JP2004139752A - キースイッチ装置及びキーボード - Google Patents

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Michihiro Aoyama
青山 通啓
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H3/00Mechanisms for operating contacts
    • H01H3/02Operating parts, i.e. for operating driving mechanism by a mechanical force external to the switch
    • H01H3/12Push-buttons
    • H01H3/122Push-buttons with enlarged actuating area, e.g. of the elongated bar-type; Stabilising means therefor

Abstract

【課題】長期間に渡り、良好なクリック感を生じる打鍵操作特性を維持できるとともに安定した接点開閉動作を遂行できるキースイッチ装置を提供する。
【解決手段】キースイッチ装置10は、キートップ14の打鍵操作中に、クリック感を伴う非線形的打鍵操作感覚を生じさせるクリック生成機構20を、作動部材54とは別個に備える。クリック生成機構20は、一対のリンク部材16とベースパネル12との相互係合領域にそれぞれ設けられる一対の衝合要素64を備える。衝合要素64は、キートップ14の昇降動作中に、この相互係合領域における各リンク部材16とベースパネル12との間の相対移動動作に対する一時的な抵抗力を生じつつ弾性的に変位する。衝合要素64は、ベースパネル12の各摺動係合部24に片持ち式に連結される弾性腕66を備える。各リンク部材16は、その連結部36の一部分36aで弾性腕66の膨出部分68に衝合する。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、打鍵操作されるキースイッチ装置に関し、特に、電子機器の入力装置であるキーボードに搭載されるキースイッチ装置に関する。さらに本発明は、そのようなキースイッチ装置を複数個備えたキーボードに関する。
【0002】
【従来の技術】
ノート型やパームトップ型のパーソナルコンピュータ等の携帯型電子機器に装備される薄型すなわち低背型のキーボードにおいては、打鍵操作されるキースイッチ装置の低背化を促進しつつ、その操作性や耐久性を向上させることが要求されている。一般に、低背型キーボードに使用できるキースイッチ装置は、ベースパネルと、ベースパネルの上方に配置されるキートップと、互いに連動してキートップをベースパネル上方で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点部を開閉するスイッチ機構とを備えて構成される。キートップは、一対のリンク部材が互いに連動することにより、ベースパネルに対して実質的鉛直方向へ、所定の姿勢を保持しつつ昇降動作できる。
【0003】
この種のキースイッチ装置では従来、一対のリンク部材として、(1)側面視逆V字状に組み合わされて、それらの第1端領域でベースパネル(又はキートップ)に摺動自在に係合し、かつ第2端領域で互いに歯車状に噛み合うとともにキートップ(又はベースパネル)に回動自在に係合する、いわゆるギアリンク形式のもの、(2)側面視X字状に組み合わされて交点で互いに回動可能に連結され、それらの第1端領域でベースパネル(又はキートップ)に摺動自在に係合し、かつ第2端領域でキートップ(又はベースパネル)に回動自在に係合する、いわゆるパンタグラフ形式のもの、(3)側面視X字状に組み合わされて交点で互いに摺動可能に連結され、それらの第1端領域でベースパネル(又はキートップ)に摺動可能に係合し、かつ第2端領域でキートップ(又はベースパネル)に回動自在に係合する、いわゆる変形パンタグラフ形式のもの等が採用されている。
【0004】
また、一般にスイッチ機構は、一対の接点を対向させて各々に担持する一対のフレキシブルシート基板を有するシート状のスイッチ(本明細書でメンブレンスイッチと称する)と、キートップとメンブレンスイッチとの間に配置され、キートップの下降動作に伴いそれら接点を閉じるように作用する作動部材とを備えている。メンブレンスイッチの両シート基板は、ベースパネルの下で支持板(例えばキーボードの下部筐体)上に支持される。作動部材は通常、ゴム材料から一体成形されたドーム状要素からなり、そのドーム頂部をキートップ側に向けた姿勢でメンブレンスイッチ上に配置される。
【0005】
上記構成において、キートップに外力が加わらないときには、スイッチ機構の作動部材がドーム頂部の外面で、キートップをベースパネル上方の初期位置(すなわちキートップの昇降ストローク上限位置)に付勢支持する。このときメンブレンスイッチは、一対の接点が開いた状態にある。また、オペレータの打鍵操作によりキートップが押し下げられたときには、作動部材はキートップに上方への弾性付勢力を及ぼしつつ変形し、キートップが昇降ストローク下限位置に達する直前に、上側のシート基板を外面から押圧して両接点を閉成する。キートップへの押下力が解除されると、作動部材が弾性的に復元し、キートップを初期位置へ復帰させるとともに、上側のシート基板が復元して両接点が開放される。ここで作動部材は、それ自体のドーム形状に起因して、キートップ打鍵操作による弾性変形時に、キートップの押下変位量に非線形対応する弾性的付勢力をキートップに及ぼすようになっている。それにより、従来のキースイッチ装置では、キートップの押下変位量が所定値を超えたときにそれまで徐々に増加していた付勢力が急に減少するような、いわゆるクリック感を伴う独特の打鍵操作特性が得られている。
