JP2004141116A - ウイルス検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のウィルス検出方法は、(a)ウイルスを含有する可能性がある試料を水不溶性担体と接触させる工程と、(b)水不溶性担体をアルカリ性水溶液と接触させる工程と、(c)水性媒体を中和する工程と、(d)核酸を増幅する工程と、を含み、前記水不溶性担体は、疎水化処理が施された磁性体を含有する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウイルスを特異的に捕捉する方法と、核酸増幅反応に用いることができる高純度のウイルス核酸溶液の調製法によって、簡便かつ迅速にウイルスを検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PCR(Polymerase Chain Reaction)法に代表される核酸増幅のためには、これに先立ってウイルスを含む生体試料から核酸を抽出する操作が必要である。生体試料からの核酸抽出法には様々な方法が用いられているが、煩雑な操作と長時間を要し、操作中のコンタミネーションの機会が多かった。
【0003】
このような、核酸抽出と核酸増幅を簡略化する目的で、生体試料に界面活性剤を含有する核酸増幅反応液を添加する核酸合成法も提案されている(たとえば、特許文献1、2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−187277号公報
【特許文献2】
特開平10‐80279号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような生体試料を直接界面活性剤を含有する核酸増幅反応液と混合して核酸増幅を行う方法では、生体試料中に存在するウイルス以外の不純物の量を抑制する必要のため、5μl程度のごく少量の生体試料を用いるか、予めウイルス等を濃縮する必要があった。通常行われる数百μlの生体試料から核酸抽出し、核酸増幅を行なう場合に比較して、5μl程度の生体試料を用いて直接核酸増幅を行なう場合は、ウイルス数が低い検体においては検出不十分となることが多かった。また、予めウイルス等を濃縮する場合は、通常行われる数100μl程度の生体試料から核酸抽出した場合と同等かそれ以上の作業時間が必要となり、核酸抽出と核酸増幅の簡略化のメリットは生じなかった。
【0006】
さらに、上記公報に例示されているTween、NP−40、Triton X100等の界面活性剤では、ウイルスの破壊効果が不十分であり、検出感度が非常に低いことが多かった。
【0007】
本発明の目的は、ウイルス含有生体試料中のウイルスの核酸を簡便かつ感度良く増幅できる、ウイルス核酸を検出する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のウィルス検出方法は、
(a)ウイルスを含有する可能性がある試料を水不溶性担体と接触させる工程と、
(b)前記水不溶性担体をアルカリ性水溶液と接触させる工程と、
(c)前記アルカリ性水溶液を中和する工程と、
(d)核酸を増幅する工程と、を含み、
前記水不溶性担体は、疎水化処理が施された磁性体を含有する。
【0009】
本発明のウィルス検出方法によれば、水不溶性担体は、磁性体を含有しているため、ウィルスを吸着した水不溶性担体を分離する際に、磁気分離法を使用することが可能となる。その結果、確実に分離できるため、ウィルスを含有する試料の濃度が低い場合においても、感度よく検出することができる。また、磁性体には、疎水化処理が施されているため、水不溶性担体の母材が疎水性の物質、たとえば、ポリマーなどで形成されている場合に、磁性体と母材が複合化しやすいという利点がある。
【0010】
本発明において試料とは、動植物の組織、血液、血漿、血清、細胞破砕液、尿、唾液等の各種体液、培養細胞破砕液等であって、ウィルスの存在する可能性があるものを挙げることができる。このような試料は採取されたままの状態であっても、希釈された状態であってもよい。
【0011】
本発明を適用できるウィルスとしては、例えばヘパドナウイルス(B型肝炎ウイルス等)、アデノウイルス、フラビウイルス(日本脳炎ウイルス等)、ヘルペスウイルス、(単純ヘルペスウイルス、水痘−帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス、EBウイルス等)、ポックスウイルス、パルボウイルス(アデノ関連ウイルス等)、オルソミクソウイルス(インフルエンザウイルス等)、ラブドウイルス(狂犬病ウイルス等)、レトロウイルス(後天性免疫不全症候群ウイルス等)、C型肝炎ウイルス等のウイルスなどを挙げることができる。
