JP2004150379A - 空燃比制御システム - Google Patents

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健 岡部
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Abstract

【課題】GHP用のガスエンジンにおける空燃比制御システムに使用する酸素濃度センサとしてUEGOセンサを採用する場合に、その経時変化による悪影響を抑制し、高精度の空燃比制御を長期間に亘って安定的に維持することができる空燃比制御システムを提供する。
【解決手段】UEGOセンサ32をGHP用のガスエンジンに適用する。エンジンの停止後に大気校正動作を実行してUEGOセンサ32の経時変化度合いを測定し、この経時変化度合いを考慮して実際の空気過剰率を応じた空燃比制御を行う。大気校正動作は、UEGOセンサ32の新品時から1000時間経過までは100時間毎に、この1000時間経過後は500時間毎に実行する。また、1回当たり10secのクランキングを数秒間隔をおいて3回に亘って間欠的に行い、最終回のクランキング動作の終了時点で大気校正動作を実行する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン排気ガス中の酸素濃度を検出することによる混合気の空燃比の認識をリーン領域からリッチ領域まで広範囲に亘って行うことが可能な全領域空燃比センサ(以下、このセンサをUEGOセンサ(Universal A/F Heated Exhaust Gas Oxygen Sensor)と呼ぶ)を備えた空燃比制御システムに係る。特に、本発明は、高精度の空燃比制御を長期間に亘って実現するための対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車用その他のエンジンにあっては、排気系に酸素濃度センサを設けておき、排気ガス中の酸素濃度を検出することによって混合気の空燃比を認識し、それに応じて燃料供給量をフィードバック制御することが行われている。
つまり、検出した排気ガス中の酸素濃度に基づいて燃料供給量を調整して混合気の空燃比を目標値に制御し、これによって、排気ガス中のCO、NOx、HCの低減やエンジンの熱効率の向上を図っている。
【0003】
また、上記酸素濃度センサとしては、λセンサ(下記の特許文献1参照)やUEGOセンサ(下記の特許文献2参照)が知られている。
【0004】
λセンサは、特定の酸素濃度(特に理論空燃比で燃焼が行われている場合の排気ガス中の酸素濃度)付近で出力レベルが急峻に変化するものであって、混合気の空燃比が目標値であるか否かを判別することができる。
【0005】
UEGOセンサは、混合気のリーン領域からリッチ領域までの広範囲における排気ガス中の酸素濃度を検出することができるものであって、混合気の空燃比を連続的に広範囲に亘って認識することができる。尚、このUEGOセンサの動作原理については下記の特許文献2に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−82416号公報
【特許文献2】
特開2000−81416号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したUEGOセンサは、その特性として、理論空燃比付近の混合気で燃焼が行われるエンジンに適用される場合には経時変化は殆どない。ところが、理論空燃比から大きく外れた空燃比の混合気で燃焼が行われるエンジンに適用される場合(例えばリーンバーン運転が行われるエンジンに適用される場合)には経時変化が生じてしまう。特に、使用初期時の変化は急激に進むといった特性を有している。
【0008】
図3は、このUEGOセンサをリーンバーン運転が行われるエンジンに適用した場合の経時変化の状況を示している。この図3は、横軸に時間を、縦軸にUEGOセンサの出力レベル(電流値)をとり、一定の空燃比で希薄燃焼(リーンバーン)を行った場合のUEGOセンサの出力レベルの低下状態(経時変化に伴う出力レベルの低下状態)を示している。このように、リーンバーン運転を行うエンジンに適用した場合、UEGOセンサは、使用初期時の変化は急激に進み、その後、変化の進行度は緩やかになるといった特性を有している。
【0009】
これまで、この種のUEGOセンサは、自動車用エンジンに適用されている。
その理由は、UEGOセンサが上記の経時変化特性を有することに起因する。つまり、一般的な自動車用エンジンにあっては、空燃比の目標値は理論空燃比(ガソリンエンジンにあっては約15:1)に設定されるため、UEGOセンサの経時変化は殆ど考慮する必要はない。また、自動車用エンジンに適用される酸素濃度センサに求められている耐久性(寿命)は、10万マイルの保証でこれを時速40km平均で走行すると仮定し、時間換算すると4000時間程度と比較的短く、この間に大きく経時変化する可能性も低い。
【0010】
ところで、このUEGOセンサを自動車用以外のエンジンに適用しようとする場合、上記の経時変化を無視できない状況を招くことがある。特に、このUEGOセンサをGHP(Gas Heat Pump)用のガスエンジンに適用した場合である。
つまり、このGHP用のガスエンジンは、排気系に三元触媒等の排気浄化装置を備えない構成を実現するためにリーンバーン運転が行われるのが一般的である。
つまり、リーンバーン運転を行うことで燃焼温度を抑えてNOxの発生を抑制できるようにしている。例えば、都市ガス(13A)を使用するガスエンジンにあっては18:1程度(理論空燃比は約11:1)の空燃比が目標値として設定されて運転が行われる。また、このガスエンジンに適用される酸素濃度センサに求められている耐久性は30000時間程度と長く、この間に大きく経時変化する可能性が考えられる。
【0011】
図4は、空気過剰率(排気ガス中の酸素濃度に相関がある値)に応じたUEGOセンサのセンサ出力レベル(電流値)を示している。この図において、実線はUEGOセンサが新品(経時変化していないもの)である場合の空気過剰率とセンサ出力レベルとの関係を示し、破線はUEGOセンサに経時変化(例えば10%程度の経時変化)が生じた場合の空気過剰率とセンサ出力レベルとの関係を示している。
【0012】
この図から判るように、センサ出力レベルが同じであっても、UEGOセンサが新品である場合と経時変化が生じている場合とでは、実際の空気過剰率は異なっている。つまり、例えば、UEGOセンサが新品であるときにそのセンサ出力レベルが図中Aであるときには空気過剰率はBであると認識される。UEGOセンサは経時変化していないので空気過剰率は正確に認識されており、排気管内の実際の空気過剰率もBである。ところが、経時変化しているUEGOセンサのセンサ出力レベルが図中Aであるとき、UEGOセンサは空気過剰率がBであると認識するものの、実際の空気過剰率はCとなっている。このように、変化の状態によって空気過剰率の認識に誤差が生じてしまう。
【0013】
今、空気過剰率がBであるときに空燃比が目標値に達しており、且つ排気管内の実際の空気過剰率もBとなっていると仮定する。この場合、UEGOセンサが新品であるときには、センサ出力レベルはAであり、空気過剰率がBであると正確に認識される。この認識により、現在の空燃比は目標値に一致していると判断され、現在の燃料供給量が維持される。これに対し、UEGOセンサが経時変化しているときには、センサ出力レベルはDとなり(実際の空気過剰率はBであるが、経時変化のためにセンサ出力が低下し、出力値はDとなっている)、センサは空気過剰率がEであると誤認識してしまう。この場合には、現在の空燃比は目標値に対してリッチであると判断し、燃料供給量を低減させる制御を実行してしまう。実際の現在の空燃比は目標値であり、これに対して燃料供給量を低減させる制御を実行してしまうことになるので、実際の空燃比は目標値から大きくリーン側に移行してしまうことになり、場合によっては、空燃比が失火限界に達してエンジンの運転が継続できなくなってしまう可能がある。
【0014】
このように、UEGOセンサを備えた空燃比制御システムをGHP用のガスエンジンに適用する場合、UEGOセンサの経時変化の問題を解決せねば実用化することは困難である。
【0015】
尚、この課題は、UEGOセンサを備えた空燃比制御システムをGHP用のガスエンジンに適用する場合に限らず、リーンバーン運転を行うエンジンや、酸素濃度センサの寿命として長期間(数万時間程度)が要求されているエンジンにあっては共通に発生する。
【0016】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リーンバーン運転を行うエンジンや、酸素濃度センサの寿命として長期間が要求されているエンジンにおける空燃比制御システムに使用する酸素濃度センサとしてUEGOセンサを採用する場合に、その経時変化による悪影響を抑制し、高精度の空燃比制御を長期間に亘って安定的に維持することができる空燃比制御システムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−
