JP2004149251A - 建造物階層間昇降手段自動呼出システム - Google Patents
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Abstract
【課題】既設のエレベータ制御部の改造が不要で、制御の信頼性が高く、人間と無人搬送台車がエレベータ空間を共有することのできる使い勝手の良い昇降手段自動呼出システムを得る。
【解決手段】本発明の昇降手段自動呼出システムは、建造物階層間を移動する昇降手段103と、昇降手段の諸動作を制御する昇降手段制御部109と、各階層に配置され昇降手段制御部に対し各階層への呼出し指令を人間の操作によって行う手動呼出装置106と、建造物階層間の移動データを通信手段によって伝える自動呼出装置駆動部116と、該移動データに基づき自動呼出装置駆動部によって駆動され、昇降手段制御部に対し各階層への呼出し指令を行う自動呼出装置111、112とを備え、この自動呼出装置は、手動呼出装置に配置された人間用の呼出しボタンと並列に配置され、昇降手段制御部に対して人間用の呼出しボタンと同じ作用を行うものである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の昇降手段自動呼出システムは、建造物階層間を移動する昇降手段103と、昇降手段の諸動作を制御する昇降手段制御部109と、各階層に配置され昇降手段制御部に対し各階層への呼出し指令を人間の操作によって行う手動呼出装置106と、建造物階層間の移動データを通信手段によって伝える自動呼出装置駆動部116と、該移動データに基づき自動呼出装置駆動部によって駆動され、昇降手段制御部に対し各階層への呼出し指令を行う自動呼出装置111、112とを備え、この自動呼出装置は、手動呼出装置に配置された人間用の呼出しボタンと並列に配置され、昇降手段制御部に対して人間用の呼出しボタンと同じ作用を行うものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場やオフィスビル、医療福祉施設等で搬送業務を行う無人搬送台車、およびそれを含む自動機械がエレベータ(昇降手段)を制御するための昇降手段自動呼出装置を含む建造物階層間昇降手段自動呼出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ビル内等での搬送業務を行う自律移動型無人搬送台車は、階層(フロア)内の移動に通常、車輪による駆動機構を用いている。この搬送台車が階層間の移動、すなわち昇降移動を行う場合、階段を昇降できるように特殊な車輪にする方法もあるが、複雑な機構と大きなパワーが必要となり実用的ではない。そこで既に工場内に設置されているエレベータシステムなどのエレベータを利用し、昇降移動を果たす方法が有効である。
【0003】
図7は、従来の一般的なビル内等でのエレベータ昇降制御装置を示している。図において、901、902はフロア、903はビル内に設置されたエレベータ等の昇降手段、904、905はエレベータ扉、906、907は手動呼出装置、908は信号線、909はエレベータ制御部である。すなわち、フロア901、902を有するビル内にエレベータ等の昇降手段903が設置されており、各階にはエレベータ扉904、905、および手動呼出装置906、907があり、人間が手動呼出装置906、907を操作すると、その呼出し情報は信号線908を介してエレベータ制御部909に伝えられるようになっている。エレベータ制御部909はこの信号をもとに巻き上げ部910を動作させ、エレベータ903を昇降させる。
【0004】
図8は、各階扉付近に設置される既知の手動呼出装置の構成例である。
図において、1001は壁面に取付けられる呼出装置筐体、1002は上階への移動意志をエレベータ制御部に伝える押しボタンであり、押しボタン1002の内部には呼びだし中であることを点灯で示すランプ1003を内蔵している。1004は下階への移動意志をエレベータ制御部に伝える押しボタンであり、押しボタン1004の内部には呼出し中であることを点灯で示すランプ1005を内蔵している。
【0005】
図9は、既知の手動呼出装置の一部(上半分)の内部回路例を示す図である。図において、1101は壁面に取付けられる呼出装置筐体、1102は上階への移動意志をエレベータ制御部に伝える押しボタンである。押しボタン1102の内部には呼出し中であることを点灯で示すランプ1103と、押しボタンが押されたことを検出するスイッチ1104が内蔵されている。呼出装置筐体1101に内蔵された手動呼出装置制御部1105は、ランプ1103およびスイッチ1104に接続するとともに、通信線1106を介してエレベータ制御部1107に接続しており、前記エレベータ制御部1107からの指令に従ってランプ1103の点灯/非点灯を切り替えたり、スイッチ1104が押されているか否かを検出したりする。
ここで、人間がこの手動呼出装置を操作するときの手順を3階から2階に行く場合を例にとり説明すると、次のようになる。
(1)まず、人間が3階の呼出装置の下階ボタンを押す。
(2)するとこのボタンに内蔵されたランプが点灯するとともに、他の階にあるエレベータが3階に向けて移動する。
(3)ボタンを離しても点灯は続き、エレベータが到着して扉が開いた時点で点灯は消える。
(4)ボタンを離していると一定時間後に扉は閉まるが、ボタンを押し続けているかぎり扉は開いたままである。
(5)人間が3階でエレベータに乗り込んだ後、今度はエレベータ内に設置された行先階指定ボタンの中から目的とする2階のボタンを押す。
(6)すると扉は閉まり、エレベータは2階に移動する。
(7)2階に到着すると自動的に扉が開く。
以上述べた構成は、従来のビル内のエレベータに一般的に装備されている既設の機能である。
【0006】
図10は、無人搬送台車にこのエレベータを制御させようとする場合に用いられる具体的装置例である。
図において、1201は無人搬送台車、1202は駆動車輪、1203はマニピュレータ、1204はビジョンセンサ、1205はエレベータ扉、1206は手動呼出装置、1207は下階ボタンを示している。図からわかるように、無人搬送台車1201は、駆動車輪1202、マニピュレータ1203、ビジョンセンサ1204を装備し、無人搬送台車1201がエレベータ扉1205に接近すると、ビジョンセンサ1204で手動呼出装置1206の下階ボタン1207の位置を検出する。その位置にマニピュレータ1203を動作させ、ボタン1207を押すことでエレベータを呼出すものである。この方法ではマニピュレータやビジョンセンサといった高価な装置が必要になる上、アーム動作や画像処理に時間がかかり、さらに無人搬送台車が大型化するため実用的ではない。
【0007】
これに対して、無人搬送台車が手動呼出装置を介さずに直接エレベータ制御装置に指令する方法として、図11に示すものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。図11は、別の無人搬送台車のエレベータ呼出し操作方法を示す図を示す図である。
【0008】
【特許文献1】特開平6−282329号公報(第1―4頁、第1図)
【0009】
図11において、1301は移動体、1302、1303はアンテナ等の無線通信手段、1304はモデム、1305は自動呼出装置駆動部(コンピュータ)、1306は中間ユニット、1307はエレベータ制御部、1308は巻き上げ部、1309はエレベータ籠(昇降手段)である。図13からわかるように、移動体1301は無線通信手段1302を搭載し、無線通信手段1303、モデム1304を介して自動呼出装置駆動部1305と無線で通信することができる。移動体1301からの昇降手段呼出し信号は無線で自動呼出装置駆動部1305に送られ、コンピュータ1305と中間ユニット1306を介して有線にて結ばれたエレベータ制御部1307に送られる。エレベータ制御部1307はこの指令に従い、巻き上げ部1308を制御してエレベータ籠1309を昇降させる。またエレベータ籠1309が到着すると、その旨がエレベータ制御部1307からコンピュータ1305に伝えられ、コンピュータ1305から無線通信によって移動体1301に伝えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法では、既設のエレベータ制御部1307に対しコンピュータ1305と接続して制御するための改造を加える必要があり、その設置・取外し作業は容易ではない。
