JP2004139646A - データ記録装置、データ再生装置、データ出力装置及び配信システム - Google Patents

データ記録装置、データ再生装置、データ出力装置及び配信システム Download PDF

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古川 雅通
Takeo Sonoda
園田 剛男
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Abstract

【課題】本発明の課題は、デジタルコンテンツデータの違法な複製および配信を効果的に防止することができる、著作権の保護技術を提供することである。
【解決手段】本発明に係る配信システム1は、配信装置11によって配信されるデジタル音楽データを、データ受信・再生装置13によって受信して再生し、データ受信・記録装置15によって受信して記録媒体に記録するものである。配信装置11により配信されるデジタル音楽データには、該データについて、ネットワークNを介した配信の可否および複製の可否を示す埋込データが埋め込まれる。そして、データ受信・再生装置13は、ネットワークNを介した配信が許諾されていることを示す埋込データが埋め込まれたデジタル音楽データのみを再生し、データ受信・記録装置15は、ネットワークNを介した配信が許諾され、かつ、複製が許諾されているデジタル音楽データのみを記録媒体に記録する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテンツデータを記録するデータ記録装置、コンテンツデータを再生するデータ再生装置、コンテンツデータを出力するデータ出力装置及びこのデータ出力装置を含んでなる配信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、音楽や画像、文書等のコンテンツがデジタルデータとして流通するようになり、EMD(Electronic Music Distribution:デジタル音楽配信)と呼ばれるサービスも開始されている。これに伴って、コンテンツデータの著作権の保護が重要な課題となり、様々な手法が提案されている。
【0003】
CD等に用いられる著作権管理手法として、SCMS(Serial Copy Management System )を挙げて説明すると、パッケージ販売されるCD(Compact Disk)に記録されたデジタル音楽データには、SCMS情報と呼ばれるデータが付加されていた。このSCMS情報は、デジタルデータとしての複製を制限する情報であり、主に一世代に限って複製を許諾するものであった。そして、デジタル音楽データを再生・記録可能なオーディオ機器により、デジタル音楽データをCDからMD(Mini Disk )へ複製する場合には、SCMS情報に従って一世代に限ってデジタルコピーが可能であり、二世代以上のデジタルコピーは不可能となっていた。
【0004】
また、インターネット等のネットワークを介して不特定多数の端末装置に配信されたコンテンツ等の著作権侵害行為を抑制する装置として、コンテンツを複数の帯域に分割し、分割した帯域毎に電子透かし情報を含ませて、配信されたコンテンツの各帯域毎の電子透かし情報の残存状態に応じて、コンテンツの記録媒体への記録の可否を判断する装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−188549号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近では、デジタルコンテンツデータがパーソナルコンピュータによって処理されるようになり、SCMS情報ごとコンテンツデータが複製されてしまうことがあった。このような場合、SCMS情報は常に一世代の複製を許諾することとなってしまい、実質的に、複製を制限することができないという問題があった。
【0007】
また、デジタルコンテンツデータが制限なく複製されてしまうことで、本来はネットワークを介した配信が許諾されていないデジタルコンテンツデータが、ネットワークを介して広く配信され、複製が繰り返されてしまうという問題があった。
また、コンテンツを複数の帯域に分割し、分割した帯域毎に電子透かし情報を含ませて、配信されたコンテンツの各帯域毎の電子透かし情報の残存状態に応じて、コンテンツの記録媒体への記録の可否を判断する装置では、帯域毎のフィルタ処理や検出処理等の処理が複雑になるという問題があった。
【0008】
本発明の課題は、デジタルコンテンツデータの違法な複製を効果的に防止するとともに、違法に複製されたデジタルコンテンツデータの配信をも効果的に防止することができる、著作権の保護技術を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
通信回線を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、
この受信手段により受信されたコンテンツデータを記録媒体に記録する記録手段とを備えるデータ記録装置において、
前記受信手段により受信されたコンテンツデータに、当該コンテンツデータの配信を許諾することを示す電子透かし情報が含まれていない場合には、前記記録手段による当該コンテンツデータの記録を阻止する記録制御手段を備えることを特徴としている。
【0010】
更に、請求項2記載のデータ記録装置において、前記受信手段により受信されたコンテンツデータに、当該コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す電子透かし情報が含まれている場合に、当該コンテンツデータに含まれる電子透かし情報を当該コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す電子透かし情報に書き換える書換手段を備え、前記記録手段は、前記書換手段により電子透かし情報が書き換えられたコンテンツデータを記録することが効果的である。
【0011】
更に、請求項3記載のデータ記録装置において、前記書換手段は、前記コンテンツデータに含まれる電子透かし情報自体を、当該コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す電子透かし情報に書き換えることが効果的である。
【0012】
更に、請求項4記載の発明は、
通信回線を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、
この受信手段により受信されたコンテンツデータを再生する再生手段とを備えるデータ再生装置において、
前記受信手段により受信されたコンテンツデータに、当該コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す電子透かし情報が含まれている場合には、前記再生手段による当該コンテンツデータの再生を阻止する再生制御手段を備えることを特徴としている。
【0013】
更に、請求項5記載の発明は、
通信回線を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、
この受信手段により受信されたコンテンツデータを出力する出力手段とを備えるデータ出力装置において、
前記受信手段により受信されたコンテンツデータに、当該コンテンツデータの配信を許諾することを示す電子透かし情報が含まれていない場合には、前記出力手段による当該コンテンツデータの出力を阻止する出力制御手段を備えることを特徴としている。
【0014】
更に、請求項6記載のデータ出力装置において、前記出力手段による前記コンテンツデータの出力は、前記コンテンツデータの再生、記録、もしくは送信のための出力であることが効果的である。
【0015】
更に、請求項7記載の発明は、
通信回線を介してコンテンツデータを配信する配信装置と、この配信装置に対して前記通信回線を介して接続されるデータ出力装置とを備えてなる配信システムにおいて、
前記配信装置は、前記コンテンツデータに、所定のデータを電子透かし情報として含ませて配信するものであり、
前記データ出力装置は、
前記通信回線を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、
この受信手段により受信されたコンテンツデータを出力する出力手段と、
前記受信手段により受信されたコンテンツデータに、当該コンテンツデータの配信を許諾することを示す電子透かし情報が含まれていない場合には、前記出力手段による当該コンテンツデータの出力を阻止する出力制御手段とを備えることを特徴としている。
【0016】
更に、請求項8記載の配信システムにおいて、前記データ出力装置は、前記受信手段により受信されたコンテンツデータに、当該コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す電子透かし情報が含まれている場合に、当該コンテンツデータに含まれる電子透かし情報を当該コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す電子透かし情報に書き換える書換手段を備え、前記データ出力装置が有する前記出力手段は、前記書換手段により電子透かし情報が書き換えられたコンテンツデータを出力することが効果的である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図7を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態において、埋込データは請求項に記載の電子透かし情報に対応する。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態における配信システム1の概略構成を示す図である。
この図1に示すように、配信システム1は、ネットワークNによって互いに接続された配信装置11、データ受信・再生装置13及びデータ受信・記録装置15によって構成される。また、配信システム1は、ネットワークNに接続されないデータ読取・記録装置17をも含むものである。
【0019】
配信システム1において、データ受信・再生装置13は、配信装置11によりネットワークNを介して送信されるデータを受信して再生する装置であり、データ受信・記録装置15は、配信装置11からネットワークNを介して送信されるデータを受信して、後述する記録媒体に記録する装置である。
【0020】
また、データ読取・記録装置17は、後述するように、音楽CD(Compact Disc)等の既にデータが記録された状態でパッケージ販売される記録媒体、すなわちパッケージメディアや、デジタル音楽データが記録されたその他のメディアからデータを読み取って、他の記録媒体に記録する装置である。
【0021】
ネットワークNは、専用線、公衆電話回線、衛星通信回線等の各種通信回線や図示しない各種サーバ等を含んで構成され、その具体的態様は特に限定されない。また、配信装置11、データ受信・再生装置13およびデータ受信・記録装置15の各装置とネットワークNとの間には、ISP(Internet Service Provider )やNSP(Network Service Provider)等が提供するサーバやファイアーウォール、ゲートウェイ装置等の各種機器が介在する構成としても良いが、ここでは図示しない。