【0006】
他方、従来のキースイッチ装置において、このようなクリック感を発揮するゴム製ドーム状の作動部材の代わりに、先端にスイッチ作動部を有する板ばね部材を一方のリンク部材に片持ち式に取り付け、この板ばね部材に、キートップ打鍵操作時の接点閉成機能と初期位置への弾性的付勢機能とを持たせたものが知られている(例えば特許文献1参照)。このキースイッチ装置では、メンブレンスイッチを載置した支持板に、片側傾斜面を有する突起部を形成し、キートップ打鍵操作中に板ばね部材の先端のスイッチ作動部が支持板の突起部を乗り越えるように構成している。板ばね部材は、キートップが押し下げられたときに、先端のスイッチ作動部がメンブレンスイッチ上を摺動して、キートップに上方への弾性付勢力を及ぼしつつ変形する。そして、キートップが昇降ストローク下限位置に達する前に、板ばね部材のスイッチ作動部が、支持板の突起部に傾斜面側から乗り上げて、突起部を乗り越えた直後に上側のシート基板を押圧して接点部を閉成する。オペレータは、板ばね部材のスイッチ作動部が突起部を乗り越える際に、上記したクリック感を伴う打鍵操作感覚をキートップから感受する。
【0007】
ところで、上記したメンブレンスイッチを有するキースイッチ装置をキーボードに組み込む際には、複数のキースイッチ装置におけるそれぞれのスイッチ機構の接点部を所定配列で備えた大判のメンブレンスイッチシートを使用している。このとき、一般にメンブレンスイッチシートは、一対のフレキシブルシート基板を両者間にスペーサシートを介在させて互いに重ねて置いただけの簡易な構成を有するので、キーボードの筐体内に浸入した液体に対する防水性に劣る傾向があった。そこで、防水型のキーボードに好適に搭載できるメンブレンスイッチシートとして、接点部等の導電要素部分を取り囲むように接着領域を配してスペーサシートと一対のフレキシブルシート基板とを互いに固着した密封型のメンブレンスイッチシートが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−345535号公報
【特許文献2】
特開2001−101953号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のキースイッチ装置に装備されるゴム製ドーム状の作動部材は、キートップ打鍵操作時にクリック感を発揮するための特有の弾性変形様態に起因して、特に主変形領域に応力集中を生じ易い構造となっている。したがって、長期間に渡って打鍵操作を繰り返すことにより、作動部材のゴム材料に損耗、劣化が生じ、結果としてキースイッチ装置の打鍵操作特性が悪化する懸念があった。このような懸念は、特に低背型のキースイッチ装置に備えられる小型化された作動部材において、顕現することが予測される。
【0010】
また、作動部材として板ばね部材を用いた前述した従来のキースイッチ装置では、板ばね部材の先端のスイッチ作動部が支持板の突起部を強制的に乗り越えることによりクリック感を生じるように構成しているので、やはり長期間に渡るキートップ打鍵操作の繰り返しにより、板ばね部材の材料に損耗、劣化が生じ、結果としてキースイッチ装置の打鍵操作特性が悪化する懸念があった。特にこの構成では、板ばね部材自体の弾性復元作用によりスイッチ機構の接点部を閉成するようになっているから、板ばね部材の損耗や劣化により接点開閉動作の安定性が損なわれることも危惧される。
【0011】
また、防水型のキーボードに搭載できる前述した従来の密封型メンブレンスイッチシートは、それ自体、製造工程が煩雑なために比較的高価であり、キーボードの製造コストを高騰させることが危惧された。
【0012】
本発明の目的は、打鍵操作されるキースイッチ装置において、長期間に渡り、良好なクリック感を生じる打鍵操作特性を維持できるとともに安定した接点開閉動作を遂行できるキースイッチ装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記したようなキースイッチ装置を複数個備えた耐用年数の長いキーボードを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、電子機器の入力装置としてのキーボードであって、安価でかつ優れた防水機能を有するキーボードを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ベースパネルと、ベースパネルの上方に配置されるキートップと、各々がベースパネル及びキートップの双方に可動式に係合するとともに互いに連動してキートップをベースパネルの上方で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点部を開閉するスイッチ機構と、キートップの昇降動作中に非線形的打鍵操作感覚を生じさせるクリック生成機構とを具備するキースイッチ装置において、クリック生成機構は、一対のリンク部材の少なくとも一方とベースパネル及びキートップの少なくとも一方との相互係合領域に設けられる衝合要素であって、キートップの昇降動作中に、相互係合領域における一対のリンク部材の少なくとも一方とベースパネル及びキートップの少なくとも一方との間の相対移動動作に対する一時的な抵抗力を生じつつ弾性的に変位する衝合要素を具備することを特徴とするキースイッチ装置を提供する。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のキースイッチ装置において、衝合要素は、少なくとも一方のリンク部材がベースパネルに摺動式に係合する摺動係合領域において、ベースパネルに設けられるキースイッチ装置を提供する。