JP2004144125A - ボールねじ機構及び動弁機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトながら高い応答性を有するボールねじ機構、及び省エネを図りながらも、電動モータを用いて可変バルブタイミング等を可能とすることができる動弁機構を提供する。
【解決手段】ウォームギヤ機構(2,3)の特性により、コントロールシャフト102より強い力が伝達された場合でも、かかる力が電動モータ1に伝達されることが抑制され、それにより電動モータ1に常時通電しなくても、コントロールシャフト102の回転位置を維持できるので、省エネが図れる。更に、ネジ軸4及びナット5のネジ溝4a、5aが4条であり、且つ1条のネジ溝(4a(A))に沿ってナット5の一端側から他端側へと転動したボール6を、別のネジ溝(4a(C))に戻す通路5c、5dが設けられているので、ナット5の軸線方向長を短くすることができ、コンパクトな動弁機構を提供できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールねじ機構及び動弁機構に関し、特に、バルブの開閉タイミング等を変更できる動弁機構及びそれに用いられると好適なボールねじ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年における車両に搭載される内燃機関においては、エンジン回転数や負荷に応じてバルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング式の動弁機構を用いることが多くなった。かかる動弁機構においては、例えば油圧を付与することで、クランクシャフトに同期するスプロケットとカムシャフトとの位相を変更することができ、それによりバルブタイミングを可変とすることができる。
【0003】
しかるに、上記従来技術の動弁機構においては、バルブタイミング等を可変とするために油圧が必要となり、従って油圧ポンプを備える必要がある。内燃機関においては、一般的には各部潤滑のための油圧ポンプが設置されているが、可変バルブタイミング等を達成するために油圧を用いるとすると、より大容量の油圧ポンプが必要となり、しかも、その動力はクランクシャフトより取り出されるようになっているので、その分燃費が悪化するという問題がある。
【0004】
これに対し、電動モータの動力を用いてバルブタイミング等を変更する機構が、例えば以下の非特許文献1に開示されているように公知となっている。かかる技術によれば、電動モータの動力を用いてバルブタイミング等を変更することにより、クランクシャフトより直接動力を取り出す必要がなくなり、燃費の向上が図れることとなる。
【非特許文献1】
自動車技術会誌Vol.56,No.2,2002,P44〜49
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記非特許文献1に開示された機構においては、電動モータの駆動力を、ネジ軸とナットとを含むボールねじ機構を介して、バルブタイミング等を可変とするコントロールシャフトに伝達している。ここで、コントロールシャフトに高い応答性を与えるためには、ボールねじ機構のネジ溝のリードを大きくする必要がある。一方で、装置のコンパクト性も要求されるため、ナット幅(軸線方向長)も制限される。これらを両立させる設計を行うと、ナットのネジ溝の巻き数が1未満となり、通常のチューブ循環式ボールねじ機構や、コマ循環式ボールねじ機構では、以下の理由により適用が困難となる。
【0006】
まず、チューブ循環式ボールねじ機構の場合、ナットのネジ溝の巻き数は、1.5巻き、2.5巻き、3.5巻き、というように(整数+0.5)巻き毎に設定されるが、0.5巻きという巻き数は通常用いられない。それは、1条のネジ溝の場合、ボールの転動路をナットの半周分しかとれないためナットのバランスが悪くなるという理由によるものである。更に、コマ循環式ボールねじ機構の場合、ナットのネジ溝の巻き数は、1.0巻き、2.0巻き、3.0巻き、というように(整数)巻き毎に設定され、従ってナットのネジ溝の巻き数が1未満では通常用いることができない。
【0007】
更に、従来技術においては、ボールねじ機構を介して、コントロールシャフト側から電動モータ側へと逆方向に力の伝達が成される恐れがあるので、電動モータには常時電力を供給して、コントロールシャフトを所望の回転位置に維持する必要がある。しかしながら、電動モータに常時電力を供給すると、省エネが図れないという問題が生じる。又、別個の電磁ブレーキ等を用いてコントロールシャフトの回転位置を維持すれば、電動モータへの通電は不要になるが、電磁ブレーキへの通電が必要となり、同様に省エネは図れない。
【0008】
