JP2004144245A - 平ベルト伝動装置 - Google Patents

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Hirobumi Miyata
宮田 博文
Kazuya Sando
三堂 和也
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

【課題】動力伝達の切り換えを簡易な構成で確実かつ容易に行う。
【解決手段】ベルト走行中に平ベルト28がプーリ外周面上を蛇行する性質を利用する。動力伝達切換手段70は、ソレノイド部81の移動子81aを進退移動させることにより、曲がり板83を回動させてテンションプーリ52をピン73回りに揺動させる。ピン73はテンションプーリ52がベルト28から受ける合力の作用方向に配置する。これにより、平ベルト28が駆動プーリ54及びアイドラプーリ55の両外周面上をベルト幅方向に移動する。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平ベルト伝動装置に関し、特に、動力伝達の切り換えを簡易に行う対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の平ベルト伝動装置の一例として、例えば特許文献1に開示されているように、原動機の回転駆動力を電磁クラッチを介して所定の仕事を行う駆動機に伝達するものが知られている。この平ベルト伝動装置では、駆動機の駆動軸に上記電磁クラッチを設けるとともに、原動機の駆動軸に設けられた原動側プーリと駆動機の駆動軸に設けられた従動側プーリとの間に平ベルトを巻き掛けるようにしている。そして、電磁クラッチを切り換えることにより、原動機から駆動機への動力伝達を断続するようになっている。
【0003】
一方、他の例の平ベルト伝動装置として、例えば特許文献2に開示されているように、原動機の駆動軸及び駆動機の駆動軸にそれぞれ段プーリを設け、この両駆動軸の段プーリに平ベルトを巻き掛けるとともに、この平ベルトの巻装位置をシフトさせるベルトシフタを備えるものが公知となっている。この平ベルト伝動装置では、平ベルトにベルトシフタを係合させ、このベルトシフタによって平ベルトを押圧することにより平ベルトの巻装位置をシフトさせるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−193966号公報
【特許文献2】
特開平7−278969号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記前者の従来のものでは、原動機からの駆動力の断続に電磁クラッチを使用しているために、電磁クラッチがつながると駆動機が急激に駆動開始することとなり、この駆動機の駆動力変化が急激で且つ著しい。この結果、駆動機のトルク変動が大きくなり、これにより駆動機の寿命を縮めることとなる。また、ベルトへの負荷が大きくなるために、ベルトの耐久性が低下する虞がある。また、衝撃トルクを伝達することを余儀なくされるために、電磁クラッチを大型化させる必要が生じ、コスト増大の原因ともなる。
【0006】
一方、上記後者の従来のものでは、ベルトシフタによってベルトを押圧することによりベルト巻装位置を移動させるものであるために、ベルト押圧力を精度良く調整する必要がある。このために、ベルト押圧力の精度が悪いと、ベルトが移動し過ぎてプーリのフランジに摺動して騒音の原因となることがあり、一方でベルトが移動しない場合も生じて、変速が行われない場合も起こり得る。
【0007】
そこで、本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、動力伝達の切り換えを簡易な構成で確実かつ容易に行うことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明では、ベルト走行中にベルトがプーリ外周面上を蛇行する性質を利用して、駆動プーリ及びアイドラプーリの両外周面間で平ベルトを移動させるようにしたものである。
【0009】
具体的に、請求項1の発明は、原動機の回転軸に設けられた原動側プーリと、所定の仕事を行う駆動機の回転軸に設けられた従動側プーリと、上記原動側プーリ及び従動側プーリ間に巻き掛けられた平ベルトとを備える平ベルト伝動装置を前提として、上記原動側プーリ又は従動側プーリは、上記回転軸に回転一体に設けられた駆動プーリと、該駆動プーリの側方に同心状に並設され且つ駆動プーリの外周面と略面一の外周面を有し、上記回転軸に対して相対回転自在に設けられるアイドラプーリとからなり、上記平ベルトを走行中に蛇行性質を利用して上記駆動プーリ及びアイドラプーリの両外周面間を移動させる動力伝達切換手段が設けられている。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、動力伝達切換手段は、平ベルトを押圧し且つプーリ軸が駆動機の回転軸方向に対して傾斜するように揺動可能なテンションプーリと、上記テンションプーリのプーリ軸を揺動させる揺動手段とを備えている。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、テンションプーリのプーリ軸の揺動軸心は、平ベルトによるテンションプーリへの押圧方向と略一致している。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、テンションプーリは平ベルトの緩み側スパンを押圧する構成とされている。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項2又は3の発明において、テンションプーリは平ベルトの張り側スパンを押圧する構成とされている。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項1から5の何れか1項の発明において、原動側プーリの外周面にはクラウンが設けられている。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項6の発明において、従動側プーリの外周面にはクラウンが設けられている。