【0012】
次に、本発明の詳細について、各工程ごとに説明する。
【0013】
(a)ウイルスを含有する可能性のある試料を水不溶性担体を接触させる工程;
本発明のウィルス検出方法では、まず、試料と水不溶性担体を接触させて水不溶性担体上にウイルスを吸着させる。
【0014】
本発明においては、水不溶性担体は、母材に磁性体が含有されている。また、磁性体は、疎水化処理が施されているものを用いる。
【0015】
水不溶性担体内部に磁性体を含有させることにより、ウイルス核酸溶液から水不溶性担体を分離する際に磁気による分離が可能となり、操作上好ましい。磁性体と複合化するポリマーあるいはその原料であるモノマーは基本的には疎水性の物質である事から、使用する磁性体は疎水化処理されたものが望ましい。
【0016】
本発明に用いる水不溶性担体の形状としては、粒子状、繊維状、シート状、チューブ状、板状などが挙げられる。これらの形状の中でも特に操作性の点から粒子状のものが好ましい。ここで、粒子状の水不溶性担体の粒径は好ましくは0.1μm〜4mm、より好ましくは0.3μm〜3mmである。本発明に用いる水不溶性担体としては特に限定されないが、耐熱性を有することが好ましい。耐熱性を有することでPCR反応等の加熱工程を含む核酸増幅反応に、水不溶性担体を共存させることができる。
【0017】
本発明に用いる水不溶性担体の母材の例としては、セルロースやその誘導体などの天然高分子材料;ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルなどの高分子材料;ガラス、酸化珪素、ケイソウ、アルミナなどの無機材料を挙げることができる。
【0018】
また、蛍光色素により核酸増幅反応のReal Time検出を可能にしたReal Time PCRに適用するためには、水不溶性担体としては、光学的に透明なガラス等の材料を好適に用いることができる。
【0019】
本発明において用いられる磁性体としては、例えば四三酸化鉄(Fe3O4)、γ−三二酸化鉄(γ−Fe2O3)等の各種フェライト、鉄、マンガン、コバルト、クロムなどの金属またはこれらの金属の合金を用いることができる。
【0020】
この磁性体は、母材の内部にのみ含有され、表面に露出していないことが好ましい。
【0021】
水不溶性担体の製造方法としては、モノマーに磁性体を分散させその存在下で懸濁重合、もしくはミニエマルジョン重合を行う方法(例えば特開昭59−221302)、水中で均一粒子上に金属化合物を析出させる方法(例えば特公平5−10808)、ヘテロ凝集を利用する方法(例えばUSP 5,648,124)、磁性体を含まないポリマーコア粒子表面において、モノマーと磁気的に応答する金属酸化物を同時に重合させてポリマー粒子に磁性体を導入する方法(例えば特許番号第2736467)、磁性体を含まないポリマーコア粒子表面において、磁気的に応答する金属酸化物を乳鉢あるいは、ハイブリダイザー等を使用し高速気流下で物理的にポリマー粒子に磁性体を導入する方法(例えば特公平5−13362,特公平7−75665)が挙げられる。
疎水化の方法としては、シラン化合物や界面活性剤を使用することができ、シラン化合物を使用することが好ましい。これは、シラン化合物が、薬品耐性、特にアルカリ耐性に優れており、使用中に疎水化層が脱落する事による磁性体の剥離、磁気性能が低下する問題、あるいは脱離した磁性体、界面活性剤が浮遊する事による評価系に汚染物が混入する問題の発生を防止することができるためである。また、本発明においては、疎水化された磁性体がたとえば、トルエンに良好に分散することができる場合に、十分に疎水化されているということができる。
【0022】
シラン化合物の例としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、イソブチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0023】