上記の目的を達成するために、本発明は、UEGOセンサの経時変化度合いを予め認識しておくか、または定期的にその経時変化度合いを測定することにより、UEGOセンサの経時変化に伴う出力レベルの変動を認識しておき、それを考慮して排気ガス中の空気過剰率を認識している。これにより、UEGOセンサの経時変化度合いに拘わりなく常に目標の空気過剰率に空燃比制御できるようにしている。
【0018】
−解決手段−
具体的に、先ず、UEGOセンサの経時変化度合いを予め認識しておくものとして以下の構成が掲げられる。つまり、排気ガス中の酸素濃度に応じた検出信号を出力するUEGOセンサ(全領域空燃比センサ)を備えた空燃比制御システムを前提とする。この空燃比制御システムに対し、UEGOセンサの経時変化特性が予め記憶された特性記憶手段と、エンジンの積算運転時間に対応するUEGOセンサの経時変化度合いを上記特性記憶手段から読み出し、混合気の空燃比が目標空燃比となるように上記経時変化度合いに相当する補正量に基づいて空燃比を調整する空燃比調整手段とを備えさせている。
【0019】
この解決手段により空燃比制御を行う具体的な手法としては、先ず、UEGOセンサの耐久試験を試験室等において行ってUEGOセンサの経時変化特性を予め把握しておく。つまり、実際に適用しようとするエンジンと同条件で耐久試験を行って(空燃比の目標値等を、適用しようとするエンジンに一致させて耐久試験を行う)、その経時変化特性を把握する。ここで、例えば上記図3で示したような経時変化特性(積算運転時間と共に出力レベルが低下していく特性)が得られる。このようにしてエンジンの積算運転時間に対応するUEGOセンサの経時変化度合いを把握しておき、その情報を特性記憶手段に記憶させておく。このため、実際のエンジン(製品)では、運転が行われると、その積算運転時間に応じて、この記憶された経時変化特性に沿って(図3のライン上に沿って)UEGOセンサが変化していくことになる。つまり、積算運転時間をタイマ等によって認識しておけばUEGOセンサの経時変化度合い、つまり新品時からの出力レベルの低下割合を認識することが可能である。これを考慮して燃料供給量を調整するなどして混合気の空燃比が目標空燃比となるように制御する。言い換えると、タイマの積算時間に応じたUEGOセンサの出力レベルの低下分(経時変化に起因する低下分)だけ空燃比制御のためゲインを補正する。これにより、高精度の空燃比制御を長期間に亘って安定的に維持することが可能になる。
【0020】
尚、この解決手段を適用可能なエンジンとしては、GHP用、コージェネレーションシステム用、発電機用などの各種据え付け型のエンジンに適用可能である。また、自動車用などの移動体用エンジンにも適用することは可能である。
【0021】
次に、定期的にUEGOセンサの経時変化度合いを測定しながら空燃比制御を行うものとして以下の構成が掲げられる。つまり、排気ガス中の酸素濃度に応じた検出信号を出力するUEGOセンサを備えた空燃比制御システムを前提とする。この空燃比制御システムに対し、大気雰囲気中で上記UEGOセンサをセンシング動作させる大気校正動作を実行することによって、このUEGOセンサの経時変化度合いを測定する測定手段と、この測定手段の測定結果を受け、混合気の空燃比が目標空燃比となるように上記経時変化度合いに相当する補正量に基づいて空燃比を調整する空燃比調整手段とを備えさせている。
【0022】
この特定事項により、大気校正動作を実行する度にUEGOセンサの経時変化度合いを正確に把握することができる。つまり、新品時からの出力レベルの低下割合を正確に認識することが可能であり、これを考慮して燃料供給量を調整するなどして混合気の空燃比が目標空燃比となるように制御することができる。即ち、大気中の酸素濃度は約21%であるので、UEGOセンサの新品時には検出酸素濃度21%相当の出力レベルが得られるが、経時変化に伴い、大気中であっても検出酸素濃度21%相当の出力レベルが得られなくなってくる。大気校正動作を実行することで、この出力レベルの低下割合を検知して変化度合いを認識し、それを考慮して燃料供給量を調整するなどして混合気の空燃比が目標空燃比となるように制御する。これにより、より高精度の空燃比制御を長期間に亘って安定的に維持することが可能になる。
【0023】
上記大気校正動作を行う場合における更に具体的な構成としては以下の各手段が掲げられる。
【0024】
先ず、燃料供給を禁止した状態でエンジンのクランキング動作を行うことで排気経路に大気を導入して大気校正動作を実行するよう測定手段を構成している。
【0025】
また、この場合、エンジンのクランキング動作を複数回間欠的に実行し、最終回のクランキング動作の終了時点でUEGOセンサをセンシング動作させることによって大気校正動作を実行するよう測定手段を構成している。
【0026】
また、大気校正動作の実行頻度として、UEGOセンサの新品時から所定時間経過までの間の頻度よりも、その所定時間経過した以後の頻度の方が低く設定されるように測定手段を構成している。
【0027】
更に、大気校正動作を、エンジンの停止直後に実行するように測定手段を構成している。
【0028】
これら解決手段による作用を以下に述べる。
【0029】
先ず、エンジンのクランキング動作によって排気経路に大気を導入して大気校正動作を実行するようにした場合には、UEGOセンサを大気雰囲気中に置くための特別な手段が必要ない。つまり、排気経路に外気を取り入れるための特別な導入路を設けたり、この導入路を開閉するための弁手段やその駆動源を設けたり、この導入路に大気を導入するためのブロワ等の大気圧送手段を設けておく必要が無く、エンジン既存の手段でUEGOセンサを大気雰囲気中に晒すことができる。このため、システムの部品点数の大幅な増大や大型化を招くことなしに大気校正動作を実現することが可能になる。
【0030】
また、上記クランキング動作によって大気校正動作を実行する場合、セルモータの駆動によりクランキングさせることになるが、排気経路内の排気ガスを全て排出してこの排気経路内を大気で満たすためには例えば数十秒程度のクランキング動作が必要になる。このとき、この数十秒間連続してセルモータを駆動させたのではセルモータに掛かる負荷が過大となり、セルモータの焼損等が懸念され耐久性が損なわれてしまう可能性がある。このため、上記解決手段の如く、クランキング動作を複数回間欠的に実行し、最終回のクランキング動作の終了時点で大気校正動作を実行するようにしている。これによれば、セルモータの長寿命化を維持することができる。この複数回間欠的に実行されるクランキング動作として具体的には、1回当たり10secのクランキングを数秒間隔をおいて3回に亘って間欠的に行うことなどが掲げられる。例えば30秒間連続してクランキングを行う場合に比べてセルモータに掛かる負荷が軽減でき、それでいて排気経路内を大気で十分に満たすことができる。尚、この1回当たりクランキング時間及びクランキング回数はこれに限るものではない。
【0031】
更に、UEGOセンサの経時変化特性は、上述した如く、使用初期時の変化は急激に進み、その後、変化の進行度は緩やかになる。この特性を考慮したものが上記の解決手段、つまり、UEGOセンサの新品時から所定時間経過までの間の大気校正頻度よりも、その所定時間経過した以後の大気校正頻度の方を低く設定するといった手段である。使用初期時の変化は急激に進むため、比較的高い頻度で大気校正動作を実行することで、空燃比が目標値から大幅にずれてしまうといった状況を回避している。この動作を、UEGOセンサの新品時から所定時間経過までの間(変化の進行度が高い期間)に行う。
【0032】
そして、この所定時間経過後は、変化の進行度は緩やかになるため、大気校正動作の頻度を高くしなくても空燃比が目標値から大幅にずれてしまうといった状況は生じにくくなる。このため、この所定時間経過後は、大気校正動作の頻度を低く設定する。これにより、必要最小限の頻度で大気校正動作を実行し、且つ空燃比が目標値から大幅にずれてしまうといった状況を回避することができる。
【0033】
特に、上述した如くエンジンのクランキング動作によって排気管中に大気のみを導入して大気校正動作を実行する場合には、大気校正動作の頻度を高いまま維持し続けるとセルモータの使用頻度も高くなって耐久性を損なってしまう可能性がある。このため、変化の進行度が緩やかである期間はセルモータの使用頻度を低下させることでその長寿命化が維持できるようにしている。この大気校正動作の頻度の切換動作として具体的には、UEGOセンサの新品時から1000時間経過までは100時間毎に大気校正動作を実行し、この1000時間経過後は500時間毎に大気校正動作を実行することなどが掲げられる。この大気校正動作の頻度の切換動作はこれに限るものではないが、空燃比が目標値から大幅にずれてしまうといった状況が回避できる程度の頻度に設定する必要がある。また、大気校正動作の頻度の切り換えは2段階に限らず3段階以上であってもよい。
【0034】
