JP2004140902A - リニアモータおよびリニアコンプレッサ - Google Patents

リニアモータおよびリニアコンプレッサ Download PDF

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Abstract

【課題】高効率なリニアモータ及び項高率なリニアコンプレッサに関し、高効率化を図る。
【解決手段】略板状の弾性体に形成された複数のアームによって、可動子21を揺動方向に揺動自在に支持するフレクシャベアリング28a,28bを備えるとともに、固定子22に固定されたバネホルダー31a,31bに係止されたコイルバネ30a,30bを備えたことにより、高効率化を図ることができる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にリニアモータ、および冷凍サイクル等に用いられるリニアモータを用いたリニアコンプレッサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷凍機器の高効率化の必要性はさらに高まっており、リニアモータを使用したコンプレッサは機構構成の単純さ故に、摺動損失の大幅な低減が実現できることから、実用化が進みつつある。
【0003】
従来のリニアモータを搭載したリニアコンプレッサの構造を示すものが特許文献に記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、図面を参照しながら上記従来のリニアモータ及びリニアコンプレッサを説明する。
【0005】
図12は、従来のリニアモータを搭載したリニアコンプレッサの断面図であり、図13は図12の要部拡大図である。
【0006】
図12において、圧縮機構部7は、リニアモータ8、シリンダ9、ピストン10、弾性要素11、シリンダヘッド12cとから構成されており、サスペションスプリング13により、密閉ケーシング14内に弾性支持されている。
【0007】
リニアモータ8は、中空円筒状に形成された固定子(第1ケイ素鋼板層)8bの外周面側に、巻き線8eを有する中空円筒状の固定子(第2ケイ素鋼板層)8aが所定の空隙をおいて支持されており、それら第1ケイ素鋼板層8bと、第2ケイ素鋼板層8aとの間に、中空円筒状の非磁性体のマグネットシェル4が形成され、このマグネットシェル4の外表面の溝部に複数のマグネット8cがそれぞれ接着されることにより可動子8dが構成されている。可動子8dは、ピストン10に連結されており、そのピストン10はシリンダ9内に往復自在なように挿入されている。そして、シリンダ9,ピストン10,固定子8a,固定子8bは各々軸線を共有しており、かつピストン10はシリンダ9との間で形成した軸受部10aによって可動子8dを保持することで、マグネット8cは固定子8aと固定子8bの間との所定の空隙を保っている。
【0008】
また、マグネット8cは、通常、実用的な効率を得るために、強磁界を有する希土類からなるマグネット材料が使用されており、往復方向と垂直な方向に磁化されている。
【0009】
可動要素15は、ピストン10、リニアモータ8の可動子8dなどから構成され、固定要素16はシリンダ9、リニアモータ8の固定子8a,8bなどから構成される。
【0010】
弾性要素11は、弾性要素11の内周部11aが可動要素15に固定され、外周部11bが固定要素16に固定されている。弾性体11は板状のバネである。
【0011】
また、密閉ケーシング14内に充填された潤滑油17は、オイル供給装置(図示せず)により摺動部へ供給されている。
【0012】
以上のように構成されたリニアモータ及びリニアコンプレッサについて、以下その動作を説明する。
【0013】
まず、リニアモータ8の動作について説明する。
【0014】
巻き線8eに電流を通じて励磁すると、固定子8b(第1ケイ素鋼板層)から空隙、マグネット8c、空隙、固定子8a(第2ケイ素鋼板層)、空隙、マグネット8c、空隙、固定子8b(第1ケイ素鋼板層)へと一連の磁束のループが発生し、磁気回路を形成する。この磁束により固定子8a(第2ケイ素鋼板層)に形成される磁極にマグネット8cが吸引される。次に巻き線8eへの電流を交番することで、可動子8dは、固定子8aと固定子8bの間で、図12における左右方向に往復運動しながら作動するようになっている。
【0015】
次に、リニアコンプレッサの機構について説明する。リニアモータ8に交流電流を通電すると、先のリニアモータの動作で説明した通り、リニアモータ8の可動子8dに軸方向の往復運動する力が発生する。その力により、可動子8dと連結されたピストン10は弾性要素11を変形させ、軸方向に往復運動を繰り返す。この際、弾性要素11の反発力を利用し、可動要素15及び固定要素16の質量と、弾性要素11のばね定数とで決まる共振周波数と一致した運転周波数で運転することで、共振作用を利用でき、効率良い運転が可能となる。
【0016】
冷却システム(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管(図示せず)、吸入マフラー19aを介してシリンダヘッド12c内に導かれ、シリンダ9内の圧縮室20に至る。圧縮室20に至った冷媒ガスは、上述したピストン10の往復運動により圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、一旦シリンダヘッド12c内に吐出された後、吐出マフラー19bや吐出管(図示せず)を介して冷却システムに吐出される。
【0017】
使用される冷媒は、主に冷却システムに古くから使用されてきたCFC−12やHCFC−22、近年ではHFC−134a、R600a、R410Aなどであり、潤滑油17には主に前記冷媒と相溶性のあるものが用いられている。
【0018】
【特許文献1】
特許2912024号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記構成では、固定子8b(第1ケイ素鋼板層)および固定子8a(第2ケイ素鋼板層)との間で可動子8dが揺動するため、可動子8dは固定子8b(第1ケイ素鋼板層)および固定子8a(第2ケイ素鋼板層)とに対し各々空隙を形成する。そして、固定子8a,8bで発生した可動子8dを駆動する磁束のループは、2つの空隙をまたがることになる。
【0020】
この2つの空隙は、可動子8dが固定子8a,8bの双方に対し接触することを避けるためにそれぞれに必要な距離を設けているが、空間は磁気抵抗となり距離の2乗に比例して磁束を減少させることから、可動子8dを駆動させるに必要な推力を得るために、この2つの空隙による磁束の減少分だけ余計に、巻き線8eへ供給する電流が増加し、その結果入力が増加してしまうため、効率を上げることが難しかった。
【0021】
同時に可動子8dを駆動させるのに必要な推力を得るために、従来のリニアモータ8ではマグネット8cを大きくする必要性があった。しかしながらマグネット8cは一般に高価な希土類を材料に使用しているため、マグネット8cが大きくなることで、大幅なコスト増加をきたしていた。
【0022】
さらに、可動子8dと固定子8a,8bとの間に形成される2つの空隙は、いずれの箇所でも同一の距離であることが望ましい。距離に差があると、この間で磁気吸着力のアンバランスが生じ、その結果、可動子8dの揺動方向に対して直角方向のこじりの力が発生し、軸受部10aの支持機構において摺動損失を発生させるばかりでなく、異常な摩耗を発生させ、寿命を低下させる要因にもなるからである。
【0023】
