JP2004143313A - オイルの精製および充填システム - Google Patents
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Abstract
【課題】原油の精製時あるいは精製が完了して他の貯蔵容器に移し換えるまでに、極力大気中の空気と接触させずに、可及的に成分変化のない純粋な精製オイルとして最終利用者にまで提供することが可能となるオイルの精製および充填システムを提供する。
【解決手段】濾過タンク内でオイルを精製する場合、タンク内の圧力が下がった場合に、予め窒素ガスが充填されている風船から窒素ガスを供給することにより、オイルが大気と接触することを防止する。また、充填タンクにオイルを移し換える場合にも、空気と接触させない状態で移し換えるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】濾過タンク内でオイルを精製する場合、タンク内の圧力が下がった場合に、予め窒素ガスが充填されている風船から窒素ガスを供給することにより、オイルが大気と接触することを防止する。また、充填タンクにオイルを移し換える場合にも、空気と接触させない状態で移し換えるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、椿油などの原油を精製し、貯蔵缶に一時的に充填するにあたり、精製されたオイルと空気とが接触して、オイルが酸化することを極力抑えることのできるオイルの精製および充填システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、コーンオイルやごまオイル、特には、オレイン酸トリグリセライドを主脂肪酸組成とする椿油の原油は、美容、健康などのために精製の段階から酸価値を下げる必要がある。このため、原油からの精製時に、酸価値増加の原因となっている微小な不純物を除去することが行われている。
【0003】
例えば、このような微小な不純物を除去する方法として、処理タンク内の原油の中に水を投入して、加圧、加熱処理を施すことによって水を分解し、過酸化水素を発生させ、この過酸化水素の作用によって、原油中の微小不純物を燃焼させて殺菌することが行われている。
しかしながら、このように原油に対して加水し、さらに加圧、加熱処理を行った場合には、長期保存油としては適しているものの、原油が化学的組成を変性して、トランス型脂肪酸に変化しやすい。しかも、オイルのもつ天然成分(Be)などの旨みも除去されてしまうという問題がある。
【0004】
そこで、今日では、加水、加圧、加熱処理を行わずに、原油を活性炭電極の間を通過させることによって、原油中の不純物を吸着ろ過することも行われているこれにより、例えば、椿油を精製する場合には、不乾性が高く、長期常温保存しても酸化変質し難い、より純粋に精製された椿油を得ることが可能になる。
ここで、特に、椿油は、人間の皮脂の成分と同じ仲間のオレイン酸トリグリセライトを多く含んでおり、天然植物油の中で、人間の脂質に最も近いオイルである。したがって、この椿油は、皮膚に付けてもさらっとしてべとつかず、吸収も良く、胃にもたれず消化に優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように活性炭電極の間を通過させる精製方法では、通常、処理タンクの中に、活性炭を半分程度充填し、そこに原油が装填されている。ここで、通常、このような処理タンクは、内部空間の一部が外気に開放されることにより、濾過タンク内が大気に対して負圧になることが防止されている。
【0006】
しかしながら、このように処理タンク内が外気と連通されている場合には、タンク内の空気と外気とが常時交換されるため、例えば、精製されたばかりのバージンオイル内に空気を巻き込んでしまうという問題があった。
このように、オイルに空気を巻き込んでしまうと、例え、加水、加圧、加熱処理を行わないとしても、オイルの酸化が促進され、品質が劣化してしまうことになる。
【0007】
特に、オイルが椿油である場合は、加水加圧処理を行わずに、活性炭とフィルターとでろ過する場合であっても、製油精製時あるいは、その後に空気と接触させてしまうと、椿油の有する人間の皮下脂質と同じ成分である天然オレイン酸トリグリセライドを酸化させてしまう可能性があり、その結果、皮膚への安定吸収性、保水効果などが損われてしまうことになる。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑み、原油の精製時あるいは精製が完了して他の貯蔵容器に移し換えるまでに、極力大気中の空気と接触させずに、可及的に成分変化のない純粋な精製オイルとして、最終利用者にまで提供することが可能となるオイルの精製および充填システムを提供することを目的とする。
また、特に、本発明は、オレイン酸トリグリセライドの状態で、最終ユーザーにまで食用、あるいは美容用として、健康上効果のある椿油を提供することのできるオイルの精製および充填システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、略密閉状態に形成された濾過タンク内でオイルを精製し、当該濾過タンク内で精製されたオイルを貯蔵缶に一時的に充填にするまでのオイルの精製および充填システムであって、