【0016】
また、請求項8の発明は、請求項1から5の何れか1項の発明において、駆動プーリ及びアイドラプーリの外周面にはそれぞれクラウンが設けられている。
【0017】
また、請求項9の発明は、請求項1から8の何れか1項の発明において、駆動機は、冷凍サイクル動作又はヒートポンプサイクル動作の少なくとも一方を行う冷媒回路の冷媒を圧縮する圧縮機構に構成されている。
【0018】
また、請求項10の発明は、原動機の回転軸に設けられた原動側プーリと、所定の仕事を行う駆動機の回転軸に設けられた従動側プーリと、上記原動側プーリ及び従動側プーリ間に巻き掛けられた平ベルトとを備える伝動機構が複数設けられた平ベルト伝動装置を前提として、少なくとも一部の上記伝動機構の原動側プーリ又は従動側プーリは、上記回転軸に回転一体に設けられた駆動プーリと、該駆動プーリの側方に同心状に並設され且つ駆動プーリの外周面と略面一の外周面を有し、上記回転軸に対して相対回転自在に設けられるアイドラプーリとからなり、上記少なくとも一部の伝動機構の平ベルトを走行中に蛇行性質を利用して上記駆動プーリ及びアイドラプーリの両外周面間を移動させる動力伝達切換手段が設けられている。
【0019】
また、請求項11の発明は、請求項10の発明において、複数の駆動機は、冷凍サイクル動作又はヒートポンプサイクル動作の少なくとも一方を行う冷媒回路に互いに並列に接続され、該冷媒回路の冷媒を圧縮する圧縮機にそれぞれ構成されている。
【0020】
すなわち、請求項1の発明では、ベルト走行中にベルトがプーリ外周面上を蛇行する性質を利用し、動力伝達切換手段が、駆動プーリ及びアイドラプーリの両外周面間で平ベルトを移動させる。このとき、駆動プーリは回転軸に回転一体に設けられるために、平ベルトが原動側プーリと駆動プーリとの間に巻き掛けられたときには、原動機の駆動力が駆動機の回転軸に伝達される。この結果、駆動機が駆動して所定の仕事を行う。一方、アイドラプーリは回転軸に対して相対回転自在に設けられるために、平ベルトが原動側プーリ又は従動側プーリとアイドラプーリとの間に巻き掛けられたときには、原動機の駆動力は駆動機の回転軸に伝達されない。この結果、駆動機は駆動しない。
【0021】
したがって、原動機及び駆動機間の動力断続を電磁クラッチを設けることなく行うことができ、また、平ベルトが駆動プーリ及びアイドラプーリ間を幅方向に移動することにより動力断続を行うために、動力伝達の断続をスムーズに行うことができる。この結果、駆動機のトルク変動を小さくすることができて駆動機の寿命を延ばすことができるとともに、ベルトの負荷変動を小さくすることができてベルトの耐久性を向上させることができる。また、電磁クラッチを省略できるために、部品点数が低減されるとともに消費電力を削減することができ、これによりコスト低減を図ることができる。
【0022】
また、平ベルトを使用するようにしたために、Vベルトを使用する構成に比べてベルトの曲げ損失を低減することができて動力伝達効率を向上することができるとともに、ベルトの耐久性を向上することができる。また、ベルトの耐久性を向上できるので、ベルト伝動装置としてのメンテナンス性をも向上することができる。
【0023】
また、ベルトが蛇行する性質を利用して平ベルトを幅方向に移動させるようにしたために、僅かな力を加えるのみで平ベルトを容易に移動させることができる。この結果、簡素な構造で動力の断続を行うことができる。また、上記蛇行性質を利用しているために、ベルトの移動を確実に行うことができるともに、ベルト押圧力の調整が不要となるために、押圧力の調整不良によって生じるベルトとプーリのフランジとの摺動を未然に防止することができる。
【0024】
また、請求項2の発明では、揺動手段が、テンションプーリのプーリ軸を、駆動機の回転軸方向に対して傾斜するように揺動させるので、プーリ軸と回転軸との平行度を容易に変更させることができる。この結果、平ベルトを幅方向にさらに容易に移動させることができる。
【0025】
また、原動側プーリ及び従動側プーリ間のベルト張力をテンショナにより調整する構成であるので、上記両回転軸間に生ずる軸荷重を低減することができ、動力伝達時におけるベルト張力を低減することができ、この結果、ベルトの耐久性をより向上することができる。
【0026】
また、請求項3の発明では、テンションプーリのプーリ軸の揺動軸心と、平ベルトによるテンションプーリへの押圧方向とが略一致するようにしたので、テンションプーリが平ベルトによって強張力を受けて押圧される場合においても、テンションプーリが揺動する方向には強い力を受けないために、該テンションプーリを弱い力で確実に揺動させることができる。
【0027】
また、請求項4の発明では、テンションプーリが平ベルトの緩み側スパンを押圧する構成としたので、テンションプーリが平ベルトから受ける力を小さくすることができ、この結果、プーリ軸をより弱い力で揺動させても平ベルトを容易に幅方向に移動させることができる。
【0028】
また、請求項5の発明では、テンションプーリが平ベルトの張り側スパンを押圧する構成としたので、張り側スパンにおいて張力調整が行われてテンショナがトルクリミッタとして機能し、これにより平ベルトに過負荷がかかるのを防止することができる。
【0029】
