
ングを入力するゴルフ練習装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のゴルフ練習装置として，例えば，
特開昭６３−１９４６８０号公報「ゴルフゲームシミュ
レーション装置および方法」に示されるものがある。こ
の装置は，「模擬ゴルフボール手段と，該模擬ゴルフボ
ール手段の一方の側でその下に配列され，その上のゴル
フクラブヘッドを検出する複数の第１の検出器と，所定
の周波数で周期的に該模擬ゴルフボールが前記ゴルフク
ラブヘッドで打たれるまでゴルフクラブヘッドの動きの
サンプル値を出力する手段」とを含み，実際のゴルフク
ラブで前記模擬ゴルフボール手段を打ち，この時のクラ
ブヘッドの動きをを解析して，クラブヘッド速度，姿勢
およびアプローチを検出することにより，使用者のスイ
ングを妥当な精度で解析することができる小型で実現可
能なシミュレーションされたゴルフゲーム装置を提供す
るものである。

【０００３】ところが，このような装置では，実際のゴ
ルフクラブをスイングして，模擬ゴルフボールを打つこ
とにより，スイング時のゴルフクラブヘッドの動きを検
知するため，少なくともゴルフクラブのスイングを充分
に行えるスペースが必要であり，一般的な室内で使用す
るには不向きであるという不都合があった。

【０００４】このため，これを解決するものとして，実
際のゴルフクラブより短く，その先端部分から光線を照
射する疑似クラブと，疑似クラブから照射された光線を
検知してスイングの状態を判定する判定機とを用いて，
実際のゴルフクラブを使用せずに，スイング状態（すな
わち，ゴルフボールの打撃状態）を入力し，スイング状
態に応じたゴルフボールの飛距離等を演算し，ＣＲＴ等
の表示装置を介して，スイング状態およびボールの弾道
を表示するようにした装置が開発されている。具体的に
は，例えば，特開昭５４−１２６１３８号公報の「ゴル
フ練習ゲーム具」，特開平２−１３４８２号公報の「ゴ
ルフスイング練習用装置」，特開平３−２５８２７３号
公報の「ゴルフ練習器」等がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら，上記従
来の先端部分から光線を照射する疑似クラブを用いた装
置によれば，疑似クラブを用いることにより，広いスペ
ースを必要とせず，室内で容易にスイングの練習ができ
るようになったものの，以下の〜の問題点があっ
た。

【０００６】 装置の操作を行うためには，足元に配
置されたフットスイッチや，床等に置かれた操作装置を
操作する必要があるため，操作性が悪いという問題点が
あった。特に，操作装置を操作することにより，テレビ
画面等を介して種々の情報を選択的に表示させる場合
や，頻繁な入力操作が必要なゴルフシミュレーションゲ
ーム等を行う場合には，不便であった。

【０００７】 スイング状態をテレビ画面等に表示
し，スイング軌跡をイメージとして見ることができるも
のの，実際の足元におけるスイング軌跡とは異なるた
め，スイング軌跡を実感することができないという問題
点があった。

【０００８】 装置が置かれた環境下において誤動作
の発生を低減する構成をとっているものの，環境の明る
さに関しては利用者に依存するため，環境の明るさ（照
度）によって，誤動作が発生したり，あるいは誤動作の
発生する可能性が高くなるという問題点があった。

【０００９】 スイング状態からボールの弾道を決定
しているものの，ボールの落下後の転がり距離（ラン距
離）や，落下地点の状態等を考慮していないため，装置
を使用してゴルフシミュレーションゲームを行った場合
に現実感が低減するという問題点があった。

【００１０】 実際には，種々のゴルフクラブが存在
し，ゴルフクラブの種類によって，ゴルフボールが打撃
された場合の飛距離，左右飛び出し角度，および左右方
向曲がりスピード等の特性が異なるにもかかわらず，ゴ
ルフクラブの種類を考慮せずにスイング状態のみからボ
ールの弾道を決定しているため，決定されるボールの弾
道が，種々のゴルフクラブを用いて実際にゴルフボール
を打撃した場合よりも単調になる傾向があるという問題
点があった。また，特開平３−２５８２７３号公報によ
れば，所定の選択手段を介してクラブの種類を選択し，
選択されたクラブの種類に応じて，ゴルフボールの飛距
離を変更可能としているが，クラブの種類による左右方
向曲がりスピードの変化について考慮していないため，
同様に，決定されるボールの弾道が，種々のゴルフクラ
ブを用いて実際にゴルフボールを打撃した場合よりも単
調になる傾向があるという問題点があった。

【００１１】 アプローチショットには，ピッチショ
ット，ピッチエンドラン，ランニングアプローチの３つ
の種類があるが，従来の装置では，アプローチショット
の使い分けができないため，装置を使用してゴルフシミ
ュレーションゲームを行った場合に現実感が低減すると
いう問題点があった。

【００１２】 疑似クラブをスイングし，光線によっ
てボールを打撃する場合において，ボールが載置された
平面上での空振りを検出することができるが，ボールに
対して上下方向の空振りや，ダフリを検出することがで
きないという問題点があった。

【００１３】 疑似クラブと光線とによって形成され
る仮想クラブの長さを，利用者が認識できないため，利
用者がクラブの種類（仮想クラブの長さ）に応じてスタ
ンディング・ポジション（立ち位置）を変更することが
できないという問題点があった。

【００１４】 疑似クラブから照射された矩形断面の
光線が，ゴルフボールの打撃面の近傍に配置された所定
のセンサ（検出手段）をＯＮした時に，テイクバック開
始（すなわち，スイング開始）を検知するか，あるい
は，所定のスイッチを押下後にテイクバック開始とする
ことにより，スイングの開始を判定することができる
が，利用者によっては，テイクバック開始前にワッグル
等の動作を行うことが多いため，テイクバック開始の検
出が難しいという問題点があった。

【００１５】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て，テレビ画面等を介して情報を選択的に表示させる場
合の操作性や，入力操作の多いゴルフシミュレーション
ゲーム等を行う場合の操作性および利便性を向上させる
ことを第１の目的とする。

【００１６】また，本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって，スイングによって光線が通過した実際の軌跡
を認識できるようにすることを第２の目的とする。

【００１７】また，本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって，環境の照度が高過ぎることによる誤動作を回
避できるようにすることを第３の目的とする。

【００１８】また，本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって，ボールの弾道情報を改善し，スイングの練
習，およびゴルフシミュレーションゲームを行った場合
の現実感を向上させることを第４の目的とする。

【００１９】また，本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって，クラブの種類の違いをボールの弾道に反映可
能とし，種々のクラブを想定したスイングの練習，およ
びゴルフシミュレーションゲームが行えるようにするこ
とを第５の目的とする。

【００２０】また，本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって，アプローチショットの使い分けを可能とし，
スイングの練習，およびゴルフシミュレーションゲーム
を行った場合の現実感を向上させることを第６の目的と
する。

【００２１】また，本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって，ボールに対して上下方向の空振りや，ダフリ
の検出を可能にすることを第７の目的とする。

【００２２】また，本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって，利用者がクラブの種類（仮想クラブの長さ）
に応じてスタンディング・ポジション（立ち位置）を変
更可能とすることを第８の目的とする。

【００２３】また，本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって，テイクバック開始の検出を容易に行えるよう
にすることを第９の目的とする。