これを回避するため、2つの空隙の距離を大きくすると入力が増加してしまう上に、マグネット8cもさらに大きくする必要がある。そこで通常はマグネットシェル4を含む駆動系の加工精度を上げることになるが、加工精度を上げるためには可動部であるマグネットシェル4の剛性を上げる必要上、これを厚くすることになり、すると駆動系の重量が増加する。その結果、可動子8dを駆動させるために必要な推力が増加し、巻き線8eへ供給する電流が増加して、入力が増加してしまう。
【0024】
また、駆動系の加工精度を上げることは、製造工程でのコスト増加をともなう。
【0025】
また、従来のリニアモータ8を搭載した従来のリニアコンプレッサの構成では、マグネット8cと固定子8a、マグネット8cと固定子8bの間での磁気吸着力アンバランスのために、先に述べた通り可動子8dの往復運動方向に対して直角方向のこじりの力が発生するが、これに加えて可動子8dを含む可動要素15に重力が作用する。
【0026】
これらのこじり力は、軸受として機能しているピストン10とシリンダ9の摺動部にかかるが、磁気吸着力が大きいほどこじりによる摺動損失が大きく、効率が低くなり、磁気吸着力が極端に大きい場合には、摺動部の摩耗が生じることもある。
【0027】
これらの欠点を補うために、摺動長を長くして摺動部の面圧を小さくするとコンプレッサの大きさが大きくなり、またマグネットの量を少なくすると、モータ効率が低下したり、モータ推力が不足するといった不具合が生じてしまう。また、モータの鉄心やマグネットの加工精度や組み立て精度を上げることは、コスト増加をともなう。
【0028】
さらに、従来のリニアモータを搭載した従来のリニアコンプレッサの構成では、共振作用を利用して可動要素15が往復動することによりコンプレッサ本体が大きく振動し、この振動がサスペンションスプリング13を介して密閉ケーシング14に伝達することから、密閉ケーシング14の振動や騒音が大きいといった欠点を有している。
【0029】
特に、本従来例においては、リニアモータ8の可動要素15が水平方向に往復運動する横型配置であるために、振動を低減することが困難であった。というのも、圧縮機構部7を内部懸架するサスペンションスプリング13を水平方向に配置しようとしても、圧縮機構部7の重量が重いために水平方向の配置が困難である。そのため、サスペンションスプリング13を垂直方向に配置することが多いが、その場合、圧縮機構部7の振動方向とサスペンションスプリング13の伸縮方向が90度ずれてしまう。即ち、サスペンションスプリング13が伸縮方向のばね定数だけではなく、伸縮方向と90度ずれた横方向のばね定数との複合で圧縮機構部7の振動伝達を吸収せざるを得なくなり、種々の方向の振動低減が十分に行なうことが困難であった。
【0030】
それでも、十分とはいえないまでも、サスペンションスプリング13の剛性を小さくするなどして圧縮機構部7から密閉ケーシング14への振動伝達を低減しようとすると、サスペンションスプリング13の長さが長くなるため密閉ケーシング14のサイズが大きくなってしまう。
【0031】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、可動子の支持機構における損失を低減し、低コストかつ高効率なリニアモータを提供することを目的とする。
【0032】
また、摺動部での摺動損失を低減するとともに振動を低減し、小型で低コスト・低振動かつ高効率なリニアモータおよびリニアコンプレッサを提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、少なくとも2つの磁極を形成し、固定鉄心および固定鉄心に係着したマグネットワイヤを備えた固定子と、固定子の内側に位置し、可動鉄心とマグネットとを備えた可動子と、略板状の弾性材に形成された複数のアームによって可動子を揺動方向に揺動自在に支持するフレクシャベアリングとを備えたもので、マグネットと可動鉄心を一体化することによって、磁束ループに含まれる空隙を小さくするができ、磁気抵抗が小さくなることで、小さく少ないマグネットで必要な磁力を発生させることができる上、可動子の往復運動方向に対して直角方向のこじり力と重力を支持する支持機構における損失を低減するという作用を有する。
【0034】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記固定子の内側に形成した磁極と前記可動子の外周面とは、前記可動子の揺動方向の軸心を共有した略円筒形をなしており、可動子が回転した場合においても固定子との空隙が一定間隔に維持されるため、可動子と固定子の衝突による破損や、側方向力の増大による軸受等の支持機構の摩耗を防止することができるとともに、組み立て性や加工精度の確保が容易であるという作用を有する。
【0035】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、一端が前記可動子または前記可動子の軸心に延出形成された可動軸に係止され、他端が前記固定子に固定されたバネホルダーに係止されたコイルバネを備えたものであり、フレクシャベアリングの小さなばね定数に依存せずコイルバネの大きなばね定数と、固定子及び可動子の質量とできまる共振周波数近傍で駆動することで、比較的高い共振周波数での共振作用を利用して少ない入力で大きな出力(可動子の大きな振幅)を得ることができるという作用を有する。
【0036】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、静止状態において、前記コイルバネの圧縮寸法を可動子の揺動距離の1/2以上としたので、可動子が揺動しても常にコイルバネは自然長より圧縮された寸法となっており、コイルバネが可動子及びバネホルダーの間で常に張っており、その結果、常に効率の良い共振運動を繰り返し行うことができるという作用を有する。
【0037】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の発明において、前記バネホルダーは、前記フレクシャベアリングと前記コイルバネを内部に収容する略密閉空間を形成したものあり、リニアモータの電磁音、可動子やコイルバネやフレクシャベアリングの動作音などの騒音源をバネホルダーが取り囲んで遮音するという作用を有する。
【0038】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載のリニアモータと、前記可動子と軸心を共有するシリンダと、前記シリンダ内に往復自在に挿入され、前記可動子と連結されたピストンとを備えたものであり、ばねと質量による共振作用を利用してピストンを効率よく往復運動させるとともに、シリンダとピストン間の側圧低減による摺動損失を低減することができるという作用を有する。
【0039】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記ピストンと前記可動子が、ボールジョイントを介して連結されたものであり、可動子とシリンダの軸心がずれたり、軸が傾斜して組み立てられても、ピストンとシリンダの軸心が合うようにボールジョイントで軸ずれや軸傾斜を吸収することができ、シリンダとピストン間の側圧低減による摺動損失を低減するという作用を有する。
【0040】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記ピストンと前期可動子が弾性体からなる可倒ロッドを介して連結されたものであり、可動子とシリンダの軸心がずれたり、軸が傾斜して組み立てられても、ピストンとシリンダの軸心が合うように可倒ロッドが撓んで軸ずれや軸傾斜を吸収することができ、シリンダとピストン間の側圧低減による摺動損失を低減するという作用を有する。
【0041】
