JP4629953B2 - データ受信装置および配信システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテンツデータに情報を付加する情報付加装置、コンテンツデータに付加された情報を識別する情報識別装置、通信回線を介してコンテンツデータを受信するデータ受信装置、通信回線を介して配信されたコンテンツデータを出力するデータ出力装置、通信回線を介して配信されたコンテンツデータを記録するデータ記録装置、通信回線を介してコンテンツデータを配信する配信装置、これら装置を含んでなる配信システム、通信回線を介して配信可能なコンテンツデータ及び上記装置の制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、広帯域の通信回線が普及するにつれて、画像や音声等のいわゆるコンテンツデータが、ネットワークを経由して送受信される機会が増えつつある。特に、デジタル化されたコンテンツデータは、複製によって画質や音質の劣化を生じないため、ネットワークを経由して流通させるには好適である。
【0003】
また、インターネット等のネットワークを介して不特定多数の端末装置に配信されたコンテンツ等の著作権侵害行為を抑制する装置として、コンテンツを複数の帯域に分割し、分割した帯域毎に電子透かし情報を含ませて、配信されたコンテンツの各帯域毎の電子透かし情報の残存状態に応じて、コンテンツの記録媒体への記録の可否を判断する装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−188549号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ネットワークを経由してコンテンツデータが流通すると、コンテンツデータが無制限に複製されてしまうという問題があった。
すなわち、ネットワークを経由してコンテンツデータを送信する場合、送信側のユーザが所持していたコンテンツデータを消去することは少ない。このため、送信側のユーザだけが保持していたコンテンツデータを、送信側および受信側の両ユーザが保持することとなり、結果的に複製されたことになってしまう。このような行為がインターネットのようなオープンなネットワークを介して行われると、実質的に、無制限にコンテンツデータが複製されてしまう。
【0006】
本来、映像や音楽等の創作物については著作権が認められており、著作権者の意図を無視して複製されたり、公開されたりするべきではない。
ところが、インターネットの普及により、著作権に留意することなく安易にコンテンツデータを複製し、或いは公開する例が後を絶たない。そして、ネットワークを経由した送受信により複製されたコンテンツデータは、記録メディアに記録されることで長期の保存と流通が可能となってしまい、さらなる著作権の侵害が懸念されていた。このため、特にネットワークを経由したコンテンツデータの流通について、著作権を保護する技術が求められていた。
また、コンテンツを複数の帯域に分割し、分割した帯域毎に電子透かし情報を含ませて、配信されたコンテンツの各帯域毎の電子透かし情報の残存状態に応じて、コンテンツの記録媒体への記録の可否を判断する装置では、帯域毎のフィルタ処理や検出処理等の処理が複雑になるという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、著作権を無視したコンテンツデータの配信や複製を防止できる、著作権の保護技術を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明のデータ受信装置は、通信回線を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信中のコンテンツデータから電子透かし情報として埋め込まれた付加情報を抽出することによって、該コンテンツデータの配信を許諾すること又は該コンテンツデータの配信を許可しないことを示す付加情報が付加されていることを識別する情報識別手段と、前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾することを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていると識別された場合は前記受信手段によって当該コンテンツデータ受信を許諾し、前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていると識別された場合は前記受信手段による当該コンテンツデータの受信を阻止し、前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾することを示す付加情報、及び、前記コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が付加されていないと識別された場合は前記受信手段による当該コンテンツデータの受信を阻止する受信制御手段と、を備え、前記情報識別手段は、前記コンテンツデータに電子透かし情報として埋め込まれ、前記コンテンツデータの複製が制限されないことを示す値と、前記コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す値と、前記コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す値と、前記コンテンツデータが複製により生成されたコンテンツデータであって、それ以上の複製を許諾しないことを示す値と、のいずれかの値をとる当該コンテンツデータの複製に関する制限を付す付加情報が付加されていることを識別するように構成され、前記受信制御手段は、前記コンテンツデータの受信を許諾した場合に、さらに、前記コンテンツデータに、該コンテンツデータの複製が制限されないことを示す情報、該コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す情報、又は該コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す情報のいずれかの付加情報が付加されている場合に、前記受信手段によって前記コンテンツデータを受信させる一方前記コンテンツデータに、該コンテンツデータが複製により生成されたコンテンツデータであって、それ以上の複製を許諾しないことを示す付加情報が付加されている場合に、前記受信手段による前記コンテンツデータの受信を阻止することによって前記付加情報の内容を無視したコンテンツデータの拡散を防止することを特徴としている。
【0009】
更に、請求項2記載の発明のデータ受信装置は、請求項1に記載のデータ受信装置において、通信回線を介して受信したコンテンツデータを出力する出力手段と、前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾することを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていると識別された場合は前記出力手段によって当該コンテンツデータを出力させ、前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていると識別された場合は前記出力手段による当該コンテンツデータの出力を阻止する出力制御手段と、を備え、前記出力制御手段は、前記コンテンツデータに、該コンテンツデータの複製が制限されないことを示す情報、該コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す情報、又は該コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す情報のいずれかの付加情報が付加されている場合に、前記出力手段によって前記コンテンツデータを出力させることを特徴としている。
【0010】
更に、請求項3記載の発明のデータ受信装置は、請求項2に記載のデータ受信装置において、前記出力制御手段は、前記出力手段による出力が、前記コンテンツデータを記録するための出力の場合、前記コンテンツデータに、該コンテンツデータの複製が制限されないことを示す情報、又は該コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す情報のいずれかの付加情報が付加されている場合に、前記出力手段によって前記コンテンツデータを出力させることを特徴としている。
【0011】
更に、請求項4記載の発明のデータ受信装置は、請求項2又は3に記載のデータ受信装置において、前記出力制御手段は、前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾することを示す付加情報及び前記コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていないと識別された場合、前記出力手段による当該コンテンツデータの出力を阻止することを特徴としている。
【0014】
請求項記載の発明の配信システムは、通信回線を介してコンテンツデータを配信する配信装置と、この配信装置と前記通信回線を介して接続されるデータ受信装置とを備えてなる配信システムであって、前記配信装置は、通信回線を介した配信が許諾されているか否かを示す付加情報が付加された前記コンテンツデータを配信するものであり、前記データ受信装置は、前記通信回線を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信中のコンテンツデータから前記配信が有する配信手段によって配信され電子透かし情報として埋め込まれた付加情報を抽出することによって、該コンテンツデータの配信を許諾すること又は該コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が付加されていることを識別する情報識別手段と、前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾することを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていると識別された場合は前記受信手段によって当該コンテンツデータの受信を許諾し、前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていると識別された場合は前記受信手段による当該コンテンツデータの受信を阻止し、前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾することを示す付加情報、及び、前記コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が付加されていないと識別された場合は前記受信手段による当該コンテンツデータの受信を阻止する受信制御手段と、を備え、前記情報識別手段は、前記配信装置が有する配信手段によって配信された、前記コンテンツデータに電子透かし情報として埋め込まれ、前記コンテンツデータの複製が制限されないことを示す値と、前記コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す値と、前記コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す値と、前記コンテンツデータが複製により生成されたコンテンツデータであって、それ以上の複製を許諾しないことを示す値と、のいずれかの値をとる当該コンテンツデータの複製に関する制限を示す付加情報が付加されていることを識別するように構成され、前記データ受信装置が有する前記受信制御手段は、前記コンテンツデータの受信を許諾した場合に、さらに、前記コンテンツデータに、該コンテンツデータの複製が制限されないことを示す情報、該コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す情報、又は該コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す情報のいずれかの付加情報が付加されている場合に、前記受信手段によって前記コンテンツデータを受信させる一方、前記コンテンツデータに、該コンテンツデータが複製により生成されたコンテンツデータであって、それ以上の複製を許諾しないことを示す付加情報が付加されている場合に、前記受信手段による前記コンテンツデータの受信を阻止することによって前記付加情報の内容を無視したコンテンツデータの拡散を防止することを特徴としている。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図24を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0056】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態における配信システム100の概略構成を示す図である。
図1に示すように、配信システム100は、ネットワークNによって互いに接続された配信装置1、受信装置2および受信・記録装置5によって構成される。また、配信システム100において、受信装置2は、ネットワークNに接続されない記録装置3及び再生装置4に接続されている。
【0057】
配信システム100において、配信装置1は、ネットワークNを介して受信装置2および受信・記録装置5へコンテンツデータを配信する装置である。
ここで、コンテンツデータとは、映像や音声のデジタルデータであり、本実施の形態では、コンテンツデータとしてデジタル音楽データを配信、再生及び記録する例について説明する。
【0058】
また、配信システム100において、受信装置2は、ネットワークNを介して配信装置1から配信されたデジタル音楽データを受信する装置であり、受信装置2によって受信されたデジタル音楽データは、記録装置3によって記録され、或いは、再生装置4によって再生される。
【0059】
記録装置3は、記録用メディアドライブ31を有しており、受信装置2から出力されるデジタル音楽データを、記録用メディアドライブ31にセットされた記録メディアに記録する装置である。
記録用メディアドライブ31は、例えば、D−R(Compact Disc-Recordable )、CD−RW(Compact Disc-ReWritable )、DVD−R(Digital Versatile Disk-Recordable)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk- Random Access Memory)等の光ディスク型記録媒体、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SD(Secure-Digital)カード、マルチメディアカード、メモリースティック等の半導体メモリデバイスを利用した記録媒体、ハードディスク装置等の磁気記録媒体、或いはこれらの記録媒体を内蔵する機器など、記録可能な媒体や機器にデジタルデータを記録する装置であり、受信装置2から出力されたデジタル音楽データを、上記媒体や機器に記録する。
【0060】
再生装置4は、受信装置2から出力されるデジタル音楽データを再生する装置であり、図示しないD/A(Digital to Analog)コンバータ、アンプ、スピーカ等を備える。
【0061】
受信・記録装置5は、ネットワークNを介して配信装置1から配信されたデジタル音楽データを受信するとともに、受信したデジタル音楽データを所定の記録メディアに記録する装置である。
【0062】
ネットワークNは、専用線、公衆電話回線、衛星通信回線等の各種通信回線や図示しない各種サーバ等を含んで構成され、その具体的態様は特に限定されない。また、配信装置11、データ受信・再生装置13およびデータ受信・記録装置15の各装置とネットワークNとの間には、ISP(Internet Service Provider )やNSP(Network Service Provider)等が提供するサーバやファイアーウォール、ゲートウェイ装置等の各種機器が介在する構成としても良いが、ここでは図示しない。
【0063】
ここで、配信システム100において配信、再生および記録されるデジタル音楽データについて、説明する。
本第1の実施の形態において配信、再生および記録されるデジタル音楽データには、配信許諾情報、および、複製管理情報を含ませることが可能である。