【００２４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記第１の目的
を達成するために，光面が矩形形状であるレーザー光線
を照射するレーザー光線照射手段と，スタートキー，カ
ーソル移動キー等の複数の操作キーが配列され，操作キ
ーを介して入力されたデータを赤外線等を用いて転送す
る遠隔操作手段と，遠隔操作手段から転送されてきたデ
ータを受信する受信手段と，レーザー光線照射手段から
照射されたレーザー光線を検知する複数の検知手段と，
複数の検知手段および受信手段を所定の配列で搭載し，
かつ，打撃位置の目印となる疑似ゴルフボールが配置さ
れたセンサーマット手段と，複数の検知手段の検知情報
に基づいて，疑似ゴルフクラブ手段のヘッドスピード，
スイング時間，フェイス角度，空振りの有無，インパク
ト位置，およびスイング時のクラブ軌跡から成るスイン
グ情報を生成するスイング情報生成手段と，スイング情
報生成手段のスイング情報および予め設定された風速情
報に基づいて，疑似ゴルフボールが打撃された場合の飛
距離，左右飛び出し角度，および左右方向曲がりスピー
ドから成る疑似ゴルフボールの弾道情報を生成する弾道
情報生成手段と，弾道情報生成手段の弾道情報に基づい
て，疑似ゴルフボールの弾道の画像情報を生成し，予め
記憶してある仮想空間の画像情報と合成して出力する画
像情報生成手段と，画像情報生成手段で生成した画像情
報を表示する画像表示手段とを備えたゴルフ練習装置を
提供するものである。

【００２５】また，本発明は上記第２の目的を達成する
ために，センサーマット手段上の複数の検知手段が配置
された面と同一の面に配置された第２の画像表示手段を
備え，第２画像表示手段は，スイング情報生成手段のス
イング情報に基づいて，レーザー光線が通過した軌跡上
にクラブのスイング軌跡を表示するゴルフ練習装置を提
供するものである。

【００２６】また，本発明は上記第３の目的を達成する
ために，複数の検知手段を介して，センサーマット手段
が置かれた環境の照度を検知し，環境の照度が所定の基
準値以上の場合に，警告を発する警告手段を備えたゴル
フ練習装置を提供するものである。

【００２７】また，本発明は上記第４の目的を達成する
ために，弾道情報に基づいて，仮想空間における疑似ゴ
ルフボールの落下地点を求め，予め設定されている落下
地点のグランド情報および弾道情報に基づいて，疑似ゴ
ルフボールの停止地点を求める停止位置決定手段を備
え，画像情報生成手段は，弾道情報生成手段の弾道情報
および停止位置決定手段の落下地点，停止地点に基づい
て，疑似ゴルフボールの弾道の画像情報を生成し，予め
記憶してある仮想空間の画像情報と合成して出力するゴ
ルフ練習装置を提供するものである。

【００２８】また，本発明は上記第５の目的を達成する
ために，遠隔操作手段を介して，予め設定された複数の
クラブの中から使用するクラブを選択し，弾道情報生成
手段は，選択されたクラブの情報，スイング情報生成手
段のスイング情報，および予め設定された風速情報に基
づいて，疑似ゴルフボールが打撃された場合の飛距離，
左右飛び出し角度，および左右方向曲がりスピードから
成る疑似ゴルフボールの弾道情報を生成するゴルフ練習
装置を提供するものである。

【００２９】また，本発明は上記第６の目的を達成する
ために，遠隔操作手段を介して，ピッチショット，ピッ
チエンドラン，ランニングアプローチの中からアプロー
チショットを選択し，弾道情報生成手段は，選択された
アプローチショットの情報，スイング情報生成手段のス
イング情報，および予め設定された風速情報に基づい
て，疑似ゴルフボールが打撃された場合の飛距離，左右
飛び出し角度，および左右方向曲がりスピードから成る
疑似ゴルフボールの弾道情報を生成するゴルフ練習装置
を提供するものである。

【００３０】また，本発明は上記第７の目的を達成する
ために，疑似ゴルフボールの打撃面の近傍に配置され，
レーザー光線の照度を検知する照度検知手段を備え，ス
イング情報生成手段は，照度検知手段で検知したレーザ
ー光線の照度に基づいて，疑似ゴルフボールに対する高
さ方向の空振りおよびダフリの有無情報を生成するゴル
フ練習装置を提供するものである。

【００３１】また，本発明は上記第８の目的を達成する
ために，疑似ゴルフボールの打撃面の近傍に配置され，
レーザー光線の照度を検知する照度検知手段と，予め設
定された複数のクラブの中から使用するクラブを選択す
る選択手段と，予め各クラブの長さに応じて，クラブ毎
に設定した適正照度を記憶した記憶手段と，照度検知手
段で検知したレーザー光線の照度と選択されたクラブの
適正照度とを比較して，プレーヤが意識している仮想的
なクラブの長さが正しいか否かの判定および通知を行う
クラブ長さ可否通知手段とを備えたゴルフ練習装置を提
供するものである。

【００３２】また，本発明は上記第９の目的を達成する
ために，複数の検知手段は，疑似ゴルフボールの打撃面
の近傍に配置された第１のテイクバック開始検知手段
と，第１のテイクバック開始検知手段からテイクバック
方向に所定の間隔離れた位置に配置された第２のテイク
バック開始検知手段とを含み，レーザー光線の光面は，
光面のクラブフェイス側の境界が第１のテイクバック開
始検知手段と疑似ゴルフボールとの間にある状態で，第
２のテイクバック開始検知手段をＯＮする大きさを有し
ているゴルフ練習装置を提供するものである。

【００３３】

【作用】本発明のゴルフ練習装置（請求項１）は，疑似
ゴルフクラブ手段に搭載した遠隔操作手段のスタートキ
ー，カーソル移動キー等の複数の操作キーを用いて各種
操作を入力し，入力されたデータを赤外線等を用いて，
センサーマット手段上に配置された受信手段に転送す
る。

【００３４】また，本発明のゴルフ練習装置（請求項
２）は，第２画像表示手段がスイング情報生成手段のス
イング情報に基づいて，レーザー光線が通過した軌跡上
にクラブのスイング軌跡を表示する。

【００３５】また，本発明のゴルフ練習装置（請求項
３）は，警告手段によって，複数の検知手段を介して，
センサーマット手段が置かれた環境の照度を検知し，環
境の照度が所定の基準値以上の場合に，警告を発する。

【００３６】また，本発明のゴルフ練習装置（請求項
４）は，疑似ゴルフボールの落下地点を求め，予め設定
されている落下地点のグランド情報および弾道情報に基
づいて，疑似ゴルフボールの停止地点を求める。

【００３７】また，本発明のゴルフ練習装置（請求項
５）は，遠隔操作手段を介して，予め設定された複数の
クラブの中から使用するクラブを選択し，選択されたク
ラブの情報，スイング情報，および予め設定された風速
情報に基づいて，疑似ゴルフボールが打撃された場合の
飛距離，左右飛び出し角度，および左右方向曲がりスピ
ードから成る疑似ゴルフボールの弾道情報を決定する。

【００３８】また，本発明のゴルフ練習装置（請求項
６）は，遠隔操作手段を介して，ピッチショット，ピッ
チエンドラン，ランニングアプローチの中からアプロー
チショットを選択し，選択されたアプローチショットの
情報，スイング情報，および予め設定された風速情報に
基づいて，疑似ゴルフボールが打撃された場合の飛距
離，左右飛び出し角度，および左右方向曲がりスピード
から成る疑似ゴルフボールの弾道情報を決定する。