請求項9に記載の発明は、請求項6から8のいずれか一項に記載の発明において、潤滑油を使用しない、オイルフリーの構成としたので、潤滑油に冷媒が溶解しない分、冷却システムに使用する冷媒量を低減できるという作用を有する。
【0042】
請求項10に記載の発明は、請求項6から9のいずれか一項に記載の発明において、前記シリンダと前記ピストンとの摺動部をガスベアリングで構成したので、摺動部が非接触となるため摺動損失をほぼ零にまで低減できるとともに、摺動部の摩耗もほとんど無いという作用を有する。
【0043】
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記シリンダか前記ピストンの少なくとも一方に、自己潤滑性を有する材料を用いたので、自己潤滑性の効果により潤滑油を使用しなくても摺動部摩耗を防止できるという作用を有する。
【0044】
請求項12に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記シリンダか前記ピストンの少なくとも一方に、セラミックス系材料を用いたので、セラミックス系材料の耐摩耗性により、潤滑油を使用しなくても摺動部摩耗を防止できるという作用を有する。
【0045】
請求項13に記載の発明は、請求項6から12のいずれか一項に記載の発明において、前記シリンダの少なくとも一部をコイルバネ内に挿入配置したので、密閉ケーシングの小型化、特に揺動方向の小型化ができるという作用を有する。
【0046】
請求項14に記載の発明は、請求項6から13のいずれか1項に記載の発明において、前記可動子の揺動方向を重力方向と一致させたので、可動子のラジアル方向に重力が作用しないため、フレクシャベアリングのラジアル方向の必要剛性を小さくすることができ、その分、ヒステリシス損失を低くすることができるという作用を有する。
【0047】
請求項15に記載の発明は、請求項14記載の発明において、前記可動子の揺動方向に弾性変形可能なバネと前記バネに取り付けたウエイトとからなる動吸振器を密閉ケーシングに取り付けたので、重力方向のみの密閉ケーシングの振動に対して、動吸振器のウエイトも同じ重力方向に、しかも密閉ケーシングの振動の位相と逆位相で揺動することで、密閉ケーシングの振動を打ち消すという作用を有する。
【0048】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の発明において、前記動吸振器を前記密閉ケーシング内の上部空間または下部空間の少なくとも一方に形成したので、密閉ケーシングの大きさを大きくすることなく、動吸振器を内蔵することができるという作用を有する。
【0049】
請求項17に記載の発明は、請求項15から16のいずれか一項に記載の発明において、前記動吸振器の前記ウエイトの形状は、前記密閉ケーシング内側に沿った略環状形状または略円弧形状であるため、動吸振器のウエイトを密閉ケーシングの大きさを大きくすることなく重くでき、低い周波数での低振動化が可能となるという作用を有する。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるリニアモータ及びリニアコンプレッサの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0051】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるリニアモータの側断面図、図2は図1のA−A線断面図、図3はリニアモータの動作原理を示す模式図、図4はフレクシャベアリングの平面図、図5はリニアモータの電流の流れる方向を示す模式図である。
【0052】
図1から図5において、略円筒形をした固定子22は、リング状に巻かれた2つのマグネットワイヤ12a,12bと、このマグネットワイヤ12a,12bを収容するとともに、内周に独立した3つの磁極を形成する固定鉄心23からなる。
【0053】
固定鉄心23は、磁気的に無方向性でかつ透磁率の高い、例えばJIS C2352の無方向性電磁鋼帯に代表されるケイ素鋼板を、前記円筒の軸心に対して放射状に配列している。この固定鉄心23は、軸方向に23a,23b,23cと3つに分かれ、おのおのが内周面に独立した磁極23d,23e,23fを形成し、あらかじめリング状に捲回したマグネットワイヤ12a,12bを挟み込むように組み立てられている。
【0054】
マグネットワイヤ12a,12bの巻線の端部12c,12d,12e,12fは、固定鉄心23の放射状に配置された薄板の一部に隙間を設けて、図3に示すように軸周りに電流が流れる方向が互いに逆向きになるように結線されている。また、端部12g,12hは、電気絶縁した導線を利用して、固定鉄心23の外側に引き出されている。
【0055】
可動子21は、固定子22と軸心を共有する略円筒形をなすとともに、前記軸方向に揺動自在に固定子22の内側に収容され、鉄系材料からなる中空円筒形状をなした芯部21aと、この芯部21aの外周に前記軸心を中心として放射状に透磁率の高い、例えばJIS C2352の無方向性電磁鋼帯に代表されるケイ素鋼板を配列した薄板部21bとが一体となって形成する可動鉄心24と、固定子22の内周と一定の空隙をもって可動鉄心24の外周に接着剤で固定され、軸方向に2つに分離し、表面にそれぞれ異なる磁極を有するマグネット25a,25bとから形成される。マグネット25a,25bは、希土類元素を含み、強磁界を有するマグネットが用いられている。
【0056】
可動軸26a,26bは、芯部21aに固定され揺動方向に延出した軸で、枠体27は固定子22の外周を固定支持している。可動軸26a,26bはいずれも鉄に比べ十分に電気抵抗が大きく、非磁性であるステンレス材料などで形成される。
【0057】
それぞれ可動子21の揺動方向両側に配設されたフレクシャベアリング28a,28bは、板状の弾性材に細い8本のスリットを設けることで形成された8本のアーム28c,28d,28e,28f,28g,28h,28i,28jによって、可動子21を揺動方向に揺動自在に支持している。
【0058】
フレクシャベアリング28a,28bは、それぞれ外周部で枠体27と連結固定され、内周部で可動軸26a,26bと連結固定されており、半径方向の剛性は極めて大きいものの、軸方向(揺動方向)の剛性が小さいといった、いわゆる軸受の特性を有している。半径方向及び軸方向の剛性は、アームの形状や配列、材料、材料厚さなどの設計因子により変化するが、少なくとも可動子21が磁気吸引力によって固定子22に吸引される力を支持し、可動子21と固定子22が全周にわたって一定隙間を確保するだけの半径方向剛性を備えている。
【0059】
マグネット25a,25bと磁極23d,23e,23fは、可動子21が揺動した際にも、それぞれ、マグネット25aが電極23d,23eと対向し、マグネット25bが磁極23e,23fと対向するように配置されている。 また、可動子21は揺動時に固定子22の内部から外に出ないように長さが選択されており、固定子22との長さの差は可動子21の最大振幅と概ね一致する。
【0060】
以上のように構成されたリニアモータについて、以下その動作を説明する。
【0061】
リング状のマグネットワイヤ12a,12bに電流を通じると、まず、矢印で示すように固定鉄心、空隙、マグネット、可動鉄心、マグネット、空隙、固定鉄心へとループする磁束Φが発生する。この磁束Φにより、固定鉄心23への各磁極23d,23e,23fはそれぞれN極、S極、N極に磁化される。可動子21のマグネット25a,25bの外表面はそれぞれS極、N極に磁化されているので、各磁極と各マグネットとの間には白抜きで示す吸引、反発の力が発生し、可動子21は矢印イで示す方向に駆動される。