まず、配信許諾情報の構成を、表1に示す。
【表1】
Figure 0004629953
【0064】
表1に示す配信許諾情報は、「0」または「1」の値をとる1ビットの情報であり、この配信許諾情報が付加されたデジタル音楽データの配信が許諾されているか否かを示す情報である。配信許諾情報が「0」の場合、該デジタル音楽データの著作権者等の意向により、該デジタル音楽データについてEMD(Electronic Music Distribution)等による配信が許諾されていることを示し、配信許諾情報が「1」の場合、該デジタル音楽データについてEMD等による配信が許可されていないことを示す
【0065】
次に、複製管理情報の構成を、表2に示す。
【表2】
Figure 0004629953
【0066】
表2に示す複製管理情報は、「00」,「01」,「10」,「11」の4つの値をとりうる2ビットのデータであり、この複製管理情報が付加されたデジタル音楽データの複製に関する制限を示す情報である。
表2に示すように、値が「00」の複製管理情報は「Copy Free 」を示す。すなわち、値が「00」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データについては、複製は制限されない。
【0067】
一方、値が「11」の複製管理情報は「Never Copy」を示す。すなわち、値が「11」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データについては、複製が禁じられる。
【0068】
さらに、値が「10」の複製管理情報は「One Generation Copy Permitted 」を示す。すなわち、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データについては、一世代に限って複製が許諾されている。例えば、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データが記録されたCDを所有するユーザが、該デジタル音楽データを複製して他の記録メディアに記録した場合、一世代の複製に該当する。従って、複製されたデジタル音楽データが記録されている記録メディアを所有し、利用することは許諾されているが、該記録メディアからさらに他の記録メディアへデジタル音楽データを複製することは、二世代目の複製に該当するので、許諾されない。
【0069】
そして、値が「01」の複製管理情報は「No More Copy」を示す。従って、値が「01」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データについては、それ以上の複製が禁じられる。
上述の通り、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データについては、一世代に限って複製が許諾されている。このため、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データを複製した場合、複製により作成されたデジタル音楽データを、さらに他の記録メディアへ複製することは禁じられている。ところが、デジタル音楽データを複製する際に、デジタル音楽データに付加された複製管理情報ごと複製してしまうと、複製により作成されたデジタル音楽データ中の複製管理情報は「10」のままであり、もう一世代の複製が可能となってしまう。
【0070】
そこで、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データを複製する際に、複製管理情報を「10」から「01」に書き換えるようにすれば、複製により作成されたデジタル音楽データには、値が「01」の複製管理情報が付加されたことになり、このデジタル音楽データをさらに複製することは禁じられる。
【0071】
従って、値が「01」の複製管理情報は、かつて一世代に限って複製が許諾されていたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データについて、それ以上の複製を禁じることを示す情報であり、値が「10」の複製管理情報を複製して得られたデジタル音楽データに付加されている。このため、本実施の形態においては、値が「11」の複製管理情報とは区別して用いる。
【0072】
このように、表1に示す配信許諾情報、および、表2に示す複製管理情報をデジタル音楽データに含ませることにより、わずかに3ビットの情報によって、各デジタル音楽データについて、配信が許諾されているか否か、複製が許諾されているか否かを明確に宣言することが可能となる。
【0073】
そして、本発明を適用した第1の実施の形態における配信システム100において、配信装置1は、デジタル音楽データについて著作権者等により定められた配信の可否および複製の可否に準じて、デジタル音楽データに配信許諾情報および複製管理情報を付加して、ネットワークNを介して配信する。
【0074】
受信装置2は、デジタル音楽データに付加されている配信許諾情報および複製管理情報が示す制限に反しない範囲において、デジタル音楽データを受信するとともに、記録装置3によるデジタル音楽データの記録や、再生装置4による再生を行う。また、受信・記録装置5は、デジタル音楽データに付加されている配信許諾情報および複製管理情報が示す制限に反しない範囲において、デジタル音楽データを受信するとともに、デジタル音楽データの記録および再生を行う。
【0075】
なお、表1および表2に示す配信許諾情報と複製管理情報は、いわゆる「Digital Water Mark(電子透かし)」技術によってデジタル音楽データに埋め込まれるものである。電子透かし技術は、従来、Information hidingやSteganography (情報隠蔽技術)と呼ばれていた技術であり、画像や音声等を表すデジタルデータの中に特定の情報を埋め込むための技術である。
【0076】
電子透かし技術により埋め込まれた情報は、上記画像や音声を閲覧・再生する通常の手段では発見が困難な状態となり、情報を埋め込んでも、もとのデジタルデータが示す画像や音声には、視覚や聴覚で感じられる程度の変化が現れない。このため、一般消費者による記録・改変は非常に困難である。
ここで、デジタル音楽データに対する電子透かし技術の一例について説明する。
【0077】
一般に、音楽CDに記録されるデジタル音楽データは、音声のアナログ原信号を標本化周波数44.1kHz でサンプリングして得られた信号であり、ステレオ音声のL・Rチャンネルは、それぞれ16ビットの量子化信号で構成される。すなわち、一般的なデジタル音楽データは、1秒当たり44,100個のサンプルが時間軸に沿って並ぶサンプルストリームとして表され、ステレオ音声の場合は、それぞれL・Rチャンネルに対応する2本のサンプルストリームで表される。
【0078】
電子透かし技術によって情報を埋め込む場合、情報を埋め込む対象のデジタル音楽データのサンプルストリームは、時間軸に沿って一定区間毎に分割される。ここで、分割された各区間をタイムスライスと称する。各タイムスライスは互いに重なり合うことなく隣り合っており、各タイムスライスには、例えば128ビットのサンプルが含まれる。
【0079】
デジタル音楽データのサンプルストリームに情報を埋め込む手法としては、時間軸領域で情報を埋め込む方法と、サンプルストリームを周波数領域に変換した上で情報を埋め込む方法が挙げられる。サンプルストリームを周波数領域に変換した上で情報を埋め込む場合、情報を埋め込んだ後で、時間軸領域への逆変換を行って、もとのサンプルストリームと同じ形態のデータにする必要がある。この逆変換によって、埋め込まれた情報は時間軸領域に分散され、検出することが非常に困難になるので、結果的に解読に対する防御性が高められる。
【0080】
サンプルストリームを周波数領域に変換するためには、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)が用いられる。例えば、上記のタイムスライスに対してFFTを実行すると、128のサンプルを含むタイムスライスが周波数領域に変換され、0Hz〜22kHzにおける128の周波数帯のエネルギー量を示すスペクトルが得られる。なお、変換後の周波数帯の上限周波数は、Nyquist 周波数、またはサンプリングレートの1/2として決定される。
【0081】
そして、FFTにより得られる各周波数帯のスペクトルを人工的に加工することにより、情報を埋め込むことができる。ただし、スペクトルの加工によって、デジタル音楽データの音質に影響が及ばないことが望ましいため、全ての情報を一カ所に埋め込むのではなく、情報を分散して埋め込む必要がある。
【0082】
情報を分散して埋め込むために、スペクトラム拡散を利用する方法が知られている。この方法では、情報をスペクトラム拡散によって全周波数帯域に拡散し、スペクトルに重畳する。しかしながら、スペクトラム拡散では情報の挿入に関するパラメータが固定されるので、全周波数帯にわたって情報が拡散されていることが明らかになってしまう。このため、電子透かし情報が容易に検出され、電子透かし情報の不正な加工や除去が行われるおそれがある。また、スペクトルの状態とは無関係に全周波数帯に情報を分散するため、全周波数帯にホワイトノイズが加えられたのと同様の影響があり、もとのデジタル音楽データに聴覚で感じられるほどの影響を与えてしまうおそれがある。
【0083】
そこで、最近では、人間の聴覚特性として知られているマスキング効果を利用して情報を埋め込む手法が提案されている。
具体的には、周波数領域のスペクトルの波形に基づき、もとのデジタル音楽データにおいてマスキング効果が期待されるマスキング領域を検出する。このマスキング領域に情報を付加した場合、マスキング効果によって、情報の付加による影響を聴覚で感じることは非常に困難になる。そこで、マスキング領域に対して情報を分散して付加すれば、もとのデジタル音楽データの音質に影響を及ぼすおそれがない。なお、この方法では電子透かし情報が付加された箇所がスペクトルの形状によって異なるため、その位置等を表す情報が、予め定められた形式のキーとしてデジタル音楽データに埋め込まれる。
【0084】
マスキング効果を利用して電子透かし情報を埋め込んだ場合、キャリア信号、すなわち音声を表す信号に対して−15dB(デシベル)程度の、知覚できないレベルで情報を埋め込むことができる。このため、電子透かし情報が容易に発見されるおそれもなく、また、情報を埋め込むことでもとのデジタル音楽データの音質を劣化させるおそれも無い。
【0085】
そして、情報が埋め込まれた周波数領域のスペクトルは逆変換によって時間軸領域に変換され、もとのサンプルストリームと同じ形態のデジタル音楽データに復元される。デジタル音楽データに埋め込まれた電子透かし情報は、予め定められた形式の正当なキーに関する情報を保持する機器によってのみ、該キーをもとに検出し、書き換えることが可能である。一方、正当なキーに関する情報を保持していない機器によって電子透かし情報を検出し、電子透かし情報の書き換えや除去を行うことは非常に困難である。
このため、デジタル音楽データに埋め込まれた電子透かし情報は、正当なユーザによってのみ処理可能であり、意図しない第三者によって除去或いは改変されるおそれがない。
【0086】
次に、電子透かし技術を利用して配信許諾情報および複製管理情報をデジタル音楽データに含ませる手法について説明する。
上述のように、電子透かし技術によってデジタル音楽データに埋め込むことが可能な情報の量は限られている。このため、電子透かし情報は、予めサイズが規定されたデータエリアと、各データエリアに埋め込まれるデータの内容を宣言する情報とによって構成される。
【0087】
データエリアの中には、格納すべき情報が既に規定されているものがあり、これらのデータエリアにどのような情報が格納されているかは既に宣言されている。従って、データエリアに新たな情報を格納させる場合には、まず、使用されていない空きエリアとなっているデータエリアを検出する。
【0088】
そして、空きエリアとなっているデータエリアを検出した場合、このデータエリアに配信許諾情報および複製管理情報を格納する旨を宣言する情報を、電子透かし情報に含ませる。これにより、配信許諾情報および複製管理情報を格納するためのデータエリアが確保されることになる。続いて、確保したデータエリアに配信許諾情報および複製管理情報を格納することで、電子透かし情報が生成される。
その後、生成した電子透かし情報を上述の電子透かし技術によってデジタル音楽データ中に埋め込むことで、デジタル音楽データに配信許諾情報と複製管理情報とを付加することができる。
【0089】
ここで、デジタル音楽データから電子透かし情報を読み出す場合には、まず、データエリアに含まれる情報を宣言する情報を検出する。例えば、配信許諾情報がデータエリアに含まれることを宣言する情報が検出されれば、宣言されたデータエリアに配信許諾情報が格納されていることが分かる。また、複製管理情報が含まれることを宣言する情報が検出されれば、宣言されたデータエリアに複製管理情報が含まれることが分かる。従って、内容を宣言する情報を所定のアルゴリズムに従って検出し、検出した情報により宣言されているデータエリアを検出すれば、配信許諾情報或いは複製管理情報の内容を取得できる。
【0090】
図2は、配信装置1の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、配信装置1は、CPU(Central Processing Unit )11、FFT(Fast Fourier Transform)部12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部14、記憶部14が有する記憶媒体15、入力部16、および通信制御部17等の各部を備えて構成され、記憶媒体15を除く各部はバス18により互いに接続されている。
【0091】
CPU11は、入力部16からの指示入力に従って、記憶部14に格納された制御プログラムを読み出してRAM13のワークエリアに展開して実行し、配信装置1の各部を制御する。
具体的には、CPU11は、図示しない記録メディア読み取り装置、或いは通信制御部17等を介して入力されたデジタル音楽データ、若しくは記憶部14に格納されたデジタル音楽データについて、後述する情報付加処理(図5)を実行し、デジタル音楽データについて配信の可否を示す配信許諾情報と、複製の可否を示す複製管理情報とを生成し、該デジタル音楽データに電子透かし情報として実装する。
【0092】
また、CPU11は、受信装置2や受信・記録装置5からデジタル音楽データの配信が要求されると、後述する配信処理(図6)を実行し、記憶部14に格納されたデジタル音楽データを読み出して、該デジタル音楽データに付加された配信許諾情報および複製管理情報を識別して判定し、正規の配信許諾情報および複製管理情報が含まれており、かつ、配信が許諾されている場合には、該デジタル音楽データをネットワークNを介して送信する。
【0093】
FFT部12は、CPU11によって、デジタル音楽データに電子透かし情報を実装する処理、デジタル音楽データに電子透かし情報として付加された配信許諾情報および複製管理情報を識別する処理等の処理において、CPU11の制御に従って高速フーリエ変換および逆変換を実行し、変換後のデータをCPU11へ出力する。
【0094】
RAM13は、CPU11により実行されるプログラム、および、このプログラムに係るデータを一時的に格納するワークエリアを形成する。
【0095】
記憶装置14は、磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリ等で構成される記憶媒体15を有し、この記憶媒体15に、情報付加処理プログラム、配信処理プログラムを始めとする各種プログラムや、デジタル音楽データ等のデータを記憶する。なお、記憶媒体15に記憶するプログラムやデータ等は、その一部若しくは全部を他の機器から通信回線等を介して通信制御装置17から受信して記憶する構成にしてもよく、さらに、記憶媒体15はネットワークN等のネットワーク上に構築された他のサーバが有する記憶媒体であってもよい。
【0096】
入力装置16は、数字キー、文字キー、各種機能キー等を備えるキーボードや、マウスやタブレット等のポインティングデバイスを有しており、キーボード上で操作されたキーに対応する操作信号、若しくはポインティングデバイスの操作に伴う位置情報を含む操作信号をCPU11へ出力する。
