JP2004140709A - 情報利用端末装置、情報通信システム及び情報提供サーバ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置情報に応じたサービスの正確性の向上に寄与する。
【解決手段】Ｗｅｂブラウザ８６は、パケットチャネル（ＵＰＣＨ）を介してＨＴＴＰサービスを利用している際に、位置情報保持部８５に保持している位置情報をＨＴＴＰサーバ１１に送信する必要が生じた場合に、ユーザに位置情報を更新するか否かを確認し、更新が指示されたときは、ＵＰＣＨのパケットセッションを切断し、通信制御部８１にブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ）を受信するように指示し、ＣＢＳ受信部８４が受信した位置情報を位置情報保持部８５に格納させた後、ＨＴＴＰサーバ１１との間のパケットセッションを接続させ、ＨＴＴＰサービスの利用を再開させる。
【選択図】 図１
【解決手段】Ｗｅｂブラウザ８６は、パケットチャネル（ＵＰＣＨ）を介してＨＴＴＰサービスを利用している際に、位置情報保持部８５に保持している位置情報をＨＴＴＰサーバ１１に送信する必要が生じた場合に、ユーザに位置情報を更新するか否かを確認し、更新が指示されたときは、ＵＰＣＨのパケットセッションを切断し、通信制御部８１にブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ）を受信するように指示し、ＣＢＳ受信部８４が受信した位置情報を位置情報保持部８５に格納させた後、ＨＴＴＰサーバ１１との間のパケットセッションを接続させ、ＨＴＴＰサービスの利用を再開させる。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置情報に応じたサービスの正確性を向上させる情報利用端末装置、情報通信システム及び情報提供サーバ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ＲＣＲ ＳＴＤ−２７（電波産業会）として規格化されたデジタル携帯電話システムでは、一の周波数帯域を時分割多重によって複数のタイムスロットに分割し、制御チャネル（ＣＣＨ：Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｃｈａｎｎｅｌ）、通信チャネル（ＴＣＨ：Ｔｒａｆｆｉｃ Ｃｈａｎｎｅｌ），パケットチャネル（ＵＰＣＨ：Ｕｓｅｒ Ｐａｃｋｅｔ Ｃｈａｎｎｅｌ）等の複数のチャネルとして用いている（例えば非特許文献１参照。）。
【０００３】
また、制御チャネル（ＣＣＨ）と同様なチャネル符号化（チャネルコーディング）のブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ：Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｃｈａｎｎｅｌ）を設け、複数の携帯電話端末装置向けの情報の送信（ブロードキャスト）を実現したデジタル携帯電話システムが知られている（例えば特許文献１参照。）。
【０００４】
このようなデジタル携帯電話システムでは、ブロードキャスト物理チャネルを、さらに複数のチャネルに分割し、チャネル毎に異なるカテゴリの情報を送信することもできるようになっている。さらに、個々のセルあるいは複数のセルからなるセルグループの位置を示す位置情報、個々のセルあるいはセルグループの位置に応じた情報（エリア情報）を送信するチャネルも設けられている。
【０００５】
携帯電話端末装置は、例えば待ち受け時等における一定間隔毎に、ユーザが要求するチャネルの情報を受信し、内蔵するメモリ等に記憶しておき、ユーザからの指示に応じて表示させることができるようになっている。また、携帯電話端末装置は、上述の位置情報を送信するチャネルの受信結果を、当該端末装置の位置を示す情報として保持しておき、ユーザからの指示等に応じて利用することができるようになっている。
【０００６】
また、携帯電話端末装置に、移動体通信網を介して接続されたＨＴＴＰ（Ｈｙｐｅｒ Ｔｅｘｔ Ｔｒａｎｓｆｅｒ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）サーバが提供するＨＴＴＰサービスを利用するＷｅｂブラウザ（ＷＷＷブラウザ）を実装し、ＨＴＭＬ（Ｈｙｐｅｒ Ｔｅｘｔ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）、ＸＭＬ（ｅＸｔｅｎｓｉｂｌｅ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）等のページ記述言語で記述された文字画像等の情報を利用することができるデジタル携帯電話システムが知られている（例えば特許文献２参照。）。
【０００７】
このようなサービスを提供するデジタル携帯電話システムと、上述のブロードキャストを行うデジタル携帯電話システムとを組み合わせることも可能である。この場合、携帯電話端末装置に保持している位置情報に応じたエリア情報，地図等の情報をＨＴＴＰサーバから携帯電話端末装置に提供することもできる。
【０００８】
携帯電話端末装置は、上述のブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ）を介して受信した当該端末装置の位置情報を保持しており、現在位置付近の地図をＨＴＴＰサーバに要求する際には、保持している位置情報をＨＴＴＰサーバに送信する。ＨＴＴＰサーバは、端末装置から供給された位置情報に対応する地図の画像データを端末装置に送信し、これを受信した端末装置のＷｅｂブラウザが表示画面に表示する。
【０００９】
【非特許文献１】
「デジタル方式自動車電話システム標準規格 ＲＣＲ ＳＴＤ−２７Ｊ版」電波産業会、平成１４年５月、ｐ．３４−４１
【特許文献１】
特開２００１−１９７０２１号（
【００１０】−
【００１１】、第８図、第９図）
【特許文献２】
特開２００１−２４３２５０号（
【００１２】、
【００１３】、第３図〜第７図）
【００１４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の携帯電話端末装置の送受信部は、タイムスロット毎に設定された複数のチャネルのいずれか１つを用いて通信を行うようになっている。この送受信部が用いるチャネルは、例えば着信待機時は制御チャネル（ＣＣＨ）、端末装置の位置情報を更新する際にはブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ）、ＨＴＴＰサービス等のパケットベアラサービスの提供時は、上述のパケットチャネル（ＵＰＣＨ）となっている。
【００１５】
上述のように、携帯電話端末装置の送受信部は、複数のチャネルのいずれか１つを用いて通信を行うようになっているため、同時に複数のチャネルを使用して通信を行うことはできない。
【００１６】
このため、上述のようにＨＴＴＰサービスを利用している間は、送受信部がパケットチャネル（ＵＰＣＨ）を使用しているため、ブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ）を介して送信される位置情報を受信することができない。すなわち、ＨＴＴＰサービスを利用している際には携帯電話端末装置に保持している位置情報の更新を行うことができない。これにより、携帯電話端末装置の正確な現在の位置に応じたサービスを受けられない場合があり、位置情報に応じたサービスの正確性に改善の余地があった。
【００１７】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、位置情報に応じたサービスの正確性の向上に寄与することができる情報利用端末装置及び情報通信システムを提供することを目的とする。
【００１８】
【課題を解決するための手段】
上述の問題を解決するために、本発明に係る情報利用端末装置は、位置情報に応じた情報提供サービスを第１の無線チャネルで伝送されるパケットを介して利用するサービス利用手段と、当該情報利用端末装置が第１の無線チャネルと排他的に利用可能な第２の無線チャネルを介して送信されている位置情報を受信する位置情報受信手段と、位置情報受信手段が受信した位置情報を保持する位置情報保持手段と、位置情報保持手段に保持されている位置情報を用いて情報提供サービスを利用するときに、当該位置情報を更新するか否かを当該情報利用端末装置の利用者に確認する更新確認手段と、利用者から位置情報の更新が指示された場合に、第１の無線チャネルのパケットセッションを中断させ、位置情報受信手段に第２の無線チャネルを介して位置情報を受信させ、位置情報を位置情報保持手段に保持させた後、サービス利用手段に第１の無線チャネルのパケットセッションを介して位置情報保持手段に保持させた位置情報を用いた情報提供サービスを利用させる更新制御手段とを備えることを特徴とする。
【００１９】
位置情報とは、例えばセルラー方式の無線通信システムにおいて、基地局を配置したセルを示す識別情報，複数の所定のセルを含む領域を示す識別情報等を含むものである。位置情報を「用いて」とは、位置情報の送信のみならず、例えば位置情報に応じた処理の選択等の処理をも含む概念である。また、パケットセッションとは、第１の無線チャネルを介してパケットを伝送する際に設定されるセッションを意味している。このパケットセッションの中断（広義の中断）とは、例えばパケットセッションを一旦完全に切断する状態の他に、セッションの状態を保持しつつ待機する状態（狭義の中断）等を含む概念である。
【００２０】
この情報利用端末装置では、位置情報保持手段に保持されている位置情報を用いて情報提供サービスを利用するときに、更新確認手段が、当該位置情報を更新するか否かを当該情報利用端末装置の利用者に確認し、利用者から位置情報の更新が指示された場合に、更新制御手段が、第１の無線チャネルのパケットセッションを中断させ、位置情報受信手段に第２の無線チャネルを介して位置情報を受信させ、位置情報を位置情報保持手段に保持させた後、サービス利用手段に第１の無線チャネルのパケットセッションを介して位置情報保持手段に保持させた位置情報を用いた情報提供サービスを利用させる。これにより、第１の無線チャネルを介した位置情報に応じたサービスを利用するときに、ユーザの指示に従って、位置情報保持手段に保持されている位置情報を更新することができる。
【００２１】
また、本発明に係る情報通信システムは、位置情報に応じた情報提供サービスを提供する情報提供サーバ装置と、情報提供サーバ装置が提供する情報提供サービスを第１の無線チャネルで伝送されるパケットを介して利用する情報利用端末装置と、情報利用端末装置が第１の無線チャネルと排他的に利用可能な第２の無線チャネルを介して位置情報を送信する位置情報送信装置とを有する情報通信システムであって、情報利用端末装置が、情報提供サーバ装置が提供する位置情報に応じた情報提供サービスを第１の無線チャネルを介して利用するサービス利用手段と、位置情報送信装置が送信する位置情報を第２の無線チャネルを介して受信する位置情報受信手段と、位置情報受信手段が受信した位置情報を保持する位置情報保持手段と、位置情報保持手段に保持されている位置情報を用いて情報提供サーバ装置が提供する情報提供サービスを利用するときに、当該位置情報を更新するか否かを当該情報利用端末装置の利用者に確認する更新確認手段と、利用者から位置情報の更新が指示された場合に、第１の無線チャネルのパケットセッションを中断させ、位置情報受信手段に第２の無線チャネルを介して位置情報を受信させ、位置情報を位置情報保持手段に保持させた後、サービス利用手段に第１の無線チャネルのパケットセッションを介して位置情報保持手段に保持させた位置情報を用いた情報提供サービスを利用させる更新制御手段とを備えることを特徴とする。