【0022】
ここで、配信システム1において配信、再生及び記録されるデータについて説明する。
【0023】
本第1の実施の形態では、配信システム1において、コンテンツデータとして音楽データを配信、再生、読取および記録する例について説明する。従来から、パッケージ販売されるCDやDVD(Digital Versatile Disc)等に記録されたデジタル音楽データには、SCMS(Serial Copy Management System)と呼ばれるデータが付加されている。ここで、SCMS情報の構成を表1に示す。
【表1】
Figure 2004139646
【0024】
上記表1に示すように、SCMS情報は2ビットで構成されており、デジタル音楽データの複製に関して、3通りの制限を示している。
例えば、SCMS情報「00」は、「Copy Free 」すなわち複製について制限がないことを示している。また、SCMS情報「10」は、「One Generation Copy Permitted 」すなわち一世代の複製のみ許諾されていることを示し、SCMS情報「11」は、「No More Copy 」すなわち複製が禁止されていることを示している。
【0025】
従って、デジタル音楽データにSCMS情報「10」が付加されている場合、そのデジタル音楽データは、一世代に限り、デジタルデータとして複製することが可能である。例えば、パッケージ販売されているCDを購入したユーザが、このCDに記録されたデジタル音楽データをCD−RやCD−RW等のディスクメディアや、半導体メモリメディアに記録することは可能であるが、そのディスクメディアや半導体メモリメディアから、さらに他のメディアにデジタル音楽データをデジタルコピーすることは許諾されていない。
【0026】
また、パッケージ販売されているCDに記録されたデジタル音楽データには、著作権を主張する電子データが信号ビット列の中の1ビットの著作権情報ビットで付加されているが、これを改竄が困難な電子透かし情報として特定のデータを挿入することで表示することも可能である。CDの場合、SCMSの情報の「00」に対応する状態は、この著作権情報の1ビットが「1」に対応していて、「10」に対応する状態は、この著作権ビットが「0」の状態に対応する。
【0027】
また、SCMSの「11」に対応する状態は、この著作権情報の1ビットがおおよそ1秒の周期で1と0が交互に出てくる状態で対応している。
このように複雑な構造になったのは、元々SCMSの考え方がCDが発売された後、デジタル録音装置DATが市場に投入される時点で決められたせいである。
DATの場合は、最初から著作権情報として2ビットが割り当てられていたので、SCMS本来のビット構造をとっている。つまり、SCMSの情報には著作権を主張する情報とコピー世代を示す情報の双方が含まれている。
【0028】
同様に、デジタル音楽データにSCMS情報「00」が付加されている場合、そのデジタル音楽データは自由にデジタルコピーすることが可能であり、デジタル音楽データにSCMS情報「11」が付加されている場合、そのデジタル音楽データは既に一回コピーされたコンテンツを示し、更なるデジタルコピーは不可能である。なお、現在市販されているデジタル音楽データのデジタルコピーが可能な機器は、概ねSCMS情報の制限に準じた動作を行うものとなっている。
【0029】
さらに、本第1の実施の形態では、配信システム1において配信、再生及び記録されるデジタル音楽データには、3ビットのデータが埋め込まれているものとする。この3ビットのデータを、以下、「埋込データ」と称呼し、その構成を表2に示す。
【表2】
Figure 2004139646
【0030】
上記表2に示すように、3ビットで構成される埋込データは、先頭の1ビットである「第1ビット」と、この第1ビットに次ぐ2ビットの「第2,第3ビット」とに分けられる。
第1ビットは、該埋込データが埋め込まれたデジタル音楽データが、EMD(Electronic Music Distribution )のサービス等による配信が許諾されたデータであるか否かを示す。具体的には、第1ビットが「0」であれば、該埋込データが埋め込まれたデジタル音楽データは配信が許諾されないデータであり、第1ビットが「1」であれば、該埋込データが埋め込まれたデジタル音楽データは配信が許諾されたデータである。
【0031】
なお、ここで配信が許諾されたデータとは、著作権者等によりEMD等による配信が正規に許諾されたデジタル音楽データであり、正規に認証された配信装置11によって、通常のデジタル音楽データに埋込データを埋め込んでなるものである。従って、デジタル音楽データが通信ネットワークを介して配信されたもの総てが配信用のデータであるとは限らない。
【0032】
例えば、パッケージ販売されるメディアに記録されたデジタル音楽データは、著作権者等の意図により、該メディアを再生する装置による利用のみが許諾され、ネットワークを介した配信が許諾されないことが想定される。このような場合、パッケージ販売されるデジタル音楽データには、第1ビットが「0」の埋込データが埋め込まれる。
【0033】
一方、ネットワークを介して配信されることを想定して作成されたデジタル音楽データには、第1ビットが「1」の埋込データが埋め込まれる。さらに、パッケージ販売されるメディアに記録されるデジタル音楽データであっても、著作権者等の意図により、ネットワークを介した配信が許諾される場合も想定される。このような場合、第1ビットが「1」の埋込データが埋め込まれたデジタル音楽データを記録したメディアがパッケージ販売されることもあり得る。
【0034】
また、表2に示す第2,第3ビットのデータは2ビットでひとまとまりになっており、デジタル音楽データの複製に関して、3通りの制限を示す情報である。例えば、第2,第3ビットのデータが「00」の場合、「Copy Free 」すなわち複製について制限がないことを示している。また、第2,第3ビットのデータが「10」の場合、「One Generation Copy Permitted 」すなわち一世代の複製のみ許諾されていることを示し、第2,第3ビットのデータが「11」の場合は、「Never Copy 」もしくは「No More Copy 」すなわち複製が禁止されていることを示している。
【0035】
従って、例えば埋込データ「010」が埋め込まれたデジタル音楽データは、パッケージメディアに記録されていたデータであって、一世代のみデジタルデータとして複製することが可能である。
このように、3ビットで構成される埋込データは、デジタル音楽データの出自と、該デジタル音楽データに関して定められたデジタルコピーの制限とを示すデータである。
【0036】
また、例えば、埋込データ「010」が埋め込まれたデジタル音楽データについて、1回の複製を行った場合、埋込データを「011」に書き換えれば、複製に関する制限が「One Generation Copy Permitted 」から「No More Copy 」へ変化する。すなわち、埋込データが指定した通り、一世代の複製のみが実行され、複製されたデータはそれ以上の複製が許可されなくなり、著作権者の意図に従った著作権の保護が可能となる。
【0037】
なお、本発明の実施の形態において、埋込データは、いわゆる「Digital Water Mark(電子透かし)」技術によってデジタル音楽データに埋め込まれるものであり、一般消費者による記録・改変が不可能なように記録されたものである。電子透かし技術は、従来、Information hidingやSteganography (情報隠蔽技術)と呼ばれていた技術であり、画像や音声等を表すデジタルデータの中に特定の情報を埋め込むための技術である。電子透かし技術により埋め込まれた情報は、上記画像や音声を閲覧・再生する通常の手段では発見が困難な状態となり、情報を埋め込んでも、もとのデジタルデータが示す画像や音声には、視覚や聴覚で感じられる程度の変化が現れない。このため、一般消費者による記録・改変は非常に困難である。
ここで、デジタル音楽データに対する電子透かし技術の一例について説明する。
【0038】
一般に、音楽CDに記録されるデジタル音楽データは、音声のアナログ原信号を標本化周波数44.1kHz でサンプリングして得られた信号であり、ステレオ音声のL・Rチャンネルは、それぞれ16ビットの量子化信号で構成される。すなわち、一般的なデジタル音楽データは、1秒当たり44,100個のサンプルが時間軸に沿って並ぶサンプルストリームとして表され、ステレオ音声の場合は、それぞれL・Rチャンネルに対応する2本のサンプルストリームで表される。
【0039】
電子透かし技術によって情報を埋め込む場合、情報を埋め込む対象のデジタル音楽データのサンプルストリームは、時間軸に沿って一定区間毎に分割される。ここで、分割された各区間をタイムスライスと称する。各タイムスライスは互いに重なり合うことなく隣り合っており、各タイムスライスには、例えば128ビットのサンプルが含まれる。
【0040】
デジタル音楽データのサンプルストリームに情報を埋め込む手法としては、時間軸領域で情報を埋め込む方法と、サンプルストリームを周波数領域に変換した上で情報を埋め込む方法が挙げられる。サンプルストリームを周波数領域に変換した上で情報を埋め込む場合、情報を埋め込んだ後で、時間軸領域への逆変換を行って、もとのサンプルストリームと同じ形態のデータにする必要がある。この逆変換によって、埋め込まれた情報は時間軸領域に分散され、検出することが非常に困難になるので、結果的に解読に対する防御性が高められる。
【0041】
サンプルストリームを周波数領域に変換するためには、FFT(Fast FourierTransform:高速フーリエ変換)が用いられる。例えば、上記のタイムスライスに対してFFTを実行すると、128のサンプルを含むタイムスライスが周波数領域に変換され、0Hz〜22kHzにおける128の周波数帯のエネルギー量を示すスペクトルが得られる。なお、変換後の周波数帯の上限周波数は、Nyquist 周波数、またはサンプリングレートの1/2として決定される。
【0042】
そして、FFTにより得られる各周波数帯のスペクトルを人工的に加工することにより、情報を埋め込むことができる。ただし、スペクトルの加工によって、デジタル音楽データの音質に影響が及ばないことが望ましいため、全ての情報を一カ所に埋め込むのではなく、情報を分散して埋め込む必要がある。
【0043】
情報を分散して埋め込むために、スペクトラム拡散を利用する方法が知られている。この方法では、情報をスペクトラム拡散によって全周波数帯域に拡散し、スペクトルに重畳する。しかしながら、スペクトラム拡散では情報の挿入に関するパラメータが固定されるので、全周波数帯にわたって情報が拡散されていることが明らかになってしまう。
【0044】
このため、電子透かし情報が容易に検出され、電子透かし情報の不正な加工や除去が行われるおそれがある。また、スペクトルの状態とは無関係に全周波数帯に情報を分散するため、全周波数帯にホワイトノイズが加えられたのと同様の影響があり、もとのデジタル音楽データに聴覚で感じられるほどの影響を与えてしまうおそれがある。
【0045】