【００３９】また，本発明のゴルフ練習装置（請求項
７）は，疑似ゴルフボールの打撃面の近傍に配置され照
度検知手段で検知したレーザー光線の照度に基づいて，
疑似ゴルフボールに対する高さ方向の空振りおよびダフ
リの有無情報を生成する。

【００４０】また，本発明のゴルフ練習装置（請求項
８）は，照度検知手段で検知したレーザー光線の照度と
選択されたクラブの適正照度とを比較して，プレーヤが
意識している仮想的なクラブの長さが正しいか否かの判
定および通知を行う。

【００４１】また，本発明のゴルフ練習装置（請求項
９）は，レーザー光線の光面の大きさを，光面のクラブ
フェイス側の境界が第１のテイクバック開始検知手段と
疑似ゴルフボールとの間にある状態で，第２のテイクバ
ック開始検知手段をＯＮする大きさとすることにより，
第２のテイクバック開始検知手段がＯＮ状態で，第１の
テイクバック開始検知手段がＯＮからＯＦＦに変化した
場合に，疑似ゴルフクラブ手段のテイクバックを開始し
たと判断し，第２のテイクバック開始検知手段がＯＮ状
態で，第１のテイクバック開始検知手段がＯＦＦからＯ
Ｎに変化した場合に，疑似ゴルフクラブ手段が疑似ゴル
フボール側へ移動していると判断する。

【００４２】

【実施例】以下，本発明のゴルフ練習装置について，
〔実施例１〕，〔実施例２〕の順に図面を参照して詳細
に説明する。

【００４３】〔実施例１〕図１は，実施例１のゴルフ練
習装置の全体構成図を示す。実施例１のゴルフ練習装置
は，大別して，レーザー光線を出力して，スイングを入
力するための疑似ゴルフクラブ１０１と，レーザー光線
を検知して，スイング状態を入力するためのセンサーマ
ット１０２と，装置全体の制御を行うコントローラ１０
３と，各種情報および画像情報を表示するための表示装
置１０４とから構成される。

【００４４】疑似ゴルフクラブ１０１は，レーザー光線
を照射するレーザー光線照射手段であるレーザー駆動部
１０５と，スタートキー，カーソル移動キー等の複数の
操作キーが配列され，操作キーを介して入力されたデー
タを赤外線等を用いて転送する遠隔操作手段であるリモ
ート操作部１０６とを有している。

【００４５】センサーマット１０２は，リモート操作部
１０６から転送されてきたデータを受信する受信手段で
あるリモート受信部１０７と，レーザー駆動部１０５か
ら照射されたレーザー光線を検知する複数の検知手段で
あるセンサーＬ群１０８，センサーＲ群１０９，センサ
ーＣ１１０と，レーザー光線が通過した軌跡上にクラブ
のスイング軌跡を表示するための第２の画像表示手段で
ある表示部１１１と，リモート受信部１０７のデータを
コントローラ１０３へ送信し，センサーＬ群１０８，セ
ンサーＲ群１０９，およびセンサーＣ１１０からのデー
タを加工（スイング情報生成処理）してコントローラ１
０３へ送信し，またコントローラ１０３からのデータ受
信して表示部１１１へ転送する入出力制御部１１２とを
有している。

【００４６】コントローラ１０３は，装置全体の制御を
行う制御装置であり，本実施例では，スーパーファミコ
ン（株式会社 任天堂製）を使用する。また，コントロ
ーラ１０３には，制御プログラムおよび各種データが記
憶されたＲＯＭカートリッジ１１３が接続されている。
なお，詳細は後述するが，このＲＯＭカートリッジ１１
３に記憶されている制御プログラムを，コントローラ１
０３が実行することにより，本発明の制御が行われる。

【００４７】表示装置１０４は，スイングの練習時や，
ゴルフシミュレーションゲーム時に各種画像情報や，メ
ッセージを表示するためのものであり，ここでは，一般
のテレビ（ＴＶ）を使用している。

【００４８】図２（ａ），（ｂ）は，疑似ゴルフクラブ
１０１の外観図を示す。疑似ゴルフクラブ１０１は，図
示の如く，グリップ１０１ａおよびクラブヘッド１０１
ｂから成り，クラブヘッド１０１ｂの上部には，リモー
ト操作部１０６の操作キー群１０６ａが配置されてい
る。また，１０６ｂは，リモート操作部１０６のデータ
転送窓であり，ここから赤外線（データ）が出力され
る。１０１ｃは，スイング中に誤って手を放しても疑似
ゴルフクラブ１０１が放り出されないようにするための
ストラップを示し，室内における危険防止を図ってい
る。

【００４９】また，クラブヘッド１０１ｂの下部には，
レーザー駆動部１０５のレーザー光線を出力する出力窓
１０５ａが配置されいる。出力窓１０５ａから出力され
たレーザー光線は，疑似ゴルフクラブ１０１の長さを延
長するように疑似ゴルフクラブ１０１の長手方向に照射
される。なお，レーザー光線の断面形状（光面の形状）
は，出力窓１０５ａと相似の矩形形状となる。

【００５０】図３（ａ）は，センサーマット１０２の外
観図を示す。センサーマット１０２は，図示の如く，薄
い箱型の形状であり，ほぼ中央部分にセンサーＣ１１
０，センサーＣ１１０の右側にセンサーＲ群１０９，セ
ンサーＣ１１０の左側にセンサーＬ群１０８が配置され
ている。また，センサーＣ１１０とセンサーＬ群１０８
の間には，打撃位置の目印となる疑似ゴルフボール１０
２ａが配置されている。また，センサーＣ１１０の両側
（図中の上下）には，後述するプレーヤが意識している
仮想的なクラブの長さが正しいか否かを通知するための
ランプ１０２ｂおよび１０２ｃが配置されている。ま
た，１０７ａおよび１０７ｂは，リモート受信部１０７
の受信窓を示す。ここで，各センサーや，ランプ１０２
ｂ，１０２ｃ，受信窓１０７ａ，１０７ｂが中央ライン
Ｌｉｎｅを挟んで対象的に配置されているのは，プレー
ヤーが右利き，あるいは左利きの場合でも，同様の使い
勝手を提供するためである。なお，図中の点線は表示部
１１１を示す。

【００５１】図３（ｂ）は，センサーＬ群１０８および
センサーＲ群１０９の詳細なセンサー配列を示す。セン
サーＬ群１０８はＬ₁ 〜Ｌ₇ の７個のセンサ，センサー
Ｒ群１０９はＲ₁ 〜Ｒ₇ １０９の７個のセンサで構成さ
れ，図示の如く，中央ラインＬｉｎｅ上に，４番目のセ
ンサーＬ₄ およびＲ₄ が位置している。

【００５２】図３（ｃ）は，表示部１１１の形状を示
す。表示部１１１は，センサーマット１０２上に配置さ
れた複数のセンサーと同一の面に配置されており，後述
するスイング情報に基づいて，レーザー光線が通過した
軌跡上にクラブのスイング軌跡を表示するためのもので
ある。表示部１１１としては，例えば，液晶ディスプレ
イや，ＬＥＤ或いは小型のランプを配列した表示装置を
用いても良い。