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のキースイッチ装置において、衝合要素は、ベースパネルに片持ち式に連結されるとともに自由端領域に膨出部分を有する弾性腕を備え、少なくとも一方のリンク部材がその一部分で、相対移動中に弾性腕を弾性変形させながら膨出部分を乗り越えるキースイッチ装置を提供する。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のキースイッチ装置において、クリック生成機構は、少なくとも一方のリンク部材の一部分に隣接して形成される凹所をさらに具備し、凹所は、一部分が弾性腕の膨出部分を乗り越えた直後に膨出部分を受容するキースイッチ装置を提供する。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のキースイッチ装置において、キートップをベースパネルから離れる上方へ弾性的に付勢する付勢部材をさらに具備し、付勢部材は、キートップの昇降動作に伴い、キートップの変位量に線形対応した付勢力を生じるキースイッチ装置を提供する。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキースイッチ装置を複数個、配列して構成されるキーボードを提供する。
【0019】
請求項7に記載の発明は、筐体と、筐体に組み付けられるベースパネルと、ベースパネルの上方で昇降方向へ個別に移動可能にベースパネルに支持される複数のキートップと、それらキートップの個々の昇降動作に対応して電気回路の接点部を開閉する複数のスイッチ機構とを具備し、複数のスイッチ機構は、ベースパネルの下方で筐体に支持され、複数のキートップに個別に対応して位置決めされる複数の接点部を担持するメンブレンスイッチシートと、ベースパネルの下方でメンブレンスイッチシートに積層され、複数のキートップの個々の下降動作に伴って複数の接点部を個別に押圧する複数の作動部材を担持する作動部シートとを備えるキーボードにおいて、作動部シートは、筐体に係合してメンブレンスイッチシートを液密封止する封止部を備え、それにより筐体内で複数のスイッチ機構に防水性を付与することを特徴とするキーボードを提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1は本発明の一実施形態によるキースイッチ装置10の分解斜視図、図2はキースイッチ装置10の非操作時の組立断面図、図3はキースイッチ装置10の押下操作時の組立断面図、図4はキースイッチ装置10の主要部の平面図である。キースイッチ装置10は、ベースパネル12と、ベースパネル12の主表面12aの上方に昇降方向へ移動可能に配置され、オペレータに打鍵操作される操作面14aを有するキートップ14と、各々がベースパネル12及びキートップ14の双方に可動式に係合するとともに、互いに連動してキートップ14をベースパネル12上で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材16と、キートップ14の昇降動作に対応して電気回路の接点部を開閉するスイッチ機構18と、キートップ14の昇降動作中に非線形的打鍵操作感覚を生じさせるクリック生成機構20とを備えて構成される。
【0021】
ベースパネル12は、例えば樹脂材料の一体成形品からなる枠状部材であり、キートップ14によって遮蔽される略矩形の開口部22を備える。ベースパネル12には、開口部22を画定する一対の対向内周縁に沿って、互いに同一構造の一対の摺動係合部24が、リンク摺動方向(図4で左右方向)ヘ相互離間して設けられる。各摺動係合部24は、ベースパネル12の主表面12aから開口部22の上方へ庇状に延長される壁部分24aを有し、この壁部分24aの長手方向(図4で上下方向)両端の内側に、主表面12aに略平行に延びる案内溝26がそれぞれ形成される。それら案内溝26は、両者間に後述する各リンク部材16の第1端領域を挿入可能な距離だけ互いに離れて配置される。各摺動係合部24の案内溝26には、一対のリンク部材16の各々が、その第1端領域に設けた摺動部(後述する)にて摺動自在に連結される。
【0022】
キートップ14は、例えば樹脂材料の一体成形品からなる平面視で略矩形の皿状部材であり、操作面14aの反対側の内面14bに、いずれも同一構造の二組の回動係合部28が、リンク摺動方向へ互いに並置して形成される。各回動係合部28は、キートップ14の内面14bから直立状に突設される板状片からなり、その板厚方向へ軸受穴30が貫通形成される。各組を成す2個の回動係合部28は、キートップ14の内面14bのリンク摺動方向略中央領域で、両者間に後述する各リンク部材16の第2端領域を挿入可能な距離だけ互いに離れて配置される。各回動係合部28の軸受穴30には、一対のリンク部材16の各々が、その第2端領域に設けた回動部(後述する)にて回動自在に連結される。
【0023】
一対のリンク部材16は、互いに同一の形状及び寸法を有し、それらの一端で互いに歯車状に連結されて側面視逆V字形態を呈し得るように組み合わされる。各リンク部材16は、例えば樹脂材料の一体成形品からなり、互いに平行に延びる一対の腕部32、34と、それら腕部32、34をそれぞれの基端で互いに連結する連結部36とを一体に備える。図示実施形態では、各リンク部材16において、連結部36を含む端部領域をリンク部材16の第1端領域と定義し、両腕部32、34の自由端を含む端部領域をリンク部材16の第2端領域と定義する。各リンク部材16の第1端領域には、互いに離反する外側面から連結部36の反対側へ、摺動部を構成する一対の摺動支軸38が互いに同軸状に突設される。また、各リンク部材16の第2端領域には、両腕部32、34の外側面から摺動支軸38と同一側へ、回動部を構成する一対の回動支軸40が互いに同軸状に突設される。さらに、各リンク部材16の一方の腕部32には、第2端領域の回動支軸40に近接する先端面に1枚の歯42が設けられ、他方の腕部34には、同様に回動支軸40に近接する先端面に2枚の歯44が設けられる。
