JP2004149845A - 走行式真空成膜装置 - Google Patents

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英俊 西山
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Abstract

【課題】金属製の円筒体の外周面に絶縁膜、導電膜、表面絶縁膜からなる積層膜を有するとともに真空槽本体1内に配設されたメインロール3を備え、前記積層膜上に走行フィルム7を巻き付けて走行させながらフィルム上に薄膜を成膜させる走行式真空成膜装置において、メインロール3と走行フィルム7との静電吸着効果を利用しながら且つ真空槽本体1内の異常放電発生を防止する。
【解決手段】電圧印加用電源17に接続された固定側摺動ブラシ部16bと、該ブラシ16bと摺動接触する回転側摺動ブラシ部16aとを、真空槽本体1の外に(大気側に)延設したメインロールシャフト20に配設し、前記導電膜に接続された電気配線ケーブル14aと前記摺動ブラシ部16aとを、前記シャフト20内であり且つシャフト20内の冷却媒体流路と干渉しないよう電気導入ポート15bを介して接続する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロールの外周面にフィルムを密着させて走行させながら、真空中にて連続的に成膜を行う走行式真空成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の産業にて重要な役割を担っている磁気記録テープ、あるいはARフィルム、ITO(インジウムと錫の酸化物)フィルムなどディスプレイ関連、コンデンサ関連の製造過程において、薄膜フィルムを巻取走行させながら真空中にて連続的に成膜する走行式真空成膜方式は、それらの成膜プロセスが減圧雰囲気を必要とすることからも、バッチ式成膜方式に比べ非常に生産効率の高い手法として取り扱われている。
【0003】
成膜プロセスとして代表的な方法として蒸着、イオンプレーティング、スパッタ、プラズマCVD法など挙げられが、成膜による熱負荷が大きくなると基板に熱的ダメージ、あるいは膜質変化を及ぼす場合がある。また、通常、高分子製のフィルムは表面電荷が不均一で、接触面との表面電荷による電気的な引力、斥力が不均一となり、局所的な熱ダメージあるいは膜質変化が発生する傾向がある。
【0004】
走行式真空成膜装置においては、基板となるフィルム上に走行と同時に成膜を行うが、フィルムへの熱負荷低減のためには、冷却したローラー上にフィルムを均一に接触走行させる手法を取らなければいけない。しかし熱負荷低減のための冷却効果が不十分な場合があり、さらに冷却効果を向上させるためには、(1)メインロール自体の冷却能力を向上させて、成膜部全体からの熱量を多く取り除く方法、あるいは、(2)メインロールとフィルムの密着状態を均一に向上させる、すなわち、物理的な密着力向上あるいは接触面の表面性向上によるフィルムとメインロール間の熱伝達率を向上させ、熱の移動をスムーズにする方法とが考えられる。
【0005】
メインロールを冷却する方法として、一般的に、冷媒をメインロール内部に循環させ得られた熱量を、外部冷凍機と熱交換する方法を取るが、前記(1)の冷却能力を向上させる方法においては、これら冷凍機の設備としての変更が大きく、別途課題と設備コスト、ランニングコストの上昇が挙げられてくる。
【0006】
前記(2)の熱伝達率を向上させる方法としては、接触面の表面性についてはメインロール表面を通常、研磨処理レベルまで高めており、表面性向上だけによる熱伝達率向上は限界に近く、密着力向上を合わせて行わなければ有効な効果が得られない。密着力向上の方法としてはフィルムの走行張力の増加によるメインロールへの押し付け接触力向上がまず挙げられる。
【0007】
しかし走行張力の増加はフィルムの伸長を意味し、それにより、膜ごとの内部応力の相互つりあいから生じるフィルムの反り、あるいは磁気記録テープにおいては記録トラックの形状に悪影響を与え、走行張力はできる限り少なくしていかなくてはならない。
【0008】
走行張力による押し付け接触力以外に、メインロールとフィルムの密着力を向上させる方法の一つとして、電気的な密着力となる静電吸着効果を利用する方法がある。この効果を利用した製品は数多くあり、走行式真空成膜装置への応用としても例えば特許文献1にて提案されており、具体的な方法、効果について検証済みである。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−336479号公報。
【0010】