【００５３】図４は，本実施例のゴルフ練習装置を使用
した場合のイメージ図を示す。同図は，プレーヤーが疑
似ゴルフクラブ１０１を保持して，センサーマット１０
２上の疑似ゴルフボール１０２ａを打つように構えた状
態であり，このとき，疑似ゴルフクラブ１０１から出力
されたレーザー光線がセンサーマット１０２の上面に照
射され，仮想クラブの底面を示す矩形形状の光面が浮か
び上がる。この底面から，疑似ゴルフクラブ１０１のグ
リップ１０１ａ側の先端までの長さが，疑似ゴルフクラ
ブ１０１とレーザー光線によって形成される仮想クラブ
の長さＬＬとなる。

【００５４】以上の構成において，以下の〜の順序
でその動作を具体的に説明する。 概略動作 リモート入力操作 スイング情報生成処理 弾道情報生成処理 テイクバック開始検知 仮想クラブの長さ検知 環境照明の照度チェック処理 スイング軌跡の表示処理

【００５５】概略動作 実施例１の概略動作について説明する。実施例１のゴル
フ練習装置は，疑似ゴルフクラブ１０１の先端から発す
るレーザー光線をセンサーマット１０２上の複数のセン
サー（センサーＬ群１０８，センサーＲ群１０９，およ
びセンサーＣ１１０）で検知し，先ず，コントローラ１
０３のスイング情報生成処理において，ヘッドスピー
ド，スイング時間，フェイス角度，空振りの有無，イン
パクト位置，およびスイング時のクラブ軌跡から成るス
イング情報を生成する。続いて，コントローラ１０３の
弾道情報生成処理で，スイング情報および予め設定され
た風速情報に基づいて，疑似ゴルフボール１０２ａが打
撃された場合の飛距離，左右飛び出し角度，および左右
方向曲がりスピードから成る疑似ゴルフボールの弾道情
報を生成する。その後，コントローラ１０３は，弾道情
報に基づいて，疑似ゴルフボール１０２ａの弾道の画像
情報を生成し，予め記憶してある仮想空間の画像情報と
合成して，表示装置１０４に表示する。

【００５６】また，コントローラ１０３の制御によっ
て，リモート操作部１０６を介して，表示装置１０４に
表示された複数のクラブ（例えば，１４本のクラブ）の
中から自由に使用するクラブを選択することができる。
用意されているクラブは，１Ｗ〜５Ｗ（メタルまたはパ
ーシモン），１Ｉ〜９Ｉ，ＰＷ，ＡＷ，ＳＷ（プロモデ
ルまたはキャビティ），パター（ピンタイプ，Ｌ字，マ
レットタイプ）である。同様に，リモート操作部１０６
を介して，ピッチショット，ピッチエンドラン，ランニ
ングアプローチの中からアプローチショットをその都度
選択することができる。

【００５７】リモート入力操作 本装置において，各種入力および選択は，全て，疑似ゴ
ルフクラブ１０１のリモート操作部１０６を介して行
う。換言すれば，疑似ゴルフクラブ１０１を保持してい
る状態で全てのオペレーションが可能である。

【００５８】リモート操作部１０６の操作キー群１０６
ａは，図５（ａ）に示すように，上・下・左・右カーソ
ル移動キー５０１〜５０４と，各種選択の決定およびス
タートを入力するセレクトキーＡ５０５と，入力および
選択のキャンセルを入力するキャンセルキーＢ５０６と
から構成されており，これらのキーを組み合わせて操作
することにより，表示装置１０４に表示された選択項目
および入力項目を入力することができる。

【００５９】図５（ｂ），（ｃ）は，表示装置１０４の
選択画面の一例を示す。同図（ｂ）において，上・下カ
ーソル移動キー５０１，５０２を操作して『６』を選択
し，セレクトキーＡ５０５を選択決定を入力すると，同
図（ｃ）に示すように，クラブセット変更画面が表示さ
れる。以降，同様に上・下カーソル移動キー５０１，５
０２，およびセレクトキーＡ５０５を用いて入力を行う
ことができる。

【００６０】操作キー群１０６ａで入力されたデータ
は，リモート操作部１０６のデータ転送窓１０６ｂから
赤外線として出力され，受信窓１０７ａあるいは１０７
ｂを介してリモート受信部１０７へ転送される。ただ
し，本装置では，レーザー光線を用いてスイング状態の
入力を行っており，リモート受信部１０７がレーザー光
線を受光して，誤動作する恐れを防ぐために，センサー
マット１０２上の複数のセンサー（センサーＬ群１０
８，センサーＲ群１０９，およびセンサーＣ１１０）の
何れかがレーザー光線を検知している場合には，入出力
制御部１１２において，リモート受信部１０７の受信を
禁止し，全てのセンサーがレーザー光線を検知していな
い状態が所定時間（例えば，１秒）続いたときに，リモ
ート受信部１０７の受信を許可する構成とする。

【００６１】スイング情報生成処理 図４に示した状態から，プレーヤーが疑似ゴルフクラブ
１０１をスイングすると，センサーマット１０２上のセ
ンサーＬ群１０８，センサーＲ群１０９，およびセンサ
ーＣ１１０がレーザー光線を検知する。入出力制御部１
１２は，これら複数のセンサーの検知情報に基づいてス
イング情報生成処理を実行し，疑似ゴルフクラブ１０１
のヘッドスピード，スイング時間，フェイス角度，空振
りの有無，インパクト位置，およびスイング時のクラブ
軌跡から成るスイング情報を生成し，コントローラ１０
３へ出力する。

【００６２】プレーヤーが疑似ゴルフクラブ１０１をス
イングすると，テイクバック動作によって，図６（ａ）
に示すように，レーザー光線がセンサーＣ１１０をＯＮ
（通過）し，続いてセンサーＲ群１０９をＯＮする。そ
の後，ダウンスイングによって，図６（ｂ）に示すよう
に，再度センサーＲ群１０９をＯＮし，センサーＣ１１
０をＯＮして，疑似ゴルフボール（打撃位置）を通過し
て，最後にセンサーＬ群１０８をＯＮする。

【００６３】入出力制御部１１２は，テイクバック開始
からインパクト迄の時間を測定し，スイング時間を出力
する。具体的には，最初にレーザー光線がセンサーＣ１
１０をＯＮ（通過）してから，センサーＬ群１０８をＯ
Ｎするまでの時間を測定し，この時間をスイング時間と
して出力する。

【００６４】また，入出力制御部１１２は，図７（ａ）
に示すように このときの２回目のセンサーＣ１１０の
ＯＮからセンサーＬ群１０８をＯＮするまでの時間Ｔ_b
（ｓｅｃ）と，センサーＣ１１０からセンサーＬ₄ まで
の距離（本実施例では，１５０ｍｍ）とを用いて，以下
のようにヘッドスピードＳを算出する。 Ｓ＝１５０／Ｔ_b （ｍｍ／ｓｅｃ）

