JP2004149363A - 活性炭の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、静電容量を低下させることなく、メソフェーズ活性炭を所定粒径まで粉砕することができる活性炭の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は活性炭同士を衝突させることで粉砕する後段粉砕工程を備えたことを特徴とする活性炭の製造方法を提供する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気二重層コンデンサ等に用いられる活性炭の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層コンデンサとは、固体と液体との界面に電荷が蓄えられるという電気二重層の原理を応用している。即ち、正負のイオンを含んだ電解液中に、一対の電極を浸漬し、電気分解が生じない程度の電圧を印加すると、それぞれの電極表面にイオンが吸着されることで充電がなされる。
【0003】
図3に示したように、電気二重層コンデンサは、容器100と、その容器100内に1対の炭素電極101,101と一対の集電体102,102とが収納されており、炭素電極101,101の間の間隔保持、短絡防止、及び、電解液の保持のために炭素電極間には、セパレータ103が介設されている。また、容器100の内部には、イオン導電性の電解液(不図示)が導入されている。
【0004】
電気二重層コンデンサは、イオンの物理的な吸着、離脱を利用して充放電を行うものであるので、化学反応を利用して充放電を行う通常のバッテリに比べて、急速な充放電が可能であり、短時間に大電流の充放電を行うことができる。また、電気二重層コンデンサは、化学反応を利用していないので、寿命が長く、10万回以上の充放電を行うことができる。さらに、化学反応を利用していないので、低温環境下においてもその能力が低下することがない。
【0005】
このような性質を利用して、電気二重層コンデンサは、電子機器のバックアップ電源、電気自動車やハイブリッド車の始動用補助電源として利用されている。
【0006】
ところで、電気二重層コンデンサに用いられる炭素電極101,101としては、活性炭101a,101a・・・とPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のバインダ101bとを混合したものを薄膜状に成形したものが用いられる。活性炭101aは内部に無数の細孔を有しており、比表面積が大きく、多量のイオンを吸着することができるため、電気二重層コンデンサの静電容量を大きくするために好適である。
【0007】
従来、炭素電極101,101用の活性炭101aとしては、一般に難黒鉛性材料を炭化した後に水蒸気賦活を行い、そして活性炭前駆体に細孔を形成したものが用いられることが多かった。
【0008】
しかし、近年、電気二重層コンデンサの静電容量を大きくするという観点から、活性炭101aの原料物質及び賦活方法の見直しが進み、メソフェーズピッチ系炭素物質、コークス、メソカーボン小球体、熱分解気相成長炭素繊維等の易黒鉛性材料(graphitizing carbon)を炭化し、KOH等のアルカリ性溶液と混合して、この混合物を700〜800℃で加熱処理(アルカリ賦活)する、ことで得られる活性炭(メソフェーズ活性炭)101aが脚光を浴びている。
【0009】
電気二重層コンデンサの静電容量をより一層大きくするためには、炭素電極101,101に用いられるメソフェーズ活性炭101aの粒子の粒径を小さくすることが非常に有効である。このようにすることにより、個々のメソフェーズ活性炭101a粒子の表面積が増加し、表面に吸着可能なイオン量が増加するので、電気二重層コンデンサの静電容量が大きくなる。
【0010】
また、メソフェーズ活性炭101a粒子の粒径を小さくすると、電気二重層コンデンサのセパレータ103を薄層化することができ、その分、炭素電極101,101を厚く、つまり、炭素電極101,101に用いられるメソフェーズ活性炭101aを増量することが可能となるので、イオンの吸着量を増やし、電気二重層コンデンサの静電容量を大きくすることができる。
【0011】