【0097】
通信制御装置17は、モデム(MODEM:MOdulator/DEModulator )、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデムやスプリッタ、ケーブルモデム、ターミナルアダプタ(TA:Terminal Adapter)やDSU(Digital Service Unit)等によって構成され、電話回線、ISDN(Integrated Services Digital Network)回線、ADSL回線、ケーブルテレビ回線、或いは光ファイバ等によってなる専用線等の通信回線を介して、ネットワークNに接続された機器との通信を行うための制御を行う。
【0098】
図3は、受信装置2の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、受信装置2は、CPU21、FFT部22、RAM23、記憶部24、記憶部24が有する記憶媒体25、入力部26、表示部27および通信制御部28等の各部を備えて構成され、記憶媒体25を除く各部はバス29により互いに接続されている。
【0099】
CPU21は、入力部26からの指示入力に従って、記憶部24に格納された制御プログラムを読み出してRAM23のワークエリアに展開して実行し、受信装置2の各部を制御する。
具体的には、CPU21は、ネットワークNを介して配信装置1からデジタル音楽データが送信されると、後述する受信処理(図7)を実行して、デジタル音楽データを受信するとともに、受信したデジタル音楽データに付加された配信許諾情報および複製管理情報を識別して判別し、正規の配信許諾情報および複製管理情報が含まれており、かつ、配信が許諾されていて、複製管理情報が「01」でない場合に限り、受信したデジタル音楽データを記憶部24に格納する。
【0100】
また、CPU21は、入力部26からデジタル音楽データを記録装置3に出力して記録させる旨の指示が入力された場合には、後述する出力処理(図8)を実行し、指定されたデジタル音楽データを記憶部24から読み出す。そして、CPU21は、読み出したデジタル音楽データに付加された配信許諾情報および複製管理情報を識別して判別し、正規の配信許諾情報および複製管理情報が含まれており、かつ、配信が許諾されていて、複製管理情報が「01」および「11」でない場合に限り、デジタル音楽データを記録装置3へ出力し、記録用メディアドライブ31によって記録メディアに記録させる。
【0101】
さらに、CPU21は、入力部26からデジタル音楽データを再生装置4に出力して再生させる旨の指示が入力された場合には、後述する再生出力処理(図9)を実行し、指定されたデジタル音楽データを記憶部24から読み出す。そして、CPU21は、読み出したデジタル音楽データに付加された配信許諾情報および複製管理情報を識別して判別し、正規の配信許諾情報および複製管理情報が含まれており、かつ、配信が許諾されていて、複製管理情報が「01」でない場合に限り、デジタル音楽データを再生装置4へ出力し、音楽を再生させる。
【0102】
また、CPU21は、配信装置1からネットワークNを介して配信され、上記受信処理により受信したデジタル音楽データに関する情報や、入力部26による入力内容、CPU21による処理結果等の各種情報を画面上に表示するための表示情報を生成し、表示部27へ出力する。
【0103】
FFT部22は、CPU21によって、デジタル音楽データに電子透かし情報として付加された配信許諾情報および複製管理情報を識別する処理等の処理において、CPU21の制御に従って高速フーリエ変換および逆変換を実行し、変換後のデータをCPU21へ出力する。
【0104】
RAM23は、CPU11により実行されるプログラム、および、このプログラムに係るデータを一時的に格納するワークエリアを形成する。
【0105】
記憶装置24は、磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリ等で構成される記憶媒体25を有し、この記憶媒体25に、受信処理プログラム、出力処理プログラム、再生出力処理プログラムを始めとする各種プログラムや、デジタル音楽データ等のデータを記憶する。なお、記憶媒体25に記憶するプログラムやデータ等は、その一部若しくは全部を他の機器から通信回線等を介して通信制御装置28から受信して記憶する構成にしてもよく、さらに、記憶媒体25はネットワークN等のネットワーク上に構築された他のサーバが有する記憶媒体であってもよい。
【0106】
入力装置26は、数字キー、文字キー、各種機能キー等を備えるキーボードや、マウスやタブレット等のポインティングデバイスを有しており、キーボード上で操作されたキーに対応する操作信号、若しくはポインティングデバイスの操作に伴う位置情報を含む操作信号をCPU21へ出力する。
【0107】
表示部27は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等によってなる表示画面を備え、CPU21から入力される表示情報に従って各種画面を表示する。
【0108】
通信制御装置28は、モデム、ADSLモデムやスプリッタ、ケーブルモデム、ターミナルアダプタやDSU等によって構成され、電話回線、ISDN回線、ADSL回線、ケーブルテレビ回線、或いは光ファイバ等によってなる専用線等の通信回線を介して、ネットワークNに接続された機器との通信を行うための制御を行う。
【0109】
図4は、受信・記録装置5の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、受信・記録装置5は、CPU51、FFT部52、RAM53、記憶部54、記憶部54が有する記憶媒体55、通信制御部56、入力部57、表示部58および記録用メディアドライブ59等の各部を備えて構成され、記憶媒体55を除く各部はバス60により互いに接続されている。
【0110】
CPU51は、入力部57からの指示入力に従って、記憶部54に格納された制御プログラムを読み出してRAM53のワークエリアに展開して実行し、受信・記録装置5の各部を制御する。
具体的には、CPU51は、ネットワークNを介して配信装置1からデジタル音楽データが送信されると、後述する受信処理(図10)を実行して、デジタル音楽データを受信するとともに、受信したデジタル音楽データに付加された配信許諾情報および複製管理情報を識別して判別し、正規の配信許諾情報および複製管理情報が含まれており、かつ、配信が許諾されていて、複製管理情報が「11」および「01」でない場合に限ってデジタル音楽データを受信する。そしてCPU51は、受信したデジタル音楽データを記憶部54に格納するとともに、記録用メディアドライブ59によって所定の記録メディアに記録する。
【0111】
また、CPU51は、配信装置1からネットワークNを介して配信され、上記受信処理により受信したデジタル音楽データに関する情報や、入力部57による入力内容、CPU21による処理結果等の各種情報を画面上に表示するための表示情報を生成し、表示部58へ出力する。
【0112】
FFT部52は、CPU51によって、デジタル音楽データに電子透かし情報として付加された配信許諾情報および複製管理情報を識別する処理等の処理において、CPU51の制御に従って高速フーリエ変換および逆変換を実行し、変換後のデータをCPU51へ出力する。
【0113】
RAM53は、CPU51により実行されるプログラム、および、このプログラムに係るデータを一時的に格納するワークエリアを形成する。
【0114】
記憶装置54は、磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリ等で構成される記憶媒体55を有し、この記憶媒体55に、受信処理プログラムを始めとする各種プログラムや、デジタル音楽データ等のデータを記憶する。なお、記憶媒体55に記憶するプログラムやデータ等は、その一部若しくは全部を他の機器から通信回線等を介して通信制御装置56から受信して記憶する構成にしてもよく、さらに、記憶媒体55はネットワークN等のネットワーク上に構築された他のサーバが有する記憶媒体であってもよい。
【0115】
通信制御装置56は、モデム、ADSLモデムやスプリッタ、ケーブルモデム、ターミナルアダプタやDSU等によって構成され、電話回線、ISDN回線、ADSL回線、ケーブルテレビ回線、或いは光ファイバ等によってなる専用線等の通信回線を介して、ネットワークNに接続された機器との通信を行うための制御を行う。
【0116】
入力装置57は、数字キー、文字キー、各種機能キー等を備えるキーボードや、マウスやタブレット等のポインティングデバイスを有しており、キーボード上で操作されたキーに対応する操作信号、若しくはポインティングデバイスの操作に伴う位置情報を含む操作信号をCPU51へ出力する。
【0117】
表示部58は、CRTやLCD等によってなる表示画面を備え、CPU51から入力される表示情報に従って各種画面を表示する。
【0118】
記録用メディアドライブ59は、例えば、MD、MOディスク、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RAM等の光ディスク型記録媒体、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDカード、マルチメディアカード、メモリースティック等の半導体メモリデバイスを利用した記録媒体、ハードディスク装置等の磁気記録媒体、或いはこれらの記録媒体を内蔵する機器など、記録可能な媒体や機器にデジタルデータを記録する装置であり、CPU51から入力されたデジタル音楽データを、上記媒体や機器に記録する。
【0119】
次に、本第1の実施の形態における動作を説明する。
図5は、配信装置1により実行される情報付加処理を詳細に示すフローチャートである。
【0120】
図5に示す処理において、CPU11は、まず、処理対象のデジタル音楽データに埋め込むべき電子透かし情報を生成する(ステップS11)。ここで生成される電子透かし情報は、所定のヘッダとデータエリアにより構成され、空きのデータエリアを有するものであり、配信許諾情報および複製管理情報は含まれていない。
【0121】
続いて、CPU11は、電子透かし情報の空きエリアを検出し、該空きエリアに配信許諾情報を格納する旨の情報をヘッダに記録することにより、配信許諾情報を格納するデータエリアを確保する(ステップS12)。
そして、CPU11は、電子透かし情報の空きエリアに配信許諾情報を格納することで、電子透かし情報中に配信許諾情報を付与する(ステップS13)。
【0122】
次いで、CPU11は、電子透かし情報の空きエリアを検出し、該空きエリアに複製管理情報を格納する旨の情報をヘッダに記録することにより、複製管理情報を格納するデータエリアを確保する(ステップS14)。
そして、CPU11は、電子透かし情報の空きエリアに複製管理情報を格納することで、電子透かし情報中に複製管理情報を付与する(ステップS15)。
【0123】
その後、CPU11は、処理対象のデジタル音楽データについてFFT部12によって高速フーリエ変換を実行させ、得られた周波数スペクトルに対して、配信許諾情報および複製管理情報が付与された電子透かし情報を埋め込み、埋め込み後のスペクトルについてFFT部12によって逆変換を実行させることにより、電子透かし情報をデジタル音楽データに実装する(ステップS16)。そして、CPU11は、電子透かし情報が実装されたデジタル音楽データを記憶部14に格納する(ステップS17)。
【0124】
なお、図5に示す情報付加処理の対象となるデジタル音楽データは、予め配信装置1の記憶部14に格納されていたもの、ネットワークNを介して配信装置1に入力されたもの、配信装置1に接続された記録メディア読み取り装置(図示略)等のその他の経路により配信装置1へ入力されたもののいずれであっても良く、その由来は問わない。
【0125】
また、図5に示す情報付加処理の対象となるデジタル音楽データについて、配信の可否および複製の可否に関する情報は、例えば、対象となるデジタル音楽データが配信装置1に入力される際に、配信装置1により取得されるものとしても良い。すなわち、配信装置1に接続された記録メディア読み取り装置(図示略)からCPU11へデジタル音楽データが入力される場合、記録メディア読み取り装置によって、読み取り対象の記録メディアがパッケージ販売される記録メディアであるか否かを判別し、パッケージ販売される記録メディアであれば、配信は許諾されないデジタル音楽データとして扱うようにしても良い。
【0126】
図6は、配信装置1により実行される配信処理を示すフローチャートである。
図6において、CPU11は、まず、ネットワークNを介して配信しようとするデジタル音楽データについて、FFT部12によって高速フーリエ変換を実行させた上、得られた周波数スペクトルから、所定のアルゴリズムに基づいて電子透かし情報を抽出する(ステップS21)。このステップS21では、まず、電子透かし情報として配信許諾情報および複製管理情報が付加されたことを宣言する情報を抽出する。
続いて、CPU11は、抽出した電子透かし情報の判別を行い(ステップS22)、適正な電子透かし情報であるか否かを判別する(ステップS23)。
【0127】
ステップS23で、CPU11は、処理対象のデジタル音楽データに電子透かし情報が含まれていない、或いは、電子透かし情報の形態が、配信システム100で処理可能な形態と一致しない等、適正な電子透かし情報が無いと判別した場合には、実行中の配信処理を停止する(ステップS24)。
【0128】
また、処理対象のデジタル音楽データから抽出された電子透かし情報が適正なものであった場合(ステップS23;Yes)、CPU11は、ステップS21で抽出された電子透かし情報によって宣言された内容に従って、配信許諾情報が格納されたデータエリアを識別し(ステップS25)、電子透かし情報として、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが存在するか否かを判別する(ステップS26)。
【0129】
ステップS26で、配信許諾情報が格納されたデータエリアが無い、或いは、宣言されたデータエリアと配信許諾情報とが一致しない等のデータエリアの構造不良が発生している等、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが無いと判別した場合、CPU11は、ステップS24に移行して配信処理を停止する。
【0130】
一方、ステップS26で、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが有ると判別した場合、CPU11は、配信許諾情報の内容を識別して(ステップS27)、配信が許諾されているか否かを判別する(ステップS28)。
【0131】
ここで、電子透かし情報に格納された配信許諾情報が「1」であり、配信を許諾しない旨を示す情報であった場合(ステップS28;No)、配信処理を継続することは適切でないので、CPU11は、ステップS24に移行して配信処理を停止する。また、ステップS28で、電子透かし情報に格納された複製管理情報が「0」であって、配信を許諾することを示す情報であった場合、CPU11は、ステップS21で抽出した電子透かし情報によって宣言された内容に従って、複製管理情報が格納されたデータエリアを識別し(ステップS29)、電子透かし情報として、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが存在するか否かを判別する(ステップS30)。
【0132】
そして、複製管理情報が格納されたデータエリアが無い、或いは、宣言されたデータエリアと複製管理情報とが一致しない等のデータエリアの構造不良が発生している等、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが無いと判別した場合(ステップS30;No)、CPU11は、ステップS24に移行して配信処理を停止する。
【0133】
一方、ステップS30で、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが有ると判別した場合、CPU11は、複製管理情報の内容を識別して(ステップS31)、複製管理情報が示す複製の制限を判別する(ステップS32)。