【００６５】また，図７（ａ）に示すように，センサー
Ｃ１１０，センサーＬ₃ ，センサーＬ₄ ，センサーＬ₅
を用いて，フェイス角度θを以下のように算出する。た
だし，センサーＬ₃ とセンサーＬ₅ 間の距離は８０ｍ
ｍ，Ｔ_a はセンサーＬ₃ をＯＮしてからセンサーＬ₅ が
ＯＮされるまでの時間（ｓｅｃ）である。 ｔａｎθ＝Ａ／８０ ‥‥‥（１）式 Ｓ＝１５０／Ｔ_b ‥‥‥（２）式 Ａ＝（１５０／Ｔ_b ）×Ｔ_a ‥‥‥（３）式 従って，（１）〜（３）式より， ｔａｎθ＝（１５０Ｔ_a ）／（８０Ｔ_b ） θ＝ｔａｎ^-1１．８７５（Ｔ_a ／Ｔ_b ） なお，フェイス角度θは，フェイス面が左右何れに傾い
ているかによって，『＋』あるいは『−』の符号を有し
たデータである。また，レーザー光線の光面がセンサー
Ｌ₃ あるいはセンサーＬ₅ の何れかを通過していない場
合には，センサーＬ₄ の検知信号を用いて上記の演算を
行うことができる。

【００６６】また，レーザー光線の光面が，センサーＬ
群１０８およびセンサーＲ群１０９を通過したときに光
を検知したセンサーの上端を，それぞれＬ_NT，Ｒ_MTと
し，下端をそれぞれＬ_ND，Ｒ_MDとし，ＮＴ≦３或いはＮ
Ｄ≧５の場合，空振りと判定する。また，レーザー光線
の光面がセンサーＲ群１０９，およびセンサーＣ１１０
をＯＮしていない場合には，全て空振りと判定する。

【００６７】また，光面がセンサー上を通過したとき，
以下の式を用いて，ダフリの程度を示す値Ｋ_d を求め，
図７（ｂ）に示すように，予め設定したＫ_d とダフリデ
ータＫ_ddとの対応テーブルを参照して，ダフリデータＫ
_ddを求める。ただし，ＭＴ＝１およびＭＤ＝７の場合に
は，ダフリなしとする。 Ｋ_d ＝（ＮＤ−ＮＴ）−（ＭＤ−ＭＴ） このダフリデータは，後述する飛距離Ｄの決定に使用さ
れる。

【００６８】また，レーザー光線の光面がセンサーＬ₁
〜Ｌ₇ をＯＮしたときの状態からインパクト位置（ト
ゥ，ヒール，スイートスポット）を判定する。この判定
は，予めセンサーＬ₁ 〜Ｌ₇ のＯＮ・ＯＦＦ状態の組み
合わせとインパクト位置との関係をテーブルにして記憶
させておき，センサーＬ₁ 〜Ｌ₇ の出力に基づいてテー
ブルを参照して決定するものである。

【００６９】スイング時のクラブ軌跡は，センサーＬ群
１０８，センサーＲ群１０９，およびセンサーＣ１１０
のＯＮ・ＯＦＦ状態と，フェイス角度θと，打撃前のフ
ェイス角度（省略するが，基本的にフェイス角度θと同
様の方法で求められる），インパクト位置とに基づいて
生成され，後述するスイング軌跡の表示処理で表示部１
１１に表示される。

【００７０】弾道情報生成処理 スイング情報生成処理で生成されたスイング情報は，入
出力制御部１１２からコントローラ１０３へ送られる。
コントローラ１０３は，スイング情報に基づいて，弾道
情報生成処理を実行する。

【００７１】弾道情報生成処理では，スイング情報およ
び予め設定された風速情報に基づいて，疑似ゴルフボー
ル１０２ａが打撃された場合の飛距離，左右飛び出し角
度，左右方向曲がりスピード，風の影響，およびラン距
離から成る疑似ゴルフボールの弾道情報を生成する。

【００７２】先ず，飛距離データの生成について説明す
る。飛距離は，いかに正確にスイートスポットで疑似ゴ
ルフボール１０２ａをとらえることができたかによって
変わる。また，選択したクラブによって変化する。さら
に，ティグランドとボール落下地点の高低差によっても
変化する。すなわち，落下地点の方がティグランドより
高い場合には，後述する高低情報（Ｈ）がプラスの値と
なり，落下地点の方がティグランドより低い場合には，
高低情報（Ｈ）がマイナスの値となる。

【００７３】本実施例では，飛距離を決定するためのパ
ラメータとして，疑似ゴルフクラブ１０１のヘッドスピ
ードＳと，ダフリデータ，ティグランドとボール落下地
点の高低差（高低情報）Ｈと，クラブの種類，ティグラ
ンドの状態，さらにアプローチショットの種類の５つの
情報を使用することにより，より細かに現実的な飛距離
を求められるようにしている。

【００７４】例えば，ピッチングウエッヂ（クラブの種
類）を使用して，ピッチエンドラン（アプローチショッ
トの種類）で，ヘッドスピードＳ，ダフリなしで，フェ
アウエイ（ボールのライ状態）から打ち，さらに落下地
点が低い（高低差Ｈ）場合の飛距離Ｄを以下のようにし
て求める。 飛距離Ｄ＝Ｃ×（Ｓ−Ｈ）×Ｌ_ie×ＡＳ×Ｋ_dd ＝６．００×（Ｓ−Ｈ）×１．０×１．０×１．０

【００７５】ここで，Ｃはクラブの種類によって設定さ
れた変数，Ｌ_ieはボールのライ状態によって設定された
変数，ＡＳはアプローチショットの種類によって設定さ
れた変数，Ｋ_ddはダフリデータによって設定された変数
である。ここでは，Ｃ＝６．００（ドライバーの値），
Ｌ_ie＝１．０（ティショットの値），ＡＳ＝１．０（ピ
ッチエンドランの値），Ｋ_dd＝１．０（ダフリなし）を
示す。なお，Ｌ_ieは，ティショット，フェアウエイ，ラ
フ（およびバンカー），バンカー目玉の４つと，各クラ
ブの組み合わせ毎に細かく値が設定されている。

【００７６】このようにして複数のパラメータを用い
て，飛距離を決定することにより，スイングの練習をよ
り細かく行うことができる。また，ゴルフシミュレーシ
ョンゲームを行う場合の現実感を高めることができる。

【００７７】次に，左右方向飛び出し角度の求め方につ
いて説明する。疑似ゴルフボール１０２ａの飛び出し角
度は，スイング情報で求めたフェイス角度θと同一であ
る。これは，クラブのフェイス面に直交する方向が，フ
ェイス面によって打撃される疑似ゴルフボール１０２ａ
の飛び出し方向となることによる。

【００７８】また，飛び出し角度θによる飛距離への影
響を以下のようにして，取り込む。 飛距離Ｄ₀ ＝Ｄ・ｃｏｓθ（Ｄはまっすぐ飛んだ場合の
飛距離） 飛び出し角度による左右曲がり距離Ｒ＝Ｄ・ｓｉｎθ

【００７９】次に，左右方向曲がりスピードについて説
明する。レーザー光線の光面が，センサーＬ群１０８お
よびセンサーＲ群１０９を通過したときに光を検知した
センサーの上端を，それぞれＬ_NT，Ｒ_MTとし，下端をそ
れぞれＬ_ND，Ｒ_MDとし，以下の式を用いて，左右方向曲
がり値Ｋ_S を求め，図８（ａ）に示すように，予め設定
したＫ_S と左右曲がりスピードとの対応テーブルを参照
して，左右曲がりスピードを求める。 Ｋ_S ＝（ＮＴ＋ＮＤ）−（ＭＴ＋ＭＤ） Ｋ_S ＝０のとき，スイング軌道の影響による左右曲がり
はなく，ストレートボールとなる。ただし，このときの
ＮＴ，ＮＤ，ＭＴ，ＭＤは，ＮＴ≦３あるいはＮＤ≧５
の範囲，また，ＭＴ＋ＭＤ≧１（パット・アプローチは
除く）の関係を充たすものとする。なお，それ以外の場
合には，空振り等であるため左右方向曲がりスピードを
求める必要はない。

