JP2017017873A - リニア振動モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】固定シャフトを備えることで、安定した振動が得られると共に耐衝撃強度に優れる利点を享受しながら、薄型化或いは幅方向のコンパクト化を可能にする。【解決手段】リニア振動モータ1は、マグネット部4と錘部7を備える可動子10と、可動子10を収容する枠体2と、枠体2に固定されマグネット部4を一軸方向に沿って駆動するコイル3と、マグネット部4に付与される駆動力に反発する弾性力を可動子10に付与する弾性部材6と、一軸方向に沿って配置され、一端側が枠体に固定されると共に、自由端側が可動子10を摺動自在に支持する一対のガイドシャフト8とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、リニア振動モータに関するものである。
振動モータ(或いは振動アクチュエータ)は、携帯電子機器に内蔵され、着信やアラームなどの信号発生を振動によって携帯者に伝える装置として広く普及しており、携帯者が身につけて持ち運ぶウエアラブル電子機器においては、不可欠な装置になっている。また、振動モータは、タッチパネルなどのヒューマン・インターフェイスにおけるハプティクス(皮膚感覚フィードバック)を実現する装置として、近年注目されている。
振動モータは、各種の形態が開発されている中で、直線的な往復振動によって比較的大きな振動を発生させることができるリニア振動モータが注目されている。このリニア振動モータは、直線状の固定シャフトを設け、これに沿って可動子を振動させることで、安定した振動を得ることができ、また固定シャフトで可動子を保持することができるので、落下衝撃時の耐損傷性を得ることができる。
固定シャフトを備えるリニア振動モータの従来技術は、可動子側に錘とマグネットを設け、固定子側に設けたコイルに通電することでマグネットに駆動力(ローレンツ力)を与えるものにおいて、可動子に振動方向に沿った貫通孔を形成し、この貫通孔に一本の固定シャフトを通したもの(下記特許文献1参照)、或いは、振動方向に沿って2本の固定シャフトを設け、2本の固定シャフトの間にコイルとマグネットを配置して可動子を2本の固定シャフトによって摺動自在に支持したもの(下記特許文献2参照)などが提案されている。
特開2012−16153号公報 特開2011−97747号公報
携帯電子機器やウエアラブル電子機器の小型化・薄型化に伴い、それに装備される振動モータには一層の小型化・薄型化の要求がなされている。特に、スマートホンなどのフラットパネル表示部を備える電子機器においては、表示面と直交する厚さ方向の機器内スペースが限られているので、そこに配備される振動モータには薄型化の高い要求がある。
固定シャフトを備えるリニア振動モータの薄型化を考えた場合、前者の従来技術のように、振動方向に沿ってマグネットに錘部を連結した可動子に、振動方向に沿った貫通孔を形成するものでは、マグネット自体に貫通孔を形成することになり、所望の駆動力を得るのに十分なマグネットの体積を確保するためには、固定シャフトの直径に対してマグネットの厚さを十分に厚くすることが必要になる。更に、このマグネットの周囲に更にコイルを配備して駆動部を構成するので、薄型化に対しては十分に対応することができない問題がある。
前述した後者の従来技術のように、2本の固定シャフトを設けてその間にコイルとマグネットを配置するものでは、マグネットに貫通孔を形成する必要が無いのでマグネットの薄型化が可能になる。しかしながら、マグネットの両サイドに2本の固定シャフトを設けているので、リニア振動モータの幅が大きくなる問題が生じる。近年の小型化した電子機器に装備するリニア振動モータとしては、厚さ方向だけで無く幅方向に関してもよりコンパクトなものが求められている。
また、前述した従来技術はいずれも固定シャフトの回りにコイルバネを配置しているので、コイルバネの径を固定シャフトの直径より大きくする必要がある。固定シャフトの直径は部品の加工性及び安定した振動を得るためにはある程度の大きさが必要になるので、それに対してさらに大きい径のコイルバネが配置されることによって薄型化への対応が困難になる問題があった。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、固定シャフトを備えることで、安定した振動が得られると共に耐衝撃強度に優れる利点を享受しながら、薄型化或いは幅方向のコンパクト化を可能にすること、更には、マグネットの体積減少や錘の体積減少を抑えた上で、薄型化或いは幅方向のコンパクト化を可能にすること、などが本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明によるリニア振動モータは、以下の構成を具備するものである。