また、請求項6の発明では、原動側プーリの外周面にクラウンを設けるようにしたので、平ベルトが幅方向に移動した後の蛇行を防止することができ、安定したベルト走行を行うことができる。また、平ベルトが移動した際に例えばプーリのフランジと摺動するのを確実に防止することができる。
【0030】
また、請求項7の発明では、従動側プーリの外周面にもクラウンを設けるようにしたので、移動後のベルトの蛇行をより確実に防止するとともに、プーリのフランジと摺動するのをより確実に防止することができる。
【0031】
また、請求項8の発明では、駆動プーリ及びアイドラプーリの外周面にそれぞれクラウンを設けるようにしたので、平ベルトが何れのプーリ外周面上にあるときにもプーリがフランジと摺動するのを確実に防止することができる。
【0032】
また、請求項9の発明では、駆動機を、冷凍サイクル動作又はヒートポンプサイクル動作の少なくとも一方を行う冷媒回路の冷媒を圧縮する圧縮機構に構成したので、圧縮機構の起動及び停止をスムーズに行うことができる。
【0033】
また、請求項10の発明では、動力伝達切換手段が、複数設けられた伝動機構のうちの少なくとも一部において、平ベルトを走行中にベルト蛇行性質を利用して駆動プーリ及びアイドラプーリの両外周面間で移動させる。このとき、この平ベルトが原動側プーリと駆動プーリとの間に巻き掛けられたときには、原動機の駆動力が駆動機の回転軸に伝達される一方、平ベルトが原動側プーリ又は従動側プーリとアイドラプーリとの間に巻き掛けられたときには、原動機の駆動力は駆動機の回転軸に伝達されない。したがって、原動機から駆動機への駆動力伝達を任意の伝動機構において行うことができ、種々の要求に応じた所定の仕事を行うことが可能となる。
【0034】
また、原動機及び駆動機間の動力断続を電磁クラッチを設けることなく行うことができ、また、平ベルトが駆動プーリ及びアイドラプーリ間を移動することにより動力断続を行うために、動力伝達の断続をスムーズに行うことができる。この結果、駆動機のトルク変動を小さくすることができて駆動機の寿命を延ばすことができるとともに、ベルトの負荷変動を小さくすることができてベルトの耐久性を向上させることができる。また、電磁クラッチを省略できるために、部品点数が低減されるとともに消費電力を削減することができ、これによりコスト低減を図ることができる。
【0035】
また、平ベルトを使用するようにしたために、Vベルトを使用する構成に比べてベルトの曲げ損失を低減することができて動力伝達効率を向上することができるとともに、ベルトの耐久性を向上することができる。また、ベルトの耐久性を向上できるので、ベルト伝動装置としてのメンテナンス性をも向上することができる。
【0036】
また、ベルトが蛇行する性質を利用して平ベルトを移動させるようにしたために、僅かな力を加えるのみで平ベルトを容易に移動させることができる。この結果、簡素な構造で動力の断続を行うことができる。また、上記蛇行性質を利用しているために、ベルトの移動を確実に行うことができるともに、ベルト押圧力の調整が不要となるために、押圧力の調整不良によって生じるベルトとプーリのフランジとの摺動を未然に防止することができる。
【0037】
また、請求項11の発明では、複数の駆動機を、冷凍サイクル動作又はヒートポンプサイクル動作の少なくとも一方を行う冷媒回路に互いに並列に接続されて該冷媒回路の冷媒を圧縮する圧縮機にそれぞれ構成したので、熱負荷に応じてこれら圧縮機の駆動及び停止を組み合わせることにより、所望の圧縮機容量に容易に調整することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0039】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る平ベルト伝動装置10は、原動機としてのガスエンジン11と、冷媒回路12に接続された駆動機としての圧縮機構との間で駆動力の伝達を断続するものである。上記冷媒回路12には、冷媒を圧縮する上記圧縮機構と、圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器17と、凝縮した冷媒を減圧する膨張機構18と、減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器19とが順に接続されるとともに、冷媒が封入され、冷凍サイクル動作及びヒートポンプサイクル動作を行うように構成されている。上記圧縮機構は、第1駆動機としての第1圧縮機13と、第2駆動機としての第2圧縮機14とからなり、これら両圧縮機13,14は互いに並列に冷媒回路12に接続されている。この冷媒回路12は、例えばビル空調用の空調装置に設けられている。
【0040】
本実施形態に係る平ベルト伝動装置10は、上記ガスエンジン11の駆動力を第1圧縮機13に伝動するための第1伝動機構20と、上記ガスエンジン11の駆動力を第2圧縮機14に伝動するための第2伝動機構40とからなる。つまり、平ベルト伝動装置10は、複数の伝動機構20,40が設けられていて、各伝動機構20,40の原動機が1つのガスエンジン11によって構成されている。
【0041】
上記第1伝動機構20は、図2に示すように、ガスエンジン11の回転軸としてのクランク軸22に設けられた第1原動側プーリ23と、第1圧縮機13の回転軸としての駆動軸25に設けられた第1従動側プーリ26と、両プーリ23,26間に巻き掛けられた第1平ベルト29と、この第1平ベルト28の緩み側スパン28aで張力調整を行う第1テンショナ30とからなる。この第1テンショナ30は、第1圧縮機13の駆動軸25に相対回転自在に設けられたテンションアーム51を備えており、このテンションアーム51の先端部には、第1平ベルト28の緩み側スパン28aを押圧するテンションプーリ52が回転自在に設けられている。
【0042】