【0062】
次にマグネットワイヤ12a,12bに逆向きの電流が流れると、前述と逆の動作が生じ、可動子21は矢印イと逆向きに駆動される。電流の方向と大きさを交互に切り換えるよう制御することで可動子21の往復動作が行われる。
【0063】
ここで、フレクシャベアリング28a,28bには可動子21の往復運動に伴って、微小な回転ねじれが生じるが、可動子21と固定子22の形状が円筒型となっているのでこの回転ねじれを吸収し、可動子21が回転しても固定子22とは一定の空間距離を保つことができ、可動子21と固定子22が接触したり衝突することによる効率の低下、騒音の増大といった問題を防止することができる。また、可動子21と固定子22の位置関係は互いの軸心を合わせるだけでよい。例えば可動子21の表面が平面である場合に比べ、空隙を一定に保つように組み立てることが容易である。その結果、可動子21と固定子22の間に作用するマグネット25a,25bによる磁気吸引力の偏りがほとんどなく、その結果、半径方向への荷重がほとんど生じない。
【0064】
しかも、その半径方向への荷重はフレクシャベアリング28a,28bにて支持されているため、すべり軸受などの支持機構を使用する場合など比べ、可動子21の揺動に伴う摺動損失は発生しない。さらに、側方向への荷重がほとんど生じないために、可動子21を支持するためにフレクシャベアリング28a,28bに必要な半径方向の剛性も小さく、フレクシャベアリング28a,28bの枚数を減らす、厚さを薄くする、アーム数を減らすなどの低剛性設計を行なうことにより、揺動方向にフレクシャベアリング28a,28bが変形する際のヒステリシス損失を最小限に抑えることができ、高い効率を得ることができる。尚、このヒステリシス損失とは、バネを例に説明すると、バネを圧縮し内部に蓄積したエネルギーを、バネが伸びる反発力として完全には取り出せず、その際に生じる損失を意味する。
【0065】
また、マグネット25a,25bは可動鉄心24外周に固定してあるため、従来の可動マグネット型のリニアモータに比べ、マグネット25a,25bと可動鉄心24の間に空隙が存在しない分、磁束ループ中の空隙が少ない。その結果、磁気抵抗が小さくなるため、磁束は可動マグネット型に比べ流れやすく、必要推力を得るため一定の磁束を発生させるマグネットワイヤ12a,12bへの電流を少なくすることができ、効率の向上やマグネット量の低減を図ることができる。
【0066】
また、可動子21の可動鉄心24および固定子22の固定鉄心23はいずれも軸方向を中心に放射状に配設した薄板で構成しているので、薄板の延展方向と磁束方向が一致するため透磁率を高めるとともに、鉄心内に発生する誘導電流を抑制し、損失を減少させることができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、マグネット25a,25bを可動鉄心24の表面に接着剤で貼り付けて、可動子21と一体化していることで、脆いマグネット自身の強度を補完することができる。その結果、高価な希土類からなるマグネットを薄くすることができ、大幅なコストダウンとともに可動部の軽量化による効率の向上が得られる。
【0068】
加えて本実施の形態では、可動子21を支持する可動軸26a,26b、固定子22の外周を支持する枠体27、フレクシャベアリング28a,28bは非磁性体であるステンレスで構成されているため、固定鉄心23から枠体27、フレクシャベアリング28a,28bを経て可動軸26a,26bを迂回する磁束の漏れを防ぐとともに、漏れ磁束による誘導電流の発生を防止でき、モータの効率低下を防ぐことができる。なお、プラスティックなどステンレス以外の非磁性材料をこれらの部分に用いても、同様の効果を得ることができる。
【0069】
また、固定鉄心23は、マグネットワイヤ12a,12bの収納部分を含む断面で軸方向に3つのブロック23a,23b,23cに分割されているため、あらかじめリング状に巻いたマグネットワイヤ12a,12bを挟み込むように挿入することで組立が可能となり、高い生産効率を得ることができる。
【0070】
なお、本実施例では固定子22の磁極数を3とし、可動子21のマグネットを軸方向に2つ配置したが、固定子の磁極数を2つ、あるいは4つ以上としても、モータは構成可能である。この場合、軸方向に磁極数より1つ少なく可動子にマグネットを配置すればよく、本実施の形態で得られる効果に変わりはない。
【0071】
可動子21の可動鉄心24は円筒状の芯部を軸として、周囲に放射状に同じ幅を有する薄板を配置しているため、容易に円筒形状を形成することができる。
【0072】
さらに、可動子21の芯部21aは鉄系材料で形成されているため、磁束ループの磁路の一部として作用するので、可動子21を軽量化しながら効率向上を図ることができる。
【0073】
また、構造体としての強度や、磁束ループの磁路としての寄与が小さい芯部21aの中心付近は中空としているので、可動子21を軽量化することができる。
【0074】
磁束の流れは、固定鉄心23a内で90度方向を変えているが、固定鉄心23には無方向性電磁鋼帯を使用しているため、磁束がどの方向に流れても透磁性に方向性を有さないため、著しい効率低下は起こらない。
【0075】
さらに、可動子21の往復距離の最大値を概ね可動子21と固定子22の長さの差と一致させることで、可動子21のマグネット25a,25bが固定子22の外側に飛び出し固定子22内部に引き戻す磁気吸引力が作用することに起因してモータ推力が低下することを防止している。
【0076】
なお、本発明のフレクシャベアリングは、板状の弾性体に渦巻状のアームを備えたものであるが、他の形状であってもよい。
【0077】
また、リニアモータとして説明したが、まったく同一構成で往復運動を電流に変換する発電機としても利用可能である。
【0078】
また、リング状に巻いたマグネットワイヤを直列に結線したが、並列に結線してもよい。
【0079】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2によるリニアモータの断面図である。図6において、可動子21以外は実施の形態1と同じ構成であるため、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0080】
図6に示すように、略円弧状の断面形状を持つマグネット29a,29b,29c、29dが可動鉄心24の内部に配設して可動子21と一体化している。
【0081】
そのため、上述した効果に加えて、マグネット29a,29b,29c、29dが可動子21の表面に露出していないため、磁性体との吸引力が小さいために、磁性体との組み立てが容易となるといった取り扱いが容易となり、量産性や生産性が大幅に向上する。
【0082】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3によるリニアモータの断面図である。
【0083】
図7において、コイルバネ30a,30bは、一端が可動子21に連結された可動軸26a,26bに係止され、他端が枠体27に固定されたバネホルダー31a,31bに係止されている。コイルバネ30a,30bの組み付け時の長さ(L)は自然長(H)よりも短く、その圧縮寸法(H−L)は可動子21の揺動距離、即ちストローク(S)の1/2以上となっており、可動子21をコイルバネ30a,30bにより両側から押圧されて組み立てられている。
【0084】
このコイルバネ30a,30bは、フレクシャベアリング28a,28bと併せた総和のばね定数として、可動子21との質量の関係で決まる共振周波数を決定する。
【0085】
