JP2004143505A - 外観品位に優れた溶融めっき鋼板及び溶融めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

外観品位に優れた溶融めっき鋼板及び溶融めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた外観品位を達成できるめっき鋼板とめっき鋼板の製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】Al−Zn系、Al−Mg−Zn系またはAl−Mg−Si−Zn系の亜鉛めっき鋼板表面に微小且つ複数の凹部を、(1)直径dが1〜100μm、(2)凹部深さhが0.5〜50μm、(3)凹部による板表面の占有率を30〜90%として設けることを特徴とする外観品位に優れる溶融めっき鋼板であって、スキンパスロールを使用してスキンパス圧延を行うことによって製造する。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板に係わり、更に詳しくは優れた外観品位を有し、種々の用途、例えば建材用や自動車用鋼板として適用できるめっき鋼板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
耐食性の良好なめっき鋼板として溶融亜鉛めっき鋼板がある。この溶融亜鉛めっき鋼板は、通常、鋼板を脱脂後、無酸化炉にて予熱し、表面の清浄化及び材質確保のために還元炉にて還元焼鈍を行い、溶融亜鉛浴に浸漬し、付着量制御することによって製造される。その特徴として、耐食性及びめっき密着性等に優れることから、自動車、建材用途等を中心として広く使用されている。
【0003】
溶融亜鉛めっき鋼板は一般に光沢を有し、美麗である一方で、僅かな疵や模様などの欠陥が目立ちやすいという欠点がある。これら欠陥は性能上問題ない場合でも、外観品位を低下させるため、商品価値の低下に繋がる。こうした欠陥を目立たせないためには、光を乱反射させ光沢を抑えることが有効である。
【0004】
光沢を抑える1つの手段として、ダルスキンパス圧延を行うことは有効であるが、ダルスキンパス圧延では、光沢は200程度までしか低減できず、この程度の光沢ではかえって疵や模様などが目立ってしまい外観品位を向上できない。
【0005】
溶融亜鉛めっき鋼板の光沢を100以下に抑える技術は公知である(例えば、特許文献1及び2)。これらはいずれも溶融めっき後、めっき凝固温度以上の温度で気水スプレーを行うことにより、めっき層表面の結晶粒径と表面粗度を制御し光沢を低下させる技術である。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−188863号公報
【特許文献2】
特開平10−88310号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記技術では気水スプレーを行う設備が必要となるため、そのスペースがない場合は採用できない。またこうした設備設置により生産コストが上昇する問題も生じる。
【0008】
さらにこうした技術は、凹凸部でめっき厚に大きな差ができるため、めっき付着量が大きい領域で適用しないと、凹部の耐食性が十分確保できなくなる問題が生じる。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題点を解決して、外観品位に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、外観品位に優れた溶融めっき鋼板について鋭意研究を重ねた結果、めっき鋼板表面に形状を制御した微小且つ複数の凹部を設けることにより溶融めっき鋼板の外観品位を向上させることができることを見いだして本発明をなした。
【0011】
すなわち、本発明の要旨とするところは、
(1)溶融めっき鋼板の表面に微小且つ複数の凹部を、
(1)直径dが1〜100μm
(2)凹部深さhが0.5〜50μm
(3)凹部による板表面の占有率を30〜90%
を満足するように設けたことを特徴とする外観品位に優れた溶融めっき鋼板。
【0012】
(2)Al:0.05〜10質量%を含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき層を有し、かつ、めっき鋼板表面に微小且つ複数の凹部を、