また、ユーザが例えばエレベータメーカが保証しないような使用法でエレベータを操作した場合、自動呼出装置駆動部の信頼性の問題もある。
また、移動体1301がエレベータ1309を呼出している間はコンピュータ1305がエレベータ制御を統括しているため、同じくエレベータを使用する人間の呼出しボタン操作は無視されてしまい、人間にとって使い勝手の良い装置とは言えない。
そこで、本発明は、既設のエレベータ制御部への改造が不要で、制御の信頼性が高く、人間と無人搬送台車がエレベータ空間を共有することのできる使い勝手の良い昇降手段自動呼出システムを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1記載の建造物階層間昇降手段自動呼出システムの発明は、建造物階層間を移動する昇降手段と、前記昇降手段の諸動作を制御する昇降手段制御部と、各階層に配置され前記昇降手段制御部に対し各階層への呼出し指令を人間の操作によって行う手動呼出装置と、前記建造物階層間の移動データを通信手段によって伝える自動呼出装置駆動部と、該移動データに基づき自動呼出装置駆動部によって駆動され、前記昇降手段制御部に対し各階層への呼出し指令を行う自動呼出装置とを備えた建造物階層間昇降手段自動呼出システムにおいて、前記自動呼出装置は、前記手動呼出装置に配置された人間用の呼出しボタンと並列に配置され、前記人間用の呼出しボタンと同じ作用を前記昇降手段制御部に対し行う構成のものである。
上記手段により、手動呼出装置に若干の改造を加えるだけで、特別な機構を用いることなく、容易にエレベータを制御できる。また、人間も排除されること無くエレベータを利用できるという作用がある。
請求項2記載の発明は、前記自動呼出装置が、前記人間用の呼出しボタンと、前記昇降手段制御部との間に配置され、前記人間用の呼出しボタンの操作内容を検出するとともに、同じ作用を前記昇降手段制御部に対し行うものである。
上記手段により、手動呼出装置に若干の改造を加えるだけで、特別な機構を用いることなく、容易にエレベータを制御できる。また、人間も排除されること無くエレベータを利用できるという作用がある。
請求項3記載の発明において、前記自動呼出装置駆動部は、無人搬送台車が前記昇降手段前に到達するまでの台車到達時間Trと、前記昇降手段が該無人搬送台車の存在する階層に到達するまでの昇降手段到達時間Teとを予測し、前記台車到達時間Trが前記昇降手段到達時間Teに等しくなるか、あるいは下回った時点で該階層の前記自動呼出装置を駆動開始するものである。
上記手段により、無人搬送台車が昇降手段を占有する時間を最小限に抑えられるという作用がある。
請求項4記載の発明において、前記自動呼出装置駆動部は、各階層の前記自動呼出装置のいずれかにおいて前記人間用の呼出しボタンが使用中であることを検出した場合には、前記自動呼出装置の駆動あるいは前記無人搬送台車の搭乗を猶予するものである。
上記手段により、人間が使用中であることを検出した場合には昇降手段の呼出しや無人搬送台車の乗降を行わないので、人間による昇降手段の使用を極力阻害しないという作用がある。
請求項5記載の発明において、前記自動呼出装置駆動部は、前記自動呼出装置の駆動中に、各階層の前記自動呼出装置のいずれかにおいて前記人間用の呼出しボタンが使用されたことを検出した場合には、該階層の人間に自動運転中であることを告知するものである。
上記手段により、人間にとって昇降手段内に無人搬送台車が搭乗していることをあらかじめ知ることができるので、不安感や圧迫感が軽減されるという作用がある。
請求項6記載の発明において、前記自動呼出装置は、人間に音声情報を提示するための音声出力装置を備えたものである。
上記手段により、あらかじめ設定された音声情報を出力することで、昇降手段を待っている人間に対し、的確な情報を提示することができるという作用がある。
請求項7記載の発明において、前記自動呼出装置は、人間からの階層を指定する音声を認識して前記自動呼出装置制御部に送信するための音声認識装置を備えてなることを特徴とする。
上記手段により、手動呼出装置を操作することなく、例えば「1階」「2階」などといった発音で昇降手段を呼び出したり、「開け」などといった発音で開閉を制御したりすることができるため、特に車椅子使用者や視覚障害者に対して使い勝手が向上するという作用がある。
請求項8記載の発明において、前記自動呼出装置は、前記手動呼出装置に装備された昇降手段位置表示装置の点灯/非点灯によって前記建造物階層間における前記昇降手段の現在の位置を検出することを特徴とする。
上記手段により、昇降手段が現在どの階層にいるのかを把握することができるため、昇降手段の到着時間をより確実に推測することができるという作用がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態を示す全体装置構成図である。図において、101、102はフロア、103はビル内に設置されたエレベータ等の昇降手段、104、105はエレベータ扉、106、107は手動呼出装置、108は信号線、109はエレベータ制御部である。また、111、112は自動呼出装置、113、114は信号入出力装置、115は情報ネットワーク、116は自動呼出装置駆動部、117はモデム、118、119は無線通信手段、120は無人搬送台車である。図からわかるように、フロア101、102を有するビル内にエレベータ等の昇降手段103が設置されており、各階にはエレベータ扉104、105、および手動呼出装置106、107があり、人間が手動呼出装置106、107を操作すると、その呼出し情報は信号線108を介してエレベータ制御部109に伝えられるようになっている。エレベータ制御部109はこの信号をもとに巻き上げ部110を動作させ、エレベータ103を昇降させる。
以上までの構成は、従来のビル内のエレベータ装置に一般的に装備されている既設の機能である。
本発明によると、さらに、既設の手動呼出装置106、107の上に自動呼出装置111、112を被せて取付け、自動呼出装置111、112は信号入出力装置113、114を介し、各階の同様の自動呼出装置とともに、情報ネットワーク115により自動呼出装置駆動部116と接続している。自動呼出装置駆動部116はまた、モデム117、無線通信手段118と接続されており、無線通信手段119を介してフロア101を走行中の無人搬送台車120とデータのやり取りを行うことができる。
【0013】
図2は本発明の第1の実施形態の具体例を示す自動呼出装置の一部(上半分)の断面を示す図、図3はその内部回路例を示す図である。
図2(a)は呼出しボタンが押されていない状態を示しており、図2(b)は人間がエレベータを呼出すようすを示し、図2(c)は自動呼出装置駆動部がエレベータを呼出す様子を示している。図において、301は壁、302は既設の手動呼出装置、303は既設の第1呼出しボタンである。また、304は本発明で提案する自動呼出装置筐体、305は第2呼出しボタン、306は突起、307は復元用バネ、308はソレノイド、309はピン、310はレバーである。また、311は光センサ、312は第2呼出しボタン305を点灯/非点灯させるランプである。
図2(a)からわかるように、壁301には既設の手動呼出装置302があり、この手動呼出装置302の上に第1呼出しボタン303が配置されている。
そしてこの手動呼出装置302の上に本発明の自動呼出装置筐体304が全体を覆うように被せられており、かつ自動呼出装置筐体304には第2呼出しボタン305が配置されている。この第2呼出しボタン305の裏側(手動呼出装置302側)には、第1呼出しボタン303に当接する突起306が固定されており、その突起306の外周には復元用のバネ307が配置されている。また、自動呼出装置筐体304にはソレノイド308が固定されており、同じく自動呼出装置筐体304に固定されたピン309のまわりを旋回自在なレバー310に出力端を接している。そこで、ソレノイド308に付勢信号が与えられると、旋回自在なレバー310がピン309を中心に回転し、その先端が第1呼出しボタン303を押圧することとなる。
311は第1呼出しボタン303に内蔵されたランプの点灯/非点灯を検出するセンサであり、312は第2呼出しボタン305を点灯/非点灯させるランプである。