これらのものを磁性体に結合させる方法としては、例えば、磁性体の微粒子とシラン化合物を水などの無機媒質またはアルコール、エーテル、ケトン、エステルなどの有機媒質中で混合し、撹拌しながら加熱した後磁性体をデカンテーションなどにより分離して減圧乾燥により無機媒質または有機媒質を除去する手段を挙げることができる。また、磁性体とシラン化合物を直接混合し加熱せしめて両者を結合させてもよい。これらの手段において加熱温度は通常30〜100℃であり、加熱時間は0.5〜8時間程度である。また量としては磁性体の表面積によって適宜定められるが通常磁性体100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜30重量部である。なお、ここに挙げている量は最終的に反応が完結した際の結合量であり、反応系においては明らかに遙かに余剰な量、例えば磁性体100重量部に対してシラン化合物10000重量部を添加し未反応な余剰な成分を除去しても差し支えない。
【0024】
本発明においては、上記水不溶性担体はその表面に、検出しようとするウイルスに結合可能な物質(以下、「ウィルス結合性物質」という)を有することにより、水不溶性担体とウィルスの吸着をより容易にすることができる。
【0025】
ここで、ウイルス結合性物質としては、ウイルス表面抗原に対する抗体、ウイルス表層に結合できるレクチン、糖質、イオン性の低分子または高分子などを挙げることができる。抗体としては種々のウイルス特異抗体、レクチンとしてはフィトエマグルチニン(PHA)やコンカナバリンA(ConA)等のウイルス結合性レクチン、ウイルスレセプタとしてはウイルスが細胞に感染する際に認識するP抗原やCD4抗原、ヘパリン、イオン性の低分子としては、アニオン性基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基からなる群から選ばれる基を有する化合物、カチオン性基としては、アミノ基、アンモニウム基、イミノ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ピリジル基からなる群から選ばれる基を有するアミン化合物をあげることができる。イオン性の高分子としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジニウムを挙げることができる。また、アニオン性基を含む担体を用いる場合は、ウイルスの吸着を促進するために多価金属イオンを添加することも可能である。
【0026】
これらのウイルス結合性物質は、水不溶性担体の表面上に固定されるが、その固定化方法としては物理吸着法または化学結合法を用いることができる。
【0027】
水不溶性担体の使用量は、ウイルスを含有すると考えられる検体の量と、利用する反応容器のサイズにあわせて調整し、例えば、200μlの反応容器を用い、水不溶性担体として粒子状のものを用いる場合には、直径3mmの水不溶性担体で1〜2個、直径1μmの水不溶性担体で0.02〜50mg程度である。
【0028】
水不溶性担体へのウイルス吸着は通常、試料と水不溶性担体を1〜60分間接触させることにより行う。
【0029】
本発明に用いられる試料の量に特に制限はないが、操作上20〜1500μl程度が好ましい。
【0030】
水不溶性担体と試料との1〜60分間の接触によりウイルスを吸着した水不溶性担体は、次に任意の方法により試料から分離し、試料を反応容器から系外に取り除く。水不溶性担体の分離方法としては、デカンテーション、遠心分離、フィルター分離などの任意の方法を用いることが可能であり、本発明では、水不溶性担体は、磁性体を含有しているため磁気分離法を好ましく採用することができる。
【0031】
また、一度試料の取り除かれた水不溶性担体は、水不溶性担体から試料を完全に取り除くために、生理食塩水やトリス緩衝塩溶液などの水溶液を添加して、水不溶性担体の周りに付着した試料を洗い流し、再度、水不溶性担体と水溶液とを分離して水溶液を系外に取り除くことによる、水不溶性担体をリンスする操作を加えることは、ウイルス核酸溶液の高純度化を図る上で好ましい。
【0032】
(b)水不溶性担体をアルカリ性水溶液と接触させる工程;
本工程は、前記工程(a)の後に水不溶性担体をアルカリ性とすることによりウイルスから核酸を遊離し、核酸溶液を得る工程である。
【0033】