【0024】
一対のリンク部材16の各々は、その第1端領域をベースパネル12の各摺動係合部24に摺動式に係合させるとともに、第1端領域に設けた摺動支軸38を各摺動係合部24の案内溝26に摺動可能に嵌入し、かつ第2端領域に設けた回動支軸40をキートップ14の各回動係合部28の軸受穴30に回動可能に嵌入して、ベースパネル12とキートップ14との間に配置される。このとき一対のリンク部材16は、それぞれの一方の腕部32の1枚の歯42と、それぞれの他方の腕部34の2枚の歯44とが、互いに噛み合わされて連動構造を成し、それにより、両腕部32、34の回動支軸40が規定するそれぞれの回動軸線46を中心として、互いに連動して回動できるようになっている。
【0025】
したがってキートップ14は、一対のリンク部材16がそれぞれの回動軸線46を中心に同期して反対方向へ揺動するとともに、それぞれの摺動支軸38がベースパネル12に沿って略水平方向へ摺動することにより、ベースパネル12に対し略鉛直方向へ、操作面14aを主表面12aに略平行に配置した所定の略水平姿勢を保持しつつ平行移動する。キートップ14の打鍵ストロークすなわち昇降ストロークの上限位置は、一対のリンク部材16の摺動支軸38同士の相互接近方向への摺動が、ベースパネル12の各摺動係合部24の案内溝26を画定する鉛直壁部分24bによって係止された時点で規定される。キートップ14がこの上限位置から下降するに従い、両リンク部材16の摺動支軸38は、キートップ14の昇降方向に略直交する相互離反方向へ摺動する。キートップ14が昇降ストロークの下限位置に達すると、後述するようにスイッチ機構18の接点部が閉成される。
【0026】
スイッチ機構18は、一対の接点48を対向させて各々に担持する一対のシート基板50を有するメンブレンスイッチ52と、キートップ14とメンブレンスイッチ52との間に配置され、キートップ14の下降動作に伴い両接点48を閉じるように作用する作動部材54とを備えて構成される。メンブレンスイッチ52の一対のシート基板50の間には、それらシート基板50を所定間隔に支持して両接点48を開放状態に保持するシート状のスペーサ56が設置される。両シート基板50は、いずれも周知のフレキシブル印刷回路板の構成を有し、そのフィルム基体の表面に、互いに短絡可能な接点48が設けられる。それらシート基板50は、ベースパネル12の下で支持板58上に搭載され、両接点48は、ベースパネル12の開口部22の略中心に位置決めされる。
【0027】
なお、支持板58は、例えばキースイッチ装置10を組み込んだキーボードの下部パネルのような剛性要素であり、スイッチ機構18のメンブレンスイッチ52及び作動部材54を固定的に支持する。また、一対のリンク部材16は、それらの第1端領域が、ベースパネル12の両摺動係合部24とメンブレンスイッチ52との間に受容されて上側シート基板50の表面50aに摺動自在に搭載され、各摺動支軸38が対応の案内溝26とシート基板表面50aとの間に摺動自在に支持される。
【0028】
作動部材54は、ゴム材料から一体成形された段付き円筒状要素からなり、大径部分54a、小径部分54b及び両部分54a、54bの間に介在する節部分54cを有する。作動部材54は、小径部分54bをキートップ14側へ向けた姿勢でベースパネル12の開口部22内に配置され、無負荷時には節部分54cが上側のシート基板50の上方に離隔して配置される。作動部材54の節部分54cの下面には、シート基板50に向かって延びる柱状突起60が形成される。一対のシート基板50に担持された接点48は、各シート基板50が本質的に有するこしにより、スペーサ56を介して通常は開放状態に保持され、作動部材54の柱状突起60の下方に位置決めされる。作動部材54の小径部分54bにシート基板50に接近する方向への外力が加わると、作動部材54は弾性変形し、柱状突起60が上側のシート基板50を外面から押圧することにより、一対の接点48を閉じる。なお、図1に示すように、作動部材54をその大径部分54aの開口端で、ベースパネル12とメンブレンスイッチ52との間に介在する可撓性を有するシート材62(本明細書で作動部シート62と称する)に一体的に連結することもできる。
【0029】
上記構成において、キートップ14に外力が加わらないときには、スイッチ機構18の作動部材54が小径部分54bの開口端で、キートップ14をベースパネル12上方の初期位置(すなわちキートップ14の昇降ストローク上限位置)に付勢支持する。このときメンブレンスイッチ52は、一対の接点48が開いた状態にある。また、オペレータの打鍵操作によりキートップ14が押し下げられたときには、作動部材54はキートップ14に上方への弾性付勢力を及ぼしつつ変形し、キートップ14が昇降ストローク下限位置に達する直前に、上側のシート基板50を外面から押圧して両接点48を閉成する。キートップ14への押下力が解除されると、作動部材54が弾性的に復元し、キートップ14を初期位置へ復帰させるとともに、上側のシート基板50が復元して両接点48が開放される。
【0030】