そこで、次に人間がエレベータをを呼出すと、図2(b)のように動作する。すなわち、図2(b)において、人間により第2呼出しボタン305が押圧されると、第2呼出しボタン305に固定された突起306によって第1呼出しボタン303が押圧され、エレベータが呼出される。このとき第1呼出しボタン303に内蔵されたランプ(図示なし)が点灯し、これを検出したセンサ311の信号を図示しない自動呼出装置駆動部(図1の116)が受け取り、ランプ312を点灯させて、呼び出している旨を人間に知らせる。
また、ランプ312を点灯させる代わりに、例えば第2呼出しボタン305を透明樹脂等で形成するなどして、第1呼出しボタン303の点灯/非点灯が人間から判別できるような構成にしてもよい。
そして、無人搬送台車(図1の120)がエレベータを呼出すと、図2(c)のように動作する。すなわち、図2(c)において、無人搬送台車(図1の120)がエレベータを呼出す無線データを発すると、図1の自動呼出装置駆動部116からの指令がソレノイド308に伝えられ摺動部をスライドさせ、したがって摺動部に接するレバー310がピン309を支点として回転し、反対端が第1呼出しボタン303を押すことでエレベータを呼出すこととなる。このとき第1呼出しボタン303に内蔵されたランプが点灯し、これを検出したセンサ311の信号を自動呼出装置駆動部が受け取り、ランプ312を点灯させて、呼び出している旨を人間に知らせる。
【0014】
図3は、図2における自動呼出装置の一部(上半分)の内部回路例を示す図である。図3において、601は壁面に取付けられる手動呼出装置筐体、602は手動呼出装置601に設置され、上階への移動意志をエレベータ制御部に伝える押しボタンである。押しボタン602の内部には呼出し中であることを点灯で示すランプ603と、押しボタンが押されたことを検出するスイッチ604が内蔵されている。手動呼出装置筐体601に内蔵された手動呼出装置制御部605は、ランプ603およびスイッチ604に接続するとともに、通信線606を介してエレベータ制御部607に接続しており、前記エレベータ制御部607からの指令に従ってランプ603の点灯/非点灯を切り替えたり、スイッチ604が押されているか否かを検出したりする。
本実施例における自動呼出装置608は、ランプ603に並列接続されるホトカプラ610と、前記スイッチ604に並列接続されるリレー611とを有している。ホトカプラ610、およびリレー611は、信号入出力装置612を介して自動呼出装置駆動部613に接続している。
以上の構成により、自動呼出装置駆動部613は、前記ホトカプラ610によって前記手動呼出装置制御部605からランプ603への点灯/非点灯指令を検出するとともに、前記リレー611によって前記スイッチ604がON/OFFしたのと同じ作用を前記手動呼出装置制御部605に与えることができる。
したがって、つぎの図4に示す処理フローに基づいて制御を行えば、特別な機構を用いることなく、自動呼出装置駆動部613からの指令でエレベータを制御できるとともに、人間も押しボタン602を操作することでエレベータを利用することができる。
【0015】
図4は、この自動呼出装置を用いて無人搬送台車120がフロア101からフロア102に移動する時の自動呼出装置駆動部116の処理フローを示すものである。
以下、順に処理フローにしたがって自動呼出装置駆動部116の処理を説明する。
(1)無人搬送台車120が無線通信によって自動呼出装置駆動部116に「フロア101からフロア102に移動」の旨を伝えると、自動呼出装置駆動部116は情報ネットワーク115、信号入出力装置113を介して、図2で説明したように自動呼出装置111のソレノイドを動作させ、手動呼出装置106の「下階」ボタンを押す(ステップ401)。
(2)次に、同様にしてボタンを離させる(ステップ402)。
(3)手動呼出装置の呼出しボタンのランプの点灯/非点灯を前記に説明したセンサにより検出した結果は、信号入出力装置113および情報ネットワーク115を介して自動呼出装置駆動部116に返される。もしランプが点灯している場合はエレベータがまだ到着していないのでそのまま待つ。
(4)非点灯になったらエレベータが到着し扉が開いたと判断し(ステップ403)、扉が閉まらないよう再度「下階」ボタンを押す(ステップ404)。
(5)ここで無線通信により無人搬送台車120に扉が開いた旨を伝えると、無人搬送台車120は保有する外界センサにより、内部に障害物が無いかを確認し(ステップ405)、無ければエレベータ内に進入する(ステップ406、407)。
(6)もし障害物がありエレベータ内に進入できない場合は、音声アナウンスで周囲に連絡するとともに、無線通信により自動呼出装置駆動部116に連絡する(ステップ408)。
(7)無人搬送台車120はエレベータ内に完全に入ると、無線通信により自動呼出装置駆動部116にその旨連絡する。
(8)すると自動呼出装置駆動部116はフロア101の自動呼出装置111が押し続けていた手動呼出装置106の「下階」ボタンを離すよう指令し(ステップ409)、続いて今度はフロア102の自動呼出装置112に対し、手動呼出装置107の「下階」ボタンを押すよう指令する(ステップ410)。
(9)これによりエレベータはフロア102に向けて移動する。このとき自動呼出装置112が押すボタンが手動呼出装置107の「上階」ボタンであっても、作用は変わらない。
以後、ロボットがフロア102においてエレベータから降りるまでのステップ410〜418はステップ401〜409とフロアが異なるだけでほぼ同じシーケンスで動作する。
【0016】
図5は、本発明の第2の実施形態を示す自動呼出装置の一部(上半分)の内部回路例を示す図である。
図において、701は壁面に取付けられる手動呼出装置筐体、702は手動呼出装置701に設置され、上階への移動意志をエレベータ制御部に伝える押しボタンである。押しボタン702の内部には呼出し中であることを点灯で示すランプ703と、押しボタンが押されたことを検出するスイッチ704が内蔵されている。また手動呼出装置筐体701に内蔵された手動呼出装置制御部705は、通信線706を介してエレベータ制御部707に接続されている。
本実施例では、ランプ703およびスイッチ704は手動呼出装置制御部705に直接接続されておらず、自動呼出装置708を間にはさんだ構成になっている。この自動呼出装置708は、手動呼出装置制御部705に接続されるホトカプラ709およびリレー710と、前記スイッチ704に接続されるホトカプラ711とを有している。そしてホトカプラ709、リレー710、ホトカプラ711、およびランプ703は、信号入出力装置712を介して自動呼出装置駆動部713に接続している。
以上の構成により、自動呼出装置駆動部713は、手動呼出装置制御部705から送られるランプ点灯/非点灯の指令を検出でき、これに応じてランプ703の点灯/非点灯ができる。またスイッチ704のON/OFFを検出できるとともに、これに応じてリレー710によってスイッチ704がON/OFFしたのと同じ作用を手動呼出装置制御部705に与えることができる。
したがって、図4に示す処理フローに基づいて制御を行えば、特別な機構を用いることなく、自動呼出装置駆動部713からの指令でエレベータを制御できるとともに、人間も押しボタン702を操作することでエレベータを利用することができる。
また、ランプ703の点滅を自在に制御できたり、スイッチ704のON/OFF情報を確実に取得できる。さらに、自動呼出装置駆動部713の設定次第では、押しボタン702の操作にかかわらず独自にエレベータを制御することもできる。
【0017】
図6は、本発明の実施の形態に基づく無人搬送台車の呼出し方法を説明する図である。図において、801a〜dはフロア、802はビル内に設置されたエレベータ等の昇降手段、803は昇降手段802を制御するエレベータ制御部である。804a〜dは自動呼出装置、805a〜dはエレベータ扉、806は情報ネットワーク、807は自動呼出装置駆動部、808は無人搬送台車である。
一例として昇降手段802がフロア801aに、無人搬送台車808がフロア801dに存在し、無人搬送台車808が他のフロアに移動するためにエレベータ扉805dに向かって走行中であるものとする。
自動呼出装置駆動部807は無人搬送台車808と無線を介して通信可能であり、無人搬送台車808から一定時間ごとに現在位置を受信することで、既知のエレベータ扉805dまでの距離を算出し、無人搬送台車808の速度からエレベータ扉805dに到達するまでの所要時間Trを求めることができる。