一方、上記第2伝動機構40は、第1伝動機構20と同様の構成をなすものであり、第2原動側プーリ42(図3参照)と、第2圧縮機14駆動軸44の第2従動側プーリ45と、第2平ベルト47と、この第2平ベルト47の緩み側スパン47aで張力調整を行う第2テンショナ49とからなる。これにより、本実施形態に係る平ベルト伝動装置10はガスエンジン11の駆動力を両圧縮機13,14に伝達可能とされている。この両圧縮機13,14は、駆動軸25,44を回転させて冷媒を圧縮するように構成されている。両圧縮機13,14は、圧縮機容量のみが異なっており、その構成は同様とされている。したがって、以下、主として第1伝動機構20についての説明を行い、第2伝動機構40についての詳細な説明を省略する。
【0043】
図3に示すように、上記第1及び第2原動側プーリ23,42は、クランク軸22に回転一体に設けられていて、両原動側プーリ23,42はクランク軸方向に所定間隔を有して配置されており、第1原動側プーリ23が軸先端側に位置し、また第2原動側プーリ42がその軸基端側に位置している。
【0044】
上記クランク軸22及び両駆動軸25,44は互いに平行になるように配置されている。そして、上記第1圧縮機13の駆動軸25は、上記ガスエンジン11のクランク軸22とは反対方向(図3における左側方向)に延びていて、この駆動軸25の先端部に上記第1従動側プーリ26が配置されている。この第1従動側プーリ26は、駆動軸25に回転一体に設けられる駆動プーリ54と、この駆動プーリ54の側方に同心状に並設され且つ駆動プーリ54の外周面と略面一の外周面を有するアイドラプーリ55とからなる。
【0045】
上記駆動プーリ54は、駆動軸25に外嵌合される円筒状のハブ部56と、このハブ部56から半径方向に延びるアーム部の先端部に設けられる円環状のリム部58とからなる。駆動軸25の先端部は小径部となっており、この小径部に上記ハブ部56が嵌め込まれている。そして、ハブ部56は、押え板60を介して締結具61によって締め付け固定されている。上記リム部58の外周面には上記第1平ベルト28が巻き掛けられている。
【0046】
上記アイドラプーリ55は、駆動プーリ54のハブ部56よりも大径の円環状ハブ部63と、このハブ部63から半径方向に延びるアーム部の先端部に設けられ、駆動プーリ54のリム部58と同径円環状のリム部65とを備え、駆動プーリ54との間に僅かな隙間を有する状態で該駆動プーリ54よりも軸先端側に配置されている。そして、アイドラプーリ55は、駆動プーリ54のハブ部56にベアリングを介して配置されることで、駆動軸25に対して相対回転自在となっている。両プーリ54,55のリム部58,65は、互いに僅かな隙間を有する状態で配置されるとともに、両リム部58,65の外周面は略面一の状態となっている。これにより、第1平ベルト28は、両リム部58,65の外周面間をベルト幅方向に往復移動可能となっている。
【0047】
両リム部58,65には、外周面を中高にするクラウン67と、第1平ベルト28が外れるのを防止するためのフランジ68とが設けられている。このクラウン67はベルト走行時の蛇行を阻止し、ベルト28がフランジ68と摺動するのを防止するためのものである。上記駆動プーリ54のリム部58のフランジ68は、アイドラプーリ55とは軸方向反対側端部に、また、アイドラプーリ55のフランジ68は、駆動プーリ54とは軸方向反対側端部にそれぞれ半径方向外側に延びるように突設されている。つまり、このフランジ68は、第1従動側プーリ26の軸方向外側にのみ設けられている。
【0048】
上記テンションアーム51はアイドラプーリ55よりも軸先端側に配置されており、このテンションアーム51の基端部は、駆動プーリ54のハブ部56にベアリングを介して接続されている。
【0049】
上記第1テンショナ30には、第1平ベルト28を走行中に蛇行性質を利用して駆動プーリ54及びアイドラプーリ55間で移動させる動力伝達切換手段70が設けられている。この動力伝達切換手段70は、ベルト走行中に上記テンションプーリ52を揺動させることにより、第1平ベルト28の片寄りを起こさせるものである。具体的に、動力伝達切換手段70は、テンションアーム51の先端部に設けられ、該テンションアーム51に対して直交する方向に延びる円柱状のシャフト71と、このシャフト71の先端部に切欠形成される平面部72を貫通するピン73と、このピン73回りに回動(揺動)可能な上記テンションプーリ52と、上記シャフト71に設けられたソレノイド部81と、このソレノイド部81及びテンションプーリ52を接続する曲がり板83とからなる。上記平面部72はシャフト71軸に平行な方向に延びる一対の平面を有して形成されており、上記ピン73はこの平面部72の軸方向中間部を貫通している。
【0050】
上記テンションプーリ52は、円筒状のプーリ軸としてのハブ部75と、このハブ部75にベアリングを介してその外側に設けられる円環状のリム部76とからなる。ハブ部75の内周面には、図4にも示すように、上記平面部72の平面に対応する平行面を有する一対の凸状部78が形成されている。そして、シャフト71の平面部72が両凸状部78間に互いに平面が対向するように挿入されており、この両凸状部78と平面部72とを上記ピン73が貫通している。また、シャフト71の平面部72は両凸状部78間においてシャフト71両側に空隙部79を形成する状態で配置されているために、テンションプーリ52(ハブ部75)はピン73回りに揺動(回動)可能となっている。つまり、このピン73がテンションプーリ52を揺動させる揺動軸となっている。
【0051】