(1)直径dが1〜100μm
(2)凹部深さhが0.5〜50μm
(3)凹部による板表面の占有率を30〜90%
を満足するように設けたことを特徴とする外観品位に優れた溶融めっき鋼板。
【0013】
(3)Al:0.05〜10質量%、Mg:0.01〜5質量%を含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき層を有し、かつ、めっき鋼板表面に微小且つ複数の凹部を、
(1)直径dが1〜100μm
(2)凹部深さhが0.5〜50μm
(3)凹部による板表面の占有率を30〜90%
を満足するように設けたことを特徴とする外観品位に優れた溶融めっき鋼板。
【0014】
(4)Al:4〜20質量%、Mg:2〜5質量%、Si:0〜0.5質量%を含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなる亜鉛めっき層を有し、かつ、めっき鋼板表面に微小且つ複数の凹部を、
(1)直径dが1〜100μm
(2)凹部深さhが0.5〜50μm
(3)凹部による板表面の占有率を30〜90%
を満足するように設けたことを特徴とする外観品位に優れた溶融めっき鋼板。
【0015】
(5)前記(2)乃至(4)項のいずれかに記載の溶融めっき鋼板のめっき層に、更に、質量%で、Ca:0.01〜0.5%、Be:0.01〜0.2%、Ti:0.0001〜0.2%、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.001〜0.2%、Co:0.01〜0.3%、Cr:0.0001〜0.2%、Mn:0.01〜0.5%、B:0.001〜0.1%から選ばれる一種または二種以上を含有することを特徴とする外観品位に優れた溶融めっき鋼板。
【0016】
(6)JIS−Z−8741の60度鏡面光沢度測定方法により測定した光沢度が100以下であることを特徴とする上記(1)乃至(5)項のいずれかに記載の外観品位に優れた溶融めっき鋼板。
【0017】
(7)ロール表面に微小且つ複数の凸部を、
(1)直径dが1〜200μm
(2)凸部高さhが0.5〜100μm
(3)凸部によるロール表面の占有率を30〜95%
を満足するように設けたスキンパスロールを使用してスキンパス圧延を行うことを特徴とする前記(1)乃至(6)項のいずれかに記載の外観品位に優れた溶融めっき鋼板の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0019】
本発明において溶融めっき鋼板とは鋼板上に溶融した金属をめっきしたものである.また、溶融亜鉛めっき鋼板とは鋼板上にZn−Alめっき層を付与したもの、Zn−Al−Mgめっき層を付与したもの、及びZn−Al−Mg−Siめっき層を付与したものである。
【0020】
本発明においてZn−Alめっき層及びZn−Al―Mgめっき層のAl組成を0.05〜10質量%に限定した理由は、0.05質量%未満のAl量で通常の溶融めっき処理を行うと、めっき処理時においてZn―Fe合金化反応が起こり、地鉄界面に脆い合金層が発達し、めっき密着性が劣化するためであり、10質量%を超えるとFe−Al合金層の成長が顕著となりめっき密着性を阻害するためである。
【0021】
Zn−Al―Mgめっき層のMg組成を0.01〜5質量%に限定した理由は、0.01質量%未満では耐食性を向上する効果が見られないためであり、5質量%を超えるとめっき浴中にドロスが多量に発生し製造が困難となるためである。
【0022】
また、本発明において高Al高Mg組成の溶融亜鉛めっき浴では、低温でSiを溶解させることが可能となる。この溶融亜鉛めっき浴にSiを添加するとFe−Al合金層の成長を抑制するため、Alの添加量を増加させることが可能となる。更にAlの添加量を増加させるとMgの添加によるめっき浴中のドロス発生を抑制することができ、Mgの添加量を増加させることが可能となる。
【0023】
本発明においてZn−Al−Mg−Siめっき層のAl組成を4〜20質量%に限定した理由は、4質量%未満のAl量では、めっき浴中にSiを溶解させる効果が見られないと共にMgの添加によるめっき浴中のドロス発生を抑制する効果が見られないためであり、20質量%を超えるとめっき浴の融点が上昇し製造が困難となるためである。