また自動呼出装置駆動部807は、各フロアに設置された自動呼出装置804a〜dとネットワーク806を介して通信可能であり、昇降手段802の現在いるフロアや、各階での人間による呼出し状況などから、昇降手段802を呼び出してから無人搬送台車の存在するフロア801dに到着するまでの時間Teを求めることができる。
TrがTeよりも大きいうちに昇降手段802を呼び出すと、無人搬送台車808がエレベータ扉805dに到着する以前に昇降手段802がフロア801dに到着してしまい、以降無人搬送台車808が昇降手段802内に移動完了するまで昇降手段802を占有するという問題点が発生する。そこで、自動呼出装置駆動部807は、TrがTeよりも大きいうちは自動呼出装置804dを駆動せず、TrがTeに等しくなるか、あるいは下回った時点で初めて駆動開始するようにする。これにより、無人搬送台車が昇降手段を占有する時間を最小限に抑えることができる。
【0018】
各実施例では、人間と無人搬送台車とが昇降手段内で共存することを前提にしてしるが、万一の安全性や人間が受ける圧迫感等を考慮すると、無人搬送車側において、人間が使用している場合は使用を取りやめ、人間がいない場合のみ使用するようなシステムにすることが望ましい。そこで別の実施例では、人間用の呼出しボタン上のランプが点灯したことを各階層に設置された自動呼出装置が検知すると、自動呼出装置駆動部は人間が呼び出しボタンを操作したものと判断し、空き待ち状態に入る。空き待ち状態においては、自動呼出装置を駆動せず、したがってエレベータ扉前に到着した無人搬送台車はその場で停止する。また自動呼出装置を駆動して昇降手段を呼出した後で空き待ち状態になった場合には、昇降手段が到着しても無人搬送台車を進入させず、扉を閉めさせる。全ての自動呼出装置において人間用の呼出しボタン上のランプが非点灯になった段階で、空き待ち状態は解除される。上記の構成によれば、人間が使用中であることを検出した場合には昇降手段の呼出しや無人搬送台車の乗降を行わないので、人間による昇降手段の使用を極力阻害しないシステムを実現することができる。
一方で、無人搬送台車が昇降手段に搭乗して昇降中に人間が呼出ボタンを操作する状況も考えられる。この場合には昇降手段内で人間と無人搬送台車が共存することが不可避である。そこで別の実施例では、無人搬送台車の昇降中に人間用の呼出しボタン上のランプが点灯したことを各階層に設置された自動呼出装置が検知すると、該階層の自動呼出装置において、無人搬送台車が搭乗していることをあらかじめ告知するようにする。その方法は、後述するように音声出力を用いる方法でもよいし、何らかの表示画面を設けたり、人間用押しボタンのランプを点滅させたりするような方法でもよい。上記の構成によれば、人間にとって昇降手段内に無人搬送台車が搭乗していることをあらかじめ知ることができるので、不安感や圧迫感が軽減される。
【0019】
これまで述べた実施の形態においては、各階層に存在する自動呼出装置と人間とのインタフェースには言及していなかったが、自動呼出装置にスピーカなどの音声出力装置を設置し、自動呼出装置駆動部からの指令によってあらかじめ設定された音声情報を出力することで、昇降手段を待っている人間に対し、的確な情報を提示することができる。
また、自動呼出装置に音声認識装置を設置し、人間の発音の中からあらかじめ設定された単語を認識させて自動呼出装置駆動部に通知するようにすれば、手動呼出装置を操作することなく、例えば「1階」「2階」などといった発音で昇降手段を呼び出したり、「開け」などといった発音で開閉を制御したりすることができるため、特に車椅子使用者や視覚障害者に対して使い勝手が向上する。
これまで述べた実施の形態においては、最後に扉の開閉を行った階層を昇降手段の現在いる階層と判断するため、昇降手段が移動中にはその位置を正確に把握することができない。一方で一般的な既存の手動呼出装置においては、人間用の押しボタンの他に、昇降手段が現在どの階層にいるのかを表示する昇降手段位置表示装置を装備している。そこで各階層のうち少なくとも1つの手動呼出装置において、この昇降手段位置表示装置の各階層ランプの点灯/非点灯を検出する手段を配置しておけば、自動呼出装置駆動部は昇降手段が現在どの階層にいるのかを把握することができるため、昇降手段の到着時間をより確実に推測することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、既設のエレベータ制御部には全く手を加える必要がなく、エレベータを止めて改造工事を行う手間が省ける。
本発明の第1および第2の実施例によれば、既存の手動呼出装置に若干の改造を加えるだけで、特別な機構を用いることなく、容易にエレベータを制御できる。また、人間も排除されること無くエレベータを利用できる。
また、無人搬送台車が昇降手段を占有する時間を最小限に抑えることができる。人間が使用中であることを検出した場合には昇降手段の呼出しや無人搬送台車の乗降を行わないことで、人間による昇降手段の使用を極力阻害しないようにできる。やむをえず人間と共存する場合にも、人間は昇降手段内に無人搬送台車が搭乗していることをあらかじめ知ることができるので、不安感や圧迫感が軽減される。さらに音声を出力することで的確な情報を提示することができるとともに、音声認識装置によって昇降や開閉の使い勝手を向上させることができる。また、昇降手段が現在どの階層にいるのかを把握することで、昇降手段の到着時間をより確実に推測することができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す全体装置構成図
【図2】本発明の第1の実施形態を示す自動呼出装置の一部(上半分)の断面図
【図3】図2における内部回路図
【図4】本発明の第1の実施形態における処理フロー
【図5】本発明の第2の実施形態を示す、自動呼出装置の一部(上半分)の内部回路図
【図6】本発明の実施形態に基づく無人搬送台車の呼出し方法の説明図
【図7】従来の一般的なビル内等でのエレベータ昇降制御装置
【図8】従来の手動呼出装置の詳細な構成を示す図
【図9】従来の手動呼出装置の一部(上半分)の内部回路図
【図10】従来の無人搬送台車のエレベータ呼出し操作方法を示す図
【図11】従来の無人搬送台車の別のエレベータ呼出し操作方法を示す図
【符号の説明】
101、102、801a〜d、901、902 フロア(階層)
103、802、903 エレベータ(昇降手段)
104、105、805a〜d 、904、905 エレベータ扉
106、107、302、906、907 手動呼出装置
108 908 信号線
109 607、707、803、909 エレベータ制御部(昇降手段制御部)
110 巻き上げ部
111、112、804a〜d 自動呼出装置
113、114 信号入出力装置
115、806 情報ネットワーク
116、807 自動呼出装置駆動部
117 モデム
118、119 無線通信手段
120、808 無人搬送台車
301 壁
303 第1呼出しボタン
304 自動呼出装置筐体
305 第2呼出しボタン
306 突起
307 復元用バネ
308 ソレノイド
309 ピン
310 レバー
311 光センサ
312 ランプ
601 、701 手動呼出装置筐体
602 、702 押しボタン
606、706通信線
603、703 ランプ
604、704 スイッチ
605、705 手動呼出装置制御部
1201 無人搬送台車
1202 駆動車輪
1203 マニピュレータ
1204 ビジョンセンサ
1205 エレベータ扉
1206 手動呼出装置
1207 下階ボタン
1301 移動体
1302、1303 無線通信手段
1304 モデム
1305 自動呼出装置駆動部(コンピュータ)
1306 中間ユニット
1307 エレベータ制御部
1308 巻き上げ部
1309 エレベータ籠(昇降手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場やオフィスビル、医療福祉施設等で搬送業務を行う無人搬送台車、およびそれを含む自動機械がエレベータ(昇降手段)を制御するための昇降手段自動呼出装置を含む建造物階層間昇降手段自動呼出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ビル内等での搬送業務を行う自律移動型無人搬送台車は、階層(フロア)内の移動に通常、車輪による駆動機構を用いている。この搬送台車が階層間の移動、すなわち昇降移動を行う場合、階段を昇降できるように特殊な車輪にする方法もあるが、複雑な機構と大きなパワーが必要となり実用的ではない。そこで既に工場内に設置されているエレベータシステムなどのエレベータを利用し、昇降移動を果たす方法が有効である。