すなわち、ピン73は、平面部72の平面及び凸状部78の平行面に直交するように配置されるとともに、駆動プーリ54及びアイドラプーリ55間の隙間の延長平面上に配置されている。そして、このピン73は、図4に示すように、テンションプーリ52が第1平ベルト28から押圧される力の合力Pが作用する方向に平行に延びるように配置されている。つまり、テンションプーリ52の揺動軸心と第1平ベルト28のテンションプーリ52への押圧方向とは一致している。
【0052】
上記ソレノイド部81はテンションアーム51の中間部に設けられている。このソレノイド部81は、電力供給を受けて電磁力を発生させることにより、このソレノイド部81に挿通された移動子81aを進退移動させるように構成されている。この移動子81aは、ソレノイド部81が電力供給を受けないときには中間位置に位置している。
【0053】
上記移動子81aの先端部に、鉤状断面を有する上記曲がり板83が取り付けられている。この曲がり板83は、一端部において上記移動子81aに連結される一方、他端部がテンションプーリ52のハブ部75に固定されている。曲がり板83は、ソレノイド部81の移動子81aの進退移動によって、テンションプーリ52をピン73回りに揺動させるようになっている。
【0054】
上記ソレノイド部81と曲がり板83との間にはコイルばね85が介装されている。このコイルばね85が伸縮していない状態では、ソレノイド部81の移動子81aが上記中間位置に位置し、上記テンションプーリ52のハブ部75はテンションアーム51に対して直交するように配置される中立状態となっている(図3におけるA位置)。そして、ソレノイド部81に電力が供給され、移動子81aが中間位置から前進移動したときには、ハブ部75が図3における時計回り方向に回動した右傾斜状態となり(図3におけるB位置)、一方、移動子81aが中間位置から後退移動したときには、ハブ部75が反時計回り方向に回動した左傾斜状態となる(図3におけるC位置)。そして、電力供給が停止すると移動子81aはコイルばね85の復元力によって元に戻り、ハブ部75は再び中立状態となる。つまり、テンションプーリ52は、第1平ベルト28を幅方向に移動させるときにのみピン73回りに揺動するようになっている。これらソレノイド部81と移動子81aと曲がり板83とにより、テンションプーリ52を揺動させる揺動手段が構成されている。
【0055】
上記テンションプーリ52のリム部76の外周面にはクラウンが設けられておらず、該外周面は軸方向にフラットな面となっている。また、リム部76の軸方向長さ即ちリム部76の幅は、上記第1従動側プーリ26のリム部の幅、即ち駆動プーリ54のリム部58及びアイドラプーリ55のリム部65の合計幅よりも大きくなっている。尚、駆動プーリ54及びアイドラプーリ55のリム部58,65の合計幅が十分に大きいときはテンションプーリ52のリム部76の幅が上記合計幅よりも小さくてもよい。
【0056】
一方、上記第2伝動機構40の第2従動側プーリ45は、図示省略するが、駆動プーリ及びアイドラプーリからなり、また第2テンショナ49のテンションプーリ49aはピン回りに揺動可能な構成とされている。また、第2テンショナ49には、図示省略するが、上記第1伝動機構20同様の動力伝達切換手段が設けられている。
【0057】
したがって、本実施形態に係る平ベルト伝動装置10の第1伝動機構20では、ベルト走行中に平ベルト28がプーリ外周面上を蛇行する性質を利用し、動力伝達切換手段70が、従動側プーリ26の駆動プーリ54及びアイドラプーリ55の両外周面上で平ベルト28をベルト幅方向に移動させる。
【0058】
具体的に、ベルト走行中にソレノイド部81が電力供給を受けて移動子81aが中間位置から前進移動すると、曲がり板83が時計回り方向に回動してテンションプーリ52のハブ部75が右傾斜状態となる。この結果、第1従動側プーリ26上において第1平ベルト28が第1駆動プーリ54側に移動する。この後、電力供給が停止すると移動子81aはコイルばね85の復元力によって中間位置に戻り、上記ハブ部75は中立状態に戻る。そして、第1平ベルト28は、舵1原動側プーリ23及び駆動プーリ54に巻き掛けられることとなり、駆動プーリ54が駆動軸25に回転一体に設けられるために、ガスエンジン11の駆動力が第1圧縮機13の駆動軸25に伝達される。このとき、第1平ベルト28は駆動プーリ54上をクラウン67により蛇行が防止されて安定して走行する。この結果、第1圧縮機13は冷媒を圧縮して吐出を行い、冷媒回路12において冷凍サイクル動作又はヒートポンプサイクル動作が行われる。
【0059】
一方、ベルト走行中にソレノイド部81が電力供給を受けて移動子81aが中間位置から後退移動すると、ハブ部75が反時計回りに回動して左傾斜状態となる。この結果、第1平ベルト28が駆動プーリ54からアイドラプーリ55に移動する。この後、電力供給が停止すると移動子81aは中間位置に戻り、ハブ部75は中立状態に戻る。そして、第1平ベルト28は第1原動側プーリ23及びアイドラプーリ55に巻き掛けられることとなり、アイドラプーリ55が第1圧縮機13の駆動軸25に対して相対回転自在に設けられるために、ガスエンジン11の駆動力は第1圧縮機13の駆動軸25に伝達されず、第1圧縮機13は駆動しない。このとき、第1平ベルト28はアイドラプーリ55上をクラウン67により蛇行が防止されて安定して走行する。
【0060】
一方、第2伝動機構40における駆動力の伝達動作は、上記第1伝動機構20における動作と同様であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0061】