往復動する可動子21、可動軸26a,26b及びコイルバネ30a,30b、さらに固定子22といった全ての構成部品は、枠体27とバネホルダー31a,31bで構成された略密閉空間31c内に収納されている。
【0086】
その他の部分については、実施の形態1と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0087】
以上のように構成されたリニアモータについて、以下その動作を説明する。
【0088】
リング状のマグネットワイヤ12a,12bに交流電流を通じると、実施の形態1と同様の原理で、可動子21の往復動作が行われる。例えば、可動子21が矢印ロの方向に移動した際には、コイルバネ30aが撓みコイルバネ30aに反発力が蓄えられる。
【0089】
次に電流の流れ方向が変り、可動子21が矢印ハの方向に移動する際には、反発力(A)がコイルバネ30aから取り出され、可動子21の速度として回収される。と同時に、今度はコイルバネ30bが撓みコイルバネ30bに反発力(B)が蓄えられ、可動子21が再び矢印ロの方向に移動する際には、反発力(B)がコイルバネ30bから取り出され、可動子21の速度として回収される。
【0090】
この動作がいわゆる共振作用であり、コイルバネ30a,30bを用いない時と比べて、小さい電流でストロークが大きい往復運動を行なうことができる。この時の電源の周波数を、可動子21、固定子22の質量とコイルバネ30a,30bのバネ定数から求められる共振周波数と一致させることで、可動子21と共振ばねであるコイルバネ30a,30bからの加速度の周期が同期され、その結果、エネルギーロスは小さく抑えられ、可動子21を効率よく往復動させることができる。
【0091】
この共振作用における共振周波数の設計において、共振周波数を高くする設計のためには、可動子21の重量の低減や、コイルバネ30a,30bやフレクシャベアリング28a,28bのばね定数を大きくすることでの対応が容易であるが、可動子21の重量の低減にはモータとしての設計限界があり、現実的にはばね定数を大きくするほうが容易なことが多い。
【0092】
そのばね定数を大きくするために、フレクシャベアリング28a,28bのばね定数を大きくする(例えば厚さを厚くしたり、複数枚重ねるなど)と、ヒステリシス損失が大きくなり効率が低下する。しかし、コイルバネ30a,30bは基本的にヒステリシス損失がないため、コイルバネ30a,30bばね定数のみを大きくすることで、共振周波数を高くする設計において、ヒステリシス損失が小さく高い効率が確保することが可能である。
【0093】
また、コイルバネ30a,30bの組み付け時の長さ(L)は自然長(H)よりも短く、その圧縮寸法(H−L)は可動子21の揺動距離、即ちストローク(S)の1/2以上となっている。
【0094】
そのため、可動子21が矢印ロの方向に最大限移動した場合でも、コイルバネ30bの長さ(Lb)は自然長(H)よりも短い、即ちコイルバネ30bは自然長から必ず圧縮された状態にあることになる。
【0095】
同様に、可動子21が矢印ハの方向に最大限移動した場合でも、コイルバネ30aの長さ(La)は自然長(H)よりも短い、即ちコイルバネ30aは自然長から必ず圧縮された状態にあることになる。
【0096】
従って、可動子21が往復動しても、常にコイルバネ30a,30bは自然長よりも圧縮された状態であるため、特別な固定手段を用いなくとも、その変形により蓄えられるエネルギーによって、コイルバネ30a,30bは可動軸26a,26bとバネホルダー31a,31b間に撓んだ状態で係止することができ、脱落することも無い。
【0097】
さらに、往復動する可動子21、可動軸26a,26b及びコイルバネ30a,30b、さらに固定子22といった全ての構成部品は、枠体27とバネホルダー31a,31bで構成された略密閉空間31c内に収納されているため、可動子21、可動軸26a,26b、コイルバネ30a,30bの動きに伴う騒音を略密閉空間31cに内にとどめ、外部に騒音が伝わることを低減する、いわゆる遮音効果を得ることができる
また、可動子21の可動鉄心24および固定子22の固定鉄心13はいずれも軸方向を中心に放射状に配設した薄板で構成されているため、構成部品が振動することで、振動に起因する薄板などからの騒音が発生することもあるが、この騒音についても遮音することができる。
【0098】
尚、本実施の形態においては、コイルバネ30a,30bを同じばね定数の同一ばねとしているが、ばね定数や寸法が異なるコイルバネを組み合わせたとしても、同様に実施可能である。
【0099】
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4によるリニアコンプレッサの断面図である。
【0100】
図8において、フレクシャベアリング28a,28bの外周部は、バネホルダー31a,31bと、固定子22を支持している枠体27とで挟み込んで固定されている。また、フレクシャベアリング28a,28bの内周部は、可動子21に連結された可動軸26a,26bとバネアダブター32a,32bに係止されている。
【0101】
コイルバネ30a,30bは、可動子21と固定子22とからなるリニアモータ37を挟んで両端面側に配置され、さらにバネアダブター32a,32bとバネホルダー31a,31b間に撓んだ状態で係止しており、特別な固定手段は用いていない。ただ、バネアダブター32a,32bとバネホルダー31a,31bの中央にコイルバネ30a,30bを係止するために、コイルバネ30a,30bとの当接面に僅かな段を設けている。
【0102】
シリンダ33は、バネホルダー31bに固定されており、シリンダ33にはシリンダカバー34が固定されている。
【0103】
バネアダブター32bは、ボールジョイント35を介してピストン36と連結されており、ピストン36はバネアダブター32bに対して自由に傾斜、回転することが可能である。圧縮室38は、ピストン36とシリンダ33とで構成されている。
【0104】
以上のように構成されたリニアコンプレッサにおいて、以下その動作を説明する。
【0105】
リニアモータ37のマグネットワイヤ12a,12bに交流電流を流すと、可動子21は固定子22に対して往復動し、その駆動力が可動軸26b、バネアダブター32b、ボールジョイント35を介してピストン36に伝達され、ピストン36が可動子21と一体となって往復動する。そしてこのピストン36の往復動により、圧縮室38内に吸入された冷媒ガスを順次圧縮し、外部の冷凍サイクルへ吐出する。
【0106】
この時、実施の形態2にて説明した通り、リニアモータ37に通電する電源の周波数を、可動子21、固定子22の質量と、コイルバネ30a,30bのバネ定数から求められる共振周波数と一致させることで、可動子21と共振ばねであるコイルバネ30a,30bからの加速度の周期が同期され、その結果、エネルギーロスは小さく抑えられ、可動子21を効率よく往復動させることができる。
【0107】
特に、可動子21をフレクシャベアリング28a,28bにて両持ち支持されているため、すべり軸受などの支持機構を使用する場合などと比べて、可動子21の揺動に伴う摺動損失は発生しない。さらに、フレクシャベアリング28a,28bが変形する際のヒステリシス損失についても、フレクシャベアリング28a,28bに必要な半径方向の剛性も小さく、フレクシャベアリングの枚数を減らす、厚さを薄くする、アーム数を減らすなどの低剛性設計を行なうことにより最小限に抑えることができ、高い効率を得ることができる。
【0108】