本発明においては、水不溶性担体を試料から分離した後、アルカリ性水溶液と水不溶性担体を接触させる。本発明に用いることのできるアルカリ性水溶液はアルカリ性化合物の水溶液であり、アルカリ性化合物としては、金属の水酸化物、特に好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどである。アルカリ性化合物の必要量は、水不溶性担体に接触させる時に、アルカリ水溶液の濃度として好ましくは0.04M〜0.5M、より好ましくは0.1M〜0.3Mである。アルカリ性化合物の濃度が0.04Mよりも低ければ、ウイルスの外殻の変性が不十分となり、ウイルス核酸の溶出が不完全となる。また、アルカリ性化合物の濃度が0.5Mよりも高ければ、ウイルス核酸が加水分解されて失われる頻度が高くなるばかりでなく、後の中和工程で生じる塩が核酸増幅工程に悪影響を及ぼすため、核酸増幅工程の反応に提供するウイルス核酸溶液量が制限され、高感度のウイルス核酸検出が妨げられる。
【0034】
本工程では、ウイルス外殻の変性を補助する目的で、界面活性剤を共存させることもできる。界面活性剤を共存させる方法としては、アルカリ性水溶液にあらかじめ含有させておいても良いし、アルカリ性水溶液の添加の前、あるいは後に水不溶性担体に界面活性剤を別に添加しても良い。界面活性剤としては、ウイルスの外殻破壊作用が十分で、かつ核酸増幅反応の阻害がないことが重要である。
【0035】
界面活性剤としてはアニオン性界面活性剤を用いることが好ましく、例えば、N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリン酸エステルナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、スピクリスポール酸、ポリオキシエチレンリン酸エステルなどを挙げることができる。さらに、ステロイド骨格を持つアニオン性界面活性剤、特にデオキシコール酸、コール酸、胆汁酸またはそれらの塩も好適に用いることができる。
【0036】
これらの界面活性剤は単独でも混合して用いることもできる。これら界面活性剤の濃度は、高すぎればPCR等の核酸増幅工程に悪影響を及ぼすことがあるため、その濃度範囲は、水性媒体の0.01〜1重量%、さらには0.02〜0.4重量%が好ましい。
【0037】
水性媒体をアルカリ性に保持する時間は、0℃〜50℃の反応温度では1分〜30分であり、50℃〜90℃の反応温度では1分〜10分である。本工程において、加熱操作を加えることは必須ではなく、室温の操作で、ウイルス核酸は効率的に溶出される。
【0038】
(c)アルカリ性水溶液を中和する工程;
本工程は、前記工程(b)の後にアルカリ性水溶液を中和する工程である。
【0039】
本工程に用いる酸性水溶液としては、塩酸酸性水溶液が好ましく、その使用量および濃度は制限されるものではないが、好ましくはアルカリとの当量から大きくずれない量である。よって、酸性水溶液の添加量は、アルカリ濃度によって変化する。この中和工程の結果生じる溶液の液性は、後の核酸増幅工程を妨げない水素イオン濃度(pH)に調製する必要がある。そのpHは、核酸増幅反応に用いる触媒、たとえば、Taq DNAポリメラーゼの至適pHであり、その値はTaq DNAポリメラーゼの由来により定まった値に合わせる必要がある。中和反応によって、確実にこのpHに調製するために、アルカリ性水溶液および酸性水溶液のいずれか一方、あるいはその両方に、pHの緩衝剤を含有させることが好ましい。この緩衝剤としては、TrisやTAPSの塩が好ましく、その濃度は、20mM〜500mMが好ましい。
【0040】
(d)核酸を増幅する工程;
以上により得られたウイルス核酸溶液は、次に、水不溶性担体を分離することにより、PCR等の核酸増幅反応にそのまま用いる事ができる。水不溶性担体の分離方法としては、デカンテーション、遠心分離、フィルター分離などの任意の方法を用いることが可能であり、本発明では、磁性体を含有した水不溶性担体を用いているため、その分離には磁気分離法を採用することが好ましい。
【0041】
また、水不溶性担体が耐熱性を有するものであれば、水不溶性担体をウイルス核酸溶液から分離することなく、核酸増幅反応に共することもできる。
【0042】
水不溶性担体の共存下で核酸増幅反応を行う場合、水不溶性担体へ核酸増幅反応液の成分が吸着することを抑制するため、アルブミンまたはゼラチンなどを添加することもできる。アルブミンまたはゼラチンの核酸増幅反応液中での濃度は、好ましくは1〜5000μg/mlであり、より好ましくは、20〜2000μg/mlである。アルブミンまたはゼラチンの濃度が1μg/ml未満では、水不溶性担体への核酸増幅反応液中の成分の吸着を抑制する効果が不十分となるため好ましくない。また、アルブミンまたはゼラチンの濃度が5000μg/mlをこえると、核酸増幅反応を阻害する可能性があるため好ましくない。