加えて、エンジンの停止後であって排気経路内が常温程度まで温度降下した場合、この排気経路内に存在していた水分(水蒸気)が結露する。一方、大気校正動作時にはUEGOセンサを活性化させるためにヒータによってセンシング部分が加熱(700℃程度)される。このため、排気経路内が常温程度まで温度降下した際に大気校正動作を実行すると、排気経路内で結露した水滴が高温のセンシング部分に飛散し、このセンシング部分に割れなどの破損が生じる可能性がある。この点に鑑みられたのが上記解決手段、つまり、大気校正動作をエンジンの停止直後に実行するといった手段である。これによれば、排気経路内が常温程度まで温度降下する前に、つまり、排気経路内に結露が発生する前に大気校正動作を完了することができるため、上記水滴の飛散によるセンシング部分の破損を回避することができ、システムの信頼性の向上を図ることができる。また、このようにエンジンの停止直後に大気校正動作を実行する場合、エンジン停止後もUEGOセンサのヒータには通電しておき、大気校正動作を実行している間はUEGOセンサのセンシング部分を連続的に加熱しておく。ここでいうエンジンの停止直後とは、排気経路内に結露が発生しない時間を言い、例えばエンジン停止から30sec経過後に大気校正動作を実行する場合なども含む。
【0035】
大気校正動作時におけるセンサの経時変化度合いの決定手法としては以下のものが掲げられる。つまり、大気校正動作時、UEGOセンサの複数のセンサ出力値を取得して移動平均処理を行い、その結果によりUEGOセンサの経時変化度合いを決定するよう測定手段を構成している。
【0036】
上述した如くクランキング動作によって大気校正動作を実行する場合、排気経路内には空気の脈動が生じている。つまり、この脈動の影響を受けてUEGOセンサのセンサ出力値はある程度の幅をもって変動している。このため、ある一点のセンサ出力値のみをもってUEGOセンサの経時変化度合いを決定したのでは、正確な経時変化度合いが得られているか否かの信頼性が低い。このため、複数のセンサ出力値に対して移動平均処理を行い、その結果によりUEGOセンサの経時変化度合いを決定している。これによれば、上記脈動の影響を殆ど受けない正確な経時変化度合いを得ることができる。また、この移動平均処理に使用するサンプリング数及びサンプリング間隔としては、上記脈動の影響を殆ど受けることなく且つ応答性を損なわないレベルに設定される。具体的には、例えば20ms毎に16ポイントのサンプリング(センサ出力値の取得)を行って、これらを移動平均処理することなどが掲げられる。尚、このUEGOセンサの経時変化度合いを決定する演算処理としては移動平均処理に代えて荷重平均処理を行うことも可能であるが、移動平均処理の方が少ないサンプリング数で確実に平均化することが可能である。
【0037】
また、上記大気校正動作を実行するタイミングとして、エンジン据え付け後の通常運転中の実行(上述した如く積算運転時間が所定時間に達する度の大気校正動作の実行)以外に、エンジン出荷前の試運転時や、エンジン据え付け後の試運転時に実行するようにしてもよい。
【0038】
エンジン出荷前の試運転時に大気校正動作を実行した場合には、UEGOセンサ製作時における種々の要因で生じているセンサの個体差の影響を無くすことができる。つまり、試運転時にこの個体差に起因するセンサ出力レベルのバラツキを補正した値を基準としてUEGOセンサの経時変化度合いを測定していくことになるため、UEGOセンサの初期の個体バラツキが解消された状態での空燃比制御を行うことができる。
【0039】
また、エンジン据え付け後の試運転時に大気校正動作を実行した場合には、エンジンの据え付け機場の高度(標高)に応じて(大気圧力に応じて)変動するセンサ出力レベルを補正した値を基準としてUEGOセンサの経時変化度合いを測定していくことになるため、高度の影響による誤認識を回避でき、据え付け機場の高度に拘わりなく常に実際の酸素濃度に対応した空燃比制御を実行することができる。
【0040】
更なる高精度の空燃比制御を実現するための構成として以下の各手段が掲げられる。先ず、エンジン据え付け環境の絶対湿度及び大気圧力の少なくとも一方を検出し、その検出値に応じて大気校正時のセンサ出力値を補正して空燃比を調整する構成としたものである。また、エンジン据え付け環境の外気温度を検出し、その検出値に応じて大気校正時のセンサ出力値を補正して空燃比を調整する構成としたものである。
【0041】
エンジン据え付け環境の絶対湿度や大気圧力の影響によってセンサ出力レベルは変動し、実際の酸素濃度に応じた適切な空燃比制御が行えない可能性がある。
具体的には、絶対湿度が高いほどセンサ出力レベルは低くなりやすい傾向があり、大気圧力が高いほどセンサ出力レベルは高くなりやすい傾向がある。これらの環境の影響を受けることなく、経時的な要因(経時変化)のみによるセンサ出力レベルの低下割合を正確に認識するべく、絶対湿度や大気圧力の検出値に応じてセンサ出力レベルを補正するようにしている。
【0042】
また、エンジン据え付け環境の外気温度の変化はセンサ出力レベルを大きく変動させるものではないが、この外気温度を検出することによってエンジン据え付け環境の絶対湿度を推定することができる。特に、日本の気候のように季節によって温度と湿度との間に相関関係がある環境下にあっては、外気温度を検出することで絶対湿度を比較的高い精度で推定することが可能である。また、一般に湿度センサに比べて温度センサの方が検出精度が高いので、湿度センサを用いて絶対湿度を直接検出するよりも、温度センサによって外気温度を検出しそれに基づいて絶対湿度を推定する方が精度が高いことが考えられる。このため、上記解決手段では、外気温度の検出値に応じてセンサ出力値を補正するようにしている。
【0043】
また、エンジンのメンテナンス時に大気校正動作の実行を禁止する禁止手段が備えられている。これによれば、メンテナンス時に大気校正動作つまりエンジンのクランキングが実行されてしまうといった状況を回避でき、メンテナンス動作に支障を来すことがなくなる。例えば、装置外板にその開閉を検知するためのスイッチを設けておき、装置外板が開放されているときにはメンテナンス動作が行われていると認識して大気校正動作の実行を禁止する。通常のメンテナンス動作はメインスイッチがOFFされた状態で行われるので不用意なクランキングが実行されることはないが、本解決手段によればメンテナンスマンがこのメインスイッチのOFF操作を忘れた場合であってもメンテナンス中に大気校正動作が実行されることはなく、不用意なクランキングが回避できてメンテナンス動作に支障を来すことがない。
【0044】
また、大気校正動作が実行された際の経時変化度合いに相当する補正量(校正値)を記憶しておく校正記憶手段が備えられている。これによれば、上記メンテナンス動作などによってメインスイッチがOFFされた場合であっても上記補正量は記憶されているため、その後にメインスイッチがONされてエンジンの運転が開始された際にはその記憶された補正量に基づいて空燃比制御を正確に行うことができる。つまり、メインスイッチがONされた際に大気校正動作を再度実行する必要がなく、エンジンの再起動を迅速に行うことができる。
【0045】
更に、UEGOセンサの交換後には、それまでの経時変化度合いに相当する補正量(校正値)をクリアするよう構成されている。UEGOセンサが交換されて新品のものになれば、それまで認識されていた経時変化度合いの情報は必要なくなるため、この情報を削除し、新規に大気校正を実行することで新たなUEGOセンサに適合した正確な空燃比制御を実行することができる。
【0046】
また、経時変化度合いが所定レベルに達すると、UEGOセンサの経時変化度合いに相当する補正量に基づく空燃比の調整動作を禁止するよう構成されている。経時変化度合いが著しく大きくなった場合には、既にそのUEGOセンサの検出精度は信頼性のないものである可能性が高い。この場合、経時変化度合いによる空燃比制御の信頼性も確保できていない可能性がある。従って、この場合には他の手法によって空燃比制御を行うべく、経時変化度合いによる空燃比の調整動作を禁止するようにしている。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の各実施形態では、本発明をGHP用のガスエンジンに適用した場合について説明する。
【0048】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態について説明する。
【0049】
−ガスエンジンの全体構成の説明−
図1は本実施形態に係るガスエンジン全体の概略構成を示す模式図である。この図1に示すように、本ガスエンジンは、エンジン本体1を構成するシリンダブロック11及びシリンダヘッド12を備えており、このシリンダヘッド12に吸気系2及び排気系3がそれぞれ接続されている。
【0050】
先ず、吸気系2について説明する。この吸気系2の構成としては、吸気管21の上流側から順に、外気温度センサ22、ミキサ23、スロットルバルブ24が備えられている。
【0051】
外気温度センサ22は、図示しないエアクリーナを経て吸気管21に導入される空気(外気)の温度を検出するものである。
【0052】