【0024】
Zn−Al−Mg−Siめっき層のMg組成を2〜5質量%に限定した理由は、2質量%未満ではめっき浴中にSiを溶解させる効果が見られないためであり、5質量%を超えるとめっき浴中にドロスが多量に発生し製造が困難となるためである。
【0025】
Si組成を0.5質量%以下(0%を含む)に限定した理由は、Siを添加しないとFe−Al合金層の成長を抑制する効果が見られないためであり、0.5質量%を超えるとめっき浴の融点が上昇し製造が困難となるためである。
【0026】
更に外観品位を向上させるためCa、Be、Ti、Cu、Ni、Co、Cr、Mn、Bの一種または二種以上の元素を添加する。これらの元素を添加し、外観品位が向上する理由は、めっき凝固時にこれらの元素の金属間化合物が結晶核となり、めっき組織の結晶を微細化する働きがあるためであると考えられる。
【0027】
外観品位を向上させる効果は、Ca、Be、Ti、Cu、Ni、Co、Cr、Mn、Bにおいて各々0.01、0.01、0.0001、0.1、0.001、0.01、0.0001、0.01、0.001質量%以上でその効果が顕著になり始め、それ以上の添加ではほぼ効果が飽和する。しかし添加量が多くなるとめっき後の外観が粗雑になり、例えばドロス、酸化物の付着などにより外観不良が発生するため、各元素の上限は、Ca、Be、Ti、Cu、Ni、Co、Cr、Mn、Bにおいて各々0.5、0.2、0.2、1.0、0.2、0.3、0.2、0.5、0.1質量%である。
【0028】
またFe、Pb、Sn、Sb、Bi等の不可避的不純物は元素の総量を0.5質量%以内含有してもよい。
【0029】
めっき付着量についても、特に制約は設けないが、耐食性の観点から片面10g/m以上、加工性の観点からすると片面250g/m以下であることが望ましい。なお、下地の鋼板としては、熱延鋼板、冷延鋼板共に使用できるが、特にTi、Nb、Bなどを添加した極低炭素系の鋼板は加工性が優れており望ましい。
【0030】
本発明において、めっき鋼板表面は、表面に微小且つ複数の凹部を、
(1)直径dが1〜100μm
(2)凹部深さhが0.5〜50μm
(3)凹部による板表面の占有率を30〜90%
として設ける。
【0031】
ここで凹部直径dとはめっき鋼板表面に垂直に投影した面積の最大直径、凹部深さhはめっき鋼板平面部から凹部の最大深さをいう。凹部の直径dを1〜100μmに限定した理由は、1μm未満では外観品位を向上する効果が見られないためであり、100μmを超えると外観品位が低下するためである.望ましくは、1〜80μmである。
【0032】
凹部の深さhを0.5〜50μmに限定した理由は、0.5μm未満では外観品位を向上する効果が見られないためであり、50μmを超えると外観品位が低下するためである.望ましくは、0.5〜40μmである。
【0033】
凹部による板表面の占有率を30〜90%に限定した理由は、30%未満では外観品位を向上する効果が見られないためであり、90%を超えると凹部同士が互いに連絡して、外観品位が低下するためである。望ましくは、30〜80%である。ここで凹部による板表面の占有率とは、板表面を占める凹部の割合のことである。本発明において凹部とは、周りの平坦部と比較して、直径1〜100μm、深さ0.5〜50μm凹んだ部分のことである。凹部は、あるものは独立しており、あるものは相互に連絡している状態で存在することもあるが、凹部同士が互いに連絡している場合、それぞれの凹部の直径と深さを持つ半球を仮想し、その半球を1つの凹部とみなして、その直径と深さを使用した.一方、本発明において平坦部とは直径1μm未満、または深さ0.5μm未満凹んだ部分、及び通常うねりと分類される波長0.8mm以上の領域の凹凸を含むその他の部分である。
【0034】
従って、本特許で規定された凹部の体積の合計を計算すると、1mmあたり約10μm〜10μmとなる。
【0035】
本特許においてJIS−Z−8741の60度鏡面光沢度測定方法により測定した光沢度を100以下に限定した理由は、光沢度が100を超えると僅かな疵や模様などの欠陥が目立ち、外観品位が低下するためである.望ましくは60以下である。
【0036】