即ち、両炭素電極101,101の間に介設されるセパレータ103は、一方の炭素電極101から脱落したメソフェーズ活性炭101a粒子が他方の炭素電極101と接触することを物理的に防止しており、これにより、両炭素電極101,101の間のリークを防いでいる。そのため、セパレータ103の膜厚は、少なくとも、メソフェーズ活性炭101a粒子の粒径よりも厚いことが必要である。このようにすることにより、脱落したメソフェーズ活性炭101a粒子がセパレータ103に喰い込んだとしても、反対側(他方の炭素電極101)に突き抜けないからである(図3参照)。
【0012】
このように、メソフェーズ活性炭101a粒子の粒径を小さくすれば、セパレータ103の膜厚をそれに応じて薄くし、炭素電極101に用いるメソフェーズ活性炭101aを増量することが可能となる。
【0013】
前記したように、炭素電極101,101としてメソフェーズ活性炭101aを用い、その粒径を小さくすれば、電気二重層コンデンサの静電容量を増大することができる。しかし、従来技術ではメソフェーズ活性炭101a粒子の粒径を、ある程度以上に小さくするには困難が伴った。
【0014】
一般的に活性炭は、原料の炭化、賦活を経て製造される。難黒鉛性材料の場合には、水蒸気(又は薬品)賦活後に、ボールミル、カッターミル等により活性炭を粉砕し、粒径を小さくしていた(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0015】
【特許文献1】
特開平5−4054号公報(第1−2頁、第1図)
【特許文献2】
特開平10−70048号公報(第2−3頁)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、メソフェーズ活性炭101aの場合、アルカリ賦活後にボールミル、カッターミル等により粉砕を行うと、粒径は小さくなるものの、得られたメソフェーズ活性炭101aの静電容量が低下するという不具合が発生した。
【0017】
これは、メソフェーズ活性炭101aの場合、アルカリ賦活で形成された細孔が、ボールミルのボール又はカッターミルのカッターとの衝突により、機械的な応力を受けて変形してしまい、その結果、静電容量が低下するものと推測された。
【0018】
そこで、この不具合を解決するために、炭化終了後の活性炭前駆体の段階においてボールミル等で粉砕を行い、その後にアルカリ賦活を行い、メソフェーズ活性炭101aを製造していた。しかし、この活性炭前駆体は、靱性が高いため粉砕され難く、長時間粉砕を行ったとしても、ある一定の粒径(約13μm)未満にまでは小径化することができなかった。
【0019】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、静電容量を低下させることなく、メソフェーズ活性炭を所定粒径まで粉砕することができる活性炭の製造方法を提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記した課題を解決するために次のように構成した。
請求項1に記載の発明は、下記工程:
易黒鉛性材料を炭化して活性炭前駆体を得る炭化工程、
得られた活性炭前駆体を賦活して活性炭を得る賦活工程、及び
得られた活性炭同士を衝突させることで乾式粉砕する後段粉砕工程、
と含むことを特徴とする請求項1に記載の活性炭の製造方法である。
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、メソフェーズピッチ系炭素物質等の易黒鉛性材料に炭化工程、賦活工程を施すことで得られた活性炭(以下、「メソフェーズ活性炭」という)同士を、高速で衝突させることで乾式粉砕してメソフェーズ活性炭粒子を小径化する。メソフェーズ活性炭は、難黒鉛性材料より得られる活性炭より柔らかいため、ボールミルやカッターミルを用いる従来の粉砕方法では、表面に導入された細孔が変形してしまい、メソフェーズ活性炭の静電容量が減少してしまった。
【0022】
これに対して、請求項1の後段粉砕工程では、活性炭粒子に加えられる機械的応力が従来法に比べて減少し、活性炭に形成された細孔の変形を抑制することができる。よって活性炭の静電容量を減少させることなく、活性炭を小径化することができる。
【0023】
なお、本明細書において使用する用語「活性炭前駆体」とは、易黒鉛性材料を炭化することにより得られる物質のこと意味する。
