JP2004141340A - ミシン設備および布団類の積載装置 - Google Patents
ミシン設備および布団類の積載装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004141340A JP2004141340A JP2002308683A JP2002308683A JP2004141340A JP 2004141340 A JP2004141340 A JP 2004141340A JP 2002308683 A JP2002308683 A JP 2002308683A JP 2002308683 A JP2002308683 A JP 2002308683A JP 2004141340 A JP2004141340 A JP 2004141340A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- futons
- sewing machine
- sewing
- loading device
- receiving
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Sewing Machines And Sewing (AREA)
- De-Stacking Of Articles (AREA)
Abstract
【課題】省人化、省力化が可能なミシン設備を提供する。
【解決手段】ミシン装置Aと、該ミシン装置Aに供給される布団類Wを積載する積載装置Bとを具備するミシン設備Sであって、前記ミシン装置Aは、布団類Wを縫製位置Qにほぼ水平に引き込む引込機構1と、この引込機構1により縫製位置Qに引き込まれた布団類Wを受ける受枠機構2と、この受枠機構2によって受けられた布団類Wを縫製するミシンMと、縫製位置Qの下方に配置され、縫製後の布団類Wを排出する排出機構3とを具備し、前記積載装置Bは、複数の布団類Wが積載可能であって、昇降機構6によって昇降される昇降台50と、この昇降台50の下方に配置され、ミシン装置Aにより縫製された布団類Wを該ミシン装置Aから受け入れる固定台51とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】ミシン装置Aと、該ミシン装置Aに供給される布団類Wを積載する積載装置Bとを具備するミシン設備Sであって、前記ミシン装置Aは、布団類Wを縫製位置Qにほぼ水平に引き込む引込機構1と、この引込機構1により縫製位置Qに引き込まれた布団類Wを受ける受枠機構2と、この受枠機構2によって受けられた布団類Wを縫製するミシンMと、縫製位置Qの下方に配置され、縫製後の布団類Wを排出する排出機構3とを具備し、前記積載装置Bは、複数の布団類Wが積載可能であって、昇降機構6によって昇降される昇降台50と、この昇降台50の下方に配置され、ミシン装置Aにより縫製された布団類Wを該ミシン装置Aから受け入れる固定台51とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、布団やこれに類する被縫製物(以下、布団類という)を縫製するためのミシン設備およびミシン装置に布団類を供給する布団類の積載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
布団綴じミシン等のミシン装置を用いて布団類を縫製する場合、従来、布団類は、ミシン装置のそばに設置された作業台上で、1枚ずつ、布団類の四辺を囲んで配置された多数のクリップを用いて支持枠に張設したのち、支持枠ごとミシン装置の所定位置に装着することにより、ミシン装置に供給されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平06−059347号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
布団類を支持枠に張設する際、多数のクリップを手動で素早く操作するためには、支持枠の周囲に少なくとも2人の作業員を配置するのが好ましいが、人手と費用が掛かるという問題がある。
従って、本発明は、省人化、省力化が可能なミシン設備を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、布団類を縫製するミシン装置と、該ミシン装置に供給される布団類を積載するための積載装置とを具備するミシン設備であって、
前記ミシン装置は、布団類を縫製位置にほぼ水平に引き込む引込機構と、この引込機構により縫製位置に引き込まれた布団類を受ける受枠機構と、この受枠機構によって受けられた布団類Wに沿ってほぼ水平に移動して縫製を行うことが可能なミシンと、縫製位置の下方に配置され、縫製後の布団類を排出する排出機構とを具備し、
前記積載装置は、複数の布団類が積載可能であって、昇降機構によって昇降される昇降台と、この昇降台の下方に配置され、前記ミシン装置により縫製された布団類を該ミシン装置から受け入れる固定台とを備えるミシン設備を提供する。このようなミシン設備によれば、多数の布団類を積載装置に積載し、1枚ずつ引込機構によりミシン装置の縫製位置に引き込み、受枠機構により受け取って、ミシンにより縫製することができる。縫製後は、排出機構によりミシン装置から排出し、積載装置の固定台により受け取ることができるので、直ちに、次の布団類のミシン装置への引き込みを行うことができる。
【0006】
さらに本発明は、ミシン装置の機枠側部の受取位置から布団類を引き込んで縫製し、縫製の完了した布団類を前記受取位置の下側の戻し口から排出するミシン装置に付設され、前記ミシン装置への布団類の供給ならびに前記戻し口から排出された布団類の受け入れに用いられる布団類の積載装置であって、
昇降機構によって昇降され、複数の布団類が積載可能な昇降台と、この昇降台の下方に配置され、前記ミシン装置により縫製された布団類を該ミシン装置から受け入れる固定台とを有する布団類の積載装置を提供する。これにより、複数の布団類を積載装置の昇降台に積載し、ミシン装置に順次送出することができるとともに、縫製後の布団類を固定台により受け入れることができるので、ミシン装置の監視の作業性が向上する。
前記昇降台は、布団類が1枚送出される度に、送出された布団類の厚みだけ昇降するように制御されていることが好ましい。これにより、ミシン装置に布団類を供給する手間が一層省かれる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、本実施の形態のミシン設備を示す正面図であり、図2は、平面図である。また、図3は、第1の実施の形態の積載装置の側面図である。
このミシン設備Sは、布団類W(布団やこれに類する被縫製物)を縫製するミシン装置Aと、該ミシン装置Aに供給される布団類Wを積載するための積載装置Bとを具備する。また、符号Fは床面を示す。
【0008】