【００８０】例えば，図８（ｂ）に示すように，レーザ
ー光線の光面が，センサーＬ群１０８およびセンサーＲ
群１０９を通過した場合，ＮＴ＝２（Ｌ₂ を通過），Ｎ
Ｄ＝４（Ｌ₄ を通過），ＭＴ＝４（Ｒ₄ を通過），ＭＤ
＝６（Ｒ₆ を通過）を用いて，Ｋ_S ＝（２＋４）−（４
＋６）＝−４となり，図８（ａ）の対応テーブルからフ
ック（左）・４ｍ／ｓの曲がりスピードＫ_SSが求められ
る。

【００８１】次に，風の影響について説明する。本装置
において，風は方向と風速により，表示装置１０４に表
示される。風のベクトル成分は，図９に示すように，飛
距離成分（Ｗｄ）と曲がり成分（Ｗｃ）に分解される。
このベクトル成分がボールへ与える影響の重みを０．３
と数値化し，以下の式によって速度として求め，後述す
る弾道に取り込んでいる。 飛距離への影響速度（ｍ／ｓ）＝Ｗｄ×０．３ 曲がりへの影響速度（ｍ／ｓ）＝Ｗｃ×０．３

【００８２】その後，ここまでの処理で求めた飛距離Ｄ
に影響する，左右方向飛び出し角度θによる影響，左右
曲がりスピードによる影響，風による影響を飛距離Ｄに
取り込んで最終的なキャリー飛距離Ｄ_carry を得る。

【００８３】次に，このキャリー飛距離Ｄ_carry を用い
て，疑似ゴルフボールの弾道が形成される仮想空間にお
ける落下地点を求める。キャリー飛距離Ｄ_carry ，左右
曲がりスピードＫ_SSとに基づいて，落下地点のラン距離
Ｒ₀ を，以下の式によって求める。 ラン距離Ｒ₀ ＝０．０５×Ｄ_carry ＋０．５×Ｋ_SS−３ ただし，ラフからショットした場合のラン距離Ｒ₀ は，
次式によって求める。これは，ラフからのショットが止
まりにくいことを考慮したものである。 ラン距離Ｒ₀ ＝０．１×Ｄ_carry ＋０．２×Ｋ_SS

【００８４】さらに，落下地点とラン距離Ｒ₀ とに基づ
いて停止地点を求め，予め設定されている落下地点およ
び停止地点のグランド情報から落下地点と停止地点の高
低差Ｈを求める。高低差Ｈは，停止地点の方が高い場合
にプラスの値となる。続いて，この高低差Ｈおよびグラ
ンド状態による変数Ｆ_G を用いてラン距離Ｒ₀ を補正
し，最終的なラン距離Ｒを得る。 ラン距離Ｒ＝（ラン距離Ｒ₀ −Ｈ）×Ｆ_G ただし，Ｆ_G は，落下地点がグリーン，ファアウエイ，
ラフ，バンカー等によって異なる数値となる。

【００８５】コントローラ１０３は，このようにして得
られた弾道情報に基づいて，予め記憶されている仮想空
間の画像情報に疑似ゴルフボールの弾道画像情報を合成
し，表示装置１０４に弾道を表示させる。これによっ
て，スイングの状態を適切に反映した弾道の映像を提供
することができ，スイングの練習あるいはゴルフシミュ
レーションゲーム等の現実感をより高めることができ
る。また，上記の情報と共に，打球音や，歓声等を出力
することで，さらにリアルに表現できる。

【００８６】また，上記のスイング情報および弾道情報
を用いて，スイングを自動的に診断し，アドバイス等を
出力することもできる。

【００８７】テイクバック開始検知 実施例１では，レーザー光線の光面がセンサーＣ１１０
をＯＮした時にテイクバック開始を検知し，スイング時
間を測定するための所定のタイマーをスタートさせる。
このとき，レーザー光線の光面のスタート位置Ｐ_START
は，センサーＣ１１０の右側である必要があるが，プレ
ーヤーのワッグル動作によって，図１０（ａ），（ｂ）
に示すように，レーザー光線の光面のスタート位置Ｐ
_START がセンサーＣ１１０が右側あるいは左側の両方の
場合が起こり得る。このため，ワッグル動作に対応する
ために，実施例１では，レーザー光線の光面がセンサー
Ｃ１１０をＯＮした時に，所定のタイマーをゼロリセッ
トして再スタートさせている。

【００８８】仮想クラブの長さ検知 また，実施例１では，センサーＣ１１０を用いて，レー
ザー光線の照度を検知し，レーザー光線の照度から仮想
クラブ（図４参照）の長さＬＬを検知する。具体的に
は，予め各クラブの長さに応じて，クラブ毎に設定した
適正照度をテーブルとして記憶しておき，入出力制御部
１１２において，センサーＣ１１０を用いて検知したレ
ーザー光線の照度と選択されたクラブの適正照度とを比
較して，選択されたクラグの長さ（照度）と一致する場
合には，ランプ１０２ｂ，１０２ｃを点灯させて『Ｏ
Ｋ』の通知を行う。これにより，プレーヤが意識してい
る仮想的なクラブの長さが正しいか否かの判定および通
知をすることができる。従って，プレーヤーは，ランプ
１０２ｂ，１０２ｃが点灯するクラグ長さが得られる立
ち位置，換言すれば，選択したクラブ長さに応じた立ち
位置を認識することができる。

【００８９】また，詳細な説明を省略するが，スイング
時にセンサーＣ１１０で検知したレーザー光線の照度お
よび選択されているクラグの種類とに基づいて，スイン
グ時の疑似ゴルフボールに対する高さ方向の空振りおよ
びダフリの有無情報を生成することができる。

【００９０】環境照明の照度チェック処理 次に，環境照明の照度チェック処理について説明する。
この処理は，装置本体の起動時，および所定の時間間隔
で起動される割込みルーチンであり，装置が置かれた環
境下において誤動作の発生を低減するために，センサー
マット１０２が置かれた環境の明るさ（照度）を検知し
て，環境の照度が所定の基準値以上の場合に，警告を発
するものである。

【００９１】図１１は，環境照明の照度チェック処理の
フローチャートを示す。入出力制御部１１２は，先ず，
センサーＬ群１０８，センサーＲ群１０９，およびセン
サーＣ１１０を介して，環境の照度を測定する（Ｓ１１
０１）。この場合，検知照度は，各センサー中の最大照
度を採用する。次に，検知照度αと基準値βとを比較し
（Ｓ１１０２），α≧βならば，ランプ１０２ｂ，１０
２ｃを点滅させ，同時にコントローラ１０３へ警告メッ
セージの表示指令を通知する（Ｓ１１０３）。