本発明も、走行式真空成膜装置へ上記メインロールとフィルムとの静電吸着効果を利用する装置に関するものである。前記特許文献1の一部において、回転体である金属製メインロールの外周面上に内面から順次、絶縁膜、導電膜、絶縁表面膜からなる積層膜を有し、この積層膜上にフィルムを接触走行させる時に、導電膜に電圧印加する手法について記述されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記特許文献1において、導電膜への電圧印加のための回転体への電圧印加には、摺動ブラシ構造のような導電物同士の摩擦接触が伴う。真空中にてこの摺動ブラシ構造による摩擦接触を行うことにより、高電圧部分が真空槽内に露出するため、雰囲気によって異常放電が発生することや、接触回転に伴って摩擦剥離したブラシ形成物が真空槽内に飛散し、品質不良、異常放電発生の問題があった。
【0012】
さらに電界放出を利用した放電プラズマ源を有する成膜装置においては、異常放電が互いに干渉する問題があった。
【0013】
回転体であるメインロール内部への冷媒循環は、メインロールの回転軸のどちらか一端に備わったロータリージョイントを介して行われるが、前記摺動ブラシ部は、真空槽構造によっては(メインロールの回転軸の軸方向一方側に真空槽開閉扉が設けられている構造においては)ロータリージョイント設置側と同一側に設置する必要が生じる場合がある。
【0014】
このとき摺動ブラシ部はメインロールの冷却媒体からの熱伝導にて冷却され、条件によってはブラシ部に結露、霜が発生し、電圧印加のための電気的接触が不安定になる、あるいは電流が漏洩することがあった。
【0015】
摺動ブラシ部分のメカ的、電気的接触安定には、導電性グリースを塗布する方法もあるがブラシ構造物自身が真空槽内にあるため、蒸気圧の高い市販品導電性グリースではすぐに蒸発し、デガス(汚れを含むガス)の原因になっていた。
【0016】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものでその目的は、摺動ブラシ部を真空槽外に設けて真空槽内の異常放電発生を防止することができる走行式真空成膜装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の走行式真空成膜装置は、真空槽内に配設され且つ所定の冷却機構を有したロールであって、外周部に絶縁層、導電層および絶縁層を順次積層して成る積層膜を備え、該積層膜上にフィルムを接触させて走行させるロールと、前記真空槽外に設けられ、前記ロールと同期して回転する回転側摺動ブラシ部と、電圧が印加されるとともに、前記回転側摺動ブラシ部に摺動して電気的に接触する固定側摺動ブラシ部と、前記真空槽外の回転側摺動ブラシ部と前記真空槽内のロールの導電層との電気的接続をとる接続手段とを備えたことを特徴としている。
【0018】
また前記接続手段は、前記真空槽の壁を貫通配設した前記ロールのシャフトに設けられた電気導入ポートを備えていることを特徴としている。
【0019】
また前記ロールのシャフト内には、所定の空隙を介して前記冷却機構としての冷却媒体経路が配設され、前記接続手段は前記空隙を介して電気的接続をとることを特徴としている。
【0020】
また前記ロールのシャフト内には前記冷却機構としての冷却媒体経路が配設され、前記ロールのシャフトの外周には、回転中心に対する同心円上に等間隔で複数の凸部が形成され、前記電気導入ポートは前記複数の凸部のうちいずれか1つに設けられていることを特徴としている。
【0021】
また前記摺動ブラシ部の結露および又は霜の発生を防止する結露・霜発生防止手段を備えていることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態例を説明する。本発明を適用する走行式連続成膜装置としては、真空槽構造により例えば二つの形態が挙げられる。真空槽としては、走行フィルムの幅、及び、成膜源等の付加的機能の大きさから真空槽サイズが、メンテナンス性、必要ポート数から開閉扉位置が各々決まり、その構造として大別すると例外もあるが、図1に示すように、真空槽開閉扉2aがメインロール3の軸方向Aにくる構造のものと、真空槽開閉扉2bがメインロール3の円周方向Bにくる構造とに分けられる。
【0023】
これによって、メインロール3の駆動モーター4と冷却媒体の回転導入部となるロータリージョイント5がメインロールの軸両端にそれぞれ別々に配置できる構造か、あるいは軸の一端で駆動モーター4とロータリージョイント5を複合して配置する構造かという大きなロール構造の違いとなって現れる。
【0024】