このミシン装置Aは、
布団類Wを縫製位置Qにほぼ水平に引き込む引込機構1と、
縫製位置Qに引き込まれた布団類Wを受ける受枠機構2と、
受枠機構2によって受けられた布団類Wに沿ってほぼ水平に移動して縫製を行うことが可能なミシンMと、
縫製位置Qの下方に配置され、縫製後の布団類Wを排出する排出機構3と
とを備える。
【0009】
引込機構1は、図5に示すように、ミシン装置Aの機枠4上に、Y方向(図1、2、5で左右方向)に延在して設けられ、移動レール10に沿って移動する引込台車11と、布団類Wを掴む複数のチャック12(図2では2個)と、ミシン装置Aの積載装置B側の縁部に設けられ、チャック12に掴まれた布団類Wが円滑にミシン装置A内に進入できるように布団類Wの垂れ下がりを防ぐ引摺台13とを備える。
そして、引込台車11が積載装置B側に最も寄せられたときの位置(図5において実線で示す最も左寄りの位置)が、ミシン装置Aにより布団類Wが受け取られる受取位置14となる。
【0010】
引込台車11には、モータ等の駆動手段により回転可能な引込ベルト(図示略)の両端が結着されており、引込ベルトの回転により、引込台車11をY方向に進退させることができるようになっている。
チャック12は引込台車11に取り付けられており、油圧シリンダーやエアシリンダー或いは電磁石等の作動手段(図示略)で作動させられて布団類Wを上下に掴むようになっている。
引摺台13は、上面の高さが略チャック12により引きずられる布団類Wの下面の高さ程度となっており、Y方向は受枠機構2に差し掛かる手前まで迫り出している。また、引摺台13の積載装置B側の端縁13aは、積載装置Bに向かって傾斜した滑らかな斜面になっており、布団類の引っ掛かりを抑制している。
【0011】
受枠機構2は、図4に示すように、固定枠(図示略)に対してほぼ水平方向に変位可能な張設枠20と、張設枠20の下面に設けられた軸受21に軸支された枢軸22を介して周方向に回動自在に取り付けられた挟み板23と、張設枠20の上面に設けられた軸受24に軸支された枢軸25を介して周方向に回動自在に取り付けられた挟み爪26と、縫製位置Qの四辺のうち、引摺台13側の辺を除く挟み爪26の間に配置された案内板27とを備える。
【0012】
張設枠20は、縫製位置Qの周囲に設けられ、布団類Wの形状に合わせて長形状に組まれており、前記固定枠に対し、油圧或いはエアシリンダー等の移動手段(図示略)によって隔離移動することができる構成とされている。
挟み板23は、張設枠20の内側に向けて突出し、枠状に組まれており、枢軸22の回動により、ほぼ水平に向けられたときには、引込機構1により引き込まれる布団類Wの縁部を受けるようになっている。また、挟み板23を下方に傾斜させることにより、布団類Wを受枠機構2の下方に落下させることができるようになっている。
さらに、後述する排出機構3のベルトコンベア30は、縫製位置Qの高さまで上昇させることにより、挟み板23に囲まれた領域を塞ぎ、受枠機構2が引込機構1から布団類Wを受け取り、挟み板23と挟み爪26とで挟み込むまで、布団類Wを下支えする機能も兼備している。
【0013】
布団類Wが挟み板23上に載置されたときには、挟み爪26を回動させて倒すことにより、挟み板23と挟み爪26とで布団類Wを掴むことができる。さらに、張設枠20を隔離移動させることにより、掴んだ布団類Wをほぼ水平に緊張状態に張設できる。
案内板27は、引摺台13の縫製位置Qに臨む端縁13bとともに、挟み板23の周囲を囲んで上に向けて突出しており、引込台車11のチャック12が受枠機構2上を通り過ぎ、掴みを開放したときに、布団類Wが縫製位置Qに落下するのを助け、横にそれたりするのを防ぐ。
【0014】
排出機構3は、ベルトコンベア30と、このベルトコンベア30にテンションローラなどの伝動手段31を介して連絡され、ベルトコンベア30を回転駆動させるモータなどの駆動手段32と、ベルトコンベア30を上下自在に支えるXリンク33と、このXリンク33を上下動させるシリンダー34とを備える。
また、ベルトコンベア30の積載装置B側の一端は、機枠4の下部から布団類Wを排出して積載装置Bに戻すための戻り口37となっている。
【0015】
ベルトコンベア30は、縫製位置Qから落とされる布団類Wを受けてミシン装置A外(つまり積載装置Bの固定台51)に排出するためのものであり、上下する機構は特に必要ないが、本実施の形態においては、シリンダー34によって上下可能とされている。
Xリンク33の一方のアーム33aは、下端がミシン装置Aの機枠下面35に回動自在に枢支され、上端はベルトコンベア30に沿って設けられた横長穴36にスライド自在に軸支されている。また、他方のアーム33bは、上端がベルトコンベア30に回動自在に枢支され、下端が機枠下面35の表面に沿って走行するようになっている。
【0016】
シリンダー34の先端は、前記他方のアーム33bの下端部に取り付けられており、図5に示すように、シリンダー34の縮小によりベルトコンベア30が上昇し、図6に示すように、シリンダー34の伸張によりベルトコンベア30が下降し、しかも、この昇降に際し、ベルトコンベア30は水平をほぼ保つように構成されている。
これにより、ベルトコンベア30を縫製位置Qまで上昇させたときには、受枠機構2が引込機構1から布団類Wを受けるときに受枠機構2を補助でき、下降させたときには、ほぼ水平であるので、縫製位置Qから落下した布団類Wを乱すことなく真っ直ぐ受け取ることができる。そして、ベルトコンベア30を駆動させて、布団類Wを戻り口37から排出することができる。
【0017】
ミシンMは、ミシン装置AのY方向に延設された一対のY軸レール40上に、Y方向に移動自在に載せられ、X方向(図2の上下方向)に延在して設けられた可動フレーム41と、可動フレーム41の上面に架設され、X方向に延設された上部X軸レール42と、この上部X軸レール42からX方向に移動自在に吊り下げられたミシンヘッド部43と、可動フレーム41の底面に敷設され、X方向に延設された下部X軸レール44と、下部X軸レール44上に、X方向に移動自在に載せられ、下糸を保持する釜部を有するミシンベース部45とを備える。
ミシンヘッド部43とミシンベース部45とは、常に上下位置を揃えて動くようになっており、可動フレーム41内を、それぞれ上部および下部X軸レール42、44に沿って同期して移動することにより、X方向およびY方向に自在に移動可能になっている。
【0018】
図1〜3に示すように、本実施の形態の積載装置Bは、複数の布団類Wが積載可能であって、昇降機構6によって昇降される昇降台50と、この昇降台50の下方に配置され、前記ミシン装置Aにより縫製された布団類Wを該ミシン装置Aから受け入れる固定台51とを備える。
【0019】