ここで作動部材54は、それ自体の段付き円筒形状に起因して、キートップ打鍵操作による弾性変形時に、キートップ14の押下変位量に実質的に線形対応する弾性的付勢力をキートップ14に及ぼすようになっている。すなわちキースイッチ装置10では、作動部材54はそれ自体、いわゆるクリック感を伴う独特の打鍵操作特性を生じるための部材ではなく、単にキートップ14をベースパネル12から離れる上方へ、押下変位量に略比例する付勢力によって弾性的に付勢する付勢部材として構成されている。したがってキースイッチ装置10では、キートップ14の打鍵操作中に、クリック感を伴う非線形的打鍵操作感覚を生じさせるクリック生成機構20を、作動部材54とは別個に備えている。
【0031】
クリック生成機構20は、一対のリンク部材16とベースパネル12との相互係合領域にそれぞれ設けられる一対の衝合要素64を備える。衝合要素64は、キートップ14の昇降動作中に、この相互係合領域における各リンク部材16とベースパネル12との間の相対移動動作に対する一時的な抵抗力を生じつつ弾性的に変位するように作用する。なお、このような作用を有する衝合要素64は、一対のリンク部材16の少なくとも一方とベースパネル12及びキートップ14の少なくとも一方との相互係合領域に設けることにより、所望のクリック感を伴う非線形的打鍵操作感覚を生じることができる。
【0032】
図示実施形態では、衝合要素64は、各リンク部材16がベースパネル12に摺動式に係合する摺動係合領域(すなわちリンク部材16の第1端領域とベースパネル12の摺動係合部24との相互係合領域)において、ベースパネル12に設けられている。さらに具体的には、衝合要素64は、ベースパネル12の各摺動係合部24の庇状壁部分24aに片持ち式に連結される弾性腕66を備える。弾性腕66は、壁部分24aの長手方向略中央位置で、ベースパネル12の主表面12aに近接する側に基端(連結端)を配置するとともに主表面12aから離れる側に自由端を配置して形成され、その自由端領域に、壁部分24aの内側に向けて膨出する膨出部分68を有する。キートップ14の昇降動作中に、各リンク部材16は、その連結部36の一部分(上面中央の丸縁部分)36aで弾性腕66の膨出部分68に衝合して、弾性腕66を弾性変形させながら摺動係合部24に対して移動する。
【0033】
上記構成において、打鍵操作によりキートップ14が昇降ストローク上限位置から押し下げられると、キートップ14の下降動作に従って、両リンク部材16の第1端領域は、ベースパネル12の対応の摺動係合部24内でキートップ14の昇降方向に略直交する相互離反方向へ摺動する。この摺動動作の間に、上記したように各リンク部材16が連結部36の一部分36aで弾性腕66の膨出部分68に衝合して弾性腕66を弾性変形させるが、このとき、弾性腕66の弾性復元力に起因して、リンク部材16の第1端領域の摺動動作(すなわちキートップ14の昇降動作)に対する一時的な抵抗力が生じる。その後、各リンク部材16の連結部36の一部分36aが弾性腕66の膨出部分68を乗り越えることにより、そのような抵抗力が減少し、次いでキートップ14が昇降ストローク下限位置に達して、スイッチ機構18の接点部を閉成する。このようにして、クリック感を伴う非線形的打鍵操作感覚が、キートップ14の打鍵操作中に得られる。なお、キートップ14への押下力が解除されると、作動部材54の弾性的復元力により、両リンク部材16の第1端領域が、ベースパネル12の摺動係合部24内で相互接近方向へ摺動して、再び弾性腕66の膨出部分68を乗り越え、次いでキートップ14が初期位置へ復帰する。
【0034】
このように、キースイッチ装置10においては、スイッチ機構18の作動部材54として、キートップ14の押下変位量に実質的に線形対応する弾性的付勢力をキートップ14に及ぼす段付き円筒状部材を採用したから、キートップ打鍵操作に伴う弾性変形時にもその変形領域に応力集中が生じ難く、長期間に渡って打鍵操作を繰り返した場合にも、作動部材54のゴム材料に生じ得る損耗や劣化を効果的に低減することができる。また、キートップ14の打鍵操作中にクリック感を伴う非線形的打鍵操作感覚を生じさせるクリック生成機構20として、作動部材54から完全に独立して作用する衝合要素64を、各リンク部材16とベースパネル12との相互係合領域に設けたから、長期間に渡って打鍵操作を繰り返した場合にも、スイッチ機構18の接点開閉動作に影響を及ぼすことはない。したがってキースイッチ装置10によれば、低背化に適した構造を有するにも関わらず、長期間に渡り、良好なクリック感を生じる打鍵操作特性を維持するとともに、安定した接点開閉動作を遂行することが可能になる。
【0035】
また、ベースパネル12に片持ち式に連結される弾性腕66からなる衝合要素64は、弾性腕66自体の寸法を適宜調整することにより、狭小な空間を移動するリンク部材16の第1端領域に対して必要十分な抵抗力を生じ得るので、良好なクリック感を安定的に生成することができる。ここでキースイッチ装置10では、弾性腕66によるクリック生成機能を一層向上させるために、図示のようにクリック生成機構20として、各リンク部材16の連結部36の前述した一部分36aに隣接して形成される凹所70をさらに備えることが有利である。この凹所70は、図5に拡大して示すように、キートップ14の打鍵操作中に、各リンク部材16の一部分36aが弾性腕66の膨出部分68を乗り越えた直後に膨出部分68を受容するように作用する。このような構成によれば、各リンク部材16の一部分36aが対応の弾性腕66の膨出部分68を乗り越えることにより生じるクリック感を、膨出部分68が凹部70に突入する際の各弾性腕66のスナップ式弾性復元動作によって感覚的に増大することができる。すなわち、弾性腕66の弾性復元動作は、弾性腕66とリンク部材16との衝突により生じる振動や音としてオペレータに感受され、結果的にクリック感の増加として認識されることになる。
【0036】