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、コンパクトながら高い応答性を有するボールねじ機構、及び省エネを図りながらも、電動モータを用いて可変バルブタイミング等を可能とすることができる動弁機構を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の動弁機構は、外周面にネジ溝を形成したネジ軸と、前記ネジ軸を包囲するように配置され且つ内周面にネジ溝を形成したナットと、対向する両ネジ溝間に転動自在に配置された複数のボールとを有するボールねじ機構において、
前記ネジ軸及び前記ナットのネジ溝が2以上の条数を有し、更に前記ネジ軸と前記ナットとの相対回転に応じて1条のネジ溝に沿って前記ナットの一端側から他端側へと転動したボールを、別のネジ溝に戻す通路が設けられていることを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明の動弁機構によれば、外周面にネジ溝を形成したネジ軸と、前記ネジ軸を包囲するように配置され且つ内周面にネジ溝を形成したナットと、対向する両ネジ溝間に転動自在に配置された複数のボールとを有するボールねじ機構において、前記ネジ軸及び前記ナットのネジ溝が2以上の条数を有し、更に前記ネジ軸と前記ナットとの相対回転に応じて1条のネジ溝に沿って前記ナットの一端側から他端側へと転動したボールを、別のネジ溝に戻す通路が設けられているので、ナットのネジ溝の巻き数として1巻き未満の例えば0.5巻き等を採用することで、前記ナットの軸線方向長を抑えることができると共に、複数のネジ溝を周方向に等間隔に配置することで、ナットのバランス状態も良好としている。
【0011】
又、前記ボールねじ機構は、エンドキャップ循環式ボールねじ機構であると、1未満の巻き数を採用できるため、前記ナット幅(軸線方向長)を有効に抑えることができる。又、エンドキャップ循環式ボールねじ機構は、コマ循環式ボールねじ機構等に比べ、その構成上、外周面に突起物を形成することがなく、例えばウォームホイール等の他の部品を外周に嵌合させやすいという利点や、回転バランスに優れるという利点があることに加え、前記ナットのネジ溝端部まで転動した前記ボールを緩やかな曲線状の転動路ですくい上げることが可能なため、より円滑な動作が可能であるという利点もある。尚、「エンドキャップ循環式ボールねじ機構」とは、一端まで転動したボールを、ナット内部の軸方向貫通穴を通して他端に戻す循環方式のボールねじ機構をいう。
【0012】
以上より、前記ボールねじ機構が、前記ナットのネジ溝が1巻き未満の巻き数を有していても、本発明により円滑な動作が可能となり、しかも前記ナットの軸線方向長をより短縮することが可能となる。
【0013】
又、バルブの開閉状態を変更可能な動弁機構が、回転変位することで、バルブの開閉状態を変更するコントロールシャフトと、電動モータと、前記電動モータの動力を、前記コントロールシャフトに伝達する動力伝達機構とを備え、前記動力伝達機構は、ウォームギヤ機構と、上述したボールねじ機構とを有するので、前記ウォームギヤ機構のウォームのリードを適切に設定することにより、前記コントロールシャフトより強い力が伝達された場合でも、かかる力が前記電動モータに伝達されることが抑制され、それにより電動モータに常時通電しなくても、前記コントロールシャフトの回転位置を維持できるため、省エネが図れる。又、前記ボールねじ機構において、前記ネジ軸及び前記ナットのネジ溝が2以上の条数を有し、1条のネジ溝に沿って前記ナットの一端側から他端側へと転動したボールを、別のネジ溝に戻す通路が設けられているので、前記ナットの軸線方向長を短くすることができ、動弁機構の構成をよりコンパクトにできる。尚、「バルブの開閉状態」とは、バルブタイミング、バルブリフト量、位相等をいうが、これに限られない。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態であるボールネジ機構を含む、バルブタイミング及びバルブリフトを変更できる動弁機構の斜視図である。尚、図1においては、理解しやすいように、内燃機関1気筒の吸気側の2本のバルブについて図示している。
【0015】
図1において、不図示のシリンダヘッドに回転自在に取り付けられたドライブシャフト101と、コントロールシャフト102とが並行に延在している。ドライブシャフト101には円盤状の偏心カム101aが形成されており、コントロールシャフト102にも、円盤状の偏心カム102aが形成されている。ドライブシャフト101の偏心カム101aに係合する孔103aを備えた第1リンク103の上部が、コントロールシャフト102側に延在し、コントロールシャフト101の偏心カム102aに係合する孔104aを備えたロッカーアーム104の一端に枢動可能に取り付けられている。ロッカーアーム104の他端には、第2リンク105の上端が枢動可能に取り付けられており、第2リンク105の下端は、ドライブシャフト101に対して揺動自在に取り付けられたアウトプットカム106に当接するように配置されている。アウトプットカム106は、一対の円筒状のバルブリフタ107の上面に当接しており、各バルブリフタ107は、バルブ108のステム上端に当接している。