【００２２】
また、本発明に係る情報提供サーバ装置は、位置情報に応じた情報提供サービスを、第１の無線チャネルで伝送されるパケットを介して情報利用端末装置に提供する情報提供サーバ装置であって、情報利用端末装置に位置情報に応じた情報提供サービスを提供する際に、当該情報利用端末装置の利用者に位置情報を更新するか否かを確認させる更新確認指示と、利用者から位置情報の更新が指示された場合に、情報利用端末装置が第１の無線チャネルと排他的に利用可能な第２の無線チャネルを介して位置情報を受信させる位置情報更新指示とを情報利用端末装置に送信する指示送信手段を備えることを特徴とする。
【００２３】
【発明の実施の形態】
本発明は、例えば移動体通信網を介して情報提供サーバ装置から携帯電話端末装置等の情報利用端末装置にコンテンツ（情報）を提供する情報通信システムに適用することができる。
【００２４】
（構成）
本発明の一実施形態に係る情報通信システムは、例えば図１に示すように、位置情報に対応させて地図，エリア情報等の情報（提供情報）を保持するサービス提供サーバ装置１０と、インターネット等のネットワーク２０を介して接続された情報提供サーバ装置１０と無線通信網との間のプロトコル変換等を実行するゲートウェイ装置（ＧＷ）３０と、電話，ファクシミリ装置等の通信装置が接続されている有線通信網４０と、当該有線通信網４０と無線通信網との間の呼設定，プロトコル変換等を実行する変換部５０と、無線通信網を構成するパケット交換機６０と、基地局装置（ＢＳ：Ｂａｓｅ Ｓｔａｔｉｏｎ）７０と、携帯電話端末装置（ＭＳ：Ｍｏｂｉｌｅ Ｓｔａｔｉｏｎ）８０とを備えている。
【００２５】
情報提供サーバ装置１０は、例えばプロセッサ（ＭＰＵ）、メモリ、ハードディスクドライブ（ＨＤＤ）等の補助記憶装置、キーボード，ディスプレイ等の入出力装置、ネットワークインタフェース等を有するパーソナルコンピュータ，ワークステーション等の情報処理装置からなり、ＨＤＤ等に保持されているオペレーティングシステム（ＯＳ）及び制御ソフトウェアを実行することにより、同図中に示す機能ブロックとして機能する。
【００２６】
情報提供サーバ装置１０は、ＨＴＴＰ（Ｈｙｐｅｒ Ｔｅｘｔ Ｔｒａｎｓｆｅｒ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）プロトコルに従って提供情報をネットワーク２０経由で提供するＨＴＴＰサーバ１１と、ＨＴＴＰサーバ１１が提供する提供情報等を格納するデータ保持部１２とを備えている。ＨＴＴＰサーバ１１は、携帯電話端末装置８０等から指示された提供情報をデータ保持部１２から読み出し、ネットワーク２０を介して送信する。
【００２７】
パケット交換機６０は、各基地局装置７０の受信出力等に応じて携帯電話端末装置８０の位置を検出する端末位置検出部と、情報提供サーバ装置１０との間の通信制御を行う通信制御部と、端末位置検出部が検出した携帯電話端末装置８０の位置に応じて情報提供サーバ装置１０と携帯電話端末装置８０の間の通信路を設定する交換制御部６１等とを備えている。この図１は、識別番号が“５”であるサービス提供領域（セル）に設置された基地局装置７０を介して情報提供サーバ装置１０と携帯電話端末装置８０の間の通信が行われている状態を図示している。
【００２８】
また、基地局装置７０は、図１に示すように、各々識別情報（この図１中では“１”〜“５”の識別番号）が割り当てられた所定のセル１，２，３，４，５，…毎に設置されている。
【００２９】
この情報通信システムは、例えば特開２００１−１９７０２１号に開示されている文字情報放送システムと同様に、不特定の携帯電話端末装置８０に対する放送（ブロードキャスト）を行うことができるようになっている。
【００３０】
このため、基地局装置７０は、当該基地局装置７０が設置されたセル内の携帯電話端末装置８０に対する呼び出し，チャネル設定等の通信制御を実行する通信制御部７１と、セル内の不特定の携帯電話端末装置８０に対するブロードキャストを行うＣＢＳ（Ｃｅｌｌ Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｓｅｒｖｉｃｅ）部７２と、携帯電話端末装置８０に対する高周波信号の送受信を行う送受信部７３とを備えている。また、ＣＢＳ部７２は、当該基地局装置７０が設置されているセルに割り当てられた識別情報を保持する位置情報保持部７２ａを備えている。
【００３１】
なお、この図１では基地局装置７０内にＣＢＳ部７２を設けた例について説明したが、このＣＢＳ部７２は、基地局装置７０とは別個の装置として構成することもできる。また、この図１では基地局装置７０がセルに１対１に対応している（すなわちＣＢＳ部７２がセルに１対１に対応している）場合について図示しているが、例えばアンテナの指向性の切り替え等によって、セルの中心から所定角度（例えば１２０°）毎にセルを分割してマイクロセルとすることもできる。この場合、１つの基地局装置７０に複数のマイクロセルが対応することになるが、基地局装置７０毎に１つのＣＢＳ部７２を設け、この基地局装置７０に対応する各マイクロセルに対して１つのＣＢＳ部７２が同一の位置情報を送信するようにしてもよい。また、複数のセルに設置された複数の基地局装置７０のＣＢＳ部７２に同一のエリア情報を提供するように構成することもできるが、この場合は、個々のセルを識別できるように、各ＣＢＳ部７２が送信する位置情報は各々固有の情報とすることが望ましい。
【００３２】
一方、携帯電話端末装置８０は、基地局装置７０との間の通信制御を実行する通信制御部８１と、音声通話の処理を実行する通話処理部８２と、通信制御部８１との間でデータ通信用のパケットの送受信を行うパケット送受信部８３と、ＣＢＳ部７２からの情報を受信するＣＢＳ受信部８４と、ＣＢＳ受信部８４から供給される当該携帯電話端末装置８０が存在するセルを示す情報（位置情報）を保持する位置情報保持部８５と、ＨＴＴＰサーバ１１が提供するＨＴＴＰサービス等を利用するＷｅｂブラウザ８６と、電話番号，動作指示等を入力する操作キー８７と、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）等からなる表示画面を有する表示部８８と、表示部８８の制御を行う表示制御部８９とを備えている。
【００３３】
（動作概要）
基地局装置７０と、携帯電話端末装置８０の間では、例えば図２（Ａ）に示すように、所定の周波数の信号を時分割で使用する時分割多重通信によって、複数のチャネルの通信を行うようになっている。
【００３４】
この図２（Ａ）に示すように、物理的なチャネルとして、例えば呼の設定等の通信制御に用い得る制御チャネル（ＣＣＨ：Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｃｈａｎｎｅｌ）と、ＨＴＴＰサービス等のパケットベアラサービスの提供に用い得るパケットチャネル（ＵＰＣＨ：Ｕｓｅｒ Ｐａｃｋｅｔ Ｃｈａｎｎｅｌ）が設けられている。これらのチャネルのより詳細なフォーマット等は「デジタル方式自動車電話システム標準規格 ＲＣＲ ＳＴＤ−２７Ｊ版」で規定されている。
【００３５】
さらに、この情報通信システムでは、上述の文字情報放送システムと同様に、不特定の携帯電話端末装置８０に対するブロードキャストに用い得るブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ：Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｃｈａｎｎｅｌ）を設けている。このブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ）の３６タイムスロット分のデータにより、例えば同図（Ｂ）に示すように、スーパーフレームが構成され、７０スーパーフレームによって、例えば同図（Ｃ）に示すように、ＣＢＳハイパーフレームが構成されている。
【００３６】
このＣＢＳハイパーフレームには、ｃｈ０〜ｃｈ６３までの６４のチャネルが含まれており、ｃｈ０とｃｈ１は各々４つ、残りのｃｈ２〜ｃｈ６３までのチャネルは各々１つ含まれている。すなわち、ＣＢＳハイパーフレームは、合計で７０のチャネルで構成され、各チャネルは各々１つのスーパーフレームに対応している。なお、上述の各基地局装置７０毎の位置情報はｃｈ０で送信される。
【００３７】
ＣＢＳ部７２の位置情報保持部７２ａは、位置情報として、各セル（あるいは各ＣＢＳ部７２）毎に固有の位置情報を保持しており、この位置情報を、上述のＣＢＳハイパーフレーム中のｃｈ０を介して送信している。
【００３８】
この位置情報は、例えば各々のＣＢＳ部７２に固有の識別番号等の情報としてもよいが、例えば当該ＣＢＳ部７２に対応する基地局装置７０が設置された緯度及び経度あるいは住所若しくはこれらの両方を示す文字情報等とすることにより、携帯電話端末装置８０において表示部８８に表示する際等にそのまま用いることができる。
【００３９】
具体的には、緯度及び経度は、例えば“ｘｘｘｘｘｘｘ（０ｘ１Ａ）ｙｙｙｙｙｙｙ”等の文字情報で表すことができる。ここで、ｘｘｘｘｘｘｘは最大７桁の緯度、ｙｙｙｙｙｙｙは最大７桁の経度をそれぞれ示す数字の文字コードであり、（０ｘ１Ａ）はこれらの区切りを示す文字コードである。また、住所は、例えば“港区愛宕ｘ−ｙ−ｚ”等の文字情報で表すことができる。以下の説明では、これらの緯度及び経度を示す文字情報と住所を示す文字情報の両方を位置情報とした場合について説明する。
【００４０】
また、他のチャンネルでは、例えば当該位置情報保持部７２ａに対応するセルに応じた交通機関，施設，飲食店，イベント等の情報（エリア情報）を、例えばこれらのカテゴリ別に送信している。
【００４１】
携帯電話端末装置８０の通信制御部８１は、ＣＢＳの受信を行うように設定されているときは、ブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ）を受信し、ＣＢＳ受信部８４に供給する。ＣＢＳ受信部８４は、例えば予め受信するように設定されているチャネルのデータを抽出して保持すると共に、ｃｈ０のデータから上述の位置情報を抽出し、位置情報保持部８５に供給する。上述のように、位置情報は各々のＣＢＳ部７２毎に異なり、ＣＢＳ部７２とセルが対応しているため、位置情報保持部８５には，当該携帯電話端末装置８０の位置に応じた位置情報が保持された状態となる。
【００４２】
また、この携帯電話端末装置８０では、パケットチャネル（ＵＰＣＨ）を介して伝送されるパケットにより、例えばＨＴＴＰサーバ１１によって提供されるＨＴＴＰサービスを利用することができるようになっている。
【００４３】
ＨＴＴＰサーバ１１が提供するサービスには、地図，交通機関，施設あるいは経路案内等の位置情報に応じたサービスも含まれている。このような位置情報に応じたサービスを利用する際には、携帯電話端末装置８０の位置情報保持部８５に保持されている位置情報をＨＴＴＰサーバ１１に供給し、ＨＴＴＰサーバ１１が供給された位置情報に応じた情報（例えば地図の画像，最寄駅の位置，公共施設のリスト等）を携帯電話端末装置８０のＷｅｂブラウザ８６宛てに送信する。位置情報に応じた情報は、例えば予め位置情報に対応付けられてデータ保持部１２に格納されており、Ｗｅｂブラウザ８６から供給された位置情報に基づいてＨＴＴＰサーバ１１がデータ保持部１２から読み出してＷｅｂブラウザ８６宛てに送信する。