【0043】
以上のようにして得られたウイルス核酸溶液は、核酸増幅反応を妨げないため、そのままの状態で、核酸増幅反応により高感度でウイルス核酸を検出することが可能である。
【0044】
核酸増幅法としては、特に限定されないが、例えば、ロシュ社のPCR(Polymerase chain reaction)法、ジェン・プローブ社のTMA(Transcription mediated amplification−hybridization protection assay)法、アボット社のLCR(Ligase chain reaction)法、栄研化学社のLAMP(Loop−mediated isothermal amplification of DNA)法、宝酒造社のICAN(Isothermal and chimeric primer−initiated amplification of nucleic acid)法等を利用することができる。
【0045】
【実施例】
次に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0046】
[参考例1]
B型肝炎ウイルス結合性水不溶性担体の調製(シラン化合物により疎水化された磁性体を使用する方法);
(1)油性磁性流体「FV55」[松本油脂(株)製]にアセトンを加えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することにより、親油化処理された表面を有するフェライト系の超常磁性体(粒子径:0.01μm)を得た。なおこの磁性体は界面活性剤により親油化処理された表面を有するものである。この界面活性剤を除去すべく、大量の200mMのNaOH水溶液で磁性体を洗浄し、ついで蒸留水で余剰のNaOHを取り除いて乾燥させた。次に、この乾燥磁性体10gにイソブチルトリメトキシシラン100gを添加し、50℃において8時間混合させて表面の疎水化処理を行った。反応後の磁性体は回収し乾燥させた。得られた磁性体をトルエンと水との混合溶液(重量比1:1)に添加し、十分に攪拌した後静置したところ、磁性体はトルエンのみに分散されており、表面が疎水化されたことを確認した。
【0047】
(2)上記(1)により得られた超常磁性体10gに、母粒子(母材)として粒子径1.8μmの架橋アクリル粒子(綜研化学社製)10gを混合し、この混合物をハイブリダイゼーションシステムNHS−0型(奈良機械製作所(株)製)を使用して、羽根(撹拌翼)の周速度100m/秒(16200rpm)で3分間処理し母粒子表面に磁性体を複合させた。この処理を2回行い、得られた複合粒子の30gと、分散剤としてノニオン性乳化剤「エマルゲン150」(花王製)0.5%水溶液900gとを1Lセパラブルフラスコに投入し、充分に分散させた。これにモノマーとしてシクロヘキシルメタクリレート3g、メタクリル酸0.9g、重合開始剤としてターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサネート「パーブチルO」(日本油脂社製)0.6gを添加し、イカリ型撹拌羽200rpm撹拌、N2ガス気流下80℃で8時間反応させた。得られた粒子を光学顕微鏡で写真撮影し、粒子200個の直径を計測してその平均を求めた結果、2.2μmであった。
【0048】
(3)得られた表面カルボン酸磁性粒子1g(乾燥重量)を20mlの10mM MES緩衝溶液(pH6.0)に添加し、水溶性カルボジイミド試薬であるEDC塩酸塩(1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド)0.2gを添加し、20℃、1時間反応させた後、10mM HEPES緩衝溶液(pH7.4)で洗浄し、同緩衝溶液10mlに分散させた。そこへ、抗B型肝炎ウイルス抗体(抗原決定基a)(株式会社特殊免疫研究所)10mgを添加し、20℃、2時間反応させた後、生理食塩水で洗浄して粒子状のB型肝炎ウイルス結合性の水不溶性担体を得た。得られた水不溶性担体はリン酸緩衝溶液(PBS)に0.5%となるように分散させた。
【0049】
[参考例2]
B型肝炎ウイルス結合性水不溶性担体の調製(界面活性剤により疎水化された磁性体を使用する方法);