【0016】
コントロールシャフト102の一端には、その回転位置を検出するポジションセンサ109が取り付けられ、又、第3のリンク110を介して、ネジ軸4に連結されている。ナット5とネジ軸4とは、回転運動と軸線運動とを変換可能に連結されており、更にネジ軸4と電動モータ1とは、ウォームギヤ機構(2,3)を介して所定の減速比を与えるように連結されている。ECU111は、ポジションセンサ109からの信号を受信し、それに応じて電動モータ1を駆動制御するようになっている。
【0017】
図2は、図1の動弁機構における駆動部を示す部分断面図である。図3は、図2の駆動部を矢印III方向から見た図である。図3において、不図示のハウジングに固定された電動モータ1の回転軸1aの先端には、ウォーム2が形成されている。ウォーム2は、ウォームホイール3に噛合している。ウォームホイール3は、不図示のハウジングに対し軸線方向の移動を制限された状態で回転自在に支持されたナット5の周囲に、一体的に形成されている。ネジ軸4の端部に連結された第3のリンク110は、コントロールシャフト102の中心以外の位置にピン結合されている。尚、ウォーム2とウォームホイール3とで、ウォームギヤ機構を構成する。
【0018】
ネジ軸4の外周面には4条の外ネジ溝4a(図2の例ではAが1条目、Bが2条目、Cが3条目、Dが4条目を示すものとする)形成され、ネジ軸4を包囲するナット5の内周面には4条の内ネジ溝5aが形成され、外ネジ溝4aと内ネジ溝5aとで形成される空間(転動路)内を、多数のボール6が転動自在に配置されている。尚、ナット5は、両端にキャップ5bを有し、キャップ5b内の通路5c及びナット5の内部に形成された通路5dとを介して、ボール6は、ネジ溝4a、5aの一端側から他端側へと循環されるようになっている。
【0019】
このとき、ネジ軸4が相対回転するナット5に応じて図2で左方に移動するものとすると、第1条目のネジ溝4a(A)、5aに沿ってナット5の約1/2周(0.5巻き)分転動してきたボール6は、ナット5の一端側の位置(E)でエンドキャップ5bの通路(図2で不図示)によりすくい上げられ、ナット5内を軸線方向に伸びる通路(不図示)を通って、ナット5の他端側の位置(G)で第3条目のネジ溝4a(C)、5aに戻される。
【0020】
又、第2条目のネジ溝4a(B)、5aに沿ってナット5の約1/2周分転動してきたボール6は、ナット5の一端側の位置(F)でエンドキャップ5bの通路5cによりすくい上げられ、ナット5内を軸線方向に伸びる通路5dを通って、ナット5の他端側の位置(不図示)で第4条のネジ溝4a(D)、5aに戻される。
【0021】
更に、第3条目のネジ溝4a(C)、5aに沿ってナット5の約1/2周分転動してきたボール6は、図2では不図示であるナット5の一端側の位置でエンドキャップ5bの通路によりすくい上げられ、ナット5内を軸線方向に伸びる通路(不図示)を通って、ナット5の他端側の位置(不図示)一端側の第1条目のネジ溝4a(A)、5aに戻される。
【0022】
又、第4条目のネジ溝4a(D)、5aに沿ってナット5の約1/2周分転動してきたボール6は、同様にして第2条のネジ溝4a(B)、5aに戻されるようになっている。
【0023】
すなわち、本実施の形態の場合、ナット5内における第1条目のネジ溝から構成される転動路と、第3条目のネジ溝から構成される転動路とは、それぞれ両端が連結されて閉回路となっており、ナット5内における第2条目のネジ溝から構成される転動路と、第4条目のネジ溝から構成される転動路とは、それぞれ両端が連結されて閉回路となっている。ネジ軸4と、ナット5と、ボール6とで、エンドキャップ循環式ボールねじ機構を構成する。又、エンドキャップ循環式ボールねじ機構と、上述したウォームギヤ機構とで動力伝達機構を構成する。
【0024】
かかる動弁機構の動作について説明する。ドライブシャフト101が、不図示のクランクシャフトに同期して回転すると、偏心カム101aが偏心運動をして第1のリンク103を上下に往復動させる。第1のリンク103が上下に往復動すると、それに応じてロッカーアーム104が揺動運動をする。ロッカーアーム104の揺動運動により、第2のリンク105が上下に往復動し、アウトプットカム106を揺動させる。アウトプットカム106の揺動により、それに当接するバルブリフタ107を介して、バルブ108が往復動するようになっている。