【００４４】
Ｗｅｂブラウザ８６は、このように位置情報に応じてＨＴＴＰサーバ１１から供給された情報を表示部８８の表示画面に表示させ、ユーザが表示された情報を利用することができる。
【００４５】
ところで、この携帯電話端末装置８０は、省電力化等のために、ＣＢＳの受信の可否，受信頻度，受信するチャネル等の動作モードをユーザの設定に応じて適宜変更することができるようになっている。このため、通信制御部８１は、これらの動作モードを示す情報を保持するメモリと、当該メモリに保持されている情報に応じてＣＢＳの受信を制御する受信制御部とを備えている。
【００４６】
例えばＣＢＳの受信を行う動作モードに設定されているときは、通信制御部８１は、着信待機時等において、予め設定された時間間隔で設定されたチャネルのＣＢＳの受信を行い、受信したデータをＣＢＳ受信部８４に供給する。ＣＢＳ受信部８４は、供給されたＣＢＳのデータから各チャネルのデータを保持すると共に、上述のｃｈ０の位置情報を位置情報保持部８５に供給する。これにより、位置情報保持部８５に保持されている位置情報が所定の時間間隔（受信頻度）で更新される。一方、ＣＢＳの受信を行わない動作モードに設定されている場合、あるいは通話中等でＣＢＳの受信ができない場合には、通信制御部８１は、ＣＢＳの受信を行わず、位置情報保持部８５に保持されている位置情報は更新されない。
【００４７】
このように動作モードを切り替え得る構成としたために、携帯電話端末装置８０のＣＢＳ受信部８４は、常にＣＢＳの受信を行っているとは限らず、位置情報保持部８５の位置情報が更新されないまま、携帯電話端末装置８０が他のセルに移動する場合が考えられる。
【００４８】
また、例えば通話サービス，ＵＰＣＨを用いたＨＴＴＰサービス等のＢＰＣＨと排他的に利用可能なチャネル（すなわちＢＰＣＨと同時に受信できないチャネル）を介したサービスを利用しながら他のセルに移動した場合等では、位置情報保持部８５に保持されている位置情報が、携帯電話端末装置８０の現在の位置に対応するものになっていない場合が考えられる。
【００４９】
このため、この携帯電話端末装置８０では、位置情報保持部８５に保持されている位置情報を利用（例えば当該位置情報の送信，位置情報に応じた処理の選択等）する際に、ユーザに位置情報を更新するか否かを確認し、位置情報の更新が指示された場合には、ＵＰＣＨによるパケットセッションを一旦切断してＢＰＣＨを介して提供される位置情報を受信して位置情報保持部８５に保持されている位置情報を更新するようになっている。
【００５０】
位置情報を使用するサービスの提供時には、ＨＴＴＰサーバ１１からＷｅｂブラウザ８６に、位置情報保持部８５に保持されている位置情報を送信する指示（送信指示）が定義されたＨＴＭＬ（Ｈｙｐｅｒ Ｔｅｘｔ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）あるいはＭＭＬ（Ｍｏｂｉｌｅ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）等のスクリプト言語で記述された表示データが供給される。
【００５１】
送信指示は、ＨＴＭＬの場合には、例えば＜ａ＞，＜ｆｒｏｍ＞等の所定のタグのオプション（例えばｚ属性）として定義されている。また、ＭＭＬの場合には、例えば＜Ａ＞，＜Ｆ＞等の所定のタグのオプション（例えばＺ属性）として定義されている。このような送信指示に応じて携帯電話端末装置８０のＷｅｂブラウザ８６は、例えばＨＴＴＰリクエストヘッダ中の情報としてＨＴＴＰサーバ１１宛てに送信する。
【００５２】
このような位置情報の送信命令を含む表示データは、例えば図３に示すように、ＵＰＣＨを用いたパケットセッションにおいてＨＴＴＰサーバ１１によるサービスの利用中（Ｗｅｂ閲覧中）にＷｅｂブラウザ８６に供給される。
【００５３】
このような表示データ中の命令に応じた位置情報の送信の前に、Ｗｅｂブラウザ８６は、ユーザに位置情報の更新を行うか否かを確認する。ユーザが位置情報の更新を選択すると、Ｗｅｂブラウザ８６は、通信制御部８１に指示してパケットセッションを切断し、通信制御部８１にＢＰＣＨを介して供給される位置情報の受信を指示する。
【００５４】
これに応じて、通信制御部８１からＣＢＳの受信データが供給されると、ＣＢＳ受信部８４は、位置情報の更新を開始し、上述のｃｈ０のデータ中の位置情報を抽出すると、これを位置情報保持部８５に供給して保持させる。位置情報の更新が終了すると、通信制御部８１は待機状態となって、ＣＣＨの受信状態となる。
【００５５】
この状態で、ユーザが更新された位置情報の送信を選択すると、Ｗｅｂブラウザ８６とＨＴＴＰサーバ１１の間で新たなパケットセッションを接続し、ＨＴＴＰサーバ１１はＷｅｂブラウザ８６から供給された位置情報に応じた地図の画像等の情報をＷｅｂブラウザ８６に送信する。Ｗｅｂブラウザ８６は、受信した情報に応じて地図，文字等の画像を表示制御部８９を介して表示部８８に表示させる。これにより、ユーザが位置情報に応じた情報を利用することができるようになる。
【００５６】
（詳細動作）
ユーザに位置情報保持部８５に保持されている位置情報の更新の有無を確認するためには、例えばＷｅｂブラウザ８６に供給する表示データ中で、ユーザに対する位置情報の更新を確認する動作を定義しておく。
【００５７】
携帯電話端末装置８０の現在位置付近の地図を提供するサービスでは、例えば図４中のＳ１０６で位置情報保持部８５に保持されている位置情報を送信して地図の画像データ等を要求する前に、ユーザに位置情報の確認の指示を入力させる画像１０１を表示させ、ユーザの指示に応じて位置情報の更新を行うようにする。
【００５８】
地図の提供等の選択メニューから地図の提供を選択すると、Ｗｅｂブラウザ８６は、当該選択メニューの表示データ中で定義された更新確認画面の表示データのアドレス（ＵＲＬ等）をＨＴＴＰサーバ１１に送信し、更新確認画面の表示データを要求する（Ｓ１０１）。
【００５９】
ＨＴＴＰサーバ１１は、これに応じて、更新確認画面の表示データをＷｅｂブラウザ８６に供給する（Ｓ１０２）。Ｗｅｂブラウザ８６は供給された表示データに応じて表示部８８に更新確認画面の画像１０１を表示させ、ユーザからの指示の入力を待機する。この画像１０１には現在位置の表示１０１ａと、現在位置を更新するか否かを尋ねる表示１０１ｂと、選択可能な指示を示す表示１０１ｃ、１０１ｄが含まれている。ユーザが操作キー８７を操作して表示１０１ｃに対応する「更新」を指示した場合には、Ｗｅｂブラウザ８６は、通信制御部８１に指示してパケットセッションを切断させ（Ｓ１０３）、ＢＰＣＨを介して送信されている位置情報の受信を指示する。
【００６０】
これに応じて、通信制御部８１からＣＢＳの受信データが供給されると、ＣＢＳ受信部８４は、位置情報の更新を開始し、ｃｈ０中の位置情報を位置情報保持部８５に供給する（Ｓ１０４）。
【００６１】
位置情報の更新が終了すると、Ｗｅｂブラウザ８６は、ユーザに位置情報の送信を行うか否かを確認する送信確認画面の画像１０２を表示させる。この画像１０２には現在位置の表示１０２ａと、現在位置の位置情報を送信するか否かを尋ねる表示１０２ｂと、選択可能な指示を示す表示１０２ｃ、１０２ｄが含まれている。これに対してユーザが表示１０２ｃに対応する「送信」を指示すると、例えばこの「送信」の表示に対応付けられている上述の位置情報の送信指示のタグ等に応じて、Ｗｅｂブラウザ８６が、通信制御部８１に指示してＨＴＴＰサーバ１１との間のパケットセッションを接続させ（Ｓ１０５）、位置情報保持部８５に保持されている位置情報をＨＴＴＰサーバ１１宛てに送信する（Ｓ１０６）。
【００６２】
この位置情報は、例えばＨＴＴＰリクエストヘッダ中の情報としてＨＴＴＰサーバ１１に送信される。この位置情報を送信するＨＴＴＰリクエストヘッダは、例えば図５に示すように定義することができる。このようなＨＴＴＰリクエストヘッダを受信すると、ＨＴＴＰサーバ１１は、このヘッダを解析し、例えば変数“ｘ−ｊ−ｐｈｏｎｅ−ｇｏｏｃｏｄｅ”の値として“ｘｘｘｘｘｘｘ（０ｘ１Ａ）ｙｙｙｙｙｙｙ（０ｘ１Ａ）港区愛宕ｘ−ｙ−ｚ”という文字列を設定する。このように設定された変数の値は、ＨＴＴＰサーバ１１が位置情報に応じた提供情報（例えば位置情報に応じた地図の画像等）をデータ保持部１２から取得する際に参照する。
【００６３】
あるいは、Ｗｅｂブラウザ８６が、ＨＴＴＰリクエストヘッダ中の情報を省略形式（例えば変数名“ｘ−ｊ−ｐｈｏｎｅ−ｇｏｏｃｏｄｅ”，“ｇｅｏｃｏｄｅ”等を省略名で表示する。）で構成したデータをゲートウェイ装置３０に送信し、これに応じてゲートウェイ装置３０が上述の図５に示される形式のＨＴＴＰリクエストヘッダを構成してＨＴＴＰサーバ１１に送信するようにしてもよい。これにより、Ｗｅｂブラウザ８６からゲートウェイ装置３０に転送すべきデータ量を低減させることができる。一般に無線区間（携帯電話端末装置８０と基地局装置７０あるいはパケット交換機６０の間）の通信レートはゲートウェイ装置３０とＨＴＴＰサーバ１１の間の通信レートより低いため、Ｗｅｂブラウザ８６が送信する位置情報を省略形式とすることにより無線区間のトラフィックを低減させることができる。
【００６４】
Ｗｅｂブラウザ８６からの位置情報を受信すると、ＨＴＴＰサーバ１１は、受信した位置情報に応じた地図の画像（例えば位置情報付近の地図の画像）等のデータをＷｅｂブラウザ８６宛てに送信する。ＨＴＴＰサーバ１１からのデータを受信すると、Ｗｅｂブラウザ８６は受信したデータに応じた画像、例えば地図の画像１０３等を表示させる。
【００６５】
なお、上述の更新確認画面にの画像１０１に対してユーザから表示１０１ｄに対応する「継続」が指示された場合には、Ｗｅｂブラウザ８６は、Ｓ１０３〜Ｓ１０４におけるパケットセッションの切断及び位置情報の受信を行わずに、送信確認画面の画像１０２を表示させる。この状態では、パケットセッションが接続されたままであるので、Ｗｅｂブラウザ８６は、画像１０２に対してユーザから表示１０２ｃに対応する「送信」が指示された場合に、Ｓ１０５におけるパケットセッションの接続を実行せずに、位置情報保持部８５に保持されている位置情報をＨＴＴＰサーバ１１宛てに送信する（Ｓ１０６）。
【００６６】
（効果）
以上説明したように、この実施形態に係る情報通信システムでは、ＨＴＴＰサービス等のパケットチャネル（ＵＰＣＨ）を使用したサービスを利用している場合であっても、ＵＰＣＨと排他的なタイムスロットであるＢＰＣＨを介して送信されている位置情報を受信して位置情報保持部８５に保持されている位置情報を更新することができる。このため、位置情報に応じたサービスの正確性の向上に寄与することができる。
【００６７】
また、この実施形態に係る情報通信システムでは、位置情報を更新する前にユーザに確認しているため、現在の位置情報が正しい場合等は、現場の位置情報を用いてサービスの提供を受けることができる。このため、無用にトラフィックを増加させたり、ユーザに対するレスポンスに時間がかかってしまうことを防止することができる。
【００６８】
（変形例１）
上述の説明では、基地局装置７０と携帯電話端末装置８０の間の通信に時分割多重通信を用い、上述の図２に示すフルレート構成のＣＢＳハイパーフレームを用いた場合について説明したが、位置情報を送信するデータの構成自体については限定されるものではなく、例えば特開２００１−１９７０２１号等に示されているハーフレート構成のＣＢＳハイパーフレームを用いた場合にも、本発明を適用することができる。
【００６９】
また、例えばＨＴＴＰサーバによるサービスを提供するチャネルと位置情報を提供するチャネルの周波数が異なる情報通信システムにも本発明を適用することができる。この場合にも、上述の説明と同様に、ＨＴＴＰサーバによるサービスを利用しているときに、位置情報を更新する必要が生じた場合に、当該サービスの利用に用いているチャネルの接続（パケットセッション）を切断し、位置情報を提供しているチャネルを介して位置情報を更新した後、ＨＴＴＰサーバとの間のパケットセッションを再接続する。
【００７０】
また、上述の説明では、パケットセッションを介して供給するサービスの表示データ中において、ユーザに位置情報の更新を行うか否かを確認する画面の表示を定義する場合について説明したが、表示データ中では、位置情報の送信命令のみを定義しておき、位置情報の送信命令（例えば環境変数等として位置情報を送信する命令）の実行時に、Ｗｅｂブラウザ８６が、ユーザに位置情報の更新を行うか否かを確認するようにしてもよい。
【００７１】
ＨＴＴＰサーバ１１が提供する表示データ中で、ユーザに位置情報の更新を行うか否かを確認する画面の表示を定義しておく場合には、表示データの複雑化，サイズの増加を招き、伝送時間が増加して、トラフィックの増加の一因にもなり得る。
【００７２】
これに対し、表示データ中には位置情報の送信命令のみを定義しておき、当該命令の実行時にＷｅｂブラウザ８６が上述のと同様にユーザに位置情報の更新を確認するようにすれば、表示データの複雑化，サイズの増加は抑制することができ、トラフィックの抑制に寄与することができる。
【００７３】
なお、以上の各変形例に係る情報通信システムにおいても、本発明を適用することにより、パケットチャネルを使用したサービスを利用している場合でも、携帯電話端末装置に保持している位置情報を更新することができる。このため、位置情報に応じたサービスの正確性の向上に寄与することができる。
【００７４】
（変形例２）
上述の説明では、動作モードの設定に応じてＣＢＳの受信を行うか否かを選択する例について説明したが、さらに、位置情報の更新制御手順にバリエーションを持たせてもよい。
【００７５】
このために、例えば携帯電話端末装置８０に、位置情報更新のスケジュールを管理するスケジュール管理部８０１と、更新スケジュール等の動作モードを示すモード情報を保持するモード情報保持部８０２とを設ける。
【００７６】
動作モードとしては、例えば「オート」，「セミオート」，「マニュアル」等を設ける。「オート」モードでは、更新間隔（例えば６時間とか１２時間等）毎に自動的に位置情報を更新する。この場合、さらに更新間隔を設定しない場合には定期的な位置情報の更新を行わないようにしてもよい。また、更新間隔を設定する代わりに、例えばセルの移動毎に位置情報を更新したり、受信するＣＢＳのチャネルの更新時間に位置情報を更新する等、時間間隔位置情報の更新を行う条件（更新条件）を設定するようにしてもよい。
【００７７】
また、「セミオート」モードでは、例えば１日の最初のみ手動で位置情報を更新し、以後は「オート」モードと同様の動作とする。さらに「マニュアル」モードでは、位置情報の送信等の必要が生じた際に、逐次ユーザに確認する。
【００７８】
このような各動作モード，更新間隔，更新条件には、例えば各々識別コードが対応付けられており、Ｗｅｂブラウザ８６等を介してユーザから動作モード等が指示されると、スケジュール管理部８０１がこれらの動作モード等に対応する識別コードをモード情報保持部８０２に格納する。スケジュール管理部８０１は、モード情報保持部８０２に格納された識別コードに従って、通信制御部８１の動作等を制御して位置情報の更新を行わせる。
【００７９】
このように、複数の動作モード，更新間隔，更新条件等を設定可能にすれば、ユーザは、自分の行動予定等に応じて適宜動作モード等を設定することにより、更新間隔を長くして省電力を図ったり、更新間隔を短くして位置情報の追従性を向上させて移動に応じた応答性のよいサービスの提供を受けたりすることができる。これにより、ユーザの利便性の向上に寄与することができる。
【００８０】
（変形例３）
また、上述の説明では、位置情報を更新する際に、図４に示すように、パケットセッションを一旦切断させ、ＢＰＣＨを受信させた後、パケットセッションを再接続する例について説明したが、通信効率の向上，トラフィックの低減のためには改善の余地がある。
【００８１】
パケットセッションを接続する際には、携帯電話端末装置８０と基地局７０，パケット交換機６０等の網側の装置との間でＰＰＰ（Ｐｏｉｎｔ ｔｏ Ｐｏｉｎｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）等に従った通信パラメータの設定，認証等の処理を行って、パケットセッションに関する情報（セッション情報）を設定してパケットセッションを確立する。従って、例えば図４中のＳ１０５においてセッションを再接続する際にも同様の処理を行う必要があり、トラフィックの低減，応答性の向上の観点から改善の余地があった。
【００８２】
このため、例えばパケット交換機６０の交換制御部６１に、Ｗｅｂブラウザ８６との間の通信に割り当てたパケットチャネル（ＵＰＣＨ）等のパケットセッションに関するセッション情報（ＭＳコンテキスト）を保持するレジスタ６１ａ等の記憶手段を設け、Ｗｅｂブラウザ８６が位置情報を更新する際に送信する要求に応じて、セッション情報をレジスタ６１ａに保持してパケットセッションを一旦切断し（狭義の中断）、所定時間後に、レジスタに保持したセッション情報に基づいて中断されていたセッションを再確立するようにしてもよい。
【００８３】
このように構成した場合、例えば図６に示すように、携帯電話端末装置８０のＷｅｂブラウザ８６がパケット通信要求を送信し（Ｓ２０１）、パケット交換機６０等との間で通信パラメータの設定，認証等の処理を実行する（Ｓ２０２）。認証等の処理が正常に終了すると、例えばパケット交換機６０は交換制御部６１の内部のレジスタ６１ａ等の記憶手段に、当該携帯電話端末装置８０に割り当てたパケットチャネル（ＵＰＣＨ）等のパケットセッションに関する情報が含まれているセッション情報（ＭＳコンテキスト）を保持する（Ｓ２０３）。
【００８４】
このようにセッションが確立されると、携帯電話端末装置８０のＷｅｂブラウザ８６と、ＨＴＴＰサーバ１１との間でパケット通信が行われる（Ｓ２０４）。この後、位置情報を更新する際に、Ｗｅｂブラウザ８６がパケット交換機６０にパケット通信中断要求を送信すると（Ｓ２０５）、これを受信したパケット交換機６０は、レジスタ６１ａに保持したＭＳコンテキストをクリアせずに、セッションを切断する（Ｓ２０６）。また、このときパケット交換機６０は、セッション再開タイマ６１ｂのカウントを開始させる。なお、このタイマの設定時間はＣＢＳで送信される位置情報の間隔等を考慮して設定する。
【００８５】
一方、携帯電話端末装置８０のＷｅｂブラウザ８６は、パケット通信中断要求を送信した後、通信制御部８１にＢＰＣＨの受信を指示する。ＣＢＳ受信部８４は通信制御部８１からのＢＰＣＨの受信データから位置情報を抽出し、位置情報保持部８５に保持する。これにより、位置情報の更新が行われる（Ｓ２０７）。
【００８６】
パケット交換機６０は、上述のセッション再開タイマの設定時間が終了すると、レジスタ６１ａに保持しておいたＭＳコンテキストに基づいてセッションを再確立する（Ｓ２０８）。このときは、最初の接続時とは異なり、認証処理は行わない。セッションが再確立されると、Ｗｅｂブラウザ８６とＨＴＴＰサーバ１１の間のパケット通信が再開され（Ｓ２０９）、例えばＷｅｂブラウザ８６から送信された位置情報に応じたサービスが提供される。
【００８７】
このように、位置情報の更新を行う際にパケットセッションを切断せずに、セッション情報（ＭＳコンテキスト）を保持した状態で中断し、位置情報を受信した後、パケットセッションを再確立するようにすれば、パケットセッションを再設定する場合に必要な認証処理等が必要なくなるため、トラフィックの低減，応答性の向上に寄与することができる。
【００８８】
【発明の効果】
本発明では、位置情報保持手段に保持されている位置情報を用いて情報提供サービスを利用するときに、更新確認手段が、当該位置情報を更新するか否かを当該情報利用端末装置の利用者に確認し、利用者から位置情報の更新が指示された場合に、更新制御手段が、第１の無線チャネルのパケットセッションを中断させ、位置情報受信手段に第２の無線チャネルを介して位置情報を受信させ、位置情報を位置情報保持手段に保持させた後、サービス利用手段に第１の無線チャネルのパケットセッションを介して位置情報保持手段に保持させた位置情報を用いた情報提供サービスを利用させる。
【００８９】
このため、本発明では、第１の無線チャネルを介した位置情報に応じたサービスを利用するときに、ユーザの指示に従って、位置情報保持手段に保持されている位置情報を更新することができる。これにより、位置情報に応じたサービスの正確性に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態に係る情報通信システムの構成を示す図である。
【図２】前記情報通信システムにおける基地局装置と携帯電話端末装置の間の通信チャネルの一例を示す図である。
【図３】前記情報通信システムを構成する携帯電話端末装置の通信制御部が受信するチャネルを模式的に示す図である。
【図４】前記携帯電話端末装置における位置情報の更新動作の一例を示す図である。
【図５】前記位置情報を送信するＨＴＴＰリクエストヘッダの一例を示す図である。
【図６】前記位置情報の更新動作の他の例を示す図である。
【符号の説明】
１０…情報提供サーバ装置、１１…ＨＴＴＰサーバ、１２…データ保持部、７０…基地局装置、７１…通信制御部、７２…ＣＢＳ部、７２ａ…位置情報保持部、８１…通信制御部、８３…パケット送受信部、８４…ＣＢＳ受信部、８５…位置情報保持部、８６…Ｗｅｂブラウザ
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置情報に応じたサービスの正確性を向上させる情報利用端末装置、情報通信システム及び情報提供サーバ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ＲＣＲ ＳＴＤ−２７（電波産業会）として規格化されたデジタル携帯電話システムでは、一の周波数帯域を時分割多重によって複数のタイムスロットに分割し、制御チャネル（ＣＣＨ：Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｃｈａｎｎｅｌ）、通信チャネル（ＴＣＨ：Ｔｒａｆｆｉｃ Ｃｈａｎｎｅｌ），パケットチャネル（ＵＰＣＨ：Ｕｓｅｒ Ｐａｃｋｅｔ Ｃｈａｎｎｅｌ）等の複数のチャネルとして用いている（例えば非特許文献１参照。）。
【０００３】
また、制御チャネル（ＣＣＨ）と同様なチャネル符号化（チャネルコーディング）のブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ：Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｃｈａｎｎｅｌ）を設け、複数の携帯電話端末装置向けの情報の送信（ブロードキャスト）を実現したデジタル携帯電話システムが知られている（例えば特許文献１参照。）。
【０００４】
このようなデジタル携帯電話システムでは、ブロードキャスト物理チャネルを、さらに複数のチャネルに分割し、チャネル毎に異なるカテゴリの情報を送信することもできるようになっている。さらに、個々のセルあるいは複数のセルからなるセルグループの位置を示す位置情報、個々のセルあるいはセルグループの位置に応じた情報（エリア情報）を送信するチャネルも設けられている。
【０００５】
携帯電話端末装置は、例えば待ち受け時等における一定間隔毎に、ユーザが要求するチャネルの情報を受信し、内蔵するメモリ等に記憶しておき、ユーザからの指示に応じて表示させることができるようになっている。また、携帯電話端末装置は、上述の位置情報を送信するチャネルの受信結果を、当該端末装置の位置を示す情報として保持しておき、ユーザからの指示等に応じて利用することができるようになっている。
【０００６】
また、携帯電話端末装置に、移動体通信網を介して接続されたＨＴＴＰ（Ｈｙｐｅｒ Ｔｅｘｔ Ｔｒａｎｓｆｅｒ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）サーバが提供するＨＴＴＰサービスを利用するＷｅｂブラウザ（ＷＷＷブラウザ）を実装し、ＨＴＭＬ（Ｈｙｐｅｒ Ｔｅｘｔ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）、ＸＭＬ（ｅＸｔｅｎｓｉｂｌｅ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）等のページ記述言語で記述された文字画像等の情報を利用することができるデジタル携帯電話システムが知られている（例えば特許文献２参照。）。
【０００７】
このようなサービスを提供するデジタル携帯電話システムと、上述のブロードキャストを行うデジタル携帯電話システムとを組み合わせることも可能である。この場合、携帯電話端末装置に保持している位置情報に応じたエリア情報，地図等の情報をＨＴＴＰサーバから携帯電話端末装置に提供することもできる。
【０００８】
携帯電話端末装置は、上述のブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ）を介して受信した当該端末装置の位置情報を保持しており、現在位置付近の地図をＨＴＴＰサーバに要求する際には、保持している位置情報をＨＴＴＰサーバに送信する。ＨＴＴＰサーバは、端末装置から供給された位置情報に対応する地図の画像データを端末装置に送信し、これを受信した端末装置のＷｅｂブラウザが表示画面に表示する。
【０００９】
【非特許文献１】
「デジタル方式自動車電話システム標準規格 ＲＣＲ ＳＴＤ−２７Ｊ版」電波産業会、平成１４年５月、ｐ．３４−４１
【特許文献１】
特開２００１−１９７０２１号（
【００１０】−
【００１１】、第８図、第９図）
【特許文献２】
特開２００１−２４３２５０号（
【００１２】、
【００１３】、第３図〜第７図）
【００１４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の携帯電話端末装置の送受信部は、タイムスロット毎に設定された複数のチャネルのいずれか１つを用いて通信を行うようになっている。この送受信部が用いるチャネルは、例えば着信待機時は制御チャネル（ＣＣＨ）、端末装置の位置情報を更新する際にはブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ）、ＨＴＴＰサービス等のパケットベアラサービスの提供時は、上述のパケットチャネル（ＵＰＣＨ）となっている。
【００１５】
上述のように、携帯電話端末装置の送受信部は、複数のチャネルのいずれか１つを用いて通信を行うようになっているため、同時に複数のチャネルを使用して通信を行うことはできない。
【００１６】
このため、上述のようにＨＴＴＰサービスを利用している間は、送受信部がパケットチャネル（ＵＰＣＨ）を使用しているため、ブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ）を介して送信される位置情報を受信することができない。すなわち、ＨＴＴＰサービスを利用している際には携帯電話端末装置に保持している位置情報の更新を行うことができない。これにより、携帯電話端末装置の正確な現在の位置に応じたサービスを受けられない場合があり、位置情報に応じたサービスの正確性に改善の余地があった。
【００１７】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、位置情報に応じたサービスの正確性の向上に寄与することができる情報利用端末装置及び情報通信システムを提供することを目的とする。
【００１８】
【課題を解決するための手段】
上述の問題を解決するために、本発明に係る情報利用端末装置は、位置情報に応じた情報提供サービスを第１の無線チャネルで伝送されるパケットを介して利用するサービス利用手段と、当該情報利用端末装置が第１の無線チャネルと排他的に利用可能な第２の無線チャネルを介して送信されている位置情報を受信する位置情報受信手段と、位置情報受信手段が受信した位置情報を保持する位置情報保持手段と、位置情報保持手段に保持されている位置情報を用いて情報提供サービスを利用するときに、当該位置情報を更新するか否かを当該情報利用端末装置の利用者に確認する更新確認手段と、利用者から位置情報の更新が指示された場合に、第１の無線チャネルのパケットセッションを中断させ、位置情報受信手段に第２の無線チャネルを介して位置情報を受信させ、位置情報を位置情報保持手段に保持させた後、サービス利用手段に第１の無線チャネルのパケットセッションを介して位置情報保持手段に保持させた位置情報を用いた情報提供サービスを利用させる更新制御手段とを備えることを特徴とする。
【００１９】
位置情報とは、例えばセルラー方式の無線通信システムにおいて、基地局を配置したセルを示す識別情報，複数の所定のセルを含む領域を示す識別情報等を含むものである。位置情報を「用いて」とは、位置情報の送信のみならず、例えば位置情報に応じた処理の選択等の処理をも含む概念である。また、パケットセッションとは、第１の無線チャネルを介してパケットを伝送する際に設定されるセッションを意味している。このパケットセッションの中断（広義の中断）とは、例えばパケットセッションを一旦完全に切断する状態の他に、セッションの状態を保持しつつ待機する状態（狭義の中断）等を含む概念である。
【００２０】
この情報利用端末装置では、位置情報保持手段に保持されている位置情報を用いて情報提供サービスを利用するときに、更新確認手段が、当該位置情報を更新するか否かを当該情報利用端末装置の利用者に確認し、利用者から位置情報の更新が指示された場合に、更新制御手段が、第１の無線チャネルのパケットセッションを中断させ、位置情報受信手段に第２の無線チャネルを介して位置情報を受信させ、位置情報を位置情報保持手段に保持させた後、サービス利用手段に第１の無線チャネルのパケットセッションを介して位置情報保持手段に保持させた位置情報を用いた情報提供サービスを利用させる。これにより、第１の無線チャネルを介した位置情報に応じたサービスを利用するときに、ユーザの指示に従って、位置情報保持手段に保持されている位置情報を更新することができる。
【００２１】
また、本発明に係る情報通信システムは、位置情報に応じた情報提供サービスを提供する情報提供サーバ装置と、情報提供サーバ装置が提供する情報提供サービスを第１の無線チャネルで伝送されるパケットを介して利用する情報利用端末装置と、情報利用端末装置が第１の無線チャネルと排他的に利用可能な第２の無線チャネルを介して位置情報を送信する位置情報送信装置とを有する情報通信システムであって、情報利用端末装置が、情報提供サーバ装置が提供する位置情報に応じた情報提供サービスを第１の無線チャネルを介して利用するサービス利用手段と、位置情報送信装置が送信する位置情報を第２の無線チャネルを介して受信する位置情報受信手段と、位置情報受信手段が受信した位置情報を保持する位置情報保持手段と、位置情報保持手段に保持されている位置情報を用いて情報提供サーバ装置が提供する情報提供サービスを利用するときに、当該位置情報を更新するか否かを当該情報利用端末装置の利用者に確認する更新確認手段と、利用者から位置情報の更新が指示された場合に、第１の無線チャネルのパケットセッションを中断させ、位置情報受信手段に第２の無線チャネルを介して位置情報を受信させ、位置情報を位置情報保持手段に保持させた後、サービス利用手段に第１の無線チャネルのパケットセッションを介して位置情報保持手段に保持させた位置情報を用いた情報提供サービスを利用させる更新制御手段とを備えることを特徴とする。
【００２２】
また、本発明に係る情報提供サーバ装置は、位置情報に応じた情報提供サービスを、第１の無線チャネルで伝送されるパケットを介して情報利用端末装置に提供する情報提供サーバ装置であって、情報利用端末装置に位置情報に応じた情報提供サービスを提供する際に、当該情報利用端末装置の利用者に位置情報を更新するか否かを確認させる更新確認指示と、利用者から位置情報の更新が指示された場合に、情報利用端末装置が第１の無線チャネルと排他的に利用可能な第２の無線チャネルを介して位置情報を受信させる位置情報更新指示とを情報利用端末装置に送信する指示送信手段を備えることを特徴とする。
【００２３】
【発明の実施の形態】
本発明は、例えば移動体通信網を介して情報提供サーバ装置から携帯電話端末装置等の情報利用端末装置にコンテンツ（情報）を提供する情報通信システムに適用することができる。
【００２４】
（構成）
本発明の一実施形態に係る情報通信システムは、例えば図１に示すように、位置情報に対応させて地図，エリア情報等の情報（提供情報）を保持するサービス提供サーバ装置１０と、インターネット等のネットワーク２０を介して接続された情報提供サーバ装置１０と無線通信網との間のプロトコル変換等を実行するゲートウェイ装置（ＧＷ）３０と、電話，ファクシミリ装置等の通信装置が接続されている有線通信網４０と、当該有線通信網４０と無線通信網との間の呼設定，プロトコル変換等を実行する変換部５０と、無線通信網を構成するパケット交換機６０と、基地局装置（ＢＳ：Ｂａｓｅ Ｓｔａｔｉｏｎ）７０と、携帯電話端末装置（ＭＳ：Ｍｏｂｉｌｅ Ｓｔａｔｉｏｎ）８０とを備えている。
【００２５】
情報提供サーバ装置１０は、例えばプロセッサ（ＭＰＵ）、メモリ、ハードディスクドライブ（ＨＤＤ）等の補助記憶装置、キーボード，ディスプレイ等の入出力装置、ネットワークインタフェース等を有するパーソナルコンピュータ，ワークステーション等の情報処理装置からなり、ＨＤＤ等に保持されているオペレーティングシステム（ＯＳ）及び制御ソフトウェアを実行することにより、同図中に示す機能ブロックとして機能する。
【００２６】
情報提供サーバ装置１０は、ＨＴＴＰ（Ｈｙｐｅｒ Ｔｅｘｔ Ｔｒａｎｓｆｅｒ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）プロトコルに従って提供情報をネットワーク２０経由で提供するＨＴＴＰサーバ１１と、ＨＴＴＰサーバ１１が提供する提供情報等を格納するデータ保持部１２とを備えている。ＨＴＴＰサーバ１１は、携帯電話端末装置８０等から指示された提供情報をデータ保持部１２から読み出し、ネットワーク２０を介して送信する。
【００２７】
パケット交換機６０は、各基地局装置７０の受信出力等に応じて携帯電話端末装置８０の位置を検出する端末位置検出部と、情報提供サーバ装置１０との間の通信制御を行う通信制御部と、端末位置検出部が検出した携帯電話端末装置８０の位置に応じて情報提供サーバ装置１０と携帯電話端末装置８０の間の通信路を設定する交換制御部６１等とを備えている。この図１は、識別番号が“５”であるサービス提供領域（セル）に設置された基地局装置７０を介して情報提供サーバ装置１０と携帯電話端末装置８０の間の通信が行われている状態を図示している。
【００２８】
また、基地局装置７０は、図１に示すように、各々識別情報（この図１中では“１”〜“５”の識別番号）が割り当てられた所定のセル１，２，３，４，５，…毎に設置されている。
【００２９】
この情報通信システムは、例えば特開２００１−１９７０２１号に開示されている文字情報放送システムと同様に、不特定の携帯電話端末装置８０に対する放送（ブロードキャスト）を行うことができるようになっている。
【００３０】
このため、基地局装置７０は、当該基地局装置７０が設置されたセル内の携帯電話端末装置８０に対する呼び出し，チャネル設定等の通信制御を実行する通信制御部７１と、セル内の不特定の携帯電話端末装置８０に対するブロードキャストを行うＣＢＳ（Ｃｅｌｌ Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｓｅｒｖｉｃｅ）部７２と、携帯電話端末装置８０に対する高周波信号の送受信を行う送受信部７３とを備えている。また、ＣＢＳ部７２は、当該基地局装置７０が設置されているセルに割り当てられた識別情報を保持する位置情報保持部７２ａを備えている。
【００３１】
なお、この図１では基地局装置７０内にＣＢＳ部７２を設けた例について説明したが、このＣＢＳ部７２は、基地局装置７０とは別個の装置として構成することもできる。また、この図１では基地局装置７０がセルに１対１に対応している（すなわちＣＢＳ部７２がセルに１対１に対応している）場合について図示しているが、例えばアンテナの指向性の切り替え等によって、セルの中心から所定角度（例えば１２０°）毎にセルを分割してマイクロセルとすることもできる。この場合、１つの基地局装置７０に複数のマイクロセルが対応することになるが、基地局装置７０毎に１つのＣＢＳ部７２を設け、この基地局装置７０に対応する各マイクロセルに対して１つのＣＢＳ部７２が同一の位置情報を送信するようにしてもよい。また、複数のセルに設置された複数の基地局装置７０のＣＢＳ部７２に同一のエリア情報を提供するように構成することもできるが、この場合は、個々のセルを識別できるように、各ＣＢＳ部７２が送信する位置情報は各々固有の情報とすることが望ましい。
【００３２】
一方、携帯電話端末装置８０は、基地局装置７０との間の通信制御を実行する通信制御部８１と、音声通話の処理を実行する通話処理部８２と、通信制御部８１との間でデータ通信用のパケットの送受信を行うパケット送受信部８３と、ＣＢＳ部７２からの情報を受信するＣＢＳ受信部８４と、ＣＢＳ受信部８４から供給される当該携帯電話端末装置８０が存在するセルを示す情報（位置情報）を保持する位置情報保持部８５と、ＨＴＴＰサーバ１１が提供するＨＴＴＰサービス等を利用するＷｅｂブラウザ８６と、電話番号，動作指示等を入力する操作キー８７と、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）等からなる表示画面を有する表示部８８と、表示部８８の制御を行う表示制御部８９とを備えている。
【００３３】
（動作概要）
基地局装置７０と、携帯電話端末装置８０の間では、例えば図２（Ａ）に示すように、所定の周波数の信号を時分割で使用する時分割多重通信によって、複数のチャネルの通信を行うようになっている。
【００３４】
この図２（Ａ）に示すように、物理的なチャネルとして、例えば呼の設定等の通信制御に用い得る制御チャネル（ＣＣＨ：Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｃｈａｎｎｅｌ）と、ＨＴＴＰサービス等のパケットベアラサービスの提供に用い得るパケットチャネル（ＵＰＣＨ：Ｕｓｅｒ Ｐａｃｋｅｔ Ｃｈａｎｎｅｌ）が設けられている。これらのチャネルのより詳細なフォーマット等は「デジタル方式自動車電話システム標準規格 ＲＣＲ ＳＴＤ−２７Ｊ版」で規定されている。
【００３５】
さらに、この情報通信システムでは、上述の文字情報放送システムと同様に、不特定の携帯電話端末装置８０に対するブロードキャストに用い得るブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ：Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｃｈａｎｎｅｌ）を設けている。このブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ）の３６タイムスロット分のデータにより、例えば同図（Ｂ）に示すように、スーパーフレームが構成され、７０スーパーフレームによって、例えば同図（Ｃ）に示すように、ＣＢＳハイパーフレームが構成されている。
【００３６】
このＣＢＳハイパーフレームには、ｃｈ０〜ｃｈ６３までの６４のチャネルが含まれており、ｃｈ０とｃｈ１は各々４つ、残りのｃｈ２〜ｃｈ６３までのチャネルは各々１つ含まれている。すなわち、ＣＢＳハイパーフレームは、合計で７０のチャネルで構成され、各チャネルは各々１つのスーパーフレームに対応している。なお、上述の各基地局装置７０毎の位置情報はｃｈ０で送信される。
【００３７】
ＣＢＳ部７２の位置情報保持部７２ａは、位置情報として、各セル（あるいは各ＣＢＳ部７２）毎に固有の位置情報を保持しており、この位置情報を、上述のＣＢＳハイパーフレーム中のｃｈ０を介して送信している。
【００３８】
この位置情報は、例えば各々のＣＢＳ部７２に固有の識別番号等の情報としてもよいが、例えば当該ＣＢＳ部７２に対応する基地局装置７０が設置された緯度及び経度あるいは住所若しくはこれらの両方を示す文字情報等とすることにより、携帯電話端末装置８０において表示部８８に表示する際等にそのまま用いることができる。
【００３９】
具体的には、緯度及び経度は、例えば“ｘｘｘｘｘｘｘ（０ｘ１Ａ）ｙｙｙｙｙｙｙ”等の文字情報で表すことができる。ここで、ｘｘｘｘｘｘｘは最大７桁の緯度、ｙｙｙｙｙｙｙは最大７桁の経度をそれぞれ示す数字の文字コードであり、（０ｘ１Ａ）はこれらの区切りを示す文字コードである。また、住所は、例えば“港区愛宕ｘ−ｙ−ｚ”等の文字情報で表すことができる。以下の説明では、これらの緯度及び経度を示す文字情報と住所を示す文字情報の両方を位置情報とした場合について説明する。
【００４０】
また、他のチャンネルでは、例えば当該位置情報保持部７２ａに対応するセルに応じた交通機関，施設，飲食店，イベント等の情報（エリア情報）を、例えばこれらのカテゴリ別に送信している。
【００４１】
携帯電話端末装置８０の通信制御部８１は、ＣＢＳの受信を行うように設定されているときは、ブロードキャスト物理チャネル（ＢＰＣＨ）を受信し、ＣＢＳ受信部８４に供給する。ＣＢＳ受信部８４は、例えば予め受信するように設定されているチャネルのデータを抽出して保持すると共に、ｃｈ０のデータから上述の位置情報を抽出し、位置情報保持部８５に供給する。上述のように、位置情報は各々のＣＢＳ部７２毎に異なり、ＣＢＳ部７２とセルが対応しているため、位置情報保持部８５には，当該携帯電話端末装置８０の位置に応じた位置情報が保持された状態となる。
【００４２】
また、この携帯電話端末装置８０では、パケットチャネル（ＵＰＣＨ）を介して伝送されるパケットにより、例えばＨＴＴＰサーバ１１によって提供されるＨＴＴＰサービスを利用することができるようになっている。
【００４３】
ＨＴＴＰサーバ１１が提供するサービスには、地図，交通機関，施設あるいは経路案内等の位置情報に応じたサービスも含まれている。このような位置情報に応じたサービスを利用する際には、携帯電話端末装置８０の位置情報保持部８５に保持されている位置情報をＨＴＴＰサーバ１１に供給し、ＨＴＴＰサーバ１１が供給された位置情報に応じた情報（例えば地図の画像，最寄駅の位置，公共施設のリスト等）を携帯電話端末装置８０のＷｅｂブラウザ８６宛てに送信する。位置情報に応じた情報は、例えば予め位置情報に対応付けられてデータ保持部１２に格納されており、Ｗｅｂブラウザ８６から供給された位置情報に基づいてＨＴＴＰサーバ１１がデータ保持部１２から読み出してＷｅｂブラウザ８６宛てに送信する。
【００４４】
Ｗｅｂブラウザ８６は、このように位置情報に応じてＨＴＴＰサーバ１１から供給された情報を表示部８８の表示画面に表示させ、ユーザが表示された情報を利用することができる。
【００４５】
ところで、この携帯電話端末装置８０は、省電力化等のために、ＣＢＳの受信の可否，受信頻度，受信するチャネル等の動作モードをユーザの設定に応じて適宜変更することができるようになっている。このため、通信制御部８１は、これらの動作モードを示す情報を保持するメモリと、当該メモリに保持されている情報に応じてＣＢＳの受信を制御する受信制御部とを備えている。
【００４６】
例えばＣＢＳの受信を行う動作モードに設定されているときは、通信制御部８１は、着信待機時等において、予め設定された時間間隔で設定されたチャネルのＣＢＳの受信を行い、受信したデータをＣＢＳ受信部８４に供給する。ＣＢＳ受信部８４は、供給されたＣＢＳのデータから各チャネルのデータを保持すると共に、上述のｃｈ０の位置情報を位置情報保持部８５に供給する。これにより、位置情報保持部８５に保持されている位置情報が所定の時間間隔（受信頻度）で更新される。一方、ＣＢＳの受信を行わない動作モードに設定されている場合、あるいは通話中等でＣＢＳの受信ができない場合には、通信制御部８１は、ＣＢＳの受信を行わず、位置情報保持部８５に保持されている位置情報は更新されない。
【００４７】
このように動作モードを切り替え得る構成としたために、携帯電話端末装置８０のＣＢＳ受信部８４は、常にＣＢＳの受信を行っているとは限らず、位置情報保持部８５の位置情報が更新されないまま、携帯電話端末装置８０が他のセルに移動する場合が考えられる。
【００４８】
また、例えば通話サービス，ＵＰＣＨを用いたＨＴＴＰサービス等のＢＰＣＨと排他的に利用可能なチャネル（すなわちＢＰＣＨと同時に受信できないチャネル）を介したサービスを利用しながら他のセルに移動した場合等では、位置情報保持部８５に保持されている位置情報が、携帯電話端末装置８０の現在の位置に対応するものになっていない場合が考えられる。
【００４９】
このため、この携帯電話端末装置８０では、位置情報保持部８５に保持されている位置情報を利用（例えば当該位置情報の送信，位置情報に応じた処理の選択等）する際に、ユーザに位置情報を更新するか否かを確認し、位置情報の更新が指示された場合には、ＵＰＣＨによるパケットセッションを一旦切断してＢＰＣＨを介して提供される位置情報を受信して位置情報保持部８５に保持されている位置情報を更新するようになっている。
【００５０】
位置情報を使用するサービスの提供時には、ＨＴＴＰサーバ１１からＷｅｂブラウザ８６に、位置情報保持部８５に保持されている位置情報を送信する指示（送信指示）が定義されたＨＴＭＬ（Ｈｙｐｅｒ Ｔｅｘｔ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）あるいはＭＭＬ（Ｍｏｂｉｌｅ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）等のスクリプト言語で記述された表示データが供給される。
【００５１】
送信指示は、ＨＴＭＬの場合には、例えば＜ａ＞，＜ｆｒｏｍ＞等の所定のタグのオプション（例えばｚ属性）として定義されている。また、ＭＭＬの場合には、例えば＜Ａ＞，＜Ｆ＞等の所定のタグのオプション（例えばＺ属性）として定義されている。このような送信指示に応じて携帯電話端末装置８０のＷｅｂブラウザ８６は、例えばＨＴＴＰリクエストヘッダ中の情報としてＨＴＴＰサーバ１１宛てに送信する。
【００５２】
このような位置情報の送信命令を含む表示データは、例えば図３に示すように、ＵＰＣＨを用いたパケットセッションにおいてＨＴＴＰサーバ１１によるサービスの利用中（Ｗｅｂ閲覧中）にＷｅｂブラウザ８６に供給される。
【００５３】
このような表示データ中の命令に応じた位置情報の送信の前に、Ｗｅｂブラウザ８６は、ユーザに位置情報の更新を行うか否かを確認する。ユーザが位置情報の更新を選択すると、Ｗｅｂブラウザ８６は、通信制御部８１に指示してパケットセッションを切断し、通信制御部８１にＢＰＣＨを介して供給される位置情報の受信を指示する。
【００５４】
これに応じて、通信制御部８１からＣＢＳの受信データが供給されると、ＣＢＳ受信部８４は、位置情報の更新を開始し、上述のｃｈ０のデータ中の位置情報を抽出すると、これを位置情報保持部８５に供給して保持させる。位置情報の更新が終了すると、通信制御部８１は待機状態となって、ＣＣＨの受信状態となる。
【００５５】
この状態で、ユーザが更新された位置情報の送信を選択すると、Ｗｅｂブラウザ８６とＨＴＴＰサーバ１１の間で新たなパケットセッションを接続し、ＨＴＴＰサーバ１１はＷｅｂブラウザ８６から供給された位置情報に応じた地図の画像等の情報をＷｅｂブラウザ８６に送信する。Ｗｅｂブラウザ８６は、受信した情報に応じて地図，文字等の画像を表示制御部８９を介して表示部８８に表示させる。これにより、ユーザが位置情報に応じた情報を利用することができるようになる。
【００５６】
（詳細動作）
ユーザに位置情報保持部８５に保持されている位置情報の更新の有無を確認するためには、例えばＷｅｂブラウザ８６に供給する表示データ中で、ユーザに対する位置情報の更新を確認する動作を定義しておく。
【００５７】
携帯電話端末装置８０の現在位置付近の地図を提供するサービスでは、例えば図４中のＳ１０６で位置情報保持部８５に保持されている位置情報を送信して地図の画像データ等を要求する前に、ユーザに位置情報の確認の指示を入力させる画像１０１を表示させ、ユーザの指示に応じて位置情報の更新を行うようにする。
【００５８】
地図の提供等の選択メニューから地図の提供を選択すると、Ｗｅｂブラウザ８６は、当該選択メニューの表示データ中で定義された更新確認画面の表示データのアドレス（ＵＲＬ等）をＨＴＴＰサーバ１１に送信し、更新確認画面の表示データを要求する（Ｓ１０１）。
【００５９】
ＨＴＴＰサーバ１１は、これに応じて、更新確認画面の表示データをＷｅｂブラウザ８６に供給する（Ｓ１０２）。Ｗｅｂブラウザ８６は供給された表示データに応じて表示部８８に更新確認画面の画像１０１を表示させ、ユーザからの指示の入力を待機する。この画像１０１には現在位置の表示１０１ａと、現在位置を更新するか否かを尋ねる表示１０１ｂと、選択可能な指示を示す表示１０１ｃ、１０１ｄが含まれている。ユーザが操作キー８７を操作して表示１０１ｃに対応する「更新」を指示した場合には、Ｗｅｂブラウザ８６は、通信制御部８１に指示してパケットセッションを切断させ（Ｓ１０３）、ＢＰＣＨを介して送信されている位置情報の受信を指示する。
【００６０】
これに応じて、通信制御部８１からＣＢＳの受信データが供給されると、ＣＢＳ受信部８４は、位置情報の更新を開始し、ｃｈ０中の位置情報を位置情報保持部８５に供給する（Ｓ１０４）。
【００６１】
位置情報の更新が終了すると、Ｗｅｂブラウザ８６は、ユーザに位置情報の送信を行うか否かを確認する送信確認画面の画像１０２を表示させる。この画像１０２には現在位置の表示１０２ａと、現在位置の位置情報を送信するか否かを尋ねる表示１０２ｂと、選択可能な指示を示す表示１０２ｃ、１０２ｄが含まれている。これに対してユーザが表示１０２ｃに対応する「送信」を指示すると、例えばこの「送信」の表示に対応付けられている上述の位置情報の送信指示のタグ等に応じて、Ｗｅｂブラウザ８６が、通信制御部８１に指示してＨＴＴＰサーバ１１との間のパケットセッションを接続させ（Ｓ１０５）、位置情報保持部８５に保持されている位置情報をＨＴＴＰサーバ１１宛てに送信する（Ｓ１０６）。
【００６２】
この位置情報は、例えばＨＴＴＰリクエストヘッダ中の情報としてＨＴＴＰサーバ１１に送信される。この位置情報を送信するＨＴＴＰリクエストヘッダは、例えば図５に示すように定義することができる。このようなＨＴＴＰリクエストヘッダを受信すると、ＨＴＴＰサーバ１１は、このヘッダを解析し、例えば変数“ｘ−ｊ−ｐｈｏｎｅ−ｇｏｏｃｏｄｅ”の値として“ｘｘｘｘｘｘｘ（０ｘ１Ａ）ｙｙｙｙｙｙｙ（０ｘ１Ａ）港区愛宕ｘ−ｙ−ｚ”という文字列を設定する。このように設定された変数の値は、ＨＴＴＰサーバ１１が位置情報に応じた提供情報（例えば位置情報に応じた地図の画像等）をデータ保持部１２から取得する際に参照する。
【００６３】
あるいは、Ｗｅｂブラウザ８６が、ＨＴＴＰリクエストヘッダ中の情報を省略形式（例えば変数名“ｘ−ｊ−ｐｈｏｎｅ−ｇｏｏｃｏｄｅ”，“ｇｅｏｃｏｄｅ”等を省略名で表示する。）で構成したデータをゲートウェイ装置３０に送信し、これに応じてゲートウェイ装置３０が上述の図５に示される形式のＨＴＴＰリクエストヘッダを構成してＨＴＴＰサーバ１１に送信するようにしてもよい。これにより、Ｗｅｂブラウザ８６からゲートウェイ装置３０に転送すべきデータ量を低減させることができる。一般に無線区間（携帯電話端末装置８０と基地局装置７０あるいはパケット交換機６０の間）の通信レートはゲートウェイ装置３０とＨＴＴＰサーバ１１の間の通信レートより低いため、Ｗｅｂブラウザ８６が送信する位置情報を省略形式とすることにより無線区間のトラフィックを低減させることができる。
【００６４】
Ｗｅｂブラウザ８６からの位置情報を受信すると、ＨＴＴＰサーバ１１は、受信した位置情報に応じた地図の画像（例えば位置情報付近の地図の画像）等のデータをＷｅｂブラウザ８６宛てに送信する。ＨＴＴＰサーバ１１からのデータを受信すると、Ｗｅｂブラウザ８６は受信したデータに応じた画像、例えば地図の画像１０３等を表示させる。
【００６５】
なお、上述の更新確認画面にの画像１０１に対してユーザから表示１０１ｄに対応する「継続」が指示された場合には、Ｗｅｂブラウザ８６は、Ｓ１０３〜Ｓ１０４におけるパケットセッションの切断及び位置情報の受信を行わずに、送信確認画面の画像１０２を表示させる。この状態では、パケットセッションが接続されたままであるので、Ｗｅｂブラウザ８６は、画像１０２に対してユーザから表示１０２ｃに対応する「送信」が指示された場合に、Ｓ１０５におけるパケットセッションの接続を実行せずに、位置情報保持部８５に保持されている位置情報をＨＴＴＰサーバ１１宛てに送信する（Ｓ１０６）。
【００６６】
（効果）
以上説明したように、この実施形態に係る情報通信システムでは、ＨＴＴＰサービス等のパケットチャネル（ＵＰＣＨ）を使用したサービスを利用している場合であっても、ＵＰＣＨと排他的なタイムスロットであるＢＰＣＨを介して送信されている位置情報を受信して位置情報保持部８５に保持されている位置情報を更新することができる。このため、位置情報に応じたサービスの正確性の向上に寄与することができる。
【００６７】
また、この実施形態に係る情報通信システムでは、位置情報を更新する前にユーザに確認しているため、現在の位置情報が正しい場合等は、現場の位置情報を用いてサービスの提供を受けることができる。このため、無用にトラフィックを増加させたり、ユーザに対するレスポンスに時間がかかってしまうことを防止することができる。
【００６８】
（変形例１）
上述の説明では、基地局装置７０と携帯電話端末装置８０の間の通信に時分割多重通信を用い、上述の図２に示すフルレート構成のＣＢＳハイパーフレームを用いた場合について説明したが、位置情報を送信するデータの構成自体については限定されるものではなく、例えば特開２００１−１９７０２１号等に示されているハーフレート構成のＣＢＳハイパーフレームを用いた場合にも、本発明を適用することができる。
【００６９】
また、例えばＨＴＴＰサーバによるサービスを提供するチャネルと位置情報を提供するチャネルの周波数が異なる情報通信システムにも本発明を適用することができる。この場合にも、上述の説明と同様に、ＨＴＴＰサーバによるサービスを利用しているときに、位置情報を更新する必要が生じた場合に、当該サービスの利用に用いているチャネルの接続（パケットセッション）を切断し、位置情報を提供しているチャネルを介して位置情報を更新した後、ＨＴＴＰサーバとの間のパケットセッションを再接続する。
【００７０】
また、上述の説明では、パケットセッションを介して供給するサービスの表示データ中において、ユーザに位置情報の更新を行うか否かを確認する画面の表示を定義する場合について説明したが、表示データ中では、位置情報の送信命令のみを定義しておき、位置情報の送信命令（例えば環境変数等として位置情報を送信する命令）の実行時に、Ｗｅｂブラウザ８６が、ユーザに位置情報の更新を行うか否かを確認するようにしてもよい。
【００７１】
ＨＴＴＰサーバ１１が提供する表示データ中で、ユーザに位置情報の更新を行うか否かを確認する画面の表示を定義しておく場合には、表示データの複雑化，サイズの増加を招き、伝送時間が増加して、トラフィックの増加の一因にもなり得る。
【００７２】
これに対し、表示データ中には位置情報の送信命令のみを定義しておき、当該命令の実行時にＷｅｂブラウザ８６が上述のと同様にユーザに位置情報の更新を確認するようにすれば、表示データの複雑化，サイズの増加は抑制することができ、トラフィックの抑制に寄与することができる。
【００７３】
なお、以上の各変形例に係る情報通信システムにおいても、本発明を適用することにより、パケットチャネルを使用したサービスを利用している場合でも、携帯電話端末装置に保持している位置情報を更新することができる。このため、位置情報に応じたサービスの正確性の向上に寄与することができる。
【００７４】
（変形例２）
上述の説明では、動作モードの設定に応じてＣＢＳの受信を行うか否かを選択する例について説明したが、さらに、位置情報の更新制御手順にバリエーションを持たせてもよい。
【００７５】
このために、例えば携帯電話端末装置８０に、位置情報更新のスケジュールを管理するスケジュール管理部８０１と、更新スケジュール等の動作モードを示すモード情報を保持するモード情報保持部８０２とを設ける。
【００７６】
動作モードとしては、例えば「オート」，「セミオート」，「マニュアル」等を設ける。「オート」モードでは、更新間隔（例えば６時間とか１２時間等）毎に自動的に位置情報を更新する。この場合、さらに更新間隔を設定しない場合には定期的な位置情報の更新を行わないようにしてもよい。また、更新間隔を設定する代わりに、例えばセルの移動毎に位置情報を更新したり、受信するＣＢＳのチャネルの更新時間に位置情報を更新する等、時間間隔位置情報の更新を行う条件（更新条件）を設定するようにしてもよい。
【００７７】
また、「セミオート」モードでは、例えば１日の最初のみ手動で位置情報を更新し、以後は「オート」モードと同様の動作とする。さらに「マニュアル」モードでは、位置情報の送信等の必要が生じた際に、逐次ユーザに確認する。
【００７８】
このような各動作モード，更新間隔，更新条件には、例えば各々識別コードが対応付けられており、Ｗｅｂブラウザ８６等を介してユーザから動作モード等が指示されると、スケジュール管理部８０１がこれらの動作モード等に対応する識別コードをモード情報保持部８０２に格納する。スケジュール管理部８０１は、モード情報保持部８０２に格納された識別コードに従って、通信制御部８１の動作等を制御して位置情報の更新を行わせる。
【００７９】
このように、複数の動作モード，更新間隔，更新条件等を設定可能にすれば、ユーザは、自分の行動予定等に応じて適宜動作モード等を設定することにより、更新間隔を長くして省電力を図ったり、更新間隔を短くして位置情報の追従性を向上させて移動に応じた応答性のよいサービスの提供を受けたりすることができる。これにより、ユーザの利便性の向上に寄与することができる。
【００８０】
（変形例３）
また、上述の説明では、位置情報を更新する際に、図４に示すように、パケットセッションを一旦切断させ、ＢＰＣＨを受信させた後、パケットセッションを再接続する例について説明したが、通信効率の向上，トラフィックの低減のためには改善の余地がある。
【００８１】
パケットセッションを接続する際には、携帯電話端末装置８０と基地局７０，パケット交換機６０等の網側の装置との間でＰＰＰ（Ｐｏｉｎｔ ｔｏ Ｐｏｉｎｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）等に従った通信パラメータの設定，認証等の処理を行って、パケットセッションに関する情報（セッション情報）を設定してパケットセッションを確立する。従って、例えば図４中のＳ１０５においてセッションを再接続する際にも同様の処理を行う必要があり、トラフィックの低減，応答性の向上の観点から改善の余地があった。
【００８２】
このため、例えばパケット交換機６０の交換制御部６１に、Ｗｅｂブラウザ８６との間の通信に割り当てたパケットチャネル（ＵＰＣＨ）等のパケットセッションに関するセッション情報（ＭＳコンテキスト）を保持するレジスタ６１ａ等の記憶手段を設け、Ｗｅｂブラウザ８６が位置情報を更新する際に送信する要求に応じて、セッション情報をレジスタ６１ａに保持してパケットセッションを一旦切断し（狭義の中断）、所定時間後に、レジスタに保持したセッション情報に基づいて中断されていたセッションを再確立するようにしてもよい。
【００８３】
このように構成した場合、例えば図６に示すように、携帯電話端末装置８０のＷｅｂブラウザ８６がパケット通信要求を送信し（Ｓ２０１）、パケット交換機６０等との間で通信パラメータの設定，認証等の処理を実行する（Ｓ２０２）。認証等の処理が正常に終了すると、例えばパケット交換機６０は交換制御部６１の内部のレジスタ６１ａ等の記憶手段に、当該携帯電話端末装置８０に割り当てたパケットチャネル（ＵＰＣＨ）等のパケットセッションに関する情報が含まれているセッション情報（ＭＳコンテキスト）を保持する（Ｓ２０３）。
【００８４】
このようにセッションが確立されると、携帯電話端末装置８０のＷｅｂブラウザ８６と、ＨＴＴＰサーバ１１との間でパケット通信が行われる（Ｓ２０４）。この後、位置情報を更新する際に、Ｗｅｂブラウザ８６がパケット交換機６０にパケット通信中断要求を送信すると（Ｓ２０５）、これを受信したパケット交換機６０は、レジスタ６１ａに保持したＭＳコンテキストをクリアせずに、セッションを切断する（Ｓ２０６）。また、このときパケット交換機６０は、セッション再開タイマ６１ｂのカウントを開始させる。なお、このタイマの設定時間はＣＢＳで送信される位置情報の間隔等を考慮して設定する。
【００８５】
一方、携帯電話端末装置８０のＷｅｂブラウザ８６は、パケット通信中断要求を送信した後、通信制御部８１にＢＰＣＨの受信を指示する。ＣＢＳ受信部８４は通信制御部８１からのＢＰＣＨの受信データから位置情報を抽出し、位置情報保持部８５に保持する。これにより、位置情報の更新が行われる（Ｓ２０７）。
【００８６】
パケット交換機６０は、上述のセッション再開タイマの設定時間が終了すると、レジスタ６１ａに保持しておいたＭＳコンテキストに基づいてセッションを再確立する（Ｓ２０８）。このときは、最初の接続時とは異なり、認証処理は行わない。セッションが再確立されると、Ｗｅｂブラウザ８６とＨＴＴＰサーバ１１の間のパケット通信が再開され（Ｓ２０９）、例えばＷｅｂブラウザ８６から送信された位置情報に応じたサービスが提供される。
【００８７】
このように、位置情報の更新を行う際にパケットセッションを切断せずに、セッション情報（ＭＳコンテキスト）を保持した状態で中断し、位置情報を受信した後、パケットセッションを再確立するようにすれば、パケットセッションを再設定する場合に必要な認証処理等が必要なくなるため、トラフィックの低減，応答性の向上に寄与することができる。
【００８８】
【発明の効果】
本発明では、位置情報保持手段に保持されている位置情報を用いて情報提供サービスを利用するときに、更新確認手段が、当該位置情報を更新するか否かを当該情報利用端末装置の利用者に確認し、利用者から位置情報の更新が指示された場合に、更新制御手段が、第１の無線チャネルのパケットセッションを中断させ、位置情報受信手段に第２の無線チャネルを介して位置情報を受信させ、位置情報を位置情報保持手段に保持させた後、サービス利用手段に第１の無線チャネルのパケットセッションを介して位置情報保持手段に保持させた位置情報を用いた情報提供サービスを利用させる。
【００８９】
このため、本発明では、第１の無線チャネルを介した位置情報に応じたサービスを利用するときに、ユーザの指示に従って、位置情報保持手段に保持されている位置情報を更新することができる。これにより、位置情報に応じたサービスの正確性に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態に係る情報通信システムの構成を示す図である。
【図２】前記情報通信システムにおける基地局装置と携帯電話端末装置の間の通信チャネルの一例を示す図である。
【図３】前記情報通信システムを構成する携帯電話端末装置の通信制御部が受信するチャネルを模式的に示す図である。
【図４】前記携帯電話端末装置における位置情報の更新動作の一例を示す図である。
【図５】前記位置情報を送信するＨＴＴＰリクエストヘッダの一例を示す図である。
【図６】前記位置情報の更新動作の他の例を示す図である。
【符号の説明】
１０…情報提供サーバ装置、１１…ＨＴＴＰサーバ、１２…データ保持部、７０…基地局装置、７１…通信制御部、７２…ＣＢＳ部、７２ａ…位置情報保持部、８１…通信制御部、８３…パケット送受信部、８４…ＣＢＳ受信部、８５…位置情報保持部、８６…Ｗｅｂブラウザ
Claims (6)
- 位置情報に応じた情報提供サービスを第１の無線チャネルで伝送されるパケットを介して利用するサービス利用手段と、
当該情報利用端末装置が前記第１の無線チャネルと排他的に利用可能な第２の無線チャネルを介して送信されている位置情報を受信する位置情報受信手段と、
該位置情報受信手段が受信した位置情報を保持する位置情報保持手段と、
前記位置情報保持手段に保持されている位置情報を用いて前記情報提供サービスを利用するときに、当該位置情報を更新するか否かを当該情報利用端末装置の利用者に確認する更新確認手段と、
前記利用者から前記位置情報の更新が指示された場合に、前記第１の無線チャネルのパケットセッションを中断させ、前記位置情報受信手段に前記第２の無線チャネルを介して前記位置情報を受信させ、該位置情報を前記位置情報保持手段に保持させた後、前記サービス利用手段に前記第１の無線チャネルのパケットセッションを介して前記位置情報保持手段に保持させた位置情報を用いた前記情報提供サービスを利用させる更新制御手段と
を備えることを特徴とする情報利用端末装置。 - 前記サービス利用手段は、前記位置情報保持手段に保持されている位置情報を前記第１の無線チャネルを介して送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項１記載の情報利用端末装置。
- 前記第１の無線チャネルと前記第２の無線チャネルとが、時分割多重化されていることを特徴とする請求項１又は請求項２記載の情報利用端末装置。
- 前記情報利用端末装置は、
少なくとも待機時に所定間隔で前記第２のチャネルを介して前記位置情報を受信する第１の動作モードと，待機時には前記第２のチャネルを介した前記位置情報の受信を行わない第２の動作モードとを切り替えるモード設定手段を有することを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の情報利用端末装置。 - 位置情報に応じた情報提供サービスを提供する情報提供サーバ装置と、該情報提供サーバ装置が提供する情報提供サービスを第１の無線チャネルで伝送されるパケットを介して利用する情報利用端末装置と、前記情報利用端末装置が前記第１の無線チャネルと排他的に利用可能な第２の無線チャネルを介して位置情報を送信する位置情報送信装置とを有する情報通信システムであって、
前記情報利用端末装置は、
前記情報提供サーバ装置が提供する位置情報に応じた情報提供サービスを前記第１の無線チャネルを介して利用するサービス利用手段と、
前記位置情報送信装置が送信する前記位置情報を前記第２の無線チャネルを介して受信する位置情報受信手段と、
該位置情報受信手段が受信した位置情報を保持する位置情報保持手段と、
前記位置情報保持手段に保持されている位置情報を用いて前記情報提供サーバ装置が提供する前記情報提供サービスを利用するときに、当該位置情報を更新するか否かを当該情報利用端末装置の利用者に確認する更新確認手段と、
前記利用者から前記位置情報の更新が指示された場合に、前記第１の無線チャネルのパケットセッションを中断させ、前記位置情報受信手段に前記第２の無線チャネルを介して前記位置情報を受信させ、該位置情報を前記位置情報保持手段に保持させた後、前記サービス利用手段に前記第１の無線チャネルのパケットセッションを介して前記位置情報保持手段に保持させた位置情報を用いた前記情報提供サービスを利用させる更新制御手段と
を備えることを特徴とする情報通信システム。 - 位置情報に応じた情報提供サービスを、第１の無線チャネルで伝送されるパケットを介して情報利用端末装置に提供する情報提供サーバ装置であって、
前記情報利用端末装置に位置情報に応じた情報提供サービスを提供する際に、当該情報利用端末装置の利用者に位置情報を更新するか否かを確認させる更新確認指示と、利用者から前記位置情報の更新が指示された場合に、前記情報利用端末装置が前記第１の無線チャネルと排他的に利用可能な第２の無線チャネルを介して位置情報を受信させる位置情報更新指示とを前記情報利用端末装置に送信する指示送信手段を備えることを特徴とする情報提供サーバ装置。
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