そこで、最近では、人間の聴覚特性として知られているマスキング効果を利用して情報を埋め込む手法が提案されている。
具体的には、周波数領域のスペクトルの波形に基づき、もとのデジタル音楽データにおいてマスキング効果が期待されるマスキング領域を検出する。このマスキング領域に情報を付加した場合、マスキング効果によって、情報の付加による影響を聴覚で感じることは非常に困難になる。そこで、マスキング領域に対して情報を分散して付加すれば、もとのデジタル音楽データの音質に影響を及ぼすおそれがない。なお、この方法では電子透かし情報が付加された箇所がスペクトルの形状によって異なるため、その位置等を表す情報が、予め定められた形式のキーとしてデジタル音楽データに埋め込まれる。
【0046】
マスキング効果を利用して電子透かし情報を埋め込んだ場合、キャリア信号、すなわち音声を表す信号に対して−15dB(デシベル)程度の、知覚できないレベルで情報を埋め込むことができる。このため、電子透かし情報が容易に発見されるおそれもなく、また、情報を埋め込むことでもとのデジタル音楽データの音質を劣化させるおそれも無い。
【0047】
そして、情報が埋め込まれた周波数領域のスペクトルは逆変換によって時間軸領域に変換され、もとのサンプルストリームと同じ形態のデジタル音楽データに復元される。デジタル音楽データに埋め込まれた電子透かし情報は、予め定められた形式の正当なキーに関する情報を保持する機器によってのみ、該キーをもとに検出し、書き換えることが可能である。一方、正当なキーに関する情報を保持していない機器によって電子透かし情報を検出し、電子透かし情報の書き換えや除去を行うことは非常に困難である。
このため、デジタル音楽データに埋め込まれた電子透かし情報は、正当なユーザによってのみ処理可能であり、意図しない第三者によって除去あるいは改変されるおそれがない。
【0048】
図1の配信システム1における配信装置11は、正規に配信可能なデジタル音楽データについて、第1ビットが「1」の埋込データを埋め込んだ上で、ネットワークNを介してデータ再生装置12やデータ記録装置15へ配信するものである。なお、配信装置11により埋め込まれる埋込データの第2,第3ビットについては、配信されるデジタル音楽データの著作権者により予め指定された内容に準じたものとなる。例えば、配信されるデジタル音楽データについて一世代に限って複製が許諾されている場合、配信装置11は、該デジタル音楽データに第2,第3ビットが「10」の埋込データを埋め込んで、ネットワークNへ配信する。
【0049】
図2は、データ受信・再生装置13の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、データ受信・再生装置13は、デジタル音楽データが入力されるインターフェースとしてネットワーク接続端子131を備えている。
【0050】
ネットワーク接続端子131は、ネットワークNとの間でデジタルデータを送受信するためのインターフェースである。ネットワーク接続端子131を介しては、扱う種類を問わず一般的なデジタルデータ全般を送受信することが可能である。
【0051】
ネットワーク接続端子131には通信制御部132が接続されており、通信制御部132によって、ネットワーク接続端子131を介したデジタルデータの送受信が制御される。すなわち、通信制御部132は、ネットワークNを介して接続される配信装置11等の各装置や、ネットワークNとデータ受信・再生装置13との間に存在するサーバ(図示略)等との間で、所定の通信プロトコルに従った制御信号を、ネットワーク接続端子131を介して送受信することによって、通信回線を確立し、デジタルデータの送受信が可能な状態に移行する。
【0052】
また、通信制御部132は、ネットワーク接続端子131を介して入力されるデジタルデータを解析し、受信したデジタルデータを、後述する相互認証部133もしくは受信データデコーダ138へ出力する。
【0053】
例えば、通信制御部132は、ネットワークNとデータ受信・再生装置13との間に存在するISPのサーバ(図示略)あるいは配信装置11から、音楽データや映像データ等のデジタルコンテンツの著作権を保護するために策定された認証処理に係るデータが送信された場合には、該データを受信して相互認証部133へ出力する。
【0054】
そして、通信制御部132は、上記ISPのサーバあるいは配信装置11と相互認証部133との間におけるデータの送受信を実行させ、認証処理を行わせる。この認証処理によって、上記ISPのサーバあるいは配信装置11によりデータ受信・再生装置13が認証を受けると、ネットワーク接続端子131を介して暗号化されたデジタル音楽データが送信されるので、通信制御部132は、該デジタル音楽データを受信して相互認証部133へ出力する。
【0055】
なお、上記認証処理に準じたデジタル音楽データとは、著作権を保護するためのDRM(Digital Rights Management )情報を含むものである。DRM情報は、著作権者らの意向に基づいて定められた再生や記録に関する制限内容を示す情報であり、例えば、再生の許諾/不許諾、複製の許諾/不許諾といった制限を示すものであり、一世代に限った複製のみを許諾することもできる。
【0056】
そして、デジタル音楽データの再生や記録はDRM情報により許諾された範囲内で行われる。そして、認証処理に準じたデジタル音楽データを受信し、再生や記録を行う装置は、予め上記認証処理を策定する機関により承認され、デジタル音楽データからDRM情報を抽出するための処理が可能となっている機器でなければならず、これらの機器はDRM情報が示す制限を遵守して再生や記録を行うようになっている。
【0057】
上記認証処理に準じたデジタル音楽データは予め定められた形式に則って暗号化されて送受信される。従って、認証処理に準じたデジタル音楽データを受信して利用するためには、予め上記認証処理を策定する機関により承認され、暗号を解読するキー等を内蔵している機器を用いる必要がある。
【0058】
また、通信制御部132は、上記の認証処理に係るデータ以外のデータがネットワーク接続端子131を介して入力された場合には、該デジタルデータを受信データデコーダ138へ出力する。
【0059】
相互認証部133は、通信制御部132およびネットワーク接続端子131を介して接続された上記ISPのサーバ(図示略)あるいは配信装置11との間で、著作権保護のために策定された認証処理を行う回路であり、認証処理を経た後にネットワーク接続端子131から入力されるデジタル音楽データを暗号解読部134へ出力する。
【0060】
暗号解読部134は、暗号化されたデジタル音楽データが相互認証部133から入力されると、該デジタル音楽データを復号して、後述するD/Aコンバータ142へ出力する。
また、暗号解読部134は、相互認証部133から入力されたデジタル音楽データを解読する際に、該デジタル音楽データに含まれるDRM情報を抽出して、DRM処理部135へ出力する。
【0061】
DRM処理部135は、暗号解読部134から入力されたDRM情報の内容を識別する処理を行い、DRM情報に異常がなく、かつ、デジタル音楽データの再生が許可されている場合は、デジタル音楽データの出力を許可する指示を出力回路136へ出力する。
【0062】
そして、出力回路136は、DRM処理部135から、デジタル音楽データの出力を許可する指示が入力された場合にのみ、暗号解読部134から入力されたデジタル音楽データを受信データデコーダ137へ出力する。
【0063】
受信データデコーダ137は、出力回路136から入力されたデジタル音楽データをデコードして、D/Aコンバータ142へ出力する。一般に、デジタル音楽データは、非圧縮形式ではデータ容量が非常に大きく、ネットワークNを介した配信に適していない。
【0064】
このため、ネットワークNを介してデジタル音楽データを配信する際には、WAV形式等の非圧縮形式からMP3(Moving Picture Expert Group Phase2 − Audio Layer III)形式等のデータ形式へ圧縮処理が行われる。そこで、受信データデコーダ138は、通信制御部132によって受信されたデジタル音楽データをデコードすることによって、圧縮された形式から再生が容易な非圧縮形式への変換を行う。受信データデコーダ137によってデコードされたデジタル音楽データは、D/Aコンバータ142へ出力される。
【0065】
また、受信データデコーダ138は、通信制御部132から入力されるデータをデコードする。例えば、受信データデコーダ138は、MP3等の形式で圧縮されたデジタル音楽データを、再生が容易な非圧縮形式に変換して埋込データデコーダ139へ出力する。
【0066】
埋込データデコーダ139は、受信データデコーダ138から入力されるデジタル音楽データを出力回路141へ出力するとともに、該デジタル音楽データに埋め込まれた埋込データを検出してデコードし、埋込データ判定部140へ出力する。
【0067】
埋込データ判定部140は、埋込データデコーダ139から入力された埋込データの判定を行い、埋込データの第1ビットが、「1」か「0」かを判定する。上記表2に示すように、埋込データの第1ビットはデジタル音楽データの配信が許諾されているか否かを示すものであり、「0」は配信が許諾されていないことを示し、「1」はEMD等による配信が許諾されていることを示す。
【0068】
そして、埋込データ判定部140は、埋込データデコーダ139から入力された埋込データの第1ビットが「0」であった場合、該デジタル音楽データはネットワークNを介した配信が許諾されたものでないと判断し、出力回路141に対して、デジタル音楽データの出力を停止する旨の指示を出力する。
【0069】
また、埋込データ判定部140は、埋込データデコーダ139から入力された埋込データの第1ビットが「1」であった場合、該デジタル音楽データは配信が許諾されたデータであると判断し、出力回路141に対してデジタル音楽データを出力する旨の指示を出力する。
【0070】
出力回路141は、埋込データ判定部140からデジタル音楽データを再生する旨の指示が入力された場合にのみ、埋込データデコーダ139から入力されたデジタル音楽データをD/Aコンバータ142へ出力する。
【0071】
D/Aコンバータ142は、暗号解読部134および出力回路141から入力されるデジタル音楽データについてD/A(Digital to Analog)変換を実行してアナログ音声信号を生成し、アナログ出力端子143から出力する。
アナログ出力端子143は、ピンジャックやミニジャック等、データ受信・再生装置13の外部の機器に対してアナログ音声信号を出力するための端子である。
【0072】
このように、配信装置11は、配信用のデータであることを示す埋込データを埋め込んだデジタル音楽データをネットワークNを介して配信する。データ受信・再生装置13は、ネットワークNを介して受信したデジタル音楽データに埋め込まれた埋込データを判定することによって、EMD等による配信が正規に許諾されたデジタル音楽データか否かを判定する。そして、配信が許諾されたデジタル音楽データを受信した場合は、その再生を行ってアナログ音声信号を出力する一方、ネットワークNを介して受信したデジタル音楽データが、配信が許諾されていないデータであった場合は、再生出力を行わない。
【0073】