昇降機構6は、支柱60と、支柱60に沿って形成された縦溝60aに取り付けられ、昇降台50を支持する昇降アーム61と、支柱60の上下に取り付けられたプーリー62と、このプーリー62に巻き掛けられ、両端が昇降アーム61の根元部に固定されたチェーン63と、下側のプーリー62のうちの1個(62a)に、ベルトなどの伝動手段64を介して連絡されたモータ等の駆動手段65と、この駆動手段65の駆動を制御するための制御手段66とを有している。
制御手段66により制御しながら駆動手段65を駆動させ、チェーン63を回転させることにより、昇降アーム61および昇降台50を昇降させることができる。
【0020】
昇降台50上に積載された布団類Wは、ミシン装置Aの引込機構1によって、最上段にあるものから順に、受取位置14を経て縫製位置Qに引き込まれるものであるから、駆動手段65の制御は、例えば、1枚布団類Wが引き出されるごとに(例えば、布団類Wを一枚縫製するのに必要な所定の時間が経過するごとに)、布団類Wの厚さに相当する高さだけ昇降台50を上昇させるようにして行われる。この上昇ピッチと時間間隔との設定は、制御手段66へのティーチングにより行うことができる。
このティーティングは、管理室等に設置されたパソコンなどのコンピュータを介して行うこともでき、また、制御手段66に設けられた操作パネル等の操作手段により、設定することも可能である。
これにより、この最上段にある布団類Wの高さが、引込機構1のチャック12が布団類Wを掴むのに丁度良い高さにあるように制御され、引込機構1の引込動作を確実にするのに役立つ。
【0021】
次に上記構成のミシン設備Sおよび積載装置Bの作用を説明する。
まず、一人の作業者が、積載装置Bの昇降台50に布団類Wを積載して、ミシン装置Aに面する所定の位置に配置する。
この状態で、積載装置Bの昇降機構6の制御手段66および駆動手段65を作動させることにより、その最上位の布団類Wが、引込機構1のチャック12の掴み位置の高さになるように、昇降させられる。
また、これに連動して、受枠機構2においては、挟み板23はほぼ水平に伸ばされ、挟み爪26は開状態に起立させられる。また、張設枠20は、対向するもの同士、離隔される。排出機構3においては、ベルトコンベア30が上昇させられ、回転が止められた状態で、布団類Wが縫製位置Qに到達した場合に下支えできるように、縫製位置Qのやや下方に配置させられる。
【0022】
この一連の動作が済むと、引込台車11が積載装置Bに向けて移動させられ、図3に示すようにチャック12で最上位の1枚の布団類Wを掴む。次いで、引込台車11を積載装置Bから離れる方向に移動させて布団類Wを受枠機構2に引き込む。この際、布団類Wは、チャック12と、引摺台13とに支持されて、縫製位置Qの上方まで引き込まれ、さらに、引摺台13の支持を失うと、チャック12の反対側の辺(すなわち、引摺台13に近い側の辺)は、縫製位置Qに落下する。さらに、チャック12の開放により、布団類W全体が縫製位置Qに落下する。このとき、布団類Wの縁部が挟み板23の上に乗っている。
布団類Wの引込みが終了したら、挟み爪26を倒して布団類Wを挟み板23との間に挟み、張設枠20を離隔移動させることにより、布団類Wが適度に緊張して張設される。
【0023】
引込台車11は、上記受枠機構2の動作に合わせて適当な時期に(つまり、ミシンMによる縫製の開始までに)、ミシン掛けの邪魔にならない位置(例えば、積載装置B側に最も近寄った位置)に移動させられる。布団類を離した後、すぐに戻すことで、次の布団類の受取動作に迅速に移ることができる。また、ベルトコンベア30は、受枠機構2により布団類Wが張設され、適度に緊張した頃合を見計らって、シリンダー34の伸張により下降させられる。
受枠機構2の作動が完了後、ミシンMが作動させられ、上記で受枠機構2に張設された布団類Wが従来同様に、所定のプログラムに基づいて、ミシン掛けが行われる。
【0024】
ミシン掛けの終了後、挟み爪26が起立させられて布団類Wの挟着が解かれる。挟み板23を下方内側に向けて傾斜させることにより、布団類Wはベルトコンベア30上に落下させられ、さらに、ベルトコンベア30の作動で積載装置Bの固定台51上に送出される。このようにして積載装置Bの固定台51上に送り出された布団類は、作業員により、搬出用のコンベヤや台車などに載せられる。
上記でミシン掛けの一サイクルが完了する。以下、上記のサイクルを繰り返えしてすべての布団類をミシン掛けすることができる。
【0025】
ミシン掛けの間に、昇降台50が布団類Wの厚みの分上昇させることができるので、次に縫製される布団類Wは、ミシン掛け完了後、直ちに引込機構1により引き込むことができる。
このように、布団類Wをミシン装置Aに供給する作業の手間が軽減させることから、作業者は、ミシンMの下糸交換などの合間にミシン設備Sの監視を行うことができるので、一人でもミシン設備Sの監視を行うことができるようになる。
【0026】
図7は、本発明の積載装置の第2の実施の形態を示す側面図である。この積載装置Bは、昇降台50および固定台51が昇降機構6から分離され、キャスタ付きの搬送台車52に搭載されている点で前記実施の形態と異なる他は、同様の構成になっている。つまり、積載装置Bは、昇降台50および固定台51が搭載された搬送台車52と、ミシン装置Aに対して位置決めした搬送台車52の昇降台50を昇降する昇降機構6とから構成されている。
搬送台車52の縦枠52aには、昇降台50の上下方向のスライドを可能にする縦溝が設けられている。また、縦溝の下端には、昇降台50の下降を抑止するストッパ52bが設けられている。昇降台50および固定台51は、布団類Wを高々数枚程度載せられればよいのであるから、さほど頑丈に作る必要はなく、比較的軽量にすることができる。
搬送台車52のY方向(図7の紙面方向)の長さは、昇降アーム61のY方向の間隔および固定台51のY方向の長さより長くされており、搬送台車52は、昇降アーム61および固定台51を跨がせて、支柱60側に寄せることにより、図示の位置に設置することができる。
【0027】
搬送前には、図7に二重鎖線で示すように、昇降台50はストッパ52bによって支えられ、この状態で、昇降台50上に布団類Wが積載される。このとき、昇降アーム61の高さは、ストッパ52bに支えられた状態の昇降台50の高さより、下方に設定される。
搬送台車52を図7に示す位置に進入させ、駆動手段65により昇降アーム61を上昇させて、布団類Wごと昇降台50を持ち上げることにより、昇降台50を昇降アーム61に支持させることができる。この後は、前記実施の形態と同様の手順により、順次、布団類Wの縫製を行い、すべての布団類Wを縫製を終了した後、搬送台車52を撤去する。
【0028】