本発明において、めっき鋼板の製造方法については特に限定するところはなく、通常の無酸化炉方式の溶融めっき法が適用できる。表面に凹部をつける方法についても特に限定するところはなく、規定の凹部を得られればどんな方法を用いても構わない。
【0037】
最も制御しやすい方法は、めっき後のスキンパス圧延において
ロール表面に微小且つ複数の凸部を、
(1)直径dが1〜200μm
(2)凸部高さhが0.5〜100μm
(3)凸部によるロール表面の占有率を30〜95%
として設けることを特徴とするスキンパスロールを使用し、スキンパス圧延を行う方法である。上記ロールを使用し、スキンパス圧延圧下率を適切に制御することによって、外観品位に優れためっき鋼板を得ることができる。
【0038】
更にWcaを小さくしたスキンパスロールに上記凸部を設け、スキンパス圧延を行うとめっき外観品位が優れるだけでなく、塗装後の鮮映性も優れためっき鋼板を得ることが可能となる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0040】
(実施例1)
まず、厚さ0.8mmの冷延鋼板を準備し、これを連続式溶融亜鉛めっきラインの前処理炉にて焼鈍し、浴中のAl量を変化させた460℃の溶融亜鉛めっき浴で3秒溶融めっきを行った後、Nガスワイピングで表1に示すめっき付着量に調整し、ロール凸部、圧延圧下率を変化させたスキンパス圧延を行った。得られためっき鋼板のめっき層中組成と表面凹部の分布を表1に示す。凹部直径dと凹部深さhは、3次元粗度計を使用して任意に100点測定し、それぞれの平均値を使用した。凹部による板表面の占有率は、2×2mmの範囲を3次元粗度計で測定し、測定面積に占める凹部の面積の割合を求めた。
【0041】
光沢度はJIS−Z−8741の60度鏡面光沢度測定方法により測定し、以下に示す評点づけで判定した.評点は3以上を合格とした。
5:50未満
4:50以上80未満
3:80以上100未満
2:100以上200未満
1:200以上
【0042】
外観品位は、画像解析装置を使用して、ドロスや疵等に起因する大きさ0.5mm以上の外観不良部の数を数え、以下に示す評点づけで判定した。評点は3を合格とした。
3:1m中に10個未満
2:1m中に10個以上100個未満
1:1m中に100個以上
【0043】
密着性は、デュポン衝撃試験後の溶融めっき鋼板にセロハンテープを貼り、その後引き剥がし、めっきが剥離しなかった場合を○、めっきが剥離した場合を×とした。デュポン試験は先端に1/2インチの丸みを持つ撃ち型を使用し、1kgの重りを1mの高さから落下させて行った。
【0044】
評価結果を表1に示す。
【0045】
番号1、8はめっき中のAl%が本発明の範囲外であるためめっき密着性が不合格となった。番号13は凹部の直径と深さが本発明の範囲外であるため光沢度と外観品位が不合格となった。番号14は凹部の深さが本発明の範囲外であるため光沢度と外観品位が不合格となった。番号17は凹部の直径が本発明の範囲外であるため外観品位が不合格となった。番号18、22は凹部による板表面の占有率が本発明の範囲外であるため光沢度と外観品位が不合格となった。これら以外はいずれも、光沢度、外観品位共に良好な結果となった。
【0046】
(実施例2)
まず、厚さ0.8mmの冷延鋼板を準備し、これを連続式溶融亜鉛めっきラインの前処理炉にて焼鈍し、浴中のAl量、Mg量を変化させた460℃の溶融亜鉛めっき浴で3秒溶融めっきを行った後、Nガスワイピングで表2に示すめっき付着量に調整し、ロール凸部、圧延圧下率を変化させたスキンパス圧延を行った。得られためっき鋼板のめっき層中組成と表面凹部の分布を表2に示す。凹部直径dと凹部深さhは、3次元粗度計を使用して任意に100点測定し、それぞれの平均値を使用した。凹部による板表面の占有率は、2×2mmの範囲を3次元粗度計で測定し、測定面積に占める凹部の面積の割合を求めた。
【0047】
光沢度はJIS−Z−8741の60度鏡面光沢度測定方法により測定し、以下に示す評点づけで判定した。評点は3以上を合格とした。
5:50未満
4:50以上80未満
3:10未満
2:10以上100未満
1:100以上
【0048】
外観品位は、画像解析装置を使用して、ドロスや疵等に起因する大きさ0.5mm以上の外観不良部の数を数え、以下に示す評点づけで判定した.評点は3を合格とした.