また、本明細書において使用する用語活性炭の「小径化」とは、活性炭の平均粒径を、13μm未満、好ましくは8μm以下にすることを言う。本発明において、粒径の下限は、特に設けていないが、2μm以上であることが製造上の観点から好ましい。
また、ここで「後段粉砕工程」とは、後記する前段粉砕工程の後に行われる粉砕工程のことを示すものとする。
【0024】
請求項2に記載の発明は、前記後段粉砕工程において、前記活性炭同士を衝突させるためにジェットミルを用いることを特徴とする請求項1に記載の活性炭の製造方法である。
請求項2に記載の発明によれば、活性炭を粉砕するために、ジェットミルを用いているので、活性炭同士が衝突することにより活性炭が小径化する。
【0025】
請求項3に記載の発明は、前記炭化工程と前記賦活工程との間に、前記活性炭前駆体を粉砕する前段粉砕工程を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の活性炭の製造方法である。
請求項3に記載の発明によれば、前記炭化工程後の前段粉砕工程において、活性炭前駆体を所定の粒径まで粉砕し、その後の賦活工程によりメソフェーズ活性炭を得、後段粉砕工程において、このメソフェーズ活性炭同士を衝突させることで更に小径化する。よって、粒径が13μm未満のメソフェーズ活性炭粒子を静電容量を低下させることなく得ることができる。
【0026】
尚、本発明の活性炭の製造方法は、易黒鉛性材料から得られた活性炭同士を衝突させることで乾式粉砕することも本発明の範囲内である。
従って、請求項4に記載の発明は、易黒鉛性材料から得られた活性炭同士を衝突させることで(粒径8μmに)乾式粉砕する後段粉砕工程を設けたことを特徴とする活性炭の製造方法である。
請求項4に記載の発明によれば、活性炭同士を、高速で衝突させることで粉砕し、小径化するので、粉砕の際に活性炭粒子に加えられる機械的応力がボールミルやカッターミルを用いる従来の粉砕方法に比べて減少し、活性炭に形成された細孔の変形を抑制することができる。よって、活性炭の静電容量を減少させることなく、活性炭を小径化することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、適宜図面を用いて説明する。
本発明者らは、メソフェーズ活性炭の粉砕に関して鋭意検討を行い、メソフェーズ活性炭同士の衝突によりメソフェーズ活性炭を小径化することができる乾式粉砕法、好ましくはジェットミルを用いることにより、炭素電極として用いられるメソフェーズ活性炭の静電容量を低下させずにメソフェーズ活性炭を小径化できることを知見し、本発明を想到するに至った。
【0028】
図1の流れ図を参照して、本発明の活性炭の製造方法を概説する。
まずステップS1の炭化工程において、原料である易黒鉛性材料(メソフェーズピッチ系炭素物質、コークス、メソカーボン小球体、熱分解気相成長炭素繊維等)の炭化を行い、活性炭前駆体を得る。原料の炭化は、公知の方法で行うことができる。
【0029】
続いて、ステップS2の前段粉砕工程において、活性炭前駆体をボールミル、カッターミル等を用いて予備的に粉砕する。前記したように、易黒鉛性材料から得られた活性炭前駆体は靱性が高く、粉砕され難いため、粉砕後の活性炭前駆体の粒径は約13μmが限界であるが、前段粉砕工程においては、できるだけ活性炭前駆体の粒径を小さくすることが望ましい。
【0030】
後記する後段粉砕工程において、メソフェーズ活性炭の粒径を数μm以下にまで小さくするためには、前段粉砕工程において、活性炭前駆体の粒径を30μm以下、望ましくは20μm以下にまで粉砕することが望ましい。このようにすることにより、後段粉砕工程において、粒径が数μm以下であり粒径分布が狭いメソフェーズ活性炭を得ることができる。
【0031】
続いて、S3の賦活工程において、活性炭前駆体に細孔を形成し、活性炭を得る。
活性炭前駆体の賦活としては、水蒸気や炭酸ガス等の酸化性ガスにより炭素を燃焼させ、活性炭前駆体に細孔を導入するガス賦活と、水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ金属水酸化物水溶液を用いるアルカリ賦活とが存在するが、易黒鉛性材料から得られた活性炭前駆体は高い結晶性を有しており、ガス賦活ではメソフェーズ活性炭の表面積を大きくすることができないために、アルカリ賦活を行うことが望ましい。
【0032】