(1)油性磁性流体「FV55」[松本油脂(株)製]にアセトンを加えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することにより、親油化処理された表面を有するフェライト系の超常磁性体(粒子径:0.01μm)を得た。なおこの磁性体は界面活性剤により疎水化処理された表面を有するものである。得られた磁性体をトルエンと水との混合溶液(重量比1:1)に添加し、十分に攪拌した後静置したところ、磁性体はトルエンのみに分散されており、表面が疎水化されたことを確認した。
【0050】
(2)(3)参考例1と同様に行なう。
【0051】
[参考例3]
B型肝炎ウイルス結合性水不溶性担体の調整(疎水化されない磁性体を使用する方法)
(1)油性磁性流体「FV55」[松本油脂(株)製]にアセトンを加えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することにより、疎水化処理された表面を有するフエライト系の超常磁性体(粒子径:0.01μm)を得た。なお、この磁性体は、界面活性剤により疎水化処理された表面を有するものである。この界面活性剤を除去すべく、大量の200mM NaOH水溶液で磁性体を洗浄し、ついで蒸留水で余剰のNaOHを取り除いて乾操させ、疎水化されていない磁性体を得た。得られた磁性体を、トルエンと水の混合溶液(重量比1:1)に添加し充分に攪拌後、静置させたところ磁性体は水層にのみ分散した。このことから磁性体は疎水化されていないことが確認された。
(2)(3)参考例1と同様に行う。
【0052】
[実施例1]
ウイルス濃度が50コピー/ml 、2×102コピー/mlおよび2×104コピー/mlのHBV陽性血清それぞれにつき、以下の操作を行った。
【0053】
(a)まず、1.5mlの蓋つきチューブにHBV陽性血清100μlならびに参考例1で得られたB型肝炎ウイルス結合性水不溶性担体(以下、「水不溶性担体」という)の0.5%リン酸緩衝溶液に分散された液を100μlを添加し、室温で10分間穏やかに撹拌した。
【0054】
その後、チューブを市販の磁気スタンドに立てて、水不溶性担体を分離し、血清をピペットで除去した。次に、TBS(Tris Buffered Saline)500μlを加え、水不溶性担体を再分散させてリンスした後、再度チューブを磁気スタンドに立てて水不溶性担体を磁気分離し、TBSを除去した。
【0055】
(b)次に、界面活性剤として0.1%のデオキシコール酸ナトリウムを含有させた150mMのNaOH水溶液30μlを添加して水不溶性担体を分散させ、そのまま室温で10分間静置した。
【0056】
(c)続いて緩衝剤として100mMのTris−HCl (pH8.3)を含有する150mM HCl水溶液を30μl添加して試験サンプルを中和した。チューブを磁気スタンドに立て磁気分離し、上澄としてウイルス核酸水溶液を得た。
【0057】
(d)得られたウイルス核酸水溶液から20μlを取り、PCR反応液(ロシュ・ダイアグノスティックス社製、PCRコアキット)30μlと混合してNested−PCR法により検出をおこなった。35回の1st−PCR、25回の2nd−PCRの増幅過程によりDNAを増幅した。PCRのプライマー配列は、Hiroaki Okamoto, Igaku no ayumi, (1992),162(9),544−549.に従った。
【0058】
このようにして、得られたPCR増幅産物を3%アガロースを用いて電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色によりDNAを検出し、得られた目的のDNAの量についてバンドの蛍光が検出されたものを+、検出されなかったものを−として判定した。
【0059】
[実施例2]
実施例1において、界面活性剤としてデオキシコール酸ナトリウムの代わりに、0.05%N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウムを用いた以外は実施例1と同様にして核酸の遊離を行い、実施例1と同様にしてPCR法によりウィルス検出を行った。
【0060】
[実施例3]
実施例1において、参考例1で得られたB型肝炎ウイルス結合性水不溶性担体を参考例2で得られたもので実施した以外は全て実施例1に従い行った。
【0061】
[実施例4]