【００９２】一方，α≧βでなければ，ランプ１０２
ｂ，１０２ｃを消灯させ，同時にコントローラ１０３へ
照明良好メッセージの表示指令を通知する（Ｓ１１０
４）。

【００９３】これによって，プレーヤーは，環境照明の
照度が誤動作を招く，明るさであるか否かを具体的に知
ることができ，例えば，室内に照明を調整して，常に誤
動作の少ない良好な環境で本装置を使用することができ
る。

【００９４】スイング軌跡の表示処理 次に，図１２を参照して，スイング軌跡の表示処理につ
いて説明する。入出力制御部１１２は，前述したスイン
グ情報（スイング時のクラブ軌跡）に基づいて，表示部
１１１上にスイング軌跡を表示する。

【００９５】スイング時のクラブ軌跡は，センサーＬ群
１０８，センサーＲ群１０９，およびセンサーＣ１１０
のＯＮ・ＯＦＦ状態と，フェイス角度θと，打撃前のフ
ェイス角度，インパクト位置とに基づいて生成されてお
り，具体的には，図１２に示すように，センサーＬ群１
０８およびセンサーＲ群１０９の光面を検知したセンサ
ーを結んで，センサー間のスイング軌跡を形成し，さら
にその両側を延長する。次に，フェイス角度θおよびイ
ンパクト位置を用いて，疑似ゴルフボール１０２ａを打
撃するときのフェイス面（光面）を形成し，打撃前のフ
ェイス角度を用いて，センサーＲ群１０９近傍のフェイ
ス面を形成する。

【００９６】このようにセンサーマット１０２上にスイ
ング軌跡を表示することにより，実際のスイング動作
（スイングイメージ）と表示されたスイング軌跡とを容
易に比較することができ，スイング練習を効率的に行う
ことができる。

【００９７】〔実施例２〕実施例２は，実施例１の疑似
ゴルフクラブ１０１の出力窓１０５ａの形状，リモート
操作部１０６の操作キー群１０６ａの配置，およびデー
タ転送窓１０６ｂの配置を変更したものであり，図１３
に示すように，矩形の面形状の出力窓１３０１を有し，
グリップ１０１ａ部分に開閉自在に配置された操作キー
群１３０２を有し，さらにデータ転送窓１０６ｂを出力
窓１３０１と同一の面に配置したものである。その他の
構成および動作を実施例１と同様であるので，ここで
は，異なる部分のみを説明する。

【００９８】各種データの入力および選択を行なう場合
には，操作キー群１３０２のフタを開いて，図１３
（ａ）に示す状態でキー入力を行なう。一方，疑似ゴル
フクラブ１０１のスイングを行なう場合には，フタを閉
じることによりグリップ１０１ａの内部に収納される。
操作キー群の配置は，実施例１および実施例２で示すよ
うに特に限定するものではなく，例えば，グリップ１０
１ａとクラブヘッド１０１ｂの中間に配置しても良い。

【００９９】また，出力窓１３０１から照射されるレー
ザー光線の光面は，図１４に示すように，光面のクラブ
フェイス側の境界がセンサーＣ１１０と疑似ゴルフボー
ル１０２ａとの間にある状態で，センサーＲ群１０９を
ＯＮする大きさを有しているものとする。

【０１００】レーザー光線の光面をこのような面形状と
することにより，クラブフェイス面（光面の疑似ゴルフ
ボール１０２ａ側の境界）が，センサーマット１０２上
のどの位置にあるか明確に検知することができる。ま
た，クラブフェイス面がセンサーマット１０２上を左右
のどの方向に移動しているかも明らかになる。従って，
テイクバック開始の検知を容易に行うことができる。

【０１０１】

【発明の効果】以上説明したように本発明のゴルフ練習
装置は，疑似ゴルフクラブ手段にスタートキー，カーソ
ル移動キー等の複数の操作キーが配列され，操作キーを
介して入力されたデータを赤外線等を用いて転送する遠
隔操作手段を搭載したため，テレビ画面等を介して情報
を選択的に表示させる場合の操作性や，入力操作の多い
ゴルフシミュレーションゲーム等を行う場合の操作性お
よび利便性を向上させることができる。

【０１０２】また，本発明のゴルフ練習装置は，プレー
ヤーの足元に配置された第２の画像表示手段上にレーザ
ー光線が通過した軌跡上にクラブのスイング軌跡を表示
するため，スイングによって光線が通過した実際の軌跡
が認識可能となり，スイング練習を効率的に行うことが
できる。

【０１０３】また，本発明のゴルフ練習装置は，複数の
検知手段を介して，センサーマット手段が置かれた環境
の照度を検知し，環境の照度が所定の基準値以上の場合
に，警告を発するため，環境の照度が高過ぎることによ
る誤動作を回避できる。

【０１０４】また，本発明のゴルフ練習装置は，予め設
定されている落下地点のグランド情報および弾道情報に
基づいて，疑似ゴルフボールの停止地点を求めるため，
ボールの弾道情報を改善し，スイングの練習，およびゴ
ルフシミュレーションゲームを行った場合の現実感を向
上させることができる。

【０１０５】また，本発明のゴルフ練習装置は，選択さ
れたクラブの情報，スイング情報，および予め設定され
た風速情報に基づいて，疑似ゴルフボールが打撃された
場合の飛距離，左右飛び出し角度，および左右方向曲が
りスピードから成る疑似ゴルフボールの弾道情報を生成
するため，クラブの種類の違いをボールの弾道に反映可
能とし，種々のクラブを想定したスイングの練習，およ
びゴルフシミュレーションゲームを行うことができる。

【０１０６】また，本発明のゴルフ練習装置は，選択さ
れたアプローチショットの情報，スイング情報生成手段
のスイング情報，および予め設定された風速情報に基づ
いて，疑似ゴルフボールが打撃された場合の飛距離，左
右飛び出し角度，および左右方向曲がりスピードから成
る疑似ゴルフボールの弾道情報を生成するため，アプロ
ーチショットの使い分けを可能とし，スイングの練習，
およびゴルフシミュレーションゲームを行った場合の現
実感を向上させることができる。

【０１０７】また，本発明のゴルフ練習装置は，レーザ
ー光線の照度に基づいて，疑似ゴルフボールに対する高
さ方向の空振りおよびダフリの有無情報を生成するた
め，ボールに対して上下方向の空振りや，ダフリを検出
することができる。

【０１０８】また，本発明のゴルフ練習装置は，レーザ
ー光線の照度と選択されたクラブの適正照度とを比較し
て，プレーヤが意識している仮想的なクラブの長さが正
しいか否かの判定および通知を行うため，利用者がクラ
ブの種類（仮想クラブの長さ）に応じてスタンディング
・ポジション（立ち位置）を変更可能とすることができ
る。

【０１０９】また，本発明のゴルフ練習装置は，レーザ
ー光線の光面を，光面のクラブフェイス側の境界が第１
のテイクバック開始検知手段と疑似ゴルフボールとの間
にある状態で，第２のテイクバック開始検知手段をＯＮ
する大きさとしたため，テイクバック開始の検出を容易
に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１のゴルフ練習装置の全体構成図であ
る。