前記濾過タンクの外方に窒素ガスを充填した風船を配置するとともに、この風船と前記濾過タンクとの間を連通手段で連結し、
前記濾過タンク内の圧力が大気圧力以下になった場合に、前記風船内の窒素ガスを前記濾過タンク内に取り込んで、前記濾過タンク内を大気圧と略同圧にするとともに、
前記濾過タンク内で精製されたオイルを前記貯蔵缶に取り出す場合に、予め窒素ガスが充填された貯蔵缶内に、前記濾過タンクから前記精製されたオイルを自然落下により充填し、その後、貯蔵缶内にさらに窒素ガスを補填して前記精製オイルを封止することを特徴としている。
【0010】
このような構成であれば、精製から充填に至るまでの間に、精製オイルは、いわば窒素ガスで表面に蓋をした状態で処理されることになるので、精製されたオイルの酸化を極力防止することができる。
ここで、前記オイルは、椿油であることを特徴としている。
このような構成であれば、濾過タンクによる精製、および濾過タンクから貯蔵缶に充填するまでの間に、空気と接触することがないので、純粋な椿油を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態(実施例)について説明する。
図1は、本発明のオイルの精製方法を実施するのに好適な精製装置の第1の実施例を示した概略縦断面である。
図1に示したように、本発明のオイルの精製装置(以下、「精製装置」と言う。)10は、例えば、椿油、コーンオイル、ごまオイルなどの食用ないし美容用のオイルの原油を精製するために用いられるものである。
【0012】
精製装置10は、略円筒形状の濾過タンク12を備えており、この濾過タンク12には、原油を貯留するオイルタンク14に接続された原油供給ライン16が、ポンプ18、流量制御バルブ20、流量計22を介して、濾過タンク12の底部24の中央部に接続されている。
濾過タンク12の内部には、中心部分に、例えば、カーボン、白金などからなる中心電極26が配設されているとともに、この中心電極26の外周に、一定間隔離間して、略円筒リング形状の多孔質セラミックからなる隔壁28が配置されている。そして、この隔壁28の外周に、活性炭からなる活性炭電極30が配設されている。これらの中心電極26と活性炭電極30とは、電源32に接続されている。なお、この隔壁28は、多孔質セラミックあるいは多数の孔を形成した金属板から形成されることが好ましく、原油中の微小な不純物が通過できるようになっている。
【0013】
濾過タンク12内がこのように構成されることによって、中心電極26と隔壁28との間に、オイル処理室34が画成されている。
一方、隔壁28の上方部分には、オイル処理室34から、活性炭電極30に至る原油通路36が形成されている。なお、この原油通路36は、隔壁28の円周に沿って、適宜一定間隔離間して複数個形成されている。
【0014】
隔壁28の底部には、濾過タンク12の底部24との間に、密封性を確保するために、例えば、シリコーンゴムなどからなるパッキン38が装着されている。
さらに、濾過タンク12の活性炭電極30が配置された底部24には、活性炭電極30を通過することによって、微小不純物が除去された精製された精製オイルを回収するための精製オイル回収ライン40が接続されている。なお、この精製オイル回収ライン40には、回収する精製オイルの流量を制御する流量制御バルブ42が配設されている。
【0015】
また、濾過タンク12の上部開口を覆う蓋体13には、通気口15が形成され、この通気口15に、窒素が充填された風船17に連通されたパイプ19の一端が接続されている。また、パイプ19の他端には、多数の口部を備えた接続具21が設置され、その接続具21を介して風船19が接続されている。
このように構成される精製装置10では、以下のように作動される。
【0016】
先ず、例えば、椿油、コーンオイル、ごまオイルなどの食用ないし美容用のオイルの原油を、濾過タンク14に接続された原油供給ライン16から、ポンプ18、流量制御バルブ20を介して、濾過タンク12の底部24の中央部から、中心電極26と隔壁28との間に形成されたオイル処理室34に導入する。
そして、電源32から、中心電極26と活性炭電極30の間に、電圧を印加する。これによって、図1の矢印Aで示したように、原油中に含まれる微小な不純物が、電気泳動の作用によって、一方の電極側、すなわち、活性炭電極30側に集積される。
【0017】
そして、図1の矢印Bで示したように、他方の電極側、すなわち、中心電極26近傍に集積した不純物の除去されたオイルを、隔壁28の上方部分に形成された原油通路36を介して、活性炭電極30を通過させる。これによって、原油中の不純物をさらに吸着ろ過して酸価値の低下した純粋な精製オイルを得ることができる。
【0018】
このように精製された純粋な精製オイルは、精製オイル回収ライン40を介して別途図示しない回収タンクなどに貯留されるようになっている。
この場合、中心電極26と活性炭電極30の電極の間に印加する電圧が、5〜20KVとするのが望ましい。
このような範囲に印加電圧を設定することによって、原油中に含まれる微小な不純物を、効率よく電気泳動の作用によって一方の電極である活性炭電極30側に集積し、他方の電極である中心電極26側近傍に集積した不純物の除去されたオイルを、活性炭電極30を通過させることによって、原油中の不純物をさらに吸着ろ過して酸価値の低下した純粋な精製オイルを得ることができる。
【0019】