同じ搬送台車52に再び布団類Wを積載することにより、繰り返し布団類Wの縫製を行うことができる。しかも、昇降台50と固定台51とを積載装置Bから分離して搬送台車52に搭載して搬送できるため、布団類Wを供給が極めて容易になり、布団類Wを昇降台50に積み替える手間が不要になる。また、搬送台車52の搬送を行う作業員は、昇降台50を昇降アーム61上に支持させてから、縫製終了までの間、ミシン設備Sの監視を行うことができるので、布団類Wの搬送用員とミシン設備Sの監視用員とを区別する必要がなくなり、全体の作業を一人の作業員に任せることができるので、省人化に大いに有用である。
【0029】
図8に示す第3の実施の形態の積載装置は、図7に示す積載装置の応用であり、固定台51を、搬送台車52に搭載する代わりに、分離して床面Fに据え置きにした例である。その他は、第2の実施の形態の積載装置Bと同様である。
【0030】
図9に示す積載装置は、固定台51がベルトコンベア53となっている点を除き、前記第1の実施の形態の積載装置Bと同様の構成となっている。
このような積載装置Bによれば、ミシン装置Aのベルトコンベア30と、積載装置Bのベルトコンベア53と、他の工程に布団類を搬送する他のベルトコンベア54とを連絡することにより、ミシン装置Aにより縫製された布団類をベルトコンベア53を介して、自動的に他の工程へ搬送することができる。
さらに他の例として、図8の積載装置Bの固定台51を、ベルトコンベア54に布団類を搬送するベルトコンベア53にすることも可能である。
【0031】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明はこの実施の形態のみに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、積載装置Bにおいて、昇降台50を昇降させる機構としては、特に限定はなく、油圧シリンダーやエアシリンダーなど、周知の昇降機構を適宜採用可能である。
また、上記実施の形態においては、積載装置Bの昇降台50を昇降させるための駆動手段65や制御手段66などは、床面Fに据え置きとした場合を示したが、特にこれに限定されるものではない。駆動手段65や制御手段66なども、搬送台車52に積み込んで搬送可能とした構成を採用することもできる。
【0032】
昇降台50の昇降は、自動制御で行うこともできる。例えば、布団類Wの厚さを予めプログラムして、このプログラムに基づくシーケンス制御により、布団類Wを縫製するごとに昇降台50を所定量昇降させる方法が挙げられる。
また、昇降台50上に積載された布団類Wの最上面の高さなどの外形形状もしくはその他の特徴を検出する接触式もしくは被接触式のセンサを取り付け、これを昇降機構6の制御手段66と接続して、昇降台50上に積載された布団類の高さが常に一定になるように制御させることも可能である。
上記センサとしては、例えば光電センサや接触センサが挙げられる。
センサにより検知される対象は、昇降機構6の上昇量を制御することができる限り、積載された布団類Wの最上段のものに限定されず、他の1枚または複数枚とすることもできる。
これにより、布団類の厚さが湿度などにより変動する場合や、異なる種類の布団類を取り混ぜて積載した場合でも、布団類を一枚引き込んだあとの昇降台50の上昇幅を適切に制御することが可能となるので、次の布団類を引込機構1により、確実に引き込むことができ、信頼性が向上する。
【0033】
ミシン装置Aの排出機構3の構成は、上記実施の形態に示した構成に特に限定されるものではなく、種々の構成が可能である。
例えば、布団類Wを積載装置Bに向けて排出させる機構としては、ベルトコンベア30のように駆動手段32を要する機構とする必要は必ずしもなく、例えば、滑り台式の傾斜面などとすることもできる。また、排出機構3にとって、縫製位置Qまで上昇して、受枠機構2を補助する機能は、特に必須というものではなく、省略してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のミシン設備によれば、布団類Wをミシン装置Aに供給する作業の手間が軽減させられ、布団類の縫製作業を1人の作業者により監視することができ、省人化、省力化を実現することができる。
また、本発明の積載装置によれば、未縫製の布団類を積載装置の昇降台に積載し、ミシン装置に順次送出することができるとともに、縫製後の布団類を、固定台により受け入れることができるので、ミシン装置の監視の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のミシン設備および第1の実施の形態の積載装置を示す正面図である。
【図2】本実施の形態のミシン設備および第1の実施の形態の積載装置を示す平面図である。
【図3】第1の実施の形態の積載装置を示す側面図である。
【図4】張設機構の動作を説明する概略構成図である。
【図5】引込機構の動作を説明する概略構成図である。
【図6】排出機構の動作を説明する概略構成図である。
【図7】第2の実施の形態の積載装置を示す側面図である。
【図8】第3の実施の形態の積載装置を示す側面図である。
【図9】第4の実施の形態の積載装置を示す正面図である。
【符号の説明】
A…ミシン装置、B…積載装置、M…ミシン、Q…縫製位置、S…ミシン設備、W…布団類、1…引込機構、2…受枠機構、3…排出機構、6…昇降機構、14…受取位置、37…戻り口、50…昇降台、51…固定台。
【発明の属する技術分野】
本発明は、布団やこれに類する被縫製物(以下、布団類という)を縫製するためのミシン設備およびミシン装置に布団類を供給する布団類の積載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
布団綴じミシン等のミシン装置を用いて布団類を縫製する場合、従来、布団類は、ミシン装置のそばに設置された作業台上で、1枚ずつ、布団類の四辺を囲んで配置された多数のクリップを用いて支持枠に張設したのち、支持枠ごとミシン装置の所定位置に装着することにより、ミシン装置に供給されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平06−059347号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
布団類を支持枠に張設する際、多数のクリップを手動で素早く操作するためには、支持枠の周囲に少なくとも2人の作業員を配置するのが好ましいが、人手と費用が掛かるという問題がある。
従って、本発明は、省人化、省力化が可能なミシン設備を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、布団類を縫製するミシン装置と、該ミシン装置に供給される布団類を積載するための積載装置とを具備するミシン設備であって、
前記ミシン装置は、布団類を縫製位置にほぼ水平に引き込む引込機構と、この引込機構により縫製位置に引き込まれた布団類を受ける受枠機構と、この受枠機構によって受けられた布団類Wに沿ってほぼ水平に移動して縫製を行うことが可能なミシンと、縫製位置の下方に配置され、縫製後の布団類を排出する排出機構とを具備し、