本発明としては、これら両方の真空槽構造の場合に適用できるものであり、図2は、本発明を、メインロール3の軸両端に駆動モーター4とロータリージョイント5がそれぞれ別々に配置できる構造(真空槽開閉扉2bがメインロール3の円周方向Bにくる構造)に適用した実施形態例である。また図3は、本発明を、メインロール3の軸の一端で駆動モーター4とロータリージョイント5を複合して配置する構造(真空槽開閉扉2aがメインロール3の軸方向Aにくる構造)に適用した実施形態例である。
【0025】
図2において、真空槽本体1は隔壁板6によって仕切られ、その上段には走行フィルム7の巻出し、巻取り軸8が回転自在に配設されている。真空槽本体1には、金属製の円筒体の外周面に走行フィルム7を巻き付けて走行させながらフィルム上に薄膜を成膜させるメインロール3と、メインロール3の外周面に対向配設される成膜源9(例えばイオンソース)とが設けられている。
【0026】
真空槽本体13内は図示省略の真空ポンプによって、成膜プロセスとして必要な圧力に減圧することができ、成膜源9により走行フィルム7上に成膜することができる。
【0027】
メインロール3は金属製であるが、図4に示すようにその外周表面に少なくとも順次、絶縁膜10、導電膜11、表面絶縁膜12からなる積層膜13を有し、導電膜11は、電気配線ケーブル14a、真空シールを保ち且つ後述のメインロールシャフト20とは絶縁された電気導入ポート15a、電気配線ケーブル14b、回転側摺動ブラシ部16a、固定側摺動ブラシ部16bおよび電気配線ケーブル14cから成る電気回路(接続手段)を介して、電圧印加用電源17に接続されている。
【0028】
前記積層膜13をメインロール3上に必要以上の密着強度を持って形成させるため下地膜18を持たせる場合がある。前記導電膜11は、絶縁膜10によりメインロール3本体金属部とは電気的に絶縁されている。
【0029】
より高い静電吸着効果を得るためには、絶縁膜10はより耐電圧の高い特性の材料が望ましく、表面絶縁膜12は表面仕上げ性が良く、耐電圧が高く、且つ厚みを薄くでき、さらに比誘電率の高い材料が望ましい。導電膜11については、絶縁膜10と表面絶縁膜12との密着性が良く、熱膨張係数の近い金属材料が望ましい。
【0030】
メインロール3のメインロールシャフト20の両端は真空槽本体1の側壁を貫通して大気側に延設され、該シャフトの一端はカップリング21を介して駆動モーター4に連結されている。
【0031】
メインロール3は、その内部がメインロール3を冷却するための冷媒の流路(図示省略)を構成する中空部になっているか、又はジャケット部が設けられている。メインロールシャフト20は、例えば内管と外管の2重管構造の金属製シャフトであって、内管は一端がロータリージョイント5を介して冷凍機22の冷媒媒体配管23aに接続され、他端は中空部又はジャケット部に接続され、中空部又はジャケット部に冷媒を供給する冷媒供給路を構成している。
【0032】
外管と内管の間の環状流路は一端が中空部又はジャケット部に接続され、他端がロータリージョイント5を介して冷凍機22の冷媒媒体配管23bに接続され、中空部又はジャケット部から冷媒を冷凍機22に戻す冷媒戻し流路を構成している。
【0033】
メインロールシャフト20のカップリング21近傍の外周には、絶縁リング24を介して回転側摺動ブラシ部16a(金属リング)が設けられ、該回転側摺動ブラシ部16aには固定(静止)側摺動ブラシ部16b(金属製あるいはカーボン製部品)が押し当てられている。固定側摺動ブラシ部16bは電気配線ケーブル14cを介して電圧印加用電源17に接続されている。
【0034】
駆動モーター4が配設されている側のメインロールシャフト20には、真空シールを保ち且つ前記シャフト20とは絶縁された電気導入ポート15aが、真空槽本体1の内側と外側(大気側)とに設けられている。この電気導入ポート15a−15a間は例えばリード線で接続されている。
【0035】
この真空槽本体1の内側に設けられた電気導入ポート15aは、電気配線ケーブル14aを介してメインロール3の導電膜11に接続されている。また大気側の電気導入ポート15aは電気配線ケーブル14bを介して回転側摺動ブラシ部16aに接続されている。
【0036】
尚図中25は軸受とオイルシール等の真空シールを示している。
【0037】
上記のように構成された装置において、走行フィルム7上に成膜を行うには、まず図示しない真空ポンプによって真空槽本体1内を排気し減圧する。そして冷凍機22を起動して冷媒を冷却し、冷却された冷媒をメインロール3に送って冷却を行う。
【0038】
次にメインロール3を回転させて走行フィルム7を走行させつつ成膜源9から、例えばイオン種を投射して走行フィルム7上に薄膜を成膜する。この成膜時は、電圧印加用電源17から、電気配線ケーブル14c、固定側摺動ブラシ部16b、回転側摺動ブラシ部16a、電気配線ケーブル14b、電気導入ポート15a、該ポート15a−15a間のリード線および電気配線ケーブル14aを介してメインロール3の導電膜11に電圧が印加される。