したがって、本実施形態によれば、ガスエンジン11及び圧縮機13,14間の動力断続を電磁クラッチを設けることなく行うことができ、また、平ベルト28,47が駆動プーリ54及びアイドラプーリ55間を移動することにより動力断続を行うために、動力伝達の断続をスムーズに行うことができるとともに、圧縮機13,14の起動及び停止をスムーズに行うことができる。この結果、圧縮機13,14のトルク変動を小さくすることができて圧縮機13,14の寿命を延ばすことができるとともに、平ベルト28,47の負荷変動を小さくすることができて平ベルト28,47の耐久性を向上させることができる。また、電磁クラッチを省略できるために、部品点数が低減されるとともに消費電力を削減することができ、これによりコスト低減を図ることができる。
【0062】
また、平ベルト28,47を使用するようにしたために、Vベルトを使用する構成に比べてベルト28,47の曲げ損失を低減することができ動力伝達効率を向上することができるとともに、ベルト28,47の耐久性を向上することができる。また、ベルト28,47の耐久性が向上されるので、ベルト伝動装置10としてのメンテナンス性をも向上することができる。
【0063】
また、ベルトが走行中に蛇行する性質を利用して平ベルト28,47を移動させるようにしたために、僅かな力を加えるのみで平ベルト28,47を幅方向に容易に移動させることができる。この結果、簡素な構造で動力の断続を実現することができる。また、上記性質を利用しているために、平ベルト28,47を確実に移動させることができるともに、ベルト押圧力の調整が不要となるために、押圧力の調整不良によって平ベルト28,47とフランジ68との摺動音が発生するのを未然に防止することができる。
【0064】
また、テンションプーリ52,49aが、圧縮機13,14の駆動軸25,44方向に対して傾斜するように揺動するので、テンションプーリ52,49aのプーリ軸と圧縮機13,14の駆動軸25,44との平行度を容易に変更させることができる。この結果、平ベルト28、47を幅方向に容易に移動させることができる。
【0065】
また、原動側プーリ23,42及び従動側プーリ26,45間のベルト28,47の張力をテンショナ30,49により調整する構成であるので、クランク軸22及び駆動軸25,44間に生ずる軸荷重を低減することができ、動力伝達時におけるベルト張力を低減することができ、ベルト28,47の耐久性をより向上することができる。
【0066】
また、テンションプーリ52,49aを揺動させるピン73の方向と、平ベルト28,47によるテンションプーリ52,49aへの押圧方向とが略一致するようにしたので、テンションプーリ52,49aが平ベルト28,47によって強張力を受けて押圧される場合においても、テンションプーリ52,49aが揺動する方向には強い力を受けないために、テンションプーリ52,49aを弱い力で確実に揺動させることができる。
【0067】
また、テンションプーリ52,49aが平ベルト28,47の緩み側スパン28a,47aを押圧する構成としたので、テンションプーリ52,49aが平ベルト28,47から受ける力を小さくすることができ、この結果、テンションプーリ52,49aをより弱い力で揺動させても平ベルト28,47を幅方向に確実に移動させることができる。
【0068】
また、原動側プーリ23,42の外周面、従動側プーリ26,45の駆動プーリ54の外周面及びアイドラプーリ55の外周面にクラウン67を設けるようにしたので、平ベルト28,47が幅方向に移動した後の蛇行を防止することができ、安定したベルト走行を行うことができる。また、平ベルト28,47が移動した際にプーリ23,26,42,45のフランジ68と摺動するのをより確実に防止することができる。
【0069】
また、本実施形態では、第1伝動機構20及び第2伝動機構40にそれぞれ動力伝達切換手段70を設けるようにしたので、冷媒回路12の圧縮機13,14の駆動及び停止をそれぞれ熱負荷に応じて組み合わせることができ、これにより所望の圧縮機容量に容易に調整することができる。
【0070】
【発明のその他の実施の形態】
上記実施形態について、第2伝動機構40の駆動伝達切換手段を省略する構成としてもよい。この場合には、例えば、第1圧縮機13への動力を断続させる一方、第2圧縮機14への動力伝達を常に行う構成にすることができる。また、第2圧縮機14を省略した構成としてもよい。この場合、第1圧縮機13は、例えば自動車用空調機を構成する冷媒回路12に接続された構成としてもよい。
【0071】
また、上記実施形態について、ピン73方向と平ベルト28,47によるテンションプーリ52,49aへの押圧方向とは平行でなくてもよい。但し、より弱い力でテンションプーリ52,49aを揺動させるためには、ピン73方向と平ベルト28,47によるテンションプーリ52,49a押圧方向とは平行であるのが望ましい。
【0072】
また、上記実施形態について、動力伝達切換手段70は、テンションプーリ52,49aを揺動させる構成に限られるものではない。例えばクランク軸22と圧縮機13,14の駆動軸25,44との平行度を変更する構成であってもよい。
【0073】
また、上記実施形態と異なり、テンショナ30,49が張り側スパンを押圧する構成としてもよい。この場合には、テンショナ30,49がトルクリミッタとして機能し、これにより平ベルト28,47に過負荷がかかるのを防止することができる。
【0074】
また、上記実施形態について、原動側プーリ23,42、駆動プーリ54及びアイドラプーリ55のクラウン67を省略する構成としてもよい。しかしながら、クラウン67を設けることで平ベルト28,47の移動後の蛇行を防止することができるので、クラウン67を設けるのが好ましい。
【0075】