前記積載装置は、複数の布団類が積載可能であって、昇降機構によって昇降される昇降台と、この昇降台の下方に配置され、前記ミシン装置により縫製された布団類を該ミシン装置から受け入れる固定台とを備えるミシン設備を提供する。このようなミシン設備によれば、多数の布団類を積載装置に積載し、1枚ずつ引込機構によりミシン装置の縫製位置に引き込み、受枠機構により受け取って、ミシンにより縫製することができる。縫製後は、排出機構によりミシン装置から排出し、積載装置の固定台により受け取ることができるので、直ちに、次の布団類のミシン装置への引き込みを行うことができる。
【0006】
さらに本発明は、ミシン装置の機枠側部の受取位置から布団類を引き込んで縫製し、縫製の完了した布団類を前記受取位置の下側の戻し口から排出するミシン装置に付設され、前記ミシン装置への布団類の供給ならびに前記戻し口から排出された布団類の受け入れに用いられる布団類の積載装置であって、
昇降機構によって昇降され、複数の布団類が積載可能な昇降台と、この昇降台の下方に配置され、前記ミシン装置により縫製された布団類を該ミシン装置から受け入れる固定台とを有する布団類の積載装置を提供する。これにより、複数の布団類を積載装置の昇降台に積載し、ミシン装置に順次送出することができるとともに、縫製後の布団類を固定台により受け入れることができるので、ミシン装置の監視の作業性が向上する。
前記昇降台は、布団類が1枚送出される度に、送出された布団類の厚みだけ昇降するように制御されていることが好ましい。これにより、ミシン装置に布団類を供給する手間が一層省かれる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、本実施の形態のミシン設備を示す正面図であり、図2は、平面図である。また、図3は、第1の実施の形態の積載装置の側面図である。
このミシン設備Sは、布団類W(布団やこれに類する被縫製物)を縫製するミシン装置Aと、該ミシン装置Aに供給される布団類Wを積載するための積載装置Bとを具備する。また、符号Fは床面を示す。
【0008】
このミシン装置Aは、
布団類Wを縫製位置Qにほぼ水平に引き込む引込機構1と、
縫製位置Qに引き込まれた布団類Wを受ける受枠機構2と、
受枠機構2によって受けられた布団類Wに沿ってほぼ水平に移動して縫製を行うことが可能なミシンMと、
縫製位置Qの下方に配置され、縫製後の布団類Wを排出する排出機構3と
とを備える。
【0009】
引込機構1は、図5に示すように、ミシン装置Aの機枠4上に、Y方向(図1、2、5で左右方向)に延在して設けられ、移動レール10に沿って移動する引込台車11と、布団類Wを掴む複数のチャック12(図2では2個)と、ミシン装置Aの積載装置B側の縁部に設けられ、チャック12に掴まれた布団類Wが円滑にミシン装置A内に進入できるように布団類Wの垂れ下がりを防ぐ引摺台13とを備える。
そして、引込台車11が積載装置B側に最も寄せられたときの位置(図5において実線で示す最も左寄りの位置)が、ミシン装置Aにより布団類Wが受け取られる受取位置14となる。
【0010】
引込台車11には、モータ等の駆動手段により回転可能な引込ベルト(図示略)の両端が結着されており、引込ベルトの回転により、引込台車11をY方向に進退させることができるようになっている。
チャック12は引込台車11に取り付けられており、油圧シリンダーやエアシリンダー或いは電磁石等の作動手段(図示略)で作動させられて布団類Wを上下に掴むようになっている。
引摺台13は、上面の高さが略チャック12により引きずられる布団類Wの下面の高さ程度となっており、Y方向は受枠機構2に差し掛かる手前まで迫り出している。また、引摺台13の積載装置B側の端縁13aは、積載装置Bに向かって傾斜した滑らかな斜面になっており、布団類の引っ掛かりを抑制している。
【0011】
受枠機構2は、図4に示すように、固定枠(図示略)に対してほぼ水平方向に変位可能な張設枠20と、張設枠20の下面に設けられた軸受21に軸支された枢軸22を介して周方向に回動自在に取り付けられた挟み板23と、張設枠20の上面に設けられた軸受24に軸支された枢軸25を介して周方向に回動自在に取り付けられた挟み爪26と、縫製位置Qの四辺のうち、引摺台13側の辺を除く挟み爪26の間に配置された案内板27とを備える。
【0012】
張設枠20は、縫製位置Qの周囲に設けられ、布団類Wの形状に合わせて長形状に組まれており、前記固定枠に対し、油圧或いはエアシリンダー等の移動手段(図示略)によって隔離移動することができる構成とされている。
挟み板23は、張設枠20の内側に向けて突出し、枠状に組まれており、枢軸22の回動により、ほぼ水平に向けられたときには、引込機構1により引き込まれる布団類Wの縁部を受けるようになっている。また、挟み板23を下方に傾斜させることにより、布団類Wを受枠機構2の下方に落下させることができるようになっている。
さらに、後述する排出機構3のベルトコンベア30は、縫製位置Qの高さまで上昇させることにより、挟み板23に囲まれた領域を塞ぎ、受枠機構2が引込機構1から布団類Wを受け取り、挟み板23と挟み爪26とで挟み込むまで、布団類Wを下支えする機能も兼備している。
【0013】
布団類Wが挟み板23上に載置されたときには、挟み爪26を回動させて倒すことにより、挟み板23と挟み爪26とで布団類Wを掴むことができる。さらに、張設枠20を隔離移動させることにより、掴んだ布団類Wをほぼ水平に緊張状態に張設できる。
案内板27は、引摺台13の縫製位置Qに臨む端縁13bとともに、挟み板23の周囲を囲んで上に向けて突出しており、引込台車11のチャック12が受枠機構2上を通り過ぎ、掴みを開放したときに、布団類Wが縫製位置Qに落下するのを助け、横にそれたりするのを防ぐ。
【0014】
排出機構3は、ベルトコンベア30と、このベルトコンベア30にテンションローラなどの伝動手段31を介して連絡され、ベルトコンベア30を回転駆動させるモータなどの駆動手段32と、ベルトコンベア30を上下自在に支えるXリンク33と、このXリンク33を上下動させるシリンダー34とを備える。
また、ベルトコンベア30の積載装置B側の一端は、機枠4の下部から布団類Wを排出して積載装置Bに戻すための戻り口37となっている。
【0015】
ベルトコンベア30は、縫製位置Qから落とされる布団類Wを受けてミシン装置A外(つまり積載装置Bの固定台51)に排出するためのものであり、上下する機構は特に必要ないが、本実施の形態においては、シリンダー34によって上下可能とされている。
Xリンク33の一方のアーム33aは、下端がミシン装置Aの機枠下面35に回動自在に枢支され、上端はベルトコンベア30に沿って設けられた横長穴36にスライド自在に軸支されている。また、他方のアーム33bは、上端がベルトコンベア30に回動自在に枢支され、下端が機枠下面35の表面に沿って走行するようになっている。