図6は、上記構成を有するキースイッチ装置10を複数個、所定配置に配列して備えた本発明の一実施形態によるキーボード80を概略で示す。キーボード80は、ノート型やパームトップ型のパーソナルコンピュータ等の携帯型電子機器の入力装置として使用できる低背構造を有する。キーボード80では、前述したキースイッチ装置10におけるベースパネル12、メンブレンスイッチ52、支持板58及び作動部シート62(使用する場合)がそれぞれ、キーボード80に組み込まれる全てのキースイッチ装置10に対して共通する大判のベースパネル82、メンブレンスイッチシート84、下部筐体86及び作動部シート88として形成されている。このような構成を有するキーボード80は、長期間に渡り、多数のキースイッチ装置10の各々において、良好なクリック感を生じる打鍵操作特性を維持できるとともに安定した接点開閉動作を遂行できる耐用年数の長いものとなる。
【0037】
図7〜図9は、変形例によるクリック生成機構90を備えたキースイッチ装置10を示す。この変形例では、クリック生成機構90は、各リンク部材16の第1端領域とベースパネル12の対応の摺動係合部24との相互係合領域に設けられる各一対の衝合要素92を備える。各摺動係合部24における一対の衝合要素92は、摺動係合部24の庇状壁部分24aに片持ち式に連結される弾性腕94をそれぞれに備える。それら弾性腕94は、壁部分24aの長手方向両端の案内溝26近傍位置で、互いに近接する側に基端(連結端)を配置するとともに互いに離反する側に自由端を配置して形成され、その自由端領域に、壁部分24aの内側に向けて膨出する膨出部分96を有する。キートップ14の昇降動作中に、各リンク部材16は、その連結部36の一部分(上面両端近傍の丸縁部分)36bで一対の弾性腕94の膨出部分96にそれぞれ衝合して、弾性腕94を弾性変形させながら摺動係合部24に対して移動する。したがってこの衝合時には、弾性腕94の弾性復元力に起因して、キートップ14の昇降動作に対する一時的な抵抗力が生じ、その後、連結部36の一部分36bが膨出部分96を乗り越えることにより、そのような抵抗力が減少する。
【0038】
上記構成を有するクリック生成機構90によっても、前述したクリック生成機構20と同等の作用効果が奏されることは理解されよう。特にこの変形例では、一対のリンク部材16の各々に対して2つの衝合要素92を設置したから、それぞれの弾性腕94の作用によって一層安定したクリック感を生じ得ることが予測される。なお、クリック生成機構90においても、各弾性腕94によるクリック生成機能を一層向上させるために、各リンク部材16の連結部36の前述した一部分36bに隣接して、弾性腕94の膨出部分96を受容する凹所98を形成することが有利である。
【0039】
キースイッチ装置10においては、スイッチ機構18のゴム製円筒状の作動部材54に代えて、図10〜図12に示すように、板ばね状の一対の作動部材100、102を用いることもできる。それら作動部材100、102は、それぞれの一端100a、102aでキートップ14の裏面14bに固定されるとともに他端100b、102bでメンブレンスイッチ52上に摺動可能に当接され、側面視X字状の位置関係でキートップ14とメンブレンスイッチ52との間に設置される。一方の作動部材100には、先端にスイッチ作動部104aを有する板ばね状の延長部分104が片持ち式に連結される。
【0040】
上記構成では、キートップ14に外力が加わらないときには、一対の作動部材100、102がキートップ14をベースパネル12上方の初期位置に付勢支持する。また、オペレータの打鍵操作によりキートップ14が押し下げられたときには、両作動部材100、102はキートップ14に上方への弾性付勢力を及ぼしつつ変形し、キートップ14が昇降ストローク下限位置に達する直前に、作動部材100の延長部分104がそのスイッチ作動部104aでメンブレンスイッチ52を外面から押圧して接点部を閉成する。キートップ14への押下力が解除されると、両作動部材100、102が弾性的に復元し、キートップ14を初期位置へ復帰させるとともに、メンブレンスイッチ52の接点部が開放される。
【0041】
ここで、一対の作動部材100、102は、キートップ打鍵操作による弾性変形時に、キートップ14の押下変位量に実質的に線形対応する弾性的付勢力をキートップ14に及ぼす付勢部材として構成されている。そして、前述したクリック生成機構90が、キートップ14の打鍵操作中に、クリック感を伴う非線形的打鍵操作感覚を生じさせる。このような構成によれば、比較的単純な板ばね構造を有する作動部材100、102を使用できるので、キースイッチ装置10を安価に作製できる利点がある。
【0042】
ところで、前述したキーボード80のように、個々にメンブレンスイッチを有する複数のキースイッチ装置を組み込んだキーボードでは、それらキースイッチ装置におけるそれぞれのスイッチ機構の接点部を所定配列で備えた大判のメンブレンスイッチシートを使用している。このとき、一般にメンブレンスイッチシートは、前述したように、一対のフレキシブルシート基板を両者間にスペーサシートを介在させて互いに重ねて置いただけの簡易な構成を有するので、キーボードの筐体内に浸入した液体に対する防水性に劣る傾向があった。図13は、そのような簡易構成のメンブレンスイッチシートを有するにも関わらず、十分な防水機能を有する本発明の一実施形態によるキーボード110を示す。
【0043】
キーボード110は、筐体112と、筐体112に組み付けられるベースパネル114と、ベースパネル114の上方で昇降方向へ個別に移動可能にベースパネル114に支持される複数のキートップ116と、それらキートップ116の個々の昇降動作に対応して電気回路の接点部(図示せず)を開閉する複数のスイッチ機構118とを備える。筐体112は、上部筐体120と下部筐体122とを互いに組み合わせて構成される。ベースパネル114は、下部筐体122に固定的に組み付けられて上部筐体120と下部筐体122との間に挟持される。複数のキートップ116の各々は、ベースパネル114上の所定位置に案内機構124を介して搭載され、対応位置に配置される各スイッチ機構118と協働して、キーボード110に組み込まれるキースイッチ装置を構成する。