また、上記実施形態では、従動側プーリ26,45を駆動プーリ54及びアイドラプーリ55からなる構成としたが、これに代え、原動側プーリ23,42をクランク軸22に回転一体に設けられた駆動プーリ54と、クランク軸22に対して相対回転自在に設けられたアイドラプーリ55とからなる構成とするとともに、従動側プーリ26,45を駆動軸25,44に回転一体に設ける構成としてもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明の平ベルト伝動装置によれば、ベルト走行中にベルトがプーリ外周面上を蛇行する性質を利用し、従動側プーリの駆動プーリ及びアイドラプーリの両外周面間で平ベルトを移動させるようにしたので、原動機及び駆動機間の動力断続を電磁クラッチを設けることなくスムーズに行うことができる。この結果、駆動機のトルク変動を小さくすることができて駆動機の寿命を延ばすことができるとともに、ベルトの負荷変動を小さくすることができてベルトの耐久性を向上させることができる。また、電磁クラッチを省略できるために、部品点数が低減されるとともに消費電力を削減することができ、これによりコスト低減を図ることができる。
【0077】
また、平ベルトを使用するようにしたために、Vベルトを使用する構成に比べてベルトの曲げ損失を低減することができて動力伝達効率を向上することができるとともに、ベルトの耐久性を向上することができる。また、ベルトの耐久性を向上できるので、ベルト伝動装置としてのメンテナンス性をも向上することができる。
【0078】
また、ベルトが蛇行する性質を利用して平ベルトを幅方向に移動させるようにしたために、僅かな力を加えるのみで平ベルトを容易に移動させることができ、簡素な構造で動力の断続を行うことができる。また、上記性質を利用しているために、ベルトの移動を確実に移動させることができるともに、ベルト押圧力の調整が不要となるために、この押圧力の調整不良によって生ずるベルトとプーリのフランジとの摺動を未然に防止することができる。
【0079】
また、請求項2の発明によれば、テンションプーリのプーリ軸を、駆動機の駆動軸方向に対して傾斜するように揺動させるので、プーリ軸と駆動機の駆動軸との平行度を容易に変更させることができる。この結果、平ベルトを幅方向にさらに容易に移動させることができる。
【0080】
また、原動側プーリ及び従動側プーリ間のベルトの張力をテンショナにより調整する構成であるので、上記両駆動軸間に生ずる軸荷重を低減することができ、動力伝達時におけるベルト張力を低減することができ、ベルトの耐久性をより向上することができる。
【0081】
また、請求項3の発明によれば、テンションプーリの揺動軸の方向と、平ベルトによるテンションプーリへの押圧方向とを略一致するようにしたので、テンションプーリが平ベルトによって強張力を受けて押圧される場合においても、テンションプーリを弱い力で確実に揺動させることができる。
【0082】
また、請求項4の発明によれば、テンションプーリが平ベルトの緩み側スパンを押圧する構成としたので、テンションプーリが平ベルトから受ける力を小さくすることができ、この結果、プーリ軸をより弱い力で揺動させても平ベルトを幅方向に移動させることができる。
【0083】
また、請求項5の発明では、テンションプーリが平ベルトの張り側スパンを押圧する構成としたので、張り側スパンにおいて張力調整が行われてテンショナがトルクリミッタとして機能し、これにより平ベルトに過負荷がかかるのを防止することができる。
【0084】
また、請求項6の発明によれば、原動側プーリの外周面にクラウンを設けるようにしたので、平ベルトが移動した後の蛇行を防止することができ、安定したベルト走行を行うことができる。また、平ベルトが移動した際に例えばプーリのフランジと摺動するのをより確実に防止することができる。
【0085】
また、請求項7の発明によれば、従動側プーリの外周面にもクラウンを設けるようにしたので、移動後のベルトの蛇行をより確実に防止するとともに、プーリのフランジと摺動するのをより確実に防止することができる。
【0086】
また、請求項8の発明では、駆動プーリ及びアイドラプーリの外周面にそれぞれクラウンを設けるようにしたので、平ベルトが何れのプーリ外周面上にあるときにもプーリがフランジと摺動するのを確実に防止することができる。
【0087】
また、請求項9の発明によれば、駆動機を、冷凍サイクル動作又はヒートポンプサイクル動作の少なくとも一方を行う冷媒回路に接続されて該冷媒回路の冷媒を圧縮する圧縮機構に構成したために、圧縮機構の起動及び停止をスムーズに行うことができる。
【0088】
また、請求項10の発明によれば、動力伝達切換手段が、少なくとも一部の伝動機構の平ベルトを走行中に蛇行性質を利用して駆動プーリ及びアイドラプーリの両外周面間で移動させる。したがって、原動機から駆動機への駆動力伝達を任意の伝動機構において行うことができ、種々の要求に応じた所定の仕事を行うことが可能となる。
【0089】
また、原動機及び駆動機間の動力断続を電磁クラッチを設けることなく行うことができ、また、平ベルトが駆動プーリ及びアイドラプーリ間を移動することにより動力断続を行うために、動力伝達の断続をスムーズに行うことができる。この結果、駆動機のトルク変動を小さくすることができて駆動機の寿命を延ばすことができるとともに、ベルトの負荷変動を小さくすることができてベルトの耐久性を向上させることができる。また、電磁クラッチを省略できるために、部品点数が低減されるとともに消費電力を削減することができ、これによりコスト低減を図ることができる。
【0090】
また、平ベルトを使用するようにしたために、Vベルトを使用する構成に比べてベルトの曲げ損失を低減することができて動力伝達効率を向上することができるとともに、ベルトの耐久性を向上することができる。また、ベルトの耐久性を向上できるので、ベルト伝動装置としてのメンテナンス性をも向上することができる。
【0091】