【0039】
これによってメインロール3の表面に形成された積層膜13上を接触回転する走行フィルム7の誘電率、表面絶縁膜12の誘電率、厚み、印加電圧によって決まる静電吸着力が得られ、メインロール3と走行フィルム7との密着性を静電引力により向上させることができる。
【0040】
これにより走行フィルム7上にて行われる高温成膜プロセスによる熱を、走行フィルム7とメインロール3の界面での熱伝達率低下を少なくし、スムーズにメインロール3の内部冷媒に熱伝達、熱伝導させることができる。その結果としてフィルム7の熱ダメージ、あるいは膜質変化を防ぐことができる。
【0041】
この際、摺動ブラシ部(回転側摺動ブラシ部16aおよび固定側摺動ブラシ部16b)が真空槽本体1の外側(大気側)に配設されているため、真空槽本体1内での異常放電は極めて減少する。
【0042】
尚、メインロールシャフト20内部に形成する電気回路としては、メインロールシャフト20内部に穴を設け、その内部に外部被覆ケーブルを挿入する方法でもよい。このメインロールシャフト20内部に形成される穴の、電気導入ポート15aによるシール位置としては、メインロール冷却による結露防止のため、図2の通り大気側に設置するか、あるいは、真空領域を少しでも狭くしたい場合は、真空槽内部側にも設置して密閉構造にすることが望ましい。
【0043】
次に、本発明を、メインロール3の軸の一端で駆動モーター4とロータリージョイント5を複合して配置する構造(真空槽開閉扉2aがメインロール3の軸方向Aにくる構造)に適用した実施形態例を図3、図5、図6とともに説明する。
【0044】
図3において図2と同一部分は同一符号をもって示している。メインロールシャフト20は片側にのみ真空槽本体1の側壁を貫通して延設されており、該シャフト20の大気側の端部に冷却媒体配管23a,23bおよび冷凍機22が配設され、また、駆動モーター4の駆動力はベルトとプーリー30を介してメインロールシャフト20に伝達されるように構成されている。
【0045】
さらに図3において図2の装置構成と異なる点は、メインロールシャフト20内部に冷却用の冷媒が循環しているため、回転側摺動ブラシ部16aとメインロール3の導電膜11を電気的に結ぶ接続手段(電気導入ポート15bを含む)を、冷媒の通り道と干渉しないように、例えば図5、図6のように構成したことにある。
【0046】
図5においては、冷却媒体経路である二重配管に加え、真空断熱の目的で三重配管とし、該冷却媒体経路の外周の空間部分(真空断熱部)に電気導入ポート15cを介してリード線を通し、真空槽本体1側の電気配線ケーブル14aと大気側の電気配線ケーブル14bを接続している。
【0047】
また図6においては、真空槽本体1の壁の貫通部分におけるメインロールシャフト20の外周に、回転中心に対する同心円上に等間隔で2個(3個以上でも良い)の凸部40a,40bを形成し(そのシャフト部分のみ径を太くする)、一方の凸部40a内に電気導入ポート15dを介してリード線を通し、真空槽本体1側の電気配線ケーブル14aと大気側電気配線ケーブル14bを接続している。
【0048】
前記凸部40a,40bは3個以上設けても良いが、それらを同心円上に等間隔で配置することにより、回転動バランスの狂いを小さくすることができる。
【0049】
尚図5、図6は、メインロールシャフト20および電気導入ポート15c,15dとそれに関連する構成のみを図示している。
【0050】
また、図3、図5、図6の構成の場合、冷媒の循環する経路上に摺動ブラシ部(16a,16b)が配設されるため、該ブラシ部が冷媒冷却の影響を受け、結露あるいは霜が発生することがある。このため本発明では、摺動ブラシ部の周辺をある程度の密閉構造にし、湿度の低いドライエアー、あるいは窒素ガスにてパージする方法をとるか、あるいはヒーターを介した熱風を吹き付けることにより結露、霜発生による接触不安定を防止する機構(結露・霜発生防止手段)を付加している(図示省略)。
【0051】
上記の図3、図5、図6の装置の場合も、図2の装置と同様に、摺動ブラシ部(回転側摺動ブラシ部16aおよび固定側摺動ブラシ部16b)が真空槽本体1の外側(大気側)に配設されているため、真空槽本体1内での異常放電は極めて減少する。
【0052】
また成膜源9が、電界放出を利用した放電プラズマ源である場合に、異常放電が互いに干渉することが極めて少なくなり、安定した放電が得られる。
【0053】
【発明の効果】