ミキサ23は、上記吸気管21に導入される空気と、燃料としてのガス(例えば13A等の都市ガス)とを混合して所定空燃比の混合気を生成するものである。尚、使用される燃料としては都市ガスに限らずプロパンガス等の種々のガスが使用可能である。
【0053】
また、このミキサ23にはガス供給管25が接続されている。このガス供給管25には、ゼロガバナ26及び空燃比制御バルブ27が備えられている。ゼロガバナ26はガス供給管25の上流側である一次側の圧力変化及び流量変化に関係なくガス供給管25の下流側である二次側のガス圧力を一定に維持するためのものである。空燃比制御バルブ27は、ステップモータ28により開度調整されてミキサ23へのガス供給量を調節し、これによって燃料ガスと空気との混合比(空燃比)を調整し、この空燃比調整された混合気が燃焼室へ供給されるようになっている。
【0054】
スロットルバルブ24は、燃焼室への混合気の吸気量を調整することによりエンジン回転数及び発生トルクを制御するものである。
【0055】
次に、排気系3について説明する。この排気系3の構成としては、排気管31の上流側から順に、UEGOセンサ(全領域空燃比センサ)32、排気ガス熱交換器33が備えられている。
【0056】
UEGOセンサ32は、上述した如く、混合気のリーン領域からリッチ領域までの広範囲における排気ガス中の空気過剰率を測定することができるものであって、混合気の空燃比を連続的に広範囲に亘って認識することが可能なセンサである。つまり、このUEGOセンサ32は、排気ガス中の酸素濃度に応じた検出信号(電流値)を出力可能となっている。そして、本形態に係る空燃比制御システムは、このUEGOセンサ32によって認識された空燃比に基づき、後述する制御系により空燃比制御バルブ27を開度調整して燃料供給量をフィードバック制御するようになっている。
【0057】
排気ガス熱交換器33は、エンジンの排熱を、空調対象室内を暖房するための熱源として使用するべく、図示しないエンジン冷却水配管が接続されて、排気ガスの熱をエンジン冷却水を介して冷媒に与えるものである。
【0058】
また、多気筒(例えば3気筒)レシプロエンジンとして構成されているエンジン本体1は、図示しないクランク軸と回転一体に配設されたクランク軸端円盤13、図示しないカム軸と回転一体に配設されたカム軸端円盤14をそれぞれ備えている。また、これらの回転を検知するための電磁ピックアップ15,16が配設されている。
【0059】
また、上記クランク軸にはセルモータ17の出力軸が連結されており、このセルモータ17の回転駆動によってクランク軸の回転(クランキング)が行われるようになっている。
【0060】
次に、本ガスエンジンの制御系の構成について説明する。本ガスエンジンは、エンジン制御を統括的に行うコントロールユニット4を備えており、このコントロールユニット4には、上記外気温度センサ22、UEGOセンサ32、電磁ピックアップ15,16の各検出信号が入力されるようになっている。また、このコントロールユニット4には、エンジン負荷信号、GHP装置の外板の開閉を検知する外板開閉スイッチ51の検知信号、リセットスイッチ52のリセット信号等も入力されるようになっている。更に、このコントロールユニット4は、ステップモータ28、セルモータ17へ制御信号を送信するようになっており、この制御信号を受けて、ステップモータ28は空燃比制御バルブ27の開度制御を、セルモータ17はクランキング動作を実行するようになっている。
【0061】
−空燃比制御システムの構成−
次に、本形態の特徴部分である空燃比制御システムの構成について説明する。
図2は本空燃比制御システムの概略構成を示すブロック図である。この図2に示すように、本空燃比制御システムは、上記コントロールユニット4、UEGOセンサ32、λマップ42、ゲイン付与部43を備えている。
【0062】
上記コントロールユニット4は、信号処理部44、ベース開度マップ記憶部45、経時変化特性マップ記憶部46、開度補正信号出力部47を備えている。それぞれについて以下に説明する。
【0063】
信号処理部44は、UEGOセンサ32からの出力信号(電流値)Ip1を受け、その出力信号Ip1に応じた処理信号Ip2を出力する。この処理信号Ip2は、後述する比較器48による比較演算処理が可能な信号形態となるように出力信号Ip1から変換されたものである。ここで、UEGOセンサ32に経時変化が生じている場合には、その経時変化度合いに応じて出力信号Ip1は本来出力すべき出力レベル(新品時の出力レベル)よりも低い値となる。図中のUEGOセンサ32内のゲインは、この経時変化によって出力レベルが低下する場合の低下ゲインを示している。
【0064】
ベース開度マップ記憶部45は、エンジン回転数及びエンジン負荷の各信号を受け、これら信号に基づいて空燃比制御バルブ27の基本開度を決定するものである。つまり、このベース開度マップ記憶部45からの出力信号は、混合気の空燃比を目標値に設定するために予め記憶されたテーブル等に基づいて出力される信号となっている。
【0065】
経時変化特性マップ記憶部46は、本発明でいう特性記憶手段であって、UEGOセンサ32の経時変化特性が予め記憶されている。つまり、図3で既に示したUEGOセンサ32の出力の低下状態(経時変化による出力レベルの低下状態)を経時変化特性として記憶している。尚、この経時変化特性は、予め、UEGOセンサ32の耐久試験を試験室等において行っておくことにより求められている。
【0066】
そして、この経時変化特性マップ記憶部46から読み出される経時変化特性情報は、エンジンの積算運転時間に応じたものとなる。例えばUEGOセンサ32が新品である場合には図3におけるポイントIの経時変化特性情報が読み出される。また、エンジンの積算運転時間が経過すると、例えば図3におけるポイントIIの経時変化特性情報が読み出される。これにより、UEGOセンサ32が新品であったときに比べてどの程度の経時変化が生じているかをマップ上で認識することができる。尚、この経時変化特性マップ記憶部46に記憶される経時変化特性の情報としては、図3で示すマップ情報に代えてテーブル情報であってもよい。
【0067】
開度補正信号出力部47は、混合気の空燃比を目標値に設定するための開度補正信号を出力する。具体的には、後述するλマップ42及びゲイン付与部43を経て出力される経時変化レベル信号Ip3(この信号については後述する)と、上記信号処理部44から出力される処理信号Ip2との差に応じて決定される開度補正信号を出力するようになっている。そして、この開度補正信号に基づく開度補正量が上記ベース開度マップ記憶部45からの出力信号(基本開度信号)に対して加算又は減算されることにより空燃比制御バルブ27の開度信号が得られるようにしている。このような動作が行われるため、上記ゲイン付与部43、比較器48、開度補正信号出力部47によって本発明でいう空燃比調整手段が構成されている。
【0068】
上記λマップ42は、空気過剰率の目標値が格納されており、この目標値信号をゲイン付与部43に向けて発信する。
【0069】
ゲイン付与部43は、上記特性記憶部手段46に記憶されているUEGOセンサ32の経時変化特性情報から現在の経時変化度合いを読み出し、この経時変化度合いに応じた経時変化レベル信号Ip3を生成し、これを比較器48に発信するようになっている。つまり、このゲイン付与部43では、上記経時変化特性情報を取得することで、上記UEGOセンサ32内のゲイン(経時変化により生じているゲイン)と同等のゲインを目標値信号に与え、この信号を比較器48に発信するようになっている。例えば、排気管31内の空気過剰率が目標値に達しているとき(混合気の空燃比が目標値に一致しているとき)には、ゲイン付与部43から出力される経時変化レベル信号Ip3のレベルとUEGOセンサ32から出力される出力信号IP1のレベルとが一致するようになっている。
【0070】
上記比較器48では、上記信号処理部44からの処理信号Ip2と、ゲイン付与部43において生成された経時変化レベル信号Ip3とが比較され、その差分に相当する補正信号を開度補正信号出力部47に向けて送信するようになっている。
【0071】
そして、上述した如く、この補正信号を受けた開度補正信号出力部47からの開度補正信号に基づく開度補正量によって上記ベース開度マップ記憶部45からの出力信号(基本開度信号)が補正されることにより、開度信号がステップモータ28に出力されるようになっている。これにより、空燃比制御バルブ27の開度を調整するための開度信号が適切に得られ、混合気の空燃比が目標値に設定されることになる。
【0072】
−空燃比制御動作の説明−
以下、本空燃比制御システムによる空燃比制御動作について具体的な数値を掲げて説明する。
【0073】
ここでは、都市ガスの理論空燃比(約11:1)を「1」とした場合に空燃比の目標値を「1.6」、つまり空燃比約18:1を目標とするリーンバーン運転を行うエンジンに本空燃比制御システムを適用した場合について説明する。
【0074】