しかも、このように精製されたオイルは、加圧、加熱されていないので、トランス型脂肪酸に変性していない、オレイン酸トオリグリセライドであるので、食用オイル、美容用オイルなどに使用する場合にも、体内の活性酸素と結合することがないので、美容、健康上にも極めて良好である。
なお、この場合、制御装置44によって、電源32を制御して、中心電極26と活性炭電極30の電極の間に印加する電圧を制御することができる。
【0020】
さらに、このように精製装置10で処理された精製オイルを、再び、同じ精製装置10または別の精製装置10に導入することによって、適宜精製処理を繰り返すことによって、より精製された精製オイルを得ることができる。
本実施例において、原油の精製の工程が次第に進んでいくと、精製されたオイルは下方に蓄積されてくる。また、これに伴って濾過タンク12内の圧力が低下していく。さらに、精製されたオイルを精製オイル回収ライン40から取り出していく場合も、濾過タンク12内の圧力が低下する。しかしながら、このような場合には、予め窒素ガスが充填された風船17が濾過タンク12内に接続されていることから、パイプ19の途中に介在された空気開放弁23を開放することにより、風船17から不足圧力に相当する窒素ガスが濾過タンク12に供給されることになる。よって、本実施例では、精製されたオイルの表面が、いわば窒素ガスで蓋をした状態で管理されることになるので、空気との接触によるオイルの酸化が防止される。
【0021】
このようにして、本実施例では、精製の段階でオイルが外気に触れることなく、精製されていくので、酸化を極力抑えることができ、純粋なバージンオイルを得ることができる。よって、健康、美容に良好な高品質の椿油を量産することができる。
さらに、本実施例では、精製オイル回収ライン40の下流で、濾過タンク内で精製されたオイルを、別途容易された、持ち運び用の貯蔵タンクに移す場合にも、空気に触れることなく充填することができる。
【0022】
すなわち、図2は、濾過タンク12で精製されたオイルを一時的に貯留するための貯蔵タンク25を示したものである。この貯蔵タンク25には、逆止弁構造の注入パイプ27が設置されるともに、同じく逆止弁構造の空気弁31が設けられている。そして、この貯蔵タンク25は、可撓性のビニールホース41などを介して精製オイル回収ライン40に着脱自在に接続されている。
【0023】
このような貯蔵タンク25内に濾過タンク12から精製されたオイルを移し変える場合には、上記したパイプ19の空気開放弁23を開放するとともに流量制御バルブ42を開放し、自然落下により濾過タンク12から貯蔵タンク25内に精製オイルを充填すればよい。この場合に、オイルが貯蔵タンク25内に充填されることに伴って、貯蔵タンク25内の窒素ガスが空気弁31から外部に排出される。よって、充填作業中にオイルが空気に晒されることがない。また、貯蔵タンク25内へのオイルの充填が完了した後、ビニールパイプ41の先端から、あるいは注入パイプ27の開口から窒素ガスを封入しておくことが好ましい。これにより、貯蔵タンク25内のオイルの酸化が可及的に防止される。
【0024】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されない。
例えば、上記実施例では、中心軸部分に中心電極26を、隔壁28の外周に活性炭電極30を配設したが、これを逆に配置することもできる。すなわち、中心軸部分に活性炭電極30を、隔壁28の外周に中心電極26を配設して、中心部分の下方から精製オイルを回収することも可能である。
【0025】
また、上記実施例では、略円筒形状の濾過タンク12としたが、この形状は任意に設定でき、例えば、立方体または直方体の箱形状にするなど適宜変更することができる。
図3は、本発明のオイルの精製装置の第2の実施例を示す概略図、図4は、図3の精製装置のフィルター部の縦断面図である。
【0026】
図3に示したように、この実施例の精製装置50は、略円筒形状の濾過タンク52と、その下方に接続されたフィルター部54と、これらの濾過タンク52とフィルター部54を支持するフレーム55とを備えている。
濾過タンク52の上部には、原油を供給する原油供給口が形成され、この原油供給口には、原油が投入された後に、蓋体58が設置される。そして、この蓋体58には、通気口15が形成され、この通気口15に、予め窒素が充填された風船17に連通されたパイプ19の一端が接続されている点は、上記実施例と同様である。
【0027】
さらに、フィルター部54の下方には、精製された精製オイルを回収する精製オイル回収ライン56が設けられている。なお、この精製オイル回収ライン56には、回収する精製オイルの流量を制御する流量制御バルブ59が配設されている。
また、フィルター部54は、特殊フィルター部60が配設されているとともに、その下方に、この特殊フィルター部60を通過することによって精製された精製オイルを一時貯留する濾過タンク部62が形成されている。
【0028】
この特殊フィルター部60は、図4に示したように、和紙、ろ過紙などを積層した積層特殊フィルター64、66、68が積層されるとともに、これらの積層特殊フィルター64、66、68の間に、繊維状の活性炭からなる活性炭電極70、72が配設されている。さらに、最下部の積層特殊フィルター68の下方には、ステンレス製のメッシュフィルター74が配置されている。なお、これらの活性炭電極70、72はそれぞれ、電源76に接続されている。