より具体的には、KOHと活性炭前駆体とを室温で充分に混合し、700〜800℃程度の高温で処理した後に、水洗、酸洗を繰り返して残存するカリウム化合物を除去し、100〜150℃の温度で乾燥することにより、メソフェーズ活性炭を得る。なお、S1〜S3は当該技術分野に公知である。
【0033】
続いて、S4の後段粉砕工程において、メソフェーズ活性炭をジェットミルに投入し、高速高圧の気体をメソフェーズ活性炭に供給することで、メソフェーズ活性炭同士を衝突させ、小径化する。なお、ジェットミルは、一般に分級手段を有しており所定の粒径以上の活性炭粒子をミル本体に戻して所定粒径となるまで粉砕するが、このような分級手段を有していない場合当該技術分野に公知の分級手段を設けて、所定の粒径とならない粒子をミル本体に戻す構成とすることも可能である。
【0034】
前記した活性炭前駆体の粒径が20μm以下の場合には、ジェットミルによる粉砕により粒径が数μm程度のメソフェーズ活性炭を容易に得ることができる。また、活性炭前駆体の粒径が20〜30μmであっても、実用上許容できる粉砕時間でもって、粒径が数μm程度のメソフェーズ活性炭を得ることができる。
【0035】
また、後段粉砕工程により得られるメソフェーズ活性炭は、粒径が13μm未満であれば、小径化に伴いメソフェーズ活性炭の表面積が増大する効果により、静電容量が増加する。粒径が8μm以下であればより一層好適である。図2に示したようにメソフェーズ活性炭の粒径が8μm以下で静電容量が大きく増加するからである。
【0036】
ジェットミルには、被粉砕粒子(メソフェーズ活性炭)を超高速で衝撃板に衝突させて粉砕を行う、衝撃板式と被粉砕粒子(メソフェーズ活性炭)同士を衝突させて粉砕を行う相互衝突式とが存在するが、本発明においては、相互衝突式ジェットミルを用いることが好適である。衝撃板式ジェットミルでは、メソフェーズ活性炭が衝撃板に衝突する際に強い機械的応力を受け、メソフェーズ活性炭の細孔が変形し、静電容量が小さくなってしまう恐れがある。
【0037】
このようにして得られたメソフェーズ活性炭をPTFEと混練して圧延したり、PVDF(ポリ弗化ビニリデン)やSBR(スチレンブタジエンゴム)等のバインダと混合してスラリとして、このスラリをドクターブレード法等により薄膜化することにより、電気二重層コンデンサ用の炭素電極を得る。
本発明の活性炭の製造方法により得られたメソフェーズ活性炭は、従来のものよりも個々のメソフェーズ活性炭の表面積が大きく、メソフェーズ活性炭の細孔も変形していないので、このメソフェーズ活性炭より製作された炭素電極を用いた電気二重層コンデンサは、従来のものよりも大きな静電容量を有する。
【0038】
また、メソフェーズ活性炭の粒径を従来よりも小さくすることができたので、両炭素電極101,101(図3)を分離しているセパレータ103(図3)の厚さを従来のものよりも薄くすることが可能となった。これにより、セパレータ103(図3)が薄くなった分だけ炭素電極101,101(図3)に用いるメソフェーズ活性炭を増量することが可能となり、電気二重層コンデンサの静電容量を大きくすることができた。
【0039】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明する。
(メソフェーズ活性炭の製造)
易黒鉛性材料である化学合成メソフェーズピッチを、窒素雰囲気で、温度700℃で2時間加熱することにより、炭化して、活性炭前駆体を得た。
この活性炭前駆体をボールミル(ニッカトー社製BP−2)に投入して回転数60rpmで24時間粉砕することにより、粒径13μmの活性炭前駆体粉末を得た。
【0040】
この活性炭前駆体粉末1kgを、95%KOHフレーク1.7kgと室温にて混合撹拌し、その後、温度730℃で120分保持することによりアルカリ賦活を行い、メソフェーズ活性炭を得た。
【0041】
その後、数回に渡り、メソフェーズ活性炭に水洗、酸洗を施し、内部のカリウム分を除去して、150℃において120分間乾燥して、メソフェーズ活性炭を得た。
このメソフェーズ活性炭をBET比表面積計により測定したところ、比表面積は、
800m/gであった。
【0042】
(実施例)
このようにして得られたメソフェーズ活性炭を、ジェットミル(株式会社セイシン企業製MC−100)に投入し、気体を噴射するノズル圧力を7kg/cm、使用風量2.7m/min、処理量20kg/hの条件で粉砕を行い、粒径が、約10μm、前記条件を2回繰り返して約7μm、前記条件を3回繰り返して約4μmの3種類のメソフェーズ活性炭粉末を得た。
