JP2004149295A - ウレタン製給紙ロール及びその製造法 - Google Patents

ウレタン製給紙ロール及びその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】紙粉が大量に発生する再生紙や外国製紙等を用いても、摩擦係数の低下が有利に抑制されて、優れた耐久性を実現するウレタン製給紙ロール、並びにそのようなウレタン製給紙ロールを有利に製造する方法を、提供すること。
【解決手段】通紙される紙に接するロール表面がポリウレタン弾性体からなるウレタン層18にて構成されてなる給紙ロールにおいて、かかるウレタン層18を、研摩目に対応した模様の成形キャビティ面を有する成形型を用いたポリウレタン原料の注型成形操作によって形成し、且つ、その表面を、非研摩形態において、Rz:40〜75μm、Rmax:40〜140μmの表面粗さとなるように、形成した。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、ウレタン製の給紙ロール及びその製造法に係り、特に、複写機やプリンター等の給紙装置に用いられるピックアップロール、フィードロール、リタードロール等の給紙ロールと、そのような給紙ロールを有利に製造する方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来より、複写機やプリンター等に用いられる給紙装置においては、紙が1枚ずつ確実に給紙され得るように、FRR方式やFR方式等の分離機構が採用されている。例えば、FRR方式の分離機構が採用された給紙装置にあっては、図1に示されるように、ピックアップロール10にて、用紙トレイ11から拾い上げられた紙13が、フィードロール12とトルクリミッタを備えたリタードロール14からなる分離部に送り込まれ、2枚以上の紙13が送り込まれた場合には、かかる分離部のリタードロール14が、フィードロール12の摩擦力の影響を受けないためにトルクリミッタが限界に達することなく、停止乃至は逆方向(図1中、反時計回り)に回転し、これにより、フィードロール12に接している紙のみが送り出され、紙の重送が防止され得るようになっている。
【0003】
このような給紙装置に使用されるピックアップロール10やフィードロール12、リタードロール14等の給紙ロールでは、一般に、紙13等のシートに接する外表面(ロール表面)が、高い摩擦係数を有していることが望ましく、このため、高摩擦係数を実現し得る、EPDM等のゴムやポリウレタン等の弾性体にて形成されている。また、かかる給紙ロールの製造法としては、一般に、型成形を行なった後、使用による摩擦係数の低下が有利に抑えられ得るように、その外表面に対して研摩加工を施して、周方向に波目状の研摩目を有する給紙ロール(例えば、図3参照)を得る方法が採用されている。
【0004】
ところで、近年においては、紙粉が大量に発生する再生紙や外国製紙(例えば、中国製紙)、また、印刷面に特殊なコーティングが施されたコート紙等が多く用いられるようになってきており、給紙ロールには、更なる摩擦係数の長期に亘る安定性乃至は維持性が要求されてきている。
【0005】
しかしながら、EPDMからなるゴムロールにあっては、初期の摩擦係数には優れるものの、EPDM自体に粘着成分が多く含まれているところから、紙粉の発生し易い紙を用いた場合には、紙粉の付着が避けられず、そして、そのような紙粉の付着によって、摩擦係数が低下せしめられると共に、またEPDMは、耐摩耗性が良好であるとは言い難く、連続通紙によって研摩目が擦り減って喪失し、これによっても、摩擦係数が大幅に低下してしまう等といった問題を有していたのである。
【0006】
これに対して、ポリウレタン弾性体は、EPDMと比較して粘着成分を少なくして摩擦係数維持性を確保し、且つ、優れた耐摩耗性を確保するために、一般に、JIS−A硬度が50°よりも高い硬度に調整されている(低硬度になると、粘着成分の低減が困難となり、紙粉付着による摩擦係数低下が免れないためである。)。そのようなポリウレタン弾性体からなる給紙ロール(ウレタン製給紙ロール)にあっては、EPDM製給紙ロールと比較すると、非常に優れた摩擦係数維持性、及び、耐摩耗性を発揮し、高い耐久性・信頼性が期待され得るのである。しかしながら、紙粉が大量に発生する特殊な用紙や給紙システムによっては、ウレタン材料の優れた耐久性を発揮出来ない場合があったのである。
【0007】
そして、研摩加工が施されたウレタン製給紙ロールについて、本発明者が更なる検討を重ねた結果、給紙システムや使用する紙の種類によっては、研摩目が粗い程、耐久による摩擦係数の低下が効果的に防止され得るのではないか、と推察した。即ち、研摩目の表面粗さが小さい場合には、給紙ロールが、厚紙やコート紙等の紙に対して、物理的に引っ掛かり難くなり、また、紙粉発生量の多い紙に対しても、波目状の研摩目の運動による紙粉排除機能が低減されて、紙粉が付着し易く且つ排除され難くなって、摩擦係数が低下し、所望とする耐久性が得られないのではないか、と考えたのである。