これにより、パッケージメディアからのコピー等により作成され、ネットワークを介した配信が正規に許諾されていないデータが、ネットワークNを介して送信された場合は、その再生を行わないので、著作権を無視した不正なデータが際限なく利用されることがない。
【0074】
また、データ受信・再生装置13は、相互認証部133によって認証処理を経て入力されたデジタル音楽データについては、DRM処理部135でDRM情報の内容を解析することで、該デジタル音楽データに付加されたDRM情報に基づく再生処理を行う。このため、著作権の保護に対応するデジタル音楽データについては問題なく再生することができる。
【0075】
図3は、データ受信・記録装置15の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、データ受信・記録装置15は、デジタル音楽データが入力されるインターフェースとしてネットワーク接続端子151を備えている。
【0076】
ネットワーク接続端子151は、ネットワークNとの間でデジタルデータを送受信するためのインターフェースである。ネットワーク接続端子151を介しては、扱う種類を問わず一般的なデジタルデータ全般を送受信することが可能である。
【0077】
ネットワーク接続端子151には通信制御部152が接続されており、通信制御部152によって、ネットワーク接続端子151を介したデジタルデータの送受信が制御される。すなわち、通信制御部152は、ネットワークNを介して接続される配信装置11等の各装置や、ネットワークNとデータ受信・記録装置15との間に存在するサーバ(図示略)等との間で、所定の通信プロトコルに従った制御信号を、ネットワーク接続端子151を介して送受信することによって通信回線を確立し、デジタルデータの送受信が可能な状態に移行する。
【0078】
また、通信制御部152は、ネットワーク接続端子151を介して入力されるデジタルデータを解析し、受信したデジタルデータを、後述する相互認証部153もしくは受信データデコーダ161へ出力する。例えば、通信制御部152は、ネットワークNとデータ受信・記録装置15との間に存在するISPのサーバ(図示略)あるいは配信装置11から、音楽データや映像データ等のデジタルコンテンツの著作権を保護するために策定された認証処理に係るデータが送信された場合には、該データを受信して相互認証部153へ出力する。
【0079】
そして、通信制御部152は、上記ISPのサーバあるいは配信装置11と相互認証部153との間におけるデータの送受信を実行させ、認証処理を行わせる。この認証処理によって、上記ISPのサーバあるいは配信装置11によりデータ受信・記録装置15が認証を受けると、ネットワーク接続端子151を介して暗号化されたデジタル音楽データが送信されるので、通信制御部152は、該デジタル音楽データを受信して相互認証部153へ出力する。
【0080】
また、通信制御部152は、上記の認証処理に係るデータ以外のデータがネットワーク接続端子151を介して入力された場合には、該デジタルデータを受信データデコーダ161へ出力する。
【0081】
相互認証部153は、上記の相互認証部133(図2)と同様に、通信制御部152およびネットワーク接続端子151を介して接続された上記ISPのサーバあるいは配信装置11との間で、著作権保護のために策定された認証処理を行う回路であり、認証処理を経た後にネットワーク接続端子151から入力されるデジタル音楽データを暗号解読部154へ出力する。
【0082】
暗号解読部154は、上記の暗号解読部134(図2)と同様に、暗号化されたデジタル音楽データが相互認証部153から入力されると、該デジタル音楽データを復号して出力回路156へ出力する。
また、暗号解読部154は、相互認証部153から入力されたデジタル音楽データを解読する際に、該デジタル音楽データに含まれるDRM情報を抽出して、DRM処理部155へ出力する。
【0083】
DRM処理部155は、上記のDRM処理部135(図2)と同様に、暗号解読部154から入力されたDRM情報の内容を識別する処理を行い、DRM情報に異常がなく、かつ、デジタル音楽データの記録が許可されている場合は、デジタル音楽データの出力を許可する指示を出力回路156へ出力するとともに、デジタル音楽データの記録を許可する指示を埋込データ書換部159へ出力する。
【0084】
そして、出力回路156は、DRM処理部155からデジタル音楽データの出力を許可する指示が入力された場合にのみ、暗号解読部154から入力されたデジタル音楽データを受信データデコーダ157へ出力する。
【0085】
受信データデコーダ157は、出力回路156から入力されたデジタル音楽データをデコードして出力回路158へ出力する。例えば、受信データデコーダ157は、MP3等の形式で圧縮されたデジタル音楽データを非圧縮形式に変換して、出力回路158へ出力する。
【0086】
一方、受信データデコーダ161は、通信制御部152から入力されるデータをデコードして、埋込データデコーダ162へ出力する。
【0087】
埋込データデコーダ162は、受信データデコーダ161から入力されるデジタル音楽データを出力回路164へ出力するとともに、該デジタル音楽データに埋め込まれた埋込データを検出してデコードし、埋込データ判定部163へ出力する。
【0088】
埋込データ判定部163は、埋込データデコーダ162から入力された埋込データの判定を行う。まず、埋込データ判定部163は、埋込データの第1ビットが、「1」か「0」かを判定する。上記表2に示すように、埋込データの第1ビットはデジタル音楽データの配信が許諾されているか否かを示すものであり、「0」は配信が許諾されていないことを示し、「1」はEMD等による配信が許諾されていることを示す。
【0089】
そして、埋込データ判定部163は、埋込データデコーダ162から入力された埋込データの第1ビットが「0」であった場合、該デジタル音楽データはネットワークNを介した配信が許諾されたものでないと判断し、出力回路164に対して、デジタル音楽データの出力を停止する旨の指示を出力する。
【0090】
また、埋込データ判定部163は、埋込データデコーダ162から入力された埋込データの第1ビットが「1」であった場合、該デジタル音楽データは配信が許諾されたデータであると判断する。ここで、埋込データ判定部163は、埋込データの第2,第3ビットの判定を行う。上記表2に示すように、埋込データの第2,第3ビットはデジタル音楽データの複製に関する制限を示し、「00」は複製に制限がないことを示し、「10」は一世代に限って複製が許諾されていることを示し、「11」は複製が許諾されていないことを示す。
【0091】
そして、埋込データ判定部163は、埋込データデコーダ162から入力された埋込データの第2,第3ビットが「11」であった場合は、出力回路164に対してデジタル音楽データの出力を停止する旨の指示を出力するとともに、埋込データ書換部159に対して、デジタル音楽データの記録を行わない旨の指示を出力する。
【0092】
また、埋込データ判定部163は、埋込データデコーダ162から入力された埋込データの第2,第3ビットが「10」であった場合、該デジタル音楽データは一世代に限って複製が許諾されたデータであるから、出力回路164に対してデジタル音楽データを出力する旨の指示を出力するとともに、埋込データ書換部159に対して、埋込データの第2,第3ビットを「No More Copy」を示す「11」に書き換える旨の指示と、デジタル音楽データを記録する旨の指示とを出力する。
【0093】
さらに、埋込データ判定部163は、埋込データデコーダ162から入力された埋込データの第2,第3ビットが「00」であった場合、該デジタル音楽データは複製が制限されないデータであるから、出力回路164に対してデジタル音楽データを出力する旨の指示を出力するとともに、埋込データ書換部159に対して、デジタル音楽データを記録する旨の指示を出力する。
【0094】
そして、出力回路164は、埋込データ判定部163からデジタル音楽データを出力する旨の指示が入力された場合にのみ、埋込データデコーダ162から入力されるデジタル音楽データを出力回路158へ出力する。
【0095】
出力回路158は、受信データデコーダ157および出力回路164から入力されるデジタル音楽データを埋込データ書換部159へ出力する。
【0096】
そして、埋込データ書換部159は、DRM処理部155または埋込データ判定部163から、デジタル音楽データを記録する旨の指示が入力された場合にのみ、出力回路158から入力されたデジタル音楽データを記録部160へ出力する。
【0097】
また、埋込データ書換部159は、埋込データ判定部163から、埋込データの第2,第3ビットを「11」に書き換える旨の指示が入力された場合には、出力回路158から入力されたデジタル音楽データについて、埋込データを「11」に書き換える処理を行った上で、該デジタル音楽データを記録部160へ出力する。
【0098】
なお、埋込データ書換部159によって埋込データを書き換える方法としては二通りの方法を採用することが可能である。一つは、既にデジタル音楽データに埋め込まれている埋込データを除去した上で、新たな埋込データをデジタル音楽データに埋め込む方法である。また、もう一つは、既にデジタル音楽データに埋め込まれている埋込データを除去せずに、既にデジタル音楽データに埋め込まれている埋込データが無効であることを示すデータと、新たな埋込データとを追記する方法である。
【0099】
前者の方法は、埋込データの書き換えによってデータ量が増加することがなく、効率が良いという利点がある。しかしながら、埋込データは検出や除去が困難な方法で埋め込まれており、確実に除去するためには比較的複雑な演算処理を要する。一方、埋込データを埋め込むための処理は、比較的単純な演算処理を行うことで実現できる。従って、後者の方法を採用した場合は、デジタル音楽データに分散して埋め込まれた埋込データを除去する処理が無い分だけハードウェア負担が軽い処理で済み、高速な処理が期待できるという利点が生じる。
【0100】
従って、本発明の実施の形態としての配信システム1において、埋込データ書換部159によって埋込データを書き換えるための具体的な方法としては、既にデジタル音楽データに埋め込まれている埋込データを除去した上で、新たな埋込データをデジタル音楽データに埋め込む方法と、既にデジタル音楽データに埋め込まれている埋込データを除去せずに、既にデジタル音楽データに埋め込まれている埋込データが無効であることを示すデータと、新たな埋込データとを追記する方法とのいずれを採用しても良い。すなわち、本発明を実現する際のハードウェアの仕様や詳細なアルゴリズムに応じて、より好適な方法を採用すれば良く、いずれかの方法に限定されるものではない。
以下、本発明の実施の形態における埋込データ書換部176(図4)、埋込データ書換部209(図7)についても同様である。
【0101】