マグネット部と錘部を備える可動子と、前記可動子を収容する枠体と、前記枠体に固定され前記マグネット部を一軸方向に沿って駆動するコイルと、前記マグネット部に付与される駆動力に反発する弾性力を前記可動子に付与する弾性部材と、前記一軸方向に沿って配置され、一端側が前記枠体に固定されると共に、自由端側が前記可動子を摺動自在に支持する一対のガイドシャフトとを備えることを特徴とするリニア振動モータ。
このような特徴を有する本発明のリニア振動モータは、安定した振動が得られ、耐衝撃強度に優れており、薄型化或いは幅方向のコンパクト化が可能なる。また、マグネット部の体積減少や錘部の体積減少を抑えることができる。
本発明の実施形態に係るリニア振動モータを示した説明図(分解斜視図)である。 本発明の実施形態に係るリニア振動モータを示した説明図(断面図)である。 本発明の実施形態に係るリニア振動モータのガイドシャフトとガイドシャフト支持部材を示した説明図(斜視図)である。 本発明の実施形態に係るリニア振動モータの他の形態例を示した説明図(分解斜視図)である。 本発明の実施形態に係るリニア振動モータを装備した電子機器(携帯情報端末)を示した説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する(以下、異なる図における同一符号は同一部位を示しており、各図における重複説明は省略する。)。図1〜図3は、本発明の一実施形態に係るリニア振動モータの全体構成を示している。各図におけるX方向が振動方向(一軸方向)を示しており、Y方向が幅方向、Z方向が厚さ(高さ)方向を示している。
リニア振動モータ1は、マグネット部4と錘部7を備える可動子10と、可動子10を収容する枠体2と、枠体2に固定されマグネット部4を一軸方向に沿って駆動するコイル3と、マグネット部4に付与される駆動力に反発する弾性力を可動子10に付与する弾性部材6とを備えている。
枠体2は、各部を収容することができる枠構成を有していればよいが、図示の例では、矩形状の底面2Aの周辺に立設される側壁2B,2C,2D,2Eを備えている。また、枠体2は、枠体2内の収容物を覆う蓋板2Qを必要に応じて備えている。蓋板2Qは側壁2B〜2Eの上端面に取り付けられる矩形板状に形成される。枠体2は、金属板を加工(プレス加工など)することで形成することができる。図示の例では、枠体2は、幅方向(図示Y方向)の寸法に対して、厚さ方向(図示Z方向)の寸法を小さく、振動方向(図示X方向)の寸法を大きくした薄厚状の略直方体形状(箱形形状)になっている。
リニア振動モータ1は、枠体2に固定されたコイル3と可動子10の一部であるマグネット部4によって駆動部が構成されている。枠体2に固定されたコイル3に、枠体2に設けた信号入力部2A1から振動発生電流を入力することで、マグネット部4に一軸方向(図示X方向)に沿ったローレンツ力(駆動力)が作用する。
マグネット部4は、一軸方向(図示X方向)に沿った極性を有する偏平矩形状のマグネット片4A,4B,4Cを互いに同極が向き合うように複数配置して、スペーサヨーク4D,4Eを間に挟んで結合したものである。マグネット部4の側面には必要に応じて補強板5が固着されており、これによってマグネット部4の剛性を高めている。
コイル3は、磁極の向きをX方向に向けたマグネット部4の回りに、Y,Z方向に沿って電線を巻いたものであり、その上面と下面の一方又は両方、更には必要に応じて側面を、枠体2の内面に固定している。コイル3の枠体2への固定は、枠体2に直接固定してもよいし、コイル3をコイルボビンに巻いてコイルボビンを枠体2に固定してもよい。
可動子10は、図示の例では、錘部7がマグネット部4の一軸方向(図示X方向)両端部に連結されている。錘部7は、比重の高い金属材料(例えば、タングステン)などによって構成することができ、図示の例では、マグネット部4の厚さよりも大きいZ方向高さを有すると共にマグネット部4の幅より大きいY方向の幅を有する略直方体形状を有している。錘部7は、連結部材12を介してマグネット部4に連結されている。
枠体2には、一対のガイドシャフト8が固定されている。一対のガイドシャフト8は、一軸方向(図示X方向)に沿って分割配置されており、その一端側が枠体2に固定されると共に、他端側(自由端側)が可動子10に摺動自在に支持されている。図示の例では、一対のガイドシャフト8は、その中心が一致するように配置されている。尚、一対のガイドシャフト8は、一軸方向に沿っていればよく、その中心軸が平行になるように並べて設けられていてもよい。