【0008】
そこで、研摩目のより大きなものを得るべく、ポリウレタン弾性体の表面に研摩加工を施したのであるが、前述せる如く、給紙ローラ用のポリウレタン弾性体は、EPDM等のゴムからなる給紙ロールに比して、硬度が高い材料であるところから、図4に示されるような細かな研摩目となって、研摩加工を施しても、表面粗さの一つの指標であるRz(十点平均粗さ)は高々35μm程度が限界で、それ以上の表面粗さを有する研摩目を得ることは難しく、また、例え、粗度の粗い砥石で研摩しても、研削性が低下するだけで、所望とする表面粗さが得られないのみならず、発熱に伴う材料劣化を引き起こしてしまう等といった問題を内在していたのである。因みに、図4(a)及び(b)には、研摩加工を施したウレタン製給紙ロールの外表面を、それぞれ、25倍及び100倍の倍率にて撮像して得られたSEM像(左右方向が周方向)が示されているが、図3(a)及び(b)に示される、50倍及び100倍の倍率にてそれぞれ撮像されたEPDM製ゴムロールのSEM像と比較すると、ウレタン製給紙ロールの外表面は、EPDM製ゴムロールのものに比して、波目状の研摩目が非常に細かくなっていることが、認められる。
【0009】
一方、特開平10−71655号公報(特許文献1)には、ロール製造時間の大幅な短縮のために、研磨工程を無くして、従って、研磨加工を行なうことなく、常に一定の研磨模様を表面に有するゴムロールを製造するべく、研磨模様を有する成形型を用いてロール成形を行なう手法が、提案されているのであるが、そのような手法を、ポリウレタン弾性体にて構成されるウレタン製給紙ロールの製造に単に、そのまま適用しただけでは、有効な研摩目は得られず、優れた摩擦係数の維持性や大きな給紙寿命を得ることは出来なかったのである。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−71655号公報
【0011】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、紙粉が大量に発生する再生紙や外国製紙等を用いても、摩擦係数の低下が有利に抑制され得て、優れた耐久性を実現するウレタン製給紙ロール、並びにそのようなウレタン製給紙ロールを有利に製造する方法を、提供することにある。
【0012】
【解決手段】
そして、本発明者は、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、所望とする研摩目に対応した模様を成形キャビティ面に有する成形型を用いて、ポリウレタン弾性体の注型成形を行なえば、ポリウレタン弾性体は転写性に優れているところから、極めて微細な形状であっても、所望とする研摩目模様が、非研摩(研摩レス)にて、ウレタン製給紙ロールの外表面に、正確に転写、形成されると共に、更に、かかる研摩目模様を、ポリウレタン弾性体の研摩加工では実現され得ない、所定の表面粗さとすることによって、耐久による摩擦係数の低下がより一層有利に防止され、優れた給紙寿命が実現され得ることを、見出したのである。
【0013】
従って、本発明は、上述せる如き知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、通紙される紙に接するロール表面がポリウレタン弾性体からなるウレタン層にて構成されてなる給紙ロールにして、該ウレタン層が、研摩目に対応した模様の成形キャビティ面を有する成形型を用いたポリウレタン原料の注型成形操作によって形成されていると共に、そのロール表面が、非研摩形態において、Rz:40〜75μm、Rmax:40〜140μmの表面粗さを有する研摩目模様とされていることを特徴とするウレタン製給紙ロールにある。
【0014】
すなわち、本発明に従う給紙ロールにあっては、耐摩耗性に優れたポリウレタン弾性体が採用され、そのようなポリウレタン弾性体からなるウレタン層が、研摩目対応模様の成形キャビティ面を有する成形型を用いたポリウレタン原料の注型成形操作によって、形成されているところから、ウレタン層に対する研摩加工では得られない研摩目模様が、成形キャビティ面の転写によって、そのロール表面に形成され、しかも、その研摩目模様が、Rz(十点平均粗さ):40〜75μm、Rmax(最大高さ):40〜140μmの表面粗さとされているところから、波目状の研摩目の運動による紙粉排除機能が効果的に発現され得て、耐紙粉付着性が向上し、紙粉が大量に発生する紙等を用いても、摩擦係数の低下が有利に抑制乃至は阻止されて、優れた耐久性が実現され得るようになっているのである。
【0015】
しかも、本発明に従うウレタン製給紙ロールは、注型成形によって表面加工が施されるところから、コストアップの大きな要因となっていた研摩加工が不要となり、優れた経済性が実現され得ると共に、作業工数の低減も図られ得るといった利点も享受され得るのである。