記録部160は、CD−R(Compact Disc−Recordable )、CD−RW(Compact Disc−ReWritable )、DVD−R(Digital Versatile Disk−Recordable)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk− Random Access Memory)等の光ディスク型記録媒体、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード、マルチメディアカード、メモリースティック等の半導体メモリデバイスを利用した記録媒体、ハードディスク装置等の磁気記録媒体、あるいはこれらの記録媒体を内蔵する機器など、記録可能な媒体や機器にデジタルデータを記録する装置であり、埋込データ書換部159から入力されたデジタル音楽データを、上記媒体や機器に記録する。
【0102】
なお、記録部160は、上記の媒体や機器のように可搬性を有し、データ受信・記録装置15から取り外して利用可能な媒体や機器にデジタル音楽データを記録するもののほか、データ受信・記録装置15に内蔵される記録媒体にデジタル音楽データを記録するものとしても良い。
【0103】
すなわち、データ受信・記録装置15が、デジタル音楽データの記録のみならず、一時的にデジタル音楽データを記憶した上で該デジタル音楽データの再生やネットワークNを介した配信等を行うことが可能な機器である場合、データ受信・記録装置15は、デジタル音楽データを一時的に記憶するための光学的記録媒体、磁気記録媒体、もしくは半導体メモリデバイスを利用した記録媒体を内蔵する。この場合、データ受信・記録装置15が内蔵する記録媒体に対するデジタル音楽データの記録を、DRM処理部155および埋込データ判定部163の制御に従って、記録部160によって実行させることも可能である。
【0104】
従って、データ受信・記録装置15が、デジタル音楽データを記録可能な記録媒体を内蔵する場合においては、該記録媒体に対して、ネットワーク接続端子151から入力されたデジタル音楽データを無条件に記録するものとしても良く、DRM情報もしくは埋込データにより指定された制限に準じてデジタル音楽データを記録するものとしても良い。
【0105】
このように、配信装置11によってネットワークNを介して配信されるデジタル音楽データに対し、複製に関する制限を示す埋込データを埋め込んでおくことで、デジタル音楽データを記録するデータ受信・記録装置15は、ネットワークNを介して受信したデジタル音楽データに埋め込まれた埋込データを判定し、埋込データにより複製が許諾されている場合に限り、デジタル音楽データを記録する。
【0106】
これにより、ネットワークNを介して配信されたデジタル音楽データの記録、すなわち複製を埋込データによってコントロールすることができ、著作権の保護に準じたデジタル音楽データの複製を制限することなく、著作権を無視した複製のみを確実に防止できる。
【0107】
特に、データ受信・記録装置15においては、埋込データによって一世代に限り複製が許諾されているデジタル音楽データについては、該デジタル音楽データが記録される際に、埋込データ書換部159によって埋込データが書き換えられる。このため、「One Generation Copy Permitted」を示す埋込データが埋め込まれたデジタル音楽データは、記録部160により記録された時点で、埋込データが「No More Copy」に書き換えられるので、一世代の複製が行われたデジタル音楽データについては、その後の複製が禁じられる。
【0108】
さらに、記録部160により記録されたデジタル音楽データが、データ受信・記録装置15もしくは他の機器によってネットワークNを介して配信されることがあっても、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データについては、埋込データの第2,第3ビットが「No More Copy」を示す「111」に書き換えられているので、さらに複製されることがない。このため、複製が制限されたデジタル音楽データが制限に反して繰り返し複製されるのを防止できる。
【0109】
また、データ受信・記録装置15は、ネットワークNを介して受信したデジタル音楽データが、配信が許諾されていないデータであった場合は、再生出力を行わない。これにより、パッケージメディアからのコピー等により作成され、ネットワークを介した配信が正規に許諾されていないデータが、ネットワークNを介して送信された場合は、その記録を行わないので、著作権を無視した不正なデータが際限なく利用されることがない。
【0110】
従って、埋込データで指示される複製の制限が無視されることなく確実に遵守され、著作権の保護に準じたデジタル音楽データの複製を制限することなく、著作権を無視した複製のみを確実に防止できる。
【0111】
また、データ受信・記録装置15は、相互認証部153によって認証処理を経て入力されたデジタル音楽データについては、DRM処理部155でDRM情報の内容を解析することで、該デジタル音楽データに付加されたDRM情報に基づく再生処理を行う。このため、著作権の保護に対応するデジタル音楽データについては問題なく記録することができる。
【0112】
図4は、データ読取・記録装置17の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、データ読取・記録装置17は、デジタル音楽データが記録された記録媒体からデータを読み取るメディアドライブ171を備えている。
【0113】
メディアドライブ171は、CD−ROM、DVD−ROM等のパッケージ販売される読み取り専用の記録媒体や、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RAM等の光ディスク型記録媒体、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード、マルチメディアカード、メモリースティック等の半導体メモリデバイスを利用した記録媒体、ハードディスク装置等の磁気記録媒体のような追記可能な記録媒体から、デジタル音楽データを読み取る装置である。なお、メディアドライブ171は、データ読取・記録装置17の外部の機器を接続するためのインターフェースを備え、このインターフェースを介して接続された機器に内蔵される上記記録媒体からデジタル音楽データを読み取るものとしても良い。
【0114】
メディアドライブ171は、上記の記録媒体からデジタル音楽データを読み出して、デジタルデータ入力部172に出力する。
デジタルデータ入力部172は、メディアドライブ171から入力されるデジタル音楽データを、埋込データデコーダ173へ出力する。なお、メディアドライブ171から入力されたデジタル音楽データがMP3等の形式により圧縮されている場合には、デジタルデータ入力部172は、非圧縮方式への変換等の処理を行った上でデジタル音楽データを埋込データデコーダ173へ出力することも可能である。
【0115】
埋込データデコーダ173は、デジタルデータ入力部172から入力されるデジタル音楽データを出力回路175へ出力するとともに、該デジタル音楽データに埋め込まれた埋込データを検出してデコードし、埋込データ判定部174へ出力する。
【0116】
埋込データ判定部174は、埋込データデコーダ173から入力された埋込データの判定を行い、埋込データの第2,第3ビットの判定を行う。上記表2に示すように、埋込データの第2,第3ビットはデジタル音楽データの複製に関する制限を示し、「00」は複製に制限がないことを示し、「10」は一世代に限って複製が許諾されていることを示し、「11」は複製が許諾されていないことを示す。
【0117】
そして、埋込データ判定部174は、埋込データデコーダ173から入力された埋込データの第2,第3ビットが「11」であった場合は、出力回路175に対してデジタル音楽データの出力を停止する旨の指示を出力するとともに、埋込データ書換部176に対して、デジタル音楽データの記録を行わない旨の指示を出力する。
【0118】
また、埋込データデコーダ173から入力された埋込データの第2,第3ビットが「00」であった場合、該デジタル音楽データは複製が制限されないデータである。しかしながら、メディアドライブ171にパッケージ販売用の記録媒体でがセットされている場合、複製が制限されないことは想像し難い。
【0119】
さらに、メディアドライブ171にセットされた記録媒体が追記可能な記録媒体であった場合、複製が制限されていないデジタル音楽データが合法的に入手され、記録されたかものである可能性は非常に低い。このため、埋込データ判定部174は、埋込データの第2,第3ビットが「00」であった場合、出力回路175に対してデジタル音楽データの出力を停止する旨の指示を出力するとともに、埋込データ書換部176に対して、デジタル音楽データの記録を行わない旨の指示を出力する。
【0120】
さらに、埋込データ判定部174は、埋込データデコーダ173から入力された埋込データの第2,第3ビットが「10」であった場合、該デジタル音楽データは一世代に限って複製が許諾されたデータであるから、出力回路175に対してデジタル音楽データを出力する旨の指示を出力するとともに、埋込データ書換部176に対して、埋込データの第2,第3ビットを「11」に書き換える旨の指示と、デジタル音楽データを記録する旨の指示とを出力する。
【0121】
そして、出力回路175は、埋込データ判定部174からデジタル音楽データを出力する旨の指示が入力された場合にのみ、埋込データデコーダ173から入力されるデジタル音楽データを埋込データ書換部176へ出力する。
【0122】
埋込データ書換部176は、埋込データ判定部174から、デジタル音楽データを記録する旨の指示が入力された場合にのみ、出力回路175から入力されたデジタル音楽データを記録部177へ出力する。
【0123】
また、埋込データ書換部176は、埋込データ判定部174から、埋込データの第2,第3ビットを「11」に書き換える旨の指示が入力された場合には、出力回路175から入力されたデジタル音楽データについて、埋込データを「11」に書き換える処理を行った上で、該デジタル音楽データを記録部177へ出力する。
【0124】
記録部177は、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RAM等の光ディスク型記録媒体、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード、マルチメディアカード、メモリースティック等の半導体メモリデバイスを利用した記録媒体、ハードディスク装置等の磁気記録媒体、あるいはこれらの記録媒体を内蔵する機器など、記録可能な媒体や機器にデジタルデータを記録する装置であり、埋込データ書換部176から入力されたデジタル音楽データを、上記媒体や機器に記録する。
【0125】
なお、記録部177は、上記の媒体や機器のように可搬性を有し、データ読取・記録装置17から取り外して利用可能な媒体や機器にデジタル音楽データを記録するものの他、データ読取・記録装置17に内蔵される記録媒体にデジタル音楽データを記録するものとしても良い。
【0126】
すなわち、データ読取・記録装置17が、デジタル音楽データの記録のみならず、一時的にデジタル音楽データを記憶した上で、該デジタル音楽データの再生やネットワークNを介した配信等を行うことが可能な機器である場合、データ読取・記録装置17は、デジタル音楽データを一時的に記憶するための光学的記録媒体、磁気記録媒体、もしくは半導体メモリデバイスを利用した記録媒体を内蔵する。この場合、データ読取・記録装置17が内蔵する記録媒体に対するデジタル音楽データの記録を、埋込データ判定部174の制御に従って、記録部177によって実行させることも可能である。