【0134】
ここで、電子透かし情報に格納された複製管理情報が「01」であった場合、処理対象のデジタル音楽データは、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データである。すなわち、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られるデジタル音楽データであるから、これ以上の複製が禁じられる上、一般的に頒布や譲渡は禁じられているので、CPU11は、ステップS24に移行して配信処理を停止する。
【0135】
また、ステップS32で、複製管理情報の値が「01」以外であった場合、CPU11は、処理対象のデジタル音楽データを、通信制御部17によってネットワークNへ送信し(ステップS33)、本処理を終了する。
【0136】
このように、配信装置1においては、ネットワークNを介して配信されるデジタル音楽データについては、配信の可否を示す配信許諾情報と、複製に関する制限を示す複製管理情報とを電子透かし情報として埋め込み、ネットワークNを介してデジタル音楽データを配信する際には、適正な電子透かし情報が埋め込まれたデジタル音楽データのみを配信する。さらに、配信装置1は、配信が許諾されないデジタル音楽データ、および、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データについては、配信を行わない。
【0137】
これにより、配信が許諾されていないデジタル音楽データや著作権を保護するための制限を超えたデジタル音楽データがネットワークNへ配信されることがないので、著作権を無視してデジタル音楽データを配信する行為を防止できる。
【0138】
図7は、受信装置2によって実行される受信処理を示すフローチャートである。
図7において、CPU21は、まず、ネットワークNを介して受信しようとするデジタル音楽データについて、FFT部22によって高速フーリエ変換を実行させた上、得られた周波数スペクトルから、所定のアルゴリズムに基づいて電子透かし情報を抽出する(ステップS41)。このステップS41では、まず、電子透かし情報として配信許諾情報および複製管理情報が付加されたことを宣言する情報を抽出する。
続いて、CPU21は抽出した電子透かし情報の判別を行い(ステップS42)、適正な電子透かし情報であるか否かを判別する(ステップS43)。
【0139】
ステップS43で、CPU21は、処理対象のデジタル音楽データに電子透かし情報が含まれていない、或いは、電子透かし情報の形態が、配信システム100で処理可能な形態と一致しない等、適正な電子透かし情報が無いと判別した場合には、実行中の受信処理を停止し、受信中のデジタル音楽データのうち既に受信したデータを廃棄する(ステップS44)。
【0140】
また、処理対象のデジタル音楽データから抽出された電子透かし情報が適正なものであった場合(ステップS43;Yes)、CPU21は、ステップS41で抽出された電子透かし情報によって宣言された内容に従って、配信許諾情報が格納されたデータエリアを識別し(ステップS45)、電子透かし情報として、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが存在するか否かを判別する(ステップS46)。
【0141】
ステップS46で、配信許諾情報が格納されたデータエリアが無い、或いは、宣言されたデータエリアと配信許諾情報とが一致しない等のデータエリアの構造不良が発生している等、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが無いと判別した場合、CPU21は、ステップS44に移行して受信処理を停止する。
【0142】
一方、ステップS46で、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが有ると判別した場合、CPU21は、配信許諾情報の内容を識別して(ステップS47)、配信が許諾されているか否かを判別する(ステップS48)。
【0143】
ここで、電子透かし情報に格納された配信許諾情報が「1」であり、配信を許諾しない旨を示す情報であった場合(ステップS48;No)、CPU21は、ステップS44に移行して受信処理を停止する。また、ステップS48で、電子透かし情報に格納された複製管理情報が「0」であって、配信を許諾することを示す情報であった場合、CPU21は、ステップS41で抽出した電子透かし情報によって宣言された内容に従って、複製管理情報が格納されたデータエリアを識別し(ステップS49)、電子透かし情報として、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが存在するか否かを判別する(ステップS50)。
【0144】
そして、複製管理情報が格納されたデータエリアが無い、或いは、宣言されたデータエリアと複製管理情報とが一致しない等のデータエリアの構造不良が発生している等、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが無いと判別した場合(ステップS50;No)、CPU21は、ステップS44に移行して受信処理を停止する。
【0145】
一方、ステップS50で、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが有ると判別した場合、CPU21は、複製管理情報の内容を識別して(ステップS51)、複製管理情報が示す複製の制限を判別する(ステップS52)。
【0146】
ここで、電子透かし情報に格納された複製管理情報が「01」であった場合、処理対象のデジタル音楽データは、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データである。すなわち、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られるデジタル音楽データであるから、これ以上の複製が禁じられる上、一般的に頒布や譲渡は禁じられているので、CPU21は、ステップS44に移行して受信処理を停止する。
【0147】
また、ステップS52で、複製管理情報の値が「01」以外であった場合、CPU21は、処理対象のデジタル音楽データを記憶部24に格納し(ステップS53)、本処理を終了する。
【0148】
図8は、受信装置2によって実行される出力処理を示すフローチャートである。この図8に示す出力処理は、受信装置2によって受信され、記憶部24に格納されたデジタル音楽データを、記録用メディアドライブ31による記録を目的として記録装置3へ出力する処理である。
【0149】
図8において、CPU21は、まず、記録装置3へ出力しようとするデジタル音楽データについて、FFT部22によって高速フーリエ変換を実行させた上、得られた周波数スペクトルから、所定のアルゴリズムに基づいて電子透かし情報を抽出する(ステップS61)。このステップS61では、まず、電子透かし情報として配信許諾情報および複製管理情報が付加されたことを宣言する情報を抽出する。
続いて、CPU21は、抽出した電子透かし情報の判別を行い(ステップS62)、適正な電子透かし情報であるか否かを判別する(ステップS63)。
【0150】
ステップS63で、CPU21は、処理対象のデジタル音楽データに電子透かし情報が含まれていない、或いは、電子透かし情報の形態が、配信システム100で処理可能な形態と一致しない等、適正な電子透かし情報が無いと判別した場合には、実行中の出力処理を停止する(ステップS64)。
【0151】
また、処理対象のデジタル音楽データから抽出された電子透かし情報が適正なものであった場合(ステップS63;Yes)、CPU21は、ステップS61で抽出された電子透かし情報によって宣言された内容に従って、配信許諾情報が格納されたデータエリアを識別し(ステップS65)、電子透かし情報として、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが存在するか否かを判別する(ステップS66)。
【0152】
ステップS66で、配信許諾情報が格納されたデータエリアが無い、或いは、宣言されたデータエリアと配信許諾情報とが一致しない等のデータエリアの構造不良が発生している等、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが無いと判別した場合、CPU21は、ステップS64に移行して出力処理を停止する。
【0153】
一方、ステップS66で、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが有ると判別した場合、CPU21は、配信許諾情報の内容を識別して(ステップS67)、配信が許諾されているか否かを判別する(ステップS68)。
【0154】
ここで、電子透かし情報に格納された配信許諾情報が「1」であり、配信を許諾しない旨を示す情報であった場合(ステップS68;No)、CPU21は、ステップS64に移行して出力処理を停止する。また、ステップS68で、電子透かし情報に格納された複製管理情報が「0」であって、配信を許諾することを示す情報であった場合、CPU21は、ステップS61で抽出した電子透かし情報によって宣言された内容に従って、複製管理情報が格納されたデータエリアを識別し(ステップS69)、電子透かし情報として、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが存在するか否かを判別する(ステップS70)。
【0155】
そして、複製管理情報が格納されたデータエリアが無い、或いは、宣言されたデータエリアと複製管理情報とが一致しない等のデータエリアの構造不良が発生している等、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが無いと判別した場合(ステップS70;No)、CPU21は、ステップS64に移行して出力処理を停止する。
【0156】
一方、ステップS70で、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが有ると判別した場合、CPU21は、複製管理情報の内容を識別して(ステップS71)、複製管理情報が示す複製の制限を判別する(ステップS72)。
【0157】
ここで、電子透かし情報に格納された複製管理情報が「01」であった場合、処理対象のデジタル音楽データは、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データである。すなわち、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られるデジタル音楽データであるから、これ以上の複製が禁じられ、一般的に頒布や譲渡は禁じられており、記録装置3によって他の記録メディアに記録することは適切ではない。このため、CPU21は、ステップS64に移行して出力処理を停止する。
【0158】
また、電子透かし情報に格納された複製管理情報が「11」であった場合、処理対象のデジタル音楽データは複製が禁じられているので、記録装置3によって他の記録メディアに記録することは適切ではない。このため、CPU21は、ステップS64に移行して出力処理を停止する。
【0159】
一方、ステップS72で、複製管理情報の値が「01」および「11」以外の値、すなわち、「00」若しくは「10」であった場合、CPU21は、処理対象のデジタル音楽データを記録装置3へ出力し(ステップS73)、本処理を終了する。
【0160】
図9は、受信装置2によって実行される再生出力処理を示すフローチャートである。この図9に示す再生出力処理は、受信装置2によって受信され、記憶部24に格納されたデジタル音楽データを、再生を目的として再生装置4へ出力する処理である。
【0161】
図9において、CPU21は、まず、再生装置4へ出力しようとするデジタル音楽データについて、FFT部22によって高速フーリエ変換を実行させた上、得られた周波数スペクトルから、所定のアルゴリズムに基づいて電子透かし情報を抽出する(ステップS81)。このステップS81では、まず、電子透かし情報として配信許諾情報および複製管理情報が付加されたことを宣言する情報を抽出する。
続いて、CPU21は、抽出した電子透かし情報の判別を行い(ステップS82)、適正な電子透かし情報であるか否かを判別する(ステップS83)。
【0162】
ステップS83で、CPU21は、処理対象のデジタル音楽データに電子透かし情報が含まれていない、或いは、電子透かし情報の形態が、配信システム100で処理可能な形態と一致しない等、適正な電子透かし情報が無いと判別した場合には、実行中の再生出力処理を停止する(ステップS84)。
【0163】
また、処理対象のデジタル音楽データから抽出された電子透かし情報が適正なものであった場合(ステップS83;Yes)、CPU21は、ステップS81で抽出された電子透かし情報によって宣言された内容に従って、配信許諾情報が格納されたデータエリアを識別し(ステップS85)、電子透かし情報として、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが存在するか否かを判別する(ステップS86)。
【0164】
ステップS86で、配信許諾情報が格納されたデータエリアが無い、或いは、宣言されたデータエリアと配信許諾情報とが一致しない等のデータエリアの構造不良が発生している等、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが無いと判別した場合、CPU21は、ステップS84に移行して再生出力処理を停止する。
【0165】
一方、ステップS86で、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが有ると判別した場合、CPU21は、配信許諾情報の内容を識別して(ステップS87)、配信が許諾されているか否かを判別する(ステップS88)。
【0166】
ここで、電子透かし情報に格納された配信許諾情報が「1」であり、配信を許諾しない旨を示す情報であった場合(ステップS88;No)、CPU21は、ステップS84に移行して再生出力処理を停止する。また、ステップS88で、電子透かし情報に格納された複製管理情報が「0」であって、配信を許諾することを示す情報であった場合、CPU21は、ステップS81で抽出した電子透かし情報によって宣言された内容に従って、複製管理情報が格納されたデータエリアを識別し(ステップS89)、電子透かし情報として、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが存在するか否かを判別する(ステップS90)。
【0167】
そして、複製管理情報が格納されたデータエリアが無い、或いは、宣言されたデータエリアと複製管理情報とが一致しない等のデータエリアの構造不良が発生している等、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが無いと判別した場合(ステップS90;No)、CPU21は、ステップS84に移行して再生出力処理を停止する。
【0168】
一方、ステップS90で、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが有ると判別した場合、CPU21は、複製管理情報の内容を識別して(ステップS91)、複製管理情報が示す複製の制限を判別する(ステップS92)。
【0169】
ここで、電子透かし情報に格納された複製管理情報が「01」であった場合、処理対象のデジタル音楽データは、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データである。すなわち、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られるデジタル音楽データであるから、これ以上の複製が禁じられ、一般的に頒布や譲渡は禁じられている。このため、CPU21は、ステップS84に移行して再生出力処理を停止する。
【0170】
一方、ステップS92で、複製管理情報の値が「01」以外の値であった場合、CPU21は、処理対象のデジタル音楽データを再生装置4へ出力し(ステップS93)、本処理を終了する。
【0171】