【0003】
図7は、従来の一般的なビル内等でのエレベータ昇降制御装置を示している。図において、901、902はフロア、903はビル内に設置されたエレベータ等の昇降手段、904、905はエレベータ扉、906、907は手動呼出装置、908は信号線、909はエレベータ制御部である。すなわち、フロア901、902を有するビル内にエレベータ等の昇降手段903が設置されており、各階にはエレベータ扉904、905、および手動呼出装置906、907があり、人間が手動呼出装置906、907を操作すると、その呼出し情報は信号線908を介してエレベータ制御部909に伝えられるようになっている。エレベータ制御部909はこの信号をもとに巻き上げ部910を動作させ、エレベータ903を昇降させる。
【0004】
図8は、各階扉付近に設置される既知の手動呼出装置の構成例である。
図において、1001は壁面に取付けられる呼出装置筐体、1002は上階への移動意志をエレベータ制御部に伝える押しボタンであり、押しボタン1002の内部には呼びだし中であることを点灯で示すランプ1003を内蔵している。1004は下階への移動意志をエレベータ制御部に伝える押しボタンであり、押しボタン1004の内部には呼出し中であることを点灯で示すランプ1005を内蔵している。
【0005】
図9は、既知の手動呼出装置の一部(上半分)の内部回路例を示す図である。図において、1101は壁面に取付けられる呼出装置筐体、1102は上階への移動意志をエレベータ制御部に伝える押しボタンである。押しボタン1102の内部には呼出し中であることを点灯で示すランプ1103と、押しボタンが押されたことを検出するスイッチ1104が内蔵されている。呼出装置筐体1101に内蔵された手動呼出装置制御部1105は、ランプ1103およびスイッチ1104に接続するとともに、通信線1106を介してエレベータ制御部1107に接続しており、前記エレベータ制御部1107からの指令に従ってランプ1103の点灯/非点灯を切り替えたり、スイッチ1104が押されているか否かを検出したりする。
ここで、人間がこの手動呼出装置を操作するときの手順を3階から2階に行く場合を例にとり説明すると、次のようになる。
(1)まず、人間が3階の呼出装置の下階ボタンを押す。
(2)するとこのボタンに内蔵されたランプが点灯するとともに、他の階にあるエレベータが3階に向けて移動する。
(3)ボタンを離しても点灯は続き、エレベータが到着して扉が開いた時点で点灯は消える。
(4)ボタンを離していると一定時間後に扉は閉まるが、ボタンを押し続けているかぎり扉は開いたままである。
(5)人間が3階でエレベータに乗り込んだ後、今度はエレベータ内に設置された行先階指定ボタンの中から目的とする2階のボタンを押す。
(6)すると扉は閉まり、エレベータは2階に移動する。
(7)2階に到着すると自動的に扉が開く。
以上述べた構成は、従来のビル内のエレベータに一般的に装備されている既設の機能である。
【0006】
図10は、無人搬送台車にこのエレベータを制御させようとする場合に用いられる具体的装置例である。
図において、1201は無人搬送台車、1202は駆動車輪、1203はマニピュレータ、1204はビジョンセンサ、1205はエレベータ扉、1206は手動呼出装置、1207は下階ボタンを示している。図からわかるように、無人搬送台車1201は、駆動車輪1202、マニピュレータ1203、ビジョンセンサ1204を装備し、無人搬送台車1201がエレベータ扉1205に接近すると、ビジョンセンサ1204で手動呼出装置1206の下階ボタン1207の位置を検出する。その位置にマニピュレータ1203を動作させ、ボタン1207を押すことでエレベータを呼出すものである。この方法ではマニピュレータやビジョンセンサといった高価な装置が必要になる上、アーム動作や画像処理に時間がかかり、さらに無人搬送台車が大型化するため実用的ではない。
【0007】
これに対して、無人搬送台車が手動呼出装置を介さずに直接エレベータ制御装置に指令する方法として、図11に示すものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。図11は、別の無人搬送台車のエレベータ呼出し操作方法を示す図を示す図である。
【0008】
【特許文献1】特開平6−282329号公報(第1―4頁、第1図)
【0009】
図11において、1301は移動体、1302、1303はアンテナ等の無線通信手段、1304はモデム、1305は自動呼出装置駆動部(コンピュータ)、1306は中間ユニット、1307はエレベータ制御部、1308は巻き上げ部、1309はエレベータ籠(昇降手段)である。図13からわかるように、移動体1301は無線通信手段1302を搭載し、無線通信手段1303、モデム1304を介して自動呼出装置駆動部1305と無線で通信することができる。移動体1301からの昇降手段呼出し信号は無線で自動呼出装置駆動部1305に送られ、コンピュータ1305と中間ユニット1306を介して有線にて結ばれたエレベータ制御部1307に送られる。エレベータ制御部1307はこの指令に従い、巻き上げ部1308を制御してエレベータ籠1309を昇降させる。またエレベータ籠1309が到着すると、その旨がエレベータ制御部1307からコンピュータ1305に伝えられ、コンピュータ1305から無線通信によって移動体1301に伝えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法では、既設のエレベータ制御部1307に対しコンピュータ1305と接続して制御するための改造を加える必要があり、その設置・取外し作業は容易ではない。
また、ユーザが例えばエレベータメーカが保証しないような使用法でエレベータを操作した場合、自動呼出装置駆動部の信頼性の問題もある。
また、移動体1301がエレベータ1309を呼出している間はコンピュータ1305がエレベータ制御を統括しているため、同じくエレベータを使用する人間の呼出しボタン操作は無視されてしまい、人間にとって使い勝手の良い装置とは言えない。
そこで、本発明は、既設のエレベータ制御部への改造が不要で、制御の信頼性が高く、人間と無人搬送台車がエレベータ空間を共有することのできる使い勝手の良い昇降手段自動呼出システムを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1記載の建造物階層間昇降手段自動呼出システムの発明は、建造物階層間を移動する昇降手段と、前記昇降手段の諸動作を制御する昇降手段制御部と、各階層に配置され前記昇降手段制御部に対し各階層への呼出し指令を人間の操作によって行う手動呼出装置と、前記建造物階層間の移動データを通信手段によって伝える自動呼出装置駆動部と、該移動データに基づき自動呼出装置駆動部によって駆動され、前記昇降手段制御部に対し各階層への呼出し指令を行う自動呼出装置とを備えた建造物階層間昇降手段自動呼出システムにおいて、前記自動呼出装置は、前記手動呼出装置に配置された人間用の呼出しボタンと並列に配置され、前記人間用の呼出しボタンと同じ作用を前記昇降手段制御部に対し行う構成のものである。
上記手段により、手動呼出装置に若干の改造を加えるだけで、特別な機構を用いることなく、容易にエレベータを制御できる。また、人間も排除されること無くエレベータを利用できるという作用がある。
請求項2記載の発明は、前記自動呼出装置が、前記人間用の呼出しボタンと、前記昇降手段制御部との間に配置され、前記人間用の呼出しボタンの操作内容を検出するとともに、同じ作用を前記昇降手段制御部に対し行うものである。
上記手段により、手動呼出装置に若干の改造を加えるだけで、特別な機構を用いることなく、容易にエレベータを制御できる。また、人間も排除されること無くエレベータを利用できるという作用がある。
請求項3記載の発明において、前記自動呼出装置駆動部は、無人搬送台車が前記昇降手段前に到達するまでの台車到達時間Trと、前記昇降手段が該無人搬送台車の存在する階層に到達するまでの昇降手段到達時間Teとを予測し、前記台車到達時間Trが前記昇降手段到達時間Teに等しくなるか、あるいは下回った時点で該階層の前記自動呼出装置を駆動開始するものである。
上記手段により、無人搬送台車が昇降手段を占有する時間を最小限に抑えられるという作用がある。