【0025】
上述したように、ECU111の駆動制御により、電動モータ1が駆動され、回転軸1aが回転すると、噛合しているウォーム2とウォームホイール3とが回転し、ネジ軸4に回転力が伝達される。ネジ軸4の回転は、ナット5の軸線方向移動に変換され、第3のリンク110の下端が揺動することで、コントロールシャフト102が回転変位する。コントロールシャフト102の回転位置に応じて偏心カム102aが回転変位し、それによりロッカーアーム104が変位するので、それに応じて所望のバルブタイミング等を設定できる。
【0026】
図4は、ロッカーアーム104の位置と、バルブ108のリフト量の変化を示す図である。例えば、コントロールシャフト102を図4(a)、(b)の位置に設定した場合における上死点(a)と下死点(b)との差であるΔ1(図4(b))は、コントロールシャフト102を図4(c)、(d)の位置に設定した場合における上死点(c)と下死点(d)との差であるΔ2(図4(d))に比べ、大きくすることができる。更に、コントロールシャフト102をドライブシャフト101と同期させて回転させることで、バルブタイミングや位相の変更も可能となる。
【0027】
本実施の形態によれば、例えばコントロールシャフト102を任意の回転位置に設定した後は、ロッカーアーム104に大きな力が付与されても、ウォーム機構の特性により、ネジ軸4から電動モータ1側に力が伝達されることが阻止されるので、電動モータ1に常時通電する必要はなく、省エネが図れる。更に、本実施の形態において、ネジ軸4及びナット5のネジ溝4a、5aが4条であり、且つ1条のネジ溝に沿ってナット5の一端側から他端側へと転動したボール6が、別のネジ溝に戻されるようになっているので、ナット5の軸線方向長を短くすることができ、コンパクトな動弁機構を提供できる。
【0028】
特に、ウォームギヤ機構と組み合わせて高い応答性を得るためには、ボールねじ機構のネジ溝のリードを大きくする必要がある。一方で、装置のコンパクト性も要求されるため、ナット幅(軸線方向長)も制限される。これらを両立させる設計を行うと、ナットのネジ溝の巻き数が1未満となり、通常のチューブ循環式ボールねじ機構や、コマ循環式ボールねじ機構では、以下の理由により適用が困難となる。まず、チューブ循環式ボールねじ機構の場合、ナットのネジ溝の巻き数は、1.5巻き、2.5巻き、3.5巻き、というように(整数+0.5)巻き毎に設定されるが、0.5巻きという巻き数は通常用いられない。それは、1条のネジ溝の場合、ボールの転動路をナットの半周分しかとれないためナットのバランスが悪くなるという問題があるからであり、更にナットのバランス向上のためネジ溝を2条や4条にして、ボールの転動路をナット全周に配置するようにしても、それに応じてチューブをナット外周面の両側に設けなくてはならず、ナット外周形状の複雑化やボールネジ機構の大型化を招くことになるからである。これに対し、本実施の形態では、1巻き未満でも4条のネジ溝を周方向に等間隔に配置することで、ナットのバランス状態も良好としている。
【0029】
図5は、比較例として示す、4条のネジ溝を有し、且つ同じネジ溝にボールを循環させるエンドキャップ循環式ボールねじ機構の断面図である。本比較例は、ナット5’以外は、図2に示すエンドキャップ循環式ボールねじ機構と構成が同一である。本比較例においては、例えば同じネジ溝4a(B)にボール6を戻すようにしているため、図5から明らかなように、ナット5’の軸線方向長(ネジ溝の1リード必要)は、本実施の形態のナット5(図2)の軸線方向長の約2倍となっている。
【0030】
更に、コマ循環式ボールねじ機構の場合、ナットのネジ溝の巻き数は、1.0巻き、2.0巻き、3.0巻き、というように(整数)巻き毎に設定され、従ってナットのネジ溝の巻き数が1未満では通常用いることができない。これに対し、本発明のエンドキャップ循環式ボールねじ機構の場合、2条以上のネジ溝を設けることで、1未満の条数から巻き数を自由に設定でき、しかも条数を増やすことでボールねじ機構の負荷容量を増大でき、更に全周にボール転動路を配置できることから、幅が小さいナットでもバランスが良くなり、振動軽減等の観点から有利となる。