実施例2において、参考例1で得られたB型肝炎ウイルス結合性水不溶性担体を参考例2で得られたもので実施した以外は全て実施例1に従い行った。
【0062】
[比較例1]
実施例1において、参考例1で得られたB型肝炎ウイルス結合性水不溶性担体を参考例3で得られたもので実施した以外は全て実施例1に従い行った。
【0063】
[比較例2]
実施例2において、参考例1で得られたB型肝炎ウイルス結合性水不溶性担体を参考例3で得られたもので実施した以外は全て実施例2に従い行った。
【0064】
[比叡例3]
実施例3において、参考例2で得られたB型肝炎ウイルス結合性水不溶性担体を参考例3で得られたもので実施した以外は全て実施例3に従い行った。
【0065】
実施例及び比較例の評価結果を表1にまとめた。表1に示した通り、比較例の結果では、低ウイルス濃度の試料からは、ウイルス核酸を検出することが出来なかった。これは、疎水化されていない磁性体と母粒子(母材)との結合が弱く複合化が不充分であることから、評価中に磁性体が剥離しPCR反応系に混入する事により著しい阻害が生じている事に起因している。
【0066】
一方、疎水化された磁性体の場合は、母粒子(母材)との結合が強く複合化が充分であることから、評価中に磁性体の剥離はほとんどない。従ってPCR反応系への混入がなく評価系の阻害とならないために、HBV濃度2×102コピー/ml以下の低濃度のウイルス含有試料からもウイルス核酸を効率よく検出することが出来た。
【0067】
さらに、実施例中においても、磁性粒子の原料の磁性体の疎水化剤としてシラン化合物を使用した実施例1、2では、さらに低濃度であるHBV濃度50コピー/mlの試料での検出が可能であった。これは、評価系における種々の薬品、特にNaOHによる高pHでの疎水化層が実施例3,4に示す界面活性剤系では弱いことから疎水化層が破壊され、それに起因する磁性体、界面活性剤が浮遊し評価系に混入して検出感度を低下させている事が推測される。これに対し実施例1、2に示すシラン化合物変成品はこの問題を解決しさらに低濃度での検出が可能となった。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】
本発明では、試料を水不溶性担体で処理することにより試料からウイルスを分離し、ウイルスが結合した担体に、たとえば、アニオン性界面活性剤とアルカリ性水溶液を作用させてウイルス核酸を溶出し、酸で中和することにより、そのままで核酸増幅反応に用いることができる高純度のウイルス核酸溶液を得ることが可能である。得られたウィルス核酸溶液を、核酸増幅反応に供することで高感度、簡便にウイルス核酸を検出することを可能とする。また、水不溶性担体には磁性体が含有されているため、簡便に分離することができる。さらに、磁性体としてはシラン化合物で処理されていると磁性体が脱離しにくく、低濃度領域でのウイルス核酸を検出することが可能となる。
Claims (6)
- (a)ウイルスを含有する可能性がある試料を水不溶性担体と接触させる工程と、
(b)前記水不溶性担体をアルカリ性水溶液と接触させる工程と、
(c)前記アルカリ性水溶液を中和する工程と、
(d)核酸を増幅する工程と、を含み、
前記水不溶性担体は、疎水化処理が施された磁性体を含有する、ウィルス検出方法。 - 請求項1において、
検出しようとするウイルスに結合可能な物質を前記水不溶性担体の表面に有する、ウィルス検出方法。 - 請求項1または2において、
前記磁性体は、シラン化合物により疎水化処理をされている、ウィルス検出方法。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記工程(b)において、前記アルカリ性水溶液は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液および水酸化リチウム水溶液の少なくとも1種である、ウィルス検出方法。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記工程(b)において、さらに界面活性作用を有する成分を前記水性媒体に添加する、ウィルス検出方法。 - 請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記工程(b)〜工程(d)を同一容器内で行う、ウィルス検出方法。
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