請求項4記載の発明において、前記自動呼出装置駆動部は、各階層の前記自動呼出装置のいずれかにおいて前記人間用の呼出しボタンが使用中であることを検出した場合には、前記自動呼出装置の駆動あるいは前記無人搬送台車の搭乗を猶予するものである。
上記手段により、人間が使用中であることを検出した場合には昇降手段の呼出しや無人搬送台車の乗降を行わないので、人間による昇降手段の使用を極力阻害しないという作用がある。
請求項5記載の発明において、前記自動呼出装置駆動部は、前記自動呼出装置の駆動中に、各階層の前記自動呼出装置のいずれかにおいて前記人間用の呼出しボタンが使用されたことを検出した場合には、該階層の人間に自動運転中であることを告知するものである。
上記手段により、人間にとって昇降手段内に無人搬送台車が搭乗していることをあらかじめ知ることができるので、不安感や圧迫感が軽減されるという作用がある。
請求項6記載の発明において、前記自動呼出装置は、人間に音声情報を提示するための音声出力装置を備えたものである。
上記手段により、あらかじめ設定された音声情報を出力することで、昇降手段を待っている人間に対し、的確な情報を提示することができるという作用がある。
請求項7記載の発明において、前記自動呼出装置は、人間からの階層を指定する音声を認識して前記自動呼出装置制御部に送信するための音声認識装置を備えてなることを特徴とする。
上記手段により、手動呼出装置を操作することなく、例えば「1階」「2階」などといった発音で昇降手段を呼び出したり、「開け」などといった発音で開閉を制御したりすることができるため、特に車椅子使用者や視覚障害者に対して使い勝手が向上するという作用がある。
請求項8記載の発明において、前記自動呼出装置は、前記手動呼出装置に装備された昇降手段位置表示装置の点灯/非点灯によって前記建造物階層間における前記昇降手段の現在の位置を検出することを特徴とする。
上記手段により、昇降手段が現在どの階層にいるのかを把握することができるため、昇降手段の到着時間をより確実に推測することができるという作用がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態を示す全体装置構成図である。図において、101、102はフロア、103はビル内に設置されたエレベータ等の昇降手段、104、105はエレベータ扉、106、107は手動呼出装置、108は信号線、109はエレベータ制御部である。また、111、112は自動呼出装置、113、114は信号入出力装置、115は情報ネットワーク、116は自動呼出装置駆動部、117はモデム、118、119は無線通信手段、120は無人搬送台車である。図からわかるように、フロア101、102を有するビル内にエレベータ等の昇降手段103が設置されており、各階にはエレベータ扉104、105、および手動呼出装置106、107があり、人間が手動呼出装置106、107を操作すると、その呼出し情報は信号線108を介してエレベータ制御部109に伝えられるようになっている。エレベータ制御部109はこの信号をもとに巻き上げ部110を動作させ、エレベータ103を昇降させる。
以上までの構成は、従来のビル内のエレベータ装置に一般的に装備されている既設の機能である。
本発明によると、さらに、既設の手動呼出装置106、107の上に自動呼出装置111、112を被せて取付け、自動呼出装置111、112は信号入出力装置113、114を介し、各階の同様の自動呼出装置とともに、情報ネットワーク115により自動呼出装置駆動部116と接続している。自動呼出装置駆動部116はまた、モデム117、無線通信手段118と接続されており、無線通信手段119を介してフロア101を走行中の無人搬送台車120とデータのやり取りを行うことができる。
【0013】
図2は本発明の第1の実施形態の具体例を示す自動呼出装置の一部(上半分)の断面を示す図、図3はその内部回路例を示す図である。
図2(a)は呼出しボタンが押されていない状態を示しており、図2(b)は人間がエレベータを呼出すようすを示し、図2(c)は自動呼出装置駆動部がエレベータを呼出す様子を示している。図において、301は壁、302は既設の手動呼出装置、303は既設の第1呼出しボタンである。また、304は本発明で提案する自動呼出装置筐体、305は第2呼出しボタン、306は突起、307は復元用バネ、308はソレノイド、309はピン、310はレバーである。また、311は光センサ、312は第2呼出しボタン305を点灯/非点灯させるランプである。
図2(a)からわかるように、壁301には既設の手動呼出装置302があり、この手動呼出装置302の上に第1呼出しボタン303が配置されている。
そしてこの手動呼出装置302の上に本発明の自動呼出装置筐体304が全体を覆うように被せられており、かつ自動呼出装置筐体304には第2呼出しボタン305が配置されている。この第2呼出しボタン305の裏側(手動呼出装置302側)には、第1呼出しボタン303に当接する突起306が固定されており、その突起306の外周には復元用のバネ307が配置されている。また、自動呼出装置筐体304にはソレノイド308が固定されており、同じく自動呼出装置筐体304に固定されたピン309のまわりを旋回自在なレバー310に出力端を接している。そこで、ソレノイド308に付勢信号が与えられると、旋回自在なレバー310がピン309を中心に回転し、その先端が第1呼出しボタン303を押圧することとなる。
311は第1呼出しボタン303に内蔵されたランプの点灯/非点灯を検出するセンサであり、312は第2呼出しボタン305を点灯/非点灯させるランプである。
そこで、次に人間がエレベータをを呼出すと、図2(b)のように動作する。すなわち、図2(b)において、人間により第2呼出しボタン305が押圧されると、第2呼出しボタン305に固定された突起306によって第1呼出しボタン303が押圧され、エレベータが呼出される。このとき第1呼出しボタン303に内蔵されたランプ(図示なし)が点灯し、これを検出したセンサ311の信号を図示しない自動呼出装置駆動部(図1の116)が受け取り、ランプ312を点灯させて、呼び出している旨を人間に知らせる。
また、ランプ312を点灯させる代わりに、例えば第2呼出しボタン305を透明樹脂等で形成するなどして、第1呼出しボタン303の点灯/非点灯が人間から判別できるような構成にしてもよい。
そして、無人搬送台車(図1の120)がエレベータを呼出すと、図2(c)のように動作する。すなわち、図2(c)において、無人搬送台車(図1の120)がエレベータを呼出す無線データを発すると、図1の自動呼出装置駆動部116からの指令がソレノイド308に伝えられ摺動部をスライドさせ、したがって摺動部に接するレバー310がピン309を支点として回転し、反対端が第1呼出しボタン303を押すことでエレベータを呼出すこととなる。このとき第1呼出しボタン303に内蔵されたランプが点灯し、これを検出したセンサ311の信号を自動呼出装置駆動部が受け取り、ランプ312を点灯させて、呼び出している旨を人間に知らせる。
【0014】
図3は、図2における自動呼出装置の一部(上半分)の内部回路例を示す図である。図3において、601は壁面に取付けられる手動呼出装置筐体、602は手動呼出装置601に設置され、上階への移動意志をエレベータ制御部に伝える押しボタンである。押しボタン602の内部には呼出し中であることを点灯で示すランプ603と、押しボタンが押されたことを検出するスイッチ604が内蔵されている。手動呼出装置筐体601に内蔵された手動呼出装置制御部605は、ランプ603およびスイッチ604に接続するとともに、通信線606を介してエレベータ制御部607に接続しており、前記エレベータ制御部607からの指令に従ってランプ603の点灯/非点灯を切り替えたり、スイッチ604が押されているか否かを検出したりする。
本実施例における自動呼出装置608は、ランプ603に並列接続されるホトカプラ610と、前記スイッチ604に並列接続されるリレー611とを有している。ホトカプラ610、およびリレー611は、信号入出力装置612を介して自動呼出装置駆動部613に接続している。
以上の構成により、自動呼出装置駆動部613は、前記ホトカプラ610によって前記手動呼出装置制御部605からランプ603への点灯/非点灯指令を検出するとともに、前記リレー611によって前記スイッチ604がON/OFFしたのと同じ作用を前記手動呼出装置制御部605に与えることができる。
したがって、つぎの図4に示す処理フローに基づいて制御を行えば、特別な機構を用いることなく、自動呼出装置駆動部613からの指令でエレベータを制御できるとともに、人間も押しボタン602を操作することでエレベータを利用することができる。
【0015】
図4は、この自動呼出装置を用いて無人搬送台車120がフロア101からフロア102に移動する時の自動呼出装置駆動部116の処理フローを示すものである。
以下、順に処理フローにしたがって自動呼出装置駆動部116の処理を説明する。
(1)無人搬送台車120が無線通信によって自動呼出装置駆動部116に「フロア101からフロア102に移動」の旨を伝えると、自動呼出装置駆動部116は情報ネットワーク115、信号入出力装置113を介して、図2で説明したように自動呼出装置111のソレノイドを動作させ、手動呼出装置106の「下階」ボタンを押す(ステップ401)。
(2)次に、同様にしてボタンを離させる(ステップ402)。
(3)手動呼出装置の呼出しボタンのランプの点灯/非点灯を前記に説明したセンサにより検出した結果は、信号入出力装置113および情報ネットワーク115を介して自動呼出装置駆動部116に返される。もしランプが点灯している場合はエレベータがまだ到着していないのでそのまま待つ。
(4)非点灯になったらエレベータが到着し扉が開いたと判断し(ステップ403)、扉が閉まらないよう再度「下階」ボタンを押す(ステップ404)。
(5)ここで無線通信により無人搬送台車120に扉が開いた旨を伝えると、無人搬送台車120は保有する外界センサにより、内部に障害物が無いかを確認し(ステップ405)、無ければエレベータ内に進入する(ステップ406、407)。
(6)もし障害物がありエレベータ内に進入できない場合は、音声アナウンスで周囲に連絡するとともに、無線通信により自動呼出装置駆動部116に連絡する(ステップ408)。
(7)無人搬送台車120はエレベータ内に完全に入ると、無線通信により自動呼出装置駆動部116にその旨連絡する。
(8)すると自動呼出装置駆動部116はフロア101の自動呼出装置111が押し続けていた手動呼出装置106の「下階」ボタンを離すよう指令し(ステップ409)、続いて今度はフロア102の自動呼出装置112に対し、手動呼出装置107の「下階」ボタンを押すよう指令する(ステップ410)。
(9)これによりエレベータはフロア102に向けて移動する。このとき自動呼出装置112が押すボタンが手動呼出装置107の「上階」ボタンであっても、作用は変わらない。
以後、ロボットがフロア102においてエレベータから降りるまでのステップ410〜418はステップ401〜409とフロアが異なるだけでほぼ同じシーケンスで動作する。
【0016】
図5は、本発明の第2の実施形態を示す自動呼出装置の一部(上半分)の内部回路例を示す図である。
図において、701は壁面に取付けられる手動呼出装置筐体、702は手動呼出装置701に設置され、上階への移動意志をエレベータ制御部に伝える押しボタンである。押しボタン702の内部には呼出し中であることを点灯で示すランプ703と、押しボタンが押されたことを検出するスイッチ704が内蔵されている。また手動呼出装置筐体701に内蔵された手動呼出装置制御部705は、通信線706を介してエレベータ制御部707に接続されている。
本実施例では、ランプ703およびスイッチ704は手動呼出装置制御部705に直接接続されておらず、自動呼出装置708を間にはさんだ構成になっている。この自動呼出装置708は、手動呼出装置制御部705に接続されるホトカプラ709およびリレー710と、前記スイッチ704に接続されるホトカプラ711とを有している。そしてホトカプラ709、リレー710、ホトカプラ711、およびランプ703は、信号入出力装置712を介して自動呼出装置駆動部713に接続している。
以上の構成により、自動呼出装置駆動部713は、手動呼出装置制御部705から送られるランプ点灯/非点灯の指令を検出でき、これに応じてランプ703の点灯/非点灯ができる。またスイッチ704のON/OFFを検出できるとともに、これに応じてリレー710によってスイッチ704がON/OFFしたのと同じ作用を手動呼出装置制御部705に与えることができる。
したがって、図4に示す処理フローに基づいて制御を行えば、特別な機構を用いることなく、自動呼出装置駆動部713からの指令でエレベータを制御できるとともに、人間も押しボタン702を操作することでエレベータを利用することができる。
また、ランプ703の点滅を自在に制御できたり、スイッチ704のON/OFF情報を確実に取得できる。さらに、自動呼出装置駆動部713の設定次第では、押しボタン702の操作にかかわらず独自にエレベータを制御することもできる。
【0017】
図6は、本発明の実施の形態に基づく無人搬送台車の呼出し方法を説明する図である。図において、801a〜dはフロア、802はビル内に設置されたエレベータ等の昇降手段、803は昇降手段802を制御するエレベータ制御部である。804a〜dは自動呼出装置、805a〜dはエレベータ扉、806は情報ネットワーク、807は自動呼出装置駆動部、808は無人搬送台車である。
一例として昇降手段802がフロア801aに、無人搬送台車808がフロア801dに存在し、無人搬送台車808が他のフロアに移動するためにエレベータ扉805dに向かって走行中であるものとする。
自動呼出装置駆動部807は無人搬送台車808と無線を介して通信可能であり、無人搬送台車808から一定時間ごとに現在位置を受信することで、既知のエレベータ扉805dまでの距離を算出し、無人搬送台車808の速度からエレベータ扉805dに到達するまでの所要時間Trを求めることができる。
また自動呼出装置駆動部807は、各フロアに設置された自動呼出装置804a〜dとネットワーク806を介して通信可能であり、昇降手段802の現在いるフロアや、各階での人間による呼出し状況などから、昇降手段802を呼び出してから無人搬送台車の存在するフロア801dに到着するまでの時間Teを求めることができる。
TrがTeよりも大きいうちに昇降手段802を呼び出すと、無人搬送台車808がエレベータ扉805dに到着する以前に昇降手段802がフロア801dに到着してしまい、以降無人搬送台車808が昇降手段802内に移動完了するまで昇降手段802を占有するという問題点が発生する。そこで、自動呼出装置駆動部807は、TrがTeよりも大きいうちは自動呼出装置804dを駆動せず、TrがTeに等しくなるか、あるいは下回った時点で初めて駆動開始するようにする。これにより、無人搬送台車が昇降手段を占有する時間を最小限に抑えることができる。
【0018】
各実施例では、人間と無人搬送台車とが昇降手段内で共存することを前提にしてしるが、万一の安全性や人間が受ける圧迫感等を考慮すると、無人搬送車側において、人間が使用している場合は使用を取りやめ、人間がいない場合のみ使用するようなシステムにすることが望ましい。そこで別の実施例では、人間用の呼出しボタン上のランプが点灯したことを各階層に設置された自動呼出装置が検知すると、自動呼出装置駆動部は人間が呼び出しボタンを操作したものと判断し、空き待ち状態に入る。空き待ち状態においては、自動呼出装置を駆動せず、したがってエレベータ扉前に到着した無人搬送台車はその場で停止する。また自動呼出装置を駆動して昇降手段を呼出した後で空き待ち状態になった場合には、昇降手段が到着しても無人搬送台車を進入させず、扉を閉めさせる。全ての自動呼出装置において人間用の呼出しボタン上のランプが非点灯になった段階で、空き待ち状態は解除される。上記の構成によれば、人間が使用中であることを検出した場合には昇降手段の呼出しや無人搬送台車の乗降を行わないので、人間による昇降手段の使用を極力阻害しないシステムを実現することができる。
一方で、無人搬送台車が昇降手段に搭乗して昇降中に人間が呼出ボタンを操作する状況も考えられる。この場合には昇降手段内で人間と無人搬送台車が共存することが不可避である。そこで別の実施例では、無人搬送台車の昇降中に人間用の呼出しボタン上のランプが点灯したことを各階層に設置された自動呼出装置が検知すると、該階層の自動呼出装置において、無人搬送台車が搭乗していることをあらかじめ告知するようにする。その方法は、後述するように音声出力を用いる方法でもよいし、何らかの表示画面を設けたり、人間用押しボタンのランプを点滅させたりするような方法でもよい。上記の構成によれば、人間にとって昇降手段内に無人搬送台車が搭乗していることをあらかじめ知ることができるので、不安感や圧迫感が軽減される。