このように、受信装置2においては、ネットワークNを介してデジタル音楽データを受信する際に、配信の可否を示す配信許諾情報と、複製に関する制限を示す複製管理情報とを含む適正な電子透かし情報が埋め込まれたデジタル音楽データのみを受信する。さらに、受信装置2は、配信が許諾されないデジタル音楽データ、および、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データについては、受信しない。
【0172】
これにより、配信が許諾されていないデジタル音楽データや著作権を保護するための制限を超えたデジタル音楽データがネットワークNを介して受信されることがないので、著作権を無視してデジタル音楽データを配信する行為を防止できる。
【0173】
また、受信装置2は、デジタル音楽データを記録用メディアドライブ31によって記録するためにデジタル音楽データを記録装置3へ出力する場合、配信の可否を示す配信許諾情報と、複製に関する制限を示す複製管理情報とを含む適正な電子透かし情報が埋め込まれた上、配信および複製が許諾されたデジタル音楽データのみを出力する。
【0174】
これにより、配信許諾情報および複製管理情報によって、ネットワークNを介した配信および複製が正規に許諾されていないデジタル音楽データが記録メディア等に記録されることがなく、著作権を無視してデジタル音楽データを配信し、複製する行為を防止できる
【0175】
さらに、受信装置2は、デジタル音楽データを再生するためにデジタル音楽データを再生装置4へ出力する場合、配信の可否を示す配信許諾情報と、複製に関する制限を示す複製管理情報とを含む適正な電子透かし情報が埋め込まれたデジタル音楽データのみを出力するが、配信が許諾されていないデジタル音楽データや、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データは出力しない。
【0176】
これにより、配信が許諾されていないデジタル音楽データや著作権を保護するための制限を超えたデジタル音楽データが利用されることがないので、著作権を無視してデジタル音楽データを利用する行為を防止できる。
【0177】
図10は、受信・記録装置5によって実行される受信処理を示すフローチャートである。この図10に示す受信処理は、配信装置1からネットワークNを介して配信されるデジタル音楽データを受信・記録装置5によって受信する処理である。
【0178】
図10において、CPU51は、まず、記録装置3へ出力しようとするデジタル音楽データについて、FFT部52によって高速フーリエ変換を実行させた上、得られた周波数スペクトルから、所定のアルゴリズムに基づいて電子透かし情報を抽出する(ステップS101)。このステップS101では、まず、電子透かし情報として配信許諾情報および複製管理情報が付加されたことを宣言する情報を抽出する。
続いて、CPU51は、抽出した電子透かし情報の判別を行い(ステップS102)、適正な電子透かし情報であるか否かを判別する(ステップS103)。
【0179】
ステップS103で、CPU51は、処理対象のデジタル音楽データに電子透かし情報が含まれていない、或いは、電子透かし情報の形態が、配信システム100で処理可能な形態と一致しない等、適正な電子透かし情報が無いと判別した場合には、実行中の受信処理を停止し、受信中のデジタル音楽データのうち既に受信したデータを廃棄する(ステップS104)。
【0180】
また、処理対象のデジタル音楽データから抽出された電子透かし情報が適正なものであった場合(ステップS103;Yes)、CPU51は、ステップS101で抽出された電子透かし情報によって宣言された内容に従って、配信許諾情報が格納されたデータエリアを識別し(ステップS105)、電子透かし情報として、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが存在するか否かを判別する(ステップS106)。
【0181】
ステップS106で、配信許諾情報が格納されたデータエリアが無い、或いは、宣言されたデータエリアと配信許諾情報とが一致しない等のデータエリアの構造不良が発生している等、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが無いと判別した場合、CPU51は、ステップS104に移行して受信処理を停止する。
【0182】
一方、ステップS106で、配信許諾情報が格納された適正なデータエリアが有ると判別した場合、CPU51は、配信許諾情報の内容を識別して(ステップS107)、配信が許諾されているか否かを判別する(ステップS108)。
【0183】
ここで、電子透かし情報に格納された配信許諾情報が「1」であり、配信を許諾しない旨を示す情報であった場合(ステップS108;No)、CPU51は、ステップS104に移行して受信処理を停止する。また、ステップS108で、電子透かし情報に格納された複製管理情報が「0」であって、配信を許諾することを示す情報であった場合、CPU51は、ステップS101で抽出した電子透かし情報によって宣言された内容に従って、複製管理情報が格納されたデータエリアを識別し(ステップS109)、電子透かし情報として、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが存在するか否かを判別する(ステップS110)。
【0184】
そして、複製管理情報が格納されたデータエリアが無い、或いは、宣言されたデータエリアと複製管理情報とが一致しない等のデータエリアの構造不良が発生している等、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが無いと判別した場合(ステップS110;No)、CPU51は、ステップS104に移行して受信処理を停止する。
【0185】
一方、ステップS110で、複製管理情報が格納された適正なデータエリアが有ると判別した場合、CPU51は、複製管理情報の内容を識別して(ステップS111)、複製管理情報が示す複製の制限を判別する(ステップS112)。
【0186】
ここで、電子透かし情報に格納された複製管理情報が「01」であった場合、処理対象のデジタル音楽データは、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データである。すなわち、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られるデジタル音楽データであるから、これ以上の複製が禁じられる上、一般的に頒布や譲渡は禁じられており、記録用メディアドライブ59を備える受信・記録装置5によって受信することは適切ではない。このため、CPU51は、ステップS104に移行して受信処理を停止する。
【0187】
また、電子透かし情報に格納された複製管理情報が「11」であった場合、処理対象のデジタル音楽データは複製が禁じられているので、記録用メディアドライブ59を備える受信・記録装置5によって受信することは適切ではない。このため、CPU51は、ステップS104に移行して受信処理を停止する。
【0188】
一方、ステップS112で、複製管理情報の値が「01」および「11」以外の値、すなわち、「00」若しくは「10」であった場合、CPU51は、処理対象のデジタル音楽データを記憶部54に格納するとともに記録用メディアドライブ59によって記録し(ステップS113)、本処理を終了する。
【0189】
このように、受信・記録装置5においては、ネットワークNを介してデジタル音楽データを受信する際に、配信の可否を示す配信許諾情報と、複製に関する制限を示す複製管理情報とを含む適正な電子透かし情報が埋め込まれたデジタル音楽データのみを受信する。さらに、受信・記録装置5は、配信が許諾されたデジタル音楽データであって、かつ、複製が許諾されたデジタル音楽データのみを受信する。
【0190】
これにより、配信許諾情報および複製管理情報によって、ネットワークNを介した配信および複製が正規に許諾されていないデジタル音楽データが記録メディア等に記録されることがなく、著作権を無視してデジタル音楽データを配信し、複製する行為を防止できる。
【0191】
なお、受信・記録装置5において、受信したデジタル音楽データを記録用メディアドライブ59によって記録する処理については、デジタル音楽データを記憶部54に一時的に格納した後、時間をおいて実行することも勿論可能である。
【0192】
以上のように、本発明を適用した第1の実施の形態における配信システム100によれば、デジタル音楽データを配信する配信装置1によって、ネットワークNを介して配信されるデジタル音楽データに配信の可否を示す配信許諾情報を付加し、配信が許諾されていることを示す配信許諾情報が付加されたデジタル音楽データのみを配信する。また、デジタル音楽データを受信する受信装置2および受信・記録装置5においては、配信が許諾されていることを示す配信許諾情報が付加されたデジタル音楽データのみが受信される。
【0193】
すなわち、デジタル音楽データについて、配信が許諾されているか否かが明確に宣言されているため、配信が許諾されていないデジタル音楽データがネットワークNを介して配信されることがなく、著作権を無視したデジタル音楽データの配信を防止できる。
【0194】
また、配信システム100においては、配信装置1によって複製の制限を示す複製管理情報がデジタル音楽データに付加されて配信され、受信装置2および受信・記録装置5においては、複製管理情報に基づいてデジタル音楽データの受信や記録が行われる。
【0195】
すなわち、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データが複製されて得られたデジタル音楽データについては、配信装置1による配信が行われず、さらに、受信装置2および受信・記録装置5による受信も行われない。これにより、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データが何度も複製され、利用されるのを防止できる。
【0196】
また、複製が許諾されていないデジタル音楽データについては、配信装置1によってネットワークNを介して配信され、受信装置2によって受信されるが、受信装置2から記録装置3に出力されることがない。また、受信・記録装置5は、複製が許諾されていないデジタル音楽データを受信しない。これにより、複製が許諾されていないデジタル音楽データの利用は、あくまで再生出力を目的とした利用に限られ、制限を無視して複製されることが無い。
【0197】
従って、著作権者の意向等に基づいて、配信許諾情報および複製管理情報をデジタル音楽データに付加することによって、著作権を無視したデジタル音楽データの配信や複製を防止することが可能となる。
【0198】
なお、以上の実施の形態における記述内容は、本発明に係る配信システムの好適な一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本実施の形態では、ネットワークNを中心として構成される配信システム100を、配信装置1から配信されるデジタル音楽データを受信装置2および受信・記録装置5によって受信するクライアント−サーバ型のネットワークとしたが、本発明はこれに限定されず、例えばインターネットのようなオープンなネットワークに接続された他のサーバ装置から受信したデジタル音楽データを処理するものとしても良いし、或いは、ピア・ツー・ピア型ネットワークにより接続された相手先コンピュータから受信したデジタル音楽データを処理するものとしても良く、その他の具体的構成についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0199】
また、配信装置1、受信装置2および受信・記録装置5の具体的構成等についても任意であり、その他の細部構成等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0200】
[第2の実施の形態]
次いで、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
なお、本第2の実施の形態における配信システム100を構成する各部は、図1〜図4の各図に示す第1の実施の形態における配信システム100と同様の構成によってなるものであり、その構成についての図示および説明は省略する。
【0201】
本第2の実施の形態における配信システム100においては、デジタル音楽データを配信する際に、デジタル音楽データの先頭に、所定のプロトコルに従ったヘッダを付与する。ここで、ネットワークを介したデータの送受信において、一般的に用いられるヘッダの構成について説明する。
図11は、プロトコルヘッダの一例として、IP(Internet Protocol)ヘッダの構成を示す図である。
【0202】
図11に示すように、IPヘッダは、バージョン(4ビット)、ヘッダ長(4ビット)、サービスタイプ(8ビット)、パケット長(16ビット)、識別子(16ビット)、フラグ(3ビット)、フラグメントオフセット(13ビット)、生存時間(8ビット)、プロトコル(8ビット)、ヘッダチェックサム(16ビット)、送信元IPアドレス(32ビット)、宛先IPアドレス(32ビット)、オプション(可変長)、パディング(オプションと合わせて32の整数倍のビット数となる)から構成され、これらのヘッダの後にはデータエリアが続く構成となっている。
【0203】
従って、インターネットを介してデジタル音楽データを送受信する場合、先頭にIPヘッダが付加され、このIPヘッダのパディングに続くビット以降のデータエリア中に、デジタル音楽データが付加されたことになる。
【0204】
本第2の実施の形態における配信システム100では、ネットワークNを介して送受信されるデジタル音楽データにIPヘッダを付加した後、さらに、IPヘッダに続くデータエリアの先頭に、付加情報ヘッダを付与する。そして、付加情報ヘッダに続いて、デジタル音楽データを含むデータエリアが位置する。
ここで、付加情報ヘッダの構成を、図12に示す。
【0205】
図12に示すように、付加情報ヘッダは8ビットのデータにより構成される。
付加情報ヘッダの先頭の1ビットは、付加情報識別子に割り当てられ、続く2ビットは複製管理情報に割り当てられ、続く1ビットは配信許諾情報に割り当てられ、残る4ビットはリザーブとなっている。
【0206】
付加情報識別子は1ビットのデータであり、図13に示すように、値が「0」の場合は、付加情報ヘッダに付加情報が設定されていないことを示し、値が「1」の場合は、付加情報ヘッダに付加情報が設定されていることを示す。
なお、付加情報とは、付加情報ヘッダに含まれる複製管理情報および配信許諾情報を指す。従って、付加情報識別子が「1」の場合には、付加情報ヘッダの2ビット目〜4ビット目を参照すれば、複製管理情報および配信許諾情報の内容を取得できる。また、付加情報識別子が「0」の場合、付加情報ヘッダを参照しても複製管理情報および配信許諾情報に関する情報は得られないことになる。
【0207】
複製管理情報は、図14に示すように、「00」,「01」,「10」,「11」の4つの値を有する2ビットのデータであり、この複製管理情報が付与されたデジタル音楽データの複製に関する制限を示す情報である。
【0208】
図14に示すように、値が「00」の複製管理情報は「Copy Free 」を示す。すなわち、値が「00」の複製管理情報が付与されたデジタル音楽データについては、複製は制限されない。
【0209】
一方、値が「11」の複製管理情報は「Never Copy」を示す。すなわち、値が「11」の複製管理情報が付与されたデジタル音楽データについては、複製が禁じられる。
【0210】
さらに、値が「10」の複製管理情報は「One Generation Copy Permitted 」を示す。すなわち、値が「10」の複製管理情報が付与されたデジタル音楽データについては、一世代に限って複製が許諾されている。例えば、値が「10」の複製管理情報が付与されたデジタル音楽データが記録されたCDを所有するユーザが、該デジタル音楽データを複製して他の記録メディアに記録した場合、一世代の複製に該当する。従って、複製されたデジタル音楽データが記録されている記録メディアを所有し、利用することは許諾されているが、該記録メディアからさらに他の記録メディアへデジタル音楽データを複製することは、二世代目の複製に該当するので、許諾されない。
【0211】