3:1m中に10個未満
2:1m中に10個以上100個未満
1:1m中に100個以上
【0049】
密着性は、デュポン衝撃試験後の溶融めっき鋼板にセロハンテープを貼り、その後引き剥がし、めっきが剥離しなかった場合を○、めっきが剥離した場合を×とした。デュポン試験は先端に1/2インチの丸みを持つ撃ち型を使用し、1kgの重りを1mの高さから落下させて行った。
【0050】
耐食性は5%、35℃の塩水を噴霧し、赤錆が発生するまでの時間を以下に示す評点づけで判定した。
○:120hr以上
△:60hr以上120hr未満
×:60hr未満
【0051】
評価結果を表2に示す。
【0052】
番号1、8はめっき中のAl%が本発明の範囲外であるためめっき密着性が不合格となった。番号21は凹部の直径と深さが本発明の範囲外であるため光沢度と外観品位が不合格となった。番号22は凹部の深さが本発明の範囲外であるため光沢度と外観品位が不合格となった。番号25は凹部の直径が本発明の範囲外であるため外観品位が不合格となった。番号26、30は凹部による板表面の占有率が本発明の範囲外であるため光沢度と外観品位が不合格となった。これら以外はいずれも、光沢度、外観品位共に良好な結果となった。
【0053】
(実施例3)
まず、厚さ0.8mmの冷延鋼板を準備し、これを連続式溶融亜鉛めっきラインの前処理炉にて焼鈍し、浴中のAl量、Mg量、Si量を変化させた460〜600℃の溶融亜鉛めっき浴で3秒溶融めっきを行った後、Nガスワイピングで表3に示すめっき付着量に調整し、ロール凸部、圧延圧下率を変化させたスキンパス圧延を行った。得られためっき鋼板のめっき層中組成と表面凹部の分布を表3に示す。凹部直径dと凹部深さhは、3次元粗度計を使用して任意に100点測定し、それぞれの平均値を使用した。凹部による板表面の占有率は、2×2mmの範囲を3次元粗度計で測定し、測定面積に占める凹部の面積の割合を求めた。
【0054】
光沢度はJIS−Z−8741の60度鏡面光沢度測定方法により測定し、以下に示す評点づけで判定した。評点は3以上を合格とした。
5:50未満
4:50以上80未満
3:10未満
2:10以上100未満
1:100以上
【0055】
外観品位は、画像解析装置を使用して、ドロスや疵等に起因する大きさ0.5mm以上の外観不良部の数を数え、以下に示す評点づけで判定した.評点は3を合格とした。
3:1m中に10個未満
2:1m中に10個以上100個未満
1:1m中に100個以上
【0056】
密着性は、デュポン衝撃試験後の溶融めっき鋼板にセロハンテープを貼り、その後引き剥がし、めっきが剥離しなかった場合を○、めっきが剥離した場合を×とした。デュポン試験は先端に1/2インチの丸みを持つ撃ち型を使用し、1kgの重りを1mの高さから落下させて行った。
【0057】
耐食性は5%、35℃の塩水を噴霧し、赤錆が発生するまでの時間を以下に示す評点づけで判定した。
○:500hr以上
△:250hr以上500hr未満
×:250hr未満
【0058】
評価結果を表3に示す。
【0059】
番号12はめっき中のSi%が本発明の範囲外であるためめっき密着性が不合格となった。番号14は凹部の直径と深さが本発明の範囲外であるため光沢度と外観品位が不合格となった。番号15は凹部の深さが本発明の範囲外であるため光沢度と外観品位が不合格となった。番号18は凹部の直径が本発明の範囲外であるため外観品位が不合格となった。番号19、23は凹部による板表面の占有率が本発明の範囲外であるため光沢度と外観品位が不合格となった。これら以外はいずれも、光沢度、外観品位共に良好な結果となった。
【0060】
(実施例4)
まず、厚さ0.8mmの冷延鋼板を準備し、これを連続式溶融亜鉛めっきラインの前処理炉にて焼鈍し、浴中の添加元素量を変化させた460〜600℃の溶融亜鉛めっき浴で3秒溶融めっきを行った後、Nガスワイピングで表4に示すめっき付着量に調整し、ロール粗度、圧延圧下率を変化させたスキンパス圧延を行った。得られためっき鋼板のめっき層中組成と表面凹部の分布を表4に示す。凹部直径dと凹部深さhは、3次元粗度計を使用して任意に100点測定し、それぞれの平均値を使用した。凹部による板表面の占有率は、2×2mmの範囲を3次元粗度計で測定し、測定面積に占める凹部の面積の割合を求めた。
【0061】
光沢度はJIS−Z−8741の60度鏡面光沢度測定方法により測定し、以下に示す評点づけで判定した。評点は3以上を合格とした。
5:50未満
4:50以上80未満