【0029】
このように構成される精製装置50では、以下のように作動される。
先ず、例えば、椿油、コーンオイル、ごまオイルなどの食用ないし美容用のオイルの原油を、濾過タンク52の上部に設置された蓋体58を開いた後、原油供給口を介して、濾過タンク52内に供給する。
これにより、濾過タンク52内に供給された原油は、重力の作用によって、図4の矢印Cに示したように、積層特殊フィルター64、66、68、活性炭電極70、72、ならびに、ステンレス製のメッシュフィルター74によって、微小不純物が吸着ろ過されて、酸価値が低下した精製オイルとなって、濾過タンク部62内に落下する。
【0030】
この際、電源76から、活性炭電極70、72の間に、電圧を印加することによって、図4の矢印Dで示したように、原油中に含まれる微小な不純物が、電気泳動の作用によって、活性炭電極70または72の一方の側に集積されるので、電着、吸着、電気泳動の作用によって、微小不純物が除去されて、酸価値の低下した純粋な精製オイルを得ることができる。
【0031】
このように精製された純粋な精製オイルは、精製オイル回収ライン56を介して別途図示しない回収タンクなどに貯留されるようになっている。
この場合、活性炭電極70、72の電極の間に印加する電圧が、5〜20KVとするのが望ましい。
このような範囲に印加電圧を設定することによって、原油中に含まれる微小な不純物が、効率よく電気泳動の作用によって一方の電極である活性炭電極70または72側に集積され、原油中の不純物をさらに吸着ろ過して酸価値の低下した純粋な精製オイルを得ることができる。
【0032】
また、精製時に、あるいは精製されたオイルを別途回収する場合に、濾過タンク52内の圧力が減少するが、その減少圧力は、予め窒素ガスが充填された風船17から、接続パイプ19を通って通気口15に供給される。
このように、本実施例では、予め窒素ガスが充填された風船17から窒素ガスが濾過タンク52内の圧力変動に応じて窒素ガスが供給されることにより、濾過タンク52内の圧力を大気圧と同圧に保つことができる。また、最も重要な点として外部の空気が、濾過タンク52内に入り込むことがないので、例えば、精製時の椿油の酸化を極力抑えることができる。
【0033】
しかも、このように精製されたオイルは、加圧、加熱処理がなされていないので、トランス型脂肪酸に変性していない、オレイン酸トオリグリセライドであるので、食用オイル、美容用オイルなどに使用する場合にも、体内の活性酸素と結合することがないので、美容、健康上にも極めて良好である。
なお、この場合にも、図1の第1の実施例と同様に、貯留タンク25に貯留すれば、精製されたオイルを別容器に貯留するときにも大気に触れることを防止することができる。したがって、このような状態で保管、運搬することにより、最終利用者の所にまで、空気に触れずに運搬供給することが可能になる。
【0034】
また、図1の第1の実施例と同様に、上記実施例では、略円筒形状の濾過タンク52としたが、この形状は任意に設定でき、例えば、立方体または直方体の箱形状にするなど、適宜変更することができる。
なお、上記実施例では、例えば、椿油、コーンオイル、ごまオイルなどの食用ないし美容用のオイルの原油に適用したが、その他の鉱石オイルなどの工業用オイル、その他の原油に対しても適用できるなど、本発明を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0035】
また、風船17と濾過タンク12,52とを連結する手段は、パイプ19に限定されず、可撓性のチューブなどであっても良い。さらに、風船17は一個に限定されず、複数個、設けても良い。また、風船17の支持は、適宜な方法によって行うことが好ましい。
さらに、オイルを精製する装置は、上記実施例に何ら限定されない。要は、オイルの精製から充填に至るまで、負圧となりうる空間内に、窒素を充填し、空気の入り込む隙間をなくせばよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、原油の精製時に濾過タンク内に外部の空気が入り込むことがないので、ここで精製される原油の酸化が防止される。また、精製されたオイルを別途充填タンクに移し換える場合にも、大気との接触が防止されるので、極力オイルの酸化を防止することができる。これにより、最終消費者にまで、酸価値の低下した純粋な精製オイルを提供することが可能になる。
【0037】
特に、このようにして椿油を精製し充填すれば、加水加圧、および加熱処理がなされていないので、トランス型脂肪酸に変性していない、オレイン酸トオリグリセライドを自然界に存在する天然のものとほぼ同様な状態で、最終消費者にまで提供することが可能になる。これにより、消化吸収の良い食用オイルとして、また、吸収安定性が良好で、しかも高い保水効果を備えた美容用オイルとして、最終消費者に生の椿油を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のオイルの精製装置の第1の実施例を示す概略縦断面である。
【図2】図2は、図1の精製装置の横断面図である。
【図3】図3は、本発明のオイルの精製装置の第2の実施例を示す概略図である。
【図4】図4は、図3の精製装置のフィルター部の縦断面図である。
【符号の説明】