また、以下の動作説明では、理解を容易にするために、UEGOセンサ32に経時変化が生じていない新品のときに排気管31内の実際の空燃比が目標値の「1.6」である際の空気過剰率を「1.6」として表し、このときのセンサ出力レベルも「1.6」として表す。つまり、UEGOセンサ32に経時変化が生じている場合には、排気管31内の実際の空気過剰率が目標値の「1.6」であったとしてもセンサ出力レベルは「1.4」などの低い値となる。
【0075】
先ず、UEGOセンサ32に経時変化が生じていない新品である場合について説明する。今、排気管31内の実際の空気過剰率が「1.6」となっていると仮定する。このとき、UEGOセンサ32が新品であるので、センサ出力レベルは「1.6」であり、空気過剰率が「1.6」であると正確に認識される。そして、経時変化特性マップ記憶部46からは、UEGOセンサ32が新品であるときの経時変化特性情報(図3におけるポイントIの情報)がゲイン付与部43に読み出される。ここで読み出される経時変化特性情報により、このゲイン付与部43から出力される経時変化レベル信号Ip3は「1.6」となる。つまり、比較器48に入力される各信号(Ip2,Ip3)には差がないことになる。このため、比較器48からは補正値「0」の補正信号が開度補正信号出力部47に向けて送信される。このため、現在の空燃比は目標値に一致しているとして、空燃比制御バルブ27の開度を変更せず、現在の燃料供給量が維持される。
【0076】
次に、UEGOセンサ32に経時変化が生じている場合について説明する。UEGOセンサ32が経時変化しているときには、排気管中31の実際の空燃比が目標値の「1.6」であるにも拘わらずセンサ出力レベルとしては「1.4」などの低い値となる。このため、信号処理部44からの処理信号Ip2も、この「1.4」に相当したレベルとなる。このとき、経時変化特性マップ記憶部46からは、UEGOセンサ32が経時変化しているときの経時変化特性情報(図3における例えばポイントIIの情報)がゲイン付与部43に読み出される。ここで読み出される経時変化特性情報は、エンジンの積算運転時間に対応したものであり、その値は「1.4」である。つまり、経時変化特性情報により、UEGOセンサ32のセンサ出力レベルが「1.4」であるときに、排気管31内の実際の空気過剰率が目標値「1.6」となっているとされる。このように、ゲイン付与部43から出力される経時変化レベル信号Ip3は「1.4」となるため、この場合にも比較器48に入力される各信号(Ip2,Ip3)には差がないことになる。従って、比較器48からは補正値「0」の補正信号が開度補正信号出力部47に向けて送信される。このため、現在の空燃比は目標値に一致しているとして、空燃比制御バルブ27の開度を変更せず、現在の燃料供給量が維持される。
【0077】
次に、UEGOセンサ32に経時変化が生じている場合であって、現在の空燃比が目標値からずれている場合の動作について説明する。ここでは、上述した如く、排気管31内の実際の空気過剰率が目標値「1.6」となっているときにUEGOセンサ32のセンサ出力レベルが「1.4」となる経時変化が生じている場合において、排気管31内の実際の空気過剰率が目標値からずれているためにUEGOセンサ32のセンサ出力レベルが「1.5」となっている状況での空燃比制御動作について説明する。
【0078】
このようにUEGOセンサ32のセンサ出力レベルが「1.5」となっている状況では、信号処理部44からの処理信号Ip2も、この「1.5」に相当したレベルとなる。このとき、経時変化特性マップ記憶部46からは、UEGOセンサ32が経時変化しているときの経時変化特性情報がゲイン付与部43に読み出される。ここで読み出される経時変化特性情報は、エンジンの積算運転時間に対応したものであり、その値は「1.4」である。つまり、排気管31内の実際の空気過剰率が目標値「1.6」となっているときにはUEGOセンサ32のセンサ出力レベルは「1.4」となるべき状況であるといった情報が読み出される。
このため、比較器48に入力される各信号(Ip2,Ip3)には差が生じており、UEGOセンサ32のセンサ出力レベルの方が「0.1」だけ大きくなっている。本来、排気管31内の実際の空気過剰率が目標値「1.6」となっているときにはUEGOセンサ32のセンサ出力レベルは「1.4」であるはずなので、このセンサ出力レベルが「1.5」であるということは空気過剰率が高すぎることを示している。この場合、比較器48からは補正値「−0.1」の補正信号が開度補正信号出力部47に向けて送信される。このため、この補正値「−0.1」の開度補正量で上記ベース開度マップ記憶部45からの出力信号(基本開度信号)が補正(上記0.1分だけ減算)されることにより空燃比制御バルブ27の開度信号が得られる。この場合、空気過剰率を上記「0.1」に相当する分だけ低くするために空燃比制御バルブ27の開度を大きくして燃料供給量を増大させることになる。
【0079】
以上説明したように、本形態では、UEGOセンサ32の経時変化度合いを考慮し、このUEGOセンサ32の出力レベルが経時変化によってどの程度低下しているのかを認識しながら空燃比制御バルブ27の開度信号を適切に得ることができる。このため、高精度の空燃比制御を長期間に亘って安定的に維持することが可能である。
【0080】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、経時変化特性マップによってUEGOセンサ32の経時変化度合いを認識するようにしていた。本形態では、それに代えて、大気雰囲気中でUEGOセンサ32をセンシング動作させる大気校正動作によってUEGOセンサ32の経時変化度合いを測定するものである。この大気校正動作を実行するための構成及びその動作以外は上述した第1実施形態のものと同様であるので、ここでは第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0081】
図5は、本実施形態に係る空燃比制御システムの概略構成を示すブロック図である。この図5に示すように、本空燃比制御システムは、コントロールユニット4、UEGOセンサ32、λマップ42、ゲイン付与部43を備えている。尚、上記第1実施形態のものと共通する部分については同符号を付してその説明を省略する。
【0082】
上記第1実施形態のものに対する本第2実施形態の差異としては、コントロールユニット4に備えられていた経時変化特性マップ記憶部46に代えて大気校正値記憶部49が備えられている点、校正値測定部60が備えられている点が掲げられる。
【0083】
この大気校正値記憶部49は、後述するように定期的に実行されるUEGOセンサ32の大気校正動作により得られた校正値を記録更新していくものであって、空燃比制御動作においては、この校正値がゲイン付与部43に与えられるようになっている。つまり、この大気校正値記憶部49から取得された校正値に基づいてゲイン付与部43が経時変化レベル信号Ip3を出力し、この経時変化レベル信号Ip3と、信号処理部44からの処理信号Ip2とが比較器48において比較され、上記第1実施形態の場合と同様の動作によって混合気の空燃比が制御されるようになっている。
【0084】
尚、上記大気校正値記憶部49は、本発明でいう校正記憶手段に相当しEEPROMで構成されている。このため、メンテナンス動作などによってGHPのメインスイッチがOFFされた場合であっても上記校正値は記憶され続けるため、その後にメインスイッチがONされてエンジンの運転が再開された際にはその記憶された補正量(校正値)に基づいて空燃比制御を正確に行うことができる。つまり、メインスイッチがONされた際に大気校正動作を再度実行する必要がなく、エンジンの再起動を迅速に行うことができるようにしている。
【0085】
また、上記校正値測定部60は、本発明でいう測定手段に相当し、大気校正動作を実行することによって、その実行時のUEGOセンサ32の経時変化度合いを測定するものである。つまり、この校正値測定部60によって大気校正動作が実行され、その結果として得られた校正値が大気校正値記憶部49に入力され、この大気校正値記憶部49において校正値を記録更新されていく。
【0086】
以下、この校正値測定部60により実行される大気校正動作及びこの校正値測定部60の機能について説明する。
【0087】
<大気校正動作実行機能>
校正値測定部60は、大気校正動作を実行する際に、以下の動作をエンジンに実行させる。つまり、ステップモータ28を駆動して空燃比制御バルブ27を全閉状態にして燃料供給を禁止した状態で、セルモータ17への通電を行ってエンジンのクランキング動作を行わせる。これにより、排気管31内に大気を導入して大気校正動作を実行する。
【0088】
より詳しくは、エンジンのクランキング動作を複数回間欠的に実行し、最終回のクランキング動作の終了時点でUEGOセンサ32をセンシング動作させることによって大気校正動作を実行する。具体的には、1回当たり10secのクランキングを3回に亘って間欠的に行い、この3回目のクランキング動作の終了時点でUEGOセンサ32をセンシング動作させることによって大気校正動作を実行する。
【0089】