【0127】
従って、データ読取・記録装置17が、デジタル音楽データを記録可能な記録媒体を内蔵する場合においては、該記録媒体に対して、メディアドライブ171によって読み取ったデジタル音楽データを無条件に記録するものとしても良く、埋込データにより指定された制限に準じてデジタル音楽データを記録するものとしても良い。
【0128】
このように、データ読取・記録装置17は、メディアドライブ171によって読み取ったデジタル音楽データを、埋込データにより複製が許諾されている場合に限り、記録部177によって記録する。
【0129】
これにより、デジタル音楽データの記録、すなわち複製を埋込データによってコントロールすることができ、著作権の保護に準じたデジタル音楽データの複製を制限することなく、著作権を無視した複製のみを確実に防止できる。
【0130】
特に、データ読取・記録装置17においては、埋込データによって一世代に限り複製が許諾されているデジタル音楽データについては、該デジタル音楽データが記録される際に、埋込データ書換部176によって埋込データが書き換えられる。このため、「One Generation Copy Permitted」を示す埋込データが埋め込まれたデジタル音楽データは、記録部177により記録された時点で、埋込データが「No More Copy」に書き換えられるので、一世代の複製が行われたデジタル音楽データについては、その後の複製が禁じられる。
【0131】
さらに、記録部177により記録されたデジタル音楽データが、データ読取・記録装置17もしくは他の機器によってネットワークNを介して配信されることがあっても、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データについては、埋込データの第2,第3ビットが「No More Copy」を示す「111」に書き換えられているので、さらに複製されることがない。このため、複製が制限されたデジタル音楽データが制限に反して繰り返し複製されるのを防止できる。
【0132】
従って、埋込データで指示される複製の制限が無視されることなく確実に遵守され、著作権の保護に準じたデジタル音楽データの複製を制限することなく、著作権を無視した複製のみを確実に防止できる。
【0133】
ここで、本実施の形態における配信システム1の動作を、フローチャートに基づいて説明する。
図5は、配信システム1における再生処理の概略を示すフローチャートである。この図5に示す再生処理は、配信システム1において、データ受信・再生装置13により実現される。
【0134】
データ受信・再生装置13は、ネットワークNを介して配信装置11から配信されたデジタル音楽データを受信すると(ステップS11)、受信したデジタル音楽データに含まれる埋込データを解析する(ステップS12)。
【0135】
そして、データ受信・再生装置13は、埋込データが該デジタル音楽データの配信を許諾するものであるか否かを判別する(ステップS13)。すなわち、データ受信・再生装置13は、埋込データの第1ビットが「0」か、あるいは「1」かを判別し、埋込データの第1ビットが「0」であり、配信が許諾されていない場合には、受信したデジタル音楽データの再生を禁止する(ステップS14)。
【0136】
一方、受信したデジタル音楽データに含まれる埋込データの第1ビットが「1」であり、配信が許諾されている場合には、データ受信・再生装置13は受信したデジタル音楽データの再生を実行する(ステップS15)。
【0137】
これにより、配信システム1においては、配信を許諾する埋込データを含むデジタル音楽データのみが再生されるので、配信が許諾されていないにも関わらず不正にネットワークを介して配信されたデジタル音楽データの利用を防止することができる。
【0138】
図6は、配信システム1における記録処理の概略を示すフローチャートである。この図6に示す記録処理は、配信システム1において、データ受信・記録装置15により実現される。
【0139】
データ受信・記録装置15は、ネットワークNを介して配信装置11から配信されたデジタル音楽データを受信すると(ステップS21)、受信したデジタル音楽データが、DRM情報により著作権を保護する処理を経たデータか否かを判別する(ステップS22)。
【0140】
ここで、受信したデジタル音楽データが著作権を保護する処理を経たデータである場合、データ受信・記録装置15は、受信したデジタル音楽データを復号する処理を行い(ステップS23)、デジタル音楽データに含まれるDRM情報に従って、デジタル音楽データを記録する処理を行う(ステップS24)。
【0141】
一方、受信したデジタル音楽データが著作権を保護する処理を経たデータでない場合には(ステップS22;No)、配信システム1は、受信したデジタル音楽データに含まれる埋込データを解析する(ステップS25)。
【0142】
そして、デジタル音楽データに含まれる埋込データが配信を許諾するものであるか否かを判別する(ステップS26)。すなわち、データ受信・記録装置15は、埋込データの第1ビットが「0」か、あるいは「1」かを判別し、埋込データの第1ビットが「0」であり、配信が許諾されていない場合には、受信したデジタル音楽データの記録を禁止する(ステップS27)。
【0143】
一方、デジタル音楽データに含まれる埋込データの第1ビットが「1」であり、配信が許諾されている場合には(ステップS26;Yes)、データ受信・記録装置15は、埋込データの第2,第3ビットに基づいて複製に関する制限を判別する(ステップS27)。
【0144】
埋込データの第2,第3ビットが「11」であり、複製を許諾していない場合には、データ受信・記録装置15はステップS27へ移行して、デジタル音楽データの記録を禁止する。
【0145】
また、埋込データの第2,第3ビットが「10」であり、一世代に限って複製が許諾されている場合には、データ受信・記録装置15は、デジタル音楽データに含まれる埋込データの第2,第3ビットを「11」に書き換えて、これ以上の複製を禁止し(ステップS29)、その後、受信したデジタル音楽データの記録を行う(ステップS30)。
【0146】
埋込データの第2,第3ビットが「00」であり、複製が制限されない場合には、データ受信・記録装置15は、ステップS30に移行して、受信したデジタル音楽データの記録を行う。
【0147】
これにより、配信システム1においては、ネットワークNを介して受信したデジタル音楽データの記録、すなわち複製を埋込データによってコントロールすることができ、著作権の保護に準じたデジタル音楽データの複製を制限することなく、著作権を無視した複製のみを確実に防止できる。また、埋込データによって一世代に限り複製が許諾されているデジタル音楽データについては、該デジタル音楽データが記録される際に埋込データが書き換えられ、一世代の複製が行われたデジタル音楽データについては、その後の複製が禁じられる。
【0148】
また、著作権を保護する処理を経たデジタル音楽データについては、該デジタル音楽データに付加されたDRM情報に基づく処理を行う。このため、著作権の保護に対応するデジタル音楽データについては問題なく処理することができる。
【0149】
[第2の実施の形態]
続いて、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
図7は、本第2の実施の形態におけるデータ受信・記録装置20の機能的構成を示すブロック図である。
【0150】
この図7に示すデータ受信・記録装置20は、上記第1の実施の形態におけるデータ受信・記録装置15およびデータ読取・記録装置17の機能を合わせて有するものであり、図1に示す配信システム1においてネットワークNに接続され、配信装置11から配信されるデジタル音楽データを受信して記録し、さらに、記録媒体に記録されたデジタル音楽データを読み取って記録するものである。
【0151】
図7に示すように、データ受信・記録装置20は、デジタル音楽データが入力されるインターフェースとしてネットワーク接続端子201を備えている。
ネットワーク接続端子201は、ネットワークNとの間でデジタルデータを送受信するためのインターフェースである。ネットワーク接続端子201を介しては、扱う種類を問わず一般的なデジタルデータ全般を送受信することが可能である。
【0152】
ネットワーク接続端子201には通信制御部202が接続されており、通信制御部202によって、ネットワーク接続端子201を介したデジタルデータの送受信が制御される。すなわち、通信制御部202は、ネットワークNを介して接続される配信装置11等の各装置や、ネットワークNとデータ受信・記録装置20との間に存在するサーバ(図示略)等との間で、所定の通信プロトコルに従った制御信号を、ネットワーク接続端子201を介して送受信することによって通信回線を確立し、デジタルデータの送受信が可能な状態に移行する。
【0153】
また、通信制御部202は、ネットワーク接続端子201を介して入力されるデジタルデータを解析し、受信したデジタルデータを、後述する相互認証部203もしくは受信データデコーダ211へ出力する。例えば、通信制御部202は、ネットワークNとデータ受信・記録装置20との間に存在するISPのサーバ(図示略)あるいは配信装置11から、音楽データや映像データ等のデジタルコンテンツの著作権を保護するために策定された認証処理に係るデータが送信された場合には、該データを受信して相互認証部203へ出力する。
【0154】
そして、通信制御部202は、上記ISPのサーバあるいは配信装置11と相互認証部203との間におけるデータの送受信を実行させ、認証処理を行わせる。この認証処理によって、上記ISPのサーバあるいは配信装置11によりデータ受信・記録装置20が認証を受けると、ネットワーク接続端子201を介して暗号化されたデジタル音楽データが送信されるので、通信制御部202は、該デジタル音楽データを受信して相互認証部203へ出力する。
【0155】
また、通信制御部202は、上記の認証処理に係るデータ以外のデータがネットワーク接続端子201を介して入力された場合には、該デジタルデータを受信データデコーダ211へ出力する。
【0156】
相互認証部203は、上記第1の実施の形態における相互認証部133(図2)と同様に、通信制御部202およびネットワーク接続端子201を介して接続された上記ISPのサーバあるいは配信装置11との間で、著作権保護のために策定された認証処理を行う回路であり、認証処理を経た後にネットワーク接続端子201から入力されるデジタル音楽データを暗号解読部204へ出力する。
【0157】
暗号解読部204は、上記第1の実施の形態における暗号解読部134(図2)と同様に、暗号化されたデジタル音楽データが相互認証部203から入力されると、該デジタル音楽データを復号して出力回路206へ出力する。
また、暗号解読部204は、相互認証部203から入力されたデジタル音楽データを解読する際に、該デジタル音楽データに含まれるDRM情報を抽出して、DRM処理部205へ出力する。