一対のガイドシャフト8の一端側は、図示の例では、2点で枠体2に支持されている。具体的には、ガイドシャフト8の端部が枠体2の側壁2B,2Cに固定されており、更に、ガイドシャフト8の端部から離れたところで支持部2Sによって支持されている。
図3に示すように、側壁2B,2Cと支持部2Sは一つのガイドシャフト支持部材11として一体に形成することができる。図示の例では、側壁2B,2Cに軸方向に延びる延設部を設けてその先端部を折り曲げることで支持部2Sを形成している。図示のように、ガイドシャフト支持部11がガイドシャフト8を支持した状態で、一つの組み付け部品として構成することができる。
可動子10には、ガイドシャフト8の自由端側(他端側)が挿入される孔7Bが一軸方向(図示X方向)に沿って設けられている。孔7B内には、ガイドシャフト8がX方向に摺動自在な軸受9を設けており、これによって、ガイドシャフト8の他端側は可動子10の軸受9に摺動自在に支持されている。可動子10に設けられる孔7Bは、可動子10の錘部7に設けており、可動子10のマグネット部4には孔を設けていない。このように、一対のガイドシャフト8は、枠体2に対して片持ち保持され、自由端側(他端側)に延長線上にマグネット部4が配置されている。
弾性部材6は、一軸方向に沿った一対のガイドシャフト8とは非同軸に配置され、コイル3とマグネット部4とによって生じる駆動力に反発する弾性力を、可動子10に付与している。図示の例では、弾性部材6として一軸方向(X方向)に沿って延び縮みするコイルバネを用いており、片側2個の弾性部材6を錘部7と枠体2の側壁2B,2Cの間に介在させている。図示の例では、弾性部材6は一対のガイドシャフト8と平行に配置されている。そして、弾性部材6の一端は枠体2の側壁2B,2Cに設けた支持突起2Pに係止されており、弾性部材6の他端は錘部7の端部7Aに設けた支持突起7A1に係止されている。
このようなリニア振動モータ1の動作を説明する。非駆動時には、可動子10は弾性部材6の弾性力が釣り合う振動中心位置で静止している。そして、コイル3に、可動子10の質量と弾性部材6の弾性係数で決まる共振周波数の振動発生電流を入力すると、マグネット部4にX方向の駆動力が付与され、この駆動力と弾性部材6の弾性反発力によって可動子10が一軸方向に沿って往復振動する。
このようなリニア振動モータ1によると、一対のガイドシャフト8がマグネット部4を貫通しないので、一対のガイドシャフト8の直径とは無関係にY方向に幅広でZ方向には薄いマグネット部4によって十分な駆動力が得られるマグネット体積を確保することができる。これによって十分な駆動力が得られる薄型のリニア振動モータ1を得ることができる。これに対して、従来技術のように固定シャフトがマグネット部を貫通するものでは、十分な駆動力を得るためにはマグネット部の厚さを固定シャフトよりかなり大きくする必要があり、更にその回りにコイルが巻かれることになるので、固定シャフトの直径と駆動力を基準に考えた場合に十分な薄型化が困難になる。
更に、一対のガイドシャフト8で可動子10を軸支持する本発明の実施形態に係るリニア振動モータ1は、マグネットの左右両サイドに振動方向に沿った一対の固定シャフトを設ける従来技術と比較すると、マグネット部4の左右には軸配置のスペースが不要になるので左右の幅をコンパクト化することが可能になる。
そして、本発明の実施形態におけるリニア振動モータ1の錘部7は、直方体形状に形成することができ、その内部にガイドシャフト8が通る分だけの孔7Bを形成すればよいので、錘部7の体積を十分に大きくすることができる。これによって、振動の慣性力となる可動子10の質量を十分に確保することができる。
更には、弾性部材6を一対のガイドシャフト8に対して非同軸に配置しているので、弾性部材6の直径を一対のガイドシャフト8の直径とは無関係に細径化することができる。弾性部材6を細径化した場合の弾性力の設定は、弾性部材6の材料選択や弾性部材6を多数並列させることなどで適宜設定することができる。これによっても、可動子10を軸支持したリニア振動モータ1の薄型化が可能になる。
この際、一対のガイドシャフト8によって軸支持される可動子10は、一対のガイドシャフト8の回りに回転して、可動子10の左右両側が上下に揺動することが考えられる。これに対しては、錘部7とマグネット部4とを連結する連結部材12の下部を錘部7から突出するように設けて、当接部12Aとしており、枠体2の内面に、連結部材12の当接部12Aが摺動接触する摺動受け部2Rを設けている。これによると、摺動受け部2Rを樹脂材料などで形成することで、連結部材12の当接部12Aが枠体2の内面に接触した場合にも異音の発生などを抑制することができ、安定した振動を維持することができる。