(1)以上のように請求項1〜8に記載の発明によれば、摺動ブラシ構造品自体が真空槽内にないので、真空槽内にて高電圧露出部が少なくなり、異常放電が減少する。さらに、摺動ブラシ部より発生していた接触剥離によるゴミが真空槽内に飛散することがなくなり、ゴミを原因とした異常放電、あるいは真空槽内の汚れがなくなった。また真空槽内に設置する部品が減ることにより、デガス(汚れを含むガス)量を少なくすることができる。さらに、装置内の摺動ブラシ部分の状態を容易に観察することができる。
【0054】
また、電界放出を利用した放電プラズマ源を有する成膜装置においては、異常放電が互いに干渉することが少なく、安定した放電が得られるようになった。
(2)また請求項4、8に記載の発明によれば、メインロール回転動バランスの狂いを最小限にすることができる。
(3)また請求項5〜8に記載の発明によれば、大気中に摺動ブラシ構造を置くことにより、真空槽構造によっては結露、霜による電気的接触不安定を生ずることがあるが、ドライエアー、あるいは熱風をパージすることにより解消することができ、さらに摺動部に導電性グリースを、蒸発することを気にすることなく塗布でき、電気的接触を安易に安定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される装置の真空槽の構造を示す要部分解斜視図。
【図2】本発明の一実施形態例の構成図。
【図3】本発明の他の実施形態例の構成図。
【図4】本発明の実施形態例の要部構成図。
【図5】本発明の接続手段の一実施形態例を表し、(a)は要部構成図、(b)は要部断面図。
【図6】本発明の接続手段の他の実施形態例を表し、(a)は要部構成図、(b)は要部断面図。
【符号の説明】
1…真空槽本体、2a,2b…真空槽開閉扉、3…メインロール、…駆動モーター、5…ロータリージョイント、6…隔壁板、7…走行フィルム、8…走行フィルム巻出、巻取軸、9…成膜源、10…絶縁膜、11…導電膜、12…表面絶縁膜、13…積層膜、14a,14b,14c…電気配線ケーブル、15a〜15d…電気導入ポート、16a…回転側摺動ブラシ部、16b…固定側摺動ブラシ部、17…電圧印加用電源、18…下地層、20…メインロールシャフト、21…カップリング、22…冷凍機、23a,23b…冷却媒体配管、24…絶縁リング、25…軸受とオイルシール等真空シール、30…ベルトとプーリー、40a,40b…凸部。

Claims (8)

  1. 真空槽内に配設され且つ所定の冷却機構を有したロールであって、外周部に絶縁層、導電層および絶縁層を順次積層して成る積層膜を備え、該積層膜上にフィルムを接触させて走行させるロールと、
    前記真空槽外に設けられ、前記ロールと同期して回転する回転側摺動ブラシ部と、
    電圧が印加されるとともに、前記回転側摺動ブラシ部に摺動して電気的に接触する固定側摺動ブラシ部と、
    前記真空槽外の回転側摺動ブラシ部と前記真空槽内のロールの導電層との電気的接続をとる接続手段と
    を備えたことを特徴とする走行式真空成膜装置。
  2. 前記接続手段は、前記真空槽の壁を貫通配設した前記ロールのシャフトに設けられた電気導入ポートを備えていることを特徴とする請求項1に記載の走行式真空成膜装置。
  3. 前記ロールのシャフト内には、所定の空隙を介して前記冷却機構としての冷却媒体経路が配設され、
    前記接続手段は前記空隙を介して電気的接続をとることを特徴とする請求項2に記載の走行式真空成膜装置。
  4. 前記ロールのシャフト内には前記冷却機構としての冷却媒体経路が配設され、
    前記ロールのシャフトの外周には、回転中心に対する同心円上に等間隔で複数の凸部が形成され、
    前記電気導入ポートは前記複数の凸部のうちいずれか1つに設けられていることを特徴とする請求項2に記載の走行式真空成膜装置。
  5. 前記摺動ブラシ部の結露および又は霜の発生を防止する結露・霜発生防止手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の走行式真空成膜装置。
  6. 前記摺動ブラシ部の結露および又は霜の発生を防止する結露・霜発生防止手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の走行式真空成膜装置。
  7. 前記摺動ブラシ部の結露および又は霜の発生を防止する結露・霜発生防止手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の走行式真空成膜装置。
  8. 前記摺動ブラシ部の結露および又は霜の発生を防止する結露・霜発生防止手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載の走行式真空成膜装置。
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