さらに、可動子21の半径方向に作用する磁気吸引力を全て、フレクシャベアリング28a,28bにて両持ち支持されているため、可動子21と固定子22間で発生する磁気吸引力、即ち可動子21が固定子22に対して半径方向に引き寄せられる力が、ピストン36とシリンダ33の側圧となって作用し摺動損失が発生するといったことは起こらない。そのため、摺動損失の低減による高効率化を達成することが出来るとともに、摺動部の信頼性も大幅に向上する。
【0109】
さらに、可動子21の半径方向に作用する磁気吸引力がピストン36とシリンダ33の側圧として作用しないため、可動子21の往復動運動をピストン36に伝達するバネアダブター32bとピストン36間にボールジョイント35を配設してもピストン36を支持することが可能となる。そのため、シリンダ33内をピストン36が往復動する際には、シリンダ33の摺動部に対して軸傾斜がほとんどない状態で揺動するよう、ボールジョイント35によりピストン36が傾斜することができる。
【0110】
従って、可動子21とシリンダ33の軸心がずれたり、軸が傾斜して組み立てられても、ピストン36とシリンダ33の軸心が合うようにボールジョイントで軸ずれや軸傾斜を吸収することができ、部品や部品組み立て精度を向上させることなく、シリンダ33とピストン36間の側圧低減による摺動損失を低減することで、コンプレッサとして高効率化を図ることができる。
【0111】
(実施の形態5)
図9は、本発明の実施の形態5によるリニアコンプレッサの要部断面図である。図9において、リニアモータ37などは実施の形態4の図8と同じ構成であるため、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0112】
図9において、ピストン39aは、少なくとも一部が細棒のように半径方向の剛性が小さく、容易に半径方向に弾性変形可能な、いわゆる弾性体からなる可倒ロッド40と、フレクシャベアリング28b、可動軸26bを介して可動子21と連結されている。
【0113】
可倒ロッド40は、強度などの面から、ステンレスやアルミニウムなどの材料を用い、断面形状が円形の比較的細い部位を備えている。この細い部位を備えることで、可倒ロッド40は軸方向に対して傾斜した方向に弾性変形の範囲内で倒れることが可能である。
【0114】
また、シリンダカバー34内の高圧室34aに吐出された冷媒ガスの多くは、Dライン41を経由してコンプレッサの外に吐出され、一部はシリンダ42a内に設けられた複数の連通路43を経由してピストン39aとシリンダ42aとの摺動部に導かれ、ガスベアリング47を形成している。さらに、潤滑油は使用していない。
【0115】
シリンダカバー34内の高圧室34a内には、吐出バルブ機構44と、吐出バルブ機構44をシリンダ42aに付勢している吐出スプリング45が配設されている。
【0116】
第2吸入管46は、一端46aがバネホルダー31b内で、シリンダ42aの反圧縮室側近傍に開口しており、他端46bは密閉ケーシング47内に開口している。吸入路39bが、ピストン39a内に設けられており、吸入バルブ機構39cはピストン39aの圧縮室38側に取り付けられている。
【0117】
以上のように構成されたリニアコンプレッサについて、以下その動作を説明する。尚、他の実施の形態と同様の内容については、同一符号を付し詳細な説明を省略する。
【0118】
可動子21の半径方向に作用する磁気吸引力を全て、フレクシャベアリング28a,28bにて両持ち支持されているため、可動子21の往復動運動をピストン39aに伝達する部材が磁気吸引力を支持する必要はなく、軸方向の剛性のみ求められ、半径方向の剛性は小さくてよい。
【0119】
そのため、ピストン39aと可動子21の連結に、一部分が細棒のように半径方向の剛性が小さく、容易に半径方向に弾性変形可能な、弾性体からなる可倒ロッド40を使用することで、可動子21とシリンダ42aの軸心がずれたり、軸が傾斜して組み立てられていても、ピストン39aとシリンダ42aの軸心が合い軸傾斜もない状態となるように可倒ロッドが傾いたり撓むことで、部品精度や部品組み立て精度の不具合を吸収ことができる。
【0120】
従って、部品や部品組み立て精度を向上させることなく、シリンダ42aとピストン39a間の側圧を低減することができ、摺動損失の低減により、コンプレッサとして高効率化を図ることができるとともに、摺動部の信頼性も更に向上する。
【0121】
さらに、可倒ロッド40は、ボールジョイント機構などと比べて構造が簡単である上に、ボールジョイント機構のように僅かな摺動部さえもないため、摺動損失も小さく且つ連結機構としての信頼性も高い。
【0122】
また、潤滑油を使用しないオイルフリーの構成であり、潤滑油に冷媒が溶解しない分、冷却システムに使用する冷媒量を低減でき安価となるだけでなく、冷却システムにおける熱交換の効率が向上し、冷却システム全体の効率が向上する。さらに、自然冷媒、可燃性冷媒を使用した場合においては、冷媒の使用量を低減できるため、万一冷媒が漏洩した際の引火、爆発の可能性が低くなり、安全性が向上する。
【0123】
また、シリンダカバー34内の高圧室34aに吐出された冷媒ガスの一部が、シリンダ42a内に設けられた複数の連通路43を経由して、ピストン39aとシリンダ42aとの摺動部の微少隙間に導かれてガス膜を形成(いわゆるガスベアリング47)し、ピストン39aとシリンダ42aが非接触状態になる。
【0124】
ガスベアリング47の性能として、いかに少ないガス量、低いガス圧で非接触化を実現できるかの評価されることが一般的であるが、連通路43の形状、寸法、配設位置などによって、ガスベアリング47の性能が大きくい変化することを確認済みであり、少なくとも連通路43の一部に、φ30μmからφ200μmレベルの断面積に相当する微小な断面積部の配設が望ましいとの結果を得ている。そのため、潤滑油が存在する運転では、この微小な断面積部が潤滑油で詰まって冷媒ガスが流れず、ガスベアリング47が機能しない。そのため、潤滑油を使用せずガスベアリング47を用いることになる。
【0125】
以上のように、ピストン39aとシリンダ42aとを非接触状態にできることで、ピストン39aとシリンダ42a間の摺動損失をほぼ零にまで低減できるとともに、摺動部の摩耗といった信頼性についても大幅に向上する。その効果は、運転周波数が高く摺動損失がもともと大きいコンプレッサであるほど、その効果は大きい。
【0126】
摺動損失は上記の通りほぼ零に低減できるものの、ピストン39aとシリンダ42aの摺動部に冷媒ガスを導くために、摺動部の漏れ損失が増大し、また圧縮した高圧ガスをガスベアリング47として使用するため圧縮損失も増大する。しかしながら、上述したガスベアリング47の設計ノウハウなどをもとに、その損失の低減も設計要素として可能である。
【0127】
(実施の形態6)
図10は、本発明の実施の形態6によるリニアコンプレッサの要部断面図である。図10において、リニアモータ37などは実施の形態4の図8や実施の形態5の図9と同じ構成であるため、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0128】
図10において、ピストン39dに自己潤滑性を有する材料47aを使用し、シリンダ42bにセラミックス系材料47bを使用している。
【0129】
そのため、ガスベアリング47を使用しない場合においても、自己潤滑性の効果やセラミックス系材料47bの耐摩耗性により、潤滑油を使用しない運転においても摺動部の摩耗を防止でき、信頼性を確保することができる。
【0130】
また、密閉ケーシング48内に吸入された冷媒ガスは、第2吸入管46を介してシリンダ42bの反圧縮室側近傍に導かれ、シリンダ42bの反圧縮室側、ピストン39dの反圧縮室側、そしてピストン39dに設けられた吸入路39a、吸入バルブ機構39bを介して、圧縮室38内に流入する。