このようなリニア振動モータ1は、可動子10の錘部7に連結されるマグネット部4の位置を錘部7の軸方向中心に配置することが好ましい。このようにマグネット部4を配置することで、金属製の枠体2の底面2Aとマグネット部4との間に働く磁気吸引力が左右均等に働くことになり、左右の一方に偏って磁気吸引力が働く場合と比較して可動子10の振動を安定にすることができる。
図4は、本発明の実施形態に係るリニア振動モータ1の他の形態例を示している。この形態例は、マグネット部4とコイル3の配置構成が異なるが、その他の構成は前述した形態例と同様である。この例では、可動子10におけるマグネット部4は、図示Z方向に沿って互いに逆向きに着磁されたマグネット片4X,4Yがマグネット支持部材4Pに支持されて、錘部7に連結されている。これに対して、図示Y方向に沿った直線部3X,3Yを有するコイル3が枠体2の底面2Aに固定されており、コイル3の直線部3X,3Yがマグネット片4X,4Yにそれぞれ対向して配置されている。このようなマグネット部4とコイル3によっても、前述した例と同様に、コイル3に振動発生電流を入力することで、マグネット部4にX方向の駆動力が付与され、この駆動力と弾性部材6の弾性反発力によって可動子10が一軸方向に沿って往復振動する。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るリニア振動モータ1は、一対のガイドシャフト8によって可動子10を軸支持して振動させることで、固定シャフトを設ける場合と同様に安定した振動を得ることができると共に落下衝撃時の耐損傷性を得ることができる。そして、このようなリニア振動モータ1において、またマグネット部4や錘部7の体積減少を抑えた上で薄型化や幅方向のコンパクト化を達成することができる。
図5は、本発明の実施形態に係るリニア振動モータ1を装備した電子機器の一例として、携帯情報端末100を示している。安定した振動が得られ薄型化や幅方向のコンパクト化が可能なリニア振動モータ1を備える携帯情報端末100は、通信機能における着信やアラーム機能などの動作開始・終了時を異音が発生しにくい安定した振動で使用者に伝えることができる。また、リニア振動モータ1の薄型化・幅方向のコンパクト化によって高い携帯性或いはデザイン性を追求した携帯情報端末100を得ることができる。更に、リニア振動モータ1は、厚さを抑えた直方体形状の枠体2内に各部を収容したコンパクト形状であるから、薄型化された携帯情報端末100の内部にスペース効率よく装備することができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
1:リニア振動モータ,
2:枠体,2A:底面,2A1:信号入力部,
2B,2C,2D,2E:側壁,
2P:支持突起,2Q:蓋板,2R:摺動受け部,2S:支持部,
3:コイル,3X,3Y:直線部,4:マグネット部,
4A,4B,4C,4X,4Y:マグネット片,
4D,4E:スペーサヨーク,4P:マグネット支持部材,
5:補強板,6:弾性部材,
7:錘部,7A:端部,7A1:支持突起,7B:孔,
8:ガイドシャフト,9:軸受,10:可動子,
11:ガイドシャフト支持部材,12:連結部材,12A:当接部,
100:携帯情報端末

Claims (6)

  1. マグネット部と錘部を備える可動子と、
    前記可動子を収容する枠体と、
    前記枠体に固定され前記マグネット部を一軸方向に沿って駆動するコイルと、
    前記マグネット部に付与される駆動力に反発する弾性力を前記可動子に付与する弾性部材と、
    前記一軸方向に沿って配置され、一端側が前記枠体に固定されると共に、自由端側が前記可動子を摺動自在に支持する一対のガイドシャフトとを備えることを特徴とするリニア振動モータ。
  2. 前記可動子は、前記錘部に前記ガイドシャフトを挿通する孔と前記ガイドシャフトを摺動自在に支持する軸受を設けたことを特徴とする請求項1記載のリニア振動モータ。
  3. 前記ガイドシャフトは、前記一端側で2点支持されていることを特徴とする請求項1又は2記載のリニア振動モータ。
  4. 前記ガイドシャフトは、前記一軸方向に交差する前記枠体の側壁と、該側壁と一体の支持部によって2点支持されていることを特徴とする請求項3記載のリニア振動モータ。
  5. 前記一対のガイドシャフトと前記弾性部材は非同軸に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のリニア振動モータ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のリニア振動モータを備える携帯情報端末。
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