【0158】
DRM処理部205は、上記第1の実施の形態におけるDRM処理部135(図2)と同様に、暗号解読部204から入力されたDRM情報の内容を識別する処理を行い、DRM情報に異常がなく、かつ、デジタル音楽データの記録が許可されている場合は、デジタル音楽データの出力を許可する指示を出力回路206へ出力するとともに、デジタル音楽データの記録を許可する指示を埋込データ書換部209へ出力する。
【0159】
そして、出力回路206は、DRM処理部205から、デジタル音楽データの出力を許可する指示が入力された場合にのみ、暗号解読部204から入力されたデジタル音楽データを受信データデコーダ207へ出力する。
【0160】
受信データデコーダ207は、出力回路206から入力されたデジタル音楽データをデコードして、出力回路208へ出力する。例えば、受信データデコーダ207は、MP3等の形式で圧縮されたデジタル音楽データを非圧縮形式に変換して、出力回路208へ出力する。
【0161】
一方、受信データデコーダ211は、通信制御部202から入力されるデータをデコードして、埋込データデコーダ212へ出力する。
【0162】
埋込データデコーダ212は、受信データデコーダ211から入力されるデジタル音楽データを出力回路214へ出力するとともに、該デジタル音楽データに埋め込まれた埋込データを検出してデコードし、埋込データ判定部213へ出力する。
【0163】
埋込データ判定部213は、埋込データデコーダ212から入力された埋込データの判定を行う。まず、埋込データ判定部213は、埋込データの第1ビットが、「1」か「0」かを判定する。上記表2に示すように、埋込データの第1ビットはデジタル音楽データの配信が許諾されているか否かを示すものであり、「0」は配信が許諾されていないことを示し、「1」はEMD等による配信が許諾されていることを示す。
【0164】
そして、埋込データ判定部213は、埋込データデコーダ212から入力された埋込データの第1ビットが「0」であった場合、該デジタル音楽データはネットワークNを介した配信が許諾されたものでないと判断し、出力回路214に対して、デジタル音楽データの出力を停止する旨の指示を出力する。
【0165】
また、埋込データ判定部213は、埋込データデコーダ212から入力された埋込データの第1ビットが「1」であった場合、該デジタル音楽データは配信が許諾されたデータであると判断する。ここで、埋込データ判定部213は、埋込データの第2,第3ビットの判定を行う。上記表2に示すように、埋込データの第2,第3ビットはデジタル音楽データの複製に関する制限を示し、「00」は複製に制限がないことを示し、「10」は一世代に限って複製が許諾されていることを示し、「11」は複製が許諾されていないことを示す。
【0166】
そして、埋込データ判定部213は、埋込データデコーダ212から入力された埋込データの第2,第3ビットが「11」であった場合は、出力回路214に対してデジタル音楽データの出力を停止する旨の指示を出力するとともに、埋込データ書換部209に対して、デジタル音楽データの記録を行わない旨の指示を出力する。
【0167】
また、埋込データ判定部213は、埋込データデコーダ212から入力された埋込データの第2,第3ビットが「10」であった場合、該デジタル音楽データは一世代に限って複製が許諾されたデータであるから、出力回路214に対してデジタル音楽データを出力する旨の指示を出力するとともに、埋込データ書換部209に対して、埋込データの第2,第3ビットを「No More Copy」を示す「11」に書き換える旨の指示と、デジタル音楽データを記録する旨の指示とを出力する。
【0168】
さらに、埋込データ判定部213は、埋込データデコーダ212から入力された埋込データの第2,第3ビットが「00」であった場合、該デジタル音楽データは複製が制限されないデータであるから、出力回路214に対してデジタル音楽データを出力する旨の指示を出力するとともに、埋込データ書換部209に対して、デジタル音楽データを記録する旨の指示を出力する。
【0169】
そして、出力回路214は、埋込データ判定部213からデジタル音楽データを出力する旨の指示が入力された場合にのみ、埋込データデコーダ212から入力されるデジタル音楽データを出力回路208へ出力する。
【0170】
出力回路208は、受信データデコーダ207および出力回路214から入力されるデジタル音楽データを埋込データ書換部209へ出力する。
【0171】
一方、メディアドライブ215は、CD−ROM、DVD−ROM等のパッケージ販売される読み取り専用の記録媒体や、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RAM等の光ディスク型記録媒体、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード、マルチメディアカード、メモリースティック等の半導体メモリデバイスを利用した記録媒体、ハードディスク装置等の磁気記録媒体のような追記可能な記録媒体から、デジタル音楽データを読み取る装置である。なお、メディアドライブ215は、データ受信・記録装置20の外部の機器を接続するためのインターフェースを備え、このインターフェースを介して接続された機器に内蔵される上記記録媒体からデジタル音楽データを読み取るものとしても良い。
【0172】
メディアドライブ215は、上記の記録媒体からデジタル音楽データを読み出して、デジタルデータ入力部216に出力する。
デジタルデータ入力部216は、メディアドライブ215から入力されるデジタル音楽データを、埋込データデコーダ217へ出力する。なお、メディアドライブ215から入力されたデジタル音楽データがMP3等の形式により圧縮されている場合には、デジタルデータ入力部216は、非圧縮方式への変換等の処理を行った上でデジタル音楽データを埋込データデコーダ217へ出力することも可能である。
【0173】
埋込データデコーダ217は、デジタルデータ入力部216から入力されるデジタル音楽データを出力回路219へ出力するとともに、該デジタル音楽データに埋め込まれた埋込データを検出してデコードし、埋込データ判定部218へ出力する。
【0174】
埋込データ判定部218は、埋込データデコーダ217から入力された埋込データの判定を行い、埋込データの第2,第3ビットの判定を行う。上記表2に示すように、埋込データの第2,第3ビットはデジタル音楽データの複製に関する制限を示し、「00」は複製に制限がないことを示し、「10」は一世代に限って複製が許諾されていることを示し、「11」は複製が許諾されていないことを示す。
【0175】
そして、埋込データ判定部218は、埋込データデコーダ217から入力された埋込データの第2,第3ビットが「11」であった場合は、出力回路219に対してデジタル音楽データの出力を停止する旨の指示を出力するとともに、埋込データ書換部209に対して、デジタル音楽データの記録を行わない旨の指示を出力する。
【0176】
また、埋込データデコーダ217から入力された埋込データの第2,第3ビットが「00」であった場合、該デジタル音楽データは複製が制限されないデータである。しかしながら、メディアドライブ215にパッケージ販売用の記録媒体でがセットされている場合、複製が制限されないことは想像し難い。
【0177】
さらに、メディアドライブ215にセットされた記録媒体が追記可能な記録媒体であった場合、複製が制限されていないデジタル音楽データが合法的に入手され、記録されたかものである可能性は非常に低い。このため、埋込データ判定部218は、埋込データの第2,第3ビットが「00」であった場合、出力回路219に対してデジタル音楽データの出力を停止する旨の指示を出力するとともに、埋込データ書換部209に対して、デジタル音楽データの記録を行わない旨の指示を出力する。
【0178】
さらに、埋込データ判定部218は、埋込データデコーダ217から入力された埋込データの第2,第3ビットが「10」であった場合、該デジタル音楽データは一世代に限って複製が許諾されたデータであるから、出力回路219に対してデジタル音楽データを出力する旨の指示を出力するとともに、埋込データ書換部209に対して、埋込データの第2,第3ビットを「11」に書き換える旨の指示と、デジタル音楽データを記録する旨の指示とを出力する。
【0179】
そして、出力回路219は、埋込データ判定部218からデジタル音楽データを出力する旨の指示が入力された場合にのみ、埋込データデコーダ217から入力されるデジタル音楽データを埋込データ書換部209へ出力する。
【0180】
埋込データ書換部209は、DRM処理部205、埋込データ判定部213または埋込データ判定部218から、デジタル音楽データを記録する旨の指示が入力された場合にのみ、出力回路208または出力回路219から入力されたデジタル音楽データを記録部210へ出力する。
【0181】
また、埋込データ書換部209は、埋込データ判定部213または埋込データ判定部218から、埋込データの第2,第3ビットを「11」に書き換える旨の指示が入力された場合には、出力回路208または出力回路219から入力されたデジタル音楽データについて、埋込データを「11」に書き換える処理を行った上で、該デジタル音楽データを記録部210へ出力する。
【0182】
記録部210は、MD、MOディスク、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RAM等の光ディスク型記録媒体、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード、マルチメディアカード、メモリースティック等の半導体メモリデバイスを利用した記録媒体、ハードディスク装置等の磁気記録媒体、あるいはこれらの記録媒体を内蔵する機器など、記録可能な媒体や機器にデジタルデータを記録する装置であり、埋込データ書換部209から入力されたデジタル音楽データを、上記媒体や機器に記録する。
【0183】
なお、記録部210は、上記の媒体や機器のように可搬性を有し、データ受信・記録装置20から取り外して利用可能な媒体や機器にデジタル音楽データを記録するもののほか、データ受信・記録装置20に内蔵される記録媒体にデジタル音楽データを記録するものとしても良い。
【0184】
すなわち、データ受信・記録装置20が、デジタル音楽データの記録のみならず、一時的にデジタル音楽データを記憶した上で該デジタル音楽データの再生やネットワークNを介した配信等を行うことが可能な機器である場合、データ受信・記録装置20は、デジタル音楽データを一時的に記憶するための光学的記録媒体、磁気記録媒体、もしくは半導体メモリデバイスを利用した記録媒体を内蔵する。この場合、データ受信・記録装置20が内蔵する記録媒体に対するデジタル音楽データの記録を、DRM処理部205および埋込データ判定部213の制御に従って、記録部210によって実行させることも可能である。
【0185】
従って、データ受信・記録装置20が、デジタル音楽データを記録可能な記録媒体を内蔵する場合においては、該記録媒体に対して、ネットワーク接続端子201から入力されたデジタル音楽データを無条件に記録するものとしても良く、DRM情報もしくは埋込データにより指定された制限に準じてデジタル音楽データを記録するものとしても良い。