10 精製装置
12 濾過タンク
17 風船
19 パイプ(連結手段)
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、椿油などの原油を精製し、貯蔵缶に一時的に充填するにあたり、精製されたオイルと空気とが接触して、オイルが酸化することを極力抑えることのできるオイルの精製および充填システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、コーンオイルやごまオイル、特には、オレイン酸トリグリセライドを主脂肪酸組成とする椿油の原油は、美容、健康などのために精製の段階から酸価値を下げる必要がある。このため、原油からの精製時に、酸価値増加の原因となっている微小な不純物を除去することが行われている。
【0003】
例えば、このような微小な不純物を除去する方法として、処理タンク内の原油の中に水を投入して、加圧、加熱処理を施すことによって水を分解し、過酸化水素を発生させ、この過酸化水素の作用によって、原油中の微小不純物を燃焼させて殺菌することが行われている。
しかしながら、このように原油に対して加水し、さらに加圧、加熱処理を行った場合には、長期保存油としては適しているものの、原油が化学的組成を変性して、トランス型脂肪酸に変化しやすい。しかも、オイルのもつ天然成分(Be)などの旨みも除去されてしまうという問題がある。
【0004】
そこで、今日では、加水、加圧、加熱処理を行わずに、原油を活性炭電極の間を通過させることによって、原油中の不純物を吸着ろ過することも行われているこれにより、例えば、椿油を精製する場合には、不乾性が高く、長期常温保存しても酸化変質し難い、より純粋に精製された椿油を得ることが可能になる。
ここで、特に、椿油は、人間の皮脂の成分と同じ仲間のオレイン酸トリグリセライトを多く含んでおり、天然植物油の中で、人間の脂質に最も近いオイルである。したがって、この椿油は、皮膚に付けてもさらっとしてべとつかず、吸収も良く、胃にもたれず消化に優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように活性炭電極の間を通過させる精製方法では、通常、処理タンクの中に、活性炭を半分程度充填し、そこに原油が装填されている。ここで、通常、このような処理タンクは、内部空間の一部が外気に開放されることにより、濾過タンク内が大気に対して負圧になることが防止されている。
【0006】
しかしながら、このように処理タンク内が外気と連通されている場合には、タンク内の空気と外気とが常時交換されるため、例えば、精製されたばかりのバージンオイル内に空気を巻き込んでしまうという問題があった。
このように、オイルに空気を巻き込んでしまうと、例え、加水、加圧、加熱処理を行わないとしても、オイルの酸化が促進され、品質が劣化してしまうことになる。
【0007】
特に、オイルが椿油である場合は、加水加圧処理を行わずに、活性炭とフィルターとでろ過する場合であっても、製油精製時あるいは、その後に空気と接触させてしまうと、椿油の有する人間の皮下脂質と同じ成分である天然オレイン酸トリグリセライドを酸化させてしまう可能性があり、その結果、皮膚への安定吸収性、保水効果などが損われてしまうことになる。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑み、原油の精製時あるいは精製が完了して他の貯蔵容器に移し換えるまでに、極力大気中の空気と接触させずに、可及的に成分変化のない純粋な精製オイルとして、最終利用者にまで提供することが可能となるオイルの精製および充填システムを提供することを目的とする。
また、特に、本発明は、オレイン酸トリグリセライドの状態で、最終ユーザーにまで食用、あるいは美容用として、健康上効果のある椿油を提供することのできるオイルの精製および充填システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、略密閉状態に形成された濾過タンク内でオイルを精製し、当該濾過タンク内で精製されたオイルを貯蔵缶に一時的に充填にするまでのオイルの精製および充填システムであって、
前記濾過タンクの外方に窒素ガスを充填した風船を配置するとともに、この風船と前記濾過タンクとの間を連通手段で連結し、
前記濾過タンク内の圧力が大気圧力以下になった場合に、前記風船内の窒素ガスを前記濾過タンク内に取り込んで、前記濾過タンク内を大気圧と略同圧にするとともに、
前記濾過タンク内で精製されたオイルを前記貯蔵缶に取り出す場合に、予め窒素ガスが充填された貯蔵缶内に、前記濾過タンクから前記精製されたオイルを自然落下により充填し、その後、貯蔵缶内にさらに窒素ガスを補填して前記精製オイルを封止することを特徴としている。
【0010】
このような構成であれば、精製から充填に至るまでの間に、精製オイルは、いわば窒素ガスで表面に蓋をした状態で処理されることになるので、精製されたオイルの酸化を極力防止することができる。
ここで、前記オイルは、椿油であることを特徴としている。
このような構成であれば、濾過タンクによる精製、および濾過タンクから貯蔵缶に充填するまでの間に、空気と接触することがないので、純粋な椿油を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態(実施例)について説明する。