【0019】
これまで述べた実施の形態においては、各階層に存在する自動呼出装置と人間とのインタフェースには言及していなかったが、自動呼出装置にスピーカなどの音声出力装置を設置し、自動呼出装置駆動部からの指令によってあらかじめ設定された音声情報を出力することで、昇降手段を待っている人間に対し、的確な情報を提示することができる。
また、自動呼出装置に音声認識装置を設置し、人間の発音の中からあらかじめ設定された単語を認識させて自動呼出装置駆動部に通知するようにすれば、手動呼出装置を操作することなく、例えば「1階」「2階」などといった発音で昇降手段を呼び出したり、「開け」などといった発音で開閉を制御したりすることができるため、特に車椅子使用者や視覚障害者に対して使い勝手が向上する。
これまで述べた実施の形態においては、最後に扉の開閉を行った階層を昇降手段の現在いる階層と判断するため、昇降手段が移動中にはその位置を正確に把握することができない。一方で一般的な既存の手動呼出装置においては、人間用の押しボタンの他に、昇降手段が現在どの階層にいるのかを表示する昇降手段位置表示装置を装備している。そこで各階層のうち少なくとも1つの手動呼出装置において、この昇降手段位置表示装置の各階層ランプの点灯/非点灯を検出する手段を配置しておけば、自動呼出装置駆動部は昇降手段が現在どの階層にいるのかを把握することができるため、昇降手段の到着時間をより確実に推測することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、既設のエレベータ制御部には全く手を加える必要がなく、エレベータを止めて改造工事を行う手間が省ける。
本発明の第1および第2の実施例によれば、既存の手動呼出装置に若干の改造を加えるだけで、特別な機構を用いることなく、容易にエレベータを制御できる。また、人間も排除されること無くエレベータを利用できる。
また、無人搬送台車が昇降手段を占有する時間を最小限に抑えることができる。人間が使用中であることを検出した場合には昇降手段の呼出しや無人搬送台車の乗降を行わないことで、人間による昇降手段の使用を極力阻害しないようにできる。やむをえず人間と共存する場合にも、人間は昇降手段内に無人搬送台車が搭乗していることをあらかじめ知ることができるので、不安感や圧迫感が軽減される。さらに音声を出力することで的確な情報を提示することができるとともに、音声認識装置によって昇降や開閉の使い勝手を向上させることができる。また、昇降手段が現在どの階層にいるのかを把握することで、昇降手段の到着時間をより確実に推測することができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す全体装置構成図
【図2】本発明の第1の実施形態を示す自動呼出装置の一部(上半分)の断面図
【図3】図2における内部回路図
【図4】本発明の第1の実施形態における処理フロー
【図5】本発明の第2の実施形態を示す、自動呼出装置の一部(上半分)の内部回路図
【図6】本発明の実施形態に基づく無人搬送台車の呼出し方法の説明図
【図7】従来の一般的なビル内等でのエレベータ昇降制御装置
【図8】従来の手動呼出装置の詳細な構成を示す図
【図9】従来の手動呼出装置の一部(上半分)の内部回路図
【図10】従来の無人搬送台車のエレベータ呼出し操作方法を示す図
【図11】従来の無人搬送台車の別のエレベータ呼出し操作方法を示す図
【符号の説明】
101、102、801a〜d、901、902 フロア(階層)
103、802、903 エレベータ(昇降手段)
104、105、805a〜d 、904、905 エレベータ扉
106、107、302、906、907 手動呼出装置
108 908 信号線
109 607、707、803、909 エレベータ制御部(昇降手段制御部)
110 巻き上げ部
111、112、804a〜d 自動呼出装置
113、114 信号入出力装置
115、806 情報ネットワーク
116、807 自動呼出装置駆動部
117 モデム
118、119 無線通信手段
120、808 無人搬送台車
301 壁
303 第1呼出しボタン
304 自動呼出装置筐体
305 第2呼出しボタン
306 突起
307 復元用バネ
308 ソレノイド
309 ピン
310 レバー
311 光センサ
312 ランプ
601 、701 手動呼出装置筐体
602 、702 押しボタン
606、706通信線
603、703 ランプ
604、704 スイッチ
605、705 手動呼出装置制御部
1201 無人搬送台車
1202 駆動車輪
1203 マニピュレータ
1204 ビジョンセンサ
1205 エレベータ扉
1206 手動呼出装置
1207 下階ボタン
1301 移動体
1302、1303 無線通信手段
1304 モデム
1305 自動呼出装置駆動部(コンピュータ)
1306 中間ユニット
1307 エレベータ制御部
1308 巻き上げ部
1309 エレベータ籠(昇降手段)
Claims (8)
- 建造物階層間を移動する昇降手段と、前記昇降手段の諸動作を制御する昇降手段制御部と、各階層に配置され前記昇降手段制御部に対し各階層への呼出し指令を人間の操作によって行う手動呼出装置と、前記建造物階層間の移動データを通信手段によって伝える自動呼出装置駆動部と、該移動データに基づき自動呼出装置駆動部によって駆動され、前記昇降手段制御部に対し各階層への呼出し指令を行う自動呼出装置とを備えた建造物階層間昇降手段自動呼出システムにおいて、
前記自動呼出装置は、前記手動呼出装置に配置された人間用の呼出しボタンと並列に配置され、前記人間用の呼出しボタンと同じ作用を前記昇降手段制御部に対して行うことを特徴とする建造物階層間昇降手段自動呼出システム。 - 前記自動呼出装置は、前記人間用の呼出しボタンと、前記昇降手段制御部との間に配置され、前記人間用の呼出しボタンの操作内容を検出するとともに、同じ作用を前記昇降手段制御部に対し行うことを特徴とする請求項1記載の建造物階層間昇降手段自動呼出システム。
- 前記自動呼出装置駆動部は、無人搬送台車が前記昇降手段前に到達するまでの台車到達時間Trと、前記昇降手段が該無人搬送台車の存在する階層に到達するまでの昇降手段到達時間Teとを予測し、前記台車到達時間Trが前記昇降手段到達時間Teに等しくなるか、あるいは下回った時点で該階層の前記自動呼出装置を駆動開始することを特徴とする請求項1または2記載の建造物階層間昇降手段自動呼出システム。
- 前記自動呼出装置駆動部は、各階層の前記自動呼出装置のいずれかにおいて前記人間用の呼出しボタンが使用中であることを検出した場合には、前記自動呼出装置の駆動あるいは前記無人搬送台車の搭乗を猶予することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の建造物階層間昇降手段自動呼出システム。
- 前記自動呼出装置駆動部は、前記自動呼出装置の駆動中に、各階層の前記自動呼出装置のいずれかにおいて前記人間用の呼出しボタンが使用されたことを検出した場合には、該階層の人間に自動運転中であることを告知することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の建造物階層間昇降手段自動呼出システム。
- 前記自動呼出装置は、人間に音声情報を提示するための音声出力装置を備えてなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の建造物階層間昇降手段自動呼出システム。
- 前記自動呼出装置は、人間からの階層を指定する音声を認識して前記自動呼出装置制御部に送信するための音声認識装置を備えてなることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の建造物階層間昇降手段自動呼出システム。
- 前記自動呼出装置は、前記手動呼出装置に装備された昇降手段位置表示装置の点灯/非点灯によって前記建造物階層間における前記昇降手段の現在の位置を検出することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の建造物階層間昇降手段自動呼出システム。
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