図6は、このクランキング動作時におけるUEGOセンサ32の出力レベルの変化状態を示している。3回目のクランキング動作の終了時点ではUEGOセンサ32出力レベルは略安定状態にあり、排気管31内は大気で満たされた状態となっていることが判る。この時のセンサ出力レベルを認識することで現時点でのUEGOセンサ32の経時変化度合いを測定することができる。つまり、このときのセンサ出力レベルと、UEGOセンサ32が新品であるときのセンサ出力レベルとを比較することでUEGOセンサ32の経時変化度合いを測定することができる。
【0090】
このように、本形態では、エンジンのクランキング動作によって排気管31内に大気を導入して大気校正動作を実行するようにしているため、UEGOセンサ32を大気雰囲気中に置くための特別な手段は必要ない。つまり、排気管31内に外気を取り入れるための特別な導入路を設けたり、この導入路を開閉するための弁手段やその駆動源を設けたり、この導入路に大気を導入するためのブロワ等の大気圧送手段を設けておく必要が無く、エンジン既存の手段でUEGOセンサ32を大気雰囲気中に晒すことができる。このため、空燃比制御システムの部品点数の大幅な増大や大型化を招くことなしに大気校正動作を実現することが可能であり、本空燃比制御システムの実用性の向上を図ることができる。
【0091】
また、上述の如くクランキング動作によって大気校正動作を実行する場合、排気管31内の排気ガスを全て排出してこの排気管31内を大気で満たすためには、排気系の構成やガスエンジンの大きさなどによって異なるが、一般的には30秒程度のクランキング動作が必要になる。このとき、この30秒間連続してセルモータ17を駆動させたのではセルモータ17に掛かる負荷が過大となり、セルモータ17の焼損等が懸念され耐久性が損なわれてしまう可能性がある。
【0092】
このため、本実施形態では、上述の如くクランキング動作を複数回間欠的に実行し、最終回のクランキング動作の終了時点で大気校正動作を実行するようにしている。これによれば、セルモータ17に対して長時間連続的に通電されるといった状況を回避でき、その長寿命化を維持することが可能になる。上述した如く1回当たり10secのクランキングを3回に亘って間欠的に行った場合には、30秒間連続してクランキングを行う場合に比べてセルモータ17に掛かる負荷が大幅に軽減でき、それでいて排気管31内を大気で十分に満たすことができる。尚、この1回当たりクランキング時間及びクランキング回数はこれに限るものではなく、1回当たり6secのクランキングを5回に亘って間欠的に行うなど任意に設定可能である。
【0093】
<大気校正動作頻度調整機能>
また、校正値測定部60は大気校正動作頻度調整機能を備えている。この機能は、エンジンの積算運転時間に応じて大気校正動作の実行間隔を変更していく機能である。つまり、大気校正動作の実行頻度として、UEGOセンサ32の新品時から所定時間経過までの間の頻度よりも、その所定時間経過した以後の頻度の方が低く設定されるようにしている。具体的には、UEGOセンサ32の新品時から1000時間経過までは100時間毎に大気校正動作を実行し、この1000時間経過後は500時間毎に大気校正動作を実行するようになっている。その理由について以下に述べる。
【0094】
UEGOセンサ32の経時変化特性は、上述した如く、使用初期時の変化は急激に進み、その後、変化の進行度は緩やかになる(図3参照)。このため、使用初期時にあっては比較的高い頻度で大気校正動作を実行することにより、空燃比が目標値から大幅にずれてしまうといった状況を回避することができる。そして、この所定時間経過後は、変化の進行度は緩やかになるため、大気校正動作の頻度を高くしなくても空燃比が目標値から大幅にずれてしまうといった状況は生じにくくなる。このため、この所定時間経過後は、大気校正動作の頻度を低く設定している。これにより、必要最小限の頻度で大気校正動作を実行し、且つ空燃比が目標値から大幅にずれてしまうといった状況を回避することができることになる。このように大気校正動作の頻度を変更していくことにより、セルモータ17の使用頻度を低下させることができ、これによってもセルモータ17の長寿命化を維持することができる。
【0095】
この大気校正動作の実行頻度の切換動作は上述した時間に限るものではないが、空燃比が目標値から大幅にずれてしまうといった状況が回避できる程度の頻度に設定する必要がある。また、大気校正動作の頻度の切り換えは2段階に限らず3段階以上であってもよい。
【0096】
更に、校正値測定部60は、大気校正動作を、エンジンの停止直後に実行するようにしている。図7は、この大気校正動作が実行させる際のタイミングチャートを示している。このタイミングチャートは、上段から順に、大気校正動作実行タイミング、エンジンの運転/停止の切り換えタイミング、GHPの室内機のサーモON/全室内機のサーモOFF切り換えタイミング、大気校正FG(フラグ)を示している。
【0097】
今、エンジン運転中にその積算運転時間が大気校正動作実行タイミングになった場合(UEGOセンサ32の新品時から1000時間経過までにあっては前回の大気校正動作からの積算運転時間が100時間に達した場合、この1000時間経過後にあっては前回の大気校正動作からの積算運転時間が500時間に達した場合)に大気校正FGが「1」となる(図中タイミングT1)。この大気校正FGが「1」となる継続時間は例えば15時間程度に設定される。または、この大気校正FGは大気校正動作が開始されるまで「1」の状態が継続されるようにしてもよい。その後、エンジンが停止され且つ全室内機がサーモOFFされると(図中タイミングT2)、その直後に、空燃比制御バルブ27が全閉とされ且つエンジンがクランキングされて大気校正動作が実行される。実際には、エンジンが停止されてから30sec経過後にクランキング動作が開始されて大気校正動作を実行すことになる。
【0098】
このようにエンジンの停止直後に大気校正動作を実行する理由について以下に述べる。
【0099】
エンジンの停止後であって排気管31内が常温程度まで温度降下した場合、この排気管31内に存在していた水分(水蒸気)が結露する。一方、大気校正動作時にはUEGOセンサ32を活性化させるために図示しないヒータによってセンシング部分が700℃程度まで加熱される。このため、排気管31内が常温程度まで温度降下した際に大気校正動作を実行したのでは、排気管31内で結露した水滴が高温のセンシング部分に飛散し、このセンシング部分に割れなどの破損が生じる可能性がある。この点に鑑み、本実施形態では、大気校正動作をエンジンの停止直後に実行している。つまり、エンジンの停止直後にあっても上記UEGOセンサ32のヒータには通電しておき、センシング部分を加熱したまま大気校正動作を実行する。これによれば、排気管31内が常温程度まで温度降下する前に、つまり、排気管31内に結露が発生する前に大気校正動作を完了することができるため、上記水滴の飛散によるセンシング部分の破損を回避することができ、システムの信頼性の向上を図ることができる。
【0100】
<大気校正値演算機能>
校正値測定部60における大気校正値演算動作は以下のようにして行われる。つまり、大気校正動作時、UEGOセンサ32の複数のセンサ出力値を取得して移動平均処理を行い、その結果によりUEGOセンサ32の経時変化度合いを決定してそれを現時点での校正値として設定し、その情報を大気校正値記憶部49に記憶させる。
【0101】
図8は、UEGOセンサ32の出力レベルを示すグラフであり、図中のAはセンサ出力レベルの生データ、図中のBは出力レベルの16ポイントの荷重平均、図中のCは出力レベルの32ポイントの荷重平均、図中のDは出力レベルの16ポイントの移動平均をそれぞれ示している。また、図9は、図8に示すグラフの一部分を拡大して示すものである。
【0102】
上述した如くクランキング動作によって大気校正動作を実行する場合、排気管31内には空気の脈動が生じている。つまり、この脈動の影響を受けてUEGOセンサ32のセンサ出力値はある程度の幅をもって変動している(図8及び図9のA参照)。このため、ある一点のセンサ出力値のみをもってUEGOセンサ32の経時変化度合いを決定したのでは、正確な経時変化度合いが得られているかどうかの信頼性が低い。このため、複数のセンサ出力値に対して移動平均処理を行い、その結果によりUEGOセンサ32の経時変化度合いを決定している。これによれば、上記脈動の影響を殆ど受けない正確な経時変化度合いを得ることができる。また、この移動平均処理に使用するサンプリング数及びサンプリング間隔としては、上記脈動の影響を殆ど受けることなく且つ応答性を損なわないレベルに設定される。具体的には、例えば20ms毎に16ポイントのサンプリング(センサ出力値の取得)を行って、これらを移動平均処理することなどが掲げられる。尚、複数のセンサ出力値に対して荷重平均処理を行うことも可能であるが、図8及び図9からも判るように、移動平均処理の方が少ないサンプリング数で確実に平均化することが可能である。
【0103】
以下の表1は、16回荷重平均、32回荷重平均、16区間移動平均の計算一般式を示しており、図10はそれぞれにおいて得られた標準偏差を比較したグラフである。
【0104】
【表1】
Figure 2004150379