図1は、本発明のオイルの精製方法を実施するのに好適な精製装置の第1の実施例を示した概略縦断面である。
図1に示したように、本発明のオイルの精製装置(以下、「精製装置」と言う。)10は、例えば、椿油、コーンオイル、ごまオイルなどの食用ないし美容用のオイルの原油を精製するために用いられるものである。
【0012】
精製装置10は、略円筒形状の濾過タンク12を備えており、この濾過タンク12には、原油を貯留するオイルタンク14に接続された原油供給ライン16が、ポンプ18、流量制御バルブ20、流量計22を介して、濾過タンク12の底部24の中央部に接続されている。
濾過タンク12の内部には、中心部分に、例えば、カーボン、白金などからなる中心電極26が配設されているとともに、この中心電極26の外周に、一定間隔離間して、略円筒リング形状の多孔質セラミックからなる隔壁28が配置されている。そして、この隔壁28の外周に、活性炭からなる活性炭電極30が配設されている。これらの中心電極26と活性炭電極30とは、電源32に接続されている。なお、この隔壁28は、多孔質セラミックあるいは多数の孔を形成した金属板から形成されることが好ましく、原油中の微小な不純物が通過できるようになっている。
【0013】
濾過タンク12内がこのように構成されることによって、中心電極26と隔壁28との間に、オイル処理室34が画成されている。
一方、隔壁28の上方部分には、オイル処理室34から、活性炭電極30に至る原油通路36が形成されている。なお、この原油通路36は、隔壁28の円周に沿って、適宜一定間隔離間して複数個形成されている。
【0014】
隔壁28の底部には、濾過タンク12の底部24との間に、密封性を確保するために、例えば、シリコーンゴムなどからなるパッキン38が装着されている。
さらに、濾過タンク12の活性炭電極30が配置された底部24には、活性炭電極30を通過することによって、微小不純物が除去された精製された精製オイルを回収するための精製オイル回収ライン40が接続されている。なお、この精製オイル回収ライン40には、回収する精製オイルの流量を制御する流量制御バルブ42が配設されている。
【0015】
また、濾過タンク12の上部開口を覆う蓋体13には、通気口15が形成され、この通気口15に、窒素が充填された風船17に連通されたパイプ19の一端が接続されている。また、パイプ19の他端には、多数の口部を備えた接続具21が設置され、その接続具21を介して風船19が接続されている。
このように構成される精製装置10では、以下のように作動される。
【0016】
先ず、例えば、椿油、コーンオイル、ごまオイルなどの食用ないし美容用のオイルの原油を、濾過タンク14に接続された原油供給ライン16から、ポンプ18、流量制御バルブ20を介して、濾過タンク12の底部24の中央部から、中心電極26と隔壁28との間に形成されたオイル処理室34に導入する。
そして、電源32から、中心電極26と活性炭電極30の間に、電圧を印加する。これによって、図1の矢印Aで示したように、原油中に含まれる微小な不純物が、電気泳動の作用によって、一方の電極側、すなわち、活性炭電極30側に集積される。
【0017】
そして、図1の矢印Bで示したように、他方の電極側、すなわち、中心電極26近傍に集積した不純物の除去されたオイルを、隔壁28の上方部分に形成された原油通路36を介して、活性炭電極30を通過させる。これによって、原油中の不純物をさらに吸着ろ過して酸価値の低下した純粋な精製オイルを得ることができる。
【0018】
このように精製された純粋な精製オイルは、精製オイル回収ライン40を介して別途図示しない回収タンクなどに貯留されるようになっている。
この場合、中心電極26と活性炭電極30の電極の間に印加する電圧が、5〜20KVとするのが望ましい。
このような範囲に印加電圧を設定することによって、原油中に含まれる微小な不純物を、効率よく電気泳動の作用によって一方の電極である活性炭電極30側に集積し、他方の電極である中心電極26側近傍に集積した不純物の除去されたオイルを、活性炭電極30を通過させることによって、原油中の不純物をさらに吸着ろ過して酸価値の低下した純粋な精製オイルを得ることができる。
【0019】
しかも、このように精製されたオイルは、加圧、加熱されていないので、トランス型脂肪酸に変性していない、オレイン酸トオリグリセライドであるので、食用オイル、美容用オイルなどに使用する場合にも、体内の活性酸素と結合することがないので、美容、健康上にも極めて良好である。
なお、この場合、制御装置44によって、電源32を制御して、中心電極26と活性炭電極30の電極の間に印加する電圧を制御することができる。
【0020】
さらに、このように精製装置10で処理された精製オイルを、再び、同じ精製装置10または別の精製装置10に導入することによって、適宜精製処理を繰り返すことによって、より精製された精製オイルを得ることができる。
本実施例において、原油の精製の工程が次第に進んでいくと、精製されたオイルは下方に蓄積されてくる。また、これに伴って濾過タンク12内の圧力が低下していく。さらに、精製されたオイルを精製オイル回収ライン40から取り出していく場合も、濾過タンク12内の圧力が低下する。しかしながら、このような場合には、予め窒素ガスが充填された風船17が濾過タンク12内に接続されていることから、パイプ19の途中に介在された空気開放弁23を開放することにより、風船17から不足圧力に相当する窒素ガスが濾過タンク12に供給されることになる。よって、本実施例では、精製されたオイルの表面が、いわば窒素ガスで蓋をした状態で管理されることになるので、空気との接触によるオイルの酸化が防止される。