【0016】
シリンダー34の先端は、前記他方のアーム33bの下端部に取り付けられており、図5に示すように、シリンダー34の縮小によりベルトコンベア30が上昇し、図6に示すように、シリンダー34の伸張によりベルトコンベア30が下降し、しかも、この昇降に際し、ベルトコンベア30は水平をほぼ保つように構成されている。
これにより、ベルトコンベア30を縫製位置Qまで上昇させたときには、受枠機構2が引込機構1から布団類Wを受けるときに受枠機構2を補助でき、下降させたときには、ほぼ水平であるので、縫製位置Qから落下した布団類Wを乱すことなく真っ直ぐ受け取ることができる。そして、ベルトコンベア30を駆動させて、布団類Wを戻り口37から排出することができる。
【0017】
ミシンMは、ミシン装置AのY方向に延設された一対のY軸レール40上に、Y方向に移動自在に載せられ、X方向(図2の上下方向)に延在して設けられた可動フレーム41と、可動フレーム41の上面に架設され、X方向に延設された上部X軸レール42と、この上部X軸レール42からX方向に移動自在に吊り下げられたミシンヘッド部43と、可動フレーム41の底面に敷設され、X方向に延設された下部X軸レール44と、下部X軸レール44上に、X方向に移動自在に載せられ、下糸を保持する釜部を有するミシンベース部45とを備える。
ミシンヘッド部43とミシンベース部45とは、常に上下位置を揃えて動くようになっており、可動フレーム41内を、それぞれ上部および下部X軸レール42、44に沿って同期して移動することにより、X方向およびY方向に自在に移動可能になっている。
【0018】
図1〜3に示すように、本実施の形態の積載装置Bは、複数の布団類Wが積載可能であって、昇降機構6によって昇降される昇降台50と、この昇降台50の下方に配置され、前記ミシン装置Aにより縫製された布団類Wを該ミシン装置Aから受け入れる固定台51とを備える。
【0019】
昇降機構6は、支柱60と、支柱60に沿って形成された縦溝60aに取り付けられ、昇降台50を支持する昇降アーム61と、支柱60の上下に取り付けられたプーリー62と、このプーリー62に巻き掛けられ、両端が昇降アーム61の根元部に固定されたチェーン63と、下側のプーリー62のうちの1個(62a)に、ベルトなどの伝動手段64を介して連絡されたモータ等の駆動手段65と、この駆動手段65の駆動を制御するための制御手段66とを有している。
制御手段66により制御しながら駆動手段65を駆動させ、チェーン63を回転させることにより、昇降アーム61および昇降台50を昇降させることができる。
【0020】
昇降台50上に積載された布団類Wは、ミシン装置Aの引込機構1によって、最上段にあるものから順に、受取位置14を経て縫製位置Qに引き込まれるものであるから、駆動手段65の制御は、例えば、1枚布団類Wが引き出されるごとに(例えば、布団類Wを一枚縫製するのに必要な所定の時間が経過するごとに)、布団類Wの厚さに相当する高さだけ昇降台50を上昇させるようにして行われる。この上昇ピッチと時間間隔との設定は、制御手段66へのティーチングにより行うことができる。
このティーティングは、管理室等に設置されたパソコンなどのコンピュータを介して行うこともでき、また、制御手段66に設けられた操作パネル等の操作手段により、設定することも可能である。
これにより、この最上段にある布団類Wの高さが、引込機構1のチャック12が布団類Wを掴むのに丁度良い高さにあるように制御され、引込機構1の引込動作を確実にするのに役立つ。
【0021】
次に上記構成のミシン設備Sおよび積載装置Bの作用を説明する。
まず、一人の作業者が、積載装置Bの昇降台50に布団類Wを積載して、ミシン装置Aに面する所定の位置に配置する。
この状態で、積載装置Bの昇降機構6の制御手段66および駆動手段65を作動させることにより、その最上位の布団類Wが、引込機構1のチャック12の掴み位置の高さになるように、昇降させられる。
また、これに連動して、受枠機構2においては、挟み板23はほぼ水平に伸ばされ、挟み爪26は開状態に起立させられる。また、張設枠20は、対向するもの同士、離隔される。排出機構3においては、ベルトコンベア30が上昇させられ、回転が止められた状態で、布団類Wが縫製位置Qに到達した場合に下支えできるように、縫製位置Qのやや下方に配置させられる。
【0022】
この一連の動作が済むと、引込台車11が積載装置Bに向けて移動させられ、図3に示すようにチャック12で最上位の1枚の布団類Wを掴む。次いで、引込台車11を積載装置Bから離れる方向に移動させて布団類Wを受枠機構2に引き込む。この際、布団類Wは、チャック12と、引摺台13とに支持されて、縫製位置Qの上方まで引き込まれ、さらに、引摺台13の支持を失うと、チャック12の反対側の辺(すなわち、引摺台13に近い側の辺)は、縫製位置Qに落下する。さらに、チャック12の開放により、布団類W全体が縫製位置Qに落下する。このとき、布団類Wの縁部が挟み板23の上に乗っている。
布団類Wの引込みが終了したら、挟み爪26を倒して布団類Wを挟み板23との間に挟み、張設枠20を離隔移動させることにより、布団類Wが適度に緊張して張設される。
【0023】
引込台車11は、上記受枠機構2の動作に合わせて適当な時期に(つまり、ミシンMによる縫製の開始までに)、ミシン掛けの邪魔にならない位置(例えば、積載装置B側に最も近寄った位置)に移動させられる。布団類を離した後、すぐに戻すことで、次の布団類の受取動作に迅速に移ることができる。また、ベルトコンベア30は、受枠機構2により布団類Wが張設され、適度に緊張した頃合を見計らって、シリンダー34の伸張により下降させられる。
受枠機構2の作動が完了後、ミシンMが作動させられ、上記で受枠機構2に張設された布団類Wが従来同様に、所定のプログラムに基づいて、ミシン掛けが行われる。
【0024】
ミシン掛けの終了後、挟み爪26が起立させられて布団類Wの挟着が解かれる。挟み板23を下方内側に向けて傾斜させることにより、布団類Wはベルトコンベア30上に落下させられ、さらに、ベルトコンベア30の作動で積載装置Bの固定台51上に送出される。このようにして積載装置Bの固定台51上に送り出された布団類は、作業員により、搬出用のコンベヤや台車などに載せられる。
上記でミシン掛けの一サイクルが完了する。以下、上記のサイクルを繰り返えしてすべての布団類をミシン掛けすることができる。
【0025】
ミシン掛けの間に、昇降台50が布団類Wの厚みの分上昇させることができるので、次に縫製される布団類Wは、ミシン掛け完了後、直ちに引込機構1により引き込むことができる。
このように、布団類Wをミシン装置Aに供給する作業の手間が軽減させることから、作業者は、ミシンMの下糸交換などの合間にミシン設備Sの監視を行うことができるので、一人でもミシン設備Sの監視を行うことができるようになる。
【0026】