【0105】
<大気校正タイミング設定機能>
更に、校正値測定部60は大気校正タイミング設定機能を備えている。この機能は、大気校正動作を実行するタイミングとして、エンジン据え付け後の通常運転中の実行(上述した如く積算運転時間が所定時間に達する度の大気校正動作の実行)以外に、エンジン出荷前の試運転時や、エンジン据え付け後の試運転時にも実行するものである。
【0106】
エンジン出荷前の試運転時に大気校正動作を実行した場合、UEGOセンサ製作時における種々の要因で生じているセンサの個体差の影響を無くすことができる。つまり、試運転時にこの個体差に起因するセンサ出力レベルのバラツキを補正した値を基準としてUEGOセンサ32の経時変化度合いを測定していくことになるため、UEGOセンサ32の初期の個体バラツキが解消された状態での空燃比制御を行うことができる。
【0107】
また、エンジン据え付け後の試運転時に大気校正動作を実行した場合には、エンジンの据え付け機場の高度(標高)に応じて変動するセンサ出力レベルを補正した値を基準としてUEGOセンサ32の経時変化度合いを測定していくことになるため、高度の影響による誤認識を回避でき、据え付け機場の高度に拘わりなく常に実際の酸素濃度に対応した空燃比制御を実行することができる。
【0108】
以上説明したように、本形態では定期的に大気校正動作を実行してUEGOセンサ32の経時変化度合いを測定しながら空燃比制御動作を行っているため、新品時からの出力レベルの低下割合を正確に認識することが可能であり、空燃比を高い精度で長期間に亘って安定的に目標空燃比に維持することが可能になる。
【0109】
尚、この第2実施形態の構成は上述した第1実施形態のものと組み合わせることも可能である。つまり、第1実施形態のように、経時変化特性マップ記憶部46を備えさせ、これに図3に示したようなUEGOセンサ32の経時変化特性を予め記憶させておく一方で、定期的に大気校正動作を実行することによってこの経時変化特性を補正(図3の特性ラインを変更)していきながら実際の空気過剰率を求めていくものである。これによれば、実際の空燃比が目標値から外れている状況が継続したことが原因でUEGOセンサ32の経時変化の進行度合いが変化した場合であってもそれに追従してUEGOセンサ32の経時変化度合いを正確に且つ連続的に認識することが可能になる。
【0110】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態は、更なる高精度の空燃比制御を実現するための変形例である。図11は、本実施形態に係る空燃比制御システムの概略構成を示すブロック図である。本実施形態においても、上記第1実施形態のものと共通する部分については同符号を付してその説明を省略する。
【0111】
本形態に係る空燃比制御システムは、湿度センサ71及び大気圧センサ72を備えており、これらセンサ71,72の検出信号がコントロールユニット4内の信号処理部44に入力されるようになっている。つまり、空燃比制御動作時には、エンジン据え付け環境の絶対湿度及び大気圧力を各センサ71,72によって検出し、それに応じてUEGOセンサ32の出力信号Ip1を補正して処理信号Ip2を生成するようになっている。
【0112】
以下、具体的に説明する。エンジン据え付け環境の絶対湿度や大気圧力の影響によってUEGOセンサ32の出力レベルは変動し、実際の酸素濃度に応じた適切な空燃比制御が行えない可能性がある。例えば、図12に示すように絶対湿度が高いほどセンサ出力レベルは低くなりやすい傾向があり、図13に示すように大気圧力が高いほどセンサ出力レベルは高くなりやすい傾向がある。これらの環境の影響を受けることなく、経時的な要因(経時変化)のみによるセンサ出力レベルの低下割合を正確に認識するべく、絶対湿度や大気圧力の検出値に応じてセンサ出力レベルを補正するようにしている。つまり、絶対湿度が高いほど出力信号Ip1を高くする補正を行って処理信号Ip2を生成する一方、大気圧力が高いほど出力信号Ip1を低くする補正を行って処理信号Ip2を生成することになる。
【0113】
また、上記湿度センサによる絶対湿度の検出に代えて、エンジン据え付け環境の外気温度を温度センサによって検出する構成としてもよい。
【0114】
エンジン据え付け環境の外気温度の変化はセンサ出力レベルを大きく変動させるものではないが、この外気温度を検出することによってエンジン据え付け環境の絶対湿度を推定することができる。特に、日本の気候のように季節によって温度と湿度の間に相関関係がある環境下にあっては、外気温度を検出することで絶対湿度を比較的高い精度で推定することが可能である。また、一般に湿度センサに比べて温度センサの方が検出精度が高いので、湿度センサを用いて絶対湿度を直接検出するよりも、温度センサによって外気温度を検出しそれに基づいて絶対湿度を推定する方が精度が高いことが考えられる。このため、本実施形態では、外気温度の検出値に応じてセンサ出力値を補正するようにしている。
【0115】
(その他の実施形態)
次に、上述した各実施形態に対して適用可能なその他の構成について説明する。
【0116】
<大気校正動作禁止のための構成>
エンジンのメンテナンス時に大気校正動作の実行を禁止するための禁止手段が備えられている。具体的には、GHP装置の外板の開閉を検知するために設けられた上記外板開閉スイッチ51の出力信号に応じて、大気校正動作の実行の禁止及び許可を切り換えるようにしている。
【0117】
そして、外板開閉スイッチ51の出力信号により装置外板が開放されていると判断されるときにはメンテナンス動作が行われていると認識して大気校正動作の実行を禁止するようにしている。通常のメンテナンス動作はメインスイッチがOFFされた状態で行われるので不用意なクランキングが実行されることはないが、本実施形態によればメンテナンスマンがこのメインスイッチのOFF操作を忘れた場合であってもメンテナンス中に大気校正動作が実行されることはなく、不用意なクランキングが回避できてメンテナンス動作に支障を来すことがなくなり、メンテナンス作業の作業を効率良く行うことができる。
【0118】
<校正値クリアのための構成>
更に、UEGOセンサ32の交換後には、それまでの経時変化度合いに相当する補正量をクリアするよう構成されている。つまり、上記大気校正値記憶部49に記憶されていた校正値を削除する構成である。この校正値を削除動作は、UEGOセンサ32の交換後にメンテナンスマンが上記リセットスイッチ52を押すことによって実行される。または、UEGOセンサ32の交換を自動認識できる構成を採用した場合には、この校正値の削除動作も自動で行われることになる。
【0119】
このように、それまでの校正値の情報を削除し、新規に大気校正動作を実行することで新たなUEGOセンサ32に適合した正確な空燃比制御を実行することができる。
【0120】
<センサによる空燃比制御動作禁止のための構成>
また、経時変化度合いが所定レベルに達すると、UEGOセンサの経時変化度合いに相当する補正量に基づく空燃比の調整動作を禁止するよう構成されている。例えば、経時変化度合いが新品であるときの4割程度に達した場合、つまり、本来出力すべきセンサ出力レベルの6割程度しか出力レベルが得られなくなった場合には、既にそのUEGOセンサ32の検出精度は信頼性のないものである可能性が高い。この場合、経時変化度合いによる空燃比制御の信頼性も確保できていない可能性がある。従って、この場合には、上記ベース開度マップ記憶部45から出力される基本開度信号のみに基づいて(この基本開度信号を補正することなく)空燃比制御を行うことができるようにしている。
【0121】
この動作を実現するための具体構成としては、例えば開度補正信号出力部47の出力側に開閉スイッチを備えさせておき、この開閉スイッチをOFFすることで開度補正信号の出力を禁止するなどといったことが掲げられる。
【0122】
(実験例)
次に、上述の如く大気校正動作を実行することでUEGOセンサの経時変化度合いを測定しながら空燃比制御を行った場合の実験例について説明する。
【0123】
本実験では、UEGOセンサが新品である場合(センサ出力が変化しておらず本来の100%の出力レベルが得られている場合)、UEGOセンサが僅かに経時変化(10%変化)している場合(センサ出力として本来の90%の出力レベルが得られている場合)、UEGOセンサが大きく経時変化(29%変化)している場合(センサ出力として本来の71%の出力レベルしか得られていない場合)のそれぞれについて、センサ出力レベルの目標値を変更させながら、そのときの空燃比制御バルブの開度を計測した。ここで、センサ出力レベルの目標値を変更させるということは、空燃比の目標値を変更したことに相当する。
【0124】
図14(a)〜(c)は、それぞれの実験結果を示す。図14(a)はUEGOセンサが新品である場合の実験結果である。図14(b)はUEGOセンサが10%変化している場合の実験結果である。図14(c)はUEGOセンサが29%変化している場合の実験結果である。各図における上段は、センサ出力レベルであり、破線が目標値、実線が実測値である。目標値を途中で変更することでセンサ出力レベル及び空燃比制御バルブの応答性を確認できるようにしている。
【0125】
尚、UEGOセンサの経時変化度合いが大きくなるに従って、センサ出力レベルの目標値も低下させている。つまり、図14(a)における目標値に比べて図14(b)における目標値の方が低く設定され、図14(b)における目標値に比べて図14(c)における目標値の方が低く設定されている。これは、UEGOセンサの経時変化が進むに伴い、目標空燃比を達成するためのセンサ出力レベルが次第に低下していくことに対応させるためである。
【0126】
また、各図における下段は、空燃比制御バルブの開度を示している。
【0127】
これら実験結果から明らかなように、UEGOセンサが経時変化していったとしても空燃比制御バルブの開度は目標開度に略維持されている。つまり、UEGOセンサの経時変化の影響を受けることなく、空燃比が目標値に維持されていることが判る。
【0128】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、UEGOセンサの経時変化度合いを予め認識しておくか、または定期的にその経時変化度合いを測定することにより、UEGOセンサの経時変化に伴う出力レベルの変動を認識しておき、それを考慮して排気ガス中の酸素濃度を認識している。このため、UEGOセンサの経時変化度合いに拘わりなく常に実際の酸素濃度に対応した空燃比制御を実行することができ、高精度の空燃比制御を長期間に亘って安定的に維持することが可能になる。その結果、空燃比が目標値から大きくリーン側に移行してしまって空燃比が失火限界に達してエンジンの運転が継続できなくなってしまったり、空燃比が目標値から大きくリッチ側に移行してしまってNOxの発生量が著しく多くなってしまうといった状況を回避することができる。
【0129】
また、UEGOセンサの大気校正動作をエンジンのクランキングによって実行するようにした場合において、エンジンのクランキング動作を複数回間欠的に実行するようにしたり、UEGOセンサ新品時から所定時間経過した以後の頻度を低く設定するようにした場合には、セルモータの負荷を軽減することができて、その長寿命化を維持することが可能となる。
【0130】
また、大気校正動作をエンジンの停止直後に実行するようにした場合には、排気経路内に結露が発生する前に大気校正動作を完了することができるため、水滴の飛散によるUEGOセンサの破損を回避することができ、システムの信頼性の向上及びUEGOセンサの交換頻度の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るガスエンジン全体の概略構成を示す模式図である。
【図2】第1実施形態に係る空燃比制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】UEGOセンサの経時変化特性を説明するための図である。
【図4】空気過剰率とUEGOセンサのセンサ出力との関係を示す図である。
【図5】第2実施形態に係る空燃比制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図6】クランキング回数とUEGOセンサの出力レベルとの関係を示す図である。
【図7】大気校正動作が実行させる際のタイミングチャートを示す図である。
【図8】UEGOセンサの出力レベルデータ及び複数データを平均化処理した値をグラフ化した図である。
【図9】図8に示すグラフの一部分を拡大して示す図である。
【図10】データ平均化処理として、16回荷重平均、32回荷重平均、16区間移動平均それぞれにおいて得られた標準偏差をグラフ化した図である。
【図11】第3実施形態に係る空燃比制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図12】絶対湿度とUEGOセンサの出力レベルとの関係を示す図である。
【図13】大気圧力とUEGOセンサの出力レベルとの関係を示す図である。
【図14】実験例におけるセンサ出力レベル及び空燃比制御バルブの開度の変化状態を示す図である。
【符号の説明】
43 ゲイン付与部
46 経時変化特性マップ記憶部(特性記憶部)
47 開度補正信号出力部
48 比較器
49 大気校正値記憶部(校正記憶手段)
60 校正値測定部(測定手段)

Claims (15)

  1. 排気ガス中の酸素濃度に応じた検出信号を出力する全領域空燃比センサを備えた空燃比制御システムであって、
    上記全領域空燃比センサの経時変化特性が予め記憶された特性記憶手段と、
    エンジンの積算運転時間に対応する全領域空燃比センサの経時変化度合いを上記特性記憶手段から読み出し、混合気の空燃比が目標空燃比となるように上記経時変化度合いに相当する補正量に基づいて空燃比を調整する空燃比調整手段とを備えていることを特徴とする空燃比制御システム。
  2. 排気ガス中の酸素濃度に応じた検出信号を出力する全領域空燃比センサを備えた空燃比制御システムであって、
    大気雰囲気中で上記全領域空燃比センサをセンシング動作させる大気校正動作を実行することによって、この全領域空燃比センサの経時変化度合いを測定する測定手段と、
    上記測定手段の測定結果を受け、混合気の空燃比が目標空燃比となるように上記経時変化度合いに相当する補正量に基づいて空燃比を調整する空燃比調整手段とを備えていることを特徴とする空燃比制御システム。
  3. 請求項2記載の空燃比制御システムにおいて、
    測定手段は、燃料供給を禁止した状態でエンジンのクランキング動作を行うことで排気経路に大気を導入して大気校正動作を実行するよう構成されていることを特徴とする空燃比制御システム。
  4. 請求項3記載の空燃比制御システムにおいて、
    測定手段は、エンジンのクランキング動作を複数回間欠的に実行し、最終回のクランキング動作の終了時点で全領域空燃比センサをセンシング動作させることによって大気校正動作を実行するよう構成されていることを特徴とする空燃比制御システム。
  5. 請求項2、3または4記載の空燃比制御システムにおいて、測定手段は、大気校正動作の頻度として、全領域空燃比センサの新品時から所定時間経過までの間の頻度よりも、その所定時間経過した以後の頻度の方を低く設定するよう構成されていることを特徴とする空燃比制御システム。
  6. 請求項2〜5のうち何れか一つに記載の空燃比制御システムにおいて、
    測定手段は、大気校正動作を、エンジンの停止直後に実行するよう構成されていることを特徴とする空燃比制御システム。
  7. 請求項2〜6のうち何れか一つに記載の空燃比制御システムにおいて、
    測定手段は、大気校正動作時、全領域空燃比センサの複数のセンサ出力値を取得して移動平均処理を行い、その結果により全領域空燃比センサの経時変化度合いを決定するよう構成されていることを特徴とする空燃比制御システム。
  8. 請求項2〜7のうち何れか一つに記載の空燃比制御システムにおいて、
    測定手段は、エンジン出荷前の試運転時にも大気校正動作を実行するよう構成されていることを特徴とする空燃比制御システム。
  9. 請求項2〜8のうち何れか一つに記載の空燃比制御システムにおいて、
    測定手段は、エンジン据え付け後の試運転時にも大気校正動作を実行するよう構成されていることを特徴とする空燃比制御システム。
  10. 請求項1〜9のうち何れか一つに記載の空燃比制御システムにおいて、
    エンジン据え付け環境の絶対湿度及び大気圧力の少なくとも一方を検出し、その検出値に応じて大気校正時のセンサ出力値を補正して空燃比を調整するよう構成されていることを特徴とする空燃比制御システム。
  11. 請求項1〜10のうち何れか一つに記載の空燃比制御システムにおいて、
    エンジン据え付け環境の外気温度を検出し、その検出値に応じて大気校正時のセンサ出力値を補正して空燃比を調整するよう構成されていることを特徴とする空燃比制御システム。
  12. 請求項2〜11のうち何れか一つに記載の空燃比制御システムにおいて、
    エンジンのメンテナンス時に大気校正動作の実行を禁止する禁止手段が備えられていることを特徴とする空燃比制御システム。
  13. 請求項2〜12のうち何れか一つに記載の空燃比制御システムにおいて、
    大気校正動作が実行された際の経時変化度合いに相当する補正量を記憶しておく校正記憶手段が備えられていることを特徴とする空燃比制御システム。
  14. 請求項2〜13のうち何れか一つに記載の空燃比制御システムにおいて、
    全領域空燃比センサの交換後には、それまでの経時変化度合いに相当する補正量をクリアするよう構成されていることを特徴とする空燃比制御システム。
  15. 請求項2〜13のうち何れか一つに記載の空燃比制御システムにおいて、
    経時変化度合いが所定レベルに達すると、全領域空燃比センサの経時変化度合いに相当する補正量に基づく空燃比の調整動作を禁止するよう構成されていることを特徴とする空燃比制御システム。
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