【0016】
なお、かかる本発明に従うウレタン製給紙ロールの好ましい態様の一つによれば、前記成形型が、Rz:40〜75μm、Rmax:40〜140μmの表面粗さの研摩目を有するように研摩されたゴムロールを用い、かかるゴムロールのロール表面の研摩目を電鋳法にて転写せしめることによって、前記研摩目対応模様が形成されてなる成形キャビティ面を有していることが望ましい。このような電鋳法を採用することによって、ミクロン単位の微細な研摩目を、成形キャビティ面に高度な精度をもって確実に転写することが出来るのである。
【0017】
また、本発明は、ポリウレタン弾性体からなるウレタン層が軸体の周りに形成されてなるウレタン製給紙ロールを製造する方法にして、(A)研摩加工によって、Rz:40〜75μm、Rmax:40〜140μmの表面粗さの研摩目を有するロール表面とされてなるゴムロールを得る工程と、(B)かかるゴムロールを用い、そのロール表面の研摩目が電鋳法によって転写せしめられることによって形成された、該研摩目に対応した模様を成形キャビティ面に有する成形型を準備する工程と、(C)該成形型の成形キャビティ内に所定のポリウレタン原料を注入して、注型成形を行なうことにより、前記成形キャビティ面の模様に基づいて、前記ゴムロールの研摩目に相当する研摩目模様が表面に形成されてなるウレタン層を、所定厚さにおいて形成せしめる工程とを、含むことを特徴とするウレタン製給紙ロールの製造法をも、その要旨とするものである。
【0018】
このように、本発明に従うウレタン製給紙ロールの製造法によれば、所望とする表面粗さの研摩目を有するゴムロールを用いて、研摩目対応模様の成形キャビティ面を有する成形型を準備し、かかる成形型を用いて注型成形を行なって、ウレタン製給紙ロールを製造するようにしているところから、そのロール表面には、研摩加工では得られない、Rz:40〜75μm、Rmax:40〜140μmの表面粗さを有する研摩目模様が有利に形成され、上述せる如き効果を実現するウレタン製給紙ロールが、極めて効果的且つ安定的に製造され得るようになっているのである。
【0019】
なお、かかる本発明に従うウレタン製給紙ロールの製造法の好ましい態様の一つによれば、前記ゴムロールが、30°〜50°のJIS−A硬度のゴム層を有し、該ゴム層のロール表面に対して前記研摩加工が施されていることが望ましい。このような硬度を有するゴムロールに対して研摩加工を施せば、所望とする研摩目を有するゴムロールが、有利に得られることとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
ところで、本発明に従うウレタン製給紙ロールにおいて採用される代表的なロール構造の一例が、図2に示されている。この図2において、16は、金属材質や樹脂材質等からなるパイプ状乃至は丸棒状の軸体(芯金)であって、該軸体16の外周面上には、ポリウレタン弾性体(ポリウレタンエラストマ)からなるウレタン層18が、所定厚さで一体的に形成されている。
【0021】
そして、本発明にあっては、かかるウレタン製給紙ロールにおいて、ウレタン層18の外表面、即ち、ロール表面を、研摩目に対応した模様の成形キャビティ面を有する成形型を用いた注型成形操作によって、Rz:40〜75μm、Rmax:40〜140μmの表面粗さを有する、波目状の研摩目模様に構成したところに、大きな特徴を有しているのである。
【0022】
具体的には、成形型として、ロール表面を与える型内面(成形キャビティ面)に、上記した研摩目に対応した模様、つまり、目的とする研摩目とは凹凸が反対の模様が形成されたものを用い、そして、かかる成形型内に、従来と同様なポリウレタン原料を注入して、該ポリウレタン原料の成形を実施することによって、目的とするウレタン層18が、形成されるようになっているのである。
【0023】
そして、そのような注型成形操作によって、ウレタン層18の外表面には、図5(a)及び(b)に示されるように、研摩加工によって形成される研摩目(図3参照)に相当する同様な研摩目模様が、その全面に亘って、形成されているのである。
【0024】
しかも、本発明にあっては、かかる研摩目模様が、40〜75μmの十点平均粗さ(Rz)と、40〜140μmの最大高さ(Rmax)を有するように形成されており、研摩加工では得られない研摩目模様が形成され得るようになっているのである。なお、ここにおいて、かかる表面粗さの指標であるRzとRmaxは、JIS−B−0601−1982に準拠して、周方向にロール表面を測定することにより、算出され得るものである。
【0025】
そして、上述せる如き表面粗さを有する研摩目模様が形成されることにより、ポリウレタン弾性体の特性である耐摩耗性が充分に発現され得ると共に、ウレタン層18の表面に形成された波目状の研摩目の運動に基づくところの紙粉排除機能が効果的に発現され得て、通紙により発生する紙粉が排除され、耐紙粉付着性が向上し、紙粉が大量に発生する紙等を用いても、摩擦係数の低下が有利に抑制乃至は阻止されて、耐久性が効果的に高められ得るのである。
【0026】
なお、ここにおいて、ウレタン層18表面のRzが40μm未満であると、耐摩耗性に優れたポリウレタン弾性体から構成されても、従来の研摩加工の施された研摩ロールと同様に、通紙により発生する紙粉が排除され難く、連続通紙によって研摩目が消失したりする等して、所望とする耐久性を実現することが出来ず、また逆に、Rzが75μmを超えたり、また、Rmaxが140μmを超えるようになると、摩擦係数の低下は抑制されて、摩擦係数の維持性が確保されるものの、通紙される紙との接触面積が減り過ぎてしまうところから、初期の摩擦係数が低くなって、紙の不送り等が惹起せしめられる恐れがある。このため、上述せるように、Rzは、40〜75μm、好ましくは、40〜70μmとされ、また、Rmaxは、40〜140μm、好ましくは、50〜120μmとされることとなる。
【0027】
さらに、ウレタン層18表面の研摩目模様の形状としては、上記した表面粗さが実現され得ておれば、特に限定されるものではないのであるが、JIS−A硬度が30°〜50°であるゴムロールの表面に対して、常法に従って、研摩加工を施すことにより得られる研摩目と同様な波目状の研摩目模様が、紙粉排除機能に優れていると共に、充分な摩擦係数を実現し得るところから、好適に採用され得ることとなる。なお、ゴムロールの研摩加工は、よく知られているように、ゴムロールを軸回りに回転せしめつつ、砥石をロール表面に当て、ゴムロール乃至は砥石を軸方向に移動することによって、実施されることとなるのである。けだし、本発明においては、そのような研摩目模様が、研摩レスにて形成されることは、上記した通りである。
【0028】
ところで、かくの如き本発明に従うウレタン製給紙ロールを製造するに際しては、従来から公知の手法が採用され得るのであるが、本発明にあっては、特に、以下の如き手法が有利に採用され、それによって、ポリウレタン原料の注型成形によって形成されるウレタン層18の外表面に、研摩加工を施すことなく、所定の表面粗さを有する研摩目模様が形成せしめられるのである。
【0029】
すなわち、かかる手法は、成形キャビティ内でのポリウレタン原料の注型成形操作によって、目的とするウレタン製給紙ロールを製造するに際して、そのような成形キャビティにおけるロール外周面を形成する型内面(成形キャビティ面)に、Rz:40〜75μm及びRmax:40〜140μmの表面粗さの研摩目とは凹凸が反対の模様(研摩目対応模様)を設けてなる成形型を用いて、ポリウレタン原料の注型成形を行なう方法であり、かかる成形型の成形キャビティ内に、ポリウレタン原料を注入して、注型成形せしめることにより、ウレタン層18の外表面に、成形キャビティ面の研摩目対応模様を転写せしめて、所定厚さのウレタン層18を形成せしめる一方、その表面全面に亘って、Rz:40〜75μm及びRmax:40〜140μmの表面粗さを有する研摩目模様を形成せしめるようにするのである。
【0030】
より詳細には、先ず、目的とする給紙ロールの注型成形に先立ち、成形型が準備されることとなる。ここで用いられる成形型は、前述の如く、その成形キャビティ面において、Rz:40〜75μm及びRmax:40〜140μmの表面粗さを有する研摩目とは凹凸が反対の研摩目対応模様が、設けられてなるものであるが、そのような成形型に設けられた研摩目対応模様は、ミクロンオーダーの極めて微細な形状であるところから、放電加工(ワイヤカット)等の機械加工法では形成せしめることが困難であり、電鋳法にて形成されることが望ましい。なお、かかる電鋳法は、通常の機械加工では製作が困難なものを、比較的安価に且つ高い精度で複製することが出来る手法として、従来より用いられており、このような電鋳法を採用すれば、所望とする研摩目対応模様を、成形型の内面に、容易に且つ精度良く成形せしめることが可能となるのである。
【0031】
そして、そのような電鋳法にて、上述せる如き成形キャビティ面を有する成形型を準備するには、予め、研摩加工によって、ロール表面が、Rz:40〜75μm及びRmax:40〜140μmの表面粗さを有する研摩目とされたゴムロール(母型ゴムロール)を、得る必要がある。
【0032】
このとき、母型ゴムロールとして、JIS−A硬度が、30°〜50°であるゴム層を有するゴムロールが、好適に採用されることとなる。これは、かかる硬度が30°未満の場合には、ゴムロール表面の粘着性が増加したり、或いは軟らかくなり過ぎて、研摩加工を施すことが困難となるからであり、また、50°を超えるようになると、ポリウレタン弾性体と同様に、研摩目が細かくなって、所望とする表面粗さが得られなくなるからである。
【0033】
また、そのような母型ゴムロールを与えるゴム組成物としては、加硫後のゴム層において、上記した範囲のJIS−A硬度を実現し得るものであれば、特に限定されるものではなく、EPDM、ポリノルボルネン、SBR、エピクロルヒドリンゴム、シリコンゴム、或いは、それらの2種以上がブレンドされたブレンド物等の、従来よりゴムロールの材料として用いられているゴム材料に、加硫剤や加硫促進剤、補強剤、充填剤、可塑剤等の各種配合剤が必要に応じて適宜に配合されたものが用いられる。
【0034】
そして、そのようなゴム組成物を用いて、常法に従って、型成形を行なうと共に、軸体の周りにゴム層を形成せしめ、その後、かかるロール表面に対して研摩加工を施すことにより、母型ゴムロールが得られるのである。また、そのようにして研摩加工が施された母型ゴムロールの表面は、Rz:40〜75μm及びRmax:40〜140μmの表面粗さに調整されるのである。
【0035】
次いで、かかる母型ゴムロールを用い、その外表面を、電鋳法によって転写せしめて、成形型(成形金型)が準備される。具体的には、前述せる如き特許文献1に示されるように、母型ゴムロールの表面上に、ニッケル等の金属を、金属塩溶液の電気分解によって、所定厚さに電着させた後、電着した金属を、母型ゴムロールから剥離することによって、母型ゴムロールのロール表面の研摩目が、精度良く転写された金属製成形型(成形金型)が得られるのである。
【0036】
そして、上述せる如き電鋳法によって得られる成形金型の一例が、図6に示されているのであるが、かかる成形金型22には、複数のウレタン層18が一度に得られるように、円筒状の成形キャビティ21が複数個形成されており、それらの成形キャビティ21を与える成形金型22の内面が、それぞれ、所定の研摩目に対応する模様が形成された成形キャビティ面20とされているのである。
【0037】
より具体的には、図6において、成形金型22は、目的とするウレタン製給紙ロールのウレタン層18の軸方向長さと略同じ若しくは僅かに長い高さを有すると共に、成形キャビティ21を与える円柱状の内孔が複数において形成せしめられてなる上型22aと、該上型の内孔に対応して、上方に向かって延出する円柱状突起が板状の基台に形成せしめられた下型22bとから構成されており、それら上型22aと下型22bとを型合せすることによって、上型22aの内孔と下型22bの円柱状突起が同心的に位置せしめられて、所定厚さの円筒状の成形キャビティ21が形成されるようになっている。しかも、成形キャビティ面20には、所定の研摩目対応模様が、電鋳によって形成されているのである。
【0038】
そして、そのような成形金型22の成形キャビティ21内に、図6に示される如く、開口部(注入口)を通じて、液状ポリウレタン等のポリウレタン原料24を注入するのである。
【0039】
ここにおいて、本発明において採用されるポリウレタン原料としては、特に限定されることなく、従来と同様な液状のものが用いられ得るものであって、ポリエステル或いはポリエーテルポリオールの如きポリオール成分とポリイソシアネート成分との配合物等、従来から公知のポリウレタン原料の何れもが、適宜に選択されて、使用されることとなる。
【0040】
次いで、ポリウレタン原料が注入された成形金型22の全体を、従来と同様にして、所定の温度に加熱することにより、成形キャビティ内のポリウレタン原料24が硬化せしめられ、図7の断面説明図に示されるように、成形キャビティ内で、ソリッド状のポリウレタン弾性体からなるウレタン円筒体26(ウレタン層18)が形成せしめられるのである。ここで、かかる加熱温度や加熱時間としては、ポリウレタン原料に応じた、一般的な温度や時間が採用されることとなる。
【0041】
そして、図8に示されるように、成形金型22の型開きを行なって、成形された円筒体26を離型し、その後、図示はしないが、必要に応じて、得られた円筒体26を、所定の長さに切り揃えた後、図9に示されるように、かかる円筒体26の内孔内に、パイプ状の軸体16を圧入せしめることにより、ポリウレタン弾性体からなるウレタン層18が、軸体の周りに一体的に形成されてなる、目的とするウレタン製給紙ロールが得られるのである。なお、ウレタン層18の外径や厚さとしては、一般に、10〜40mm及び3〜10mmが、それぞれ、採用されることとなる。
【0042】
このように、本発明においては、上述せる如き研摩目対応模様が付けられた成形金型22が用いられると共に、かかる成形金型22にて、転写性に優れたポリウレタン弾性体の成形を行なうようにしているところから、得られるウレタン層18の外表面には、成形キャビティ面の模様に基づいて、母型ゴムロールの研摩目と同様な研摩目模様が、高い精度をもって、形成されることとなるのである。
【0043】
かくの如くして、注型成形操作によって得られたウレタン製給紙ロールは、通常のウレタン製給紙ロールの研摩加工では得られない、所定の表面粗さの研摩目を、そのロール表面に有しており、これによって、充分に高度な摩擦係数が実現され得ると共に、耐紙粉付着性が向上せしめられて、紙粉が大量に発生する紙等を用いても、摩擦係数の低下が有利に抑制乃至は阻止されて、優れた耐久性、例えば、給紙寿命が実現され得るようになっているのである。また、このような注型成形操作を繰り返して行なうことにより、所望とする研摩目模様を有するウレタン製給紙ロールを、極めて効果的且つ安定的に製造することが可能となる。
【0044】
しかも、ウレタン製給紙ロールは、注型成形によってロール表面の加工が施されるところから、コストアップの大きな要因となっていた研摩加工が不要となり、優れた経済性が実現され得ると共に、作業工数の低減も図られ、製造コストや製造時間を効果的に低減せしめ得るといった利点も享受され得るのである。
【0045】
そして、上述せる如き特性を有する本発明に従うウレタン製給紙ロールは、ピックアップロールやフィードロール、リタードロール等の給紙装置用ロールとして、有利に使用されることとなるのである。
【0046】
なお、本発明に従うウレタン製給紙ロールが、リタードロールとして用いられる場合には、上述せる如き優れた効果に加えて、スティックスリップが惹起され難くなって、鳴き(異音)の発生も有利に防止され得るようになる。
【0047】
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
【0048】
例えば、上記の実施形態では、軸体16の周りにポリウレタン弾性体からなるウレタン層18を設けるに際して、注型成形操作によって形成された円筒体26の内孔内に、パイプ状の軸体16を圧入せしめる手法が採用されていたが、研摩目対応模様を有する成形型に軸体を配置すると共に、所定のポリウレタン原料を注入して注型成形を行なうことにより、かかる軸体の外周面上に、所定の研摩目模様を有するウレタン層を一体的に形成せしめて、一挙に目的とする給紙ロールを得る手法も、勿論、本発明に従うウレタン製給紙ロールの製造法として、好適に採用され得ることとなる。
【0049】
また、上例では、生産性が高められ得るように、成形金型22として、複数の成形キャビティ21を有する構造のものが採用されていたが、本発明に採用される成形型は、上述せる如き所定の研摩目対応模様が、ロール表面を与える成形キャビティ面20に形成されておれば、その構造は上例のものに、何等限定されるものではない。
【0050】
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0051】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を含む幾つかの実験例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実験例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
【0052】
先ず、ゴム材料として、EPDMを用い、母型となるゴムロールの複数を、常法に従って、作製した。そして、それらゴムロールにおけるゴム層のJIS−A硬度を測定したところ、何れも、40°であることを確認した。
【0053】
次いで、この得られた複数のゴムロールのロール表面に対して、従来と同様にして研摩加工を施すことにより、そして、その際の研摩条件を種々変化させることによって、研摩目の表面粗さ(Rz,Rmax)の値が異なる、各種の母型ゴムロールを作製した。
【0054】
その後、それら得られた母型ゴムロールを用いて、電鋳法にて、それらのロール表面の研摩目を、それぞれ、転写することによって、各種の表面粗さの研摩目対応模様を有する成形金型を準備した。
【0055】
また一方、エーテル系ポリオールとイソシアネートを用いて、ウレタンプレポリマーを調製した後、このウレタンプレポリマーに、グリコール系架橋剤を混合して、ポリウレタン原料を準備した。
【0056】
そして、かかるポリウレタン原料を、上述せる如くして準備された研摩目対応模様を有する成形金型の成形キャビティ内に、それぞれ、注入して、150℃×1時間にて、注型成形を施すことにより、ポリウレタン弾性体からなる、厚さ:5mmの円筒体(ウレタン層)を形成した。その後、かかる円筒体を所定の長さ(25cm)となるように切断した後、かかる円筒体の内孔内に、外径:10mm、長さ:30cmのポリアセタール製の軸体を挿入することにより、異なる表面粗さを有する実験例5〜11に係る給紙ロールを作製した。
【0057】
また、上述せる如き母型ゴムロールと同様にして、研摩加工によって、研摩目を有するEPDM製の研摩ロールを作製して、実験例4に係る給紙ロールとすると共に、上記したポリウレタン原料を用いて、注型成形行なった後、研摩加工を施すことにより、研摩目が形成された各種ウレタン製研摩ロールを作製し、それらを、実験例1〜3に係る給紙ロールとした。
【0058】
そして、それら得られた実験例1〜11に係る給紙ロールについて、その表面の表面粗さ(Rz、Rmax)を、表面粗度測定装置:サーフコム550A(東京精密社製)を用いて、周方向に測定することにより求め、その得られた結果を、下記表1,2に示した。但し、かかる表面粗さの測定に際して、基準長さは、4mmとした。なお、下記表1は、実験例1〜11に係る給紙ロールを、ピックアップロール、フィードロールとして用いた際の結果を纏めたものであり、下記表2は、リタードロールとして用いた際の結果を纏めたものである。
【0059】
また、得られた実験例1〜11に係る給紙ロールの摩擦係数(初期)を、常法に従って求め、その得られた結果を下記表1,2に示した。更に、給紙ロールを構成するポリウレタン弾性体とEPDMのJIS−A硬度を、JIS−K−6253−1997の「デュロメータ硬さ試験」に準拠して測定したところ、ポリウレタン弾性体:56°、EPDM:40°であった。
【0060】
さらに、実験例4,6,9に係る給紙ロールにあっては、走査型電子顕微鏡を用いて、一方の端部の上方側からウレタン層の周縁部を、図2に示されるイの方向に、撮像することにより、前述せる如き図3〜5のSEM像を、それぞれ撮像した。なお、図3〜5中に示されるように、倍率としては、25倍又は50倍、100倍を採用した。
【0061】
次いで、実験例1〜11に係る給紙ロールを用いて、以下の如き評価試験を行なった。即ち、評価機として、各3本ずつの実験例1〜11に係る給紙ロールを、ピックアップロール、フィードロール及びリタードロールとして用いた、FRR方式給紙システムのベンチ試験機を構成した。そして、かかる試験機にて、室温下で、紙粉の発生量が多い紙(三一牌:中国製)を用いて、給紙速度:400mm/秒にて、給紙寿命まで、連続的に通紙を行なった。また、かかる評価試験中、リタードロールについて、鳴き(異音)発生の有無について調査し、鳴きの発生がなかったものを○、鳴きの発生があったものは、×と××の2段階の官能評価を行なって、得られた評価結果を、下記表2に示した。
【0062】
かかる評価試験の後、摩擦係数(終了時)を測定し、これと、上記で得られた評価試験前の初期摩擦係数とから、摩擦係数の判定を行なった。判定基準は、初期の摩擦係数及び終了後の摩擦係数が、1.6以上のものを○、1.6未満1.3以上のものを△、1.3未満のものを×とした。そして、得られた摩擦係数と判定結果を、下記表1,2に示した。
【0063】
また、評価試験後のロール表面の研摩目乃至は研摩目模様の有無を、光学顕微鏡(×50倍)にて確認し、○:研摩目が有る、△:研摩目が若干残る、×:研摩目無しとして、得られた結果を下記表1,2に示した。
【0064】
【表1】
Figure 2004149295
【0065】
【表2】
Figure 2004149295
【0066】
かかる表1及び表2の結果からも明らかなように、研摩目対応模様が形成された成形金型を用いた注型成形によって、ロール表面が、所定の表面粗さを有する研摩目模様とされた実験例7〜9に係る給紙ロールにあっては、初期摩擦係数が、給紙ロールに必要とされる高い摩擦係数(1.6以上)を実現していると共に、試験後の摩擦係数の低下も極めて少なく、また、研摩目模様も試験によって消失していないことが認められ、これによって、60万枚以上の給紙寿命が実現され得ている。また、リタードロールとして用いた場合には、鳴きの発生も認められなかった。
【0067】
これに対し、研摩目対応模様が形成された成形金型を用いた注型成形によって、ロール表面が、Rz:20,30の表面粗さを有する研摩目模様とされた実験例5,6に係る給紙ロールにあっては、初期摩擦係数は高いものの、紙粉の排除機能が良好ではないところから、摩擦係数の低下が大きく、また、リタードロールとして使用されると、鳴きが発生する。一方、Rzが80,100とされた実験例10,11に係る給紙ロールにあっては、摩擦係数の低下が抑制され得るものの、初期摩擦係数が小さく、望ましくないことが分かる。
【0068】
また、研摩加工によって、ロール表面に、Rz:60、Rmax:150の研摩目を有する実験例4に係る給紙ロールにあっては、ウレンタン層ではなく、EPDM層から構成されているところから、初期摩擦係数は高いものの、紙粉の付着により、摩擦係数の低下が大きく、給紙寿命も小さいことが分かる。また、リタードロールとして用いた場合には、鳴きが発生し易い。
【0069】
さらに、研摩加工によって、ウレタン層の表面に研摩目が形成された実験例1〜3に係る給紙ロールにあっても、初期摩擦係数は高いものの、紙粉の排除機能が良好ではないところから、耐久後に研摩目が少なからず消失し、摩擦係数の低下が大きく、給紙寿命も小さいことが分かる。また、リタードロールとして用いた場合には、鳴き(異音)が発生する。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従う給紙ロールにあっては、耐摩耗性に優れたポリウレタン弾性体が採用されると共に、そのようなポリウレタン弾性体からなるウレタン層が、研摩目対応模様の成形キャビティ面を有する成形型を用いたポリウレタン原料の注型成形操作によって、形成されているところから、かかるウレタン層の外表面には、ウレタン層に対する研摩加工では通常得られない研摩目模様が、成形キャビティ面の転写によって形成されている。しかも、その研摩目模様が、Rz:40〜75μm、Rmax:40〜140μmの表面粗さとされているところから、紙粉排除機能が効果的に発現され得て、耐紙粉付着性が向上し、紙粉が大量に発生する紙等を用いても、摩擦係数の低下が有利に抑制乃至は阻止されて、優れた給紙寿命が実現され得るようになっているのである。また、かかる給紙ロールをリタードロールとして用いた際には、鳴き(異音)の発生も効果的に防止され得るのである。
【0071】
しかも、本発明に従うウレタン製給紙ロールは、注型成形によって表面加工が施されるところから、コストアップの大きな要因となっていた研摩加工が不要となり、優れた経済性が実現され得ると共に、作業工数の低減も図られ得るといった利点も享受され得るのである。
【0072】
また、本発明に従うウレタン製給紙ロールの製造法によれば、上述の如き優れた特性を実現し得る給紙ロールを、極めて効果的に且つ安定した品質をもって、有利に製造することが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】給紙ロールが使用される給紙装置の一例を示す説明図である。
【図2】本発明に従って製造されるウレタン製給紙ロールの一例を示す説明図である。
【図3】実施例において、研摩加工の施されたEPDM製給紙ロールのロール表面を撮像したSEM像であって、(a)は、倍率:50倍、(b)は、倍率:100倍のものである。
【図4】実施例において、研摩加工の施されたウレタン製給紙ロールのロール表面を撮像したSEM像であって、(a)は、倍率:25倍、(b)は、倍率:100倍のものである。
【図5】実施例において、注型成形によって研摩目模様がロール表面に形成されたウレタン製給紙ロールのロール表面を撮像したSEM像であって、(a)は、倍率:25倍、(b)は、倍率:100倍のものである。
【図6】本発明手法に従って、ウレタン製給紙ロールを製造する工程を示す説明図であって、成形型にポリウレタン原料を注入する状態を示している。
【図7】本発明手法に従って、ウレタン製給紙ロールを製造する工程を示す説明図であって、成形型に注入されたポリウレタン原料をキュアする状態を示している。
【図8】本発明手法に従って、ウレタン製給紙ロールを製造する工程を示す説明図であって、型開きを行なって、成形型から、ウレタン層を取り出した状態を示している。
【図9】本発明手法に従って、ウレタン製給紙ロールを製造する工程を示す説明図であって、ウレタン層に軸体を挿入する状態を示している。
【符号の説明】
10 ピックアップロール 11 用紙トレイ
12 フィードロール 13 紙
14 リタードロール 16 軸体
18 ウレタン層 20 成形キャビティ面
21 成形キャビティ 22 成形金型
24 ポリウレタン原料 26 ウレタン円筒体

Claims (4)

  1. 通紙される紙に接するロール表面がポリウレタン弾性体からなるウレタン層にて構成されてなる給紙ロールにして、
    該ウレタン層が、研摩目に対応した模様の成形キャビティ面を有する成形型を用いたポリウレタン原料の注型成形操作によって形成されていると共に、そのロール表面が、非研摩形態において、Rz:40〜75μm、Rmax:40〜140μmの表面粗さを有する研摩目模様とされていることを特徴とするウレタン製給紙ロール。
  2. 前記成形型が、Rz:40〜75μm、Rmax:40〜140μmの表面粗さの研摩目を有するように研摩されたゴムロールを用い、かかるゴムロールのロール表面の研摩目を電鋳法にて転写せしめることによって、前記研摩目対応模様が形成されてなる成形キャビティ面を有している請求項1に記載のウレタン製給紙ロール。
  3. ポリウレタン弾性体からなるウレタン層が軸体の周りに形成されてなるウレタン製給紙ロールを製造する方法にして、
    研摩加工によって、Rz:40〜75μm、Rmax:40〜140μmの表面粗さの研摩目を有するロール表面とされてなるゴムロールを得る工程と、
    かかるゴムロールを用い、そのロール表面の研摩目が電鋳法によって転写せしめられることによって形成された、該研摩目に対応した模様を成形キャビティ面に有する成形型を準備する工程と、
    該成形型の成形キャビティ内に所定のポリウレタン原料を注入して、注型成形を行なうことにより、前記成形キャビティ面の模様に基づいて、前記ゴムロールの研摩目に相当する研摩目模様が表面に形成されてなるウレタン層を、所定厚さにおいて形成せしめる工程とを、
    含むことを特徴とするウレタン製給紙ロールの製造法。
  4. 前記ゴムロールが、30°〜50°のJIS−A硬度のゴム層を有し、該ゴム層のロール表面に対して前記研摩加工が施されている請求項3に記載のウレタン製給紙ロールの製造法。
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