図7は、本発明の積載装置の第2の実施の形態を示す側面図である。この積載装置Bは、昇降台50および固定台51が昇降機構6から分離され、キャスタ付きの搬送台車52に搭載されている点で前記実施の形態と異なる他は、同様の構成になっている。つまり、積載装置Bは、昇降台50および固定台51が搭載された搬送台車52と、ミシン装置Aに対して位置決めした搬送台車52の昇降台50を昇降する昇降機構6とから構成されている。
搬送台車52の縦枠52aには、昇降台50の上下方向のスライドを可能にする縦溝が設けられている。また、縦溝の下端には、昇降台50の下降を抑止するストッパ52bが設けられている。昇降台50および固定台51は、布団類Wを高々数枚程度載せられればよいのであるから、さほど頑丈に作る必要はなく、比較的軽量にすることができる。
搬送台車52のY方向(図7の紙面方向)の長さは、昇降アーム61のY方向の間隔および固定台51のY方向の長さより長くされており、搬送台車52は、昇降アーム61および固定台51を跨がせて、支柱60側に寄せることにより、図示の位置に設置することができる。
【0027】
搬送前には、図7に二重鎖線で示すように、昇降台50はストッパ52bによって支えられ、この状態で、昇降台50上に布団類Wが積載される。このとき、昇降アーム61の高さは、ストッパ52bに支えられた状態の昇降台50の高さより、下方に設定される。
搬送台車52を図7に示す位置に進入させ、駆動手段65により昇降アーム61を上昇させて、布団類Wごと昇降台50を持ち上げることにより、昇降台50を昇降アーム61に支持させることができる。この後は、前記実施の形態と同様の手順により、順次、布団類Wの縫製を行い、すべての布団類Wを縫製を終了した後、搬送台車52を撤去する。
【0028】
同じ搬送台車52に再び布団類Wを積載することにより、繰り返し布団類Wの縫製を行うことができる。しかも、昇降台50と固定台51とを積載装置Bから分離して搬送台車52に搭載して搬送できるため、布団類Wを供給が極めて容易になり、布団類Wを昇降台50に積み替える手間が不要になる。また、搬送台車52の搬送を行う作業員は、昇降台50を昇降アーム61上に支持させてから、縫製終了までの間、ミシン設備Sの監視を行うことができるので、布団類Wの搬送用員とミシン設備Sの監視用員とを区別する必要がなくなり、全体の作業を一人の作業員に任せることができるので、省人化に大いに有用である。
【0029】
図8に示す第3の実施の形態の積載装置は、図7に示す積載装置の応用であり、固定台51を、搬送台車52に搭載する代わりに、分離して床面Fに据え置きにした例である。その他は、第2の実施の形態の積載装置Bと同様である。
【0030】
図9に示す積載装置は、固定台51がベルトコンベア53となっている点を除き、前記第1の実施の形態の積載装置Bと同様の構成となっている。
このような積載装置Bによれば、ミシン装置Aのベルトコンベア30と、積載装置Bのベルトコンベア53と、他の工程に布団類を搬送する他のベルトコンベア54とを連絡することにより、ミシン装置Aにより縫製された布団類をベルトコンベア53を介して、自動的に他の工程へ搬送することができる。
さらに他の例として、図8の積載装置Bの固定台51を、ベルトコンベア54に布団類を搬送するベルトコンベア53にすることも可能である。
【0031】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明はこの実施の形態のみに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、積載装置Bにおいて、昇降台50を昇降させる機構としては、特に限定はなく、油圧シリンダーやエアシリンダーなど、周知の昇降機構を適宜採用可能である。
また、上記実施の形態においては、積載装置Bの昇降台50を昇降させるための駆動手段65や制御手段66などは、床面Fに据え置きとした場合を示したが、特にこれに限定されるものではない。駆動手段65や制御手段66なども、搬送台車52に積み込んで搬送可能とした構成を採用することもできる。
【0032】
昇降台50の昇降は、自動制御で行うこともできる。例えば、布団類Wの厚さを予めプログラムして、このプログラムに基づくシーケンス制御により、布団類Wを縫製するごとに昇降台50を所定量昇降させる方法が挙げられる。
また、昇降台50上に積載された布団類Wの最上面の高さなどの外形形状もしくはその他の特徴を検出する接触式もしくは被接触式のセンサを取り付け、これを昇降機構6の制御手段66と接続して、昇降台50上に積載された布団類の高さが常に一定になるように制御させることも可能である。
上記センサとしては、例えば光電センサや接触センサが挙げられる。
センサにより検知される対象は、昇降機構6の上昇量を制御することができる限り、積載された布団類Wの最上段のものに限定されず、他の1枚または複数枚とすることもできる。
これにより、布団類の厚さが湿度などにより変動する場合や、異なる種類の布団類を取り混ぜて積載した場合でも、布団類を一枚引き込んだあとの昇降台50の上昇幅を適切に制御することが可能となるので、次の布団類を引込機構1により、確実に引き込むことができ、信頼性が向上する。
【0033】
ミシン装置Aの排出機構3の構成は、上記実施の形態に示した構成に特に限定されるものではなく、種々の構成が可能である。
例えば、布団類Wを積載装置Bに向けて排出させる機構としては、ベルトコンベア30のように駆動手段32を要する機構とする必要は必ずしもなく、例えば、滑り台式の傾斜面などとすることもできる。また、排出機構3にとって、縫製位置Qまで上昇して、受枠機構2を補助する機能は、特に必須というものではなく、省略してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のミシン設備によれば、布団類Wをミシン装置Aに供給する作業の手間が軽減させられ、布団類の縫製作業を1人の作業者により監視することができ、省人化、省力化を実現することができる。
また、本発明の積載装置によれば、未縫製の布団類を積載装置の昇降台に積載し、ミシン装置に順次送出することができるとともに、縫製後の布団類を、固定台により受け入れることができるので、ミシン装置の監視の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のミシン設備および第1の実施の形態の積載装置を示す正面図である。
【図2】本実施の形態のミシン設備および第1の実施の形態の積載装置を示す平面図である。
【図3】第1の実施の形態の積載装置を示す側面図である。
【図4】張設機構の動作を説明する概略構成図である。
【図5】引込機構の動作を説明する概略構成図である。
【図6】排出機構の動作を説明する概略構成図である。
【図7】第2の実施の形態の積載装置を示す側面図である。
【図8】第3の実施の形態の積載装置を示す側面図である。