【0131】
圧縮室38で圧縮された冷媒ガスは、吐出バルブ機構44をシリンダ42bに付勢している吐出スプリング45の付勢力に打ち勝って開き、シリンダカバー34内の高圧室34aへと吐出される。
【0132】
この時、冷蔵庫などの冷却システムにおける過渡運転時には、必ず運転圧力変動があり、そういった際には、ピストン39dが所定のストロークを超えて往復動することが発生する。また、コンプレッサの運転電流や運転電圧などを制御している場合においては、更に制御精度や外乱対応精度などに起因して、ピストン39dが所定のストロークを超えて往復動することが発生する。
【0133】
しかしながらその場合にでも、ピストン39dが吐出バルブ機構44を押し退けて揺動可能であるため、押し退け出来ない吐出バルブ機構と比べてピストン39dに掛かる衝突の衝撃力を緩和することができる。そのため、ピストン39dの衝突時の騒音を低減できるとともに、吐出バルブ機構44やピストン39dの信頼性の向上を図ることが出来る。
【0134】
(実施の形態7)
図11は、本発明の実施の形態7によるリニアコンプレッサの断面図である。
【0135】
図11において、リニアモータ37などは実施の形態5の図9と同じ構成であるため、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0136】
図11において、密閉ケーシング48内に、可動子21の揺動方向が重力方向と一致するように圧縮機構部49を縦型に配置されて、複数のサスペンションスプリング50、トップスプリング51にて内部懸架、内部支持されている。
【0137】
動吸振器52は、ウエイト53、バネ54、ホルダー55とから構成され、密閉ケーシング48内の上部空間に形成している。ウエイト53は、単一または複数個からなり、その形状は、密閉ケーシング48内側に沿った略環状形状または略円弧形状略環状形状または略円弧形状である。
【0138】
組み立てられた状態またはリニアコンプレッサが停止している状態では、バネ54aと54bは共に自然長より短く、圧縮された状態にある。そのためウエイト53は、ピストン39aの揺動方向と同一方向に、バネ54aと54bのバネ力により挟持されてホルダー55に一体に取り付けられている。ホルダー55の形状も略環状形状または略円弧形状である。
【0139】
バネ54はウエイト53の移動に伴い、ピストン39aの揺動方向に弾性変形可能である。さらに、ウエイト53の重量及びバネ54のピスト揺動方向のバネ定数の総和は、それらからから決まる共振周波数がリニアコンプレッサの運転周波数と一致するように選択されている。
【0140】
さらに、シリンダ42aはコイルバネ30b内に挿入配置されている。
【0141】
以上のように構成されたリニアコンプレッサについて、以下その動作を説明する。尚、他の実施の形態と同様の内容については、詳細な説明を省略する。
【0142】
可動子21の揺動方向が重力方向と一致するように縦型配置としているため、可動子21の半径方向に作用する力は、可動子21と固定子22の間に作用するマグネット25a,25bによる磁気吸引力のみであり、可動子21の重力は作用しない。
【0143】
そのため、可動子21を支持し磁気吸引力を支持しているフレクシャベアリング28a,28bの半径方向の剛性も、可動子21の重力が作用しない分、小さくすることができる。例えば、例えば安価な材料選定、板厚の低減、形状の簡素化、小型化などが可能となる。
【0144】
また同様に、シリンダ42aとピストン39aの摺動部において、ピストン39aへの重力による側圧が作用しないため、その分、摺動損失を低減することができる。
【0145】
次に、動吸振器52による低振動化について説明する。
【0146】
可動子21は固定子22に対して往復動し圧縮を行うが、この際圧縮機構部49の固定子22は可動子21の往復動の反作用などにより、ピストン39aの往復方向に振動する。圧縮機構部49は、サスペンションスプリング50により、密閉ケーシング1内に弾性的に懸架されており、圧縮機構部49の振動はサスペンションスプリング50を介して密閉ケーシング48に加振力として伝達する。密閉ケーシング48に伝達された加振力により、ウエイト53とバネ54とからなる共振系が励起され、ウエイト53がピストン39aの往復方向に振動する。この時、サスペンションスプリング50から密閉ケーシング48に伝わる加振力と、ウエイト53の振動による作用力の大きさがほぼ等しく且つ逆位相で作用するため、圧縮機構部49からの加振力は動吸振器52からの作用力により打ち消される。
【0147】
また、密閉ケーシング48の振動の周波数は、リニアコンプレッサの駆動周波数に一致するため、リニアコンプレッサの駆動周波数と動吸振器52のウエイト53の揺動周波数を合わせることで、動吸振器52の効果を最大限に引き出し、密閉ケーシング48の振動を最大限に低減することができる。具体的には、密閉ケーシング48と動吸振器52のウエイト53の質量とバネ54のばね定数とで決まる共振周波数が、リニアコンプレッサの駆動周波数と一致するように、ウエイト53の質量とバネ54のばね定数を選択設計することで、最大限に振動を低減することができる。
【0148】
尚、動吸振器55を用いない場合でも、縦型配置とすることで可動子21の揺動方向とサスペンションスプリング50の伸縮方向とがともに重力方向で一致するため、密閉ケーシング48の振動方向も重力方向となる。そのため、サスペンションスプリング50の剛性を小さくするといった簡単な方法で、圧縮機構部48の振動が密閉ケーシング48に伝達されることを低減し、動吸振器52を取り付けた時ほどではないものの、ピストン39aの往復方向が水平方向である横型配置よりも、密閉ケーシング48の大幅な低振動化を図ることができる。
【0149】
また、上述した動吸振器52を密閉ケーシング48の上部空間に形成している。圧縮機構部49のうち半径方向に最も大きく、径方向の大きさを決定しているのはリニアモータ37であるが、密閉ケーシング48の上部空間にはリニアモータ37を配置していない。
【0150】
そのため、密閉ケーシング48の径方向の大きさに対して、上部空間と下部空間には、無効な空間が形成されるが、この空間に動吸振器52を形成することで、密閉ケーシング48の大きさを大きくすることなく、動吸振器52をコンパクトに内蔵し、低振動化を達成することができる。
【0151】
特に、リニアモータ37の円形形状、密閉ケーシング48の円形形状と同様に、動吸振器52の形状を密閉ケーシング48内側に沿った略環状形状または略円弧形状とすることで、密閉ケーシング48の大きさを大きくすることなく、動吸振器52をコンパクトに内蔵することができる。さらに、動吸振器52のウエイト53を大きくする、即ち重くすることができ、密閉ケーシング48と動吸振器52のウエイト53の質量とバネ54のばね定数とで決まる共振周波数の設計幅が大きくすることができる。そのため、動吸振器52で密閉ケーシング48の振動を低減できる駆動周波数の幅が広くなり、低振動で駆動できるリニアコンプレッサの運転周波数幅が大きくできる。
【0152】
さらに、シリンダ42aの少なくとも一部をコイルバネ30b内に挿入配置したので、コイルバネ30b外にシリンダ42aを配置した時と比較して、圧縮機構部49の可動子21の揺動方向の大きさを小さくすることができる。そのため、リニアコンプレッサとして密閉ケーシング48の小型化、特に可動子21の揺動方向の小型化を図ることができる。
【0153】
尚、本実施の形態においては、動吸振器52を密閉ケーシング48内の上部空間に形成しているが、密閉ケーシング48内の下部空間に形成しても同様の効果が得られる。