【0043】
これら3種類のメソフェーズ活性炭粉末をPTFEと混合して薄膜化して炭素電極とし、これらの炭素電極を用いた電気二重層コンデンサを作成し、静電容量を測定した。その結果を実施例(■)として図2に示す。
【0044】
(比較例)
「メソフェーズ活性炭の製造」の欄で述べたメソフェーズ活性炭をボールミル(ニッカトー社製BP−2)に投入し、粉砕して、粒径が、約6μm、約4μm、約3μm、約2μmの4種のメソフェーズ活性炭粉末を得た。
これら4種類のメソフェーズ活性炭粉末から、実施例と同様にして電気二重層コンデンサを作成し、静電容量を測定した。
【0045】
また、「メソフェーズ活性炭の製造」の欄で述べたメソフェーズ活性炭(粒径13μm)を粉砕せずに電気二重層コンデンサ作成し、静電容量を測定した。
これらの結果を比較例(●)として図2に示す。
【0046】
(実施例と比較例との比較)
図2を参照すると、ボールミルを用いてメソフェーズ活性炭を粉砕した比較例(●)においては、メソフェーズ活性炭の粒径が13μm→6μm→4μm→3μm→2μmとなるとともに、電気二重層コンデンサの静電容量が減少していることがわかる。
【0047】
それに対し、ジェットミルを用いてメソフェーズ活性炭を粉砕した実施例(■)においては、メソフェーズ活性炭の粒径が13μm→10μm→7μm→4μmとなるとともに、電気二重層コンデンサの静電容量が増加していることがわかる。
【0048】
この結果より、本発明の活性炭の製造方法では、ジェットミルを用いてメソフェーズ活性炭同士を衝突させることにより、メソフェーズ活性炭の静電容量を低下させることなくメソフェーズ活性炭を小径化できることが明らかである。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、以下のような顕著な効果を奏する。
本発明の活性炭の製造方法は、活性炭同士を衝突させることにより粉砕して小径化するので、粉砕の際に活性炭粒子に加えられる機械的応力がボールミルやカッターミルを用いる従来の粉砕方法に比べて減少し、活性炭に形成された細孔の変形を抑制することができる。よって、活性炭の静電容量を減少させることなく、活性炭を小径化することができる(請求項1)。
【0050】
本発明の活性炭の製造方法は、ジェットミルにより活性炭同士を衝突させることにより粉砕して小径化するので、易黒鉛性材料から製造される柔らかい活性炭(メソフェーズ活性炭)であっても、活性炭の細孔を変形させることない。よって、活性炭の静電容量を減少させることなく、活性炭を小径化することができる(請求項2,3)。
【0051】
本発明の活性炭の製造方法は、炭化工程の後の前段粉砕工程において、活性炭前駆体を予備的に粉砕し、賦活工程後に再度後段粉砕工程を行うことにより、メソフェーズ活性炭の静電容量を低下させずに粒径が13μm未満のメソフェーズ活性炭粒子を得ることができる(請求項4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】活性炭の製造方法のフローチャートである。
【図2】活性炭の粒径と静電容量との関係を示すグラフである。
【図3】電気二重層コンデンサの構造を示す模式図である。

Claims (4)

  1. 下記工程:
    易黒鉛性材料を炭化して活性炭前駆体を得る炭化工程、
    得られた活性炭前駆体を賦活して活性炭を得る賦活工程、及び
    得られた活性炭同士を衝突させることで乾式粉砕する後段粉砕工程、
    と含むことを特徴とする請求項1に記載の活性炭の製造方法。
  2. 前記後段粉砕工程において、前記活性炭同士を衝突させるためにジェットミルを用いることを特徴とする請求項1に記載の活性炭の製造方法。
  3. 前記炭化工程と前記賦活工程との間に、前記活性炭前駆体を粉砕する前段粉砕工程を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の活性炭の製造方法。
  4. 易黒鉛性材料から得られた活性炭同士を衝突させることで(粒径8μmに)乾式粉砕する後段粉砕工程を設けたことを特徴とする活性炭の製造方法。
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