【図9】第4の実施の形態の積載装置を示す正面図である。
【符号の説明】
A…ミシン装置、B…積載装置、M…ミシン、Q…縫製位置、S…ミシン設備、W…布団類、1…引込機構、2…受枠機構、3…排出機構、6…昇降機構、14…受取位置、37…戻り口、50…昇降台、51…固定台。
Claims (3)
- 布団類を縫製するミシン装置と、該ミシン装置に供給される布団類を積載するための積載装置とを具備するミシン設備であって、
前記ミシン装置は、
布団類を縫製位置にほぼ水平に引き込む引込機構と、
この引込機構により縫製位置に引き込まれた布団類を受ける受枠機構と、
この受枠機構によって受けられた布団類を縫製するミシンと、
縫製位置の下方に配置され、縫製後の布団類を排出する排出機構と
を具備し、
前記積載装置は、
昇降機構によって昇降され、複数の布団類が積載可能な昇降台と、
この昇降台の下方に配置され、前記ミシン装置により縫製された布団類を該ミシン装置から受け入れる固定台と
を備えることを特徴とするミシン設備。 - ミシン装置の機枠側部の受取位置から布団類を引き込んで縫製し、縫製の完了した布団類を前記受取位置の下側の戻し口から排出するミシン装置に付設され、
前記ミシン装置への布団類の供給ならびに前記戻し口から排出された布団類の受け入れに用いられる布団類の積載装置であって、
複数の布団類が積載可能であって、昇降機構によって昇降される昇降台と、
この昇降台の下方に配置され、前記ミシン装置により縫製された布団類を該ミシン装置から受け入れる固定台と
を有することを特徴とする布団類の積載装置。 - 前記昇降台は、布団類が1枚送出される度に、送出された布団類の厚みだけ昇降するように制御されていることを特徴とする請求項2に記載の布団類の積載装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002308683A JP2004141340A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | ミシン設備および布団類の積載装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002308683A JP2004141340A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | ミシン設備および布団類の積載装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004141340A true JP2004141340A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32454761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002308683A Pending JP2004141340A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | ミシン設備および布団類の積載装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004141340A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113981624A (zh) * | 2021-11-09 | 2022-01-28 | 浙江和生荣智能科技有限公司 | 一种自动针车系统及其控制方法 |
-
2002
- 2002-10-23 JP JP2002308683A patent/JP2004141340A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113981624A (zh) * | 2021-11-09 | 2022-01-28 | 浙江和生荣智能科技有限公司 | 一种自动针车系统及其控制方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2687272C (en) | Linen spreader apparatus and method | |
CN111936693B (zh) | 布料抓持夹头及布料操作装置 | |
CN207582081U (zh) | 一种全自动缝纫机的送料、出料机构 | |
US7827709B2 (en) | Linen spreader apparatus and method | |
JP2007092255A (ja) | 布類展張方法および布類展張機 | |
US5685250A (en) | Quilting method and apparatus | |
JP2004141340A (ja) | ミシン設備および布団類の積載装置 | |
CN111032943A (zh) | 布料抓持夹头及布料操作装置 | |
CN111936688A (zh) | 边缘握持装置及具备该边缘握持装置的布料自动展开机 | |
JP2888818B1 (ja) | 線材巻取ボビンの端末処理装置 | |
JPS61500904A (ja) | 彎曲シ−ムを縫う装置 | |
TW202028563A (zh) | 布類自動撐開機 | |
CN111051592B (zh) | 布料自动展开机 | |
CN109972304B (zh) | 缝纫机 | |
JP2954379B2 (ja) | 長方形状布類の角部取出し装置 | |
CN218404793U (zh) | 自动翻转枕头套装置 | |
CN221625340U (zh) | 一种自动钩布的运布装置 | |
TW202026483A (zh) | 布類夾緊夾頭及布類操作裝置 | |
JPH08280962A (ja) | 布団等の自動装着装置及び積載装置 | |
KR101824545B1 (ko) | 멸치발 자동공급기 | |
JPH0316626Y2 (ja) | ||
JP2001253522A (ja) | フレキシブルコンテナ搬送装置 | |
JP3379850B2 (ja) | 方形状布片の展開方法および装置 | |
CN115354483A (zh) | 自动翻转枕头套装置 | |
JPH05317555A (ja) | ミシンの生地搬送補助装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050812 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071221 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20080415 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |