JP2004139780A - 有機電界発光装置用電極基板および有機電界発光装置およびその装置の製造方法 - Google Patents

有機電界発光装置用電極基板および有機電界発光装置およびその装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面抵抗が著しく小さく、透明性や耐久性に優れるとともに、低い駆動電圧を印加した場合でも高い発光輝度が得られる有機EL素子および有機EL素子用の基板および有機EL素子の製造方法を提供する。
【解決手段】有機電界発光層を駆動する陽極層16と、ガラス基板10と、を備えた有機EL素子用電極基板18において、前記陽極層16が、仕事関数が5.6eVを超える値である金属酸化物の薄膜層12a、12bと、Agを主成分とする薄膜層14、の積層体から成ることを特徴とする有機EL素子用電極基板18を用いて、有機EL素子を製造する。この有機EL素子用電極基板18上に有機発光層、陰極層、その他の層を積層することによいって有機EL素子を製造すれば、透明性や耐久性に優れ、しかも、低電圧(例えば、直流5V以下)の印加であっても優れた発光輝度が得られる有機EL素子が得られる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機電界発光装置用の電極基板に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、2個の電極間に有機発光層を挟持した構造を有する有機EL素子が、以下に示す理由等から、鋭意研究開発され、開発の対象とされている。
【0003】
(1)完全固体素子であるため、取り扱いや製造が容易である。
(2)自己発光が可能であるため、発光部材を必要としない。
(3)視認性に優れているため、ディスプレイに好適である。
(4)フルカラー化が容易である。
【0004】
しかしながら、有機発光層は、有機物であり、一般に電子や正孔を輸送しにくいため劣化しやすく、長期間使用すると、リーク電流が生じやすいという問題が知られている。
【0005】
このような問題に対して、従来から種々の工夫がされてきた。
【0006】
例えば、後述する特許文献1には、陽極の仕事関数と正孔輸送層のイオン化エネルギーとの間のエネルギー差を小さくし、長寿命化を図った有機EL素子が示されている。このような目的を達成するために、陽極に、酸化錫インジウム(ITO:Indium Tin Oxide)よりも仕事関数が大きく、かつ、導電性である金属酸化物材料を用いることが特許文献1に記載されている。このような導電性金属酸化物としては、例えば、RuOx 、MoO、Vが記載されており、これらの金属酸化物を用いた有機EL素子が特許文献1に開示されている。
【0007】
また、この特許文献1においては、光透過率(%)を向上させるために、これらの導電性の金属酸化物材料からなる薄膜とITOとを積層した2層構造の陽極が提案されている。
【0008】
また、下記特許文献2には、長期間の使用を可能にすべく、電極と有機発光層との間に、絶縁性薄膜層を備えた有機EL素子が開示されている。この特許文献2に開示された有機EL素子は、具体的には、陽極層と有機発光層との間、あるいは陰極層と有機発光層との間に、窒化アルミニウムや窒化タンタル等からなる絶縁性薄膜層を備えた構成を採用している。
【0009】
また、下記特許文献3には、m−MTDATAやテトラアリールジアミン誘導体等を使用することのない低コストの有機EL素子を提供することを目的として、電極と有機発光層との間に、NiOにIn ,ZnO,SnO又はB,P,C,N,Oの少なくとも一つを添加した無機材料層、あるいはNi1−xO(0.05≦x≦0.5)よりなる無機材料層を形成した有機EL素子が開示されている。
【0010】
また、下記特許文献4には、ITO表面をフッ素化して仕事関数6.2eVのITOを得る技術が開示されている。
【0011】
【特許文献1】
特許2824411号公報
【特許文献2】
特開平8−288069号公報
【特許文献3】
特開平9−260063号公報
【特許文献4】
特開2000−277256号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示された有機EL素子は、RuOx、MoO、V等の金属酸化物材料を使用しても、正孔の移動性や耐久性がいまだ不充分であると考えられる。また、RuOx 、MoO、V等の金属酸化物材料は、光吸収係数の値が27000cm−1以上であり、大きな値を示す。これは、着色の程度が強いことを意味する。したがって、これらの金属酸化物材料からなる陽極層は、可視光域における光透過率(%)が、例えばITOの約1/9〜1/5という極端に低い値を示している。そのため、有機EL素子としては、発光効率が低かったり、外部に取り出せる光量が少ないという問題が存在する。また、これらの金属酸化物材料からなる薄膜とITOとを積層した2層構造の陽極を構成しても、光透過率(%)はITOの約1/2程度であり、いぜんとして値が低く、実用に供する値ではないという問題の存在が確認できた。また、この2層構造の陽極層を構成する場合、ITOや金属酸化物薄膜の厚さを所定範囲内の値にそれぞれ制限しなければならず、製造上の制約が大きいという問題も見られる。
【0012】
また、仕事関数はITOより大きくすることができるが、その抵抗値はITOと同等かもしくは大きくなり、実用上問題があった。
【0013】
また、上記特許文献2に開示された有機EL素子では、絶縁性薄膜層に窒化アルミニウムや窒化タンタル等を使用しているため、この部分(絶縁性薄膜層)で電圧のロス(電圧降下)があり、結果として駆動電圧が高くなりやすいという問題が見られた。
【0014】
また、上記特許文献4に開示された方法では、ITO表面をフッ素化しており、仕事関数は6.2eVまで向上する。しかし、仕事関数は向上するが、その一方においてITOの表面が絶縁膜化してしまう。その結果、仕事関数向上の効果が得られにくいという問題がある。
【0015】
上記問題について、本願発明者らが鋭意検討したところ、有機EL素子の電極層に特定の金属酸化物とAgを主成分とする多層膜を組み合わせて使用することによって優れた結果が得られることを見いだした。具体的には、上記構成を採用することによって、透明性や耐久性に優れ、しかも、低電圧(例えば、直流5V以下)の印加であっても優れた発光輝度が得られる有機EL素子が構成できることが見いだされた。
【0016】
すなわち、本発明は、特定の金属酸化物層とAgを主成分とする薄膜層の組み合わせからなる電極層を備えたことにより、表面抵抗が著しく小さく、透明性や耐久性に優れるとともに、低い駆動電圧を印加した場合でも高い発光輝度が得られる有機EL素子およびそのような有機EL素子が効率的に得られる有機EL素子用の基板およびそのような有機EL素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願発明は、以下のような手段を採用する。
【0018】
A.有機電界発光装置用電極基板の発明
1.まず、本発明は、有機電界発光層を駆動する電極と、基材と、を備える有機電界発光装置用電極基板において、前記電極が、次の2層の積層体から成ることを特徴とする有機電界発光装置用電極基板である。
【0019】
(1)仕事関数が5.6eVを超える値である金属酸化物の薄膜層
(2)Agを主成分とする薄膜層
さて、多層膜を構成として採用する場合、最外層または有機発光層と接する面は金属酸化物層にする必要がある。その理由は、低電圧化、発光輝度向上、耐久性の向上等の効果が小さいからである。
【0020】
上で示した手段を採用すれば、最外層または有機発光層と接する面は金属酸化物層にすることができるのである。
【0021】
ここで、仕事関数が5.6eV以上であるとしたのは、この条件を満たさない場合には、低電圧化、発光輝度向上、耐久性の向上等の効果が小さいためである。
【0022】
2.次に、本発明は、上記有機電界発光装置用電極基板において、前記金属酸化物の薄膜層の仕事関数が5.8eV以上であることを特徴とする。
【0023】
上述したように、仕事関数が5.6eV以上である必要があるが、より好ましくは、5.8eV以上である。
【0024】
なお、この値は、成膜後、空気中で測定した値であり、UV洗浄等を施す以前の値(洗浄前の値)である。この仕事関数は、理化学技研社製「AC−1」を光電子放出法により測定した。測定試料に3.5〜6.5eVの光を照射し、試料より放出される電子を計測した。仕事関数は、電子が放出されるのに要する照射光エネルギーより得られる。
【0025】
3.次に、本発明は、上で述べた電極基板において、前記金属酸化物の薄膜層が、酸化インジウムを主成分とし、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化タンタル、ランタノイド系金属酸化物の群から選択される少なくとも一種以上の金属酸化物を含有することを特徴とする。
【0026】
4.さらに、前記電極基板において、前記金属酸化物の薄膜層が、主成分として、前記酸化インジウムに加え、酸化亜鉛又は酸化スズを含むことを特徴とする。
【0027】
このように、本発明は、金属酸化物の薄膜層の主成分として酸化インジウムを含む。更に、酸化亜鉛および/又は酸化スズを含む物である。
【0028】
例えば、酸化インジウム+酸化亜鉛を主成分とする場合には、In/(In+Zn)=0.5〜0.95原子%とすることが望ましい。ここで、In/(In+Zn)は、金属酸化物の薄膜層中のインジウム原子と亜鉛原子の個数の総和中におけるインジウム原子の比率を表す。
【0029】
上記In/(In+Zn)の値は、好ましくは0.7〜0.9、より好ましくは0.8〜0.9の比率にする。この値が0.5未満では、金属酸化物の薄膜層の導電性が低下する場合があり、その一方、0.95を超えるとエッチング特性が劣る場合があるからである。
【0030】
また、例えば、酸化インジウム+酸化スズを主成分とする場合には、In/(In+Sn)=0.7〜0.95原子%とすることが望ましい。ここで、In/(In+Sn)は、金属酸化物の薄膜層中のインジウム原子とスズ原子の個数の総和中におけるインジウム原子の比率を表す。
【0031】
上記In/(In+Sn)の値は、好ましくは0.8〜0.95、より好ましくは0.85〜0.95の比率にする。この値が0.7未満の場合や、0.95を超える場合では、金属酸化物の薄膜層の導電性が低下する場合があるからである。
【0032】
また、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化タンタル、ランタノイド系金属酸化物の添加量は全金属原子に対して0.1から20原子%未満、好ましくは、1から10原子%未満、より好ましくは、1〜5原子%未満である。添加量が、0.1原子%未満では、添加の効果が意味のある程度に至らず、仕事関数が5.6eV以上とすることができない場合があるからである。一方、添加量が20原子%以上では、金属酸化物の薄膜が絶縁膜化して導電性が低下する問題があるからである。
【0033】
5.また、本発明は、上で述べた電極基板において、前記ランタノイド系金属酸化物が、酸化セリウム、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化テルビウムの群から選択される少なくとも一種以上の金属酸化物であることを特徴とする。
【0034】
なお、本発明において、電極を構成する当該多層膜の表面抵抗は10Ω/□未満がよい。好ましくは、6Ω/□未満、より好ましくは4Ω/□未満がよい。
【0035】
6.また、本発明は、上記電極基板において、前記Agを主成分とする薄膜層が、仕事関数が5.0以上である金属を含有していることを特徴とする。
【0036】
7.さらに、本発明は、上記仕事関数が5.0以上の金属が、Au、Ir、Ni、Pd、Ptから選択された1種または2種以上の金属を含有することを特徴とする。
【0037】
これら6、7の発明のように、仕事関数が5.0以上の金属を添加することにより、Ag層の安定性が増す。添加量としては、0.01から5wt%以下、好ましくは0.1〜2wt%、より好ましくは1〜2wt%である。
【0038】
これは、添加量が0.01未満では、添加の効果が小さく、一方、添加量が5wt%超の場合はAg薄膜層の導電性を低下させてしまう場合や高価になる場合があるためである。
【0039】
また、第三成分として、安定性や抵抗値、反射率に影響しない範囲で別の金属(Cu、Co、Zrなど)を添加しても良い。
【0040】
本発明を利用して、有機電界発光装置、たとえば有機EL素子を構成した場合、以下のような膜厚を採用することが好ましい。
【0041】
(1)陽極より光を取り出す場合
この場合、「Agを主成分とする薄膜層」(単にAg薄膜と呼ぶ場合もある)の厚さは3〜15nm、好ましくは5〜10nmである。その理由は、Ag薄膜の厚さが3nm未満では、陽極の抵抗値が下がらない場合もあるからである。一方、Ag薄膜の厚さが15nmを超える場合には、透過率が低下して、発光層からの光の取り出し効率が低下する可能性があるからである。
【0042】
また、金属酸化物の薄膜層(単に酸化物層と呼ぶ場合もある)の厚さはAg層からの反射を押さえるために10〜200nmの範囲から選ぶことが可能である。この酸化物層の厚さは好ましくは、20〜50nm、より好ましくは25〜40の範囲から選ぶことがよい。この酸化物層の厚さが10nm未満の場合は、Ag層の安定化が達成できず、有機電界発光装置の耐久性が低下することも想定されるからである。一方、この酸化物層の厚さが200nmを超える場合は、透過率が低下し、光の取り出しの効率の低下を招くおそれがあるためである。
【0043】
(2)陰極より光を取り出す場合
この場合、Ag層は、発光層からの光を陰極側へ反射する目的で厚い膜にすることができる。Ag層の厚さの範囲は、30〜300nm、好ましくは、50〜250nm、より好ましくは100〜200nmにするのが良い。
【0044】
このAg層の厚さを300nm以上にすると、厚膜となりすぎるので、電極端面でのリーク電流の発生等が起こる場合がある。逆に、Ag層の厚さを30nm未満にした場合には、光を陰極側へ反射する機能が弱くなってしまうおそれがある。このAg層の反射の機能を発揮させるという観点からは、このAg層の厚さは30nm以上好ましくは50nm以上にすることが望まれる。
【0045】
B.有機電界発光装置の発明
Aで述べた上記有機電界発光装置用電極基板と同様の特徴を有する有機電界発光装置の発明を以下示す。これらは、Aで述べた有機電界発光装置用電極基板と同様の作用を有する。
【0046】
本発明は、上記課題を解決するために、少なくとも陽極層と、有機電界発光層と、陰極層とを積層した構造を有する有機電界発光装置において、前記陽極層又は陰極層のいずれか一方又は両方の電極が、仕事関数が5.6eVを超える値である金属酸化物の薄膜層、および、Agを主成分とする薄膜層、の積層体から成ることを特徴とする有機電界発光装置である。
【0047】
また、本発明は、前記金属酸化物の薄膜層の仕事関数が5.8eV以上であることを特徴とする。
【0048】
また、本発明は、前記金属酸化物の薄膜層が、酸化インジウムを主成分とし、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化タンタル、ランタノイド系金属酸化物の群から選択される少なくとも一種以上の金属酸化物を含有することを特徴とする。
【0049】
また、本発明は、前記金属酸化物の薄膜層が、主成分として、前記酸化インジウムに加え、酸化亜鉛又は酸化スズを含むことを特徴とする。
【0050】
また、本発明は、前記ランタノイド系金属酸化物が、酸化セリウム、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化テルビウムの群から選択される少なくとも一種以上の金属酸化物であることを特徴とする。
【0051】
また、本発明は、前記Agを主成分とする薄膜層が、仕事関数が5.0以上である金属を含有していることを特徴とする。
【0052】
また、本発明は、仕事関数が5.0以上の金属が、Au、Ir、Ni、Pd、Ptから選択された1種または2種以上の金属を含有することを特徴とする。
【0053】
C.有機電界発光装置の製造方法の発明
また、本発明は、上で述べた有機電界発光装置の製造方法において、前記電極をスパッタリング法により形成し、前記有機電界発光層を真空蒸着法により形成することを特徴とする有機電界発光装置の製造方法である。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0055】
[実施例1]
(1)有機EL素子用基板の製造準備(ターゲットの作成)
まず、有機EL素子の電極をスパッタリング法で形成する際に用いるスパッタリングターゲットを作成する。
【0056】
まず、酸化インジウムと酸化セリウムとの粉末(平均粒子径1μm以下)を、湿式ボールミル容器内に収容し、72時間にわたって混合粉砕した。この際、全体の量に対する酸化セリウムのモル比(このモル比をCe/(In+Ce)で表す)が0.05となるように、混合粉砕する。
【0057】
次いで、得られた粉砕物を造粒してから、直径4インチ、厚さ5mmの寸法にプレス成形した。これを焼成炉に収容した後、1400℃の温度で、36時間加熱焼成し、陽極層用のターゲット1を作成した。
【0058】
なお、本実施の形態では有機EL素子について説明を行うが、この有機EL素子は、請求の範囲の有機電界発光装置の一例に相当する。
【0059】
(2)陽極層の形成
次いで、高周波スパッタリング装置と真空蒸着装置における共用の真空槽内に厚さ1.1mm、縦25mm、横75mmの透明なガラス基板10および、上記作成したターゲット1およびAgターゲット(Ag:98.5wt%、Pd:0.5%、Cu:1.0wt%)を配置する。
【0060】
そして、高周波スパッタリング装置を稼働して、ガラス基板10上に、厚さ35nmの金属酸化物層12a、厚さ5nmのAg薄膜14、厚さ35nmの金属酸化物層12b、を形成した。このようにして、この3層から成る陽極層16を備えた電極基板18が得られた。この様子が図1に示されている。
【0061】
ここで、ガラス基板10は、請求の範囲の「基材」の一例に相当する。本実施例では、ガラス基板10を用いたが、用途によってはプラスチック基板や、シリコンウェハ等の基板でも良い。また、このようなスパッタリングによって、陽極層を形成する工程は、請求の範囲における「電極をスパッタリング法により形成し、」の一例に相当する。すなわち、陽極層16は、請求の範囲の「電極」の一例に相当する。
【0062】
なお、真空度を5×10−4Paまで減圧した状態で、アルゴンガスに酸素ガスを混入したガスを封入し、当該雰囲気中において、真空度3×10−1Pa、基板温度25℃、投入電力100W、成膜時間14分の条件で、スパッタリングを行っている。
【0063】
以下、このガラス基板10と陽極層16とを併せた電極基板18を単に基板18と呼ぶ。この基板18は請求の範囲の有機電界発光装置用電極基板の一例に相当する。
【0064】
続いて、この基板18をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、さらに、N(窒素ガス)雰囲気中で乾燥させた後、UV(紫外線)およびオゾンを用いて10分間洗浄した。
【0065】
(3)測定結果
基板のUV洗浄前後における陽極層16の仕事関数の値をAC−1(理研計器社製)を用いて測定したところ、5.85eV(洗浄前)、6.20eV(洗浄後)であった。また、陽極層16を形成した基板の光透過率(波長550nm)を測定したところ、84%であった。表面抵抗を4端針法で測定したところ4.6Ω/□であった。
【0066】
(4)有機EL素子の形成
次に、真空蒸着装置における真空槽の基板ホルダに上記「基板」を装着し、次いで、真空槽内を、1×10−6Torr以下の真空度になるまで減圧した後、基板18の陽極層16に、正孔輸送層20、有機発光層22、電子注入層24および陰極層26を順次積層して有機EL素子を得た。この様子が図2に示されている。
【0067】
なお、このとき、正孔輸送層20の形成から陰極層26の形成までの間は、一度も真空状態を破ることなく、同一真空条件であった。
【0068】
このような真空蒸着によって、有機発光層22を形成する工程は、請求の範囲における「有機電界発光層を真空蒸着法により形成すること」の一例に相当する。すなわち、有機発光層22は、請求の範囲の「有機電界発光層」の一例に相当する。
【0069】
まず、正孔輸送層20として、TBDBを60nm真空蒸着した。次に有機発光層22としてDPVDPANとD1を真空下で40nm共蒸着した。この時のDPVDPANの蒸着速度は40nm/sであり、D1の蒸着速度は 1nm/sであった。
【0070】
次いで、電子注入層24としてAlqを20nm真空蒸着した。最後に、AlおよびLiを真空蒸着し、電子注入層24上に陰極層26を形成し、有機EL素子30を製造した。なお、この時のAlの蒸著速度は 1nm/sであり、Liの蒸著速度は0.01nm/sであり、Al/Liの膜厚は200nmであった。
【0071】
TBDBや、DPVDPAN、D1、Alqの化学式が図3に示されている。
【0072】
(5)製造した有機EL素子の評価
得られた有機EL素子30における陰極層26をマイナス(−)電極、陽極層16をプラス(+)電極として、両電極間に4.3Vの直流電圧を印加した。このときの電流密度は2.0mA/cmであり、発光輝度は160nit(cd/m)であった。また、発光色は青色であることを確認した。さらに、耐久性評価として、10mA/cmで定電流駆動したところ、1000時間以上経過後にも、特にリーク電流の発生は見られなかった。
【0073】
なお、実施例1の結果が表1中に示されている。
【0074】
【表1】
Figure 2004139780
[実施例2]
実施例1におけるターゲット1の代わりに、以下に示すターゲット3を用いた。このターゲット3は、酸化インジウムと、酸化スズと、酸化亜鉛と、酸化ネオジウムとからなるターゲットであり、その具体的な組成は以下の通りである。ここで、酸化インジウムと、酸化スズと、酸化亜鉛とを主成分金属と呼ぶ。
【0075】
まず、主成分金属中でのインジウムのモル比(In/(In+Sn+Zn)で表す)が0.8であり、主成分金属中でのスズのモル比(Sn/(In+Sn+Zn)で表す)が0.1であり、主成分金属中での亜鉛のモル比(Zn/(In+Sn+Zn)で表す)が0.1であり、かつ、金属全体におけるネオジウムのモル比(Nd/(In+Sn+Zn+Nd)で表す)が0.06である。
【0076】
ターゲット1の代わりにターゲット3を用いた点以外は、上記実施例1と同様にして、有機EL素子30を作成した。
【0077】
なお、陽極層16を作成した際の、仕事関数の値は、5.81eV(洗浄前)、5.85eV(洗浄後)であった。また、陽極層16の表面抵抗は、4.3Ω/□であった。
【0078】
また、得られた有機EL素子30に実施例1と同様に、電極間に4.8Vの直流電圧を印加したところ、電流密度の値は2.0mA/cmであり、発光輝度は156nitであった。また、発光色は青色であることを確認した。さらに、耐久性評価として、10mA/cmで定電流駆動したところ、1000時間以上経過後にも、特にリーク電流の発生は見られなかった。
【0079】
なお、実施例2の結果も表1中に示されている。
【0080】
[実施例3]
実施例1におけるターゲット1の代わりに、以下に示すターゲット4を用いた。このターゲット4は、酸化インジウムと、酸化スズと、酸化亜鉛と、酸化サマリウムとからなるターゲットであり、その具体的な組成は以下の通りである。
【0081】
主成分金属中におけるインジウムのモル比(In/(In+Sn+Zn))が0.8であり、主成分金属中におけるスズのモル比(Sn/(In+Sn+Zn))が0.1であり、主成分金属中における亜鉛(Zn/(In+Sn+Zn))のモル比が0.1であり、かつ、金属全体におけるサマリウムのモル比(このモル比はSm/(In+Sn+Zn+Sm)で表す)が0.04である。
【0082】
ターゲット1の代わりにターゲット4を用いたほかは、実施例1と同様にして、有機EL素子30を作成した。
【0083】
なお、陽極層16の仕事関数の値は、5.84eV(洗浄前)、5.95eV(洗浄後)であった。また、陽極層16の表面抵抗は、3.9Ω/□であった。得られた有機EL素子30に実施例1と同様にして、電極間に4.5Vの直流電圧を印加したところ、電流密度の値は2.0mA/cmであり、発光輝度は164nitであった。また、発光色は青色であることを確認した。さらに、耐久性評価として、10mA/cmで定電流駆動したところ、1000時間以上経過後にも、特にリーク電流の発生は見られなかった。
【0084】
なお、実施例3の結果も表1中に示されている。
【0085】
[実施例4]
実施例1におけるターゲット1の代わりに、以下に示すターゲット5を用いた。このターゲット5は、酸化インジウムと、酸化スズと、酸化亜鉛と、酸化プラセオジムとからなるターゲットであり、その具体的な組成は以下の通りである。
【0086】
主成分金属中におけるインジウムのモル比(In/(In+Sn+Zn))が0.8であり、主成分金属中におけるスズのモル比(Sn/(In+Sn+Zn))が0.1であり、主成分金属中における亜鉛(Zn/(In+Sn+Zn))のモル比が0.1であり、かつ、金属全体におけるプラセオジムのモル比(Pr/(In+Sn+Zn+Pr))が0.04である。
【0087】
ターゲット1の代わりにターゲット5を用いたほかは、実施例1と同様にして、有機EL素子30を作成した。なお、陽極層16の仕事関数の値は、5.80eV(洗浄前)、5.85eV(洗浄後)であった。また、陽極層16の表面抵抗は、4.0Ω/□であった。
【0088】
得られた有機EL素子30に実施例1と同様に、電極間に4.6Vの直流電圧を印加したところ、電流密度の値は2.0mA/cmであり、発光輝度は161nitであった。また、発光色は青色であることを確認した。さらに、耐久性評価として、10mA/cmで定電流駆動したところ、1000時間以上経過後にも、特にリーク電流の発生は見られなかった。
【0089】
なお、実施例4の結果も表1中に示されている。
【0090】
[実施例5]
実施例1におけるターゲット1の代わりに、以下に示すターゲット6を用いた。このターゲット6は、酸化インジウムと、酸化スズと、酸化亜鉛と、酸化タンタルとからなるターゲットであり、その具体的な組成は以下の通りである。
【0091】
主成分金属中におけるインジウムのモル比(In/(In+Sn+Zn))が0.8であり、主成分金属中におけるスズのモル比(Sn/(In+Sn+Zn))が0.1であり、主成分金属中における亜鉛(Zn/(In+Sn+Zn))のモル比が0.1であり、かつ、金属全体におけるタンタルのモル比(Ta/(In+Sn+Zn+Ta))が0.06である。
【0092】
ターゲット1の代わりにターゲット6を用いたほかは、実施例1と同様にして、有機EL素子30を作成した。なお、陽極層16の仕事関数の値は、5.60eV(洗浄前)、5.64eV(洗浄後)であった。また、陽極層16の表面抵抗は、4.8Ω/□であった。
【0093】
得られた有機EL素子30に実施例1と同様に、電極間に5.1Vの直流電圧を印加したところ、電流密度の値は162mA/cmであり、発光輝度は62nitであった。また、発光色は青色であることを確認した。さらに、耐久性評価として、10mA/cmで定電流駆動したところ、1000時間以上経過後にも、特にリーク電流の発生は見られなかった。
【0094】
なお、実施例5の結果は表2中に示されている。
【0095】
【表2】
Figure 2004139780
[実施例6]
実施例1におけるターゲット1の代わりに、以下に示すターゲット7を用いた。このターゲット7は、酸化インジウムと、酸化スズと、酸化亜鉛と、酸化ニオブとからなるターゲットであり、その具体的な組成は以下の通りである。
【0096】
主成分金属中におけるインジウムのモル比(In/(In+Sn+Zn))が0.8であり、主成分金属中におけるスズのモル比(Sn/(In+Sn+Zn))が0.1であり、主成分金属中における亜鉛(Zn/(In+Sn+Zn))のモル比が0.1であり、かつ、金属全体におけるNbのモル比(Nb/(In+Sn+Zn+Nb))が0.12である。
【0097】
ターゲット1の代わりにターゲット7を用いたほかは、実施例1と同様にして、有機EL素子30を作成した。
【0098】
なお、陽極層16の仕事関数の値は、5.64eV(洗浄前)、5.71eV(洗浄後)であった。また、陽極層16の表面抵抗は、4.8Ω/□であった。
【0099】
得られた有機EL素子30に実施例1と同様に、電極間に5.1Vの直流電圧を印加したところ、電流密度の値は2.0mA/cmであり、発光輝度は166nitであった。また、発光色は青色であることを確認した。さらに、耐久性評価として、10mA/cmで定電流駆動したところ、1000時間以上経過後にも、特にリーク電流の発生は見られなかった。
【0100】
なお、実施例6の結果も表2中に示されている。
【0101】
[実施例7]
実施例1におけるターゲット1の代わりに、以下に示すターゲット8を用いた。このターゲット8は、酸化インジウムと、酸化スズと、酸化亜鉛と、酸化ハフニウムとからなるターゲットであり、その具体的な組成は以下の通りである。
【0102】
主成分金属中におけるインジウムのモル比(In/(In+Sn+Zn))が0.8であり、主成分金属中におけるスズのモル比(Sn/(In+Sn+Zn))が0.1であり、主成分金属中における亜鉛(Zn/(In+Sn+Zn))のモル比が0.1であり、かつ、金属全体におけるハフニウムのモル比(Hf/(In+Sn+Zn+Hf))が0.06である。
【0103】
ターゲット1の代わりにターゲット8を用いたほかは、実施例1と同様にして、有機EL素子30を作成した。なお、陽極層16の仕事関数の値は、5.61eV(洗浄前)、5.65eV(洗浄後)であった。また、陽極層16の表面抵抗は、5.6Ω/□であった。
【0104】
得られた有機EL素子30に実施例1と同様に、電極間に4.8Vの直流電圧を印加したところ、電流密度の値は2.0mA/cmであり、発光輝度は163nitであった。また、発光色は青色であることを確認した。さらに、耐久性評価として、10mA/cmで定電流駆動したところ、1000時間以上経過後にも、特にリーク電流の発生は見られなかった。
【0105】
なお、実施例7の結果も表2中に示されている。
【0106】
[実施例8]
実施例3におけるターゲット4を用いて、陽極層16の膜厚を酸化物層:35nm、金属層:100nm、酸化物層:35nmとして形成した。また、陰極の構成をMg/Agの膜厚:5nm、および、酸化インジウムと酸化亜鉛(In/(In+Zn)=0.85)から成る透明導電膜:75nmとした。ここでIn/(In+Zn)は、インジウムと亜鉛の全量に対するインジウムのモル比を表す。これらの点以外は、実施例1と同様にして有機EL素子30を作成した。
【0107】
陽極層16の仕事関数の値は、5.72eV(洗浄前)、5.95eV(洗浄後)であった。また、陽極層16の表面抵抗は、0.2Ω/□であった。
【0108】
得られた有機EL素子30に実施例1と同様に、電極間に4.4Vの直流電圧を印加したところ、電流密度の値は2.0mA/cmであり、発光輝度は166nitであった。また、発光色は青色であることを確認した。さらに、耐久性評価として、10mA/cmで定電流駆動したところ、1000時間以上経過後にも、特にリーク電流の発生は見られなかった。
【0109】
なお、実施例8の結果も表2中に示されている。
【0110】
[比較例1]
実施例1におけるターゲット1の代わりに、酸化インジウムと、酸化スズと、酸化亜鉛とからなるターゲット9を用いた。ターゲット9の具体的な構成は、以下の通りである。
【0111】
ターゲット9においては、主成分金属中のインジウムのモル比(In/(In+Sn+Zn))が0.6であり、主成分金属中のスズのモル比(Sn/(In+Sn+Zn))が0.3であり、主成分金属中の亜鉛(Zn/(In+Sn+Zn))のモル比が0.1である。このターゲット9を用いた他は、実施例1と同様にして、有機EL30素子を作成した。
【0112】
なお、陽極層16の仕事関数の値は、4.65eV(洗浄前)、5.23eV(洗浄後)であった。得られた有機EL素子30に実施例1と同様に、電極間に6.0Vの直流電圧を印加したところ、電流密度の値は2.0mA/cmであり、発光輝度は166nitであった。また、発光色は青色であることを確認した。
【0113】
なお、比較例1の結果は表3中に示されている。
【0114】
【表3】
Figure 2004139780
[比較例2]
実施例1におけるターゲット1の代わりに、酸化セリウム100%のターゲットを用いた。その他の点は実施例1と同様にして成膜を行った。
【0115】
この結果、陽極層16の仕事関数の値は、5.25eV(洗浄前)、5.46eV(洗浄後)と計測された。なお、陽極層16の表面抵抗は、表面が絶縁性であり測定できなかった。
【0116】
なお、比較例2の結果も表3中に示されている。
【0117】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の有機電界発光装置(たとえば、有機EL素子)によれば、特定の無機化合物からなる電極(例えば陽極層等)を備えることにより、透明性や耐久性に優れ、駆動電圧が低くとも、高い発光輝度が得られる有機EL素子を提供することができるようになった。
【0118】
また、本発明で示した特定の無機化合物からなる陽極層等は、エッチング特性が劣化しないことも確認された。
【0119】
また、本発明の有機電界発光装置(たとえば、有機EL素子)によれば、上述した透明性や耐久性に優れ、駆動電圧が低くとも、高い発光輝度が得られる有機EL素子を効率的に提供することができるようになった。
【0120】
また、本発明の電極基板によれば、上記のような効果が得られる有機電界発光装置を製造することができる。
【0121】
また、本発明の製造方法によれば、上記のような効果が得られる有機電界発光装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における電極基板の断面図である。
【図2】本実施の形態における有機EL素子の断面図である。
【図3】各種物質の化学式を表した図である。
【符号の説明】
1、3、4、5、6、7、8、9 ターゲット
10 ガラス基板
12 金属酸化物層
14 Ag薄膜層
16 陽極層
18 基板(電極基板)
20 正孔輸送層
22 有機発光層
24 電子注入層
26 陰極層
30 有機EL素子

Claims (15)

  1. 有機電界発光層を駆動する電極と、基材と、を備えた有機電界発光装置用電極基板において、
    前記電極が、仕事関数が5.6eVを超える値である金属酸化物の薄膜層、および、Agを主成分とする薄膜層、の積層体から成ることを特徴とする有機電界発光装置用電極基板。
  2. 前記金属酸化物の薄膜層の仕事関数が5.8eV以上であることを特徴とする請求項1の有機電界発光装置用電極基板。
  3. 前記金属酸化物の薄膜層が、
    酸化インジウムを主成分とし、
    酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化タンタル、ランタノイド系金属酸化物の群から選択される少なくとも一種以上の金属酸化物を含有することを特徴とする請求項1又は2の有機電界発光装置用電極基板。
  4. 前記金属酸化物の薄膜層が、
    主成分として、前記酸化インジウムに加え、酸化亜鉛および/又は酸化スズを含むことを特徴とする請求項3記載の電界発光装置用電極基板。
  5. 前記ランタノイド系金属酸化物が、酸化セリウム、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化テルビウムの群から選択される少なくとも一種以上の金属酸化物であることを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の有機電界発光装置用電極基板。
  6. 前記Agを主成分とする薄膜層が、仕事関数が5.0以上である金属を含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機電界発光装置用電極基板。
  7. 仕事関数が5.0以上の金属が、Au、Ir、Ni、Pd、Ptから選択された1種または2種以上の金属を含有することを特徴とする請求項6記載の有機電界発光装置用電極基板。
  8. 少なくとも陽極層と、有機電界発光層と、陰極層とを積層した構造を有する有機電界発光装置において、
    前記陽極層又は陰極層のいずれか一方又は両方の電極が、仕事関数が5.6eVを超える値である金属酸化物の薄膜層、および、Agを主成分とする薄膜層、の積層体から成ることを特徴とする有機電界発光装置。
  9. 前記金属酸化物の薄膜層の仕事関数が5.8eV以上であることを特徴とする請求項8の有機電界発光装置。
  10. 前記金属酸化物の薄膜層が、
    酸化インジウムを主成分とし、
    酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化タンタル、ランタノイド系金属酸化物の群から選択される少なくとも一種以上の金属酸化物を含有することを特徴とする請求項8又は9の有機電界発光装置。
  11. 前記金属酸化物の薄膜層が、
    主成分として、前記酸化インジウムに加え、酸化亜鉛又は酸化スズを含むことを特徴とする請求項10記載の有機電界発光装置。
  12. 前記ランタノイド系金属酸化物が、酸化セリウム、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化テルビウムの群から選択される少なくとも一種以上の金属酸化物であることを特徴とする請求項10又は11記載の有機電界発光装置。
  13. 前記Agを主成分とする薄膜層が、仕事関数が5.0以上である金属を含有していることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の有機電界発光装置。
  14. 仕事関数が5.0以上の金属が、Au、Ir、Ni、Pd、Ptから選択された1種または2種以上の金属を含有することを特徴とする請求項13記載の有機電界発光装置。
  15. 請求項8〜14のいずれかに記載の有機電界発光装置の製造方法において、前記電極をスパッタリング法により形成し、前記有機電界発光層を真空蒸着法により形成することを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
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