【図２】実施例１の疑似ゴルフクラブの外観図である。

【図３】同図（ａ）はセンサーマットの外観図を示し，
同図（ｂ）は詳細なセンサー配列を示し，同図（ｃ）は
表示部の形状を示す説明図である。

【図４】本実施例のゴルフ練習装置を使用した場合のイ
メージ図である。

【図５】リモート入力操作を示す説明図である。

【図６】スイング情報生成処理を示す説明図である。

【図７】スイング情報生成処理を示す説明図である。

【図８】左右方向曲がりスピードの求め方を示す説明図
である。

【図９】風の影響を示す説明図である。

【図１０】テイクバック開始検知を示す説明図である。

【図１１】環境照明の照度チェック処理のフローチャー
トである。

【図１２】スイング軌跡の表示処理を示す説明図であ
る。

【図１３】実施例２の疑似ゴルフクラブの外観図であ
る。

【図１４】実施例２の疑似ゴルフクラブの光面の面形状
を示す説明図である。

【符号の説明】

１０１ 疑似ゴルフクラブ １０２ センサーマット １０３ コントローラ（スーパーファミコン） １０４ 表示装置（ＴＶ） １０５ レーザー駆動部 １０６ リモート操作部 １０７ リモート受信部 １０８ センサーＬ群 １０９ センサーＲ群 １１０ センサーＣ １１１ 表示部 １１２ 入出力制御部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山上 勇 東京都渋谷区渋谷一丁目14番16号 リコ ー教育機器株式会社内 (72)発明者 飯田 恭久 東京都渋谷区渋谷一丁目14番16号 リコ ー教育機器株式会社内 (56)参考文献 特開 平２−13482（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−126138（ＪＰ，Ａ)

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光面が矩形形状であるレーザー光線を照
   射するレーザー光線照射手段と，スタートキー，カーソ
   ル移動キー等の複数の操作キーが配列され，操作キーを
   介して入力されたデータを赤外線等を用いて転送する遠
   隔操作手段と，前記レーザー光線照射手段および遠隔操
   作手段を搭載した疑似ゴルフクラブ手段と，前記遠隔操
   作手段から転送されてきたデータを受信する受信手段
   と，前記レーザー光線照射手段から照射されたレーザー
   光線を検知する複数の検知手段と，前記複数の検知手段
   および受信手段を所定の配列で搭載し，かつ，打撃位置
   の目印となる疑似ゴルフボールが配置されたセンサーマ
   ット手段と，前記複数の検知手段の検知情報に基づい
   て，前記疑似ゴルフクラブ手段のヘッドスピード，スイ
   ング時間，フェイス角度，空振りの有無，インパクト位
   置，およびスイング時のクラブ軌跡から成るスイング情
   報を生成するスイング情報生成手段と，前記スイング情
   報生成手段のスイング情報および予め設定された風速情
   報に基づいて，前記疑似ゴルフボールが打撃された場合
   の飛距離，左右飛び出し角度，および左右方向曲がりス
   ピードから成る疑似ゴルフボールの弾道情報を生成する
   弾道情報生成手段と，前記弾道情報生成手段の弾道情報
   に基づいて，疑似ゴルフボールの弾道の画像情報を生成
   し，予め記憶してある仮想空間の画像情報と合成して出
   力する画像情報生成手段と，前記画像情報生成手段で生
   成した画像情報を表示する画像表示手段とを備えたこと
   を特徴とするゴルフ練習装置。
2. 【請求項２】 前記センサーマット手段上の複数の検知
   手段が配置された面と同一の面に配置された第２の画像
   表示手段を備え，前記第２画像表示手段は，前記スイン
   グ情報生成手段のスイング情報に基づいて，前記レーザ
   ー光線が通過した軌跡上にクラブのスイング軌跡を表示
   することを特徴とする請求項１記載のゴルフ練習装置。
3. 【請求項３】 前記複数の検知手段を介して，前記セン
   サーマット手段が置かれた環境の照度を検知し，環境の
   照度が所定の基準値以上の場合に，警告を発する警告手
   段を備えたことを特徴とする請求項１または２記載のゴ
   ルフ練習装置。
4. 【請求項４】 前記弾道情報に基づいて，仮想空間にお
   ける前記疑似ゴルフボールの落下地点を求め，予め設定
   されている落下地点のグランド情報および弾道情報に基
   づいて，前記疑似ゴルフボールの停止地点を求める停止
   位置決定手段を備え，前記画像情報生成手段は，弾道情
   報生成手段の弾道情報および停止位置決定手段の落下地
   点，停止地点に基づいて，疑似ゴルフボールの弾道の画
   像情報を生成し，予め記憶してある仮想空間の画像情報
   と合成して出力することを特徴とする請求項１記載のゴ
   ルフ練習装置。
5. 【請求項５】 前記遠隔操作手段を介して，予め設定さ
   れた複数のクラブの中から使用するクラブを選択し，前
   記弾道情報生成手段は，選択されたクラブの情報，スイ
   ング情報生成手段のスイング情報，および予め設定され
   た風速情報に基づいて，前記疑似ゴルフボールが打撃さ
   れた場合の飛距離，左右飛び出し角度，および左右方向
   曲がりスピードから成る疑似ゴルフボールの弾道情報を
   生成することを特徴とする請求項１記載のゴルフ練習装
   置。
6. 【請求項６】 前記遠隔操作手段を介して，ピッチショ
   ット，ピッチエンドラン，ランニングアプローチの中か
   らアプローチショットを選択し，前記弾道情報生成手段
   は，選択されたアプローチショットの情報，スイング情
   報生成手段のスイング情報，および予め設定された風速
   情報に基づいて，前記疑似ゴルフボールが打撃された場
   合の飛距離，左右飛び出し角度，および左右方向曲がり
   スピードから成る疑似ゴルフボールの弾道情報を生成す
   ることを特徴とする請求項１記載のゴルフ練習装置。
7. 【請求項７】 前記疑似ゴルフボールの打撃面の近傍に
   配置され，レーザー光線の照度を検知する照度検知手段
   を備え，前記スイング情報生成手段は，前記照度検知手
   段で検知したレーザー光線の照度に基づいて，前記疑似
   ゴルフボールに対する高さ方向の空振りおよびダフリの
   有無情報を生成することを特徴とする請求項１記載のゴ
   ルフ練習装置。
8. 【請求項８】 前記疑似ゴルフボールの打撃面の近傍に
   配置され，レーザー光線の照度を検知する照度検知手段
   と，予め設定された複数のクラブの中から使用するクラ
   ブを選択する選択手段と，予め各クラブの長さに応じ
   て，クラブ毎に設定した適正照度を記憶した記憶手段
   と，前記照度検知手段で検知したレーザー光線の照度と
   選択されたクラブの適正照度とを比較して，プレーヤが
   意識している仮想的なクラブの長さが正しいか否かの判
   定および通知を行うクラブ長さ可否通知手段とを備えた
   ことを特徴とする請求項１記載のゴルフ練習装置。
9. 【請求項９】 前記複数の検知手段は，前記疑似ゴルフ
   ボールの打撃面の近傍に配置された第１のテイクバック
   開始検知手段と，前記第１のテイクバック開始検知手段
   からテイクバック方向に所定の間隔離れた位置に配置さ
   れた第２のテイクバック開始検知手段とを含み，前記レ
   ーザー光線の光面は，光面のクラブフェイス側の境界が
   前記第１のテイクバック開始検知手段と疑似ゴルフボー
   ルとの間にある状態で，前記第２のテイクバック開始検
   知手段をＯＮする大きさを有していることを特徴とする
   請求項１記載のゴルフ練習装置。