【0031】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、上述した実施の形態では、4条の各ネジ溝を1/2周分巻き回した後、一つおいて隣のネジ溝に戻すように循環させているが、4条の各ネジ溝を1/4周分巻き回した後、すぐ隣のネジ溝に戻すように循環させてもよいし、4条の各ネジ溝を3/4周分巻き回した後、3つ隣のネジ溝に戻すように循環させることもできる。以上の場合、回路はそれぞれ1つとなるが、1つの回路があまりに長くなると、回路のいずれかでボール詰まりなどが生じた場合、全てのボールの転動不良を招く恐れが生じるため、複数の回路を設けた方が望ましい。又、ネジ溝の条数や巻き数は、以上に限らず種々の組み合わせが考えられる。更に、本発明はチューブ循環式ボールねじ機構にも適用できるが、エンドキャップ循環式ボールねじ機構がより効果を発揮する。加えて、バルブタイミング、バルブリフト量、位相等を変更する機構は、図1のタイプにこだわらず、あらゆるタイプを用いることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の動弁機構によれば、外周面にネジ溝を形成したネジ軸と、前記ネジ軸を包囲するように配置され且つ内周面にネジ溝を形成したナットと、対向する両ネジ溝間に転動自在に配置された複数のボールとを有するボールねじ機構において、前記ネジ軸及びナットのネジ溝が2以上の条数を有し、更に前記ネジ軸と前記ナットとの相対回転に応じて1条のネジ溝に沿って前記ナットの一端側から他端側へと転動したボールを、別のネジ溝に戻す通路が設けられているので、ナットのネジ溝の巻き数として1巻き未満の例えば0.5巻き等を採用することで、前記ナットの軸線方向長を抑えることができると共に、複数のネジ溝を周方向に等間隔に配置することで、ナットのバランス状態も良好としている。
【0033】
又、バルブの開閉状態を変更可能な動弁機構が、回転変位することで、バルブの開閉状態を変更するコントロールシャフトと、電動モータと、前記電動モータの動力を、前記コントロールシャフトに伝達する動力伝達機構とを備え、前記動力伝達機構は、ウォームギヤ機構と、上述したボールねじ機構とを有するので、前記ウォームギヤ機構の特性により、前記コントロールシャフトより強い力が伝達された場合でも、かかる力が前記電動モータに伝達されることが抑制され、それにより電動モータに常時通電しなくても、前記コントロールシャフトの回転位置を維持できるため、省エネが図れる。又、前記ボールねじ機構において、前記ネジ軸及び前記ナットのネジ溝が2以上の条数を有し、1条のネジ溝に沿って前記ナットの一端側から他端側へと転動したボールを、別のネジ溝に戻す通路が設けられているので、前記ナットの軸線方向長を短くすることができ、動弁機構の構成をよりコンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態であるバルブタイミング及びバルブリフトを変更できる動弁機構の斜視図である。
【図2】図1の動弁機構における駆動部(動力伝達機構を含む)を示す部分断面図である。
【図3】図2の駆動部を矢印方向から見た図である。
【図4】ロッカーアーム104位置と、バルブ108のリフト量の変化を示す図である。
【図5】比較例にかかるボールねじ機構を示す図である。
【符号の説明】
1 電動モータ
2 ウォーム
3 ウォームホイール
4 ネジ軸
5 ナット
6 ボール
101 ドライブシャフト
102 コントロールシャフト
104 ロッカーアーム
106 アウトプットカム
108 バルブ
111 ECU

Claims (4)

  1. 外周面にネジ溝を形成したネジ軸と、前記ネジ軸を包囲するように配置され且つ内周面にネジ溝を形成したナットと、対向する両ネジ溝間に転動自在に配置された複数のボールとを有するボールねじ機構において、
    前記ネジ軸及び前記ナットのネジ溝が2以上の条数を有し、更に前記ネジ軸と前記ナットとの相対回転に応じて1条のネジ溝に沿って前記ナットの一端側から他端側へと転動したボールを、別のネジ溝に戻す通路が設けられていることを特徴とするボールねじ機構。
  2. エンドキャップ循環式ボールねじ機構であることを特徴とする請求項1に記載のボールねじ機構。
  3. 前記ナットのネジ溝が1巻き未満の巻き数を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のボールねじ機構。
  4. バルブの開閉状態を変更可能な動弁機構において、
    回転変位することで、バルブの開閉状態を変更するコントロールシャフトと、
    電動モータと、
    前記電動モータの動力を、前記コントロールシャフトに伝達する動力伝達機構とを備え、
    前記動力伝達機構は、ウォームギヤ機構と、請求項1乃至3のいずれかに記載のボールねじ機構とを有することを特徴とする動弁機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4995924B2 (ja) * 2007-11-30 2012-08-08 本田技研工業株式会社 Egr装置及びバルブ動作切換装置

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