3:10未満
2:10以上100未満
1:100以上
【0062】
外観品位は、画像解析装置を使用して、ドロスや疵等に起因する大きさ0.5mm以上の外観不良部の数を数え、以下に示す評点づけで判定した。評点は3を合格とした。
3:1m中に10個未満
2:1m中に10個以上100個未満
1:1m中に100個以上
評価結果を表4に示す。
【0063】
本発明品はいずれも、光沢度、外観品位共に良好な結果となった。
【0064】
【表1】
Figure 2004143505
【0065】
【表2】
Figure 2004143505
【0066】
【表3】
Figure 2004143505
【0067】
【表4】
Figure 2004143505
【0068】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明のめっき鋼板は、めっき鋼板表面に微小且つ複数の凹部を、
(1)直径dが1〜100μm
(2)凹部深さhが0.5〜50μm
(3)凹部による板表面の占有率を30〜90%
を満足するように設けた、従来材にない優れた外観品位を有する鋼板であり、工業的に極めて大きな効果を有するものである。

Claims (7)

  1. 溶融めっき鋼板の表面に微小且つ複数の凹部を、
    (1)直径dが1〜100μm
    (2)凹部深さhが0.5〜50μm
    (3)凹部による板表面の占有率を30〜90%
    を満足するように設けたことを特徴とする外観品位に優れた溶融めっき鋼板。
  2. Al:0.05〜10質量%を含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき層を有し、かつ、めっき鋼板表面に微小且つ複数の凹部を、
    (1)直径dが1〜100μm
    (2)凹部深さhが0.5〜50μm
    (3)凹部による板表面の占有率を30〜90%
    を満足するように設けたことを特徴とする外観品位に優れた溶融めっき鋼板。
  3. Al:0.05〜10質量%、Mg:0.01〜5質量%を含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき層を有し、かつ、めっき鋼板表面に微小且つ複数の凹部を、
    (1)直径dが1〜100μm
    (2)凹部深さhが0.5〜50μm
    (3)凹部による板表面の占有率を30〜90%
    を満足するように設けたことを特徴とする外観品位に優れた溶融めっき鋼板。
  4. Al:4〜20質量%、Mg:2〜5質量%、Si:0〜0.5質量%を含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなる亜鉛めっき層を有し、かつ、めっき鋼板表面に微小且つ複数の凹部を、
    (1)直径dが1〜100μm
    (2)凹部深さhが0.5〜50μm
    (3)凹部による板表面の占有率を30〜90%
    を満足するように設けたことを特徴とする外観品位に優れた溶融めっき鋼板。
  5. 請求項2乃至4のいずれかに記載の溶融めっき鋼板のめっき層に、更に、質量%で、Ca:0.01〜0.5%、Be:0.01〜0.2%、Ti:0.0001〜0.2%、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.001〜0.2%、Co:0.01〜0.3%、Cr:0.0001〜0.2%、Mn:0.01〜0.5%、B:0.001〜0.1%から選ばれる一種または二種以上を含有することを特徴とする外観品位に優れた溶融めっき鋼板。
  6. JIS−Z−8741の60度鏡面光沢度測定方法により測定した光沢度が100以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の外観品位に優れた溶融めっき鋼板。
  7. ロール表面に微小且つ複数の凸部を、
    (1)直径dが1〜200μm
    (2)凸部高さhが0.5〜100μm
    (3)凸部によるロール表面の占有率を30〜95%
    を満足するように設けたスキンパスロールを使用してスキンパス圧延を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の外観品位に優れた溶融めっき鋼板の製造方法。
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