【0021】
このようにして、本実施例では、精製の段階でオイルが外気に触れることなく、精製されていくので、酸化を極力抑えることができ、純粋なバージンオイルを得ることができる。よって、健康、美容に良好な高品質の椿油を量産することができる。
さらに、本実施例では、精製オイル回収ライン40の下流で、濾過タンク内で精製されたオイルを、別途容易された、持ち運び用の貯蔵タンクに移す場合にも、空気に触れることなく充填することができる。
【0022】
すなわち、図2は、濾過タンク12で精製されたオイルを一時的に貯留するための貯蔵タンク25を示したものである。この貯蔵タンク25には、逆止弁構造の注入パイプ27が設置されるともに、同じく逆止弁構造の空気弁31が設けられている。そして、この貯蔵タンク25は、可撓性のビニールホース41などを介して精製オイル回収ライン40に着脱自在に接続されている。
【0023】
このような貯蔵タンク25内に濾過タンク12から精製されたオイルを移し変える場合には、上記したパイプ19の空気開放弁23を開放するとともに流量制御バルブ42を開放し、自然落下により濾過タンク12から貯蔵タンク25内に精製オイルを充填すればよい。この場合に、オイルが貯蔵タンク25内に充填されることに伴って、貯蔵タンク25内の窒素ガスが空気弁31から外部に排出される。よって、充填作業中にオイルが空気に晒されることがない。また、貯蔵タンク25内へのオイルの充填が完了した後、ビニールパイプ41の先端から、あるいは注入パイプ27の開口から窒素ガスを封入しておくことが好ましい。これにより、貯蔵タンク25内のオイルの酸化が可及的に防止される。
【0024】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されない。
例えば、上記実施例では、中心軸部分に中心電極26を、隔壁28の外周に活性炭電極30を配設したが、これを逆に配置することもできる。すなわち、中心軸部分に活性炭電極30を、隔壁28の外周に中心電極26を配設して、中心部分の下方から精製オイルを回収することも可能である。
【0025】
また、上記実施例では、略円筒形状の濾過タンク12としたが、この形状は任意に設定でき、例えば、立方体または直方体の箱形状にするなど適宜変更することができる。
図3は、本発明のオイルの精製装置の第2の実施例を示す概略図、図4は、図3の精製装置のフィルター部の縦断面図である。
【0026】
図3に示したように、この実施例の精製装置50は、略円筒形状の濾過タンク52と、その下方に接続されたフィルター部54と、これらの濾過タンク52とフィルター部54を支持するフレーム55とを備えている。
濾過タンク52の上部には、原油を供給する原油供給口が形成され、この原油供給口には、原油が投入された後に、蓋体58が設置される。そして、この蓋体58には、通気口15が形成され、この通気口15に、予め窒素が充填された風船17に連通されたパイプ19の一端が接続されている点は、上記実施例と同様である。
【0027】
さらに、フィルター部54の下方には、精製された精製オイルを回収する精製オイル回収ライン56が設けられている。なお、この精製オイル回収ライン56には、回収する精製オイルの流量を制御する流量制御バルブ59が配設されている。
また、フィルター部54は、特殊フィルター部60が配設されているとともに、その下方に、この特殊フィルター部60を通過することによって精製された精製オイルを一時貯留する濾過タンク部62が形成されている。
【0028】
この特殊フィルター部60は、図4に示したように、和紙、ろ過紙などを積層した積層特殊フィルター64、66、68が積層されるとともに、これらの積層特殊フィルター64、66、68の間に、繊維状の活性炭からなる活性炭電極70、72が配設されている。さらに、最下部の積層特殊フィルター68の下方には、ステンレス製のメッシュフィルター74が配置されている。なお、これらの活性炭電極70、72はそれぞれ、電源76に接続されている。
【0029】
このように構成される精製装置50では、以下のように作動される。
先ず、例えば、椿油、コーンオイル、ごまオイルなどの食用ないし美容用のオイルの原油を、濾過タンク52の上部に設置された蓋体58を開いた後、原油供給口を介して、濾過タンク52内に供給する。
これにより、濾過タンク52内に供給された原油は、重力の作用によって、図4の矢印Cに示したように、積層特殊フィルター64、66、68、活性炭電極70、72、ならびに、ステンレス製のメッシュフィルター74によって、微小不純物が吸着ろ過されて、酸価値が低下した精製オイルとなって、濾過タンク部62内に落下する。
【0030】
この際、電源76から、活性炭電極70、72の間に、電圧を印加することによって、図4の矢印Dで示したように、原油中に含まれる微小な不純物が、電気泳動の作用によって、活性炭電極70または72の一方の側に集積されるので、電着、吸着、電気泳動の作用によって、微小不純物が除去されて、酸価値の低下した純粋な精製オイルを得ることができる。
【0031】