【0044】
複数のスイッチ機構118は、ベースパネル114の下方で下部筐体122に支持され、複数のキートップ116に個別に対応して位置決めされる複数の接点部を担持するメンブレンスイッチシート126と、ベースパネル114の下方でメンブレンスイッチシート126の上に積層され、複数のキートップ116の個々の下降動作に伴って複数の接点部を個別に押圧する複数の作動部材128を担持する作動部シート130とを備える。作動部シート130は、下部筐体122に係合してメンブレンスイッチシート126を機械的に液密封止する種々の封止部132を備える。それによりキーボード110では、筐体112内で複数のスイッチ機構118に十分な防水性が付与されている。
【0045】
作動部シート130の封止部132は、例えば図14に示すように、作動部シート130の外周縁領域130aに設けられる。この場合、作動部シート130の外周縁領域130aに対応する下部筐体122上の所定位置には、外周縁領域130aを圧入する寸法及び形状を有する溝122aが形成される。この構成では、メンブレンスイッチシート126を構成する一対のフレキシブルシート基板134とそれらの間のスペーサシート136とを互いに重ねて、複数の接点部を所定位置に位置決めしながら下部筐体122上に置いた後に、作動部シート130をメンブレンスイッチシート126上に載せ、その外周縁領域130aを下部筐体122の溝122aに圧入する。それにより、三層構造のメンブレンスイッチシート126における隣接層間の隙間が液密封止される。
【0046】
このような封止部132は、図15に示すように、メンブレンスイッチシート126の外周縁126aを巻き込むように折曲した作動部シート130の外周縁領域130bによっても構成できる。この場合、作動部シート130の外周縁領域130bに対応する下部筐体122上の所定位置には、外周縁領域130bを受容する寸法及び形状を有する溝122bが形成される。この構成では、作動部シート130の圧入作業が不要となる利点がある。
【0047】
また、図16に示すように、ベースパネル114と下部筐体122との間には、ベースパネル114を下部筐体122に固定的に組み付けるための複数の嵌合部(フック138、140)が設けられるが、作動部シート130には、そのような嵌合部で下部筐体122に立設した外周壁142をそれぞれに挿通する複数の穴144が形成される。そこで、作動部シート130の封止部132は、穴144を画定する周縁領域130cにも設けることができる。この場合、作動部シート130の周縁領域130cは、下部筐体122に設けた外周壁142の外面に密接するように形成され、それにより、メンブレンスイッチシート126における隣接層間の隙間が液密封止される。
【0048】
なお、ベースパネル114と下部筐体122との間に設けられる嵌合部においては、図16に示すように、下部筐体122の外周壁142の上端をベースパネル114の下面に密接させることが好ましい。それにより、フック138、140の成形時にベースパネル114及び下部筐体122に必然的に形成される抜き穴146、148から、作動部シート130上に液体が浸入することを効果的に防止できる。同じ目的で、図17に示すように、ベースパネル114のフック138の抜き穴146に隣接して外周壁150を形成し、下部筐体122上の外周壁142とベースパネル114上の外周壁150とを密接させる構成とすることもできる。
【0049】
封止部132を作動部シート130の周縁全体に渡って設けた場合には、下部筐体122と作動部シート130との間でメンブレンスイッチシート126が完全封止され、それにより各スイッチ機構118の接点部が開閉動作し難くなることが予測される。そこで、液体の浸入し難いキーボード背面側に位置する作動部シート130の外周縁領域130d(図13)には、封止部132を部分的に設けるか或いは全く設けないことが望ましい。さらに、筐体112内部に浸入した液体が溜まり易いキーボード正面側には、上部筐体120とベースパネル114との間、及び下部筐体122に、それぞれ排水口152、154を設けることが有利である。
【0050】
このように、上記構成を有するキーボード110によれば、比較的高価な密封型メンブレンスイッチシートを使用することなく、筐体112内で複数のスイッチ機構118に十分な防水性を付与することができる。したがってキーボード110は、安価でかつ優れた防水機能を有するものとなる。
【0051】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、他の様々な変形が可能である。例えば、クリック生成機構を有する本発明のキースイッチ装置の構成は、図示実施形態のようなギアリンク形式のリンク部材に限らず、パンタグラフ形式や変形パンタグラフ形式等の他形式のリンク部材を有するキースイッチ装置にも適用できる。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、打鍵操作されるキースイッチ装置において、長期間に渡り、良好なクリック感を生じる打鍵操作特性を維持するとともに安定した接点開閉動作を遂行することが可能になる。したがって、このようなキースイッチ装置を複数個、配列して備えたキーボードは、耐用年数の長いものとなる。さらに本発明によれば、電子機器の入力装置としてのキーボードに、安価でかつ優れた防水機能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるキースイッチ装置の分解斜視図である。