そして、値が「01」の複製管理情報は「No More Copy」を示す。従って、値が「01」の複製管理情報が付与されたデジタル音楽データについては、それ以上の複製が禁じられる。上述の通り、値が「10」の複製管理情報が付与されたデジタル音楽データについては、一世代に限って複製が許諾されている。このため、値が「10」の複製管理情報が付与されたデジタル音楽データを複製した場合、複製により作成されたデジタル音楽データを、さらに他の記録メディアへ複製することは禁じられている。ところが、デジタル音楽データを複製する際に、デジタル音楽データに付加された複製管理情報ごと複製してしまうと、複製により作成されたデジタル音楽データに付与された複製管理情報は「10」のままであり、もう一世代の複製が可能となってしまう。
【0212】
そこで、値が「10」の複製管理情報が付与されたデジタル音楽データを複製する際に、複製管理情報を「10」から「01」に書き換えるようにすれば、複製により作成されたデジタル音楽データには、値が「01」の複製管理情報が付与されたことになり、このデジタル音楽データをさらに複製することは禁じられる。
【0213】
従って、値が「01」の複製管理情報は、かつて一世代に限って複製が許諾されていたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データについて、それ以上の複製を禁じることを示す情報であり、値が「10」の複製管理情報を複製して得られたデジタル音楽データに付与される。このため、本第2の実施の形態においては、値が「11」の複製管理情報とは区別して用いる。
【0214】
また、配信許諾情報は、図15に示すように、「0」または「1」の値をとる1ビットの情報であり、この配信許諾情報が付与されたデジタル音楽データの配信が許諾されているか否かを示す情報である。配信許諾情報が「0」の場合、該デジタル音楽データの著作権者等の意向により、該デジタル音楽データについてEMD等による配信が許諾されていることを示し、配信許諾情報が「1」の場合、該デジタル音楽データについてEMD等による配信が許可されていないことを示す。
【0215】
このように、複製管理情報および配信許諾情報を含む付加情報ヘッダをデジタル音楽データに付与することにより、わずかに8ビットの情報によって、各デジタル音楽データについて、配信が許諾されているか否か、複製が許諾されているか否かを明確に宣言することが可能となる。
なお、リザーブとなっている4ビットのデータは、配信許諾情報および複製管理情報以外の情報を付加するなど、将来の拡張に備えて確保されるものであり、その用途は特に限定されない。
【0216】
以上のように構成される8ビットの付加情報ヘッダは、図11に示すデータエリアの先頭、すなわち、IPヘッダのパディングに続くビットから格納される。
従って、配信システム100を構成する各装置においては、デジタル音楽データを送受信する際に、IPヘッダに続く8ビットのデータを抽出することで、デジタル音楽データに関する配信の可否、および複製の制限についての情報を得ることができる。
【0217】
なお、付加情報ヘッダが付加されたデジタル音楽データは、付加情報ヘッダに続くデータエリアに格納されるので、付加情報ヘッダによってデジタル音楽データが改変されるものではない。付加情報ヘッダは、データエリアの先頭部分に配置されることで、擬似的に、IPヘッダに続く第2のヘッダとして処理される。
【0218】
ところで、図12に示す付加情報ヘッダは、デジタル音楽データの著作権者等が指定した内容を示すものであるから、その内容が第三者によって改変されないようにする必要がある。
そこで、本第2の実施の形態における配信システム100では、図12に示す付加情報ヘッダを暗号化して、データエリアの先頭に格納する。
【0219】
詳細に説明すると、本第2の実施の形態における配信システム100において、配信・受信・記録されるデジタル音楽データには、上記第1の実施の形態において詳細に説明した電子透かし技術を用いて、電子透かし情報が埋め込まれる。
そして、デジタル音楽データに付加情報ヘッダを付与する場合には、付加情報ヘッダが暗号化された上で付加され、暗号化された付加情報ヘッダは、該デジタル音楽データに埋め込まれている電子透かし情報をキーとしてのみ、解読することができる。
【0220】
このため、デジタル音楽データに電子透かし情報を検出することが可能な機器、すなわち、正規に電子透かし情報を検出するアルゴリズムを与えられた機器においては、電子透かし情報を検出し、さらに、これをキーとして付加情報ヘッダを解読することが可能である。一方、上述のように、電子透かし情報を検出するアルゴリズムを有しない機器においては、暗号化された付加情報ヘッダを解読することはできない。このため、正規に許諾を受けた機器を持たない第三者が付加情報ヘッダに含まれる配信許諾情報や複製管理情報を改変することはできない。
【0221】
このように、電子透かし技術を利用してデジタル音楽データに埋め込まれる情報をキーとして付加情報ヘッダを暗号化することで、正規の許諾とは無関係の第三者による付加情報ヘッダの不正な改変を防止できる。
【0222】
そして、電子透かし技術を利用してデジタル音楽データに埋め込むべき情報は、暗号化のキーとなる情報であれば良いので、比較的小さなデータ量で済む。従って、電子透かし情報を埋め込むことでデジタル音楽データの音質の低下を招くおそれが無く、また、電子透かし情報を埋め込む処理、および電子透かし情報を検出する処理の負担を軽減できるという利点がある。
【0223】
さらに、付加情報ヘッダは、デジタル音楽データの先頭に付加されるものであり、デジタル音楽データ自体を改変するものではない。従って、付加情報ヘッダを拡張して、8ビットよりも大きなサイズにしても、データエリアがわずかに長くなるだけで、デジタル音楽データの音質には一切影響を与えることが無い。このため、付加情報ヘッダにはさらに多くの情報を含ませることができ、将来の拡張によって広汎な情報に適用することが可能である。
【0224】
次に、本第2の実施の形態における動作を説明する。
図16は、本第2の実施の形態における配信装置1により実行される情報付加処理を示すフローチャートである。
【0225】
図16に示す処理において、CPU11は、まず、処理対象のデジタル音楽データに埋め込まれ、暗号解読のキーとなる電子透かし情報を生成する。ここで生成される電子透かし情報は、上記付加情報ヘッダの暗号化および解読の際にキーとなる情報である。そして、CPU11は、処理対象のデジタル音楽データについてFFT部12によって高速フーリエ変換を実行させ、得られた周波数スペクトルに対して電子透かし情報を埋め込み、埋め込み後のスペクトルについてFFT部12によって逆変換を実行させることにより、電子透かし情報をデジタル音楽データに実装する(ステップS121)。
【0226】
続いて、CPU11は、付加情報すなわち配信許諾情報および複製管理情報を付加情報ヘッダに格納するため、付加情報識別子を「1」に設定する(ステップS122)。
ここで、CPU11は、処理対象のデジタル音楽データについて定められた配信の可否に関する情報を取得して、取得した情報に基づいて配信許諾情報を設定する(ステップS123)。また、CPU11は、処理対象のデジタル音楽データについて定められた複製の制限に関する情報を取得して、取得した情報に基づいて複製管理情報を設定する(ステップS124)。
【0227】
そして、CPU11は、ステップS123で設定した配信許諾情報と、ステップS124で設定した複製管理情報とを含む付加情報ヘッダを生成し(ステップS125)、ステップS121で生成した電子透かし情報をキーとして暗号化を行う(ステップS126)。
【0228】
その後、CPU11は、暗号化された付加情報ヘッダをデジタル音楽データの先頭に付加して実装し(ステップS127)、実装されたデジタル音楽データを記憶部14に保存して(ステップS128)、本処理を終了する。
【0229】
なお、図16に示す情報付加処理の対象となるデジタル音楽データは、予め配信装置1の記憶部14に格納されていたもの、ネットワークNを介して配信装置1に入力されたもの、配信装置1に接続された記録メディア読み取り装置(図示略)等のその他の経路により配信装置1へ入力されたもののいずれであっても良く、その由来は問わない。
【0230】
また、図16に示す情報付加処理の対象となるデジタル音楽データについて、配信の可否および複製の可否に関する情報は、例えば、対象となるデジタル音楽データが配信装置1に入力される際に、配信装置1により取得されるものとしても良い。すなわち、配信装置1に接続された記録メディア読み取り装置(図示略)からCPU11へデジタル音楽データが入力される場合、記録メディア読み取り装置によって、読み取り対象の記録メディアがパッケージ販売される記録メディアであるか否かを判別し、パッケージ販売される記録メディアであれば、配信は許諾されないデジタル音楽データとして扱うようにしても良い。
【0231】
また、図16に示す情報付加処理において付加情報ヘッダを暗号化する際には、必ずしも電子透かし情報をキーとする必要はない。すなわち、付加情報ヘッダは、電子透かし情報をキーとして解読可能な形態で暗号化されれば良いので、例えば公開鍵暗号方式のように、付加情報ヘッダを暗号化する際のキーと、付加情報ヘッダを解読する際のキーとが異なっていても良い。
【0232】
図17は、配信装置1により実行される配信処理を示すフローチャートである。
図17において、CPU11は、まず、ネットワークNを介して配信しようとするデジタル音楽データについて、FFT部12によって高速フーリエ変換を実行させた上、得られた周波数スペクトルから、所定のアルゴリズムに基づいて電子透かし情報を抽出する(ステップS131)。
続いて、CPU11は、配信するデータにおいてヘッダに続くデータエリアの先頭8ビットに付加された付加情報ヘッダを、ステップS131で抽出した電子透かし情報をキーとして解読し(ステップS132)、解読に成功したか否かを判別する(ステップS133)。
【0233】
ステップS133で、CPU11は、処理対象のデジタル音楽データに電子透かし情報が含まれていない、或いは、電子透かし情報の形態が、配信システム100で処理可能な形態と一致しない、若しくは、付加情報ヘッダを解読できない等、解読に失敗した場合には、実行中の配信処理を停止する(ステップS134)。
【0234】
また、処理対象のデジタル音楽データについて、データエリアの先頭8ビットに付加されたデータを解読できた場合(ステップS133;Yes)、CPU11は、解読された付加情報ヘッダの付加情報識別子を識別する(ステップS135)。
【0235】
ここで、付加情報識別子が「0」であった場合(ステップS136;No)、付加情報ヘッダに付加情報が格納されていないので、CPU11は、ステップS134に移行して配信処理を停止する。
【0236】
一方、付加情報識別子が「1」であり、付加情報ヘッダに付加情報が含まれている場合には(ステップS136;Yes)、CPU11は、付加情報ヘッダに格納される配信許諾情報の内容を識別する(ステップS137)。
【0237】
そして、配信許諾情報が「1」であり、配信を許諾しない旨を示す情報であった場合(ステップS138;No)、配信処理を継続することは適切でないので、CPU11は、ステップS134に移行して配信処理を停止する。また、付加情報ヘッダに格納された複製管理情報が「0」であって、配信を許諾することを示す情報であった場合(ステップS138;Yes)、CPU11は、付加情報ヘッダに格納される複製管理情報の内容を識別する(ステップS139)。
【0238】
ここで、付加情報ヘッダに格納された複製管理情報が「01」であった場合(ステップS140;Yes)、処理対象のデジタル音楽データは、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データである。すなわち、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られるデジタル音楽データであるから、これ以上の複製が禁じられる上、一般的に頒布や譲渡は禁じられているので、CPU11は、ステップS134に移行して配信処理を停止する。
【0239】
また、複製管理情報の値が「01」以外であった場合(ステップS140;No)、CPU11は、処理対象のデジタル音楽データを、通信制御部17によってネットワークNへ送信し(ステップS141)、本処理を終了する。
【0240】
このように、配信装置1においては、ネットワークNを介して配信されるデジタル音楽データについては、配信の可否を示す配信許諾情報と、複製に関する制限を示す複製管理情報とを含む付加情報ヘッダをデジタル音楽データに付加し、ネットワークNを介してデジタル音楽データを配信する際には、適正な付加情報ヘッダが付加されたデジタル音楽データのみを配信する。さらに、配信装置1は、配信が許諾されないデジタル音楽データ、および、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データについては、配信を行わない。
【0241】
これにより、配信が許諾されていないデジタル音楽データや著作権を保護するための制限を超えたデジタル音楽データがネットワークNへ配信されることがないので、著作権を無視してデジタル音楽データを配信する行為を防止できる。
【0242】
図18は、受信装置2により実行される受信処理を示すフローチャートである。
図18において、CPU21は、まず、ネットワークNを介して受信しようとするデジタル音楽データについて、FFT部22によって高速フーリエ変換を実行させた上、得られた周波数スペクトルから、所定のアルゴリズムに基づいて電子透かし情報を抽出する(ステップS151)。
続いて、CPU21は、受信するデータにおいてヘッダに続くデータエリアの先頭8ビットに付加された付加情報ヘッダを、ステップS151で抽出した電子透かし情報をキーとして解読し(ステップS152)、解読に成功したか否かを判別する(ステップS153)。
【0243】
ステップS153で、CPU21は、処理対象のデジタル音楽データに電子透かし情報が含まれていない、或いは、電子透かし情報の形態が、配信システム100で処理可能な形態と一致しない、若しくは、付加情報ヘッダを解読できない等、解読に失敗した場合には、実行中の受信処理を停止する(ステップS154)。
【0244】
また、処理対象のデジタル音楽データについて、データエリアの先頭8ビットに付加されたデータを解読できた場合(ステップS153;Yes)、CPU21は、解読された付加情報ヘッダの付加情報識別子を識別する(ステップS155)。
【0245】
ここで、付加情報識別子が「0」であった場合(ステップS156;No)、付加情報ヘッダに付加情報が格納されていないので、CPU21は、ステップS154に移行して受信処理を停止する。
【0246】
一方、付加情報識別子が「1」であり、付加情報ヘッダに付加情報が含まれている場合には(ステップS156;Yes)、CPU21は、付加情報ヘッダに格納される配信許諾情報の内容を識別する(ステップS157)。
【0247】
そして、配信許諾情報が「1」であり、配信を許諾しない旨を示す情報であった場合(ステップS158;No)、受信処理を継続することは適切でないので、CPU21は、ステップS154に移行して受信処理を停止する。また、付加情報ヘッダに格納された複製管理情報が「0」であって、配信を許諾することを示す情報であった場合(ステップS158;Yes)、CPU21は、付加情報ヘッダに格納される複製管理情報の内容を識別する(ステップS159)。
【0248】
ここで、付加情報ヘッダに格納された複製管理情報が「01」であった場合(ステップS160;Yes)、処理対象のデジタル音楽データは、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データである。すなわち、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られるデジタル音楽データであるから、これ以上の複製が禁じられる上、一般的に頒布や譲渡は禁じられているので、CPU21は、ステップS154に移行して受信処理を停止する。
【0249】
また、複製管理情報の値が「01」以外であった場合(ステップS160;No)、CPU21は、通信制御部28によって受信した処理対象のデジタル音楽データを記憶部24に格納し(ステップS161)、本処理を終了する。