【0154】
また、本実施の形態においては、リニアモータが重力方向上方に配置されているが、リニアモータが重力方向下方に配置されても、同様に実施可能である。
【0155】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明は、低コストかつ高効率化を図ることができるという効果がある。
【0156】
また、請求項2に記載の発明は、可動子と固定子の破損や支持機構の摩耗を防止することができるという効果がある。
【0157】
また、請求項3に記載の発明は、比較的高い共振周波数での共振作用を利用してより効率の高い運転を行なうことができるという効果がある。
【0158】
また、請求項4に記載の発明は、コイルバネが可動子及びバネホルダーと離れることはなく、常に効率の高い共振運動を繰り返し行うことができるという効果がある。
【0159】
また、請求項5に記載の発明は、モータ騒音を大幅に低減することができるという効果がある。
【0160】
また、請求項6に記載の発明は、コンプレッサとして高効率化を図ることができるという効果がある。
【0161】
また、請求項7に記載の発明は、コンプレッサとして高効率化を図ることができるという効果がある。
【0162】
また、請求項8に記載の発明は、容易で且つ高信頼生を確保しつつ、コンプレッサとして高効率化を図ることができるという効果がある。
【0163】
また、請求項9に記載の発明は、冷却システムに使用する冷媒量を低減できるとともに、システム全体の効率が向上するという効果がある。
【0164】
また、請求項10に記載の発明は、摺動損失をほぼ零にまで低減できるとともに、摺動部の摩耗といった信頼性も大幅もほとんど無いという効果がある。
【0165】
また、請求項11に記載の発明は、自己潤滑性の効果により潤滑油を使用しなくても摺動部摩耗を防止できるという効果がある。
【0166】
また、請求項12に記載の発明は、セラミックス系材料の耐摩耗性により、潤滑油を使用しなくても摺動部摩耗を防止できるという効果がある。
【0167】
また、請求項13に記載の発明は、リニアコンプレッサとして密閉ケーシングの小型化を図ることができるという効果がある。
【0168】
また、請求項14に記載の発明は、フレクシャベアリングの小型化、低コスト化に加えて、摺動損失の低減を図ることができるという効果がある。
【0169】
また、請求項15に記載の発明は、密閉ケーシングの低振動化を図ることができるという効果がある。
【0170】
また、請求項16に記載の発明は、密閉ケーシングの大きさを大きくすることなく、動吸振器を内蔵することができるという効果がある。
【0171】
また、請求項17に記載の発明は、密閉ケーシングを大きくすることなく、動吸振器のウエイトを重くでき、低い周波数での低振動化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるリニアモータの実施の形態1の断面図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】同実施の形態のリニアモータの動作原理を示す模式図
【図4】同実施の形態のフレクシャベアリングの平面図
【図5】同実施の形態のリニアモータの電流の流れを示す模式図
【図6】本発明によるリニアモータの実施の形態2の断面図
【図7】本発明によるリニアモータの実施の形態3の断面図
【図8】本発明によるリニアコンプレッサの実施の形態4の断面図
【図9】本発明によるリニアコンプレッサの実施の形態5の要部断面図
【図10】本発明によるリニアコンプレッサの実施の形態6の要部断面図
【図11】本発明によるリニアコンプレッサの実施の形態7の断面図
【図12】従来のリニアコンプレッサの断面図
【図13】図12の要部拡大図
【符号の説明】
12a,12b マグネットワイヤ
21 可動子
22 固定子
23 固定鉄心
23d,23e,23f 磁極
24 可動鉄心
25a,25b マグネット
26a,26b 可動軸
28a,28b フレクシャベアリング
29a,29b,29c,29d マグネット
30a,30b コイルバネ
31a,31b バネホルダー
31c 略密閉空間
33 シリンダ
35 ボールジョイント
36 ピストン
37 リニアモータ
39a,39d ピストン
40 可倒ロッド
42a,42b シリンダ
47 ガスベアリング
47a 自己潤滑性を有する材料
47b セラミックス系材料
48 密閉ケーシング
52 動吸振器
53 ウエイト
54 バネ

Claims (17)

  1. 少なくとも2つの磁極を形成し、固定鉄心および前記固定鉄心に係着したマグネットワイヤを備えた固定子と、前記固定子の内側に位置し、可動鉄心とマグネットとを備えた可動子と、略板状の弾性材に形成された複数のアームによって前記可動子を揺動方向に揺動自在に支持するフレクシャベアリングを備えたリニアモータ。
  2. 前記固定子の内側に形成した磁極と、前記可動子の外周面とは、前記可動子の揺動方向の軸心を共有した略円筒形をなす請求項1に記載のリニアモータ。
  3. 一端が前記可動子または前記可動子の軸心に延出形成された可動軸に係止され、他端が前記固定子に固定されたバネホルダーに係止されたコイルバネを備えた請求項1または2のいずれか一項に記載のリニアモータ。
  4. 静止状態において、前記コイルバネの圧縮寸法を前記可動子の揺動距離の1/2以上とした請求項3に記載のリニアモータ。
  5. 前記バネホルダーは、前記フレクシャベアリングと前記コイルバネを内部に収容する略密閉空間を形成した請求項3または4のいずれか一項に記載のリニアモータ。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のリニアモータと、前記可動子と軸心を共有するシリンダと、前記シリンダ内に往復自在に挿入され、前記可動子と連結されたピストンとを備えたリニアコンプレッサ。
  7. 前記ピストンと前記可動子が、ボールジョイントを介して連結された請求項6に記載のリニアコンプレッサ。
  8. 前記ピストンと前記可動子が、弾性体からなる可倒ロッドを介して連結された請求項6に記載のリニアコンプレッサ。
  9. 潤滑油を使用しない請求項6から8のいずれか一項に記載のリニアコンプレッサ。
  10. 前記シリンダと前記ピストンとの摺動部をガスベアリングを構成した請求項6から9のいずれか一項に記載のリニアコンプレッサ。
  11. 前記シリンダか前記ピストンの少なくとも一方に、自己潤滑性を有する材料を用いた請求項9に記載のリニアコンプレッサ。
  12. 前記シリンダか前記ピストンの少なくとも一方に、セラミックス系材料を用いた請求項9に記載のリニアコンプレッサ。
  13. 前記シリンダの少なくとも一部をコイルバネ内に挿入配置した請求項6から12のいずれか一項に記載のリニアコンプレッサ。
  14. 前記可動子の揺動方向を重力方向と一致させた請求項6から13のいずれか一項に記載のリニアコンプレッサ。
  15. 前記可動子の揺動方向に弾性変形可能なバネと前記バネに取り付けたウエイトとからなる動吸振器を密閉ケーシングに取り付けた請求項14に記載のリニアコンプレッサ。
  16. 前記動吸振器を前記密閉ケーシング内の上部空間または下部空間の少なくとも一方に形成した請求項15に記載のリニアコンプレッサ。
  17. 前記動吸振器の前記ウエイトの形状は、前記密閉ケーシング内側に沿った略環状形状または略円弧形状である請求項15から16のいずれか一項に記載のリニアコンプレッサ。
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