このように精製された純粋な精製オイルは、精製オイル回収ライン56を介して別途図示しない回収タンクなどに貯留されるようになっている。
この場合、活性炭電極70、72の電極の間に印加する電圧が、5〜20KVとするのが望ましい。
このような範囲に印加電圧を設定することによって、原油中に含まれる微小な不純物が、効率よく電気泳動の作用によって一方の電極である活性炭電極70または72側に集積され、原油中の不純物をさらに吸着ろ過して酸価値の低下した純粋な精製オイルを得ることができる。
【0032】
また、精製時に、あるいは精製されたオイルを別途回収する場合に、濾過タンク52内の圧力が減少するが、その減少圧力は、予め窒素ガスが充填された風船17から、接続パイプ19を通って通気口15に供給される。
このように、本実施例では、予め窒素ガスが充填された風船17から窒素ガスが濾過タンク52内の圧力変動に応じて窒素ガスが供給されることにより、濾過タンク52内の圧力を大気圧と同圧に保つことができる。また、最も重要な点として外部の空気が、濾過タンク52内に入り込むことがないので、例えば、精製時の椿油の酸化を極力抑えることができる。
【0033】
しかも、このように精製されたオイルは、加圧、加熱処理がなされていないので、トランス型脂肪酸に変性していない、オレイン酸トオリグリセライドであるので、食用オイル、美容用オイルなどに使用する場合にも、体内の活性酸素と結合することがないので、美容、健康上にも極めて良好である。
なお、この場合にも、図1の第1の実施例と同様に、貯留タンク25に貯留すれば、精製されたオイルを別容器に貯留するときにも大気に触れることを防止することができる。したがって、このような状態で保管、運搬することにより、最終利用者の所にまで、空気に触れずに運搬供給することが可能になる。
【0034】
また、図1の第1の実施例と同様に、上記実施例では、略円筒形状の濾過タンク52としたが、この形状は任意に設定でき、例えば、立方体または直方体の箱形状にするなど、適宜変更することができる。
なお、上記実施例では、例えば、椿油、コーンオイル、ごまオイルなどの食用ないし美容用のオイルの原油に適用したが、その他の鉱石オイルなどの工業用オイル、その他の原油に対しても適用できるなど、本発明を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0035】
また、風船17と濾過タンク12,52とを連結する手段は、パイプ19に限定されず、可撓性のチューブなどであっても良い。さらに、風船17は一個に限定されず、複数個、設けても良い。また、風船17の支持は、適宜な方法によって行うことが好ましい。
さらに、オイルを精製する装置は、上記実施例に何ら限定されない。要は、オイルの精製から充填に至るまで、負圧となりうる空間内に、窒素を充填し、空気の入り込む隙間をなくせばよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、原油の精製時に濾過タンク内に外部の空気が入り込むことがないので、ここで精製される原油の酸化が防止される。また、精製されたオイルを別途充填タンクに移し換える場合にも、大気との接触が防止されるので、極力オイルの酸化を防止することができる。これにより、最終消費者にまで、酸価値の低下した純粋な精製オイルを提供することが可能になる。
【0037】
特に、このようにして椿油を精製し充填すれば、加水加圧、および加熱処理がなされていないので、トランス型脂肪酸に変性していない、オレイン酸トオリグリセライドを自然界に存在する天然のものとほぼ同様な状態で、最終消費者にまで提供することが可能になる。これにより、消化吸収の良い食用オイルとして、また、吸収安定性が良好で、しかも高い保水効果を備えた美容用オイルとして、最終消費者に生の椿油を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のオイルの精製装置の第1の実施例を示す概略縦断面である。
【図2】図2は、図1の精製装置の横断面図である。
【図3】図3は、本発明のオイルの精製装置の第2の実施例を示す概略図である。
【図4】図4は、図3の精製装置のフィルター部の縦断面図である。
【符号の説明】
10 精製装置
12 濾過タンク
17 風船
19 パイプ(連結手段)
Claims (2)
- 略密閉状態に形成された濾過タンク内でオイルを精製し、当該濾過タンク内で精製されたオイルを貯蔵缶に一時的に充填にするまでのオイルの精製および充填システムであって、
前記濾過タンクの外方に窒素ガスを充填した風船を配置するとともに、この風船と前記濾過タンクとの間を連通手段で連結し、
前記濾過タンク内の圧力が大気圧力以下になった場合に、前記風船内の窒素ガスを前記濾過タンク内に取り込んで、前記濾過タンク内を大気圧と略同圧にするとともに、
前記濾過タンク内で精製されたオイルを前記貯蔵缶に取り出す場合に、予め窒素ガスが充填された貯蔵缶内に、前記濾過タンクから前記精製されたオイルを自然落下により充填し、その後、貯蔵缶内にさらに窒素ガスを補填して前記精製オイルを封止することを特徴とするオイルの精製および充填システム。 - 前記オイルは、椿油であることを特徴とする請求項1に記載のオイルの精製および充填システム。
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