【0250】
図19は、出力装置2により実行される出力処理を示すフローチャートである。
図19において、CPU21は、まず、記録装置3へ出力しようとするデジタル音楽データについて、FFT部22によって高速フーリエ変換を実行させた上、得られた周波数スペクトルから、所定のアルゴリズムに基づいて電子透かし情報を抽出する(ステップS171)。
続いて、CPU21は、出力するデータにおいてヘッダに続くデータエリアの先頭8ビットに付加された付加情報ヘッダを、ステップS171で抽出した電子透かし情報をキーとして解読し(ステップS172)、解読に成功したか否かを判別する(ステップS173)。
【0251】
ステップS173で、CPU21は、処理対象のデジタル音楽データに電子透かし情報が含まれていない、或いは、電子透かし情報の形態が、配信システム100で処理可能な形態と一致しない、若しくは、付加情報ヘッダを解読できない等、解読に失敗した場合には、実行中の出力処理を停止する(ステップS174)。
【0252】
また、処理対象のデジタル音楽データについて、データエリアの先頭8ビットに付加されたデータを解読できた場合(ステップS173;Yes)、CPU21は、解読された付加情報ヘッダの付加情報識別子を識別する(ステップS175)。
【0253】
ここで、付加情報識別子が「0」であった場合(ステップS176;No)、付加情報ヘッダに付加情報が格納されていないので、CPU21は、ステップS174に移行して出力処理を停止する。
【0254】
一方、付加情報識別子が「1」であり、付加情報ヘッダに付加情報が含まれている場合には(ステップS176;Yes)、CPU21は、付加情報ヘッダに格納される配信許諾情報の内容を識別する(ステップS177)。
【0255】
そして、配信許諾情報が「1」であり、配信を許諾しない旨を示す情報であった場合(ステップS178;No)、出力処理を継続することは適切でないので、CPU21は、ステップS174に移行して出力処理を停止する。また、付加情報ヘッダに格納された複製管理情報が「0」であって、配信を許諾することを示す情報であった場合(ステップS178;Yes)、CPU21は、付加情報ヘッダに格納される複製管理情報の内容を識別する(ステップS179)。
【0256】
ここで、付加情報ヘッダに格納された複製管理情報が「01」であった場合(ステップS180;Yes)、処理対象のデジタル音楽データは、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データである。すなわち、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られるデジタル音楽データであるから、これ以上の複製が禁じられる上、一般的に頒布や譲渡は禁じられているので、記録装置3によって他の記録メディアに記録することは適切ではない。このため、CPU21は、ステップS174に移行して出力処理を停止する。
【0257】
また、付加情報ヘッダに格納された複製管理情報が「11」であった場合、処理対象のデジタル音楽データは複製が禁じられているので、記録装置3によって他の記録メディアに記録することは適切ではない。このため、CPU21は、ステップS174に移行して出力処理を停止する。
【0258】
また、複製管理情報の値が「01」および「11」以外の値であった場合(ステップS180;No)、CPU21は、処理対象のデジタル音楽データを記録装置3へ出力し(ステップS181)、本処理を終了する。
【0259】
図20は、受信装置2により実行される再生出力処理を示すフローチャートである。
図20において、CPU21は、まず、再生装置4へ出力しようとするデジタル音楽データについて、FFT部22によって高速フーリエ変換を実行させた上、得られた周波数スペクトルから、所定のアルゴリズムに基づいて電子透かし情報を抽出する(ステップS191)。
続いて、CPU21は、出力するデータにおいてヘッダに続くデータエリアの先頭8ビットに付加された付加情報ヘッダを、ステップS191で抽出した電子透かし情報をキーとして解読し(ステップS192)、解読に成功したか否かを判別する(ステップS193)。
【0260】
ステップS193で、CPU21は、処理対象のデジタル音楽データに電子透かし情報が含まれていない、或いは、電子透かし情報の形態が、配信システム100で処理可能な形態と一致しない、若しくは、付加情報ヘッダを解読できない等、解読に失敗した場合には、実行中の再生出力処理を停止する(ステップS194)。
【0261】
また、処理対象のデジタル音楽データについて、データエリアの先頭8ビットに付加されたデータを解読できた場合(ステップS193;Yes)、CPU21は、解読された付加情報ヘッダの付加情報識別子を識別する(ステップS195)。
【0262】
ここで、付加情報識別子が「0」であった場合(ステップS196;No)、付加情報ヘッダに付加情報が格納されていないので、CPU21は、ステップS194に移行して再生出力処理を停止する。
【0263】
一方、付加情報識別子が「1」であり、付加情報ヘッダに付加情報が含まれている場合には(ステップS196;Yes)、CPU21は、付加情報ヘッダに格納される配信許諾情報の内容を識別する(ステップS197)。
【0264】
そして、配信許諾情報が「1」であり、配信を許諾しない旨を示す情報であった場合(ステップS198;No)、再生出力処理を継続することは適切でないので、CPU21は、ステップS194に移行して再生出力処理を停止する。また、付加情報ヘッダに格納された複製管理情報が「0」であって、配信を許諾することを示す情報であった場合(ステップS198;Yes)、CPU21は、付加情報ヘッダに格納される複製管理情報の内容を識別する(ステップS199)。
【0265】
ここで、付加情報ヘッダに格納された複製管理情報が「01」であった場合(ステップS200;Yes)、処理対象のデジタル音楽データは、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データである。すなわち、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られるデジタル音楽データであるから、これ以上の複製が禁じられる上、一般的に頒布や譲渡は禁じられているので、これを再生装置4によって再生して利用することは適切でない。このため、CPU21は、ステップS194に移行して再生出力処理を停止する。
【0266】
また、複製管理情報の値が「01」以外であった場合(ステップS200;No)、CPU21は、処理対象のデジタル音楽データを再生装置4へ出力し(ステップS201)、本処理を終了する。
【0267】
このように、受信装置2においては、ネットワークNを介して受信したデジタル音楽データについて付加された付加情報ヘッダを解読して、該デジタル音楽データについての配信の可否と複製に関する制限を判別し、配信が許諾されないデジタル音楽データ、および、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データについては、受信しない。
【0268】
これにより、配信が許諾されていないデジタル音楽データや著作権を保護するための制限を超えたデジタル音楽データがネットワークNへ配信されることがないので、著作権を無視してデジタル音楽データを配信する行為を防止できる。
【0269】
また、受信装置2は、デジタル音楽データを記録用メディアドライブ31によって記録するためにデジタル音楽データを記録装置3へ出力する場合、配信の可否を示す配信許諾情報と、複製に関する制限を示す複製管理情報とを含む適正な付加情報ヘッダが付加された上、配信および複製が許諾されたデジタル音楽データのみを出力する。
【0270】
これにより、配信許諾情報および複製管理情報によって、ネットワークNを介した配信および複製が正規に許諾されていないデジタル音楽データが記録メディア等に記録されることがなく、著作権を無視してデジタル音楽データを配信し、複製する行為を防止できる
【0271】
さらに、受信装置2は、デジタル音楽データを再生するためにデジタル音楽データを再生装置4へ出力する場合、配信の可否を示す配信許諾情報と、複製に関する制限を示す複製管理情報とを含む適正な付加情報ヘッダが付加されたデジタル音楽データのみを出力するが、配信が許諾されていないデジタル音楽データや、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データは出力しない。
【0272】
これにより、配信が許諾されていないデジタル音楽データや著作権を保護するための制限を超えたデジタル音楽データが利用されることがないので、著作権を無視してデジタル音楽データを利用する行為を防止できる。
【0273】
図21は、受信・記録装置5により実行される受信処理を示すフローチャートである。
図21において、CPU51は、まず、ネットワークNを介して受信しようとするデジタル音楽データについて、FFT部52によって高速フーリエ変換を実行させた上、得られた周波数スペクトルから、所定のアルゴリズムに基づいて電子透かし情報を抽出する(ステップS211)。
続いて、CPU51は、受信するデータにおいてヘッダに続くデータエリアの先頭8ビットに付加された付加情報ヘッダを、ステップS211で抽出した電子透かし情報をキーとして解読し(ステップS212)、解読に成功したか否かを判別する(ステップS213)。
【0274】
ステップS213で、CPU51は、処理対象のデジタル音楽データに電子透かし情報が含まれていない、或いは、電子透かし情報の形態が、配信システム100で処理可能な形態と一致しない、若しくは、付加情報ヘッダを解読できない等、解読に失敗した場合には、実行中の受信処理を停止する(ステップS214)。
【0275】
また、処理対象のデジタル音楽データについて、データエリアの先頭8ビットに付加されたデータを解読できた場合(ステップS213;Yes)、CPU51は、解読された付加情報ヘッダの付加情報識別子を識別する(ステップS215)。
【0276】
ここで、付加情報識別子が「0」であった場合(ステップS216;No)、付加情報ヘッダに付加情報が格納されていないので、CPU51は、ステップS214に移行して受信処理を停止する。
【0277】
一方、付加情報識別子が「1」であり、付加情報ヘッダに付加情報が含まれている場合には(ステップS216;Yes)、CPU51は、付加情報ヘッダに格納される配信許諾情報の内容を識別する(ステップS217)。
【0278】
そして、配信許諾情報が「1」であり、配信を許諾しない旨を示す情報であった場合(ステップS218;No)、受信処理を継続することは適切でないので、CPU51は、ステップS214に移行して受信処理を停止する。また、付加情報ヘッダに格納された複製管理情報が「0」であって、配信を許諾することを示す情報であった場合(ステップS218;Yes)、CPU51は、付加情報ヘッダに格納される複製管理情報の内容を識別する(ステップS219)。
【0279】
ここで、付加情報ヘッダに格納された複製管理情報が「01」であった場合(ステップS220;Yes)、処理対象のデジタル音楽データは、値が「10」の複製管理情報が付加されたデジタル音楽データを複製して得られたデジタル音楽データである。すなわち、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データを複製して得られるデジタル音楽データであるから、これ以上の複製が禁じられる上、一般的に頒布や譲渡は禁じられているので、記録用メディアドライブ59によって他の記録メディアに記録することは適切ではない。このため、CPU51は、ステップS214に移行して受信処理を停止する。
【0280】
また、付加情報ヘッダに格納された複製管理情報が「11」であった場合、処理対象のデジタル音楽データは複製が禁じられているので、記録用メディアドライブ59によって他の記録メディアに記録することは適切ではない。このため、CPU51は、ステップS214に移行して受信処理を停止する。
【0281】
また、複製管理情報の値が「01」および「11」以外の値であった場合(ステップS220;No)、CPU51は、受信したデジタル音楽データを記憶部54に格納するとともに記録用メディアドライブ59によって所定の記録メディアに記録し(ステップS221)、本処理を終了する。
【0282】
このように、受信・記録装置5においては、ネットワークNを介してデジタル音楽データを受信する際に、配信の可否を示す配信許諾情報と、複製に関する制限を示す複製管理情報とを含む適正な付加情報ヘッダが付加されたデジタル音楽データのみを受信する。さらに、受信・記録装置5は、配信が許諾されたデジタル音楽データであって、かつ、複製が許諾されたデジタル音楽データのみを受信する。
【0283】
これにより、配信許諾情報および複製管理情報によって、ネットワークNを介した配信および複製が正規に許諾されていないデジタル音楽データが記録メディア等に記録されることがなく、著作権を無視してデジタル音楽データを配信し、複製する行為を防止できる。
【0284】
なお、受信・記録装置5において、受信したデジタル音楽データを記録用メディアドライブ59によって記録する処理については、デジタル音楽データを記憶部54に一時的に格納した後、時間をおいて実行することも勿論可能である。
【0285】
以上のように、本発明を適用した第2の実施の形態における配信システム100によれば、デジタル音楽データを配信する配信装置1によって、ネットワークNを介して配信されるデジタル音楽データに対し、ヘッダに続く先頭位置に付加情報ヘッダを付加する。この付加情報ヘッダには、配信の可否を示す配信許諾情報が格納されており、配信装置1は、配信が許諾されていることを示す配信許諾情報が付加されたデジタル音楽データのみを配信する。また、デジタル音楽データを受信する受信装置2および受信・記録装置5においては、配信が許諾されていることを示す配信許諾情報が付加されたデジタル音楽データのみが受信される。
【0286】
すなわち、デジタル音楽データについて、配信が許諾されているか否かが明確に宣言されているため、配信が許諾されていないデジタル音楽データがネットワークNを介して配信されることがなく、著作権を無視したデジタル音楽データの配信を防止できる。
【0287】
また、配信システム100において、デジタル音楽データに付加される付加情報ヘッダには、複製の制限を示す複製管理情報が格納されている。そして、配信装置1、受信装置2および受信・記録装置5においては、複製管理情報に基づいてデジタル音楽データの配信、受信および記録が行われる。
【0288】
すなわち、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データが複製されて得られたデジタル音楽データについては、配信装置1による配信が行われず、さらに、受信装置2および受信・記録装置5による受信も行われない。これにより、一世代に限って複製が許諾されたデジタル音楽データが何度も複製され、利用されるのを防止できる。
【0289】
また、複製が許諾されていないデジタル音楽データについては、配信装置1によってネットワークNを介して配信され、受信装置2によって受信されるが、受信装置2から記録装置3に出力されることがない。また、受信・記録装置5は、複製が許諾されていないデジタル音楽データを受信しない。これにより、複製が許諾されていないデジタル音楽データの利用は、あくまで再生出力を目的とした利用に限られ、制限を無視して複製されることが無い。
【0290】
従って、著作権者の意向等に基づいて、配信許諾情報および複製管理情報をデジタル音楽データに付加することによって、著作権を無視したデジタル音楽データの配信や複製を防止することが可能となる。
【0291】
なお、上記第2の実施の形態においては、付加情報ヘッダをIPヘッダに続くデータエリアの先頭に格納するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、IPヘッダに続いてより下位のプロトコルに係るヘッダが付与される場合、全てのプロトコルヘッダの末端に続けて、付加情報ヘッダを格納するようにしても良く、また、配信システム100で使用するプロトコルはIPプロトコルに限定されず、任意のプロトコルを利用することが可能である。