【図2】図1のキースイッチ装置を非操作時の状態で、図4の線II−IIに沿って示す組立断面図である。
【図3】図1のキースイッチ装置を押下操作時の状態で示す組立断面図である。
【図4】図3の状態にあるキースイッチ装置を、キートップを省略して示す平面図である。
【図5】図4のキースイッチ装置のクリック生成機構を拡大して示す図である。
【図6】図1のキースイッチ装置を組み込んだ本発明の一実施形態によるキーボードの一部切欠斜視図である。
【図7】変形例によるクリック生成機構を備えたキースイッチ装置を、キートップを省略して示す平面図である。
【図8】図7のキースイッチ装置を非操作時の状態で、図7の線VIII−VIIIに沿って示す組立断面図である。
【図9】図7のキースイッチ装置を押下操作時の状態で示す組立断面図である。
【図10】他の変形例によるキースイッチ装置で使用される作動部材の斜視図である。
【図11】図10の作動部材を用いたキースイッチ装置を非操作時の状態で示す、図8と同様の組立断面図である。
【図12】図11のキースイッチ装置を押下操作時の状態で示す、図9と同様の組立断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態によるキーボードの縦断面図である。
【図14】図13のキーボードに装備された作動部シートの封止部の一例を示す拡大断面図である。
【図15】図14の封止部の変形例を示す拡大断面図である。
【図16】図13のキーボードに装備された作動部シートの封止部の他例を示す拡大断面図である。
【図17】図16に示すキーボードの変形例の拡大断面図である。
【図18】図13のキーボードの内部構造を部分的に示す概略図である。
【符号の説明】
10…キースイッチ装置
12、82、114…ベースパネル
14、116…キートップ
16…リンク部材
18、118…スイッチ機構
20、90…クリック生成機構
24…摺動係合部
52…メンブレンスイッチ
54、100、102…作動部材
64、92…衝合要素
66、94…弾性腕
68、96…膨出部分
70、98…凹所
80、110…キーボード
84、126…メンブレンスイッチシート
88、130…作動部シート
112…筐体
120…上部筐体
122…下部筐体
132…封止部

Claims (7)

  1. ベースパネルと、該ベースパネルの上方に配置されるキートップと、各々が該ベースパネル及び該キートップの双方に可動式に係合するとともに互いに連動して該キートップを該ベースパネルの上方で昇降方向へ案内支持する一対のリンク部材と、該キートップの昇降動作に対応して電気回路の接点部を開閉するスイッチ機構と、該キートップの昇降動作中に非線形的打鍵操作感覚を生じさせるクリック生成機構とを具備するキースイッチ装置において、
    前記クリック生成機構は、前記一対のリンク部材の少なくとも一方と前記ベースパネル及び前記キートップの少なくとも一方との相互係合領域に設けられる衝合要素であって、該キートップの前記昇降動作中に、該相互係合領域における該一対のリンク部材の少なくとも一方と該ベースパネル及び該キートップの少なくとも一方との間の相対移動動作に対する一時的な抵抗力を生じつつ弾性的に変位する衝合要素を具備することを特徴とするキースイッチ装置。
  2. 前記衝合要素は、前記少なくとも一方のリンク部材が前記ベースパネルに摺動式に係合する摺動係合領域において、該ベースパネルに設けられる請求項1記載のキースイッチ装置。
  3. 前記衝合要素は、前記ベースパネルに片持ち式に連結されるとともに自由端領域に膨出部分を有する弾性腕を備え、前記少なくとも一方のリンク部材がその一部分で、前記相対移動中に該弾性腕を弾性変形させながら該膨出部分を乗り越える請求項2に記載のキースイッチ装置。
  4. 前記クリック生成機構は、前記少なくとも一方のリンク部材の前記一部分に隣接して形成される凹所をさらに具備し、該凹所は、該一部分が前記弾性腕の前記膨出部分を乗り越えた直後に該膨出部分を受容する請求項3に記載のキースイッチ装置。
  5. 前記キートップを前記ベースパネルから離れる上方へ弾性的に付勢する付勢部材をさらに具備し、該付勢部材は、該キートップの前記昇降動作に伴い、該キートップの変位量に線形対応した付勢力を生じる請求項1〜4のいずれか1項に記載のキースイッチ装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のキースイッチ装置を複数個、配列して構成されるキーボード。
  7. 筐体と、該筐体に組み付けられるベースパネルと、該ベースパネルの上方で昇降方向へ個別に移動可能に該ベースパネルに支持される複数のキートップと、それらキートップの個々の昇降動作に対応して電気回路の接点部を開閉する複数のスイッチ機構とを具備し、該複数のスイッチ機構は、前記ベースパネルの下方で前記筐体に支持され、前記複数のキートップに個別に対応して位置決めされる複数の前記接点部を担持するメンブレンスイッチシートと、該ベースパネルの下方で該メンブレンスイッチシートに積層され、該複数のキートップの個々の下降動作に伴って該複数の接点部を個別に押圧する複数の作動部材を担持する作動部シートとを備えるキーボードにおいて、
    前記作動部シートは、前記筐体に係合して前記メンブレンスイッチシートを液密封止する封止部を備え、それにより該筐体内で前記複数のスイッチ機構に防水性を付与することを特徴とするキーボード。
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