【0186】
このように、配信装置11によってネットワークNを介して配信されるデジタル音楽データに対し、複製に関する制限を示す埋込データを埋め込んでおくことで、デジタル音楽データを記録するデータ受信・記録装置20は、ネットワークNを介して受信したデジタル音楽データに埋め込まれた埋込データを判定し、埋込データにより複製が許諾されている場合に限り、デジタル音楽データを記録する。
【0187】
これにより、ネットワークNを介して配信されたデジタル音楽データの記録、すなわち複製を埋込データによってコントロールすることができ、著作権の保護に準じたデジタル音楽データの複製を制限することなく、著作権を無視した複製のみを確実に防止できる。
【0188】
また、データ受信・記録装置20は、メディアドライブ215によって読み取ったデジタル音楽データを、埋込データにより複製が許諾されている場合に限り、記録部210によって記録する。これにより、デジタル音楽データの記録、すなわち複製を埋込データによってコントロールすることができ、著作権の保護に準じたデジタル音楽データの複製を制限することなく、著作権を無視した複製のみを確実に防止できる。
【0189】
特に、データ受信・記録装置20においては、埋込データによって一世代に限り複製が許諾されているデジタル音楽データについては、該デジタル音楽データが記録される際に、埋込データ書換部209によって埋込データが書き換えられる。このため、「One Generation Copy Permitted」を示す埋込データが埋め込まれたデジタル音楽データは、記録部210により記録された時点で、埋込データが「No More Copy」に書き換えられるので、一世代の複製が行われたデジタル音楽データについては、その後の複製が禁じられる。
【0190】
さらに、記録部210により記録されたデジタル音楽データが、データ受信・記録装置20もしくは他の機器によってネットワークNを介して配信されることがあっても、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データについては、埋込データの第2,第3ビットが「No More Copy」を示す「111」に書き換えられているので、さらに複製されることがない。このため、複製が制限されたデジタル音楽データが制限に反して繰り返し複製されるのを防止できる。
【0191】
また、データ受信・記録装置20は、ネットワークNを介して受信したデジタル音楽データが、配信が許諾されていないデータであった場合は、再生出力を行わない。これにより、パッケージメディアからのコピー等により作成され、ネットワークを介した配信が正規に許諾されていないデータが、ネットワークNを介して送信された場合は、その記録を行わないので、著作権を無視した不正なデータが際限なく利用されることがない。
【0192】
従って、埋込データで指示される複製の制限が無視されることなく確実に遵守され、著作権の保護に準じたデジタル音楽データの複製を制限することなく、著作権を無視した複製のみを確実に防止できる。
【0193】
また、データ受信・記録装置20は、相互認証部203によって認証処理を経て入力されたデジタル音楽データについては、DRM処理部205でDRM情報の内容を解析することで、該デジタル音楽データに付加されたDRM情報に基づく再生処理を行う。このため、著作権の保護に対応するデジタル音楽データについては問題なく記録することができる。
【0194】
なお、以上の実施の形態における記述内容は、本発明に係る配信システムの好適な一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本実施の形態では、ネットワークNに接続された配信装置11から配信されるデジタル音楽データを受信し、再生もしくは記録するとしたが、これに限らず、例えばインターネットのようなオープンなネットワークに接続された他のサーバ装置から受信したデジタル音楽データを処理するものとしても良いし、あるいは、ピア・ツー・ピア型ネットワークにより接続された相手先コンピュータから受信したデジタル音楽データを処理するものとしても良く、その他の具体的構成についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0195】
【発明の効果】
本発明によれば、コンテンツデータに含まれる電子透かし情報により指定された配信に関する制限、および複製に関する制限が、無視されることなく確実に遵守され、著作権の保護に準じたデジタル音楽データの複製を制限することなく、著作権を無視したコンテンツデータの利用を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態における配信システム1の構成を示す図である。
【図2】図1に示すデータ受信・再生装置13の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すデータ受信・記録装置15の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すデータ読取・記録装置17の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】図1の配信システム1における再生処理を示すフローチャートである。
【図6】図1の配信システム1における記録処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明を適用した第2の実施の形態におけるデータ受信・記録装置20の機能的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 配信システム
11 配信装置
13 データ受信・再生装置
15,20 データ受信・記録装置
17 データ読取・記録装置
131,151,201 ネットワーク接続端子
132,152,202 通信制御部
133,153,203 相互認証部
134,154,204 暗号解読部
135,155,205 DRM処理部
136,141,156,158,164,175,206,208,214,219 出力回路
137,138,157,161,207,211 受信データデコーダ
139,162,173,212,217 埋込データデコーダ
140,163,174,213,218 埋込データ判定部
142 D/Aコンバータ
143 アナログ出力端子
159,176,209 埋込データ書換部
160,177,210 記録部
171,215 メディアドライブ
172,216 デジタルデータ入力部

Claims (8)

  1. 通信回線を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、
    この受信手段により受信されたコンテンツデータを記録媒体に記録する記録手段とを備えるデータ記録装置において、
    前記受信手段により受信されたコンテンツデータに、当該コンテンツデータの配信を許諾することを示す電子透かし情報が含まれていない場合には、前記記録手段による当該コンテンツデータの記録を阻止する記録制御手段を備えることを特徴とするデータ記録装置。
  2. 前記受信手段により受信されたコンテンツデータに、当該コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す電子透かし情報が含まれている場合に、当該コンテンツデータに含まれる電子透かし情報を当該コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す電子透かし情報に書き換える書換手段を備え、
    前記記録手段は、前記書換手段により電子透かし情報が書き換えられたコンテンツデータを記録することを特徴とする請求項1記載のデータ記録装置。
  3. 前記書換手段は、前記コンテンツデータに含まれる電子透かし情報自体を、当該コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す電子透かし情報に書き換えることを特徴とする請求項2記載のデータ記録装置。
  4. 通信回線を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、
    この受信手段により受信されたコンテンツデータを再生する再生手段とを備えるデータ再生装置において、
    前記受信手段により受信されたコンテンツデータに、当該コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す電子透かし情報が含まれている場合には、前記再生手段による当該コンテンツデータの再生を阻止する再生制御手段を備えることを特徴とするデータ再生装置。
  5. 通信回線を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、
    この受信手段により受信されたコンテンツデータを出力する出力手段とを備えるデータ出力装置において、
    前記受信手段により受信されたコンテンツデータに、当該コンテンツデータの配信を許諾することを示す電子透かし情報が含まれていない場合には、前記出力手段による当該コンテンツデータの出力を阻止する出力制御手段を備えることを特徴とするデータ出力装置。
  6. 前記出力手段による前記コンテンツデータの出力は、前記コンテンツデータの再生、記録、もしくは送信のための出力であることを特徴とする請求項5記載のデータ出力装置。
  7. 通信回線を介してコンテンツデータを配信する配信装置と、この配信装置に対して前記通信回線を介して接続されるデータ出力装置とを備えてなる配信システムにおいて、
    前記配信装置は、前記コンテンツデータに、所定のデータを電子透かし情報として含ませて配信するものであり、
    前記データ出力装置は、
    前記通信回線を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、
    この受信手段により受信されたコンテンツデータを出力する出力手段と、
    前記受信手段により受信されたコンテンツデータに、当該コンテンツデータの配信を許諾することを示す電子透かし情報が含まれていない場合には、前記出力手段による当該コンテンツデータの出力を阻止する出力制御手段とを備えることを特徴とする配信システム。
  8. 前記データ出力装置は、前記受信手段により受信されたコンテンツデータに、当該コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す電子透かし情報が含まれている場合に、当該コンテンツデータに含まれる電子透かし情報を当該コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す電子透かし情報に書き換える書換手段を備え、
    前記データ出力装置が有する前記出力手段は、前記書換手段により電子透かし情報が書き換えられたコンテンツデータを出力することを特徴とする請求項7記載の配信システム。
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