【0292】
また、上記第2の実施の形態において、付加情報ヘッダは、ヘッダに続くデータエリアの先頭に付加されるものとしたが、ヘッダ自体を利用して付加情報ヘッダを付加することも可能である。以下、この例について説明する。
【0293】
図11に示すIPヘッダにおいて、オプションは、その長さが可変長であり、セキュリティラベル、ソースルート、ルートレコード、タイムスタンプ等が格納され、テストやデバッグの際に利用される。
【0294】
オプションの形式としては2つの形式があり、1つはオプションタイプの単一オクテットで構成され、もう1つはオプションタイプオクテット、オプション長さオクテット、および実際のオプションデータ値により構成される。
ここで、後者の例について、その構成例を図22に示す。
【0295】
図22は、図11に示すIPヘッダにおけるオプションの構成例を示す図である。図22に示す例では、8ビットのオプションタイプと8ビットのオプション長さの後に、実際のオプションデータとして8ビットのデータが格納されている。このうち、8ビットのオプションタイプは、コピーフラグ(1ビット)、オプションクラス(2ビット)、オプション数(5ビット)の3つのフィールドより構成される。
【0296】
このうち、コピーフラグは、このオプションが分割された全てのフラグメントにコピーされるか否かを示し、「0」は「コピーする」旨を示し、「1」は「コピーしない」旨を示す。また、オプションクラスとしては4つの値が定義されており、「0」は制御、「2」はデバッグと計測に割り当てられ、「1」および「3」は将来の使用のために予約されている。
【0297】
ここで、既に定義されているインターネットオプションの例を、図23に示す。
例えば、クラス「0」、オプション数「0」のオプションは、オプションリストの最終を示すものである。このオプションは長さオクテットを持たず、配信装置1オクテットのみ使用する。
【0298】
また、例えば、クラス「0」、オプション数「2」、オプション長さ「11」のオプションとして、セキュリティオプションが定義されている。このオプションは、セキュリティ、コンパートメント、ユーザグループ、DOD要件互換の制限コード操作を送信するために使用される。
【0299】
さらに、特定のオプションとして、図24に示すオプションが定義されている。例えば、「00000000」はオプションリストの最終を示すオプションであり、「00000001」は「処理無し」を示すオプションとして定義されている。
【0300】
このように、IPヘッダのオプションは可変長であり、様々な情報を格納することが可能である。従って、図12に示す付加情報ヘッダと同様の情報をオプションに格納することも可能である。
【0301】
すなわち、図23および図24に示すような定義済みのオプションと重複することなく、オプション長さを可変長若しくは未定義として、図15の配信許諾情報を示す1ビットの情報と、図14の複製管理情報を示す2ビットの情報とをヘッダに付加すれば良い。
これにより、デジタル音楽データが格納されるデータエリアに影響を与えることなく、配信許諾情報および複製管理情報を付加することができる。
【0302】
なお、プロトコルヘッダのオプションとして付加情報ヘッダを付加する手法は、IPヘッダに限られず、例えばTCPヘッダ等のその他のプロトコルにおいても、オプションとして確保されているエリアを利用すれば適用可能である。
【0303】
また、プロトコルヘッダのオプションだけでなく、ヘッダ中でリザーブされているエリアに新たなビット配列を設けることにより、配信許諾情報および複製管理情報を示す情報を付加することも可能である。
【0304】
【発明の効果】
本発明によれば、コンテンツデータに付加された情報によって、コンテンツデータの配信が許諾されているか否かが明確に宣言されているため、配信が許諾されていないコンテンツデータが配信されることがなく、著作権を無視したデジタル音楽データの配信を防止できる。また、コンテンツデータに、複製の制限に関する情報が付加されることにより、著作権者等による複製の制限に反してコンテンツデータが複製されることがなく、著作権を無視したデジタル音楽データの複製を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態における配信システム100の機能的構成を示す図である。
【図2】図1の配信装置1の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の受信装置2の構成を示すブロック図である。
【図4】図1受信・記録装置5の構成を示すブロック図である。
【図5】図1の配信装置1により実行される情報付加処理を示すフローチャートである。
【図6】図1の配信装置1により実行される配信処理を示すフローチャートである。
【図7】図1の受信装置2によって実行される受信処理を示すフローチャートである。
【図8】図1の受信装置2によって実行される出力処理を示すフローチャートである。
【図9】図1の受信装置2によって実行される再生出力処理を示すフローチャートである。
【図10】図1の受信・記録装置5によって実行される受信処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明を適用した第2の実施の形態における配信システム100において利用されるヘッダの一例として、IPヘッダの構成を示す図である。
【図12】本発明を適用した第2の実施の形態における配信システム100において利用される付加情報ヘッダの構成を示す図である。
【図13】図12に示す付加情報ヘッダに含まれる付加情報識別子の内容を示す図表である。
【図14】図12に示す付加情報ヘッダに含まれる複製管理情報の内容を示す図表である。
【図15】図12に示す付加情報ヘッダに含まれる配信許諾情報の内容を示す図表である。
【図16】本第2の実施の形態における配信装置1により実行される情報付加処理を示すフローチャートである。
【図17】本第2の実施の形態における配信装置1により実行される配信処理を示すフローチャートである。
【図18】本第2の実施の形態における受信装置2により実行される受信処理を示すフローチャートである。
【図19】本第2の実施の形態における受信装置2により実行される出力処理を示すフローチャートである。
【図20】本第2の実施の形態における受信装置2により実行される再生出力処理を示すフローチャートである。
【図21】本第2の実施の形態における受信・記録装置5により実行される受信処理を示すフローチャートである。
【図22】図11に示すIPヘッダにおけるオプションの構成例を示す図である。
【図23】既に定義されているインターネットオプションの例を示す図表である。
【図24】既に定義されている特定のオプションの例を示す図表である。
【符号の説明】
100 配信システム
1 配信装置
2 受信装置
3 記録装置
31 記録用メディアドライブ
4 再生装置
5 受信・記録装置
N ネットワーク
11,21,51 CPU
12,22,52 FFT部
13,23,53 RAM
14,24,54 記憶部
15,25,55 記憶媒体
16,26,57 入力部
17,28,56 通信制御部
18,29,60 バス
27,58 表示部
59 記録用メディアドライブ

Claims (5)

  1. 通信回線を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信中のコンテンツデータから電子透かし情報として埋め込まれた付加情報を抽出することによって、該コンテンツデータの配信を許諾すること又は該コンテンツデータの配信を許可しないことを示す付加情報が付加されていることを識別する情報識別手段と、
    前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾することを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていると識別された場合は前記受信手段によって当該コンテンツデータの受信を許諾し、
    前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていると識別された場合は前記受信手段による当該コンテンツデータの受信を阻止し、
    前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾することを示す付加情報、及び、前記コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が付加されていないと識別された場合は前記受信手段による当該コンテンツデータの受信を阻止する
    受信制御手段と、を備え、
    前記情報識別手段は、
    前記コンテンツデータに電子透かし情報として埋め込まれ、前記コンテンツデータの複製が制限されないことを示す値と、前記コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す値と、前記コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す値と、前記コンテンツデータが複製により生成されたコンテンツデータであって、それ以上の複製を許諾しないことを示す値と、のいずれかの値をとる当該コンテンツデータの複製に関する制限を付す付加情報が付加されていることを識別するように構成され、
    前記受信制御手段は、
    前記コンテンツデータの受信を許諾した場合に、さらに、
    前記コンテンツデータに、該コンテンツデータの複製が制限されないことを示す情報、該コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す情報、又は該コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す情報のいずれかの付加情報が付加されている場合に、前記受信手段によって前記コンテンツデータを受信させる一方、
    前記コンテンツデータに、該コンテンツデータが複製により生成されたコンテンツデータであって、それ以上の複製を許諾しないことを示す付加情報が付加されている場合に、前記受信手段による前記コンテンツデータの受信を阻止する
    ことによって前記付加情報の内容を無視したコンテンツデータの拡散を防止することを特徴とするデータ受信装置。
  2. 通信回線を介して受信したコンテンツデータを出力する出力手段と、
    前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾することを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていると識別された場合は前記出力手段によって当該コンテンツデータを出力させ、
    前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていると識別された場合は前記出力手段による当該コンテンツデータの出力を阻止する
    出力制御手段と、を備え、
    前記出力制御手段は、
    前記コンテンツデータに、該コンテンツデータの複製が制限されないことを示す情報、該コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す情報、又は該コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す情報のいずれかの付加情報が付加されている場合に、前記出力手段によって前記コンテンツデータを出力させることを特徴とする請求項1に記載のデータ受信装置。
  3. 前記出力制御手段は、
    前記出力手段による出力が、前記コンテンツデータを記録するための出力の場合、前記コンテンツデータに、該コンテンツデータの複製が制限されないことを示す情報、又は該コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す情報のいずれかの付加情報が付加されている場合に、前記出力手段によって前記コンテンツデータを出力させることを特徴とする請求項2に記載のデータ受信装置。
  4. 前記出力制御手段は、
    前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾することを示す付加情報及び前記コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていないと識別された場合、前記出力手段による当該コンテンツデータの出力を阻止する、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のデータ受信装置。
  5. 通信回線を介してコンテンツデータを配信する配信装置と、この配信装置と前記通信回線を介して接続されるデータ受信装置とを備えてなる配信システムであって、
    前記配信装置は、通信回線を介した配信が許諾されているか否かを示す付加情報が付加された前記コンテンツデータを配信するものであり、
    前記データ受信装置は、
    前記通信回線を介してコンテンツデータを受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信中のコンテンツデータから前記配信装置が有する配信手段によって配信され電子透かし情報として埋め込まれた付加情報を抽出することによって、該コンテンツデータの配信を許諾すること又は該コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が付加されていることを識別する情報識別手段と、
    前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾することを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていると識別された場合は前記受信手段によって当該コンテンツデータの受信を許諾し、
    前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が前記コンテンツデータに付加されていると識別された場合は前記受信手段による当該コンテンツデータの受信を阻止し、
    前記情報識別手段によって、前記コンテンツデータの配信を許諾することを示す付加情報、及び、前記コンテンツデータの配信を許諾しないことを示す付加情報が付加されていないと識別された場合は前記受信手段による当該コンテンツデータの受信を阻止する
    受信制御手段と、を備え、
    前記情報識別手段は、前記配信装置が有する配信手段によって配信された、前記コンテンツデータに電子透かし情報として埋め込まれ、前記コンテンツデータの複製が制限されないことを示す値と、前記コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す値と、前記コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す値と、前記コンテンツデータが複製により生成されたコンテンツデータであって、それ以上の複製を許諾しないことを示す値と、のいずれかの値をとる当該コンテンツデータの複製に関する制限を示す付加情報が付加されていることを識別するように構成され、
    前記データ受信装置が有する前記受信制御手段は、
    前記コンテンツデータの受信を許諾した場合に、さらに、
    前記コンテンツデータに、該コンテンツデータの複製が制限されないことを示す情報、該コンテンツデータの複製を一世代に限って許諾することを示す情報、又は該コンテンツデータの複製を許諾しないことを示す情報のいずれかの付加情報が付加されている場合に、前記受信手段によって前記コンテンツデータを受信させる一方、
    前記コンテンツデータに、該コンテンツデータが複製により生成されたコンテンツデータであって、それ以上の複製を許諾しないことを示す付加情報が付加されている場合に、前記受信手段による前記コンテンツデータの受信を阻止する
    ことによって前記付加情報の内容を無視したコンテンツデータの拡散を防止することを特徴とする配信システム。
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