また、ベルトが蛇行する性質を利用して平ベルトを移動させるようにしたために、僅かな力を加えるのみで平ベルトを容易に移動させることができる。この結果、簡素な構造で動力の断続を行うことができる。また、上記蛇行性質を利用しているために、ベルトの移動を確実に行うことができるともに、ベルト押圧力の調整が不要となるために、押圧力の調整不良によって生じるベルトとプーリのフランジとの摺動を未然に防止することができる。
【0092】
また、請求項11の発明によれば、複数の駆動機を、冷凍サイクル動作又はヒートポンプサイクル動作の少なくとも一方を行う冷媒回路に互いに並列に接続されて該冷媒回路の冷媒を圧縮する圧縮機にそれぞれ構成したので、熱負荷に応じてこれら圧縮機の駆動及び停止を組み合わせることにより、所望の圧縮機容量に容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る平ベルト伝動装置が設けられた冷媒回路を示す冷媒系統図である。
【図2】本発明の実施形態に係る平ベルト伝動装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る平ベルト伝動装置の要部構成を示す拡大断面図である。
【図4】第1動力伝達切換手段を示す拡大図である。
【符号の説明】
11  ガスエンジン(原動機)
12  冷媒回路
13  第1圧縮機(駆動機)
14  第2圧縮機(駆動機)
20  第1伝動機構(伝動機構)
22  クランク軸(回転軸)
23  第1原動側プーリ(原動側プーリ)
25  駆動軸(回転軸)
26  第1従動側プーリ(従動側プーリ)
28  第1平ベルト(平ベルト)
28a 緩み側スパン
40  第2伝動機構(伝動機構)
42  第2原動側プーリ(原動側プーリ)
44  駆動軸
45  第2従動側プーリ(従動側プーリ)
47  第2平ベルト(平ベルト)
47a 緩み側スパン
49a テンションプーリ
51  テンションアーム
52  テンションプーリ
54  駆動プーリ
55  アイドラプーリ
67  クラウン
70  動力伝達切換手段
73  ピン(揺動軸)
75  ハブ部(プーリ軸)

Claims (11)

  1. 原動機の回転軸に設けられた原動側プーリと、
    所定の仕事を行う駆動機の回転軸に設けられた従動側プーリと、
    上記原動側プーリ及び従動側プーリ間に巻き掛けられた平ベルトとを備える平ベルト伝動装置であって、
    上記原動側プーリ又は従動側プーリは、上記回転軸に回転一体に設けられた駆動プーリと、該駆動プーリの側方に同心状に並設され且つ駆動プーリの外周面と略面一の外周面を有し、上記回転軸に対して相対回転自在に設けられるアイドラプーリとからなり、
    上記平ベルトを走行中にベルト蛇行性質を利用して上記駆動プーリ及びアイドラプーリの両外周面間を移動させる動力伝達切換手段が設けられている
    ことを特徴とする平ベルト伝動装置。
  2. 請求項1において、
    動力伝達切換手段は、
    平ベルトを押圧し且つプーリ軸が駆動機の回転軸方向に対して傾斜するように揺動可能なテンションプーリと、
    上記テンションプーリのプーリ軸を揺動させる揺動手段とを備えている
    ことを特徴とする平ベルト伝動装置。
  3. 請求項2において、
    テンションプーリのプーリ軸の揺動軸心は、平ベルトによるテンションプーリへの押圧方向と略一致している
    ことを特徴とする平ベルト伝動装置。
  4. 請求項2又は3において、
    テンションプーリは平ベルトの緩み側スパンを押圧する構成とされている
    ことを特徴とする平ベルト伝動装置。
  5. 請求項2又は3において、
    テンションプーリは平ベルトの張り側スパンを押圧する構成とされている
    ことを特徴とする平ベルト伝動装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項において、
    原動側プーリの外周面にはクラウンが設けられている
    ことを特徴とする平ベルト伝動装置。
  7. 請求項6において、
    従動側プーリの外周面にはクラウンが設けられている
    ことを特徴とする平ベルト伝動装置。
  8. 請求項1から5の何れか1項において、
    駆動プーリ及びアイドラプーリの外周面にはそれぞれクラウンが設けられている
    ことを特徴とする平ベルト伝動装置。
  9. 請求項1から8の何れか1項において、
    駆動機は、冷凍サイクル動作又はヒートポンプサイクル動作の少なくとも一方を行う冷媒回路の冷媒を圧縮する圧縮機構に構成されている
    ことを特徴とする平ベルト伝動装置。
  10. 原動機の回転軸に設けられた原動側プーリと、
    所定の仕事を行う駆動機の回転軸に設けられた従動側プーリと、
    上記原動側プーリ及び従動側プーリ間に巻き掛けられた平ベルトとを備える伝動機構が複数設けられた平ベルト伝動装置であって、
    少なくとも一部の上記伝動機構の原動側プーリ又は従動側プーリは、上記回転軸に回転一体に設けられた駆動プーリと、該駆動プーリの側方に同心状に並設され且つ駆動プーリの外周面と略面一の外周面を有し、上記回転軸に対して相対回転自在に設けられるアイドラプーリとからなり、
    上記少なくとも一部の伝動機構の平ベルトを走行中にベルト蛇行性質を利用して上記駆動プーリ及びアイドラプーリの両外周面間を移動させる動力伝達切換手段が設けられている
    ことを特徴とする平ベルト伝動装置。
  11. 請求項10において、
    複数の駆動機は、冷凍サイクル動作又はヒートポンプサイクル動作の少なくとも一方を行う冷媒回路に互いに並列に接続され、該冷媒回路の冷媒を圧縮する圧縮機にそれぞれ構成されている
    ことを特徴とする平ベルト伝動装置。
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